JPWO2019077975A1 - 映像表示装置と光学シースルーディスプレイ - Google Patents

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Abstract

光学シースルー型の映像表示装置は、映像を表示する表示素子と、表示素子からの映像光と外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、コンバイナーを支持するプリズムと、条件式:(ΔY/Y1)×100≦25%(ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、ΔY=|Y1−Y2|、Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値である。)を満足するように配置された補正光学素子と、を有する。

Description

本発明は映像表示装置と光学シースルーディスプレイに関するものであり、例えば、液晶表示素子の2次元映像をコンバイナー(ハーフミラー,ホログラム光学素子等)で観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置と、その映像表示装置を備えた光学シースルーディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ等)に関するものである。
映像のシースルー表示を行うためにコンバイナーを搭載した映像表示装置が従来より知られている。例えば特許文献1には、使用者の視線方向付近の明るさが他の領域の明るさと異なっているような場合でも、使用者に対して視認性のよい映像を表示することができるヘッドマウントディスプレイが提案されている。そのヘッドマウントディスプレイは、外界光の明るさをコントロールするための調光フィルターと、瞳孔を撮影するカメラと、を備えており、瞳孔径から調光フィルターの透過率と映像光の強度を決定することにより、映像光の視認性を向上させる構成になっている。
特許文献2には、外界像と重畳される虚像を視認し易くするために、映像光の範囲とそれ以外の範囲の透過率を液晶シャッターで可変にしたヘッドマウントディスプレイが提案されている。また、特許文献3には、画像の視認性を良くするために、外界光を減光する減光部をレンズに設けたヘッドマウントディスプレイが提案されている。
特開2017−97098号公報 特開2013−214856号公報 特開2008−46562号公報
特許文献1〜3に記載のヘッドマウントディスプレイでは、映像の見易さは向上しても外界の見易さは向上しない。つまり、映像の視認性は向上するが、装着者から見た外界のなかでもコンバイナー(ハーフミラー等)を通して観察される視野は暗く見え、それ以外の視野は明るく見え、視野全体としては不均一に見えることになる。これは映像光が発せられていないときに顕著になるため、映像の非表示状態では外界の明るさや色が不均一化して、外界は見づらいものになってしまう。例えば、特許文献1に記載のヘッドマウントディスプレイの場合、ハーフミラーと調光フィルターの両方を通して見える視野のみが暗くなり、特許文献2,3に記載のヘッドマウントディスプレイの場合も、視野内の明るさは不均一になる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、コンバイナーによる外界視野の不均一化が低減された映像表示装置と、それを備えた光学シースルーディスプレイを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の映像表示装置は、映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、以下の条件式(1)を満足するように配置された補正光学素子と、を有することを特徴とする。
(ΔY/Y1)×100≦25% …(1)
ただし、
ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、
ΔY=|Y1−Y2|、
Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、
Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値、
である。
本発明の映像表示装置は、映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、以下の条件式(2)を満足するように配置された補正光学素子と、を有することを特徴とする。
ΔE≦6.5 …(2)
ただし、
ΔE:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線と、プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線と、の色差、
である。
本発明の映像表示装置は、映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、観察者眼から見た射影が前記コンバイナーの射影に対して重ならず、かつ、隙間無く配置された補正光学素子と、を有し、
前記コンバイナーでの前記外界光の透過率と、前記補正光学素子での前記外界光の透過率と、が等しいことを特徴とする。
本発明の光学シースルーディスプレイは、本発明の映像表示装置を搭載することにより、前記コンバイナーで前記映像を観察者眼にシースルーで投影表示する機能を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、コンバイナーによる外界視野の不均一化が低減された映像表示装置と、それを備えた光学シースルーディスプレイを実現することができる。例えば、ヘッドマウントディスプレイを通して外界を観察したとき、外界視野の明るさや色の不均一さが低減されるため、外界の見づらさが軽減されるという効果が得られる。
補正光学素子としてハーフミラー又はホログラム光学素子を有する映像表示装置の実施の形態を示す概略構成図。 図1の映像表示装置における映像光及び外界光を示す光路図。 図1の映像表示装置を備えた眼鏡型のヘッドマウントディスプレイを示す正面図。 図3のV−V’線断面図。 映像表示装置におけるコンバイナーと視野内の光線との関係を示す光学断面図。 補正光学素子の配置の影響を説明するための光学断面図。 補正光学素子の配置パターンを説明するための光学断面図。 観察者眼から見た射影状態を説明するための模式図。 ホログラム露光とホログラム再生を説明するための光路図。 補正光学素子として光吸収プリズムを有する映像表示装置の実施の形態を示す概略構成図。 一般的な光学シースルー型の映像表示装置を比較例として示す概略構成図。
以下、本発明を実施した映像表示装置,光学シースルーディスプレイ等を、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施の形態等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
図1に、補正光学素子4a,4bを有する映像表示装置X1の概略構成を示す。図1(A)は映像表示装置X1の要部を示す平面図であり、図1(B)は映像表示装置X1の要部を示す縦断面図である。また図2に、映像表示装置X1における映像光La及び外界光Lbの各光路を示す。映像表示装置X1は、図2から分かるように、表示素子6の映像を外界風景に重ねて観察者眼EYに投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、光学デバイス5と表示素子6を有している。
表示素子6は、可視光からなる映像光の発光により映像を表示する光学装置であり、その具体例としては、例えば、反射型又は透過型の液晶表示素子(LCD:liquid crystal display),デジタル・マイクロミラー・デバイス(digital micromirror device),有機EL(organic electro-luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。さらに、表示素子6を照明するための照明装置を配置してもよい。照明装置としては、LED(light emitting diode)等の光源,集光用光学素子(レンズ,ミラー等)で構成された照明光学系等を備えたものが挙げられる。
光学デバイス5は、コンバイナー3を支持する透明なプリズム1,2と、表示素子6からの映像光Laと外界風景からの外界光Lbとを同時に観察者眼EYに導くコンバイナー3と、コンバイナー3を通らずに入射する外界光Lb(図2)に対して光学的に作用する補正光学素子4a,4bと、を有している。プリズム1,2は、例えばプラスチック等の透明材料(アクリル系樹脂,ポリカーボネート,シクロオレフィン樹脂等)で構成された透明な光学部材である。コンバイナー3と補正光学素子4a,4bの具体例としては、ハーフミラー(フィルム状ハーフミラー,薄膜状ハーフミラー等),ホログラム光学素子(体積位相型の反射型ホログラム等)等の光学素子が挙げられる。
光学デバイス5は、非軸対称(非回転対称)な正の光学的パワーをコンバイナー3に有しており、それによって表示素子6からの映像光Laを観察者眼EYに導くための接眼光学系として機能する。その結果、コンバイナー3を介して表示素子6の映像が外界像に重なるように、その表示映像が拡大虚像として観察者眼EYにシースルーで投影表示される。なお、コンバイナー3の光学的パワーは、ハーフミラー面又はホログラム面を曲面(例えば円錐面等)で構成したり、光学的パワーを持つようにホログラム光学素子を作成したりすることにより実現可能である。
2枚のプリズム1,2は、コンバイナー3を挟むようにして接着剤(不図示)で接合されて、平行平板を形成している。プリズム1は、表示素子6から入射してくる映像光Laを全反射により内部で導光する一方、外界像の光(外界光Lb)を透過させるように作用する。その際、プリズム1,2の接合面上にコンバイナー3が設けられているため、接合面を介した外界像のシースルー性(コンバイナー機能)が確保される。プリズム2がプリズム1に接合されているため、外界光Lbがプリズム1の楔状の下端部を透過するときの屈折がプリズム2でキャンセルされて、観察される外界像に歪みが生じるのを防止することができる。
補正光学素子4aはプリズム1の外界側のプリズム面に貼り付けられており、補正光学素子4bはプリズム2の観察者眼EY側のプリズム面に貼り付けられている。コンバイナー3と補正光学素子4a,4bは、いずれも観察者眼EYから見て左右方向(図1(A))の全視界A0をカバーしているが、観察者眼EYから見て上下方向(図1(B))に関しては、それぞれが互いに重ならず、かつ、隙間無くカバーする領域の組み合わせによって、全視界A0をカバーしている。したがって、コンバイナー3による外界視野の不均一化が補正光学素子4a,4bにより低減される。なお、光軸AXを中心とする視野の一部のみをコンバイナー3でカバーするとともに(後述する図11の構成)、その左右の視野も補正光学素子4a,4bでカバーするようにしてもよいが、観察者眼EYから見て左右方向はコンバイナー3の傾斜の中心軸に対して平行な方向であるため、コンバイナー3のみで容易にカバーすることが可能である。
図2に示すように、コンバイナー3としてハーフミラーを用いた場合、コンバイナー3に入射した映像光Laのうちの一部(例えば50%)が反射される。コンバイナー3としてホログラム光学素子を用いた場合、コンバイナー3に再生照明光として映像光Laが入射すると、再生像光として特定の波長の映像光Laが回折反射(ホログラム再生)される。いずれの場合も、コンバイナー3で反射した映像光Laは、コンバイナー3を透過した外界光Lbと共に、観察者眼EYに入射することになる。したがって、観察者は表示映像と共に外界像も観察することができる。また、透明基材であるプリズム1は、表示素子6からの映像光Laを内部で全反射させてコンバイナー3に導光する構成になっているため、表示素子6から発光した映像光Laを無駄なく利用して、観察者に明るい映像を提供することができる。
上述したように、コンバイナー3は表示素子6に表示される映像と外界像とを同時に観察者眼EYに導くので、観察者はコンバイナー3を介して表示素子6から提供される映像と外界像とを同時に観察することができる。したがって、上述した映像表示装置X1(図1,図2)を搭載することにより、光学デバイス5で映像を観察者眼EYにシースルーで投影表示する機能を備えた光学シースルーディスプレイを構成することができる。
上記のように、光学シースルーディスプレイにおいて映像表示装置X1を搭載することにより、コンバイナー3で映像を観察者眼EYにシースルーで投影表示する機能を備えることが望ましい。また、その光学シースルーディスプレイは、コンバイナー3が観察者眼EYの前方に位置するように映像表示装置X1を支持する(つまり、観察者の眼前で支持する)支持部材を備えたヘッドマウントディスプレイであることが望ましい。映像表示装置X1はシースルー性が高いため、観察者の眼前で映像を表示する配置にすれば、高い映像表示効果を得ることができる。
光学シースルーディスプレイとしては、ヘッドマウントディスプレイ(HMD),ヘッドアップディスプレイ(HUD)等が挙げられる。また、ヘッドマウントディスプレイの形態としては眼鏡型,ヘルメット型等が挙げられ、ヘッドアップディスプレイの用途としては自動車の運転用,飛行機の操縦用等が挙げられる。ここでは、映像表示装置X1を備えた眼鏡型のヘッドマウントディスプレイを例示して以下に説明する。
図3に、映像表示装置X1を備えた眼鏡型のヘッドマウントディスプレイ10の概略構成を示し、図4にそのV−V’線断面構造を示す。ヘッドマウントディスプレイ10は、上述した映像表示装置X1と、フレーム(支持部材)11と、レンズ12a,12bと、筐体13と、を備えた構成になっている。レンズ12a,12bと筐体13は、フレーム11で支持されている。映像表示装置X1の表示素子6や照明装置(不図示)等は、筐体13内に収容されており、接眼光学系である光学デバイス5の上端部も筐体13内に位置している。したがって、筐体13がフレーム11で支持されることにより、光学デバイス5の本体部分は右眼用のレンズ12aの前方(外界側)に位置することになる(図4)。なお、レンズ12a,12bは眼鏡用レンズでもよく、平行平面板からなるダミーレンズでもよい。
筐体13内の表示素子6,光源(不図示)等は、筐体13を貫通して設けられるケーブル(不図示)を介して、回路基板(不図示)と接続されており、回路基板から表示素子6,光源等に駆動電力や映像信号が供給される。なお、映像表示装置X1は、静止画や動画を撮影する撮像装置,マイク,スピーカー,イヤホン等をさらに備え、外部のサーバーや端末とインターネット等の通信回線を介して、撮像画像及び表示画像の情報や音声情報をやりとり(送受信)する構成であってもよい。
ヘッドマウントディスプレイ10を観察者の頭部に装着し、表示素子6(図2)に映像を表示すると、その映像光Laが光学デバイス5を介して観察者眼EYに導かれて、観察者は、映像表示装置X1の表示映像の拡大虚像を観察することができる。また、これと同時に、観察者は光学デバイス5を介して、外界像をシースルーで観察することができる。映像表示装置X1がフレーム11で支持されることにより、観察者は映像表示装置X1から提供される表示映像と外界像とを同時にハンズフリーで長時間安定して観察することができ、空いた手で所望の作業を行うことができる。なお、映像表示装置X1を2つ用いて両眼で映像を観察できるようにしてもよい。
ここで、コンバイナー3と補正光学素子4a,4bを両方ともハーフミラーとした場合の映像表示装置X1を実施例1として、補正光学素子4a,4bによる明るさ補正を説明する。なお実施例1では、補正光学素子4a,4bとしてハーフミラーの代わりに吸収型ND(Neutral Density)フィルターを用いてもよい。
図11に、一般的な光学シースルー型の映像表示装置X0を比較例として示す。図11は映像表示装置X0の要部を図1と同様に示しており、(A)は平面図であり、(B)は縦断面図である。この比較例の映像表示装置X0のように、コンバイナー3が全視界A0の一部のみをカバーするように配置されている場合、ハーフミラーからなるコンバイナー3を通して見た視野のみが暗く見えることになる。例えば、映像表示装置X0を備えたヘッドマウントディスプレイ10の装着者が映像を写さずに外界を見た場合、眼前のコンバイナー3を通した外界視野とそれ以外の外界視野とでは明るさや色が異なって見えてしまい、それが外界の見づらさの原因になる。
それに対し、実施例1の映像表示装置X1では、図1に示すように、コンバイナー3と補正光学素子4a,4bとが互いに重ならず、かつ、隙間無くカバーする領域の組み合わせによって、全視界A0がカバーされている。このため、プリズム1の外界側のプリズム面に設けられている補正光学素子4aと、プリズム2の観察者眼EY側のプリズム面に設けられている補正光学素子4bと、をコンバイナー3と同等の透過率又は反射率を持つようにハーフミラーで構成すると、コンバイナー3を通して見た視野と、コンバイナー3を通さずに補正光学素子4a又は補正光学素子4bを通して見た視野と、で外界の明るさを均一にすることができる。したがって、コンバイナー3による外界視野の不均一化を低減することができる。
図5に、コンバイナー3と視野内の光線L1,L2との関係を示す。外界の明るさを均一とみなすための条件として、プリズム2のプリズム面に対して垂直に入射する外界光Lb(図2)のうちプリズム1,2とコンバイナー3を通る光線L1と、プリズム1のプリズム面に対して斜めに入射する外界光Lbのうちコンバイナー3を通らずにプリズム1,2を通る光線L2と、を考える。
基準となる光軸AXはプリズム1,2のプリズム面に対して垂直に位置するものとし、コンバイナー3に対する光線L1の入射角度αを30度とし、光線L1に対して光線L2がなす角度θを10度として、観察者が頭部を動かすことなく見える上下の視野範囲としてθ=±10度を想定する。コンバイナー3への外界光Lbの光線L1の入射角αが30度であり、補正光学素子4a,4bへの外界光Lbの光線L2の入射角θが10度になるため、10度の入射角で、入射角が30度と略同等の反射率,透過率又は吸収率を持つ補正光学素子4a,4b(例えば、ハーフミラー,NDフィルター)を選択する。
そして、以下の条件式(1)を満足するように補正光学素子4a,4bを配置する。
(ΔY/Y1)×100≦25% …(1)
ただし、
ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、
ΔY=|Y1−Y2|、
Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、
Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値、
である。
上記条件式(1)との関連で、以下の条件式(1a)を満たすことが望ましく、条件式(1b)を満たすことが更に望ましい。
(ΔY/Y1)×100≦15% …(1a)
(ΔY/Y1)×100≦5% …(1b)
これらの条件式(1a),(1b)は、前記条件式(1)が規定している条件範囲のなかでも、外界の明るさを均一とみなすうえで好ましい条件範囲を規定している。なお、条件式(1)の上限は、例えばカメラの絞りの1段階の低下量に相当するものであり、上記条件式(1)等は、左右の眼で明るさの差に違和感が生じないためのレベルを規定している。
条件式(1)中のΔYは、光線L1について以下の式(B1)で得られる刺激値Y1と、光線L2について以下の式(B1)で得られる刺激値Y2と、の差分の絶対値|Y1−Y2|として計算される。
Figure 2019077975
ただし、
P(λ):眼に入る光のスペクトル、
y(λ):yの等色関数、
K:最大視感効果度(638[lm/W])、
である。
外界視野を均一にするためには補正光学素子4a,4bの配置も重要である。図6に、補正光学素子4a,4bの配置の影響を示す。もし、コンバイナー3と補正光学素子4a,4bとが視線上で重なった場合、図6(A)に示すように、その重なり部分に相当する暗視界領域A1では外界が暗く見えてしまう。また、視野内にコンバイナー3も補正光学素子4a,4bも無い部分があった場合、図6(B)に示すように、その隙間部分に相当する明視界領域A2だけ外界が明るく見えてしまう。したがって、図6(A),(B)に示すいずれの配置でも、外界視野の明るさは均一にならないため、外界は見づらいものになってしまう。
図7に、外界視野を均一化するための補正光学素子4a,4bの配置パターンを示す。図7(A)に示す配置パターンでは、補正光学素子4a,4bがそれぞれプリズム1,2の外界側のプリズム面に貼り付けられており、図7(B)に示す配置パターンでは、補正光学素子4a,4bがそれぞれプリズム1,2の観察者眼EY側のプリズム面に貼り付けられている。図7(C)に示す配置パターンでは、補正光学素子4aがプリズム1の外界側のプリズム面に貼り付けられており、補正光学素子4bがプリズム2の観察者眼EY側のプリズム面に貼り付けられている。図7(D)に示す配置パターンでは、補正光学素子4aがプリズム1の観察者眼EY側のプリズム面に貼り付けられており、補正光学素子4bがプリズム2の外界側のプリズム面に貼り付けられている。いずれの配置パターンでも、コンバイナー3と補正光学素子4a,4bのそれぞれが互いに重ならず、かつ、隙間をあけることなく組み合わされて、全視界A0をカバーしている。したがって、外界視野の明るさを均一化して外界を見易くすることが可能となる。
図8に、観察者眼EYから見たコンバイナー3と補正光学素子4a,4bの射影状態を示す。補正光学素子4a,4bは、射影面S0において、観察者眼EYから見た補正光学素子4a,4bの射影S4a,S4bがコンバイナー3の射影S3に対して重ならず、かつ、隙間の無いように配置されている。それに対し、図6(A)に示すようにコンバイナー3と補正光学素子4a,4bとが視線上で重なった場合には暗視界領域A1が形成され、図6(B)に示すように視野内にコンバイナー3も補正光学素子4a,4bも無い部分があった場合には明視界領域A2が形成される。したがって、観察者眼EYから見た射影S4a,S4b,S3が互いに重ならず、かつ、隙間無く配置された状態において、コンバイナー3での外界光Lbの透過率(又は反射率)と、補正光学素子4a,4bでの外界光Lbの透過率(又は反射率)と、が等しくなるように設定すれば、外界視野の明るさが均一化されて外界が見易くなる。
図2に示す光路から分かるように、コンバイナー3より下側に位置するプリズム2に補正光学素子4bを配置する場合、補正光学素子4bをプリズム2に直接貼り付けたり蒸着したりする等の方法を採用しても、映像光Laが影響を受けることはない。しかし、プリズム1は映像光Laを内部での全反射により導光するので、プリズム面に補正光学素子4aが直接接するように配置されると、映像光Laに乱れが生じるおそれがある。したがって、コンバイナー3より上側に位置するプリズム1に補正光学素子4aを配置する場合、プリズム1に直接貼り付けるのではなく浮かせて配置することが好ましい。補正光学素子4aをプリズム1から浮かせて配置するには、例えば、プリズム1において映像光Laの全反射に使用していない部分に直径1mm程度のビーズを貼り付け、プリズム1との間にビーズを挟むようにして補正光学素子4aを接着剤で貼り付けるのが好ましい。
次に、コンバイナー3と補正光学素子4a,4bを両方ともホログラム光学素子とした場合の映像表示装置X1を実施例2として、補正光学素子4a,4bによる明るさ補正を説明する。実施例2の映像表示装置X1においても、実施例1と同様、図1に示すように、コンバイナー3と補正光学素子4a,4bとが互いに重ならず、かつ、隙間無くカバーする領域の組み合わせによって、全視界A0がカバーされている。このため、プリズム1の外界側のプリズム面に設けられている補正光学素子4aと、プリズム2の観察者眼EY側のプリズム面に設けられている補正光学素子4bと、をコンバイナー3と同等の透過率又は反射率を持つようにホログラム光学素子で構成すると、コンバイナー3を通して見た視野と、コンバイナー3を通さずに補正光学素子4a又は補正光学素子4bを通して見た視野と、で外界の明るさを均一にすることができる。したがって、コンバイナー3による外界視野の不均一化を低減することができる。
明るさを均一とみなすための条件としては、実施例1と同様、前記条件式(1)を満たすように、補正光学素子4a,4bとしてホログラム光学素子を設置する。好ましくは条件式(1a)を満たすようにし、更に好ましくは条件式(1b)を満たすようにする。また、補正光学素子4a,4bの配置の考え方も実施例1と同様である。
前述したように(図5)、コンバイナー3に対する外界光Lbの入射角αが30度、補正光学素子4a,4bに対する入射角θが10度とすると、10度の入射角で、入射角が30度のコンバイナー3の透過特性と略一致するような特性を有するホログラム光学素子を補正光学素子4a,4bとして用いる。例えば図9に示すように、コンバイナー3を作製する際のホログラム露光は、物体光L3Aと参照光L3Bをホログラム感光材料3Hに対して角度αA,αB=30度で入射させて、再生光L3CがαC=30度で反射するように行う。また、補正光学素子4a,4bを作製する際のホログラム露光は、物体光L4Aと参照光L4Bをホログラム感光材料4Hに対して角度θA,θB=10度で入射させて、再生光L4CがθC=10度で反射するように行う。そして、入射角θA=10度で、入射角αA=が30度のコンバイナー3の透過特性と略一致する(つまり、再生光L3Cと再生光L4Cとで透過特性が略一致する)ような特性を有するホログラム光学素子を補正光学素子4a,4bとして用いる。このとき、露光に用いるレーザー光の波長はコンバイナー3に使用する波長と同じにすることによって、略同程度の透過特性を持たすことができる。
なお実施例2では、補正光学素子4a,4bとしてホログラム光学素子の代わりに特定の波長を反射するノッチフィルターを用いてもよい。ノッチフィルターでも同様に所望の光学性能を達成することができるため、入射角10度で、入射角が30度のコンバイナー3のホログラム光学素子と略同様の波長をカットできるノッチフィルターを選択すればよい。
次に、コンバイナー3と補正光学素子4a,4bを両方ともホログラム光学素子とした場合の映像表示装置X1を実施例3として、補正光学素子4a,4bによる色味補正を説明する。実施例3の映像表示装置X1においても、実施例2と同様、図1に示すように、コンバイナー3と補正光学素子4a,4bとが互いに重ならず、かつ、隙間無くカバーする領域の組み合わせによって、全視界A0がカバーされている。このため、プリズム1の外界側のプリズム面に設けられている補正光学素子4aと、プリズム2の観察者眼EY側のプリズム面に設けられている補正光学素子4bと、をコンバイナー3と同等の透過率又は反射率を持つようにホログラム光学素子で構成すると、コンバイナー3を通して見た視野と、コンバイナー3を通さずに補正光学素子4a又は補正光学素子4bを通して見た視野と、で外界の色味を均一にすることができる。したがって、コンバイナー3による外界視野の不均一化を低減することができる。なお、ホログラム光学素子の作成に関しては、実施例2と同様の方法を用いて作成可能である。
色味を均一とみなすための条件としては、実施例1と同様の光線L1,L2を考える。そして、以下の条件式(2)を満足するように補正光学素子4a,4bを配置する。
ΔE≦6.5 …(2)
ただし、
ΔE:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線と、プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線と、の色差、
である。
上記条件式(2)との関連で、以下の条件式(2a)を満たすことが望ましく、条件式(2b)を満たすことが更に望ましい。
ΔE≦3.2 …(2a)
ΔE≦1.6 …(2b)
これらの条件式(2a),(2b)は、前記条件式(2)が規定している条件範囲のなかでも、外界の色味を均一とみなすうえで好ましい条件範囲を規定している。なお、上記条件式(2)等の範囲に関して、ΔE=3.2〜6.5は印象レベルでは同じ色として扱える範囲であり、ΔE=1.6〜3.2は色の離間比較ではほとんど気付かれない色差レベルであり、ΔE=0.8〜1.6は色の隣接比較でわずかに色差が感じられるレベルである。
色差ΔEは、以下のようにして算出される。まず、色空間L*u*v*において、以下の式(C1),(C2),(C3)を用いて、光線L1に関する刺激値X1,Y1,Z1と光線L2に関する刺激値X2,Y2,Z2を計算する。
Figure 2019077975
ただし、
P(λ):ホログラム光学素子に入射する光のスペクトル、
ρ(λ):ホログラム光学素子の透過スペクトル、
x(λ):xの等色関数、
y(λ):yの等色関数、
z(λ):zの等色関数、
である。
得られたX1,Y1,Z1;X2,Y2,Z2を以下の式(C4),(C5)に適用してu’1,v’1;u’2,v’2を算出する。その算出結果を以下の式(C6),(C7),(C8)に適用して、L1*,u1*,v1*;L2*,u2*,v2*を算出する。さらに、その算出結果を以下の式(C9)に適用して色差ΔEを算出する。
u’=4X/(X+15Y+3Z) …(C4)
v’=9Y/(X+15Y+3Z) …(C5)
L*=116(Y/Yn)(1/3)−16 …(C6)
u*=13L*(u’−u’n) …(C7)
v*=13L*(v’−v’n) …(C8)
ΔE=√{(ΔL*)2+(Δu*)2+(Δv*)2} …(C9)
ただし、
L*:明度指数、
u*:L*u*v*の座標、
v*:L*u*v*の座標、
Yn:完全拡散反射面(基準白色面)のY、
u’n:完全拡散反射面(基準白色面)のu’、
v’n:完全拡散反射面(基準白色面)のv’、
ΔL*=|L1*−L2*|、
Δu*=|u1*−u2*|、
Δv*=|v1*−v2*|、
である。
なお実施例3では、補正光学素子4a,4bとしてホログラム光学素子の代わりに特定の波長を反射するノッチフィルターを用いてもよい。ノッチフィルターでも同様に所望の光学性能を達成することができるため、入射角10度で、入射角が30度のコンバイナー3のホログラム光学素子と略同様の波長をカットできるノッチフィルターを選択すればよい。また、補正光学素子4a,4bの配置の考え方も実施例1と同様である。
次に、光学デバイス5において前記補正光学素子4a,4bがプリズム1,2の一部として一体化された映像表示装置X2を説明する。図10に、補正光学素子として光吸収プリズム1b,2bを有する映像表示装置X2の概略構成を縦断面で示す。この映像表示装置X2は、前記映像表示装置X1と同様、表示素子6の映像を外界風景に重ねて観察者眼EYに投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、光学デバイス5と表示素子6を有している。
光学デバイス5は、コンバイナー3を支持するプリズム1,2と、表示素子6からの映像光Laと外界風景からの外界光Lbとを同時に観察者眼EYに導くコンバイナー3と、を有している。プリズム1は透明プリズム1aと光吸収プリズム1bからなる接合プリズムであり、プリズム2は透明プリズム2aと光吸収プリズム2bからなる接合プリズムである。光吸収プリズム1b,2bは、前記補正光学素子4a,4bと同様、コンバイナー3を通らずに入射する外界光Lb(図2)に対して光学的に作用する補正光学素子として設けられている。また、コンバイナー3の具体例としては、映像表示装置X1と同様、ハーフミラー(フィルム状ハーフミラー,薄膜状ハーフミラー等),ホログラム光学素子(体積位相型の反射型ホログラム等)等の光学素子が挙げられる。
透明プリズム1a,2aは、例えばプラスチック等の透明材料(アクリル系樹脂,ポリカーボネート,シクロオレフィン樹脂等)で構成された透明な光学部材である。また、光吸収プリズム1b,2bは、例えば透明プリズム1a,2aと同様の透明材料に、添加物を混ぜることによって光吸収率を増加させた光学部材である。透明プリズム1a,2aと光吸収プリズム1b,2bの成型方法としては、それぞれ個別に成型した後に接合する方法が好ましい。
次に、補正光学素子として光吸収プリズム1b,2bを用いるとともに、コンバイナー3をハーフミラーとした場合の映像表示装置X2を実施例4として、光吸収プリズム1b,2bによる明るさ補正を説明する。実施例4の映像表示装置X2においても、実施例1と同様、図10に示すように、コンバイナー3と光吸収プリズム1b,2bとが互いに重ならず、かつ、隙間無くカバーする領域の組み合わせによって、全視界A0がカバーされている。このため、光吸収プリズム1b,2bをコンバイナー3と同等の透過率又は反射率を持つように構成すると、コンバイナー3を通して見た視野と、コンバイナー3を通さずに光吸収プリズム1b又は光吸収プリズム2bを通して見た視野と、で外界の明るさを均一にすることができる。したがって、コンバイナー3による外界視野の不均一化を低減することができる。
明るさを均一とみなすための条件(光吸収プリズム1b,2bに用いる添加物の種類,量等の選定)としては、実施例1と同様の光線を考えて、前記条件式(1)を満たすように、光吸収プリズム1b,2bを設置する。好ましくは条件式(1a)を満たすようにし、更に好ましくは条件式(1b)を満たすようにする。
次に、補正光学素子として光吸収プリズム1b,2bを用いるとともに、コンバイナー3をホログラム光学素子とした場合の映像表示装置X2を実施例5として、光吸収プリズム1b,2bによる明るさ補正を説明する。実施例5の映像表示装置X2においても、実施例4と同様、図10に示すように、コンバイナー3と光吸収プリズム1b,2bとが互いに重ならず、かつ、隙間無くカバーする領域の組み合わせによって、全視界A0がカバーされている。このため、光吸収プリズム1b,2bをコンバイナー3と同等の透過率又は反射率を持つように構成すると、コンバイナー3を通して見た視野と、コンバイナー3を通さずに光吸収プリズム1b又は光吸収プリズム2bを通して見た視野と、で外界の明るさを均一にすることができる。したがって、コンバイナー3による外界視野の不均一化を低減することができる。
明るさを均一とみなすための条件(光吸収プリズム1b,2bに用いる添加物の種類,量等の選定)としては、実施例1と同様の光線を考えて、前記条件式(1)を満たすように、光吸収プリズム1b,2bを設置する。好ましくは条件式(1a)を満たすようにし、更に好ましくは条件式(1b)を満たすようにする。
次に、補正光学素子として光吸収プリズム1b,2bを用いるとともに、コンバイナー3をホログラム光学素子とした場合の映像表示装置X2を実施例6として、光吸収プリズム1b,2bによる色味補正を説明する。実施例6の映像表示装置X2においても、実施例5と同様、図10に示すように、コンバイナー3と光吸収プリズム1b,2bとが互いに重ならず、かつ、隙間無くカバーする領域の組み合わせによって、全視界A0がカバーされている。このため、光吸収プリズム1b,2bをコンバイナー3と同等の透過率又は反射率を持つように構成すると、コンバイナー3を通して見た視野と、コンバイナー3を通さずに光吸収プリズム1b又は光吸収プリズム2bを通して見た視野と、で外界の色味を均一にすることができる。したがって、コンバイナー3による外界視野の不均一化を低減することができる。
色味を均一とみなすための条件(光吸収プリズム1b,2bに用いる添加物の種類,量等の選定)としては、実施例1と同様の光線を考えて、前記条件式(2)を満たすように、光吸収プリズム1b,2bを設置する。好ましくは条件式(2a)を満たすようにし、更に好ましくは条件式(2b)を満たすようにする。
上述した実施例1〜6では、以下の表1に示すように、外界視野の明るさ又は色味を補正することにより、コンバイナー3を通した視界部分とその他の視界部分とが同様の見え方になるようにしている。ただし、ホログラム光学素子又は光吸収プリズムを用いて、実施例2,5のように外界視野の明るさを均一にしても色味は均一にならないが、実施例3,6のように外界視野の色味を均一にすれば明るさも均一にすることは可能である。
Figure 2019077975
以上説明した映像表示装置X1,X2によれば、コンバイナー3を通して見える外界視野とそれ以外の外界視野とで明るさや色の差異が小さくなるため、コンバイナー3による外界視野の不均一化を低減することができる。例えば、ヘッドマウントディスプレイ10を通して外界を観察したとき、外界視野の明るさや色の不均一さが低減され、外界の見づらさが軽減されるという効果が得られる。
以上の説明から分かるように、上述した実施の形態や実施例には以下の特徴的な構成(#1)〜(#9)等が含まれている。
(#1):映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、以下の条件式(1)を満足するように配置された補正光学素子と、を有することを特徴とする映像表示装置;
(ΔY/Y1)×100≦25% …(1)
ただし、
ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、
ΔY=|Y1−Y2|、
Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、
Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値、
である。
(#2):前記補正光学素子が以下の条件式(1a)を満足するように配置されていることを特徴とする(#1)記載の映像表示装置;
(ΔY/Y1)×100≦15% …(1a)
ただし、
ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、
ΔY=|Y1−Y2|、
Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、
Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値、
である。
(#3):前記補正光学素子が以下の条件式(1b)を満足するように配置されていることを特徴とする(#1)記載の映像表示装置;
(ΔY/Y1)×100≦5% …(1b)
ただし、
ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、
ΔY=|Y1−Y2|、
Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、
Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値、
である。
(#4):映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、以下の条件式(2)を満足するように配置された補正光学素子と、を有することを特徴とする映像表示装置;
ΔE≦6.5 …(2)
ただし、
ΔE:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線と、プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線と、の色差、
である。
(#5):前記補正光学素子が以下の条件式(2a)を満足するように配置されていることを特徴とする(#4)記載の映像表示装置;
ΔE≦3.2 …(2a)
ただし、
ΔE:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線と、プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線と、の色差、
である。
(#6):前記補正光学素子が以下の条件式(2b)を満足するように配置されていることを特徴とする(#4)記載の映像表示装置;
ΔE≦1.6 …(2b)
ただし、
ΔE:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線と、プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線と、の色差、
である。
(#7):映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、観察者眼から見た射影が前記コンバイナーの射影に対して重ならず、かつ、隙間無く配置された補正光学素子と、を有し、
前記コンバイナーでの前記外界光の透過率と、前記補正光学素子での前記外界光の透過率と、が等しいことを特徴とする映像表示装置。
(#8):(#1)〜(#7)のいずれか1項に記載の映像表示装置を搭載することにより、前記コンバイナーで前記映像を観察者眼にシースルーで投影表示する機能を備えたことを特徴とする光学シースルーディスプレイ。
(#9):前記コンバイナーが観察者眼の前方に位置するように前記映像表示装置を支持する支持部材を備えたことを特徴とする(#8)記載の光学シースルーディスプレイ。
X0,X1,X2 映像表示装置
1,2 プリズム
1a,2a 透明プリズム
1b,2b 光吸収プリズム(補正光学素子)
3 コンバイナー(ハーフミラー,ホログラム光学素子)
4a,4b 補正光学素子(ハーフミラー,ホログラム光学素子)
3H,4H ホログラム感光材料
5 光学デバイス
6 表示素子
10 ヘッドマウントディスプレイ(光学シースルーディスプレイ)
11 フレーム(支持部材)
12a,12b レンズ
13 筐体
A0 全視界
A1 暗視界領域
A2 明視界領域
L1,L2 光線
La 映像光
Lb 外界光
L3A,L4A 物体光
L3B,L4B 参照光
L3C,L4C 再生光
S0 射影面
S3 コンバイナーの射影
S4a,S4b 補正光学素子の射影
EY 観察者眼

Claims (9)

  1. 映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
    前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、以下の条件式(1)を満足するように配置された補正光学素子と、を有する映像表示装置;
    (ΔY/Y1)×100≦25% …(1)
    ただし、
    ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、
    ΔY=|Y1−Y2|、
    Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、
    Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値、
    である。
  2. 前記補正光学素子が以下の条件式(1a)を満足するように配置されている請求項1記載の映像表示装置;
    (ΔY/Y1)×100≦15% …(1a)
    ただし、
    ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、
    ΔY=|Y1−Y2|、
    Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、
    Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値、
    である。
  3. 前記補正光学素子が以下の条件式(1b)を満足するように配置されている請求項1記載の映像表示装置;
    (ΔY/Y1)×100≦5% …(1b)
    ただし、
    ΔY:Y1とY2との差分の絶対値、
    ΔY=|Y1−Y2|、
    Y1:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線の刺激値、
    Y2:プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線の刺激値、
    である。
  4. 映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
    前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、以下の条件式(2)を満足するように配置された補正光学素子と、を有する映像表示装置;
    ΔE≦6.5 …(2)
    ただし、
    ΔE:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線と、プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線と、の色差、
    である。
  5. 前記補正光学素子が以下の条件式(2a)を満足するように配置されている請求項4記載の映像表示装置;
    ΔE≦3.2 …(2a)
    ただし、
    ΔE:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線と、プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線と、の色差、
    である。
  6. 前記補正光学素子が以下の条件式(2b)を満足するように配置されている請求項4記載の映像表示装置;
    ΔE≦1.6 …(2b)
    ただし、
    ΔE:プリズム面に対して垂直に入射する外界光のうち補正光学素子を通らずにプリズムとコンバイナーを通る光線と、プリズム面に対して斜めに入射する外界光のうちコンバイナーを通らずにプリズムと補正光学素子を通る光線と、の色差、
    である。
  7. 映像を外界風景に重ねて観察者眼に投影表示する光学シースルー型の映像表示装置であって、
    前記映像を表示する表示素子と、前記表示素子からの映像光と前記外界風景からの外界光とを同時に観察者眼に導くコンバイナーと、前記コンバイナーを支持するプリズムと、観察者眼から見た射影が前記コンバイナーの射影に対して重ならず、かつ、隙間無く配置された補正光学素子と、を有し、
    前記コンバイナーでの前記外界光の透過率と、前記補正光学素子での前記外界光の透過率と、が等しい映像表示装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の映像表示装置を搭載することにより、前記コンバイナーで前記映像を観察者眼にシースルーで投影表示する機能を備えた光学シースルーディスプレイ。
  9. 前記コンバイナーが観察者眼の前方に位置するように前記映像表示装置を支持する支持部材を備えた請求項8記載の光学シースルーディスプレイ。
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