JP2008172367A - ヘッドマウントディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】眼鏡に取付けるタイプのヘッドマウントディスプレイを提供する。
【解決手段】ヘッドマウントディスプレイ1は、ディスプレイを内蔵したケース10、自由曲面プリズム20を備えている。ヘッドマウントディスプレイ1のケース10には、ノーズパッド30が取付けられている。ヘッドマウントディスプレイ1は、眼鏡100のブリッジ105にケース10を取付けられた状態で使用される。そのとき、ケース10に取付けられたノーズパッド30は眼鏡100のノーズパッドとして機能する。
【選択図】図1

Description

本発明は、使用者の頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイに関する。
頭部などの身体に装着して使用され、使用者の眼前に画像を表示するヘッドマウントディスプレイが、バーチャルリアリティをはじめ、画像を表示するための種々の分野で利用されている。ヘッドマウントディスプレイは、一般的にはゴーグル形状、あるいは大型の眼鏡のフレーム形状に形成される。また、眼鏡のフレーム形状の装着部材に対して着脱自在とされ、その装着部材に対して取付けて用いるタイプのヘッドマウントディスプレイ(以下、「取付けタイプのHMD(Head Mount Display)」という。)もある。この場合の装着部材は、市販の眼鏡の場合もある。
取付けタイプのHMDは、装着部材の外側(装着部材のフレームよりも使用者の頭部から遠い部分、例えば眼鏡のレンズの前側。)に取付けるタイプのものと、装着部材の内側(装着部材のフレームよりも使用者の頭部に近い部分、例えば眼鏡のレンズと使用者の眼の間の空間。)に取付けるタイプのものが考えられる。装着部材の外側に取付けるタイプのHMDは、装着部材の外側に大きな空間があるため装着部材への取付けを行うこと自体は容易であるが、例えば眼鏡レンズの前にHMDが位置することにより、デザイン性、或いはファッション性に劣る。装着部材の内側に取付けるタイプのHMDは、逆に、デザイン性、ファッション性に優れるが、スペースの問題があるため装着部材への取付け方に工夫が必要となる。
HMDの普及を考えると、デザイン性、ファッション性を無視することはできない。この点を踏まえ、本願発明者は、装着部材の内側に取付けるタイプのHMDについて研究を行っている。
HMDを装着部材の内側に配置する場合、最も問題となるのは、HMDの小型化が難しいということである。例えば、眼鏡の内側に取付けるタイプのHMDが今までにも提案され、そのようなHMDが例えば特許文献などに幾つか開示されてはいるが、そのようなHMDの製品化どころか、試作品すら満足に完成していないのが現状である。それほど、HMDを小型化し、その前後方向(HMDが使用者の頭部に取付けられた場合の使用者の顔の前後方向に同じ。本願において同様。)の厚みを小さくするのは難しいのである。
したがって、HMDを装着部材の内側に配置した場合、眼鏡等の装着部材は、使用者の顔から多少(数mm〜数cm程度)遠ざかることになる。
このような場合、問題となるのがノーズパッドである。装着部材は、それを使用者の頭部に固定するために通常の眼鏡が備えるのと同様のノーズパッドを備えることが多いが、装着部材が使用者の顔から遠ざかるとこのノーズパッドが役に立たなくなり、使用者の頭部に装着部材を固定するのが難しくなるからである。
特開2001−133724号公報
本発明は、かかる課題を解消するものであり、眼鏡等の装着部材の内側にヘッドマウントディスプレイを取付けた場合にも、ノーズパッドを使用できるようにするための技術を提供することをその課題とする。
上述の課題を解決するため、本願発明者は以下のようなヘッドマウントディスプレイを提案する。
それは、画像を表示するための表示手段と、該表示手段により表示される画像を所定の倍率で拡大して使用者の眼に導くための導光手段とを備えており、眼鏡形状とされ使用者の頭部に装着される装着部材に、当該装着部材の内側に位置するようにして取付けて使用されるヘッドマウントディスプレイである。そして、このヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着された前記装着部材に前記ヘッドマウントディスプレイが取付けられた状態で、使用者の鼻に当接するノーズパッドを備えている。
このヘッドマウントディスプレイは、それ自体がノーズパッドを備えているので、ヘッドマウントディスプレイが、眼鏡様の形状とされた装着部材と使用者の顔との間に配されることで装着部材が使用者の顔から離れたとしても、ヘッドマウントディスプレイが備えるノーズパッドを使用するに困難はない。
このように、ヘッドマウントディスプレイにノーズパッドを設けることは、取付けタイプ(或いは後付タイプ)のヘッドマウントディスプレイにとっても有用であるが、ヘッドマウントディスプレイが装着部材に着脱自在とされない、つまり、装着部材に固定的に取付けられるタイプの製品においても有用である。例えば、眼鏡様の装着部材を複数種類準備しておくとともに、その装着部材のそれぞれにノーズパッドを備えたヘッドマウントディスプレイを固定するようにすると、装着部材の設計を簡単に行えるようになる。
つまり、ヘッドマウントディスプレイは、装着部材に対する取付けを、着脱自在に行えるようになっていてもよいし、固定的に行うようになっていてもよい。
上述したように、ヘッドマウントディスプレイは、装着部材に対して着脱自在にすることができる。この場合、装着部材からヘッドマウントディスプレイを外すと、その装着部材ではヘッドマウントディスプレイに設けられていたノーズパッドを利用できなくなる。装着部材に対してヘッドマウントディスプレイを着脱自在にするのは主に、装着部材をヘッドマウントディスプレイとの組合わせのみならず、それ単体でも使用したいという要求があるからであるが、装着部材を単体で用いるときにヘッドマウントディスプレイに設けられていたノーズパッドが使用できないのであれば、何らかの手立てが必要になる。
この手立ての例として、以下のものを挙げることができる。
例えば、ヘッドマウントディスプレイが備えるノーズパッドを、前記ヘッドマウントディスプレイに対して着脱自在にするとともに、前記ヘッドマウントディスプレイが取外された状態の装着部材に対して着脱自在に取付けられるようにすることができる。この発明では、ヘッドマウントディスプレイが備えていたノーズパッドを、ヘッドマウントディスプレイから取外して装着部材に取付けられるようにすることで、ヘッドマウントディスプレイが備えていたノーズパッドを、ヘッドマウントディスプレイを装着部材から取外したときにも利用できるようにしている。
また、前記装着部材から前記ヘッドマウントディスプレイが取外されたときに、前記装着部材に取付けることができる、前記ヘッドマウントディスプレイが備えるのとは別のノーズパッドを準備しておくということも考えられる。この場合には、ヘッドマウントディスプレイが備えるノーズパッドは、ヘッドマウントディスプレイに対して着脱自在になっている必要はない。
また、装着部材に、ヘッドマウントディスプレイが備えるのとは別のノーズパッドを当初から設けておくということも可能である。ただし、この場合、装着部材に設けられているノーズパッドは、装着部材にヘッドマウントディスプレイが取付けられたときに、ヘッドマウントディスプレイに干渉しないように設計する必要があるかもしれない。
ここまでの説明では、装着部材と、ヘッドマウントディスプレイとを別物として捉えたが、これらは組合わせたものとして捉えることも可能である。本願では、装着部材と、ヘッドマウントディスプレイを組合わせたものを、ヘッドマウントディスプレイシステムとして捉える。
本願発明のヘッドマウントディスプレイシステムは、眼鏡形状とされ使用者の頭部に装着される装着部材と、画像を表示するための表示手段、該表示手段により表示される画像を所定の倍率で拡大して使用者の眼に導くための導光手段、を備えており、前記装着部材の内側に位置するようにして前記装着部材に取付けて使用されるヘッドマウントディスプレイと、を備えているヘッドマウントディスプレイシステムであって、前記ヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着された前記装着部材にヘッドマウントディスプレイが取付けられた状態で使用者の鼻に当接するノーズパッドを備えているものである。
本願のヘッドマウントディスプレイシステムにおけるヘッドマウントディスプレイは、前記装着部材に固定的に取付けられるものであってもよいが、前記装着部材に対する取付けを着脱自在に行えるようになっていてもよい。
前記装着部材はテンプルを備えており、且つそのテンプルはストレートテンプルとされていてもよい。眼鏡様に構成される装着部材は、眼鏡と同様のテンプルを有する場合が多い。眼鏡が備える最も一般的なテンプルは、その先端部分(モダン)が耳に係止しやすいように横方向から見た場合に下方向に曲折させられているが、モダンが殆ど下方向に曲折していないタイプのテンプルがある。このようなテンプルをストレートテンプルという。装着部材のテンプルをこのようなストレートテンプルとすると、次のような利点がある。即ち、ヘッドマウントディスプレイを装着部材に取付けた場合には、上述したように装着部材が顔から離れ、ヘッドマウントディスプレイを装着部材から取外した場合には、装着部材は顔に近づく。このような装着部材の前後方向の移動があった場合、テンプルのモダンが曲折していると、テンプルのモダンと使用者の耳が干渉しあってしまう。テンプルが、ストレートテンプルであれば、そのような事態を避けられるので、使用者にとっても使用感がよい。
本願のヘッドマウントディスプレイシステムにおける前記ヘッドマウントディスプレイが備える前記ノーズパッドは、前記ヘッドマウントディスプレイに対して着脱自在とされており、且つ前記ヘッドマウントディスプレイから取外されたときに、前記ヘッドマウントディスプレイが取外された状態の前記装着部材に対して着脱自在に取付けることができるようになっていてもよい。
本願のヘッドマウントディスプレイシステムにおける前記装着部材は、前記ヘッドマウントディスプレイがその装着部材から取外された状態で使用者の頭部に装着されたときに使用者の鼻に当接する、前記ヘッドマウントディスプレイが備えるものとは異なるノーズパッドを備えていてもよい。
本発明のヘッドマウントディスプレイは、以下のようなものとすることもできる。
例えば、本発明のヘッドマウントディスプレイは、表示手段と導光手段とが、使用者が装着部材を装着したときに、使用者から見て横方向に並ぶように接続されたものとすることができる。表示手段と導光手段とが、使用時に使用者から見て横方向に並ぶように配置されるヘッドマウントディスプレイは、装着部材の内側に配されたときに、装着部材の内側(装着部材が眼鏡であれば、眼鏡レンズの裏側)にその略全体を隠すことができ、装着部材の上下からヘッドマウントディスプレイが見えてしまうということを略避けられる。これは、ヘッドマウントディスプレイのデザイン性、ファッション性を向上させるに有利である。
ヘッドマウントディスプレイは、表示手段が装着部材の横方向の中間(例えば、装着部材が眼鏡レンズを備えるのであればその中間位置)に位置するようにして、装着部材に取付けられるようになっていてもよい。装着部材に取付けたときのヘッドマウントディスプレイの位置を上述のような位置にすることで、使用者の両目の間に表示手段が位置することになり、表示手段が使用者の視界から完全に消える(使用者が表示手段をはっきりと認識できなくなる。)ことになる。
導光手段には、例えば、画像(を表示するための像光)をその内部で所定の回数反射させて使用者の眼に導く自由曲面プリズムを用いることができる。自由曲面プリズムを用いると、ヘッドマウントディスプレイ全体の小型化を容易に実現できる。自由曲面プリズムは、第1面、第2面、第3面、および第4面の4つの面を持ち、表示手段からの光に第1面を通過させ、第1面を通過させた光を第2面で反射させ、第2面で反射させた光を第3面で反射させ、第3面で反射させた光に第4面を通過させることで、その内部に導いた光の方向を変化させるとともに、表示手段に表示された画像を拡大するものであってもよい。なお、この場合における第1面ないし第4面は、それぞれ連続しない面とされてもよいが、第1面ないし第4面のうちの少なくとも二つの面(例えば第2面と第4面)は、連続する滑らかにつながった一面とされていてもよい。もっとも、導光手段は、自由曲面プリズムに限らず、画像を表示するための像光の向きを変える機能(例えば、反射鏡により、これが達成される。)と、画像を拡大する機能(例えば、レンズにより、これが達成される。)を備えている光学要素を用いて構成することができる。この場合、導光手段は、複数の光学要素の組合わせによって構成することもできる。
本願発明におけるヘッドマウントディスプレイは、表示手段及び導光手段を装着部材のブリッジと智との間でスライドさせる移動機構を有していてもよい。移動機構を有することで、導光手段から出力される画像の位置が、可変になる。そのために、使用者の眼の位置に合わせて最適な位置で画像を提供できる。移動機構は、例えば、表示手段に一端が接続されたラック部と、使用者により操作可能なピニオン部と、を備えて構成することができる。ピニオン部の回転によりラック部がスライドして表示手段及び導光手段がスライドする。
また、ヘッドマウントディスプレイは、表示手段を導光手段の方向に移動可能にする調整機構を更に備えていてもよい。このような構成では、表示手段から導光手段までの距離を使用者の視度に合わせて最適にすることで、視度補正された画像を使用者に提供することができるようになる。
以下、本発明の好ましい一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態におけるヘッドマウントディスプレイ1は、図1に示したような眼鏡フレームの形状をした眼鏡100に取付けて用いる取付けタイプのHMDである。この実施形態では、ヘッドマウントディスプレイ1が眼鏡100の後方に取付けられる。使用時には、ヘッドマウントディスプレイ1が使用者の顔と眼鏡100との間の空間に位置する。そのために、使用者以外からはヘッドマウントディスプレイ1の存在がわかりづらくなっている。
眼鏡100は、本願における装着部材に相当するものであり、眼鏡フレーム101に眼鏡レンズ102がはめ込まれた、通常の眼鏡と同様の構成とされている。なお、眼鏡レンズ102は、度が入っていても入っていなくてもよく、また、無色透明でも有色透明でもよい。眼鏡フレーム101は、左右のつる103と、左右のリム104と、左右のリム104をつなぐブリッジ105と、を備えている。左右のつる103はそれぞれ左右のリム104にヒンジ接続されており、つる103をリム104に対して平行になるような向きで折畳めるようになっている。つる103の先端を使用者の両耳にそれぞれ係止するか、或いは2本のつる103により使用者の頭部を挟み込むことで、使用者の頭部に眼鏡100が固定される。
この実施形態では、眼鏡100に取付けられたヘッドマウントディスプレイ1が眼鏡100の後方に位置することになり、そのとき使用者の顔から眼鏡100が前方に移動せざるを得なくなるため、その状態でもつる103を使用者の耳にかけられるように、つる103の長さが通常の眼鏡フレームよりも幾らか長めになっている。
なお、図1に示した例では、つる103の先端が使用者の耳に係止し易いように下方向に曲折されているが、つる103の先端は直線状であってもよい。つまり、つる103はストレートテンプルであってもよい。つる103をストレートテンプルとした方が、ヘッドマウントディスプレイ1を眼鏡100に取付けているか否かによらず、使用者のつる103に対する感覚を一定に維持できる。ストレートテンプルとした変形例によるつる103の例を、図1中に、103Sとして示す。
ヘッドマウントディスプレイ1は、ディスプレイを内部に有するケース10と、ケース10に可動部16を介して接続される左右の自由曲面プリズム20と、ケース10に接続されるノーズパッド30と、を備えている。
ケース10は、必ずしもその限りではないがこの実施形態では眼鏡100のブリッジ105に取付けられる。ケース10は、それが眼鏡100に取付けられたときに、眼鏡100の後方に位置するようになっている。自由曲面プリズム20は、使用者が眼鏡100を装着したときに使用者から見てケース10の横方向に並ぶように、ケース10に接続される。ノーズパッド30は、ケース10のさらに後方に位置するように取付けられる。ノーズパッド30は、ヘッドマウントディスプレイ1が取付けられた眼鏡100を使用者が頭部に装着したときに、使用者の鼻に当接して眼鏡100のずれを防止する。ディスプレイに表示される画像は、自由曲面プリズム20により所定の倍率で拡大されて、自由曲面プリズム20から後方に出力される。後方に出力された画像は、眼鏡100を装着した使用者の眼に入ることになる。画像は、この実施形態では、自由曲面プリズム20の点線で囲まれた領域(図9参照のこと。)から出力される。
ヘッドマウントディスプレイ1は、図2に示すようにして、眼鏡100に取付けられる。眼鏡100のブリッジ105には、第1取付部材40が形成されている。この実施形態では、第1取付部材40が、ブリッジ105に接続される第1軸部40a及び第1軸部40aの先端に設けられる第1ボール部40bにより構成される。第1取付部材40は、眼鏡100と一体に形成されていてもよい。眼鏡100に汎用の眼鏡フレームを使用する場合には、第1取付部材40は当然に眼鏡100とは別部材となる。この場合、第1取付部材40は、接着剤等で眼鏡100に取り付けられることになる。
ヘッドマウントディスプレイ1のケース10には、より詳細には、眼鏡100に取付けられたときに眼鏡100に対向する側の面には、第1嵌合孔10aが形成されている。ヘッドマウントディスプレイ1を眼鏡100へ取付けるときには、第1嵌合孔10aに第1取付部材40の第1ボール部40bが嵌合される。これらはいわゆるボールジョイントを構成する。
またケース10の第1嵌合孔10aが設けられる面とは反対側の面には、第1取付部材40と同じ構成、大きさの第2取付部材50が形成されている。第2取付部材50は、ケース10に接続される第2軸部50a及び第2軸部50aの先端に設けられる第2ボール部50bにより構成される。第2取付部材50は、ケース10と一体に形成されていてもよいが、接着剤等でケース10に取付けるようにしてもよい。
ノーズパッド30のケース10に接続される側には、第2嵌合孔30aが形成されている。第2嵌合孔30aは、第1嵌合孔10aと同じ大きさである。ノーズパッド30のケース10への取付け時には、第2嵌合孔30aに第2取付部材50の第2ボール部50bが嵌合される。これらはいわゆるボールジョイントを構成する。
第1取付部材40と第2取付部材50、第1嵌合孔10aと第2嵌合孔30aは、それぞれ同じ形状、大きさで形成される。そのために、第1取付部材40の第1ボール部40bを第2嵌合孔30aに嵌合することも可能である。これにより、ケース10、可動部16、及び自由曲面プリズム20を除いて、ノーズパッド30のみを眼鏡100に直接取付けることが可能である。眼鏡100とノーズパッド30を組合わせたものは、通常の眼鏡と同様に用いることができる。
次いで、ヘッドマウントディスプレイ1について、詳細に説明する。
図3は、ヘッドマウントディスプレイ1を図1中の上側から見た図である。
ケース10は、略矩形の中空である。ケース10は、必ずしもそうである必要はないが、本実施形態では樹脂製である。ケース10の上面には、視度を調整するための視度調整つまみ12と、自由曲面プリズム20の位置を調整するためのプリズム位置調整つまみ13とが設けられている。
視度調整つまみ12は、これを操作することで、ケース10内部のディスプレイを画像の光軸方向に進退動させるものである。本実施形態では、左右の眼のそれぞれの視度を個別に調整できるように、視度調整つまみ12は2つ設けられている。
プリズム位置調整つまみ13は、これを操作することで、ケース10に対する自由曲面プリズム20の位置を所定の範囲で移動させるものである。プリズム位置調整つまみ13の近傍には目盛りが設けてあり、プリズム位置調整つまみ13の操作量に対する自由曲面プリズム20の移動量が直感的にわかるようになっている。
図4は、ケース10の内部を示す、ケース10を上面からみた一部断面図である。
ケース10の内部には、視度調整つまみ12と、視度調整板11と、ディスプレイ14と、制御基板15と、視度調整つまみ12、視度調整板11、ディスプレイ14および制御基板15を内包し自由曲面プリズム20に連結される可動部16と、ピニオン部17とが設けられている。
本実施形態においては、可動部16及び自由曲面プリズム20は2つずつ設けられているものとして説明するが、必ずしもそうである必要はなく、これらは1つずつであってもよい。つまりヘッドマウントディスプレイ1は、必ずしも両眼用である必要はなく、右眼用或いは左眼用の可動部16及び自由曲面プリズム20のみを備える、右眼用或いは左眼用のものであってもよい。
ディスプレイ14は、画像を表示するものであり、必ずしもその限りではないが、この実施形態では、矩形の液晶ディスプレイとされている。ディスプレイ14は、使用者が眼鏡100を装着した場合に、その短辺方向が使用者から見て縦方向になり、眼鏡レンズ102の幅方向に対して斜めとなるようにして、且つ自由曲面プリズム20の一面に所定の角度で画像を入射するようにして、可動部16に取付けられている。
制御基板15は、ディスプレイ14に表示される画像を制御するものである。制御基板15は、画像を表示するためのデータをディスプレイ14に送り、ディスプレイ14に適切な画像を表示させる。制御基板15は、図示しない外部装置から画像についてのデータを受けてそれをディスプレイ14に表示させる。制御基板15は、図示しない外部装置から有線または無線により画像についてのデータを受け取るようになっている。
外部装置には、例えば、ハードディスクプレイヤ、DVDプレイヤ、テレビジョン放送用のチューナ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、コンピュータゲームを実行するためのゲーム装置、画像処理機能を有したMP3プレイヤなどを用いることができる。
可動部16には、ディスプレイ14と自由曲面プリズム20が、ディスプレイ14に表示される画像からの像光が自由曲面プリズム20の一面に一定の角度で画像を入射するような状態で取付けられている。
可動部16には、ピニオン部17と接触するようにラック部16aが形成されている。各ラック部16aは、ピニオン部17に対向している面に歯が形成されている。
ピニオン部17は、プリズム位置調整つまみ13と連結されており、プリズム位置調整つまみ13を回転させるとピニオン部17がそれに伴って回転するようになっている。ピニオン部17は、円柱形であり、側面に円柱の軸方向に平行な歯が形成されている。ピニオン部17の歯とラック部16aの歯は噛み合うようになっている。ピニオン部17が回転すると、その回転の量と向きに対応して、ラック部16aがラック部16aの長さ方向に沿って移動するようになっている。
図5に示すように、プリズム位置調整つまみ13を左向きに回転させると、ラック部16aの基端がピニオン部17から離れる方向に移動して、2つの可動部16が離れる方向にスライドする。逆に、プリズム位置調整つまみ13を右向きに回転させると、ラック部16aの基端がピニオン部17に近づく方向に移動して、2つの可動部16が近づく方向にスライドする。可動部16と自由曲面プリズム20は連結されているので、このような可動部16のスライドに伴って、自由曲面プリズム20も同様にスライドする。このように、プリズム位置調整つまみ13を回転させることで、ケース10を眼鏡100に取付けた後においても、可動部16に取付けられた自由曲面プリズム20をブリッジ105と眼鏡100の智との間でスライドさせることができるようになっている。自由曲面プリズム20がスライドすることで、自由曲面プリズム20から出力される画像の位置もスライドする。これにより、使用者の眼の位置に、画像が出力される位置を合わせることができる。この実施形態では、上述の機構により、一つのプリズム位置調整つまみ13の動作により、2つの自由曲面プリズム20(導光手段)の移動を、左右対称で、同時に行えるようになっている。目幅に合わせて導光手段を左右対称で同時に移動させられるのは、上述の機構によらないでも実現できるが、いずれにせよ便利である。
なお、ピニオン部17は、プリズム位置調整つまみ13と一体的に構成されていてもよい。
可動部16に内包される視度調整つまみ12及び視度調整板11は、ディスプレイ14から自由曲面プリズム20までの距離を変動させて使用者の視力に合わせた画像を提供するための調整機構を構成する。図6は、可動部16を拡大して調整機構を詳細に説明するための図である。図7は、調整機構の動作を説明するための図である。
視度調整つまみ12は、ケース10の外部に突出する頭部に溝が形成されており、中程がクランク状に折れ曲がったクランク部12aを有する構成になっている。頭部の溝に平板を差し込んで回転させると、クランク部12aが回転中心の周りを回転する。
視度調整板11は、一辺が制御基板15に接続されており、該一辺に対向する辺の近傍に、該一辺の延びる方向に長辺が設けられた、面取りされた矩形状の調整穴11aが設けられる。調整穴11aには、視度調整つまみ12のクランク部12aが貫通して設けられる。調整穴11aの短辺は、このクランク部12aの大きさに応じた長さで形成される。
図7の状態で視度調整つまみ12を回転させると、クランク部12aが回転中心の周りを回転する。調整穴11aは、クランク部12aが貫通しているので、クランク部12aが回転すると、調整穴11aはその動きに応じて制御基板15の方向へ付勢される。それにより、視度調整板11は制御基板15を付勢する方向に移動する。制御基板15が移動すると、ディスプレイ14が自由曲面プリズム20に近づく方向に移動する。ディスプレイ14と自由曲面プリズム20との間の距離を変化させることで、使用者の視力に合わせて画像の視度を調整することができる。
視度調整つまみ12は回転するので、視度調整板11の動きはピストン状になる。そのために、ディスプレイ14が動きすぎて自由曲面プリズム20に衝突し、お互いが破損することはない。使用者は、使用時に視度調整つまみ12を回転させてディスプレイ14の位置を自身の眼の視度に最適な位置に調整することができる。
図8は、自由曲面プリズム20による導光路を説明する図である。自由曲面プリズム20は、ディスプレイ14からの光を使用者の少なくとも一方の眼に導くと共に、ディスプレイ14に表示された画像を拡大するものである。
自由曲面プリズム20は、それぞれ自由曲面である第1面S1、第2面S2、第3面S3という3つの面を備えた断面略三角形状に構成される。
第1面S1は、ディスプレイ14に臨まされており、ディスプレイ14に表示された画像についてのディスプレイ14からの光を通過させて自由曲面プリズム20の内部に導く。ディスプレイ14からの光は、第1面S1を通過するときに屈折しディスプレイ14に表示された画像が拡大されるように変化する。
第2面S2は、第1面S1を通過した光を反射(通常は全反射である。)するようにされている。第1面S1を通過した光は、第2面S2で反射されることによりその方向を大きく変え、また、ディスプレイ14に表示された画像が拡大されるように変化する。第2面S2は、また、第3面S3で反射された光を通過させる。これについては、後述する。
第3面S3は、第2面S2で反射された光を反射させるようになっている。第2面S2で反射された光は、第3面S3で反射されることによりその方向を大きく変え、また、ディスプレイ14に表示された画像が拡大されるように変化する。なお、第3面S3で行われる反射は、全反射であっても、金属による反射であっても構わない。第3面S3で行われる反射が全反射である場合には、第2面S2で反射された光が第3面S3に至る場合の入射角が全反射角以下となるように第3面S3の曲面が設計される。第3面S3で行われる反射が金属による反射である場合には、第3面S3の外側に、金属が、例えば蒸着によって付着されている。なお第3面S3の外側に、金属を付着させる代わりに、誘電体多層膜を形成することができる。この場合の反射は、誘電体多層膜によりなされる。
上述したように第3面S3で反射された光は、第2面S2に再び向い、第2面S2を通過する。第2面S2を通過する光は、第2面S2を通過するときに屈折しディスプレイ14に表示された画像が拡大されるように変化する。ディスプレイ14に表示された画像は、図9に示すように、自由曲面プリズム20の点線部分に表示されることとなる。
以上のような自由曲面プリズム20は、ケース10を眼鏡100に取付けた際、少なくともその一部がヘッドマウントディスプレイ1の使用時に使用者の少なくとも一方の眼の前に位置するものとされ、ディスプレイ14からの光を使用者の眼に射出するように、ケース10に接続されている。
自由曲面プリズム20は、眼鏡100を装着した使用者から見てケース10に縦方向に接続されるのではなく、横方向に接続されて配置される。すなわち、ヘッドマウントディスプレイ1全体の形状は、横方向に伸びた形状となっている。
図10a、図10bは、それぞれヘッドマウントディスプレイ1を取付けた眼鏡100を前方から見た状態を示す図である。
これらの図に示すように、ヘッドマウントディスプレイ1を取付けた状態の眼鏡100を前方から見た場合、ヘッドマウントディスプレイ1は、眼鏡レンズ102の後方にほぼ隠れるようになる。
本実施形態のヘッドマウントディスプレイ1は、本体10と自由曲面プリズム20が横方向に並ぶように接続されるために、ケース10を眼鏡100の後方に取付けると、ヘッドマウントディスプレイ1の大部分が眼鏡100の前方から見えないようにすることができる。すなわち、ヘッドマウントディスプレイ1の眼鏡100からのはみ出し量を極力少なくすることができ、デザイン性を損なうことがない。
また、本実施形態のヘッドマウントディスプレイ1は、使用者の上下方向の視野を遮るものではないので、自由曲面プリズム20に表示された画像を見ている状態であっても、自由曲面プリズム20の周囲は、多少ぼやけることはあるが見える状態にある。よって、視線を自由曲面プリズム20に向けている状態でも簡単な作業を行うことができ、便利である。また、視線を自由曲面プリズム20に向けている状態でも足元を見ることができ、歩くことも可能である。さらに、視線を自由曲面プリズム20から外せば、周囲をより良く見ることができるようになる。
次に、このヘッドマウントディスプレイ1の使用方法について説明する。
このヘッドマウントディスプレイ1を使用するには、ヘッドマウントディスプレイ1を取付けた状態の眼鏡100を使用者の頭部へ固定する。ヘッドマウントディスプレイ1の眼鏡100への取付けは、ヘッドマウントディスプレイ1のケース10に設けられた第1嵌合孔10aに、眼鏡100に取付けられた第1取付部材40が有する第1ボール部40bを嵌合させることにより行う。また、ヘッドマウントディスプレイ1を取付けた状態の眼鏡100の使用者の頭部への固定は、上述したように、眼鏡100のつる103を、使用者の耳へ係止するか、眼鏡100のつる103で使用者の頭部を挟み込むことで行う。
なお、眼鏡100を使用者の頭部へ固定する前に、ヘッドマウントディスプレイ1にノーズパッド30を取付けておく。ノーズパッド30のヘッドマウントディスプレイ1への取付けは、ノーズパッド30に設けられた第2嵌合孔30aに、ヘッドマウントディスプレイ1のケース10が有する第2ボール部50bを嵌合させることで行う。
この状態で使用者は、上記の外部装置を操作して、ヘッドマウントディスプレイ1で表示すべき画像についてのデータを、ヘッドマウントディスプレイ1に入力する。制御基板15は、画像についてのデータによりディスプレイ14に画像を表示する。
ディスプレイ14に表示された画像の光は、ディスプレイ14から出て、自由曲面プリズム20の第1面S1に入力される。自由曲面プリズム20内では、光が図8に示すようにして第2面S2から射出される。射出された光により、使用者は、両眼で、適当な大きさになった画像を見ることになる。
必要であれば、使用者は、視度調整つまみ12を操作することで、ディスプレイ14からの光の自由曲面プリズム20に対する入射角を変化させないようにしながら、自由曲面プリズム20に対してディスプレイ14を近づけたり遠ざけたりすることができる。すなわち、ディスプレイ14を、ディスプレイからの光の出射方向(光軸方向)で進退動させることができる。これにより、使用者の視力に合った画像を表示することができるように調整することができる。
また、使用者は、プリズム位置調整つまみ13を操作することで、自由曲面プリズム20の位置を使用者の目幅に応じた適当な位置に動かして、自由曲面プリズム20の位置を使用者が画像を見やすい位置に調整することができる。
また、使用者は、図示しないイヤホンを耳に着用することにより、画像に合わせた音を聴くことができる。
使用者は、ヘッドマウントディスプレイ1を使用しなくなった場合には、眼鏡100からヘッドマウントディスプレイ1を取外す。また、眼鏡100から取り外したヘッドマウントディスプレイ1から取外したノーズパッド30を、眼鏡100に取付ける。これにより、使用者は、眼鏡100を通常の眼鏡として用いることができる。
なお、ノーズパッド30の眼鏡100への取付けは、眼鏡100に取付けられた第1取付部材40が有する第1ボール部40bを、ノーズパッド30に設けられた第2嵌合孔30aに嵌合させることで行う。
以上の実施形態の変形例として、以下のものを挙げることができる。
本実施形態では、ケース10は、眼鏡100のブリッジ105の略中心に取付けられるものとして記載したが、これに限られず、ケース10は、眼鏡100の他の部分に取付けられるようにしてもよい。
また、本発明の導光手段として、本実施形態では、断面略三角形状とされている自由曲面プリズム20を使用するものとして説明したが、他の形状の自由曲面プリズム、或いは自由曲面プリズム以外のものを導光手段として使用することが可能である。導光手段は、少なくともその一部がヘッドマウントディスプレイ1の使用時に使用者の少なくとも一方の眼の前に位置するものとされ、ディスプレイ14からの光を使用者の少なくとも一方の眼に導くと共に、ディスプレイ14に表示された画像を拡大するようになっていれば、どのようなものを用いても構わない。
例えば、第1面、第2面、第3面、及び第4面の4つの面を持ち、ディスプレイ14からの光に第1面を通過させ、第1面を通過させた光を第2面で反射させ、第2面で反射させた光を第3面で反射させ、第3面で反射させた光に第4面を通過させることで、その内部に導いた光の方向を変化させるとともに、ディスプレイ14に表示された画像を拡大する自由曲面プリズムを、上述の自由曲面プリズム20に代えて使用してもよい。第1面ないし第4面は、それぞれ連続しない面であってもよいが、第1面ないし第4面のうちの少なくとも二つの面が、連続する滑らかにつながった一面であってもよい。上述の自由曲面プリズム20は、第2面と第4面が連続する滑らかにつながった一面とされている。
また、本発明の導光手段は、図11に示すように、ディスプレイ14からの画像を拡大する第1レンズ71と、第1レンズ71からの光を反射させ、その光の方向を変化させる第1反射鏡72と、第1反射鏡72により反射された光を反射させ、その光の方向を変化させる第2反射鏡73と、第2反射鏡73からの光を透過するとともに、画像を拡大する第2レンズ74と、を有しているものとしてもよい。反射の回数及び画像をどの程度拡大するかは、ディスプレイ14と使用者の眼の位置関係などにより決めることができる。
また、導光手段は、図12に示すように、自由曲面プリズム20と、レンズ75またはレンズ76の少なくとも一方と、を備えているものとしてもよい。レンズ75およびレンズ76は、ディスプレイ14に表示された画像を拡大するためのものである。これらのレンズ75、76は、板状のレンズであるものとして説明するが、これに限られず、部分により屈折率の異なるものとされ、レンズとして機能するものであれば、どのようなものであってもよい。この場合における、レンズ75は、ディスプレイ14と自由曲面プリズム20の第1面S1との間のいずれかの位置に取付けられており、ディスプレイ14からの光が、レンズ75を介して、自由曲面プリズム20の第1面S1に入力されるようになっている。レンズ75を通過する光は、その通過時に屈折し、ディスプレイ14に表示された画像が拡大されるように変化する。すなわち、このようなレンズ75により、自由曲面プリズム20に入射される前に、ディスプレイ14に表示された画像を拡大することができる。また、レンズ76は、自由曲面プリズム20の第2面S2の外側に貼り付けられており、自由曲面プリズム20の第2面S2から出射されたディスプレイ14からの光が、レンズ76を介して、使用者の眼に射出されるようになっている。レンズ76を通過する光は、その通過時に屈折し、ディスプレイ14に表示された画像が拡大されるように変化する。すなわち、このようなレンズ76により、自由曲面プリズム20から出射されたディスプレイ14に表示された画像を、適切な大きさに拡大して、使用者の眼に射出することができる。
また、本実施形態では、ケース10は、視度を調整する視度調整つまみ12と、自由曲面プリズム20の位置を調整するプリズム位置調整つまみ13とを有するような構成となっているが、これらは必須ではなく、これらを有しないような構成とすることもできる。
また、以上の実施形態では、眼鏡100のヘッドマウントディスプレイ1への取付けは、着脱自在なものとされていた。しかしながら、眼鏡100へのヘッドマウントディスプレイ1の固定は、着脱自在なものである必要はない。眼鏡100にヘッドマウントディスプレイ1を取付けたヘッドマウントディスプレイシステムを製造する段階で、両者の取付を固定的なものとすることができる。この場合、ヘッドマウントディスプレイ1のケース10に対するノーズパッド30の取付けも、固定的なものとしてよい。眼鏡100にヘッドマウントディスプレイ1が固定されるのであれば、その眼鏡100は常にヘッドマウントディスプレイ1とともに使用されるのであるから、ノーズパッド30をヘッドマウントディスプレイ1から分離させる必要が特に存在しなくなるからである。なお、眼鏡100へのヘッドマウントディスプレイ1の取付け、又はヘッドマウントディスプレイ1のケース10へのノーズパッド30の取付けが固定的なものである場合には、それら取付けには、上述したボールジョイントではなく、接着剤を用いた接着、ネジを用いた螺合等の適当な手法を用いることができる。
また、眼鏡100に対してヘッドマウントディスプレイ1を着脱自在にする場合であっても、ヘッドマウントディスプレイ1のケース10へのノーズパッド30の取付けは固定的なものとすることができる。この場合には、ヘッドマウントディスプレイ1を眼鏡100から取外した場合に、ヘッドマウントディスプレイ1のケース10に取付けられたノーズパッド30を眼鏡100に取付けることができない。したがって、ヘッドマウントディスプレイ1を外した状態の眼鏡100に取付ける、ヘッドマウントディスプレイ1が備えるのとは別のノーズパッドを準備しておく必要がある。この場合に用いるノーズパッドは、上述の実施形態で説明したノーズパッド30と同様に構成しておけば足りる。上述の実施形態で説明したのと同様のノーズパッドを、ヘッドマウントディスプレイ1を外した状態の眼鏡100に取付ければ、その眼鏡100を通常の眼鏡として用いることができる。或いは、ヘッドマウントディスプレイ1が備えるのとは別のノーズパッドを、当初から眼鏡100に固定的に取付けておくことも考えられる。このノーズパッドは、ヘッドマウントディスプレイ1の眼鏡100への取付けの妨げにならない形状、大きさとされ、ヘッドマウントディスプレイ1の眼鏡100への取付けの妨げにならない位置に取付けられていれば、通常の眼鏡に取付けられるノーズパッドとは異なるところがなくてもよい。眼鏡100が当初からノーズパッドを備えているのであれば、ヘッドマウントディスプレイ1を取外した後の眼鏡100は、通常の眼鏡として用いるに不都合はない。
また、以上のヘッドマウントディスプレイ1が取付けられる眼鏡100は、本実施形態ではブリッジ105を有する眼鏡であるものとして記載したが、これに限られず、図10bのようにブリッジを有しない眼鏡であってもよい。また、眼鏡100は、市販の汎用品ではなく、ヘッドマウントディスプレイ1に専用のものであってもよい。例えば、イヤホンが眼鏡100のつるに内蔵してあってもよい。
本実施形態のヘッドマウントディスプレイを眼鏡に取付けた状態を示す図。 ヘッドマウントディスプレイの眼鏡への取付け方法の説明図。 ケースの上面図。 ケースの内部構成を示す一部断面図。 移動機構の動作説明図。 調整機構の詳細な構成図。 調整機構の動作説明図。 自由曲面プリズム内の導光路の説明図。 本実施形態のヘッドマウントディスプレイを後方から見た図。 本実施形態のヘッドマウントディスプレイを取付けた状態の眼鏡を前方から見た図。 本実施形態のヘッドマウントディスプレイを取付けた状態の眼鏡を前方から見た図。 本発明の自由曲面プリズムの変形例の構成図。 本発明の自由曲面プリズムの変形例の構成図。
符号の説明
1…ヘッドマウントディスプレイ、10…ケース、10a…第1嵌合孔、11…視度調整板、11a…調整穴、12…視度調整つまみ、12a…クランク部、13…プリズム位置調整つまみ、14…ディスプレイ、15…制御基板、16…可動部、16a…ラック部、17…ピニオン部、20…自由曲面プリズム、30…ノーズパッド、30a…第2嵌合孔、40…第1取付部材、40a…第1軸部、40b…第1ボール部、50…第2取付部材、50a…第2軸部、50b…第2ボール部、71…第1レンズ、72…第1反射鏡、73…第2反射鏡、74…第2レンズ、75、76…レンズ、100…眼鏡、101…眼鏡フレーム、102…眼鏡レンズ、103…つる、104…リム、105…ブリッジ、S1…第1面、S2…第2面、S3…第3面

Claims (9)

  1. 画像を表示するための表示手段と、該表示手段により表示される画像を所定の倍率で拡大して使用者の眼に導くための導光手段とを備えており、眼鏡形状とされ使用者の頭部に装着される装着部材に、当該装着部材の内側に位置するようにして取付けて使用されるヘッドマウントディスプレイであって、
    使用者の頭部に装着された前記装着部材に前記ヘッドマウントディスプレイが取付けられた状態で、使用者の鼻に当接するノーズパッドを備えている、
    ヘッドマウントディスプレイ。
  2. 前記装着部材に対する取付けを、着脱自在に行えるようになっている、
    請求項1記載のヘッドマウントディスプレイ。
  3. 前記ノーズパッドは、前記ヘッドマウントディスプレイに対して着脱自在とされており、且つ前記ヘッドマウントディスプレイが取外された状態の装着部材に対して着脱自在に取付けられるようになっている、
    請求項2記載のヘッドマウントディスプレイ。
  4. 前記装着部材から前記ヘッドマウントディスプレイが取外されたときに、前記装着部材に取付けることができる、前記ヘッドマウントディスプレイが備えるのとは別のノーズパッドを備えている、
    請求項2記載のヘッドマウントディスプレイ。
  5. 眼鏡形状とされ使用者の頭部に装着される装着部材と、
    画像を表示するための表示手段、該表示手段により表示される画像を所定の倍率で拡大して使用者の眼に導くための導光手段、を備えており、前記装着部材の内側に位置するようにして前記装着部材に取付けて使用されるヘッドマウントディスプレイと、
    を備えているヘッドマウントディスプレイシステムであって、
    前記ヘッドマウントディスプレイは、使用者の頭部に装着された前記装着部材にヘッドマウントディスプレイが取付けられた状態で使用者の鼻に当接するノーズパッドを備えている、
    ヘッドマウントディスプレイシステム。
  6. 前記ヘッドマウントディスプレイは、前記装着部材に対する取付けを着脱自在に行えるようになっている、
    請求項5記載のヘッドマウントディスプレイシステム。
  7. 前記装着部材はテンプルを備えており、且つそのテンプルはストレートテンプルとされている、
    請求項5記載のヘッドマウントディスプレイシステム。
  8. 前記ヘッドマウントディスプレイが備える前記ノーズパッドは、前記ヘッドマウントディスプレイに対して着脱自在とされており、且つ前記ヘッドマウントディスプレイから取外されたときに、前記ヘッドマウントディスプレイが取外された状態の前記装着部材に対して着脱自在に取付けることができるようになっている、
    請求項6記載のヘッドマウントディスプレイシステム。
  9. 前記装着部材は、前記ヘッドマウントディスプレイがその装着部材から取外された状態で使用者の頭部に装着されたときに使用者の鼻に当接する、前記ヘッドマウントディスプレイが備えるものとは異なるノーズパッドを備えている、
    請求項6記載のヘッドマウントディスプレイシステム。
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