JP2003066647A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2003066647A
JP2003066647A JP2001257600A JP2001257600A JP2003066647A JP 2003066647 A JP2003066647 A JP 2003066647A JP 2001257600 A JP2001257600 A JP 2001257600A JP 2001257600 A JP2001257600 A JP 2001257600A JP 2003066647 A JP2003066647 A JP 2003066647A
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image forming
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Hiroshi Sugimura
博 杉村
幹男 ▲角▼井
Mikio Kadoi
Yuji Tanaka
裕二 田中
Masaki Hashimoto
昌樹 橋本
Toshinao Ishida
稔尚 石田
Masanori Matsumoto
雅則 松本
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的および機械的に充分な性能と高耐久性
とを有する画像形成方法を達成する。 【解決手段】 電子写真感光体表面を帯電して静電潜像
を形成し、静電潜像を現像、転写して画像を形成する画
像形成方法において、電子写真感光体表面の感光層が、
バインダ樹脂として下記一般式(1)で表される構造単
位を有する重合体化合物を含む電子写真感光体を用い、
電子写真感光体に形成された静電荷像を、少なくともバ
インダ樹脂と着色剤とから成る着色粒子に、不定形の磁
性体を外添したトナーを用いて現像して可視化する。 【化9】 (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7およびR8
は、各々、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても
よい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい
炭素数4〜10の環状炭化水素基または置換基を有して
もよいアリール基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の感光体と特
定の現像剤を用いて画像を形成する長寿命な画像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真感光体(以下、単に
「感光体」とも称す)の光導電性素材としては、Se、
CdSおよびZnOなどの無機材料が用いられていた
が、耐刷性が低く、毒性や温度特性などに問題を有して
いることから、近年では無公害で成膜性に優れ、かつ材
料の選択範囲の広い有機光導電性材料が用いられるよう
になり、これを用いた電子写真感光体の開発が盛んに行
われている。該有機光導電性材料を用いた有機感光体と
しては、機能分離型および単層型などの様々な感光層構
成の感光体が提案されている。
【0003】機能分離型感光体は、支持体上に、電荷発
生材料をバインダ樹脂中に分散させた電荷発生層と、光
導電性材料である電荷輸送材料をバインダ樹脂中に分散
させた電荷輸送層とを積み重ねた積層構造の感光層を有
する構成である。この積層構造は、電荷発生層上に電荷
輸送層を積層させた構造、電荷輸送層上に電荷発生層を
積層させた逆二層型構造などの構成がある。単層型感光
体は、支持体上の感光層が、バインダ樹脂中に電荷発生
材料および電荷輸送材料を分散させた単層構造の構成で
ある。特に、感光層として電荷発生層上に電荷輸送層を
積層させた機能分離型感光体は、電子写真特性や耐久性
に優れ、材料選択の自由度も高く、様々な感光体特性を
もたせることができることから広く実用化されている。
【0004】これらの実用化されている有機感光体にお
いて、主な課題は耐久性であり、特に、繰返し使用時の
膜削れ、ならびに、膜の電気的変化や化学的変化に起因
する帯電電位の低下および残留電位の上昇などの特性変
化を起こしやすいと云う問題がある。これらの問題は、
帯電および露光による潜像作成、トナー像の転写紙への
転写、ならびに感光体表面の残留トナーをブレードなど
で除去するなどの過程が幾度ともなく繰返される画像形
成プロセスにおいて、感光層の耐刷性が充分でないこ
と、画像形成プロセス中で暴露される光またはオゾンお
よび窒素酸化物などのチャージ生成物によって膜中の有
機光導電性化合物の変性や分解が引起こされることが主
要因である。したがって、有機感光体において、実用上
充分な耐久性は確保されていない。
【0005】画像形成プロセスの中で電子写真感光体に
要求される性能は、たとえば、帯電されたときの表面電
位が高く、キャリア保持率が大きく、光感度が高く、し
かもあらゆる環境下においてこれらの電気特性の変動が
少ないことである。また、膜強度が高く、繰返し使用に
おける耐摩耗性に優れ、ライフを通じて電気特性の安定
性が高いことも要求される。さらに、電子写真感光体
は、その生産効率を向上させるために、物理的にも化学
的にもより安定した感光体塗布液によって作製されるこ
とが要求される。これらの要求に対し、感光体の表面層
ともなる電荷輸送層に含有されるバインダ樹脂の役割は
非常に重要である。
【0006】このような感光体に使用されるバインダ樹
脂としては、ビスフェノールA型のポリカーボネート樹
脂が用いられている。しかし、ビスフェノールA型ポリ
カーボネート樹脂は結晶性が高いので、その溶液はゲル
化を起こしやすく、短期間で感光体塗布液が使用不可能
となるという欠点を有している。また、塗布により膜形
成を行った場合、膜表面に結晶性ポリカーボネート樹脂
が析出して生産効率が低下したり、作製した感光体を複
写機中で使用したときに、結晶性ポリカーボネート樹脂
が析出して生じた凸部にトナーが付着し、その部分のト
ナーがクリーニングによって除去されずに残り、クリー
ニング不良による画像欠陥を生じるという欠点を有して
いる。さらに、このビスフェノールA型ポリカーボネー
ト樹脂をバインダ樹脂として用いた電子写真感光体を電
子写真複写機に用いた場合には、現像工程やクリーニン
グ工程で擦られることによって感光層表面に傷が付きや
すく、感光層が摩耗しやすいという欠点を有している。
【0007】また、ビスフェノールAと他の分子とのコ
ポリマーをバインダ樹脂として用いることが検討されて
いるが、まだ充分な成果は得られていない。また、特開
平3−20768号公報には、感光層表面にバインダ樹
脂としてビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂を用
いることにより、耐久性を改良する技術が提案されてい
る。このビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂をバ
インダ樹脂として用いた感光体は、耐刷性や耐摩耗性は
良好であるが、初期感度が悪く、高温高湿下で繰返し使
用すると残留電位が上昇するという欠点を有している。
また、特許番号第2531852号明細書には、新規な
特定構造のポリカーボネート樹脂が提案されている。
【0008】さらに、用いる樹脂の欠点を補うために、
2種以上の樹脂を混合することが検討されている。たと
えば、特許番号第1735655号明細書には、ビスフ
ェノールA型ポリカーボネート樹脂とビスフェノールZ
型ポリカーボネート樹脂とを混合することが開示され、
特開平6−317917号公報には、対称性ジオールよ
り合成されたポリカーボネート樹脂と非対称性ジオール
より合成されたポリカーボネート樹脂とを混合すること
が開示されている。また、特開平7−209893号公
報で、画像形成プロセスにおける耐久性は、感光体の表
面層に用いられるポリカーボネート樹脂の改良だけでな
く、使用される現像剤によっても大きく変動することが
指摘され、特定の感光体と現像剤とを組合せる画像形成
方法が提案されている。しかし、近年の画像形成プロセ
スの小型化および高速化に対応するにはまだ不充分であ
る。
【0009】このように、近年、感光体のみならず、現
像剤にも長期の繰返し使用において感光体上の静電潜像
を高画質に忠実に表現できる性能を維持することができ
る長寿命化が要求されている。現像剤としては、キャリ
アとトナーとからなる2成分現像剤が多く使用されてい
る。このトナーは、母核をなすバインダ樹脂と着色剤と
からなる着色粒子の外表面に、様々な添加剤(外添剤)
を付着させて作製することにより、トナーに要求される
性能を実現している。その外添剤として、磁性体も広く
使用されている。この磁性体の役割としては、導電性付
与による繰返し使用時のチャージアップの抑制効果、紙
紛や感光体上の硝酸化合物などの帯電生成物の除去を目
的としたクリーニング効果がある。この磁性体の形状と
しては、不定形のものと球形のものとが知られている。
不定形のものには、八面体、立方体、板状および針状の
ものがある。
【0010】不定形の磁性体は、球形の磁性体に比べて
非常に研磨性が高く、感光体の膜減りを懸念して少量に
抑える必要がある。そこで長寿命化のために、従来から
研磨性の低い球形の磁性体を多く添加して効果の長期持
続を図る手法などが取られている。このように球形の磁
性体を多く外添すると、長寿命化の効果がより向上する
一方で、母核より離れて磁性体同士が凝集して現像槽に
溜まって穂立ち不良を来たし、結果として画像ムラにな
ってしまうという問題がある。
【0011】したがって、現像剤として、少量でもクリ
ーニング効果の高い不定形の磁性体を母核に外添したト
ナーを用いることが、プロセスの長寿命化には望ましい
ことである。しかしながら、研磨性が高く、従来の短い
ライフでの使用には適しても、長期の使用では感光体の
性能が維持できず、小型かつ高速のプロセスで使用する
には困難である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電気
的および機械的に充分な性能と高耐久性とを有する画像
形成方法を達成することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子写真感光
体表面を帯電して静電潜像を形成し、該静電潜像を現
像、転写して画像を形成する画像形成方法において、前
記電子写真感光体表面の感光層が、バインダ樹脂として
下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体化
合物を含む電子写真感光体を用い、前記電子写真感光体
に形成された静電荷像を、少なくともバインダ樹脂と着
色剤とから成る着色粒子に、不定形の磁性体を外添した
トナーを用いて現像して可視化することを特徴とする画
像形成方法である。
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6
7およびR8は、各々、水素原子、ハロゲン原子、置換
基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
有してもよい炭素数4〜10の環状炭化水素基または置
換基を有してもよいアリール基を表す。)
【0016】本発明に従えば、表面の感光層にバインダ
樹脂として特定の重合体化合物を含有する電子写真感光
体を用いることによって、耐摩耗性に優れて実用上充分
な電気的および機械的性能を有し、少なくともバインダ
樹脂と着色剤とから成る着色粒子に、不定形の磁性体を
外添したトナーを用いることによって、外添される磁性
体が少量でもクリーニング効果を高くして、感光体のバ
インダ樹脂の耐摩耗性とも相俟って感光体の膜減りを防
止して、長期にわたって画像欠陥が発生しないようにす
ることができる。したがって、電気的および機械的に充
分な性能と高耐久性とを有する画像形成方法を達成する
ことができる。
【0017】また本発明は、前記重合体化合物の粘度平
均分子量が30,000以上70,000以下であるこ
とを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、前記重合体化合物の粘度
平均分子量を特定の範囲に設定することによって、相溶
性および溶解性を向上して感光体表面の電位の均一性を
向上しつつ、耐摩耗性を向上することができ、より機械
的に高耐久性を有する画像形成方法とすることができ
る。
【0019】また本発明は、前記感光層が、電荷発生材
料を含有する電荷発生層上に、前記バインダ樹脂および
電荷輸送材料を含有する電荷輸送層を積層して成ること
を特徴とする。
【0020】本発明に従えば、電荷発生層上に積層した
電荷輸送層に、前記重合体化合物を含有させることによ
って、電気的および機械的に耐久性の高い層を感光体表
面に形成して、実用上充分な性能とすることができ、高
感度で高速化に対応した画像形成方法とすることができ
る。
【0021】また本発明は、トナーに外添される不定形
の磁性体がマグネタイトであることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、トナーに外添される不定
形の磁性体にマグネタイトを用いることによって、環境
に影響を及ぼさず、より安価で、磁気特性のコントロー
ルが比較的容易で生産性に優れた画像形成方法とするこ
とができる。
【0023】また本発明は、トナーに外添される不定形
の磁性体が八面体形状であることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、トナーに八面体形状の磁
性体を外添することによって、適度に高い研磨性を有
し、クリーニング効果を高くしながら感光体の膜減りを
抑え、長期使用において画像欠陥のない画像形成方法を
達成することができる。
【0025】また本発明は、前記不定形の磁性体がトナ
ー全重量に対して0.1%以上5%以下でトナーに外添
されていることを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、トナー全重量に対して特
定の範囲で磁性体をトナーに外添することによって、少
なすぎてライフでのチャージアップを抑制できず、特に
反転現像で繰返し使用時の画像濃度低下を大きくした
り、多すぎて感光体の摩耗が著しくて繰返し使用時のキ
ズの発生が顕著となったりすることを防止し、長期繰返
し使用における耐摩耗およびクリーニング効果を最適に
両立した画像形成方法を達成することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態による画像
形成方法は、露光、現像、転写およびクリーニングを行
う工程を有し、表面層に特定のバインダ樹脂を含有する
電子写真感光体と、該感光体上に帯電および露光によっ
て形成された静電荷像を現像して可視化するトナーとし
て、少なくともバインダ樹脂と着色剤とを含む着色粒子
に不定形の磁性体を外添したトナーを用いることを特徴
とする。
【0028】本実施の一形態による画像形成方法に用い
られる電子写真感光体の構成としては、導電性支持体の
上に感光層を設けた構成であり、種々の実施形態があ
る。
【0029】図1は、電荷発生層5の上に電荷輸送層6
を積層した積層型感光層を有する電子写真感光体の一例
を模式的に示す断面図である。導電性支持体1の上に、
電荷発生材料2を含有する電荷発生層5と、バインダ樹
脂7および電荷輸送材料3を含有する電荷輸送層6との
積層からなる感光層4が設けられた積層型感光体であ
る。
【0030】図2は、同一層中に電荷発生材料2および
電荷輸送材料3を含有する単層型感光層を有する電子写
真感光体の一例を模式的に示す断面図である。導電性支
持体1の上に、バインダ樹脂7、電荷発生材料2および
電荷輸送材料3を含有する感光層14が設けられた単層
型感光体である。
【0031】図3は、図1の電子写真感光体において中
間層8を有する例を模式的に示す断面図である。導電性
支持体1と図1と同様の感光層4との間に中間層8を設
けた積層型感光体である。
【0032】図4は、図2の電子写真感光体において中
間層8を有する例を模式的に示す断面図である。導電性
支持体1と図2と同様の感光層14との間に中間層8を
設けた単層型感光体である。
【0033】本発明の実施の形態における電子写真感光
体は、図1〜4を代表的な構成として、種々の層構成を
採ることができる。
【0034】導電性支持体1の材料としては、たとえ
ば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステン
レス、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、
チタン、金および白金などの金属ならびに合金材料を用
いることができる。その他、アルミニウム、アルミニウ
ム合金、酸化錫、金および酸化インジウムなどを蒸着ま
たは塗布したポリエステルフィルム、紙および金属フィ
ルム、導電性粒子を含有したプラスチックおよび紙、な
らびに導電性ポリマーを含有するプラスチックなどを用
いることができる。これらの材料は、円筒状、円柱状、
または薄膜シート状に加工して用いられる。
【0035】導電性支持体1と感光層4または14との
間には、中間層8を導入してもよい。中間層8は、無機
層または有機層として形成される。無機層の材料として
は、たとえば、アルミニウム陽極酸化被膜、酸化アルミ
ニウムおよび水酸化アルミニウムなどが用いられる。有
機層の材料としては、ポリビニルアルコール、カゼイ
ン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロー
ス類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド
およびポリアミドなどを用いることができる。この有機
層には、無機顔料として、アルミニウム、銅、錫、亜鉛
およびチタンなどの金属、ならびに酸化亜鉛、酸化アル
ミニウムおよび酸化チタンなどの金属酸化物などの導電
性または半導電性微粒子を含有させてもよい。有機層に
含有させる酸化チタンの結晶形としては、アナターゼ
型、ルチル型およびアモルファスなどがあり、いずれを
用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。また、
酸化チタン粒子は、表面をAl23やZrO2などの金
属酸化物およびその混合物などで被覆させて用いること
が好ましい。
【0036】中間層8に含有されるバインダ樹脂として
は、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デ
ンプン、ポリウレタン、ポリイミドおよびポリアミドな
どの樹脂を用いることができ、好ましくはポリアミド樹
脂が用いられる。これは、ポリアミド樹脂が、中間層8
の上に感光層4または14を形成するための感光層用塗
布液に用いられる溶剤に対して溶解や膨潤などが起こさ
ず、導電性支持体1との接着性に優れ、可撓性を有する
など、バインダ樹脂の特性として必要とされる性質を有
するからである。ポリアミド樹脂のうち、より好ましく
はアルコール可溶性ナイロン樹脂を用いることができ
る。たとえば、6−ナイロン、66−ナイロン、610
−ナイロン、11−ナイロンおよび12−ナイロンなど
を共重合させた、いわゆる共重合ナイロン、ならびに、
N−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アルコキ
シエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変
性させたタイプなどがある。
【0037】中間層8を形成するための中間層用塗布液
に使用される有機溶剤としては、一般的な有機溶剤を使
用することができる。ただし、バインダ樹脂として、よ
り好ましいポリアミド樹脂であるアルコール可溶性ナイ
ロン樹脂を用いる場合には、炭素数1〜4の低級アルコ
ール群から選ばれた単独系もしくは混合系の有機溶剤、
または、前述の低級アルコール群から選ばれた有機溶剤
に、たとえば、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2
−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トルエ
ン、テトラヒドロフランおよび1,3−ジオキソランな
どの低級アルコール以外の有機溶剤からなる群から選ば
れた有機溶剤を混合した混合系の有機溶剤を使用するこ
とが好ましい。低級アルコール群から選ばれた有機溶剤
に低級アルコール以外の有機溶剤を混合することによ
り、低級アルコール群の有機溶剤のみを使用するよりも
酸化チタンの分散性が改善され、塗布液の保存安定性の
長期化や塗布液の再生が可能となる。また、中間層用塗
布液中に導電性支持体1を浸漬し、塗布により中間層8
を形成する際には、中間層8の塗布欠陥やムラが防止さ
れ、その上に形成される感光層4または14が均一に塗
布できるので、膜欠陥のない非常に優れた画像特性を有
する電子写真感光体を作製することができる。
【0038】中間層8は、前述の無機顔料に溶剤とバイ
ンダ樹脂とを加え、ボールミル、ダイノーミル、超音波
発振機などの分散機を用いて分散して調製した中間層用
塗布液を導電性支持体1の上に塗布することにより形成
される。塗布方法としては、導電性支持体1がシートの
場合にはベーカーアプリケータ、バーコータ、キャステ
ィングおよびスピンコートなどが、ドラムの場合にはス
プレイ法、垂直リング法および浸漬塗布法などが用いら
れる。
【0039】電荷発生層5は、光照射により電荷を発生
する電荷発生材料2を主成分として含有する。電荷発生
材料2としては、ペリレンイミドおよびペリレン酸無水
物などのペリレン系顔料、キナクリドンおよびアントラ
キノンなどの多環キノン系顔料、金属フタロシアニン、
無金属フタロシアニンおよびハロゲン化無金属フタロシ
アニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色
素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、ならび
に、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリ
フェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサ
ジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨
格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリル
カルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。
【0040】このうち、特に高い電荷発生能を有する顔
料としては、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニ
ルフタロシアニン顔料、フローレン環およびフルオレノ
ン環を含有するビスアゾ顔料、ならびに、芳香族アミン
からなるビスアゾ顔料およびトリスアゾ顔料が挙げられ
る。これらの顔料を用いることで、高い感度を有する感
光体を提供することができる。さらに、オキソチタニル
フタロシアニン顔料のうち、CuKα特性X線によるX
線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2
°)で27.3°に回折ピークを示す結晶型のものは、
さらに高感度であるのでより好ましい。
【0041】電荷発生層5には、結着性を増すためのバ
インダ樹脂として、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリ
ビニルアセテート樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリビニ
ルアセトアセタール樹脂、ポリビニルプロピオナール樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹
脂、アクリル樹脂、セルロースエステル、セルロースエ
ーテルおよび塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂など
の各種樹脂を加えてもよい。
【0042】また、電荷発生層5には、必要に応じて、
塗布性を改善するためのレベリング剤、可塑剤、酸化防
止剤および増感剤などの従来公知の各種添加剤を含有し
てもよい。
【0043】電荷発生層5は、前述の電荷発生材料2の
微粒子またはこれに必要な場合にはバインダ樹脂などを
添加したものを適当な有機溶剤に加え、ボールミル、サ
ンドグラインダ、ペイントシェーカおよび超音波分散機
などによって粉砕、分散して調製した塗布液を、導電性
支持体1または中間層8の上に塗布することにより形成
される。塗布方法としては、導電性支持体1がシートの
場合にはベーカーアプリケータ、バーコータ、キャステ
ィングおよびスピンコートなどが、ドラムの場合にはス
プレイ法、垂直リング法および浸漬塗工法などが用いら
れる。
【0044】電荷発生層5の膜厚は、0.05〜5μm
が好ましく、より好ましくは0.1〜1μmが好適であ
る。
【0045】電荷発生層6は、電荷発生層5の上に設け
られ、電荷発生材料2で発生した電荷を受入れ、これを
輸送する能力を有する電荷輸送材料3および特定のバイ
ンダ樹脂7を必須成分として含有する。
【0046】特定のバインダ樹脂7は、下記一般式
(1)で示される構造単位を有する重合体化合物である
ポリカーボネート樹脂Aである。
【0047】
【化3】
【0048】(式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6
7およびR8は、各々、水素原子、ハロゲン原子、置換
基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を
有してもよい炭素数4〜10の環状炭化水素残基または
置換基を有してもよいアリール基を表す。) 前記一般式(1)で示される構造単位の具体例を表1に
示す。
【0049】
【表1】
【0050】ポリカーボネート樹脂Aは、構造が非対称
であるので、結晶化しにくく、生産効率がよい。また、
嵩張る基がないので、溶液から乾固される際には密に充
填して強固に成膜して膜の機械的強度を向上させて良好
な耐摩耗性を得ることができる。さらに、電荷輸送材料
3との相溶性に優れているので、電気特性を悪化させる
ことがなく、繰返し使用時の表面電位の低下および残留
電位の上昇などの電気特性の変動が小さい。
【0051】ポリカーボネート樹脂Aの分子量として
は、感光体の電気特性、繰返し安定性および耐刷性の面
から、粘度平均分子量が30,000〜70,000で
あることが好ましい。粘度平均分子量が30,000未
満の場合、電荷輸送材料3との相溶性が高く、電気特性
の繰返し安定性に優れるが、耐刷性の低下が著しくな
る。70,000より大きい場合、耐刷性は向上する
が、電荷輸送層用塗布液の粘度が上昇し、電荷輸送材料
3との混合に長時間を要したり、塗布膜のムラが発生し
やすくなり、生産性が低下する。
【0052】また、ポリカーボネート樹脂Aは、下記一
般式(2)で示される構造単位を有する重合体化合物で
あるポリカーボネート樹脂Bと混合して用いてもよい。
【0053】
【化4】
【0054】(式中、R9,R10,R11,R12,R13
14,R15およびR16は、各々、水素原子、ハロゲン原
子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、
置換基を有してもよい炭素数4〜10の環状炭化水素基
または置換基を有してもよいアリール基を表す。Zは、
置換基を有してもよい炭素環または置換基を有してもよ
い複素環を形成するために必要な原子群である。) 前記一般式(2)で示される構造単位の具体例を表2に
示す。
【0055】
【表2】
【0056】ポリカーボネート樹脂Bは、ガス透過率が
小さいので、オゾンおよびNOxなどの感光体特性を劣
化させるガスの浸透を防ぐことができる。また、電荷輸
送層材料3との相溶性に優れ、耐久性にも優れている。
【0057】ポリカーボネート樹脂Bの分子量として
は、粘度平均分子量が15,000〜35,000であ
ることが好ましい。粘度平均分子量が15,000未満
の場合、帯電プロセスにて発生されるオゾンやNOxな
どによるHT白抜けや黒帯が抑えられて画像安定性は向
上するが、耐刷性の低下が著しくなり、35,000よ
り大きい場合、耐刷性は向上するが、初期感度の低下、
繰返し使用時の残留電位の上昇および画像安定性の低下
が大きくなる。
【0058】ポリカーボネート樹脂Aとポリカーボネー
ト樹脂Bとの混合比率A/Bとしては、重量比でA/B
が2/8〜8/2の範囲であることが好ましい。A/B
がこれより一般式(1)で表される構造単位を主成分と
する樹脂が少ない場合には所望の機械的強度が得られ
ず、キズが発生しやすくなる。逆にこれより一般式(2
/8より小さい、すなわちポリカーボネート樹脂Aの比
率が低い場合には、所望の機械的強度が得られず、感光
体表面に傷が発生しやすくなる。逆に、A/Bが8/2
より大きい、すなわちポリカーボネート樹脂Bの比率が
低い場合には、オゾンやNOxなどによって感光体特性
が劣化し、画像にHT白抜けや黒帯が発生しやすくな
る。
【0059】電荷輸送材料3としては、電子供与性物質
または電子受容性物質が用いられる。電子供与性物質と
しては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導
体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよび
その誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびそ
の誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレ
ン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イ
ミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミ
ノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリ
ルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン
類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、
テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン
系化合物、スチルベン系化合物および3−メチル−2−
ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などが挙げら
れる。電子受容性物質としては、フルオレノン誘導体、
ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導
体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘
導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン
誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエ
チレン、テトラシアノキノジメタン、ブロマニル、クロ
ラニルおよびベンゾキノンなどが挙げられる。特に、下
記一般式(3)で示されるブタジエン系化合物、下記一
般式(4)で示されるスチリル系化合物および下記一般
式(5)で示されるアミン系化合物は、電荷輸送能力が
高いので、バインダ樹脂7の比率が高い状態でも高感度
を維持でき、より好適である。
【0060】
【化5】
【0061】(式中、Ar1,Ar2,Ar3およびAr4
は、各々、置換基を有してもよいアリール基を表し、A
1〜Ar4のうちの少なくとも1つは置換基として置換
アミノ基を有するアリール基である。nは0または1を
表す。)
【0062】
【化6】
【0063】(式中、Ar5は、置換基を有してもよい
アリール基、Ar6は、置換基を有してもよいフェニレ
ン基、ナフチレン基、ビフェニレン基またはアントリレ
ン基を表す。R17は、水素原子,低級アルキル基または
低級アルコキシ基を表す。Xは、水素原子、置換基を有
してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリ
ール基を表す。Yは、置換基を有してもよいアリール基
を表す。)
【0064】
【化7】
【0065】(式中、R18,R19,R20,R21,R22
よびR23は、各々、水素原子、ハロゲン原子,アルキル
基またはアルコキシ基を表し、p,q,tおよびuは各
々1〜5の整数、rおよびsは各々1〜4の整数を表
す。)
【0066】前記一般式(3)で示されるブタジエン系
化合物の具体例を表3および表4に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】前記一般式(4)で示されるスチリル系化
合物の具体例を表5〜8に示す。
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】前記一般式(5)で示されるアミン系化合
物の具体例を表9および10に示す。
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【0076】電荷輸送層6は、これらの電荷輸送材料3
が、前記バインダ樹脂7に結着した形で形成される。
【0077】電荷輸送層6において、前記電荷輸送材料
3(C)と前記バインダ樹脂7(D)との比率C/D
は、重量比で、一般的に用いられる10/5〜10/2
5程度とするが、耐摩耗性向上の観点からは10/15
〜10/24が好適である。C/Dが10/15より大
きい、すなわち電荷輸送材料3の比率が高い場合には、
光感度特性は良好であるが、帯電特性および膜の機械的
強度が低下したり、帯電プロセスにて発生されるオゾン
やNOxなどによってHT白抜けや黒帯が発生し、画像
安定性が低下する。C/Dが10/24より小さい、す
なわちバインダ樹脂7の比率が高い場合には、逆に、帯
電特性、機械的強度および画像安定性は良好であるが、
光感度特性が著しく低下する。
【0078】電荷輸送層6には、成膜性、可撓性および
塗布性などを向上させるために、可塑剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤およびレベリング剤などの添加剤を含有さ
せてもよい。前記酸化防止剤としては、一般に樹脂など
に添加して利用される酸化防止剤をそのまま使用するこ
とができる。たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、
ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニ
レンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導
体、有機硫黄化合物ならびに有機燐化合物などを用いる
ことができる。前記レベリング剤としては、シリコーン
オイル類または側鎖にパーフルオロアルキル基を有する
ポリマーもしくはオリゴマーが使用でき、使用量はバイ
ンダ樹脂7の100重量部に対し、1重量部以下が好ま
しい。
【0079】電荷輸送層6は、前述の電荷輸送材料3、
バインダ樹脂7および添加剤を適当な溶剤に溶解させて
塗布液を調製し、該塗布液を前述の中間層8および電荷
発生層5と同様の方法を用いて、電荷発生層5の上に塗
布することにより形成される。溶剤としては、メタノー
ルおよびエタノールなどのアルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン
類、エチルエーテルおよびテトラヒドロフランなどのエ
ーテル類、クロロホルム、ジクロロエタンおよびジクロ
ロメタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、
クロロベンゼンおよびトルエンなどの芳香族炭化水素類
などが用いられる。特に好ましい溶剤は、テトラヒドロ
フランである。
【0080】電荷輸送層用の塗布液は、電荷輸送材料
3、バインダ樹脂7および添加剤を軽量し、所定量の前
述の溶剤に同時に溶解させる一般的な方法によって調製
してもよいが、バインダ樹脂7を溶剤中に溶解させた後
に電荷輸送材料3および添加剤を投入して溶解させる方
法が特に好ましい。この方法によれば、バインダ樹脂7
への電荷輸送材料3の分子分散性が向上し、膜中での潜
在的かつ局所的な電荷輸送材料3の結晶化が抑制される
ことにより、初期感度の向上、繰返し使用時の電位安定
性、良好な画像特性などが付与される。
【0081】電荷輸送層6の膜厚は、約10〜50μ
m、好ましくは約10〜35μmである。
【0082】単層型感光体の場合には、前述の電荷発生
材料2、電荷輸送材料3およびバインダ樹脂7を、前述
の適当な溶剤に溶解させて塗布液を調製し、該塗布液を
前述の中間層8などと同様の方法を用いて塗布すること
により単層型の感光層14を形成する。前記電荷輸送材
料3とバインダ樹脂7との比率および感光層14の膜厚
は、前述の積層型感光体の場合と同様である。なお、感
光層14にも感光層4と同様の添加剤を加えることがで
きる。
【0083】次に、以上のように構成された電子写真感
光体とともに用いるトナーについて説明する。
【0084】前述のように、本実施の一形態による画像
形成方法において用いるトナーは、少なくともバインダ
樹脂と着色剤とを含む着色粒子に不定形の磁性体を外添
したものである。
【0085】トナーに用いるバインダ樹脂としては、ス
チレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタ
ジエン樹脂およびアクリル樹脂などの付加重合型樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリスルホネート樹脂およびポリエチレン樹脂な
どの縮合重合型樹脂ならびにエポキシ樹脂などを用いる
ことができる。
【0086】このうち、ポリエステル樹脂は、たとえば
アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られる。
該アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール
および1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,
4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフ
ェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエ
チレン化ビスフェノールAおよびポリオキシプロピレン
化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール
類、これらを炭素数3〜22の飽和または不飽和の炭化
水素基で置換した2価のアルコール単体、その他の2価
のアルコール単体を挙げることができる。
【0087】前記カルボン酸としては、たとえばマレイ
ン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジ
ピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜2
2の飽和または不飽和の炭化水素基で置換した2価の有
機酸単量体、これらの酸無水物、低級アルキルエステル
とリノレイン酸との2量体、その他の2価の有機酸単量
体を挙げることができる。
【0088】トナーのバインダ樹脂として用いるポリエ
ステル樹脂を得るためには、以上の2官能性単量体のみ
による重合体のみでなく、3官能以上の多官能性単量体
による成分を含有する重合体を用いることも好適であ
る。
【0089】またスチレン−アクリル樹脂は、たとえば
スチレン類、アクリル酸類、メタクリル酸類およびその
誘導体から選ばれる1種以上のモノマーを重合して得ら
れる。使用できるモノマーの例としては、スチレン類と
してスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエンお
よびクロルスチレンなどが挙げられる。
【0090】アクリル酸類およびその誘導体としては、
アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−
テトラデシル、アクリル酸n−ヘキサデシル、アクリル
酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジ
エチルアミノエチルおよびアクリル酸ジメチルアミノエ
チルなどのアクリル酸エステル類が挙げられる。
【0091】メタクリル酸類およびその誘導体として
は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタ
クリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
フェニル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジメチル
アミノエチル、メタクリル酸グリシジルおよびメタクリ
ル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステル類があげら
れる。
【0092】前述のモノマー以外に、スチレン−アクリ
ル樹脂の効果を損なわない範囲で少量の他のモノマー、
たとえばアクリロニトリル、2−ビニルピリジン、4−
ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルメチルエ
ーテル、ブタジエン、イソプレン、無水マレイン酸、マ
レイン酸、マレイン酸モノエステル類、マレイン酸ジエ
ステル類および酢酸ビニルなどが用いられてもよい。
【0093】スチレン−アクリル樹脂の重合に用いられ
る架橋剤として、2官能および多官能の架橋剤がある。
2官能の架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ビス(4
−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチ
レングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリ
コールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアク
リレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコール#200,#400および#600の
各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリ
エステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、な
らびに、これらのアクリレートをメタクリレートとした
ものが挙げられる。
【0094】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレートおよびそのメタクリレート、
2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌ
レート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリ
メリテート、ならびに、ジアリールクロレンデートなど
が挙げられる。
【0095】トナーに用いる着色剤としては、トナー用
として従来公知のものをすべて使用できる。黒色の着色
剤としては、たとえば、カーボンブラック、アニリンブ
ラック、ファーネスブラックおよびランプブラックなど
を使用できる。シアンの着色剤としては、たとえば、フ
タロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブル
ー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマ
リンブルーなどを使用できる。マゼンタの着色剤として
は、たとえば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナク
リドン、ウォッチレングレッド、ローズベンガル、ロー
ダミンBおよびアリザリンレーキなどを使用できる。イ
エローの着色剤としては、たとえば、クロムイエロー、
ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエ
ロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエローおよびタ
ートラジンなどを使用できる。
【0096】前述のバインダ樹脂および着色剤を含む着
色粒子には、帯電制御剤や離型剤を含有してもよい。帯
電制御剤としては、従来公知のものが全て使用できる。
正帯電制御剤としては、ニグロシン、塩基性染料、塩基
性染料のレーキ顔料、4級アンモニウム塩化合物などが
挙げられる。負帯電制御剤としては、モノアゾ染料の金
属塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属錯
体などが挙げられる。離型剤としては、従来公知のもの
が全て使用できるが、ポリプロピレン、ポリスチレンな
どの合成ワックス、脱遊離脂肪酸型カルナウバワック
ス、モンタンワックスおよびライスワックスなどを単独
または組合せて使用することができる。
【0097】前記着色粒子には、必要に応じて添加物を
混合してもよい。添加物としては、たとえば、ポリテト
ラフルオロエチレンであるテフロン(商標名)およびス
テアリン酸亜鉛のような滑剤、酸化セリウムおよび炭化
ケイ素などの研磨剤、ケーキング防止剤、カーボンブラ
ック、酸化スズなどの導電性付与剤、低分子量ポリオレ
フィンなどの定着助剤、無機微粒子を使用できる。この
無機微粒子として、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸
化チタン、チタン酸バリウムおよびそれらの疎水化処理
物など、従来公知のいかなる無機微粒子でも、単独また
は混合して使用することができる。
【0098】着色粒子に外添する磁性体材料としては、
不定形、特に八面体形状のものが好ましく用いられる。
八面体形状の磁性体は、クリーニング効果が最も高いか
らである。
【0099】その磁性体の材質は、マグネタイト、ヘマ
タイトおよびフェライトなどの酸化鉄、鉄、コバルトお
よびニッケルのような金属またはこれらの金属とアルミ
ニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン
およびバナジウムのような金属との合金ならびにその混
合物などが挙げられる。特に磁気特性のコントロールが
比較的簡単にでき、環境問題にも配慮し、コストが安い
マグネタイトが好ましい。これらの磁性体材料には、シ
ランカップリング剤やシリコーンオイルによる疎水化処
理などで表面処理を施してもよい。
【0100】磁性体材料の外添量としては、0.1%以
上5%以下が好ましい。0.1%未満では、ライフでの
チャージアップを抑制する効果が少なく、反転現像では
繰返し使用時の画像濃度の低下が大きい。逆に5%を超
えると感光体の摩耗が著しく繰返し使用時のキズの発生
が顕著となる。
【0101】このようなトナーを構成する着色粒子を得
るには、前述のバインダ樹脂中にカーボンブラックなど
の着色剤を20重量%以下で混合し、必要な場合には荷
電制御剤や離型剤を混合させ、溶融、混練、冷却、粉砕
および分級の各工程を経た後、必要に応じて熱処理を施
す。また、前記着色剤および添加剤をバインダ樹脂モノ
マー中に含有させたものを攪拌下に重合して球形トナー
を得ることもできる。したがって、トナーは、粉砕法に
よって製造されたトナーでも、粉砕法以外の製造方法、
たとえば重合法によって製造されたトナーでもよく、ま
た、それらの混合物でもよい。得られた着色粒子は、磁
性体材料等と混合した後、メッシュを通して所望の粒径
のトナーを得る。
【0102】本実施形態において、前記トナーは、キャ
リアとともに2成分系の現像剤として使用される。該キ
ャリアとしては、従来公知の磁性粒子を用いることがで
き、その磁性粒子サイズは、体積平均粒径30〜100
μmの範囲であり、好ましくは50〜80μmの範囲で
ある。キャリアは、前記磁性粒子の表面が、スチレン−
アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、
フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂な
どでコーティングされていてもよい。さらに接着付与
剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤などを含有し
てもよい。特に、トナーの融着防止効果が高いことや剥
離しにくいことからコーティングする樹脂としてはシリ
コーン樹脂が好ましい。被覆量は、磁性粒子の単位重量
当たり0.1〜10%の範囲が好ましく、被覆方法とし
ては、乾式コーティング法がより好ましく、特に減圧条
件下で処理することによって樹脂中の単量体の残量を制
御できるので好適である。
【0103】このようにして作製したキャリアは、画像
形成装置でのトナーの初期帯電量が適切となるように前
記トナーと混合し、現像剤として現像器に充填して用い
る。
【0104】図5は、本発明の実施の一形態による画像
形成装置の概略構成を示す構成図である。画像形成装置
は、電子写真感光体11、半導体レーザ21、帯電器2
2、現像器23、転写帯電器24、定着器25およびク
リーナ26を含んで構成される。
【0105】感光体11は、図示しない駆動手段によっ
て矢符31の方向に回転可能に画像形成装置に搭載さ
れ、半導体レーザ21の結像点よりも感光体11の回転
方向上流側に設けられた帯電器22は、感光体11の表
面を均一に帯電させる。半導体レーザ21は、レーザビ
ームを、回転する感光体11の表面に対してその長手方
向に繰返し走査して結像させ、静電潜像を形成する。前
記結像点よりも回転方向下流側に設けられた現像器23
は、感光体11にトナーを供給し、静電潜像をトナー像
として現像し、現像器23のさらに回転方向下流側に設
けられた転写帯電器34は、感光体11への露光と同期
して転写紙28にトナー像を転写する。定着器25は、
転写紙28にトナー像を定着させ、画像が形成された転
写紙28は排紙される。クリーナ36は、帯電器32の
回転方向上流側に設けられ、感光体11表面に残留する
トナーを清掃する。
【0106】このように構成された画像形成装置におい
て、前記感光体と、前記トナーおよびキャリアから成る
現像剤とが使用されて、電気的および機械的に充分な性
能と高耐久性とを有する画像形成方法が実行される。
【0107】(実施例)以下に本発明の実施例を具体的
に説明するが、これにより本発明の実施態様が限定され
るものではない。
【0108】(実施例1) 《感光体の作製》酸化チタン(石原産業社製TTO55
A)7重量部と共重合ナイロン(東レ社製CM800
0)13重量部とを、メチルアルコール159重量部と
1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加
え、ペイントシェーカにて8時間分散処理して中間層用
塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満たし、導電
性支持体として直径30mm、全長326.3mmのア
ルミニウム製のドラム状支持体を、浸漬して引き上げ、
自然乾燥して膜厚1μmの中間層を形成した次いで、チ
タニルフタロシアニン1重量部と、ブチラール樹脂(電
気化学工業社製16000−C)1重量部とをメチルエ
チルケトン98重量部に混合し、ペイントシェーカにて
分散処理して電荷発生層用塗布液を調製した。調製した
電荷発生層用塗布液を先に形成した中間層上に塗布し、
自然乾燥して膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
【0109】次いで、例示化合物(3−1)の構造式で
示されるブタジエン系化合物(アナン社製T405)1
00重量部と、構造式(1−1)で示される構造単位を
有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,0
00)80重量部と、構造式(2−1)で示される構造
単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量2
1,500)(三菱ガス化学社製PCZ200)80重
量部と、2,6−ビス−tert−ブチル−4−メチル
フェノール(住友化学社製スミライザーBHT)5重量
部とを混合し、テトラヒドロフランを溶剤として固形分
21重量%の電荷輸送層用塗布液を調製した。該電荷輸
送層用塗布液を先に形成した電荷発生層上に塗布し、1
10℃にて1時間乾燥して膜厚21μmの電荷輸送層を
形成した。
【0110】このようにして図3に示した層構成を有す
る積層型の実施例1の電子写真感光体を作製した。
【0111】《トナーの作製》バインダ樹脂としてポリ
エステル樹脂100重量部と、着色剤としてカーボンブ
ラック6重量部と、離型剤として低分子ポリプロピレン
3重量部と、帯電制御剤としてモノアゾ染料(オリエン
ト化学社製S−34)2重量部とを混合し、溶融、粉砕
および分級してトナーの着色粒子を得た。この着色粒子
に、外添する磁性粒子として八面体形状のマグネタイト
(チタン工業社製BL−220)1重量部を混合し、ヘ
ンシェルミキサで攪拌混合後、メッシュを通して大粒径
の粒子を除いて平均粒径10μmの最終トナーを得た。
【0112】《キャリアの作製》体積平均粒径55μm
の球形鉄粉にシリコーン樹脂を0.3μm厚に被覆して
キャリアを得た。
【0113】《2成分現像剤の作製》前記最終トナー7
重量部と前記キャリア93重量部とをボールミルで混合
し、実施例1の現像剤を得た。
【0114】《評価》市販の複写機(シャープ社製AR
−N200)に実施例1の電子写真感光体を搭載し、実
施例1の現像剤を現像槽に投入し、黒ベタ画像、白ベタ
画像およびハーフトーン画像の3種の画像を形成するこ
とによって初期画像を確認した。
【0115】次いで、A4用紙5万枚のコピーを行った
後、初期と同様に3種の画像を確認するとともに、搭載
した電子写真感光体を取出して膜厚を測定し、摩耗量を
算出した。
【0116】(実施例2)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用のバインダ樹脂として構造式(1
−1)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹
脂を120重量部とし、構造式(2−1)で示される構
造単位を有するポリカーボネート樹脂を30重量部とし
た他は、実施例1と同様にして実施例2の電子写真感光
体を作製した。実施例2の電子写真感光体を実施例1の
現像剤とともに用い、実施例1と全く同様にして評価し
た。
【0117】(実施例3)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用のバインダ樹脂として構造式(1
−1)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹
脂を30重量部とし、構造式(2−1)で示される構造
単位を有するポリカーボネート樹脂を120重量部とし
た他は、実施例1と同様にして実施例3の電子写真感光
体を作製した。実施例3の電子写真感光体を実施例1の
現像剤とともに用い、実施例1と全く同様にして評価し
た。
【0118】(実施例4)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用のバインダ樹脂として構造式(1
−1)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹
脂を粘度平均分子量25,000のものとした他は、実
施例1と同様にして実施例4の電子写真感光体を作製し
た。実施例4の電子写真感光体を実施例1の現像剤とと
もに用い、実施例1と全く同様にして評価した。
【0119】(実施例5)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用のバインダ樹脂として構造式(1
−1)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹
脂を粘度平均分子量75,000のものとした他は、実
施例1と同様にして実施例5の電子写真感光体を作製し
た。
【0120】しかし、電荷輸送層用塗布液が高粘度にな
り、膜厚ムラが発生したので、導電性支持体としてアル
ミニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィル
ム(厚さ100μm)を用い、この上に、中間層、電荷
発生層、電荷輸送層をアプリケータにて塗布した後、乾
燥して電子写真感光体を作製した。膜厚および乾燥条件
は実施例1と同様にした。作製した電子写真感光体を実
施例1で用いたものと同じ形状および大きさのドラム状
支持体に貼り付け、評価用の実施例5の電子写真感光体
を作製した。実施例5の電子写真感光体を実施例1の現
像剤とともに用い、実施例1と全く同様にして評価し
た。
【0121】(実施例6)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用の電荷輸送材料として構造式(4
−8)で示されるスチリル系化合物を用いた他は、実施
例1と同様にして実施例6の電子写真感光体を作製し
た。実施例6の電子写真感光体を実施例1の現像剤とと
もに用い、実施例1と全く同様にして評価した。
【0122】(実施例7)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用の電荷輸送材料として構造式(5
−1)で示されるアミン系化合物を用いた他は、実施例
1と同様にして実施例7の電子写真感光体を作製した。
実施例7の電子写真感光体を実施例1の現像剤とともに
用い、実施例1と全く同様にして評価した。
【0123】(実施例8)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用の電荷輸送材料として4−ジベン
ジルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド−1,1−ジ
フェニルヒドラゾン(アナン社製CTC−191)を用
いた他は、実施例1と同様にして実施例8の電子写真感
光体を作製した。実施例8の電子写真感光体を実施例1
の現像剤とともに用い、実施例1と全く同様にして評価
した。
【0124】(実施例9) 《感光体の作製》酸化チタン(石原産業社製TTO55
A)7重量部と共重合ナイロン(東レ社製CM800
0)13重量部とを、メチルアルコール159重量部と
1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加
え、ペイントシェーカにて8時間分散処理して中間層用
塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満たし、導電
性支持体として直径30mm、全長326.3mmのア
ルミニウム製のドラム状支持体を、浸漬し引き上げ、自
然乾燥して膜厚1μmの中間層を形成した。
【0125】次いで、オキソチタニルフタロシアニン8
重量部をテトラヒドロフラン100重量部に混合し、ペ
イントシェーカにて分散処理した後、例示化合物(3−
2)の構造式で示されるブタジエン系化合物(アナン社
製T405)100重量部と、構造式(1−1)で示さ
れる構造単位を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均
分子量50,000)80重量部と、構造式(2−1)
で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂(粘
度平均分子量21,500)(三菱ガス化学社製PCZ
200)80重量部と、2,6−ビス−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノール(住友化学社製スミライザー
BHT)5重量部と、テトラヒドロフラン1170重量
部とを混合し、攪拌して感光層用塗布液を調製した。調
製した感光層用塗布液を前述の中間層と同様の方法で先
に設けた中間層上に塗布した後、110℃で1時間乾燥
して膜厚20μmの感光層を形成した。
【0126】このようにして図4に示した層構成を有す
る単層型の実施例9の電子写真感光体を作製した。
【0127】《トナーの作製》バインダ樹脂としてスチ
レン−アクリル樹脂100重量部と、着色剤としてカー
ボンブラック6重量部と、離型剤として低分子ポリプロ
ピレン3重量部と、帯電制御剤としてニグロシン染料
(オリエント化学社製N−04)2重量部とを混合し、
溶融、粉砕および分級してトナーの着色粒子を得た。こ
の着色粒子に、外添する磁性粒子として八面体形状のマ
グネタイト(チタン工業社製BL−220)1重量部を
混合し、ヘンシェルミキサで攪拌混合後、メッシュを通
して大粒径の粒子を除いて平均粒径10μmの最終トナ
ーを得た。
【0128】《キャリアの作製》体積平均粒径55μm
の球形鉄粉にシリコーン樹脂を0.3μm厚に被覆して
キャリアを得た。
【0129】《2成分現像剤の作製》前記最終トナー7
重量部と前記キャリア93重量部とをボールミルで混合
し、実施例9の現像剤を得た。
【0130】《評価》市販の複写機(シャープ社製AR
−N200)を正帯電仕様に改造して実施例9の電子写
真感光体を搭載し、実施例9の現像剤を現像槽の投入
し、黒ベタ画像、白ベタ画像およびハーフトーン画像の
3種の画像を形成することによって初期画像を確認し
た。
【0131】次いで、A4用紙5万枚のコピーを行った
後、初期と同様に3種の画像を確認するとともに、搭載
した電子写真感光体を取出して膜厚を測定し、摩耗量を
算出した。
【0132】(実施例10)実施例1の電子写真感光体
において、電荷輸送層用のバインダ樹脂として構造式
(1−1)で示される構造単位を有するポリカーボネー
ト樹脂を粘度平均分子量30,000のものとした他
は、実施例1と同様にして実施例10の電子写真感光体
を作製した。実施例10の電子写真感光体を実施例1の
現像剤とともに用い、実施例1と全く同様にして評価し
た。
【0133】(実施例11)実施例1の電子写真感光体
において、電荷輸送層用のバインダ樹脂として構造式
(1−1)で示される構造単位を有するポリカーボネー
ト樹脂(粘度平均分子量50,000)160重量部の
みを用いた他は、実施例1と同様にして実施例11の電
子写真感光体を作製した。実施例11の電子写真感光体
を実施例1の現像剤とともに用い、実施例1と全く同様
にして評価した。
【0134】(実施例12)実施例1の現像剤におい
て、トナーの着色粒子に外添する磁性粒子として八面体
形状のマグネタイト(チタン工業社製BL−200)1
重量部を用いた他は、実施例1と同様にして実施例12
の現像剤を作製した。実施例12の現像剤を実施例1の
電子写真感光体とともに用い、実施例1と全く同様にし
て評価した。
【0135】(実施例13)実施例1の現像剤におい
て、トナーの着色粒子に外添する磁性粒子として多面体
形状のマグネタイト(関東電化社製KBP−S)1重量
部を用いた他は、実施例1と同様にして実施例13の現
像剤を作製した。実施例13の現像剤を実施例1の電子
写真感光体とともに用い、実施例1と全く同様にして評
価した。
【0136】(実施例14)実施例1の現像剤におい
て、トナーの着色粒子に外添する磁性粒子として八面体
形状のマグネタイト(チタン工業社製BL−220)4
重量部を用いた他は、実施例1と同様にして実施例14
の現像剤を作製した。実施例14の現像剤を実施例1の
電子写真感光体とともに用い、実施例1と全く同様にし
て評価した。
【0137】(実施例15)実施例1の現像剤におい
て、トナーの着色粒子に外添する磁性粒子として八面体
形状のマグネタイト(チタン工業社製BL−220)6
重量部を用いた他は、実施例1と同様にして実施例15
の現像剤を作製した。実施例15の現像剤を実施例1の
電子写真感光体とともに用い、実施例1と全く同様にし
て評価した。
【0138】(比較例1)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用のバインダ樹脂として下記構造式
(6)で示される構造単位を有する変性ポリカーボネー
ト樹脂160重量部のみとした他は、実施例1と同様に
して比較例1の電子写真感光体を作製した。比較例1の
電子写真感光体を実施例1の現像剤とともに用い、実施
例1と全く同様にして評価した。
【0139】
【化8】
【0140】(比較例2)実施例1の電子写真感光体に
おいて、電荷輸送層用のバインダ樹脂として構造式(2
−1)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹
脂(粘度平均分子量21,500)(三菱ガス化学社製
PCZ200)160重量部のみとした他は、実施例1
と同様にして比較例2の電子写真感光体を作製した。比
較例2の電子写真感光体を実施例1の現像剤とともに用
い、実施例1と全く同様にして評価した。
【0141】(比較例3)実施例1の現像剤において、
トナーの着色粒子に外添する磁性粒子として球状のマグ
ネタイト(チタン工業社製BL−400)1重量部を用
いた他は、実施例1と同様にして比較例3の現像剤を作
製した。比較例3の現像剤を実施例1の電子写真感光体
とともに用い、実施例1と全く同様にして評価した。
【0142】(比較例4)実施例1の現像剤において、
トナーの着色粒子に外添する磁性粒子として球状のマグ
ネタイト(チタン工業社製BL−400)10重量部を
用いた他は、実施例1と同様にして比較例4の現像剤を
作製した。比較例4の現像剤を実施例1の電子写真感光
体とともに用い、実施例1と全く同様にして評価した。
【0143】(比較例5)実施例1の現像剤において、
トナーの着色粒子に外添する磁性粒子としてマグネタイ
トを用いなかった他は、実施例1と同様にして比較例5
の現像剤を作製した。比較例5の現像剤を実施例1の電
子写真感光体とともに用い、実施例1と全く同様にして
評価した。実施例1〜15および比較例1〜5の結果を
表11に示す。
【0144】
【表11】
【0145】表11の評価結果から、前記一般式(1)
で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂Aを
含有する感光体と、不定形の磁性体を外添したトナーと
を用いた実施例では、5万枚使用後も良好な画像を得る
ことができた。
【0146】比較例1および2では、ポリカーボネート
樹脂A以外のバインダ樹脂を用いたので、摩耗が激し
く、膜厚が薄くなり過ぎて帯電性が低下し、画像全体に
カブリが生じ、感光体上のキズに起因する黒スジも多数
発生した。比較例3では、球形の磁性体を外添したトナ
ーを使用したので、感光体上の堆積物が除去されないで
フィルミングが発生し、画像では黒スジとなった。比較
例4は、比較例3におけるフィルミングによる黒スジを
防止するために、球形の磁性体を増量したものであり、
黒スジの発生は防止できたが、白スジが発生した。この
要因は、磁性体を多量に添加したことによって、一部が
トナーから分離し現像槽に溜まって穂立ち不良が発生し
たものと考えられる。比較例5では、マグネタイトを用
いなかったので、感光体上の堆積物が除去されないでフ
ィルミングが発生し、黒スジが多発する画像となった。
【0147】なお、実施例4のように、ポリカーボネー
ト樹脂Aの粘度平均分子量が特定の範囲の下限を下回っ
た感光体を用いた場合は、摩耗量が若干多くなった。逆
に、実施例5のように、ポリカーボネート樹脂Aの粘度
平均分子量が特定の範囲の上限を超えた感光体を用いた
場合には、浸漬塗布が困難でアプリケータやスプレイで
の塗布が必要であった。実施例8では、電荷輸送材料と
してブタジエン系化合物、スチリル系化合物またはアミ
ン系化合物以外のものを用いたので、若干、感度が低
く、露光調整が必要であった。実施例9は、単層型感光
体としたので、積層型感光体に比べ感度が若干低く、露
光調整が必要であった。実施例11では、ポリカーボネ
ート樹脂Aのみを用いてポリカーボネート樹脂Bを用い
なかったので、繰返し使用によってオゾンやNOxに暴
露された部分が劣化し、ハーフトーン画像に若干の画像
ムラが発生したが、傷の発生はなく、実用上問題ないレ
ベルであった。実施例13では、トナーに外添する不定
形の磁性体を多面体のものとしたので、八面体のものよ
りクリーニング性が弱く、感光体両端の画像域外では紙
紛の付着が見られた。実施例15では、トナーに外添す
る八面体形状のマグネタイトの使用量を多くしたので、
若干摩耗量が多くなった。
【0148】
【発明の効果】本発明によれば、表面の感光層にバイン
ダ樹脂として特定の重合体化合物を含有する電子写真感
光体を用いることによって、耐摩耗性に優れて実用上充
分な電気的および機械的性能を有し、少なくともバイン
ダ樹脂と着色剤とから成る着色粒子に、不定形の磁性体
を外添したトナーを用いることによって、外添される磁
性体が少量でもクリーニング効果を高くして、感光体の
バインダ樹脂の耐摩耗性とも相俟って感光体の膜減りを
防止して、長期にわたって画像欠陥が発生しないように
することができる。したがって、電気的および機械的に
充分な性能と高耐久性とを有する画像形成方法を達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電荷発生層5の上に電荷輸送層6を積層した積
層型感光層を有する電子写真感光体の一例を模式的に示
す断面図である。
【図2】同一層中に電荷発生材料2および電荷輸送材料
3を含有する単層型感光層を有する電子写真感光体の一
例を模式的に示す断面図である。
【図3】図1の電子写真感光体において中間層8を有す
る例を模式的に示す断面図である。
【図4】図2の電子写真感光体において中間層8を有す
る例を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の実施の一形態による画像形成装置の概
略構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生材料 3 電荷輸送材料 4,14 感光層 5 電荷発生層 6 電荷輸送層 7 バインダ樹脂 8 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 裕二 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 橋本 昌樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 石田 稔尚 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 松本 雅則 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA08 CB03 EA07 2H068 AA13 AA37 BA12 BA13 BB26 FA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体表面を帯電して静電潜像
    を形成し、該静電潜像を現像、転写して画像を形成する
    画像形成方法において、 前記電子写真感光体表面の感光層が、バインダ樹脂とし
    て下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体
    化合物を含む電子写真感光体を用い、 前記電子写真感光体に形成された静電荷像を、少なくと
    もバインダ樹脂と着色剤とから成る着色粒子に、不定形
    の磁性体を外添したトナーを用いて現像して可視化する
    ことを特徴とする画像形成方法。 【化1】 (式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7およびR8
    は、各々、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても
    よい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい
    炭素数4〜10の環状炭化水素基または置換基を有して
    もよいアリール基を表す。)
  2. 【請求項2】 前記重合体化合物の粘度平均分子量が3
    0,000以上70,000以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記感光層が、電荷発生材料を含有する
    電荷発生層上に、前記バインダ樹脂および電荷輸送材料
    を含有する電荷輸送層を積層して成ることを特徴とする
    請求項1または2記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 トナーに外添される不定形の磁性体がマ
    グネタイトであることを特徴とする請求項1〜3のうち
    のいずれか1記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 トナーに外添される不定形の磁性体が八
    面体形状であることを特徴とする請求項1〜4のうちの
    いずれか1記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記不定形の磁性体がトナー全重量に対
    して0.1%以上5%以下でトナーに外添されているこ
    とを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1記載の
    画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007316097A (ja) * 2006-05-23 2007-12-06 Kyocera Mita Corp 積層型電子写真感光体及び画像形成装置
JP2008176053A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Sharp Corp 画像形成装置
JP2010160367A (ja) * 2009-01-09 2010-07-22 Canon Inc トナーカートリッジ

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