JP2008174226A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 通常走行性能を維持するとともに、タイヤ温度を効率的に低減させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 本発明は、乱流を発生させる乱流発生用突起17をタイヤ表面15に備える空気入りタイヤであって、乱流発生用突起17が、該乱流発生用突起17のタイヤ回転方向幅の中心を通りかつタイヤ回転方向に対して垂直な突起中心線CLよりも前側に、タイヤ回転方向に向かって凹凸する前方凹凸部17を備えることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、乱流を発生させる乱流発生用突起を備える空気入りタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤにおけるタイヤ温度の上昇は、材料物性の変化などの経時的変化を促進したり、高速走行時にはトレッド部の破損などの原因になり、耐久性の観点から好ましくないとされている。特に、重荷重での使用となるオフザロードラジアルタイヤ(ORR)や、トラック・バスラジアルタイヤ(TBR)、パンク走行時(内圧0kPa走行時)のランフラットタイヤにおいては、耐久性を向上させるために、タイヤ温度を低減させることが大きな課題となっている。
例えば、三日月状のサイドウォール補強層を有するランフラットタイヤでは、パンク走行時にタイヤ径方向の変形がサイドウォール補強層に集中して、該サイドウォール補強層が非常に高温に達してしまい、耐久性に多大な影響を与えている。
このような空気入りタイヤにおけるタイヤ温度を低減させる技術として、空気入りタイヤの各構成部材(特に、サイドウォール部に位置するカーカス層やビード部など)の歪みを低減・抑制する補強部材を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−76431号公報(第1〜4頁、図3,5,10,11,12)
しかしながら、上述した従来の空気入りタイヤでは、補強部材が設けられることによって、タイヤ重量の増加や補強部材でのセパレーション(剥離)など意図しない新たな故障の発生してしまうことがあり、操縦安定性や乗り心地性等の通常走行性能を悪化させてしまうという問題があった。特に、ランフラットタイヤでは、通常内圧走行時の縦バネ(タイヤ縦方向の弾力性)が高まり、通常走行性能を悪化させることが懸念され、この通常走行性能を損なわない手法が求められていた。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、通常走行性能を維持するとともに、タイヤ温度を効率的に低減させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した状況に基づいて、発明者らは、タイヤ温度を効率的に低減させることについて分析した。この結果、空気入りタイヤの回転に伴い、該空気入りタイヤの周り発生する流体の速度勾配(速度)を速くすることが、タイヤ温度の放熱率を高めることが判明した。
そこで、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴に係る発明は、乱流を発生させる乱流発生用突起をタイヤ表面に備える空気入りタイヤであって、乱流発生用突起が、乱流発生用突起のタイヤ回転方向幅の中心を通りかつタイヤ回転方向に対して垂直な突起中心線よりも前側に、タイヤ回転方向に向かって凹凸する前方凹凸部を備えることを要旨とする。
なお、タイヤ表面は、タイヤ外面(例えば、トレッド部やサイドウォール部の外表面)及びタイヤ内面(例えば、インナーライナーの内表面)を含むものとする。
かかる特徴によれば、乱流発生用突起が前方凹凸部を備えることによって、乱流発生用突起のタイヤ回転方向の前側で圧力を上昇させることができ、この圧力上昇に伴い、乱流発生用突起の周囲の流体を加速させる(すなわち、タイヤ温度の放熱率を高める)ことができる。これにより、新たな故障が発生することなく、通常走行性能を維持するとともに、タイヤ温度を効率的に低減させることができる。
その他の特徴に係る発明は、突起中心線上において、タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面と、タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面との長さである突起径方向長さ(D)が、0.3mm〜15mmであることを要旨とする。
かかる特徴によれば、突起径方向長さ(D)が0.3mm〜15mmであることによって、乱流発生用突起の根元部分の温度上昇を低減させることができるとともに、乱流発生用突起の周囲の流体をさらに加速させることが可能となる。
その他の特徴に係る発明は、タイヤ表面から、タイヤ表面に対して最も突出する最大突出位置までの高さである突起最大高さ(H)が、0.3mm〜15mmであることを要旨とする。
かかる特徴によれば、突起最大高さ(H)が0.3mm〜15mmであることによって、乱流発生用突起の根元部分の温度上昇を低減させることができるとともに、乱流発生用突起の周囲の流体をさらに加速させることが可能となる。
その他の特徴に係る発明は、乱流発生用突起が、突起中心線よりも後側に、タイヤ回転方向の後側に向かって突出する後方凸部、及び、タイヤ回転方向に向かってへこむ後方凹部の少なくとも一方を備えることを要旨とする。
かかる特徴によれば、乱流発生用突起が後方凸部を備えることによって、乱流発生用突起のタイヤ回転方向の後側で圧力を低減させることができ、逆流してくる流体を主流にスムーズに戻すことができるため、タイヤ温度を効率的に低減させることができる。
また、乱流発生用突起が後方凹部を備えることによって、乱流発生用突起の体積を少なくなり、かつ、乱流発生用突起の根元部分とタイヤ表面との距離が短くなるため、乱流発生用突起の根元部分の温度上昇を低減させることが可能となる。
さらに、乱流発生用突起が後方凸部及び後方凹部を備えることによって、乱流発生用突起の周囲の流体を加速させることができるのみではなく、乱流発生用突起の根元部分の温度上昇をも低減させることが可能となり、タイヤ温度をさらに効率的に低減させることができる。
その他の特徴に係る発明は、タイヤ回転方向の最も前側に位置する前方面とタイヤ表面とがなす角度である前方角度(θ1)、及び、タイヤ回転方向の最も後側に位置する後方面とタイヤ表面とがなす角度である後方角度(θ2)が、45度〜135度であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、前方角度(θ1)及び後方角度(θ2)が45度〜135度であることによって、前方面に衝突する流体の流れにより該前方面で圧力を上昇させることができ、乱流発生用突起の周囲の流体をさらに加速させることが可能となる。
その他の特徴に係る発明は、タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面とタイヤ表面とがなす角度である内側角度(θ3)、及び、タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面とタイヤ表面とがなす角度である外側角度(θ4)が、45度〜135度であることを要旨とする。
かかる特徴によれば、内側角度(θ3)及び外側角度(θ4)が45度〜135度であることによって、流体が前方面に衝突して乱流発生用突起の周囲に広がる際に、この乱流発生用突起の周囲に剥離する(広がる)流体を確実に加速させること可能となる。
その他の特徴に係る発明は、タイヤ回転方向の最も前側に位置する前方面及びタイヤ表面の交差位置と、タイヤ表面に対して最も突出する最大突出位置とのなす角度である前方最大角度(θ5)、及び、タイヤ回転方向の最も後側に位置する後方面及びタイヤ表面の交差位置と、最大突出位置とのなす角度である後方最大角度(θ6)が、45度〜135度であることを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面及びタイヤ表面の交差位置と、タイヤ表面に対して最も突出する最大突出位置とのなす角度である内側最大角度(θ7)、及び、タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面及びタイヤ表面の交差位置と、最大突出位置とのなす角度である外側最大角度(θ8)が、45度〜135度であることを要旨とする。
その他の特徴に係る発明は、乱流発生用突起が、サイドウォール部に設けられていることを要旨とする。
かかる特徴によれば、乱流発生用突起がサイドウォール部に設けられていることによって、撓みなどにより温度の上昇が激しいとされる部分(例えば、ランフラットタイヤの場合、パンク状態におけるサイドウォール補強層の外側)でタイヤ温度を効率的に低減させることが可能となり、耐久性をも向上させることができる。
その他の特徴に係る発明は、乱流発生用突起が、トレッド部に形成される溝の底面及び側面の少なくとも一方に設けられていることを要旨とする。
かかる特徴によれば、乱流発生用突起がトレッド部に形成される溝の底面及び側面の少なくとも一方に設けられていることによって、セパレーション(剥離)や亀裂が発生しやすいベルト層の端部に最も近いトレッド部に形成される溝近傍でタイヤ温度を低減させることが可能となり、耐久性をも向上させることができる。
その他の特徴に係る発明は、乱流発生用突起が、タイヤ内面に設けられていることを要旨とする。
かかる特徴によれば、乱流発生用突起がタイヤ内面に設けられていることによって、タイヤ内面、特に、パンク状態におけるタイヤ内面の温度を低減させることが可能となり、耐久性をも向上させることができる。
その他の特徴に係る発明は、トレッド幅方向断面において、サイドウォール部を補強する三日月状のサイドウォール補強層をさらに備えていることを要旨とする。
かかる特徴によれば、サイドウォール補強層をさらに備えていることによって、温度の上昇が激しいとされるサイドウォール部でのタイヤ温度を低減させることもでき、耐久性を向上させることができる。
本発明によれば、通常走行性能を維持するとともに、タイヤ温度を効率的に低減させることができる空気入りタイヤを提供することができる。
次に、本発明に係る空気入りタイヤの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
[第1の実施の形態]
(空気入りタイヤの構成)
まず、第1の実施の形態に係る空気入りタイヤの構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、第1の実施の形態に係る空気入りタイヤの一部分解斜視図であり、図2は、第1の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。
図1及び図2に示すように、空気入りタイヤ1は、ビードコア3a及びビードフィラー3bを少なくとも含む一対のビード部3を有している。また、空気入りタイヤ1は、ビードコア3aの周りでトレッド幅方向内側からトレッド幅方向外側へ向けて折り返され、サイドウォール部SWを経由してトロイド状に延びるカーカス層5を有している。
カーカス層5のトレッド幅方向内側には、トレッド幅方向断面において、サイドウォール部SWを補強する三日月状のサイドウォール補強層7が設けられている。サイドウォール補強層7のトレッド幅方向内側には、チューブに相当する気密性の高いゴム層であるインナーライナー9が設けられている。
カーカス層5のタイヤ径方向外側には、タイヤ周方向に対してコードが傾いて配置される第1ベルト層11a,第2ベルト層11bと、タイヤ周方向に対してコードが略平行に配置される周方向ベルト層11cとによって構成されるベルト層11が設けられている。
ベルト層11のタイヤ径方向外側には、路面と接するトレッド部13が設けられている。また、サイドウォール部SWには、タイヤ表面15(サイドウォール部SW表面)から突出し、乱流を発生させる複数の乱流発生用突起17がタイヤ周方向に沿って設けられている。なお、複数の乱流発生用突起17は、任意の間隔で配置することが可能である。
(乱流発生用突起17の構成)
次に、乱流発生用突起17の構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、第1の実施の形態に係る乱流発生用突起を示す斜視図であり、図4(a)は、第1の実施の形態に係る乱流発生用突起を示す上面図(図3のA矢視図)であり、図4(b)は、第1の実施の形態に係る乱流発生用突起のタイヤ径方向視を示す断面図(図3のB−B断面図)であり、図4(c)は、第1の実施の形態に係る乱流発生用突起のタイヤ回転方向視を示す正面図(図3のC矢視図)である。
図3及び図4に示すように、乱流発生用突起17は、タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面17Aと、タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面17Bと、タイヤ回転方向の最も前側に位置する前方面17Cと、タイヤ回転方向の最も後側に位置する後方面17Dと、タイヤ表面15に対して最も突出する突出面17Eとによって構成されている。
この乱流発生用突起17は、タイヤ径方向から見た状態であるタイヤ径方向視(図4(b)参照)及び乱流発生用突起17をタイヤ回転方向の前方側から見た状態であるタイヤ回転方向視(図4(c)参照)で平行四辺形状に形成されている。
乱流発生用突起17は、該乱流発生用突起17のタイヤ回転方向幅の中心を通りかつタイヤ回転方向に対して垂直な突起中心線CLよりも前側(すなわち、前方面17C)に、タイヤ回転方向に向かって凹凸する前方凹凸部19を備えている。
図4(a)に示すように、前方凹凸部19は、2箇所の前方凸部19Aと、1箇所の前方凹部19Bとによって構成されている。また、前方凹凸部19(前方凸部19A及び前方凹部19B)は、直線状で形成されている。
また、突起中心線CLにおいて、内側面17Aと外側面17Bとの最大の長さである突起径方向長さ(D)は、0.3mm〜15mmで設定される。特に、突起径方向長さ(D)は、乱流発生用突起17の根元部分T1(図5(a)参照)の温度をタイヤ表面15に逃がしやすく、かつ、乱流発生用突起17の周囲に流れる流体を変化させやすくするために、0.5mm〜5mmであることが好ましい。
なお、突起径方向長さ(D)が0.3mmよりも小さいと、乱流発生用突起17の周囲に流れる流体を変化させるには不十分であり、タイヤ温度を効率的に低減させることができない場合がある。また、突起径方向長さ(D)が15mmよりも大きいと、乱流発生用突起17の根元部分T1の温度上昇を低減させるには不十分であり、タイヤ温度を効率的に低減させることができない場合がある。
図4(b)及び図4(c)に示すように、タイヤ表面15から、該タイヤ表面15に対して最も突出する最大突出位置(すなわち、突出面17E)までの高さである突起最大高さ(H)は、0.3mm〜15mmで設定される。特に、突起最大高さ(H)は、乱流発生用突起17の根元部分T1(図5(a)参照)の温度をタイヤ表面15に逃がしやすく、かつ、乱流発生用突起17の周囲に流れる流体を変化させやすくするために、0.5mm〜5mmであることが好ましい。
なお、突起最大高さ(H)が0.3mmよりも小さいと、乱流発生用突起17の周囲に流れる流体を変化させるには不十分であり、タイヤ温度を効率的に低減させることができない場合がある。また、突起最大高さ(H)が15mmよりも大きいと、乱流発生用突起17の根元部分T1の温度上昇を低減させるには不十分であり、タイヤ温度を効率的に低減させることができない場合がある。
図4(b)に示すように、前方面17Cとタイヤ表面15とがなす角度である前方角度(θ1)、及び、後方面17Dとタイヤ表面15とがなす角度である後方角度(θ2)は、45度〜135度で設定される。特に、前方角度(θ1)及び後方角度(θ2)は、タイヤ温度を効率的に低減させるために、70度〜110度であることが好ましい。
なお、前方角度(θ1)及び後方角度(θ2)が45度よりも小さいと、タイヤ表面15上(放熱面上)で流体の流れを止めてしまい、圧力差による流体の加速させることができない場合がある。また、前方角度(θ1)及び後方角度(θ2)が135度よりも大きいと、乱流発生用突起17の周囲に流れる流体を変化させるには不十分であり、タイヤ温度を効率的に低減させることができない場合がある。
図4(c)に示すように、内側面17Aとタイヤ表面15とがなす角度である内側角度(θ3)、及び、外側面17Bとタイヤ表面15とがなす角度である外側角度(θ4)は、45度〜135度で設定される。特に、内側角度(θ3)及び外側角度(θ4)は、タイヤ温度を効率的に低減させるために、70度〜110度であることが好ましい。
なお、内側角度(θ3)及び外側角度(θ4)が45度よりも小さいと、タイヤ表面15上(放熱面上)で流体の流れを止めてしまい、圧力差による流体の加速させることができない場合がある。また、内側角度(θ3)及び外側角度(θ4)が135度よりも大きいと、乱流発生用突起17の周囲に流れる流体を変化させるには不十分であり、タイヤ温度を効率的に低減させることができない場合がある。
(第1の実施の形態に係る作用・効果)
以上説明した第1の実施の形態に係る空気入りタイヤ1によれば、乱流発生用突起17が前方凹凸部19を備えることによって、乱流発生用突起17のタイヤ回転方向の前側(前方面17C)で圧力を上昇させることができ、この圧力上昇に伴い、乱流発生用突起17の周囲の流体を加速させる(すなわち、タイヤ温度の放熱率を高める)ことができる。これにより、新たな故障が発生することなく、通常走行性能を維持するとともに、タイヤ温度を効率的に低減させることができる。
具体的には、図5に示すように、空気入りタイヤ1の回転に伴い、乱流発生用突起17が形成されていないサイドウォール部SWに接触していた流体(以下、主流S1)は、サイドウォール部SWから剥離されて乱流発生用突起17の前方エッジ21を乗りこえて、タイヤ回転方向の逆側(すなわち、後方側)へ向けて加速する。
そして、加速した主流S1は、後方面17Dの背面側でタイヤ表面15に対して鉛直方向に流れる。このとき、流体の流れが滞留する部分(領域)で流れる流体S3は、後方面17Dの背面側で滞留する熱を奪って主流S1に再び流れる。
主流S1が前方エッジ21を乗りこえて加速し、かつ、流体S3が熱を奪って主流S1に再び流れることによって、広範囲でタイヤ温度を低減させることができ、特に、乱流発生用突起17の根元部分T1や、主流S1が鉛直方向で接触する領域T2を低減させることができる。
また、突起径方向長さ(D)が0.3mm〜15mmであることや、突起最大高さ(H)が0.3mm〜15mmであることによって、乱流発生用突起17の根元部分T1の温度上昇を低減させることができるとともに、乱流発生用突起の周囲の流体をさらに加速させることが可能となる。
また、前方角度(θ1)及び後方角度(θ2)が45度〜135度であることによって、前方面17Cに衝突する流体の流れにより該前方面17Cで圧力を上昇させることができ、乱流発生用突起17の周囲の流体をさらに加速させることが可能となる。
また、内側角度(θ3)及び外側角度(θ4)が45度〜135度であることによって、流体が前方面17Cに衝突して乱流発生用突起17の周囲に剥離する(広がる)際に、この乱流発生用突起17の周囲に広がる流体を確実に加速させること可能となる。
また、前方凹凸部19(前方凸部19A及び前方凹部19B)が直線状で形成されていることによって、前方エッジ21の方向へ流れを集中させることができ、乱流発生用突起17の周囲の流体をさらに加速させることが可能となる。
さらに、サイドウォール補強層7を備え、かつ、乱流発生用突起がサイドウォール部に設けられていることによって、撓みなどにより温度の上昇が激しいとされる部分(例えば、パンク状態におけるサイドウォール補強層の外側)でタイヤ温度を効率的に低減させることが可能となり、耐久性をも向上させることができる。
(変形例1)
上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17を構成する前方凹凸部19は、直線状で形成されているものとして説明したが、以下のように変形してもよい。なお、上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
図6は、変形例1に係る乱流発生用突起を示す上面図である。図6(a)に示すように、前方凹凸部19は、2箇所の前方凸部19Aと、1箇所の前方凹部19Bとによって構成されている。また、前方凹凸部19(前方凸部19A及び前方凹部19B)は、曲線状で形成されている。
ここで、前方凹凸部19は、曲線状で形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図6(b)に示すように、2箇所の前方凸部19Aの間に曲線状の前方凹部19Bが形成されていても勿論よい。
このような変形例1に係る空気入りタイヤ1によれば、乱流発生用突起17の周囲の流体をスムーズに加速させるできて、タイヤ温度を効率的に低減させることができる。
(変形例2)
上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17を構成する前方凹凸部19は、2箇所の前方凸部19Aと、1箇所の前方凹部19Bとによって構成されているものとして説明したが、以下のように変形してもよい。なお、上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
図7は、変形例2に係る乱流発生用突起を示す上面図である。図7(a)に示すように、前方凹凸部19は、3箇所の前方凸部19Aと、2箇所の前方凹部19Bとによって構成されている。また、前方凹凸部19(前方凸部19A及び前方凹部19B)は、直線状で形成されている。
ここで、前方凹凸部19は、3箇所の前方凸部19Aと、2箇所の前方凹部19Bとが直線状で形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図7(b)に示すように、3箇所の前方凸部19Aと、2箇所の前方凹部19Bとが曲線状で形成されていても勿論よい。
このような変形例2に係る空気入りタイヤ1によれば、乱流発生用突起17のタイヤ回転方向の前側(前方面17C)で圧力をさらに上昇させることができ、この圧力上昇に伴い、乱流発生用突起17の周囲の流体をさらに加速させる(すなわち、タイヤ温度の放熱率を高める)ことができる。
(変形例3)
上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17は、前方凹凸部19のみを備えているものとして説明したが、以下のように変形してもよい。なお、上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17と同一部分には同一の符号を付して相違する部分を主として説明する。
図8は、変形例3に係る乱流発生用突起を示す斜視図であり、図9(a)は、変形例3に係る乱流発生用突起を示す上面図(図8のA矢視図)であり、図9(b)は、変形例3に係る乱流発生用突起のタイヤ径方向視を示す断面図(図8のB−B断面図)であり、図9(c)は、変形例3に係る乱流発生用突起のタイヤ回転方向視を示す正面図(図8のC矢視図)である。
図8及び図9に示すように、乱流発生用突起17は、突起中心線CLよりも後側(すなわち、後方面17D)に、タイヤ回転方向の後側に向かって突出する後方凸部23A、及び、タイヤ回転方向に向かってへこむ後方凹部23Bを備えている。後方凸部23A及び後方凹部23Bは、図9(a)に示すように、直線状で形成されている。
ここで、乱流発生用突起17は、後方凸部23A及び後方凹部23Bを備えているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図10(a)に示すように、後方凸部23Aのみを備えていてもよく、少なくともいずれか一方を備えていればよい。
また、乱流発生用突起17は、2箇所の後方凸部23Aと、1箇所の後方凹部23Bとによって構成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図10(b)に示すように、3箇所の後方凸部23Aと、2箇所の後方凹部23Bとによって構成されていてもよい。
さらに、後方凸部23A及び後方凹部23Bは、直線状で形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図10(c)に示すように、後方凸部23Aのみが曲線状で形成されていてもよく、図10(d)に示すように、3箇所の後方凸部23Aと、2箇所の後方凹部23Bとが曲線状で形成されていてもよく、図10(e)に示すように、2箇所の後方凸部23Aの間に曲線状の後方凹部23Bが形成されていても勿論よい。
このような変形例3に係る空気入りタイヤ1によれば、乱流発生用突起17が後方凸部23Aを備えることによって、乱流発生用突起17のタイヤ回転方向の後側で圧力を低減させることができ、逆流してくる流体を主流にスムーズに戻すことができるため、タイヤ温度を効率的に低減させることができる。
また、乱流発生用突起17が後方凹部23Bを備えることによって、乱流発生用突起の体積を少なくなり、かつ、乱流発生用突起の根元部分とタイヤ表面との距離が短くなるため、乱流発生用突起の根元部分の温度上昇を低減させることが可能となる。
さらに、乱流発生用突起17が後方凸部23A及び後方凹部23Bを備えることによって、乱流発生用突起17の周囲の流体を加速させることができるのみではなく、乱流発生用突起の根元部分の温度上昇をも低減させることが可能となり、タイヤ温度をさらに効率的に低減させることができる。
(変形例4)
上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17は、タイヤ径方向視で平行四辺形状に形成されているものとして説明したが、以下のように変形してもよい。なお、上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17と同一部分には同一の符号を付して相違する部分を主として説明する。
図11は、変形例4に係る乱流発生用突起を示す斜視図であり、図12(a)は、変形例4に係る乱流発生用突起を示す上面図(図11のA矢視図)であり、図12(b)は、変形例4に係る乱流発生用突起のタイヤ径方向視を示す断面図(図11のB矢視図)であり、図12(c)は、変形例4に係る乱流発生用突起のタイヤ回転方向視を示す正面図(図11のC矢視図)である。
図11及び図12に示すように、乱流発生用突起17は、タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面17Aと、タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面17Bと、タイヤ回転方向の最も前側に位置する前方面17Cと、タイヤ表面15に対して最も突出する突出面17Eとによって構成されている。
この突出面17Eは、タイヤ表面15上でタイヤ回転方向に向けて湾曲している。すなわち、乱流発生用突起17は、タイヤ径方向視で半円球状に形成されている。
図12(b)及び図12(c)に示すように、タイヤ表面15から、該タイヤ表面15に対して最も突出する最大突出位置25までの高さである突起最大高さ(H)は、0.3mm〜15mmで設定される。特に、突起最大高さ(H)は、0.5mm〜5mmであることが好ましい。
図12(b)に示すように、前方突出角度(θ5)及び後方突出角度(θ6)は、45度〜135度で設定される。特に、前方突出角度(θ5)及び後方突出角度(θ6)は、タイヤ温度を効率的に低減させるために、70度〜110度であることが好ましい。
ここで、前方突出角度(θ5)とは、タイヤ回転方向の最も内側位置する前方面(すなわち、突出面17Eの前側)及びタイヤ表面15の交差位置27と最大突出位置25とのなす角度である。また、後方突出角度(θ6)とは、タイヤ回転方向の最も後側に位置する後方面(すなわち、突出面17Eの後方側)及びタイヤ表面15の交差位置29と最大突出位置25とのなす角度である。
なお、前方突出角度(θ5)及び後方突出角度(θ6)が45度よりも小さいと、タイヤ表面15上(放熱面上)で流体の流れを止めてしまい、圧力差による流体の加速させることができない場合がある。また、前方突出角度(θ5)及び後方突出角度(θ6)が135度よりも大きいと、乱流発生用突起17の周囲に流れる流体を変化させるには不十分であり、タイヤ温度を効率的に低減させることができない場合がある。
ここで、乱流発生用突起17では、タイヤ径方向視で半円球状に形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図13に示すように、タイヤ径方向視で三角形状に形成されていてもよく、図14に示すように、タイヤ径方向視で底面(タイヤ表面15に接する乱流発生用突起17の底面)が突出面17Eよりも広い台形状に形成されていてもよく、図15に示すように、タイヤ径方向視で底面が突出面17Eよりも狭い台形状に形成されていてもよい。
このような変形例4に係る空気入りタイヤ1によれば、乱流発生用突起17の周囲の流体をスムーズに加速させるできて、タイヤ温度を効率的に低減させることができる。
また、前方突出角度(θ5)及び後方突出角度(θ6)が45度〜135度であることによって、突出面17Eの前方側に衝突する流体の流れにより該突出面17Eの前方側で圧力を上昇させることができ、乱流発生用突起17の周囲の流体をさらに加速させることが可能となる。
(変形例5)
上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17は、タイヤ回転方向視で平行四辺形状に形成されているものとして説明したが、以下のように変形してもよい。なお、上述した第1の実施の形態に係る乱流発生用突起17と同一部分には同一の符号を付して相違する部分を主として説明する。
図16は、変形例5に係る乱流発生用突起を示す斜視図であり、図17(a)は、変形例5に係る乱流発生用突起を示す上面図(図16のA矢視図)であり、図17(b)は、変形例5に係る乱流発生用突起のタイヤ径方向視を示す断面図(図16のB−B断面図)であり、図17(c)は、変形例5に係る乱流発生用突起のタイヤ回転方向視を示す正面図(図16のC矢視図)である。
図16及び図17に示すように、乱流発生用突起17は、タイヤ回転方向の最も前側に位置する前方面17Cと、タイヤ回転方向の最も後側に位置する後方面17Dと、タイヤ表面15に対して最も突出する突出面17Eとによって構成されている。
この突出面17Eは、タイヤ表面15上でタイヤ径方向に向けて湾曲している。すなわち、乱流発生用突起17は、タイヤ回転方向視で半円球状に形成されている。
図17(b)及び図17(c)に示すように、タイヤ表面15から、該タイヤ表面15に対して最も突出する最大突出位置31までの高さである突起最大高さ(H)は、0.3mm〜15mmで設定される。特に、突起最大高さ(H)は、0.5mm〜5mmであることが好ましい。
図17(c)に示すように、内側突出角度(θ7)及び外側最大角度(θ8)は、45度〜135度で設定される。特に、内側突出角度(θ7)及び外側最大角度(θ8)は、タイヤ温度を効率的に低減させるために、70度〜110度であることが好ましい。
ここで、内側突出角度(θ7)とは、タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面(すなわち、突出面17Eのタイヤ径方向内側)及びタイヤ表面15の交差位置33と最大突出位置25とのなす角度である。また、外側最大角度(θ8)は、タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面(すなわち、突出面17Eのタイヤ径方向外側)及びタイヤ表面15の交差位置35と最大突出位置27とのなす角度である。
なお、内側突出角度(θ7)及び外側最大角度(θ8)が45度よりも小さいと、タイヤ表面15上(放熱面上)で流体の流れを止めてしまい、圧力差による流体の加速させることができない場合がある。また、内側突出角度(θ7)及び外側最大角度(θ8)が135度よりも大きいと、乱流発生用突起17の周囲に流れる流体を変化させるには不十分であり、タイヤ温度を効率的に低減させることができない場合がある。
ここで、乱流発生用突起17では、タイヤ回転方向視で半円球状に形成されているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図18に示すように、タイヤ回転方向視で三角形状に形成されていてもよく、図19に示すように、タイヤ回転方向視で底面が突出面17Eよりも広い台形状に形成されていてもよく、図20に示すように、タイヤ回転方向視で底面が突出面17Eよりも狭い台形状に形成されていてもよい。
このような変形例5に係る空気入りタイヤ1によれば、乱流発生用突起17の周囲の流体をスムーズに加速させるできて、タイヤ温度を効率的に低減させることができる。
また、内側突出角度(θ7)及び外側最大角度(θ8)が45度〜135度であることによって、流体が前方面に衝突して乱流発生用突起17の周囲に広がる際に、この乱流発生用突起17の周囲に剥離する(広がる)流体を確実に加速させること可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る空気入りタイヤの構成について、図21を参照しながら説明する。図21は、第2の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。なお、上述した第1の実施の形態に係る空気入りタイヤ1と同一部分には同一の符号を付して相違する部分を主として説明する。
図21に示すように、トレッド部13に形成される溝13Aには、タイヤ表面15(溝13A表面)から突出し、乱流を発生させる複数の乱流発生用突起17が設けられている。なお、複数の乱流発生用突起17は、任意の間隔で配置することが可能である。
この乱流発生用突起は、図21(a)に示すように、溝13Aの底面13aに設けられている。なお、乱流発生用突起17は、必ずしも溝13Aの底面13aに設けられている必要はなく、例えば、図21(b)に示すように、溝の側面13bに設けられていてもよく、溝の底面13a及び側面13bの少なくとも一方に設けられていればよい。
(第2の実施の形態に係る作用・効果)
以上説明した第2の実施の形態に係る空気入りタイヤ1によれば、乱流発生用突起17がトレッド部13に形成される溝13Aの底面13a及び側面13bの少なくとも一方に設けられていることによって、セパレーション(剥離)や亀裂が発生しやすいベルト層11の端部に最も近いトレッド部13に形成される溝13A近傍でタイヤ温度を低減させることが可能となり、耐久性をも向上させることができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態に係る空気入りタイヤの構成について、図22を参照しながら説明する。図22は、第2の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。なお、上述した第1の実施の形態や第2の実施の形態に係る空気入りタイヤ1と同一部分には同一の符号を付して相違する部分を主として説明する。
図22に示すように、インナーライナー9のトレッド幅方向内側には、タイヤ内面(インナーライナー9)から突出し、乱流を発生させる複数の乱流発生用突起17が設けられている。なお、複数の乱流発生用突起17は、任意の間隔で配置することが可能である。
(第3の実施の形態に係る作用・効果)
以上説明した第3の実施の形態に係る空気入りタイヤ1によれば、乱流発生用突起17がタイヤ内面に設けられていることによって、タイヤ内面、特に、パンク状態におけるタイヤ内面の温度を低減させることが可能となり、耐久性をも向上させることができる。
具体的には、空気入りタイヤ1がパンク状態となると、空気入りタイヤ1に空いた穴を介してタイヤ内部の流体(内気)とタイヤ外部の流体(外気)とが熱交換する。このとき、乱流発生用突起17をタイヤ内面に設けることで、タイヤ内部の流体を加速させることが可能となり、熱交換をスムーズに行うことができるため、パンク状態におけるタイヤ内面の温度を低減させることが可能となる。
特に、サイドウォール補強層7が設けられる空気入りタイヤ(ランフラットタイヤ)では、サイドウォール補強層7が設けられていないタイヤと比べて、パンク状態となるとタイヤ内部の温度が高くなってしまう。このため、乱流発生用突起17をタイヤ内面に設けることで、タイヤ内部の温度を低減させて、耐久性をも向上させることができる。
[その他の実施の形態]
上述したように、本発明の実施の形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
具体的には、空気入りタイヤ1は、サイドウォール補強層7を有しているもの(すなわち、ランフラットタイヤ)として説明しがが、これに限定されるものではなく、サイドウォール補強層7を有していないもの(例えば、オフザロードラジアルタイヤ(ORR)や、トラック・バスラジアルタイヤ(TBR))であっても勿論よい。
また、乱流発生用突起17は、第1〜3の実施の形態及び変形例1〜5で説明した様々な形状を組合せることが可能であり、少なくとも前方凹凸部19を備えていればよく、前方凹凸部19や後方面17D(後方凸部23Aや後方凹部23B)の図示していない形状も含むことは勿論である。
さらに、乱流発生用突起17は、対向する面(例えば、内側面17A及び外側面17B、前方面17C及び後方面17D、突出面17E及び底面(タイヤ表面15))が平面である場合、この対向する面が必ずしも平行に形成されている必要はなく、例えば、前方面17Cから後方面17Bに向けて傾斜(上昇・下降)していてもよく、対向する面が非対称であっても勿論よい。
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
次に、本発明の効果をさらに明確にするために、以下の比較例1〜3及び実施例1〜19に係る空気入りタイヤを用いて行った試験結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
各空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ : 285/50R20
・ ホイールサイズ : 8JJ×20
・ 内圧条件 : 0kPa(パンク状態)
・ 荷重条件 : 9.8kN
各空気入りタイヤの耐久性試験を行うために、下表1〜3に示すように、試験タイヤA、試験タイヤB、試験タイヤCを用意した。比較例1〜3に係る空気入りタイヤは、乱流発生用突起を有していない。実施例1〜19に係る空気入りタイヤは、乱流発生用突起を有しており、下表1〜3に示すように、乱流発生用突起の構成(形状、突起径方向長さ(D)、突起最大高さ(H)など)が異なるものである。
Figure 2008174226
Figure 2008174226
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<耐久性>
各空気入りタイヤを室内に設置されたドラム試験機に装着し、一定の速度(90km/h)で転動させて比較例1に係る空気入りタイヤが故障するまでの耐久距離を‘100’とし、その他の空気入りタイヤの耐久性を相対値で評価した。なお、指数が大きいほど、耐久性が優れている。
この結果、表1に示すように、実施例1〜19に係る空気入りタイヤは、比較例1〜3に係る空気入りタイヤに比べ、耐久性に優れていることが分かった。特に、図23に示すように、突起径方向長さ(D)が0.3mm〜15mmである空気入りタイヤや、図24に示すように、突起最大高さ(H)が0.3mm〜15mmである空気入りタイヤは、耐久性に優れていることが分かった。さらに、突起径方向長さ(D)や突起最大高さ(H)は、0.5mm〜5mmであることが好ましいことも分かった。
第1の実施の形態に係る空気入りタイヤの一部分解斜視図である。 第1の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。 第1の実施の形態に係る乱流発生用突起を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る乱流発生用突起を示す上面・側面・正面図である。 第1の実施の形態に係る乱流発生用突起の作用・効果を説明するための図である。 変形例1に係る乱流発生用突起を示す上面図である。 変形例2に係る乱流発生用突起を示す上面図である。 変形例3に係る乱流発生用突起を示す斜視図である(その1)。 変形例3に係る乱流発生用突起を示す上面・側面・正面図である(その1)。 変形例3に係る乱流発生用突起を示す上面図である(その2)。 変形例4に係る乱流発生用突起を示す斜視図である(その1)。 変形例4に係る乱流発生用突起を示す上面・側面・正面図である(その1)。 変形例4に係る乱流発生用突起を示す斜視・正面図である(その2)。 変形例4に係る乱流発生用突起を示す斜視・正面図である(その3)。 変形例4に係る乱流発生用突起を示す斜視・正面図である(その4)。 変形例5に係る乱流発生用突起を示す斜視図である(その1)。 変形例5に係る乱流発生用突起を示す上面・側面・正面図である(その1)。 変形例5に係る乱流発生用突起を示す斜視・正面図である(その2)。 変形例5に係る乱流発生用突起を示す斜視・正面図である(その3)。 変形例5に係る乱流発生用突起を示す斜視・正面図である(その4)。 第2の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。 第3の実施の形態に係る空気入りタイヤのトレッド幅方向断面図である。 実施例における空気入りタイヤの耐久性を示すグラフである(その1)。 実施例における空気入りタイヤの耐久性を示すグラフである(その2)。
符号の説明
1…空気入りタイヤ、3…ビード部、3a…ビードコア、3b…ビードフィラー、5…カーカス層、7…サイドウォール補強層、9…インナーライナー、11…ベルト層、11a…第1ベルト層、11b…第2ベルト層、11c…周方向ベルト層、13…トレッド部、13A…溝、13a…底面、13b…側面、15…タイヤ表面、17…乱流発生用突起、17A…内側面、17B…外側面、17C…前方面、17D…後方面、17E…突出面、19…前方凹凸部、19A…前方凸部、19B…前方凹部、21…前方エッジ、23A…後方凸部、23B…後方凹部、25…突出位置、27,29…交差位置、31…突出位置、33,35…交差位置、CL…中心線、SW…サイドウォール部

Claims (12)

  1. 乱流を発生させる乱流発生用突起をタイヤ表面に備える空気入りタイヤであって、
    前記乱流発生用突起は、前記乱流発生用突起のタイヤ回転方向幅の中心を通りかつタイヤ回転方向に対して垂直な突起中心線よりも前側に、タイヤ回転方向に向かって凹凸する前方凹凸部を備えることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記突起中心線上において、タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面と、タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面との長さである突起径方向長さ(D)は、0.3mm〜15mmであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記タイヤ表面から、前記タイヤ表面に対して最も突出する最大突出位置までの高さである突起最大高さ(H)は、0.3mm〜15mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記乱流発生用突起は、前記突起中心線よりも後側に、前記タイヤ回転方向の後側に向かって突出する後方凸部、及び、前記タイヤ回転方向に向かってへこむ後方凹部の少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記タイヤ回転方向の最も前側に位置する前方面と前記タイヤ表面とがなす角度である前方角度(θ1)、及び、前記タイヤ回転方向の最も後側に位置する後方面と前記タイヤ表面とがなす角度である後方角度(θ2)は、45度〜135度であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面と前記タイヤ表面とがなす角度である内側角度(θ3)、及び、前記タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面と前記タイヤ表面とがなす角度である外側角度(θ4)は、45度〜135度であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記タイヤ回転方向の最も前側に位置する前方面及び前記タイヤ表面の交差位置と、前記タイヤ表面に対して最も突出する最大突出位置とのなす角度である前方最大角度(θ5)、及び、前記タイヤ回転方向の最も後側に位置する後方面及び前記タイヤ表面の交差位置と、前記最大突出位置とのなす角度である後方最大角度(θ6)は、45度〜135度であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. タイヤ径方向の最も内側に位置する内側面及び前記タイヤ表面の交差位置と、前記タイヤ表面に対して最も突出する最大突出位置とのなす角度である内側最大角度(θ7)、及び、前記タイヤ径方向の最も外側に位置する外側面及び前記タイヤ表面の交差位置と、前記最大突出位置とのなす角度である外側最大角度(θ8)は、45度〜135度であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記乱流発生用突起は、サイドウォール部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記乱流発生用突起は、トレッド部に形成される溝の底面及び側面の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記乱流発生用突起は、タイヤ内面に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. トレッド幅方向断面において、サイドウォール部を補強する三日月状のサイドウォール補強層をさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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