JP2008167475A - 平面スピーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】振動膜のボイスコイルに金属疲労による断線が発生しにくい平面スピーカを提供する。
【解決手段】絶縁性ベースフィルム116の両面または片面に渦巻き状ボイスコイル118を設けた振動膜114と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記振動膜の、少なくとも1次振動モードまたは2次振動モードの腹に相当する部分y1、y2を、剛性付与部材138で補強したことを特徴とする平面スピーカ。
【選択図】図11

Description

本発明は、平らな振動膜を有する平面スピーカに関する。
図34に従来の薄型平面スピーカの一例を示す。このスピーカは、ヨーク50上に複数の棒状磁石52が並列に配置され、これら棒状磁石52の磁極面に対して平行に振動膜54が配置され、棒状磁石52より発生する磁界に直交する方向に電流が流せるように、振動膜54上の棒状磁石52に対向する位置に複数のコイル56が配置されている。そして、これらコイル56の各々に交流電流を流すことにより、コイル56にはコイル56と磁界との間でフレミングの左手の法則に従った力が発生する。その結果、振動膜54が膜面に直交する方向に振動し、電気信号が音響信号に変換される。
しかし、上記の平面スピーカでは、棒状磁石に対向したコイルが細長い長方形の形状であり、かつ、棒状磁石の磁極面内に対向した位置にコイルの大部分が配置されていることなどから、振動膜面のコイルに直交する磁界の影響で振動膜面に沿った方向の力が発生して振動膜がよじれ雑音を発生し、またスピーカ形状やコイルのインピーダンスを設計する際の自由度が小さい等の問題点があった。
また、図34のスピーカの問題点に対して改良を施したものとして、図35の構成の平面スピーカが提唱されている。この構成のスピーカでは、ヨーク60に、隣り合う磁極面が互いに異なるように複数個の磁石62が振動膜64に平行に配置されている。さらに、振動膜64の片面あるいは両面の磁石62の磁極面に対向した位置に、磁極面の外縁に対応する部位付近に渦巻きの内周が位置するように複数の渦巻き状コイル66が配置されている。なお、図中68はダンパを示す。
上述の構成とすることにより、コイルが振動膜を直交する磁界から受ける力が減少し、雑音の発生が減少するとともに、振動膜面に平行な磁界と直交するコイルの面積が増加して音響変換効率が向上し、スピーカ形状やコイルのインピーダンス設計の自由度についても図34のスピーカより向上する。
上記の従来の平面スピーカでは、振動膜上にコイルを形成する方法として、次に述べるような方法が一般的に採用されている。すなわち、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の樹脂製フィルムの両面にスパッタリング、めっき、金属箔の張り付け等の方法によって金属層を形成した基材シート、またはガラスクロスやアラミド不織布などにエポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等を含浸したプリプレグ等の基材に銅箔やアルミ箔等の金属箔を接着した複合シートなどから、穴あけ、スルーホールめっき等によってスルーホールを形成した後、エッチング等のプリント配線板を製造するのと同様の工程によって不要な部分の金属箔を除去してコイルを形成する方法が採られている。
また、ポリイミドフィルムやポリエステルフィルム等の樹脂製フィルム、あるいはガラスクロスやアラミド不織布などにエポキシ樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等を含浸したプリプレグを加熱硬化したシート等の基材上に、コイル状のパターンと基材の両面の回路を電気的に導通するスルーホール(導通部)とを直接金属めっきにより形成する方法も採られている。
上述した方法で製造した振動膜は、図36に示すような構造を持つのが一般的である。図36において、70は基材フィルム、72はコイル状回路、74はスルーホール接続部を示す。
しかしながら、前述した従来のコイル形成方法はいずれも問題点を有する。すなわち、両面に金属層を形成したフィルム状基材からスルーホール形成後、エッチングによってコイルを形成する方法(プリント配線板製造法のうちサブトラクティブ法と呼ばれる方法)では、エッチング時の製造条件により部分的にコイルが過剰にエッチングされてコイルを構成する導体幅が細くなり、その結果インピーダンスが上昇したり、最悪の場合回路が断線したりすることがある。また逆に、エッチング不足によって導体幅が太くなったり、隣接した導体同士が短絡したりして、インピーダンスが低下するなどの問題が起きやすい。
基材上に直接金属めっきによってコイルを形成する方法(プリント配線板製造法のうちアディティブ法と呼ばれる方法)では、コイルをめっきする際に全てのコイルで導体の厚さを均一に保つことが難しいなど、スピーカのインピーダンス設計の自由度に難がある。
しかも、上述した従来の各製法では、工程が複雑で製造時の振動膜のインピーダンスのばらつきが大きく、製造コストも高くなるという問題があった。
また、サブトラクティブ法やアディティブ法によりコイルを形成する方法では、エッチング条件やめっき条件の制約を受けて量産性のある条件でコイルの断面積を自在に設計することが困難であった。さらに、サブトラクティブ法やアディティブ法によりコイルを形成する方法では、同一面内でコイルを重ね合わせることができないために、インピーダンス設計の自由度が小さく、渦巻き状コイルの断面積を0.02mmより大きくとることができないという問題があった。
図37(A)〜(C)に従来の平面スピーカの一例を示す。図において、110は鉄板(強磁性金属板)からなる平板状のヨーク、112はヨーク110の片面に磁軸を垂直にして取り付けられた複数の永久磁石、114は振動膜である。永久磁石112はヨーク110の平面方向に所定の間隔をおいて隣り同士で極性が反対になるように取り付けられている。振動膜114は、絶縁性ベースフィルム116の両面(片面でも可)に、前記永久磁石112に対応させて渦巻き状ボイスコイル118を形成したものである。全てのボイスコイル118は隣り合うボイスコイルの隣接辺に同じ向きの電流が流れるように接続されている。126はボイスコイル118を押さえ付ける被膜である。
ヨーク110には振動膜114の振動に伴って生じる空気圧の変動を調整するために穴124が形成されている。振動膜114はその周辺を弾力性のある保持部材128を介してヨーク周壁部110a上のヨーク棚部110bと接合し、永久磁石112の磁極面から所望の距離を保って可動状態で保持されている。また振動膜114と永久磁石112の間には、振動膜114が永久磁石112の磁極面に接触しないようにする緩衝シート130を介在させてある。なお緩衝シート130は振動膜114の振動を妨げないようにクッション性の良好な材料で構成されたシート状のものであってもよい。なお、Gは振動膜114と緩衝シート130の間の隙間、122は入力端子、132は絶縁板、134は外部端子、136は可撓導体である。上記のような平面スピーカは、薄型に構成できる。
しかし平面スピーカは、絶縁性ベースフィルム上に形成されたボイスコイルが直接振動するため、長期間使用すると、ボイスコイルに金属疲労が蓄積して、断線が発生しやすいという問題がある。金属疲労は金属材料の特定の個所に繰り返し応力がかかることで発生する。
また平面スピーカは、振動膜の基材となる絶縁性ベースフィルムが厚さ4〜100μm程度ときわめて薄いため、300〜800Hzの中音領域に音圧の谷がシャープに出現して、音質の劣化を招くという問題もある。
さらに平面スピーカにおいては、振動膜上にボイスコイルを備えるため、ボイスコイルが発するジュール熱が振動膜に伝わりやすく、振動膜が変質する場合がある。また、振動膜の自重によりたわみを生じ、磁石面と接触し特性劣化を招く場合もあった。
先行発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、振動膜の形状設計やインピーダンス設計の自由度が高く、振動膜のインピーダンスばらつきの少ない振動膜を用いた平面スピーカを提供することを目的とするものである。さらに、先行発明は、音響変換効率の尺度である音圧の大きな平面スピーカを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するための手段として本発明者らは、本発明者らが先に特開平11−255856号にて提唱した布線技術、すなわち、少なくとも一方の面に粘着層を有するシート状基材(以下、粘着性シートと称する)の表面に沿って相対的に移動可能に設けられた布線ヘッドを粘着性シートの表面に間欠的に点接触させながら線状導体を繰り出すことで、前記粘着性シートの表面に前記線状導体を順次貼付していくという手法を用いることにより、上記の課題が解決できることを見いだした。
したがって、先行発明は、絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記振動膜は、少なくとも一方の面に粘着層を有するシート状基材に線状導体をコイル状に布線することにより前記渦巻き状のコイルを形成したものであることを特徴とする平面スピーカを提供する。
また、先行発明は、平坦部を有するヨーク上に、複数個の磁石を、所定の距離を隔てかつ隣り合う磁石の磁極面が互いに逆になるように配置するとともに、前記磁石の磁極面から所定の距離の位置に、磁極面に対応した箇所に複数個の渦巻き状のコイルを有する振動膜を磁極面に対して平行になるように配置した平面スピーカにおいて、前記振動膜は、少なくとも一方の面に粘着層を有するシート状基材に線状導体をコイル状に布線することにより前記複数個の渦巻き状のコイルを形成したものであることを特徴とする平面スピーカを提供する。
先行発明によれば、粘着性シート上に線状導体を布線してコイルを形成した振動膜を用いるので、コイルを構成する導体の厚み、幅および長さを一定に保つことができ、従来の方法で製造した振動膜に比べて振動膜個々のインピーダンスのばらつきを低減することが可能となる。また、線状導体としてその表面層に少なくとも1層の絶縁層を有する絶縁被覆導体を用いることで、線状導体の布線密度や、布線パターンの自由度が格段に増し、より自由な形状設計、インピーダンス設計が行えるなどの効果が得られる。さらに、先行発明の平面スピーカは従来品に比べてコイルの断面積を大きく設定できるので、駆動力が増大し、音圧が大きくなる。この場合、リッツ線を選択することで導体断面積の大きなコイルを精度良く布線することができるので、さらに音圧を大きくすることができる。
先行発明では、線状導体が、その表面層に少なくとも1層の絶縁層を有する絶縁被覆導体であることが適当である。
上記のようにすることで、コイルを構成する導体の断面積および長さを一定に保つことができ、従来の方法で製造した振動膜に比べて振動膜個々のインピーダンスのばらつきを低減することが可能となる。
また、従来のサブトラクティブ法やアディティブ法によりコイルを形成する方法では、同一面内でコイルを重ね合わせることができないために、インピーダンス設計の自由度が小さいという問題が解決される。
また、従来の方法では渦巻き状コイルの断面積を0.02mmより大きくとることが困難であったが、線状導体の直径を0.02mm〜0.4mmの範囲で選ぶことで、コイルの断面積を0.0003mm〜0.13mmと幅広く選択することが可能になる。
さらに、線状導体として、その表面層に少なくとも1層の絶縁層を有する絶縁被覆導体を用いれば、線状導体を交差して重ねることが可能であり、設計の自由度が飛躍的に高まるとともに、インピーダンスの設定が容易になる。
また、線状導体にリッツ線を選べば、素線と同一の導体断面積であっても柔軟性が増し、詳細な幾何学形状のコイル形状に対応することが可能となる。また、線状導体が柔軟であれば、図1の正方形のコイル設計に対して断面積が同一の1本の素線およびリッツ線により布線を施した場合の一例に示すように、コイル設計に対してより正確にコイルを形成することができる。
また、線状導体の導体が銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、銅クラッドアルミニウム、銅クラッドアルミニウム合金、銅めっきアルミニウム、銅めっきアルミニウム合金のうち少なくとも1つを含むことで、導体のインピーダンスや断面積、重量、布線スピードなどを最適に選択することが可能となる。同一のコイル形状で同一のインピーダンスを設計するときには、例えば、振動膜の厚みを薄くしたいときには密度の高い銅を選択し、振動膜の重量を軽くしたいときにはアルミニウムあるいはアルミニウム合金を選択すればよい。
本願A発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その第一の目的は、振動膜のボイスコイルに金属疲労による断線が発生しにくい平面スピーカを提供することにある。
本願A発明の第二の目的は、中音領域の音質を改善した平面スピーカを提供することにある。
上記の目的を達成するため本願A発明は、絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記振動膜の、少なくとも1次振動モードまたは2次振動モードの腹に相当する部分を、剛性付与部材で補強したことを特徴とするものである。
図8(A)は振動膜114のモデルを示す。このモデルは長方形の絶縁性ベースフィルム上に2×12個のボイスコイルを配列した場合である。この振動膜114の1次振動モードは図8(B)のようになる。すなわち、振動膜114の中央部が振動の腹となり、この部分が最大変位となる。このとき破線x上の材料歪みが最大となる。また振動膜114の2次振動モードは図8(C)のように長辺の中点を通り短辺と平行な方向の一点鎖線z上に節(変位が0となる部分)が現れる。この場合は振動の腹が2個所に現れ、破線x1、x2上の材料歪みが最大となるが、歪みの大きさは1次振動モードの場合より小さい。なお、本明細書中、振動の腹を含み2次振動モードにおける節と平行な線(例えば図8におけるx、x1、x2)を腹の稜線と呼ぶことがある。
振動膜のボイスコイルの金属疲労による断線が最も発生しやすいのは、1次振動モードの腹の部分である。したがってこの部分を剛性付与部材で補強してやれば、材料歪みが小さくなり、断線を大幅に低減できる。次に断線が発生しやすいのは、2次振動モードの腹の部分である。したがってこの部分も剛性付与部材で補強してやれば、さらに断線を低減できる。剛性付与部材は振動モードの腹と節の両方を含むように設けてもよい。なお3次以上の振動モードは、1次、2次の振動モードに比べて振幅が小さく、ボイスコイルの金属疲労に影響する度合いはきわめて低い。
また1次、2次振動モードの腹の部分の剛性が増すと、中音領域の音質が改善されることも判明した。
振動モードの発現のしかたは振動膜の形状、材質によって異なる。例えば図8に示す長方形の場合は上述したようになるが、他の形状の場合は以下のようになる。すなわち、短辺と長辺の長さの差が比較的少ない長方形の場合には1次振動モードは図9(A)で示され2次振動モードは図9(B)から(D)で示される。2次振動モードにおいては(B)に示すように長辺の中点を通り短辺に平行に節zが現れる他、(C)に示すように短辺の中点を通り長辺と平行に節zが現れる。また(D)のように十字状に節zが現れる。すなわち、この場合には腹の稜線は一点鎖線xで表せる。正方形の場合の1次振動モードは図9(E)で示され2次振動モードは図9(F)から(H)で示される。2次振動モードでは十次状(F)、X状(G)あるいは菱型状(H)に節zが現れる。したがって腹の稜線は一点鎖線xで示される。楕円形の場合、1次振動モードは図10(A)のようになり、2次振動モードは(B)から(F)のようになる。この場合も節は破線で表され腹の稜線は一点鎖線で表せる。振動膜の形状にかかわらず、1次振動モードの腹に相当する部分で材料歪みが最も大きくなり、次に材料歪みが大きくなるのは2次振動モードの腹に相当する部分である。
振動膜のボイスコイルは、絶縁性ベースフィルムに張った金属箔をパターンエッチングすることにより形成できる。また振動膜のボイスコイルは絶縁性ベースフィルムにアディティブ法によるパターンめっきにより形成することもできる。さらに振動膜のボイスコイルは、絶縁被覆された銅細線、銅合金細線、アルミ細線、アルミ合金細線、銅クラッドアルミ細線、銅クラッドアルミ合金細線、銅めっきアルミ細線、銅めっきアルミ合金細線、またはそれらのリッツ線を、粘着剤を塗布した絶縁性ベースフィルムに布線することによっても形成することができる。
本願A発明では、変位あるいは歪みの大きくなる低次の振動モードに基づく振動の振幅を押さえ、分割振動を押さえて音質改善を図ることができる。この場合、エッジ部を除く振動膜のほぼ全面に剛性付与部材(PEN発泡体等)を貼付して、容易にピストン運動を生じさせ、分割振動を押さえるようにしてもよい。
さらに、本発明は、本願B発明として、絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記振動膜の基材が樹脂発泡体であることを特徴とする平面スピーカを提供する。
振動膜の基材として、軽量、かつ高剛性である均一微細な気泡を有する樹脂発泡シートを用いることにより、無発泡シートに比べて振動板全体が軽量、かつ高剛性となり音質が向上する。
この場合、均一微細な気泡を有する樹脂発泡シートは、平均気泡径(φ)が50μm以下の樹脂発泡体であれば、無発泡シートと比較して剛性が上がり、かつ単位面積当たりの重量が軽減されるため、音質の上で好ましい。
また、複数の発泡層で構成された樹脂発泡シートは、単一発泡層によるシートに対して剛性が増し、音質をさらに向上させることが可能である。
さらに、本発明は、本願C発明として、絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記ボイスコイルが立体的に形成されていることを特徴とする平面スピーカを提供する。本願C発明は、ボイスコイルの形成方法に関係なく、全ての振動膜に適用可能である。
本願C発明の平面スピーカの態様としては、例えば振動膜のボイスコイルが設けられた部分が折り曲げられて、ボイスコイルが立体的に形成されている態様を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
また、本発明は、本願D発明として、絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記ボイスコイルの重量Wは振動膜全体の重量は25%以上75%以下であることが好ましい。さらには40%以上60%以下であることがより好ましい。これは、ボイスコイル重量が振動膜全体の重量の25%未満ではボイスコイルにかかる駆動力が小さくなり、75%より大きい場合は振動膜全体の重量も重くなりともに音圧が上がらないためである。
本願A発明によれば、振動膜に設けた渦巻き状ボイスコイルを駆動するタイプの平面スピーカで、長期間使用してもボイスコイルの金属疲労による断線が発生しにくい、信頼性の高い平面スピーカを得ることができる。またこの種の平面スピーカの中音域の音質を改善することができる。
本願B発明によれば、振動板に均一微細な気泡を有する樹脂発泡シートを用いることで、無発泡シートに比べて振動板全体が軽量、かつ高剛性となり、振動による歪特性が向上し、音圧が大きくなる。この場合、使用環境により発泡樹脂シートを選択できることと、発泡倍率を任意に決定できることから、さらに設計の自由度が大きくなる。
以下に、先行発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
まず、先行発明で使用する布線装置および布線方法について図を用いて簡単に説明する。図2に示すように、布線装置はテーブル(コンベア機構)20上に粘着面を上にして載置された粘着性シート22に対して、布線ヘッド24を移動機構(XYテーブル)26に支持して平面移動可能に設けて構成される。移動機構26は、マイクロプロセッサ等からなる制御部28の制御の下で前記布線ヘッド24を粘着性シート22の表面(粘着面)に沿わせて、予め設定されたパターンを描きながら2次元的(平面的)に移動させる役割を担う。また、布線ヘッド24は、この平面移動に関連して上下動して、そのノズル先端を粘着性シート22の表面に間欠的に点接触させながら、ボビン30から巻き戻されてテンショナ32やガイドシープ34等を介して供給される線状導体36を前記粘着シート22の表面(粘着面)に順次布設する。
すなわち、布線ヘッド24は、その下降に伴ってそのノズル先端より導出される線状導体36を粘着性シート22の表面に瞬間的に点接触させ、該粘着性シート22の表面(粘着面)にピンポイントで貼付する。その後、布線ヘッド24は、その上昇により線状導体36をノズル先端から引き出し(繰り出し)、前記移動機構26により布線パターンによって定まる方向に所定量だけ移動された後に、再び降下して前記線状導体36を粘着性シート22の表面(粘着面)に貼付する。このようにして平面移動しながら上下に駆動される布線ヘッド24により、布線ヘッド24のノズル先端から導出した線状導体36が粘着性シート22に間欠的に点接触し、図3に示すようにその接触点P1、P2、P3、…間に該線状導体36が順次に布設され、粘着性シート22の表面(粘着面)に線状導体36が所定のパターンを形成して布設されていくことになる。
なお、布線ヘッド24近傍に粘着材吐出ノズル24’を設け、振動膜としては非粘着シート22’を使用し、布線直前に粘着材吐出ノズル24’から吐出した粘着材によって線状導体24を非粘着シート22’上に貼付しても良い。
先行発明に係る平面スピーカの振動膜において、線状導体をコイル状に布線する上記粘着性シートとしては、ポリイミド、ポリエステル、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン、全芳香族ポリアミド(以下、アラミドと呼ぶ)等の各種高分子フィルムや、紙、ガラスクロス、アラミド繊維布、アラミド繊維不織布等の織布・不織布状基材、該織布・不織布状基材に熱硬化性樹脂を含浸せしめたプリプレグ、これらのプリプレグを加熱硬化せしめた複合シート、あるいはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂を発泡せしめた樹脂発泡シート等のシート状基材の少なくとも一方の面に粘着剤や接着剤を塗布したシート、あるいは両面粘着テープを貼付したシートなどを好適に用いることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに、上記粘着性シートとしては、線状導体が布線される側の面に粘着層を有する耐熱性フィルムを用いることができる。耐熱性フィルムとしては、例えば例えばポリエチレンナフタレート(PEN)からなるもの等を挙げることができ、このような耐熱性フィルムは低コストで耐熱性が高く、高温になりがちな車載環境に適合する。また、平面スピーカにおいては、ボイスコイルが振動膜上に形成されるためボイスコイルが発生するジュール熱が振動膜に伝わりやすいが、耐熱性フィルムを使用する場合はこのジュール熱による変質を抑制できるため好適である。
シート状基材の粘着層は、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂またはエポキシ系樹脂で形成することができる。シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂は耐熱性が高く、車載環境に適合する。また、エポキシ系樹脂は熱硬化して剛性が向上する。
また、上述した粘着性シートの所定の位置に所定のパターン形状をなしてコイル状に線状導体を布線したのち、該粘着性シートのコイル状パターンを保護する目的で該パターンを覆うように新たに高分子フィルム、紙、各種織布・不織布等のシート状基材を貼付したり、ソルダーレジスト、ポリイミドワニス等の絶縁塗料を塗布したりすることも可能である。
さらに、該粘着性シート上に布線する線状導体として、その表面層に少なくとも1層の絶縁層を有する絶縁被覆導体を用いると、一度布線した線状導体の上にさらに線状導体を重ねて布線することで線状導体の密度を高めたり、線状導体を自由に交差させて布線したりすることができ、振動膜の音響変換効率を高め、より自由な形状設計・インピーダンス設計を行うことができるので好ましい。
例えば、振動膜は、図7(A)、(B)、(C)に示すように、粘着性シート22の磁石23に対向する側の面に線状導体36を振動膜の垂直方向に複数段積み重ねてコイル状に布線した渦巻き状のコイル37を有するものとすることができる。なお、この場合、線状導体36は、表面に絶縁層を有していることが線状導体36同士の導通を防止できるので好ましい。また、例えば線状導体36同士を接着剤により接着して積み重ね状態を維持することができる。このようにすると、コイル−磁石間距離を短くしつつ(磁束密度の高い領域にコイルを鎖交させ)大きな変位を許し、主に低音特性を改善することができる。また、振幅が大きくなる低周波数の大出力時に振動膜と磁石が衝突しにくく、耐入力値が増加する。なお、従来は低音の再生ができても、振動膜と磁石がぶつかり易かったために高出力の再生ができなかった。
また、線状導体を布線装置に装着して布線する際には、線状導体には一定の強度と柔軟性が要求される。さらに、コイルの設計に忠実に布線するためには、線状導体は柔軟性があるほど布線ヘッドの動きに追随し、正確にコイルを形成することが可能になる。一般的に、素線断面積が増加すると素線の剛性が増加してシャープな形状に布線することが難しくなり、鋭角的な形状を形成することが困難になる。しかし、線状導体の直径が0.02mmより細いときには引張り強度が弱くなり、布線時に断線が生じて高速で布線することが困難となる。また、素線導体の直径が0.4mm以上になると剛性が増し、布線ヘッドの動きが制約を受けたり、布線装置を高速で作動させることが困難になったりするとともに、設計されたコイル形状に忠実に布線することが困難となる。特に、素線導体の直径が大きくなるにしたがって、鋭角的な形状の布線が困難になる。一方、素線導体の直径を大きくすることは、導体断面積を大きくすることになり、ボイスコイルの耐入力が大きくなったり、ジュール熱の放熱効率が向上したりするなどのメリットがある。このようなメリットを活用するためには、リッツ線を使用して、導体断面積を確保するとともに、柔軟性との両立を図ることが好ましい。
先行発明の平面スピーカは、振動膜に布線された線状導体と端子とを錦糸線で接合することが適当である。リード線材料として錦糸線を用いると、断線が生じず、信頼性が向上する。
この場合、振動膜に布線された線状導体と錦糸線とをはんだ接続し、はんだ接続箇所を樹脂で被覆することが好ましい。はんだ接続部分に線状導体が露出すると、振動膜の振動により疲労破断が生じることがあるが、はんだ接続箇所を樹脂で被覆すると、断線を確実に防止して、信頼性をより向上させることができる。
以下に、本願A発明の実施の形態を説明する。
(実施形態2)
図11は本願A発明の一実施形態を示す。図11では振動膜114のみを示したが、平面スピーカとしての他の構成は従来と同様である(以下の実施形態でも同じ)。この振動膜114は、絶縁性ベースフィルム116の両面または片面に2×4個のボイスコイル118を形成すると共に、1次および2次振動モードの腹に相当する部分に、剛性付与部材として菱形の島状パターン138を設けたものである。ここで図11中、y1は1次振動モードの腹を通る稜線を示し、y2は2次振動モードの腹を通る稜線を示している。
ボイスコイル118を絶縁性ベースフィルム116に張り付けた金属箔をエッチングすること(サブトラクティブ法)により形成するときは、島状パターン138はエッチングせずに残された金属箔で形成することができる。またボイスコイル118をパターンめっき(アディティブ法)により形成するときは、島状パターン138はボイスコイル118と共にめっきにより形成することができる。いずれの場合も、島状パターン138を形成するために製造工程を増やす必要がないので、量産性にすぐれ、コストアップを回避できる。
上記のような島状パターン138を形成すると、1次および2次振動モードの腹に相当する部分の剛性が高まるため、その領域の材料歪みが小さくなり、ボイスコイル118(ボイスコイル間の渡り配線を含む)の断線を少なくできる(音質改善については実施例で説明)。
(実施形態3)
図12(A)、(B)はそれぞれ本願A発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、振動膜114に剛性付与部材としてリブ140を張り付けたものである。リブ140は、振動膜114の少なくとも1次振動モードまたは2次振動モードの腹に相当する部分を通るように張り付けられる。リブ140の材質は、紙、樹脂、樹脂発泡体、金属、木材、熱硬化性樹脂含浸不織布、セラミック多孔体など、軽量で絶縁性ベースフィルム116より剛性の高いものが好ましい。
この実施形態は、ボイスコイルがサブトラクティブ法またはアディティブ法で形成されている場合だけでなく、絶縁被覆された金属細線で形成されている場合にも適用可能である。
(実施形態4)
図13(A)、(B)はそれぞれ本願A発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、振動膜114に剛性付与部材として発泡体142を張り付けたものである。発泡体142の形状は、振動膜114の少なくとも1次振動モードまたは2次振動モードの腹に相当する部分を含んでいればよい。また振動膜は全体の重量が増加すると、運動性能が低下する傾向があるため、発泡体142は振動モードの腹を含むように張り付けられていれば十分であり、振動膜の全面に張り付けない方が好ましい場合がある。
この実施形態も、ボイスコイルがサブトラクティブ法またはアディティブ法で形成されている場合だけでなく、絶縁被覆された金属細線で形成されている場合にも適用可能である。
(実施形態5)
図14(A)〜(F)はそれぞれ本願A発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、振動膜114に剛性付与部材として、熱硬化性樹脂144を塗布し、熱硬化させたものである。この実施形態もボイスコイルの形成方法に関係なく、全ての振動膜に適用可能である。熱硬化性樹脂144は振動膜114の全面に塗布してもよいが、全面に塗布すると振動膜全体の重量が増加し、5kHz以上の高音領域で音圧が低下するため、全面塗布は設計帯域が中低音用のスピーカに限定することが望ましい場合がある。熱硬化性樹脂144の塗布により振動膜114の重量が重くなると、音圧が低下したり、帯域が低音側にずれたりすることがあるので、熱硬化性樹脂144の塗布は、少なくとも1次振動モードまたは2次振動モードの腹を含む部分の、必要最小限にとどめることが望ましい場合がある。熱硬化性樹脂144を塗布するパターンは、例えば図14(A)〜(F)のとおりである。
熱硬化性樹脂144は、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどのフィラーを含有させるとより好ましい。フィラーを含有させることは、硬化後の剛性を高めたり、厚塗りを可能にしたりするのに効果がある。フィラー入り熱硬化性樹脂144の基材である熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂などを使用することができる。
また音響特製の観点から、熱硬化性樹脂144の厚さは10〜200μmの範囲が好ましい。熱硬化性樹脂144の厚さが10μm未満では剛性向上に対する寄与が小さい。一般に剛性は膜厚の3乗に比例して大きくなる。また熱硬化性樹脂144の厚さが200μmを超えると、振動膜の重量が増加して、音圧が低下したり、共振周波数が低下したりするので好ましくない。発泡性の熱硬化性樹脂は、厚さを確保して剛性を高くでき、しかも軽量化できるので、最適である。
また、剛性を高めるために熱硬化性樹脂にフィラーを加える場合には、フィラーの形状は球状または球状に近い不定形が望ましい。尖った形のフィラーは、振動膜の振動により、クラック発生の原因となって、熱硬化性樹脂が剥離することがある。さらに中空状の微細な発砲ガラス球体のフィラーは剛性を高める効果が高く、しかも軽量であるため好適である。
(実施形態6)
図26〜図32はそれぞれ本願A発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、剛性付与部材が、振動膜114に設けられたボイスコイル118で構成されているものである。この実施形態は、コイルの剛性により振動膜の剛性を適正化できるコイル配置を有するものである。この実施形態もボイスコイルの形成方法に関係なく、全ての振動膜に適用可能である。
この場合に、振動膜にボイスコイルが形成されていない状態での低次振動モードの腹の部分にボイスコイルを配して振動膜を補強しても、ボイスコイル形成後においては、低次振動モードの腹の部分はボイスコイルの外縁付近にシフトして生じる場合がある。このような場合には、図26(A)のように略矩形状の振動膜にボイスコイルをいわゆる千鳥格子状、すなわち、剛性付与部材が、振動膜114に設けられた前記ボイスコイル118で構成されており、前記振動膜114の少なくとも1次または2次の振動モードの腹に相当する部分160の近傍に位置し、前記腹に相当する部分160と重ならないボイスコイル118をさらに備えるように配置したり、図26(B)に示すように、剛性付与部材が、振動膜114に設けられた複数の前記ボイスコイル118で構成されたりし、前記複数のボイスコイル118は互いに異なる位置関係で前記腹に相当する部分160の上に位置するよう配置することが好ましい。また、図27のように剛性付与部材が、振動膜114に設けられた前記ボイスコイル118で構成されており、前記ボイスコイル118は直線部分を有する形状であって、前記腹に相当する部分160の稜線と前記ボイスコイル118の直線部分が平行でないように配置したり(例えば菱形配列等)、図28、図29のように剛性付与部材が、振動膜114に設けられた前記ボイスコイル118で構成されたりし、前記ボイスコイル118は直線部分を有する形状であり、前記振動膜114は直線部分を有する略矩形状であって、前記ボイスコイル118の直線部分と、前記振動膜114の直線部分は平行にならないように矩形状、三角形状のボイスコイルを配置することも好ましい。
また、各ボイスコイルの寸法に対して振動膜の寸法が大きい場合には、密に配置した複数のボイスコイル群を1つのボイスコイルユニットと考えて、このボイスコイルユニットを低次振動モードの腹の部分に配置してもよい。例えば図30〜図32のように、ボイスコイルを2行2列あるいは3行3列に配置したボイスコイルユニット162を、振動膜の低次振動モードの腹の部分160に配置してもよい。
以下に、本願B発明の実施の形態を説明する。
(実施形態7)
本願B発明は、ボイスコイルの形成方法に関係なく、全ての振動膜に適用可能であるが、この実施形態では、布線方式によってコイルを形成する場合について説明する。
本実施形態では、前述した粘着性シートの所定の位置に所定のパターン形状をなしてコイル状に線状導体を布線したのち、該粘着性シートのコイル状パターンを保護する目的と、振動板としての剛性を向上させる目的で、該パターンを覆うように均一微細な気泡を有する樹脂発泡シートを粘着性シートに貼付する。ここで、上記樹脂発泡シートは、スピーカ振動板として適用する場合、樹脂発泡シートの厚さを考慮するとより均一微細な気泡を有することが望ましく、そのため樹脂発泡シートの平均気泡径(φ)は50μm以下が好ましく、特に10μm以下、さらには5μm以下であることが好ましい。また、樹脂発泡層の厚みは、限定されるものではないが、音圧特性と剛性を考慮すると、1mm以下さらには0.7mm以下が好ましい。樹脂発泡層の発泡倍率は、軽量化という観点から高倍率が好ましいが、厚みと気泡径を考慮すると4倍から8倍程度がより好ましい。
次に、本願B発明に用いる均一微細な樹脂発泡シートの製造方法をより詳細に示す。まず、あらかじめ成形された未発泡の樹脂成形体を高圧容器中に封入し、その容器に不活性ガス、好ましくは炭酸ガスを注入し、未発泡樹脂成形体に不活性ガス(好ましくは炭酸ガス)を浸透させる。この際、圧力および時間は特に限定されない。ただし、高圧であれば短時間、逆に低圧であれば長時間含浸することが好ましい。このようにして樹脂成形体中に不活性ガス(好ましくは炭酸ガス)を十分に浸透させた後、圧力を解放し、取り出したガス浸透樹脂成形体を加熱することにより発泡させる。発泡時の加熱温度は発泡開始温度以上の範囲に設定する。この際、加熱手段は特に限定されないが、得られる発泡体の特性を考慮して、急加熱する場合にはオイルなど、徐加熱する場合にはエアーオーブンなどが選択される。また、加熱時間は気泡成長が完了する時間を設定する。例えば0.5mm厚程度の樹脂成形体であれば、60秒前後が適当である。その後、冷却することにより発泡体を得る。なお、本願B発明における発泡開始温度とは発泡倍率が1.1倍を越える温度を意味する。
上記方法によれば、不活性ガスは好ましくは炭酸ガスを用い、かつ発泡温度を発泡開始温度以上の範囲に設定することにより、均一微細な気泡を含有し、かつ機械的強度と軽量性、表面平滑性に富む樹脂発泡体を得ることができる。
本願B発明において用いられる樹脂発泡体は、あらかじめ発泡させる以前の樹脂成形体が、単層あるいは2層以上の多層からなる成形体であってもよく、例えば本発泡工程にて高倍率化が可能な樹脂層を、あらかじめ樹脂成形体の中間層として成形しておくことで、得られる樹脂発泡体全体の軽量化が可能となる。さらに多層を構成する樹脂組成は同種、異種を問わず、その種類は特に限定されるものではない。しかし、発泡や二次成形などの工程で樹脂成形体が加熱された場合、熱変形の差による層間剥離および寸法安定性等を考慮すると、同一種類の樹脂を原料としてあらかじめ多層押出機や多層射出成形機などの製造設備により、層状に形成された樹脂成形体であることの方がより好ましい。この場合、層状に形成された樹脂成形体の製造方法は特に限定されない。
また、本願B発明において用いられる樹脂は、本願B発明を実現できる樹脂であれば特に限定されるものではないが、主に熱可塑性樹脂が好適に適用できる。熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリメチレンメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニルサルファイド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート(以下、PENと記す)、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、ポリ−1.4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリブチンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリサルフォン等を挙げることができる。また、環状ポリオレフィン系樹脂でも良い。さらには、特に長期耐久性に富む飽和環状オレフィン系樹脂が好ましい。特に熱可塑性ポリエステル樹脂が好適に適用できる。熱可塑性ポリエステル樹脂は、中音の谷が緩和される、線状導体に近接しても耐熱性が高い、軽量かつ高剛性であるといった利点を有する。また、これら熱可塑性ポリエステル樹脂が異種混合されたアロイ系樹脂でも、本願B発明を実現できるものであれば特に限定されない。
さらに、上記熱可塑性ポリエステル樹脂からなる樹脂原料には、機械的強度および発泡性に影響を及ぼさない範囲で、気泡化核剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、滑剤などの各種添加剤を配合してもよい。これらの添加剤の配合量は、得られる製品の特性を考慮して決定されるが、5重量%以下が好ましい。本実施形態によれば、振動膜の重量増加を最小限にとどめ、剛性を高めることができるので、振動膜面積が大きい平面スピーカに適用した場合でも振動膜の自重により振動膜が垂れ下がり、磁石と接触することによる音質劣化を抑制することが可能である。
(実施形態8)
本願B発明のたの実施形態を以下に説明する。本実施形態もボイスコイルの形成方法に関係なく全ての振動膜に適用可能であるが、この実施形態も布線方式によってコイルを形成する場合について説明する。
本実施形態では、前記実施形態7で使用した樹脂発泡シートに粘着材や接着剤を塗布して粘着シートとして形成し、所定位置に所定のパターン形状をなしてコイル状に線状導体を布線して振動膜を形成した。これにより軽量、高剛性な振動膜をえることができ、振動膜面積が大きい平面スピーカに適用した場合でも振動膜の自重により振動膜が垂れ下がり、磁石と接触することによる音質劣化を抑制することが可能である。
(実施形態9)
本実施形態は前述した平面スピーカを携帯電話や情報端末などの携帯用電子機器に適用したものである。図38に示すように携帯電話200は通話用のスピーカとして平面スピーカ201を備えている。平面スピーカ201は薄型に構成可能かつ形状の自由度が大きいことから携帯電話200への配置の自由度が高い。したがって、携帯電話や情報端末などの携帯用電子機器の小型化、軽量化の要請ともよく合致して好適な携帯用電子機器が構成できる。また、配置の自由度が高いことから、限られたスペースにも比較的大型、高出力の平面スピーカ201を配置可能であり、大音量を出すことができるので手放しで通話ができるハンズフリーの携帯電話の好適な構成にも資することができる。また、携帯用電子機器のディスプレーを見ながら音声を聞くことが可能となる。
(実施形態10)
本実施形態は前述した平面スピーカを自動車に適用したものである。図39に示す自動車210は、中高音域を再生するオーディオ用のスピーカとしてドアフレームガーニッシュ部211に略三角形に形成した平面スピーカ201を備えている。平面スピーカ201は薄型に構成可能かつ形状の自由度が大きいことから、従来はデッドスペースであり、高音域専用(トウィーター)に限られていたドアフレームガーニッシュ部211にも設置可能である。本実施形態によれば従来例えばドアの内側下部212に設置されていたドアスピーカ213を省略可能であり、ドアの内側212のスペースを収納スペースなどとして有効利用が可能である。また、ドアフレームガーニッシュ部211に平面スピーカ201を備えた場合は、乗員214との間に障害物がないため、音のこもりや高音域の低下などのない快適な音質を乗員214に提供することができる。
(実施形態11)
本実施形態も前述した平面スピーカを自動車に適用したものである。本実施形態において、自動車210はルーフ前部220、ルーフ後部221、ダッシュボード222、センターピラー223、リアピラー224などの各所に平面スピーカ201を備えている。平面スピーカ201は薄型に構成可能かつ形状の自由度が大きいことから従来はスピーカを配置できない箇所であった各所に配置が可能である。したがって、乗員214、215にとって良好な音場を提供することができる。また、平面スピーカ201は従来のコーン型スピーカに比べて軽量であるため平面スピーカの個数を多く設置した場合であっても車両重量の増加を抑えることができる。このような特徴から昨今流行しつつある5.1チャンネルや7.1チャンネルなどの多チャンネル車載音響システムを構築する場合にも好適である。
以下、先行発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
(実施例1)
粘着性シートとして液晶ポリマーフィルム(株式会社クラレ製FAフィルム、50μm厚)に両面粘着テープを貼付した基材を用い、図4に示したパターンで導体径0.089mm(断面積:0.0062mm)のエナメル被覆銅線2を基材4にコイル状に布線したのち、基材4と同一寸法の液晶ポリマーフィルム(株式会社クラレ製FAフィルム、50μm厚)をコイル状パターンを覆うように基材4に貼り合わせて平面スピーカの振動膜を作成した。
各コイル6の外周寸法は10mm×10mm、内周寸法は5mm×5mm、巻数は7周であり、図中のa、b、c、…、はエナメル被覆銅線2を布線した順序を示すものである。
上記の方法で10枚の振動膜を作成した。各々の振動膜の抵抗値を測定した結果を表1に示したが、回路断線もなく、抵抗値のばらつきも平均値(4.3Ω)の±10%(±0.4Ω)以内に入る良好なものであった。
(比較例1)
液晶ポリマーフィルム(株式会社クラレ製FAフィルム、50μm厚)の両面に加熱プレスで厚さ18μmの電解銅箔を貼り付けた基材を用い、サブトラクティブ法により図5に示したパターンのコイルを作成した。
各コイル8の外周寸法、内周寸法、巻数はいずれも実施例1と同一とし、回路の断面積が実施例1とほぼ同じになるように回路幅を0.200mm、回路の厚みを0.030mmとなるように設定した。また、図5の破線で示したように、隣り合うコイル8の電気的接続は、スルーホール10を介して基材12の裏面に回路を形成することで行った。なお、図中の点線部分は裏面の回路パターンを表す。
上記の方法で実施例1と同様に10枚の振動膜を作成した。各々の振動膜の抵抗値を測定した結果を表1に示したが、10個中、1個でエッチング時に回路が断線した上、抵抗値のばらつきも平均値(4.5Ω)の±10%を越える大きなものであった。
(実施例2)
粘着性シートとしてアラミドフィルム(旭化成工業株式会社製アラミカ045R、厚さ4.5μm)にエポキシ樹脂系接着剤を塗布した基材を用い、絶縁被覆導体として導体径0.064mm(断面積:0.0032mm)のエナメル線を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で平面スピーカの振動膜を作成した。
上記の方法で10枚の振動膜を作成した。各々の振動膜の抵抗値を測定した結果を表1に示したが、回路断線もなく、抵抗値のばらつきも平均値(8.2Ω)の±10%(±0.8Ω)以内に入る良好なものであった。
(比較例2)
アラミドフィルム(旭化成工業株式会社製アラミカ045R、厚さ4.5μm)の両面にエポキシ樹脂系接着剤で厚さ18μmの電解銅箔を貼り付けた基材を用い、比較例1と同様にサブトラクティブ法により図5に示したパターンのコイルを作成した。この場合、回路の断面積が実施例2とほぼ同じになるように回路幅を0.100mm、回路の厚みを0.030mmに設定した。
上記の方法で10枚の振動膜を作成した。各々の振動膜の抵抗値を測定した結果を表1に示したが、10個中、3個でエッチング時の回路の断線があったほか、抵抗値の平均も実施例2より約2Ω大きくなる結果であった。また、200倍の顕微鏡写真を撮影し、各振動膜で4箇所ずつ回路幅を測定した結果、平均値が0.085mmと設定値よりも細くなっていた。
Figure 2008167475
(実施例3)
平坦なヨーク上に横10mm×縦10mm×厚さ3mmのネオジウム磁石を4列×8行(32個)に配置し、これら磁石の上に不織布シートを貼り、磁石に対向する位置に布線式振動膜を配置して平面スピーカを作成した。布線式振動膜は、PETフィルムに粘着剤を塗布し、この粘着剤に径0.18mmの銅線をコイル状に布線することにより製造した。また、比較のため、エッチングによりコイルを作成したエッチング振動膜を用い、同様にして平面スピーカを作成した。
上記平面スピーカを用いて音響試験を行った。測定サンプルとしては、a.布線式振動膜(抵抗値6.6Ω、コイル断面積0.025mm)を用いた4×8型平面スピーカ、およびb.エッチング振動膜(抵抗値5.6Ω、コイル断面積0.011mm)を用いた4×8型平面スピーカを使用した。横540mm×縦380mm×厚さ6mmの発泡ポリスチレン板の中央部に音響駆動体として上記測定サンプルを接着し、簡易無響室内で測定を行った。
測定電力1W、測定距離50cmの条件で音圧周波数特性を測定した結果を図6に示す。図中aは布線式振動膜を用いた平面スピーカの結果、bはエッチング振動膜を用いた平面スピーカの結果を示す。図6より、先行発明の平面スピーカは従来品に比べてコイルの断面積を大きく設定できるので、駆動力が増大し、音圧が大きくなることが分かる。
以下、本願A発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
(実施例4)
絶縁性ベースフィルムとしてポリエステルフィルムを用いて、外形寸法30×140mm、両面に2×12個のボイスコイルを配列した図15および図16のような振動膜を製作し、さらにこの振動膜のボイスコイルに対向してネオジウム磁石を2×12個配列した平面スピーカを試作した。この平面スピーカの1次振動モードに相当する振動挙動を、独ポリテック社製PSV−100スキャニングレーザードップラー振動測定システムで測定したところ、図17のような結果が得られた。すなわち振動膜の中央部で変位が最大となった。
図15の振動膜は、剛性付与部材として菱形の島状パターン138を形成した本願A発明の実施形態2に相当するものであり、図16の振動膜は、島状パターンのない従来の振動膜である。図15の振動膜を用いた平面スピーカと図16の振動膜を用いた平面スピーカを25個ずつ試作し、長期連続試験を行った。その結果、図15の振動膜を用いた平面スピーカは全て断線が生じなかったが、図16の振動膜を用いた平面スピーカは25個のうち3個に断線が生じた。断線が観察された個所は図18に×印で示した個所で、1次および2次振動モードの腹に相当する部分であった。
図15の振動膜は、エッチング法とアディティブ法の両方で試作したが、共に断線は生じなかった。
またエッチング法で振動膜を製作する場合、両面銅張積層板の銅箔に電解銅箔を使用した場合と圧延銅箔を使用した場合を比較したところ、図15の振動膜では電解銅箔、圧延銅箔ともに断線は生じなかったが、図16の振動膜では電解銅箔、圧延銅箔ともに断線が発生した。
(実施例5)
図19および図20に示すような絶縁性ベースフィルム116の両面に銅箔で2×4個のボイスコイル118を形成した振動膜114を用いて平面スピーカを試作した。図19の振動膜は剛性付与部材として菱形の島状パターン138を形成したもの(本願A発明の実施形態2に相当)であり、図20の振動膜114は、島状パターンのない従来の振動膜である。なお図19、図20において(A)は振動膜114の平面図、(B)は振動膜114の背面図である。
試作した2種類の平面スピーカにつきJIS規格の条件で3500時間の連続負荷試験を行ったところ、両方とも断線は生じなかった。そこで加速試験として、定格電力の3倍の矩形波入力により連続試験を行った。その結果、図20の振動膜を用いた従来の平面スピーカは400時間で半数に断線が発生したが、図19の振動膜を用いた本願A発明の平面スピーカでは1500時間まで断線が全く発生しなかった。
銅箔の代わりにアルミ箔を用いて図19および図20の振動膜を製作し、これらの振動膜を用いた平面スピーカについても、同様の試験を行ったところ、同様の結果が得られた。
(実施例6)
ポリウレタンにより絶縁被覆された外形φ0.19mmの銅クラッドアルミ線を絶縁性ベースフィルム(厚さ25μmのPETフィルム)上に布線する方法で、図21に示すような4×4個のボイスコイル118を有する振動膜を製作し、この振動膜にPET発泡体142を張り付けた本願A発明の平面スピーカ(実施形態4に相当)と、発泡体なしの従来の平面スピーカとを試作した。平面スピーカのサイズは68mm×78mm×8mmである。また、発泡体は厚さ1mm、密度0.27g/cm、発泡倍率5倍、平均気泡径110μm以下、引張弾性率97.3MPa、曲げ弾性率1650MPa、熱変形温度117℃のものを、30mm×30mmのシート状に形成して貼り付けた。
これらの平面スピーカにつき、音圧−周波数特性を測定したところ、図22のような結果が得られた。図22中曲線aは本実施例にかかる平面スピーカの特性を示し、曲線bは発泡体なしの従来の平面スピーカの特性を示している。この結果によれば、発泡体なしの従来の平面スピーカは330Hz付近に中音の谷(矢印部分)が顕著に現れるが、発泡体を張り付けた本願A発明の平面スピーカは中音の谷が緩和され、中音域の音質が改善されることが分かる。
(実施例7)
ポリウレタン被覆銅線(銅線外径0.15mm)を絶縁性ベースフィルム(厚さ25μmのPETフィルム)上に布線する方法で、図23に示すような4×4個のボイスコイル118を有する振動膜を製作し、この振動膜にリブ140を張り付けた本願A発明の平面スピーカ(実施形態3に相当)と、リブなしの従来の平面スピーカとを試作した。平面スピーカのサイズは68mm×78mm×8mmである。また、発泡体は厚さ2mm、密度0.27g/cm、発泡倍率5倍、平均気泡径10μm以下、引張弾性率97.3MPa、曲げ弾性率1650MPa、熱変形温度117℃のものを、10mm×40mmに形成してリブ状に貼り付けた。
これらの平面スピーカにつき、音圧−周波数特性を測定したところ、図24のような結果が得られた。図24中曲線aは本実施例にかかる平面スピーカの特性を示し、曲線bは発泡体なしの従来の平面スピーカの特性を示している。この結果によれば、リブを張り付けた本願A発明の平面スピーカは、リブなしの従来の平面スピーカに比べ330Hz付近の中音の谷(矢印部分)が小さくなり、中音域の音質が改善されることが分かる。また音圧が全体的に2〜3dB高くなり、特に8kHz以上の高音領域では音圧が3〜4dB高くなることも分かる。
(実施例8)
4×4個のボイスコイルを有する振動膜の振動モード解析を行った。解析は、振動膜を構成するボイスコイル、絶縁性ベースフィルム、樹脂およびエッジの材料物性(ヤング率、ポアソン比、密度)と形状(2次元形状、厚さ)を用いて、日本マーク株式会社製のMARCプログラムを用いた。固有ベクトルは変位ベクトルを示していることから、固有ベクトルの値を用いて振動モードを視覚化した。
低次の振動モードで音圧に寄与しない振動モード解析を抽出した結果、図25(A)〜(D)が得られた。図中の破線は振動の節を示している。また図中の+、−はある時点での振動の変位を表しており、+は紙面より上に、−は紙面より下に変位していることを示している。図25(A)〜(D)の振動モードは、振動膜の変位が打ち消しあって音圧が有効に発生しないことを示している。
振動膜の振動の腹を含む部分に、発泡体、リブ、熱硬化性樹脂を付着させて剛性を高めた振動膜を用いた本願A発明の平面スピーカは、剛性を高める処理を行わなかった従来の平面スピーカに比べ、最大振幅が小さくなる結果が得られた。最大振幅の測定はポリテック社製のスキャニングレーザードップラー振動計および株式会社キーエンス製LC−2430で確認した。また最大振幅を小さく抑えた平面スピーカは、長期連続試験を行ってもボイスコイルの断線が発生しなかった。
以下、本願B発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
(実施例9)
平坦なヨーク上に横7mm×縦7mm×厚さ2.5mmのネオジウム磁石を4列×4行(16個)に配置し、これら磁石の上に不織布シートを貼り、磁石に対向する位置に布線式振動膜を配置して外形サイズ65mm×75mmの平面スピーカを作成した。布線式振動膜は、厚さ25μmのPENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製)に粘着剤を塗布し、この粘着剤に径0.19mmのアルミ線を図4に示したパターンでコイル状に布線した後、PENフィルムと同一寸法(厚さを除く)のPENからなる樹脂発泡シートを、コイル状パターンを覆うようにPENフィルムに貼り合わせて平面スピーカの振動膜を作成した。なお、PEN発泡シートは厚さ100μmのPENフィルム(日本マタイ(株)製)を発泡率8倍で発泡させ、厚さ200μm、平均気泡径10μmに形成したものを使用した。
実施例9のコイルは図4に示すように、各コイル6の外周寸法は10mm×10mm、内周寸法は5mm×5mm、巻数は7周である。図中のa、b、c、…、はアルミ線2を基材4に布線した順序を示すものであり、これらを繰り返して4行4列にコイルを配置した。
(比較例3)
比較例として、平坦なヨーク上に横10mm×縦10mm×厚さ3mmのネオジウム磁石を4列×4行(16個)に配置し、これら磁石の上に不織布シートを貼り、磁石に対向する位置に布線式振動膜を配置して平面スピーカを作成した。布線式振動膜は、厚さ25μmのPENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製)に粘着剤を塗布し、この粘着剤に径0.19mmのアルミ線を図4に示したパターンでコイル状に布線した後、厚さ25μmで他の寸法は前述のPENフィルムと同一なPENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製)を、コイル状パターンを覆うようにPENフィルムに貼り合わせて平面スピーカの振動膜を作成した。
すなわち、実施例9とはコイルを覆うフィルムが発泡しているか否かのみ相違する(材質と重量は同じ)平面スピーカの振動膜を作成した。
上記実施例9、比較例3の平面スピーカを用いて音響試験を行った。測定はJISの標準バッフルを用い簡易無響室内で行った。
測定電力1W、測定距離1mの条件で音圧周波数特性を測定した結果を図33に示す。図33より、本願B発明のPENからなる樹脂発泡シートを振動膜に用いた平面スピーカは、PENからなる発泡していない樹脂シートに比べて高剛性のため(重量は同じ)、振動の伝わり方が好適となり、音圧が大きくなることが分かる。なお、図33において曲線aは本実施例にかかる平面スピーカの特性を示し、曲線bは比較例にかかる特性を示している。
以上の実施形態、実施例では振動膜の形状が長方形、正方形、楕円形の場合を説明したが、本発明はこれらの形状に限定されるものではなく、振動膜の形状が円形、三角形、五角形、六角形、八角形、その他異形の形状の場合にも適用できるものである。
図1(A)は、正方形のコイル設計に対してコイルを1本の素線で形成した場合を、図1(B)は、(A)の素線と同一断面積のリッツ線により布線を施した場合の一例を示す図である。 図2は、先行発明に係る平面スピーカの振動膜の製造に用いられる布線装置の一例を示す概略構成図である。 図3は、図2に示した布線装置の布線作用を示す図である。 図4は、複数個の渦巻き状のコイルを有する振動膜の一例(布線式コイル)を示す概略図である。 図5は、複数個の渦巻き状のコイルを有する振動膜の別の一例(エッチングコイル)を示す概略図である。 図6は、実施例3で用いた測定サンプルの音圧−周波数特性の測定結果を示すグラフである。 図7は、渦巻き状のコイルの一例を示す模式図である。 図8(A)は平面スピーカの振動膜のモデルを示す斜視図、(B)は同振動膜の1次振動モードを、(C)は同じく2次振動モードを示す斜視図である。 図9(A)は長方形の振動膜の1次振動モードを、(B)、(C)、(D)は同じく2次振動モードを、(E)は正方形の1次振動モードを、(F)、(G)、(H)は同じく2次振動モードを示す説明図である。 図10(A)は楕円形の振動膜の1次振動モードを、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)は同じく2次振動モードを示す説明図である。 図11は、本願A発明の一実施形態を示す説明図である。 図12(A)、(B)はそれぞれ本願A発明の他の実施形態を示す説明図である。 図13(A)、(B)はそれぞれ本願A発明のさらに他の実施形態を示す説明図である。 図14(A)〜(F)はそれぞれ本願A発明のさらに他の実施形態を示す説明図である。 図15は、本願A発明の一実施例で用いた振動膜を示す、(A)は正面図、(B)は背面図である。 図16は、図15の振動膜との比較に用いた従来の振動膜を示す、(A)は正面図、(B)は背面図である。 図17は、スキャニングレーザードップラー振動測定による振動膜の変位測定結果を示すグラフである。 図18は、図16の振動膜のボイスコイル断線発生箇所を示す説明図である。 図19は、本願A発明の他の実施例で用いた振動膜を示す、(A)は正面図、(B)は背面図である。 図20は、図19の振動膜との比較に用いた従来の振動膜を示す、(A)は正面図、(B)は背面図である。 図21は、振動膜に発泡体を張り付けた本願A発明の実施例を示す説明図である。 図22は、図21の振動膜を用いた本願A発明の平面スピーカと発泡体を張り付けない従来の平面スピーカの音圧−周波数特性を示すグラフである。 図23は、振動膜にリブを張り付けた本願A発明の実施例を示す説明図である。 図24は、図23の振動膜を用いた本願A発明の平面スピーカとリブを張り付けない従来の平面スピーカの音圧−周波数特性を示すグラフである。 図25(A)〜(D)は振動膜の振動モード解析で、音圧に寄与しない振動モードを抽出した結果を示す説明図である。 図26は、本願A発明の一実施形態を示す説明図である。 図27は、本願A発明の一実施形態を示す説明図である。 図28は、本願A発明の一実施形態を示す説明図である。 図29は、本願A発明の一実施形態を示す説明図である。 図30は、本願A発明の一実施形態を示す説明図である。 図31は、本願A発明の一実施形態を示す説明図である。 図32は、本願A発明の一実施形態を示す説明図である。 図33は、樹脂発泡シートを用いた本願B発明の平面スピーカと樹脂発泡シートを用いない平面スピーカの音圧−周波数特性を示すグラフである。 図34は、従来の薄型平面スピーカの一例の構成を示す図である。 図35は、従来の薄型平面スピーカの別の一例の構成を示す図である。 図36は、従来の薄型平面スピーカの振動膜の一例の構造を示す図である。 図37は、平面スピーカの一般的な構造を示す、(A)は平面図、(B)は垂直断面図、(C)は水平断面図である。 図38は、平面スピーカを搭載した携帯電話を示す概略図である。 図39は、平面スピーカを搭載した自動車を示す概略図である。 図40は、平面スピーカを搭載した自動車を示す概略図である。
符号の説明
2 エナメル被覆銅線
4 基材
6 コイル
8 コイル
22 粘着性シート
24 布線ヘッド
36 線状導体
37 渦巻き状ボイスコイル
114 振動膜
116 絶縁性ベースフィルム
118 ボイスコイル
138 島状パターン
140 リブ
142 発泡体
144 熱硬化性樹脂
200 携帯電話
201 平面スピーカ

Claims (21)

  1. 絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記振動膜の、少なくとも1次振動モードまたは2次振動モードの腹に相当する部分を、剛性付与部材で補強したことを特徴とする平面スピーカ。
  2. 振動膜の渦巻き状ボイスコイルが金属箔のエッチングにより形成されており、剛性付与部材がエッチングせずに残された金属箔の島状パターンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  3. 振動膜の渦巻き状ボイスコイルがめっきにより形成されており、剛性付与部材が前記ボイスコイルとともにめっきされた島状パターンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  4. 剛性付与部材が、振動膜に張り付けられたリブまたは発泡体で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  5. 剛性付与部材が、振動膜に塗布された熱硬化性樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  6. 剛性付与部材が、振動膜に設けられた前記ボイスコイルで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  7. 剛性付与部材が、振動膜に設けられた前記ボイスコイルで構成されており、前記振動膜の少なくとも1次または2次の振動モードの腹に相当する部分の近傍に位置し、前記腹に相当する部分と重ならないボイスコイルをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  8. 剛性付与部材が、振動膜に設けられた複数の前記ボイスコイルで構成されており、前記複数のボイスコイルは互いに異なる位置関係で前記腹に相当する部分の上に位置していることを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  9. 剛性付与部材が、振動膜に設けられた前記ボイスコイルで構成されており、前記ボイスコイルは直線部分を有する形状であって、前記腹に相当する部分の稜線と前記ボイスコイルの直線部分が平行でないことを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  10. 剛性付与部材が、振動膜に設けられた前記ボイスコイルで構成されており、前記ボイスコイルは直線部分を有する形状であり、前記振動膜は直線部分を有する略矩形状であって、前記ボイスコイルの直線部分と、前記振動膜の直線部分は平行でないことを特徴とする請求項1に記載の平面スピーカ。
  11. 絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記振動膜は少なくとも樹脂発泡体の層を含むことを特徴とする平面スピーカ。
  12. 樹脂発泡体の平均気泡径が50μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の平面スピーカ。
  13. 樹脂発泡体が、少なくとも1種以上の熱可塑性ポリエステル樹脂からなる樹脂発泡シートであることを特徴とする請求項11または12に記載の平面スピーカ。
  14. 樹脂発泡体の材質がPENであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の平面スピーカ。
  15. 樹脂発泡体の材質がPETであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の平面スピーカ。
  16. 樹脂発泡体の材質が環状ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の平面スピーカ。
  17. 絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記ボイスコイルが立体的に形成されていることを特徴とする平面スピーカ。
  18. 前記振動膜の前記ボイスコイルが設けられた部分が折り曲げられて、前記ボイスコイルが立体的に形成されていることを特徴とする請求項17に記載の平面スピーカ。
  19. 絶縁性ベースフィルムの両面または片面に渦巻き状ボイスコイルを設けた振動膜と、前記ボイスコイルに対応する永久磁石とを備えた平面スピーカにおいて、前記ボイスコイルの重量は振動膜全体の重量の25%以上75%以下であることを特徴とする平面スピーカ。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の平面スピーカを搭載したことを特徴とする音響機器。
  21. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の平面スピーカを搭載したことを特徴とする携帯用電子機器。
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