JP4622000B2 - スピーカー振動板およびこれを用いた動電型スピーカー - Google Patents

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本発明は、長径方向に比べて短径方向が短い細長形(矩形、長円形(楕円形、トラック形を含む))の動電型スピーカーであって、音声再生能力に優れ、細長形のスピーカー振動板が分割振動しても影響が少なく、ディスプレイ等の機器に取り付けるのに適するスピーカー振動板、および、動電型スピーカーに関する。
音声を再生するスピーカーを取り付けるディスプレイ等の音響機器においては、スピーカーを取り付けるのに要する空間を小型化することが要望されている。特に、細長形(矩形、長円形(楕円形、トラック形を含む))の動電型スピーカーは、短径方向に振動板面積が限られる、細長形のスピーカー振動板に特有な分割振動の影響が大きくて平坦な再生音圧周波数特性を得ることが難しい、スピーカー振動板の剛性と軽量化を両立させるために発泡させた樹脂材料等を採用すると高域再生限界周波数が高くできない、といった様々な理由から音声再生能力において不利な点がある。したがって、従来には、これらの問題を解決するために様々なスピーカー振動板、スピーカー用磁気回路、および、これを用いた動電型スピーカーが提案されている。
例えば、矩形平面振動板の自由振動モードの内、異なる振動モードにおける2つの節に同時に接するボイスコイルボビンを有し、このボビンに設けられて磁気回路のギャップ内でピストン運動するボイスコイルによって上記矩形平面振動板を付し駆動するように構成するとともに、上記矩形平面振動板の外周部を上記ボイスコイルの駆動部に近い短辺側に比して上記ボイスコイルの駆動部に遠い短辺側が幅広い非対称なエッジ部材にてフレームに支持するように構成してなる動電型スピーカーがある(特許文献1)。
また、発泡性樹脂で作った長方形の平面振動板を備えるスピーカーであって、平面振動板の長径周縁をフレームに固定し、短径周縁をフリーエッジにして、動作を安定させ、動作の安定を図るスピーカーがある(特許文献2)。また、エッジのフレームによって形成される角部に略円弧状の弾性樹脂を重ね合わせ加熱成形処理し、スピーカーを駆動する時にエッジに変形の生じやすい角部近傍に弾性樹脂層を設けて、エッジたわみや変形等による歪みを吸収緩和し音質のこれらによる悪化を防止しようとするものがある(特許文献3)。
また、従来には、音圧周波数特性の乱れによる音質の低下を生じないように、振動板4の外周3が正円でない異形スピーカーにおいて、スピーカーエッジ1、2の剛性が振動板の周方向で変わり、振動板の共振が大きい短軸5と長軸6付近とで剛性大のエッジ1を用い、その他のエッジは剛性小のエッジ2を用いるものがある。異形スピーカーの周方向の剛性を異なったものにすることによって、異形スピーカー特有の不要振動から生じる音圧周波数特性の乱れを抑制し、音質の低下が生じないようにしようとする(特許文献4)。
さらに、従来には、スピーカー形状の縦、横の寸法が長手側と短手側とからなるトラック型スピーカーにおいて、磁気回路を構成するマグネット(3)をほぼスピーカー外形に収まる範囲内で大きな形状とし、かつ前記磁気回路を構成するポール(1)及びボイスコイルVCの形状は前記長手側の方向に沿って延びる細長い形状としてボイスコイルVCと前記長手側との間のダンパーの幅寸法を確保するとともに、ポール(1)の断面積Sは、ポール形状を円とした場合、前記短手側の寸法aに対しほぼ1/3以上の直径を有する円と円等の断面積としたトラック型スピーカーがある(特許文献5)。また、少なくとも2個の棒状マグネットを上部プレートと下部プレートとで前記下部プレートに設けた棒状のセンターポール部をはさんで平行に挟持した磁気回路と、この磁気回路に結合されたフレームと、このフレームの外周部に結合された振動板と、この振動板に結合されるとともに、その一部が前記磁気回路の磁気ギャップ内に配置されたボイスコイルとからなるスピーカーであって、前記上部プレートと前記下部プレートから構成された磁気ギャップの形状が少なくとも平行な2つの直線部を有し、上部プレートの磁気ギャップ窓形状、ならびに、ボイスコイル形状がトラック型形状であるものがある(特許文献6)。
さらに、本発明の出願人によるスピーカー振動板では、振動板の外周側でエッジと接合するエッジ接合部と、エッジ接合部の内周側に設けられてボイスコイルと接合する振動板部と、を有し、振動板部が、エッジ接合部を含む平面として規定される仮想基準平面を有し、仮想基準平面と交差する線として規定される複数の節線ならびに仮想基準平面からの距離が極大になる点を結んだ線として規定される複数の稜線を有する波形状を備え、複数の節線が、振動板の長軸と非平行で交差せず、かつ、振動板の短軸と交差するものがある(特許文献7)。このような波形形状にスピーカー振動板をすることにより、細長振動板の長手方向つまり、長軸方向の強度が向上し、長軸方向に分割共振が生じる共振周波数を高い周波数にシフトすることができる。さらに、短軸方向の波形状の凹凸の間隔が、長軸方向に向かうにつれて漸次的に変化することで、長軸方向に生じやすい分割共振の共振周波数を分散させることができる。その結果、この波形形状を有する細長振動板を用いれば、音圧周波数特性上のピーク・ディップが少なく、再生音質に優れたスピーカーが実現される。
特開昭58−92198号公報 実公昭40−32164号公報 特開2001−285991号公報 特開平7−15792号公報 特開2000−197190号公報 特開2004−266337号公報 特開2007−180910号公報
ディスプレイ等の音響機器において、良好な音声再生のためには、上記特許文献7に匹敵する良好な再生音質を有する動電型スピーカーをその内部に取り付けられるようにすることが好ましい。しかしながら、再生音圧レベルの向上を目的にして、スピーカー振動板の軽量化を図るために樹脂の発泡体から形成されるスピーカー振動板を採用する場合には、長径方向の分割振動の影響が顕著になり、平坦な再生音圧周波数特性を得ることが難しい、高域再生限界周波数が高くできない、といった様々な問題が生じる場合がある。また、スピーカー振動板の端部を固定して支持する場合には、前後振幅の対称性が悪く、歪特性が悪化するという問題がある場合がある。なお、前後振幅の前後とは、スピーカーの振動板が振動する場合に、ボイスコイル、ダンパー、および、磁気回路が取り付けられる側を後側とし、振動板が露出する側を前側としている。
本発明は、上記の従来技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、長径方向に比べて短径方向が短い細長形(矩形、長円形(楕円形、トラック形を含む))の動電型スピーカーであって、能率が高く音声再生能力に優れ、細長形のスピーカー振動板が分割振動しても影響が少なく、前後振幅の対称性がよく歪が少ない、ディスプレイ等の機器に取り付けるのに適するスピーカー振動板、および、動電型スピーカーを提供することにある。
本発明のスピーカー振動板は、長径方向と短径方向とを有する細長形の振動板本体と、振動板本体の外周縁を支持するエッジと、を備えるスピーカー振動板であって、振動板本体が、その背面側中央部にボイスコイルとの接合部を含む略矩形状の第1振動板部と、略矩形状の第1振動板部の長径方向の両端から長径方向の外側にそれぞれ延設された第2振動板部と、第1振動板部、および、それぞれの第2振動板部に渡って連続して形成される補強リブと、を有し、エッジが、第1振動板部ならびに第2振動板部の短径方向の端部を自由支持する自由エッジ部と、自由エッジ部よりも厚みが厚く形成されて第2振動板部の長径方向の一方の端部を固定支持する固定エッジ部と、を有し、補強リブが、振動板本体の短径方向の中央部に形成されてそれらの両端部が第2振動板部に位置する長径中央リブと、長径中央リブを挟んで配置されて第1振動板部の略矩形状の領域に収まる二つの副長径リブと、を含み、副長径リブのそれぞれの端部が、第1振動板部において振動板本体の短径方向の中央部に近づいて、長径中央リブに連結する。
好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、振動板本体の第1振動板部が、ボイスコイルの投影断面積よりも面積が大きい表面積を有し、かつ、第1振動板部の平均厚みを規定する第1平均厚値が、第2振動板部の平均厚みを規定する第2平均厚値よりも値が小さくなるように構成されている。
また、好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、補強リブが、振動板本体の短径方向の両端部にそれぞれ形成される長径両端リブと、振動板本体の短径方向の中央部に形成される長径中央リブと、第2振動板部の長径方向の一方の端部に形成される短径両端リブと、を含み、
短径両端リブが、それぞれの長径両端リブを連結し、長径中央リブと連結しない。
また、好ましくは、本発明のスピーカー振動板は、補強リブの長径中央リブのリブ高さを規定する長径中央リブ高が、それぞれ、第1振動板部において最も高く、第2振動板部において長径方向の一方の端部に向かうに連れて低くなる。
また、本発明の動電型スピーカーは、上記のスピーカー振動板と、エッジの外周端側が固定されるフレームと、フレームに固定されて磁気空隙を有する磁気回路と、スピーカー振動板の接合部において連結されるボイスコイルを含むボイスコイルと、を備える。
また、本発明の動電型スピーカーは、磁気回路が、平行な2辺の直線状の磁気空隙を有し、ボイスコイルが、磁気回路に配置されるトラック形のボイスコイルと、トラック形のボイスコイル支持体と、を備える。
さらに、好ましくは、本発明の動電型スピーカーは、スピーカー振動板の振動板本体の二つの副長径リブが、短径方向の断面において、それぞれボイスコイルの直線部分の接合部と長径両端リブとの間に形成される。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のスピーカー振動板は、長径方向と短径方向とを有する細長形(矩形、長円形(楕円形、トラック形を含む))の振動板本体と、振動板本体の外周縁を支持するエッジと、を備えるスピーカー振動板である。振動板本体は、含まれている熱可塑性樹脂の発泡体が、プラグアシスト成形を併用した真空成形法を用いることでその厚みをほぼ均一、もしくは、不均一に形成された熱可塑性樹脂発泡シート(代表的には、発泡ポリスチレンシート)を、熱可塑性樹脂フィルムでその表面をラミネートしたものである。また、振動板本体をラミネートする熱可塑性樹脂フィルム(もしくは、シート)は、代表的には、ポリスチレン樹脂フィルム、あるいは、ポリウレタンエラストマー樹脂フィルムである。したがって、本発明のスピーカー振動板は、表面をラミネートされた熱可塑性樹脂発泡シートを、予め加熱して軟化させて金型プレスして冷却し、振動板本体を細長形状に形成し、振動板本体の周囲に発泡性ゴム等からなるエッジを接着する、もしくは、表面をラミネートした熱可塑性樹脂フィルムでエッジを一体に形成する、ことにより、任意の細長形にすることができる。本発明のスピーカー振動板は、他に、フレームと、磁気回路と、ボイスコイルを含むボイスコイルと、を備えることで、細長形の動電型スピーカーを提供できる。
なお、長径方向とは、矩形、長円形、楕円形、あるいは、トラック形を含む細長形を規定する長軸が延びる方向であり、短径方向とは、長軸と直交する短軸が延びる方向である。また、ボイスコイルとは、音声信号電流が導通するコイルと、このコイルを磁気回路の磁気空隙に配置する構造体を含む。ボイスコイルは、代表的には、筒状のボイスコイルボビンに銅線によるコイルが巻回されて形成されるボイスコイルを含む。あるいは、ボイスコイルは、導電性金属のコイルパターンが耐熱性のフィルムに貼り合わされて環形状に形成されるコイルを、このコイルと略同形状の環形状であってコイルを磁気空隙に配置するコイル支持部材を備えて形成されるものを含む。
本発明のスピーカー振動板の振動板本体は、その背面側中央部にボイスコイルとの接合部を含む第1振動板部と、第1振動板部の長径方向の両端側にそれぞれ延設された第2振動板部と、第1振動板部、および、それぞれの第2振動板部に渡って連続して形成される補強リブと、を有する。振動板本体は、矩形、長円形、楕円形、トラック形を含む細長い形状に形成される一方で、第1振動板部と、その両端側に延設された第2振動板部とを連結する補強リブを有するので、補強リブが長径方向に分割振動するのを抑制して、ピーク・ディップの少ない平坦な再生音圧周波数特性を実現することができる。
なお、第1振動板部は、スピーカー振動板の背面側中央部において円筒形状、もしくは、トラック形のボイスコイルが取り付けられる部位であり、ボイスコイルの投影断面積を含み、細長形のスピーカー振動板の二つの長辺と、これらの長辺の間を短径方向に横切る二つの仮想線と、により規定される略矩形状の領域である。また、第2振動板部は、第1振動板部のこれらの仮想線から長径方向のボイスコイルとは反対側の両端側(すなわち、長径方向の外向き側)にそれぞれ延設される領域である。また、補強リブは、スピーカー振動板の前面側から見た場合に稜線、もしくは、谷線を形成する突起状の構造であり、短径方向に形成される長径両端リブ、および、長径中央リブと、を含み、さらに、第2振動板部の長径方向の一方の端部に形成される短径両端リブを有していても良い。
例えば、補強リブの長径中央リブは、振動板本体の短径方向の中央部に形成されて、一方の第2振動板部と、第1振動板部と、他方の第2振動板部とを渡るように連続して形成されるリブであればよい。補強リブは、長径中央リブを挟んで配置される二つの副長径リブをさらに含み、副長径リブのそれぞれの端部が、第1振動板部において振動板本体の短径方向の中央部に近づいて、長径中央リブに連結するものであってもよい。長径中央リブ、ならびに、二つの副長径リブを含む補強リブは、後述するように第1振動板部で中高音域の再生が可能なようにする一方で、細長形のスピーカー振動板の長径方向の剛性を高めつつ、前後振幅の対称性を確保することができる。
一方で、エッジは、第1振動板部ならびに第2振動板部の短径方向の端部を自由支持する自由エッジ部と、自由エッジ部よりも厚みが厚く形成されて第2振動板部の長径方向の一方の端部を固定支持する固定エッジ部と、を有する。つまり、本発明の振動板本体は、エッジの自由エッジ部により短径方向の端部(振動板本体の長辺に相当する部分)を自由支持され、エッジの固定エッジ部により長径方向の端部(振動板本体の短辺に相当する部分)を固定支持される。
したがって、短径に比べて長径が著しく長い細長形のスピーカー振動板である場合には、最低共振周波数f0付近若しくはそれ以下の周波数でボイスコイルが大きく変位する場合には、長径方向の端部が固定支持されて節になり、長径方向の中央部が駆動されて腹になるような最も低次の曲げ振動モードで振動するので、低音域において最初に現れやすいディップを抑制し、平坦な再生音圧周波数特性を実現することができる。さらに、補強リブの剛性により、スピーカー振動板の前後振幅の対称性を改善することができるので、歪が少ない再生音質に優れる動電型スピーカーが実現される。
また、振動板本体の第1振動板部は、ボイスコイルボビンの投影断面積よりも面積が大きい表面積を有し、かつ、第1振動板部の平均厚みを規定する第1平均厚値が、第2振動板部の平均厚みを規定する第2平均厚値よりも値が小さくなるように構成されている。したがって、ボイスコイルボビンがその背面に取り付けられる第1振動板部の平均厚みが薄く構成されているので、中高音域の音波を放射するのに貢献するボイスコイルボビン周囲の等価質量が軽くなり、ボイスコイルで発生した駆動力が効率よく伝達される結果、中高音域の再生音圧レベルを上昇させることができる。
なお、振動板本体は、発泡ポリスチレンを含む熱可塑性樹脂であれば、押出成形された発泡ポリスチレンシートに限られるものではなく、ポリスチレン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、等から選択される1種類あるいは複数のブレンドされた樹脂の発泡体であればよい。また、振動板本体に接着するエッジは、エラストマー材料であり、厚みが不均一で自由エッジ部と固定エッジ部とを構成できるものであれば良い。上記の発泡性ゴム、もしくは、熱可塑性樹脂フィルム以外にも、発泡ウレタンのシートを加熱成型して構成してもよく、また、射出成形等によって厚みを変化させたゴムエッジであってもよい。
また、ボイスコイルは、磁気回路の磁気空隙の形状に対応して、円形の磁気空隙を有する場合には、円形のコイルと、円筒形状のボイスコイルボビン、もしくは、ボイスコイル支持体を有するものであれば良い。また、磁気回路が、細長形状に対応した平行な二辺の直線部を含む磁気空隙を有する場合には、ボイスコイルが、磁気回路に配置されるトラック形のコイルと、トラック形のコイル支持体と、を備えるものであればよい。特に、トラック形のボイスコイルを有する場合には、本発明の動電型スピーカーは、スピーカー振動板の振動板本体の二つの副長径リブが、短径方向の断面において、それぞれボイスコイルの直線部分の接合部と長径両端リブとの間に形成されていれば、ボイスコイルのトラック形の長辺を含む第1振動板部の剛性を強めて、分割振動を抑制して音声再生能力を高めることができる。
長径方向に比べて短径方向が短い細長形のスピーカー振動板であっても、能率が高く音声再生能力に優れ、分割振動の影響が少なく、前後振幅の対称性がよく歪が少ない、ディスプレイ等の機器に取り付けるのに適する動電型スピーカーを提供することができる。
本発明のスピーカー振動板は、長径方向に比べて短径方向が短い細長形のスピーカー振動板であっても、能率が高く音声再生能力に優れ、分割振動の影響が少なく、前後振幅の対称性がよく歪が少ない、ディスプレイ等の機器に取り付けるのに適する動電型スピーカーを提供するという目的を、第1振動板部、および、それぞれの第2振動板部に渡って連続して形成される補強リブと、を有し、エッジが、第1振動板部ならびに第2振動板部の短径方向の端部を自由支持する自由エッジ部と、自由エッジ部よりも厚みが厚く形成されて第2振動板部の長径方向の一方の端部を固定支持する固定エッジ部と、を有し、補強リブが、振動板本体の短径方向の中央部に形成される長径中央リブと、長径中央リブを挟んで配置される二つの副長径リブと、を含み、副長径リブのそれぞれの端部が、第1振動板部において振動板本体の短径方向の中央部に近づいて、長径中央リブに連結するようにすることにより、実現した。
以下、本発明の好ましい実施形態によるスピーカー振動板および動電型スピーカーについて説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
図1および図2は、本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1を説明する図である。図1(a)は、動電型スピーカー1を前面側斜め上方から見た斜視図であり、図1(b)は、動電型スピーカー1を背面側斜め下方から見た斜視図である。また、図2(a)は、動電型スピーカー1のO−A断面図であり、図2(b)は、動電型スピーカー1のB−B’断面図である。なお、後述するように、動電型スピーカー1の一部の構造や、内部構造等は、省略している。また、点A−A’を結ぶ直線が延びる方向が長径方向であり、また、点B−B’
を結ぶ直線が延びる方向が短径方向である。
本実施例の動電型スピーカー1は、長径方向長L1が約210mm、短径方向長L2が約35mmのトラック形のスピーカー振動板2を有する細長形の動電型スピーカーであり、細長形であっても口径が約90mmの円形振動板と同等の振動板面積を有するスピーカーである。スピーカー振動板2は、エッジ3によってその外周端を支持されており、エッジ3の外周端は、フレーム6に固定されている。また、スピーカー振動板2の背面側には、ボイスコイル4が連結しており、ダンパー5(前側ダンパー5aおよび後側ダンパー5b)により振動可能に支持されている。また、フレーム6は、トラック形のスピーカー振動板2に対応した細長形状であり、フレーム6に固定される磁気回路10も、短径方向長L2以下の幅が狭い細長形状を有している。したがって、動電型スピーカー1は、ディスプレイ等の機器が有する表示部の側面など、スピーカーを取り付ける幅が少ない機器に適するスピーカーである。
動電型スピーカー1のスピーカー振動板2は、その外周端にエッジ3の内周側が接着されており、また、中央背面にはボイスコイル4を構成するボビン4aが接着される。スピーカー振動板2は、スピーカー振動板の軽量化を図るために発泡させた熱可塑性樹脂を形成して構成されている。本実施例の場合には、押出成形された熱可塑性樹脂発泡シート(具体的には、ポリスチレンペーパー)を、プラグアシスト成形を併用した真空成形法を用いることで、厚みが不均一でリブを有するスピーカー振動板2を得ている。すなわち、長径方向長L1と短径方向長L2が著しく異なる細長形のスピーカー振動板2は、長径方向の分割振動の影響が顕著になりやすいので、長径方向に延びるリブを有し、かつ、短径方向断面形状が略W字形になるようにして、長径方向に剛性を有する形状とされている。また、スピーカー振動板2の表面および裏面には、熱可塑性樹脂のフィルム(具体的には、ポリスチレンのフィルム)が熱融着されていて、スピーカー振動板2の剛性を高めている。
エッジ3は、本実施例では、柔軟性を有する発泡ゴムを金型内に注入して加熱発泡して形成したものである。スピーカー振動板2の長径方向に直線状に延びるトラック形の長辺では、スピーカー振動板2を自由支持するように薄肉のコルゲーション(またはロール)によるフリーエッジが形成され、短径方向に円弧状になるトラック形の短辺では、スピーカー振動板2を固定支持するように厚肉で自由に振動しないフィックスドエッジが形成される。その結果、細長形のスピーカー振動板2は、短径方向ではエッジ3のフリーエッジ部のコンプライアンスで柔軟に支持される一方で、長径方向ではスピーカー振動板2を形成するポリスチレンペーパーの柔軟性によって、曲げ振動可能にされている。
ボイスコイル4は、円筒形に形成したボビン4aと、その一端側に巻回されて音声電流が供給されるコイル4bと、から形成される。ボビン4aは、コイル4bが巻回されない他端側がスピーカー振動板2の背面中央に接着剤により連結される。コイル4bは、後述する磁気回路10の円形磁気空隙13に配置される。なお、錦糸線8は、フレーム6に固定されるターミナル7と、ターミナル7からコイル4bの引出線とを、ハンダづけして導通させて、コイル4bに音声電流を供給する。ただし、錦糸線8は、スピーカー振動板2に金属ハトメを設けてターミナル7まで導通させるようにしてもよい。
ダンパー5は、前側ダンパー5aおよび後側ダンパー5bからなる二段ダンパーであり、柔軟性を有する繊維の織布を基材としてフェノール樹脂を含浸して成形する円形のコルゲーションダンパーを切断して細長形状(トラック形)にしたものである。前側ダンパー5aおよび後側ダンパー5bの内周端は、ボビン4aの円筒外面側と連結してスピーカー振動板2の背面中央側を支持する。前側ダンパー5aおよび後側ダンパー5bの外周端側は、フレーム6の固定部に固定される。なお、ダンパー5は、他の形状のコルゲーションダンパーであって、二段でなくても良く、また、他の材料で形成するものであってもよく、内周側リングと外周側リングを連結するアームを有し、金属または樹脂で形成する蝶ダンパーであってもよい。
フレーム6は、スピーカー振動板2の形状に対応して細長形のバスケット状にプレス成型された鉄板フレームであり、エッジ3を固定する略矩形の固定部と、ダンパー5aおよび5b、そして、磁気回路10を固定する固定部と、これらの固定部を連結する連結部と、複数の連結部の間に規定される窓と、ターミナル7を取り付ける取付孔と、を備える。したがって、スピーカー振動板2、エッジ3、ボイスコイル4、および、ダンパー5からなるスピーカー振動系は、フレーム6に対して振動可能に支持される。
磁気回路10は、フレーム6に固定される細長形のトッププレート11と、円筒形状であってトッププレート11の中央に形成された円形孔に挿入されるセンターポール12と、細長形のアンダープレート14と、同一方向に着磁された2つの主マグネット15aおよび15bと、から構成される。トッププレート11およびセンターポール12は、半径方向に均等な幅を有する円形磁気空隙13を形成する。主マグネット15aおよび15bは、トッププレート11およびアンダープレート14の間に狭持され、長径方向にセンターポール12を中間にして対称配置される。
2つの主マグネット15aおよび15bは、小さい体積でも保磁力の強いNd−Fe−B系の希土類磁石であり、それぞれ略円筒形状を有する。なお、希土類磁石とは、Nd−Fe−B系のネオジウム磁石、もしくは、Sm−Co系のサマリウムコバルト磁石であって、磁石の最大エネルギー積(BH)maxが大きな値をとり、残留磁化および保磁力が大きい磁石である。希土類磁石は、保磁力が大きいので、高い磁束密度を発生させることができる一方で、パーミアンス係数が大きく、減磁しにくい。
本実施例の磁気回路10の長径方向には2つの主マグネット15aおよび15bが配置されている一方で、短径方向には磁力を発生するマグネット(磁石)が配置されないので、その結果、磁気回路10は、全体形状が細長形になり、短径方向から磁気回路10を側面視すると、マグネットが配置されない開放された空間からセンターポール12の円筒側面を直接視できる程度に、開口の角度は広くなっている。
磁気回路10は、ボイスコイル4のコイル4bを平面視した場合に投影する領域の外部に磁石が配置される外磁型磁気回路であり、かつ、起磁力の強い主マグネット15aおよび15bが長径方向に配置されるので、本発明の動電型スピーカー1のような細長形のスピーカーに適する。磁気回路10の最大幅を小さくすることができれば、細長形のスピーカー振動板2を前面視した場合に形成される領域内に磁気回路10が収まるからである。したがって、軽量なスピーカー振動板2を採用することを含めて、能率の高い動電型スピーカー1が実現される。
ボイスコイル4のコイル4bに音声電流が供給されると、磁気空隙13に配置されたボイスコイル4には駆動力が作用し、ボイスコイル4は図2における上下方向に振動し、連結されたスピーカー振動板2も上下方向に振動する。スピーカー振動板2は、短径方向ではその外周端を支持するエッジ3のフリーエッジ部が柔軟に支持する。その一方で、長径方向ではスピーカー振動板2を形成するポリスチレンペーパーの柔軟性によって曲げ振動可能になり、最低共振周波数f0付近若しくはそれ以下の周波数でボイスコイル4が大きく変位する場合には、長径方向の両端を固定されたスピーカー振動板2は、長径方向に弓状に曲がって変形する。
また、磁気回路10は、円形磁気空隙13が半径方向に均等な幅を有するものであっても、磁束密度分布が長径方向と短径方向において異なり、略円筒形状主マグネット15aおよび15bと、円形の磁気空隙13が最も接近する長径方向では極めて強い磁束密度を生じ、長径方向での磁束密度が短径方向での磁束密度よりも高くなる。円形磁気空隙13での円周方向の磁束密度分布が、長径方向と短径方向とで異なるので、スピーカー振動板2を駆動する駆動力も長径方向と短径方向とで異なるようにでき、再生周波数特性のピーク・ディップを低減することができる。
図3および図4は、スピーカー振動板2およびエッジ3を説明する図である。図3(a)は、スピーカー振動板2およびエッジ3を前面側斜め上方から見た斜視図であり、図3(b)は、スピーカー振動板2およびエッジ3を背面側斜め下方から見た斜視図である。また、図4(a)は、スピーカー振動板2およびエッジ3のO−A’断面図であり、図4(b)は、スピーカー振動板2およびエッジ3のB−B’断面図、図4(c)は、スピーカー振動板2およびエッジ3のC−C’断面図、である。なお、後述するように、スピーカー振動板2およびエッジ3の一部の構造や、断面構造等は、省略している。また、点A−A’を結ぶ直線が延びる方向が長径方向であり、また、点B−B’
を結ぶ直線が延びる方向が短径方向である。
本実施例のスピーカー振動板2は、押出成形されたポリスチレンペーパー(PSP)を、プラグアシスト成形を併用した真空成形法を用いることで、厚みが不均一でリブを有するように成形し、その表面および裏面にはポリウレタンエラストマーのフィルムを熱融着して、その剛性を高めている。具体的には、スピーカー振動板2は、アクリルを10%ブレンドした10倍発泡の押出し発泡ポリスチレンシート(厚み約2.0mm)を原材料に用い、その両面にはポリスチレンのフィルム(厚み約50μm)が熱融着されてラミネートされており、プラグアシスト成形併用の真空成形法により振動板が形成される。押出し発泡ポリスチレンシートのみでスピーカー振動板を形成する場合に比較して、片面若しくは両面にポリスチレンのフィルムをラミネートすることにより、剛性とロスを向上させることができる。例えば、スピーカー振動板の物性は、PSPのみの場合には、ヤング率:4.6E+8(dyne/cm2)、密度:0.43(g/cm3)、tanδ;0.043であるが、本実施例のようにPSPの両面にポリスチレンフィルムをラミネートすると、ヤング率:9.7E+8(dyne/cm2)、密度:0.55(g/cm3)、tanδ;0.074と、優れた値に改善できる。
トラック形のスピーカー振動板2の外形概略寸法は、その長径方向長が約198mmであり、短径方向長が約23.4mmである。スピーカー振動板2は、真空成形により厚みが約1mm〜約3mmの範囲で変化し、厚みをスピーカー振動板として必要な剛性に応じて不均一にすることができる。スピーカー振動板2は、長径方向に延びるリブを有し、かつ、短径方向断面形状が略W字形になる。例えば、スピーカー振動板2の最外周部を形成する長径両端リブは、その厚みは約1mmである。
なお、プラグアシスト成形を併用した真空成形とは、ラミネートされた材料を予備加熱し、軟化させた後、所望の凹型で、吸引しながら、凸型で押さえる成形方法である。本実施例のポリスチレンペーパーは、他の熱可塑性樹脂による発泡シートであってもよく、熱可塑性発泡シートは、押出発泡法、あるいはビーズ発泡法、等で得られる。発泡シートを構成する熱可塑性樹脂は、ポリスチレン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル、酢酸ビニル−エチレン樹脂等から1種の樹脂、あるいは、選択した複数の樹脂をブレンドして得られる樹脂、であればよい。
また、ラミネートする熱可塑性樹脂フィルムを構成する樹脂は、ポリスチレン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、あるいは、ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー等から選択される1種の樹脂、あるいは選択した複数の樹脂をブレンドして得られる樹脂、であればよい。本実施例では、表面および裏面の両面ラミネートにおいて、両面が同じ熱可塑性樹脂フィルムであるが、表面および背面が別の熱可塑性樹脂フィルムであってもよい。また、ラミネートは、熱可塑性発泡シートと熱可塑性樹脂フィルムの熱可塑性により、熱融着されているものであってもよく、あるいは、熱可塑性樹脂フィルムに印刷あるいは塗布された、熱可塑性接着剤により、熱融着されるものであってもよい。
スピーカー振動板2の第1振動板部21は、スピーカー振動板2の背面側中央部において、細長形のスピーカー振動板2の二つの長辺と、これらの長辺の間を短径方向に横切る二つの仮想線XおよびX’と、により規定される略矩形状の領域である。本実施例の場合には、仮想線XおよびX’の距離は約40mmであり、ボイスコイルボビン4の直径よりも大きく、スピーカー振動板の長径方向長の1/2以内程度の範囲で設定可能である。図4(b)に示すように、第1振動板部21は、背面側中央部に略円筒形状のボイスコイルボビン4の一端が取り付けられる円形平坦部23を含んでおり、円形平坦部23の内側はドーム状である。また、円形平坦部23の外側は、立ち上がりを有する略コーン形状であり、後述する第2振動板部22につながる形状を有する。中音域および高音域の再生に貢献する第1振動板部21は、第2振動板部22よりも振動板の厚みが薄く形成され、第1振動板部21の平均厚みを規定する第1平均厚値t1は、約2mmである。
第2振動板部22は、細長形のスピーカー振動板2の両端側においてそれぞれ、細長形のスピーカー振動板2の二つの長辺と、細長形のスピーカー振動板2の短辺と、上述の仮想線X(もしくはX’)と、により規定される領域である。本実施例のトラック形のスピーカー振動板2の短辺の部分は、トラック形を規定する半円形部分を含み、第2振動板部22の短径方向の断面形状は、図4(c)に示すように略W字形状であり、短辺にあたる半円形部分以外ではほぼ一定の断面形状を有している。本実施例の場合には、第2振動板部の平均厚みを規定する第2平均厚値t2が約3mmであり、第1振動板部21よりも振動板の厚みが厚く形成される。
スピーカー振動板2の補強リブは、スピーカー振動板2の前面側から見た場合に稜線、もしくは、谷線を形成する突起状の構造である。具体的には、本実施例の場合には、長径中央リブ24と、スピーカー振動板2の短径方向の両端部に形成される二つの長径両端リブ25とが、第1振動板部21、および、それぞれの第2振動板部22に渡って連続して形成される。つまり、長径中央リブ24および長径両端リブ25は、スピーカー振動板2の断面形状において、略W字形状の上側の端点3箇所に相当する部分を長径方向に貫いて、スピーカー振動板2の長径方向の剛性を向上させる。また、さらに、第2振動板部22の半円形状に対応して円弧状に形成される短径両端リブ26は、それぞれの長径両端リブ25を連結して、トラック形のスピーカー振動板2の外周縁を補強して、剛性を高める。なお、長径中央リブ24の突条の稜線は、トラック形のスピーカー振動板2の長径方向の両端にまで至っていないので、長径中央リブ24と短径両端リブ26とは連結していないものの、第1振動板部21と第2振動板部22とを連結するように補強するので、トラック形のスピーカー振動板2を補強して、剛性を高める。
その一方で、エッジ3は、切断内径が約195mm×約21mm、半円弧形状の半径が約10.5mmのトラック形であり、本実施例では、柔軟性を有する発泡ゴムを金型内に注入して加熱発泡して、エッジの可動部だけでなくフレーム6の固定部に固定される外周端の補強体34も一体に形成したものである。なお、本実施例では、スピーカー振動板2の外周部分に熱融着性の接着剤を塗布し乾燥した後、貼り付け金型で熱プレスすることにより、スピーカー振動板2とエッジ3とを貼り付けて、補強体34も一体に形成した振動板完成品を得ることができる。
具体的には、エッジ3は、スピーカー振動板2の長径方向に直線状に延びるトラック形の長辺においてスピーカー振動板2の短径方向両端を自由支持する自由エッジ部(第1振動板部21に対応する第1自由エッジ部31と、第2振動板部22に対応する第2自由エッジ部32と、を含む。)と、円弧状になるトラック形の短辺においてスピーカー振動板2を固定支持する固定エッジ部33と、を有する。図4(b)および図4(c)に示すように、第1自由エッジ部31および第2自由エッジ部32は、可動性を有する一山の逆V字形状のロールを有するフリーエッジであり、発泡ゴムの厚みは約0.2mmである。
また、図4(a)に示すように、固定エッジ部33は、ガスケット状の補強体34からロール状の可動部を有することなく厚肉に形成されるフィックスドエッジであり、補強体34につながる外周側がフレーム6の固定部に、内周側が第2振動板部22に固定されており、スピーカー振動板2のトラック形の短辺両端を自由に振動しないように支持する。すなわち、固定エッジ部33は、第1自由エッジ部31および第2自由エッジ部32の逆V字部分を含む可動部分に相当する部分を、発泡ゴムで埋めて自由に振動しないようにした形状であって、この発泡ゴムの厚みは約2mm〜約3.5mmになる。その結果、固定エッジ部33は、スピーカー振動板2の長径方向の両端を拘束する。なお、固定エッジ部33は、トラック形の短辺の円弧の全てで厚肉にされている必要はなく、トラック形の短辺の円弧の一部がフィックスドエッジであり、円弧のその他の部分がフリーエッジになって、断続的に自由エッジ部につながっても良い。
したがって、本実施例の細長形のスピーカー振動板2およびエッジ3を備える動電型スピーカー1は、短径方向ではエッジ3のフリーエッジ部のコンプライアンスで柔軟に支持される一方で、長径方向ではスピーカー振動板2を形成する熱可塑性樹脂の発泡シートの柔軟性によって、曲げ振動する。その結果、後述するように、低音域において最初に現れやすいディップを抑制することができ、平坦な再生音圧周波数特性を実現することができる。さらに、後述するように、補強リブの剛性により、スピーカー振動板の前後振幅の対称性を改善することができるので、歪が少ない再生音質に優れる動電型スピーカーが実現される。また、第1振動板部21の平均厚みt1が、第2振動板部22の振動板の厚みt2よりも薄く形成されるので、中音域および高音域の再生能率が向上し、再生帯域の広い動電型スピーカーが実現される。
図5は、本実施例の細長形のスピーカー振動板2およびエッジ3を備える動電型スピーカー1の動作を説明するグラフであり、図5(a)は実施例の再生音圧周波数特性を説明するグラフであり、図5(b)は比較例の従来の動電型スピーカーの再生音圧周波数特性を説明するグラフである。また、図6は、動電型スピーカー1において、スピーカー振動板2を備えるボイスコイル4に駆動力を与えた場合の前後振幅の変位量をあらわすグラフであり、前後方向での値の絶対値をとることでグラフの特性曲線を折り返し、前後対称性が良い場合に前方への変位曲線と後方への変位曲線とが重なるように表示している。なお、比較例の動電型スピーカーは、実施例と同様の材料ならびに部品で形成した細長形のスピーカー振動板(図示しない)であって、実施例との差異点は、スピーカー振動板が長径中央リブ24を有さない舟形の形状であり、円弧状になるトラック形の短辺においてスピーカー振動板を自由支持するフリーエッジ部を有する点、である。
本実施例の細長形のスピーカー振動板2およびエッジ3を備える動電型スピーカー1は、図5(a)および図5(b)に示すように、比較例の場合に見られた約120Hz〜240Hz付近の広い範囲のディップと、約1.5kHzのディップとが消えて、比較的平坦な周波数特性を実現することができる。また、本実施例の動電型スピーカー1は、図6(a)および図6(b)に示すように、比較例の場合に見られた前後振幅の非対称性が改善され、前後非対称性に起因する偶数次歪、ならびに、ばたつき音の発生等の動作不良の発生を低減することができる。長径中央リブ24を有さない舟形の形状の振動板である比較例の場合には、長径方向の剛性不足から著しい前後非対称性を示しているが、本実施例の場合には、変位の前後対称性が改善されて、良好な音声再生が可能になる。
なお、本実施例の場合には、細長形のスピーカー振動板2およびエッジ3(補強体34を含む)を備える振動板完成品の振動系の重量は、約1.56g(振動板本体1.18g、振動板部接着剤0.2g、エッジ可動部0.55g。ただし、エッジ可動部の1/3を振動系質量として見込む。)である。
図7および図8は、他の実施例のスピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aを説明する図である。図7は、スピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aを前面側斜め上方から見た斜視図である。また、図8(a)は、スピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aの短径方向の断面を示すB−B’断面図であり、図8(b)は、C−C’断面図であり、図8(c)は、D−D’断面図であり、図8(d)は、E−E’断面図である。なお、後述するように、スピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aの一部の構造や、断面構造等は、省略している。また、点A−A’を結ぶ直線が延びる方向が長径方向であり、また、点B−B’
を結ぶ直線が延びる方向が短径方向である。
本実施例のスピーカー振動板2Aは、押出成形されて厚みがほぼ均一なポリプロピレン(PP)のシートを、プラグアシスト成形を併用した真空成形法を用いることで、補強リブを有するように成形している。具体的には、スピーカー振動板2Aは、アクリルを10%ブレンドした10倍発泡の押出し発泡ポリプロピレンシート(厚み約1.1mm)を原材料に用い、上記のプラグアシスト成形併用の真空成形法により振動板が形成される。トラック形のスピーカー振動板2Aの外形概略寸法は、その長径方向長が約262.0mmであり、短径方向長が約25.5mmである。スピーカー振動板2Aの第1振動板部21Aおよび第2振動板部22Aは、先の実施例と同様に規定される。
つまり、第1振動板部21Aは、スピーカー振動板2Aの中央部において、細長形のスピーカー振動板2の二つの長辺と、これらの長辺の間を短径方向に横切る二つの仮想線XおよびX’と、により規定される略矩形状の領域である。本実施例の場合には、仮想線XおよびX’の距離は約34.0mmであり、ボイスコイルボビン4の直径よりも大きく、スピーカー振動板2Aの長径方向長の1/2以内程度の範囲で設定可能である。図8(a)の断面図に示すように、中音域および高音域の再生に貢献する第1振動板部21Aは、背面側中央部に略円筒形状の(図示しない)ボイスコイルボビン4の一端が取り付けられる円形平坦部23Aを含んでいる。また、第2振動板部22Aは、細長形のスピーカー振動板2Aの両端側においてそれぞれ、細長形のスピーカー振動板2Aの二つの長辺と、細長形のスピーカー振動板2Aの短辺と、上述の仮想線X(もしくはX’)と、により規定される領域である。本実施例のトラック形のスピーカー振動板2Aの短辺の部分は、トラック形を規定する半円形部分を含む。本実施例の場合には、第2振動板部22Aの平均厚みは、第1振動板部21Aと変わらずに約1.1mmであり、ほぼ均一の厚みになるように成形されている。
本実施例のスピーカー振動板2Aでは、その全体がほぼ均一の厚みになるように成形するので、補強リブの配置ならびに形状を工夫することで、長径方向で必要となる剛性を確保することができる。具体的には、スピーカー振動板2Aは、長径方向および短径方向にそれぞれ延びる補強リブを有し、かつ、短径方向断面形状が略W字形になる。本実施例の場合には、補強リブは、短径方向の中央部に形成される長径中央リブ24Aと、長径中央リブ24Aを挟んで配置される二つの副長径リブ27Aと、を含む。そして、副長径リブ27Aのそれぞれの端部は、第1振動板部21Aにおいて振動板本体の短径方向の中央部に近づいて、長径中央リブ24Aに連結するように形成される。二つの副長径リブ27Aは、長径方向に長径中央リブ24Aと平行に伸びるように形成され、短径方向のB−B’断面では長径中央リブ24Aとは分離しているものの、短径方向のC−C’断面に至るまでの間に長径中央リブ24Aに近づいて、その両端が連結している。したがって、副長径リブ27Aは、仮想線XおよびX’により規定される第1振動板部21Aの領域に収まって、ボイスコイルボビン4の一端が取り付けられる円形平坦部23Aの周囲を補強する。
長径中央リブ24Aは、先の実施例の場合と同様に、第1振動板部21A、および、それぞれの第2振動板部22Aに渡って連続して形成される。また、長径中央リブ24Aは、そのリブ高さを規定する長径中央リブ高YLが、それぞれ、第1振動板部21Aにおいて最も高く、第2振動板部22Aにおいて長径方向の一方の端部に向かうに連れて低くなる。さらに、長径中央リブ24Aは、スピーカー振動板2Aを正面視した場合に規定される幅が、第1振動板部21Aにおいて最も幅広く、第2振動板部22Aにおいて長径方向の一方の端部に向かうに連れて幅狭くなる。第1振動板部21Aでは、円形平坦部23Aの外側の短径方向の両端部に二つの長径両端リブ25Aが形成され、長径中央リブ24Aを補強する二つの副長径リブ27Aがさらに形成されるので、スピーカー振動板2Aの長径方向の剛性を向上させるとともに、後述するように、中高音域において平坦な再生音圧周波数特性を実現することができる。さらに、第2振動板部22Aの半円形状に対応して円弧状に形成される短径両端リブ26Aは、それぞれの長径両端リブ25Aを連結して、トラック形のスピーカー振動板2Aの外周縁を補強して、剛性を高める。
エッジ3Aは、先の実施例1で説明したエッジ3に類似する構成のエッジであり、切断内径が約259mm×約22mm、半円弧形状の半径が約11mmのトラック形のエッジである。エッジ3Aは、外周端の補強体34Aの形状と、自由エッジ部の第2自由エッジ部32Aの形状が、先の実施例1のエッジ3と異なる。具体的には、エッジ3Aは、スピーカー振動板2Aの長径方向に直線状に延びるトラック形の長辺においてスピーカー振動板2Aの短径方向両端を自由支持する自由エッジ部(第1自由エッジ部31A、第2自由エッジ部32Aと、を含む。)と、円弧状になるトラック形の短辺においてスピーカー振動板2Aを固定支持する固定エッジ部33Aと、を有し、柔軟性を有する発泡ゴムを金型内に注入して加熱発泡して形成したものである。スピーカー振動板2Aの外周部分に熱融着性の接着剤を塗布し乾燥した後、貼り付け金型で熱プレスすることにより、スピーカー振動板2Aとエッジ3Aとを貼り付けて、補強体34Aも一体に形成した振動板完成品を得ることができる。
本実施例のエッジ3Aでは、自由エッジ部の第2自由エッジ部32Aの形状が、第1自由エッジ部31Aの形状と異なるように形成されている。つまり、先の実施例1におけるエッジ3の自由エッジ部(第1自由エッジ部31A、第2自由エッジ部32A)では、支持可動部の断面を展開した場合の長さである自由エッジ経路長leが、自由エッジ部で略一定値となるように、支持可動部を構成するコルゲーションが形成されているのに対し、本実施例の第2自由エッジ部32Aでは、その第2自由エッジ経路長le2が第1自由エッジ部31Aの第1自由エッジ経路長le1よりも短くなるように、支持可動部を構成するコルゲーションが形成されている。
具体的には、第1自由エッジ部31Aの第1自由エッジ経路長le1は13.5mmであり、第2自由エッジ部32Aの第2自由エッジ経路長le2は13.5mmから単調減少して5.7mmまで変化する。第2自由エッジ経路長le2は、第1自由エッジ部31Aから固定エッジ部33Aに至るにつれて、第1振動板部21Aと第2振動板部22Aの境界X(またはX’)を始点にする長径方向の長さに比例して、第1自由エッジ経路長le1から直線的に短くなる。したがって、図8(a)のB−B’断面図、および、図8(b)のC−C’断面図に示すように、第1振動板部21Aに対応する第1自由エッジ部31Aの高さYE1は、補強体34Aの底部を基準にして約2.2mmで一定であるのに対し、図8(c)のD−D’断面図、および、図8(d)のE−E’断面図に示すように、第2振動板部22Aに対応する第2自由エッジ部32Aの高さYE2は、固定エッジ部33Aに至るにつれて徐々に低くなる。
先の実施例の場合と同様に、本実施例の細長形のスピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aを備える(図示しない)動電型スピーカー1Aは、短径方向ではエッジ3Aのフリーエッジ部のコンプライアンスで柔軟に支持される一方で、長径方向ではスピーカー振動板2Aを形成する熱可塑性樹脂の発泡シートの柔軟性によって、曲げ振動する。その結果、後述するように、長径中央リブ24Aおよび長径中央リブ24Aを補強する二つの副長径リブ27Aの剛性により、スピーカー振動板2Aの前後振幅の対称性を改善することができるので、歪が少ない再生音質に優れる動電型スピーカーが実現される。したがって、本実施例の動電型スピーカー1Aでは、細長形のスピーカー振動板2Aが曲げ振動する結果、長径方向の両端である固定エッジ部33A付近に近づくほど振幅量が減少するので、これに対応して第2自由エッジ部32Aの第2自由エッジ経路長le2は、第1自由エッジ経路長le1よりも短くてよい。
図9は、本実施例の動電型スピーカー1Aにおいて、スピーカー振動板2Aを備えるボイスコイル4に駆動力を与えた場合の前後振幅の変位量をあらわすグラフである。図9(a)は、スピーカー振動板2Aの中心点Oが前側に約7mm変位するような静的な駆動力を与えた場合に、長径方向のO−A断面におけるスピーカー振動板2Aの変位分布を示すグラフであり、図9(b)は、スピーカー振動板2Aを備えるボイスコイル4に駆動力を与えた場合のボイスコイル4の前後振幅の変位量をあらわすグラフである。図9(b)では、前後方向での振幅の変位量の絶対値をとることでグラフの特性曲線を折り返し、前後対称性が良い場合に前方への変位曲線と後方への変位曲線とが重なるように表示している。また、図10は、本実施例の細長形のスピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aを備える動電型スピーカー1Aの再生音圧周波数特性(200Hz〜20kHz)を説明するグラフである。なお、実線は、本実施例のスピーカー振動板2Aを備える動電型スピーカー1Aの再生音圧周波数特性を示し、破線は、比較例として、スピーカー振動板2Aの形状において、長径中央リブ24Aを補強する二つの副長径リブ27Aを含まない(図示しない)スピーカー振動板を備える動電型スピーカー(図示しない)の再生音圧周波数特性を示す。
図9(a)に示すように、ボイスコイル4が取り付けられる第1振動板部21Aの領域である仮想線Xまでは、スピーカー振動板2Aの変位量はほぼ一定であり、長径方向の短径端部に向かう第2振動板部22Aの領域では、変位量は直線的に減少する。したがって、エッジ3Aは、これに合わせて、第1自由エッジ部31Aの第1自由エッジ経路長le1を一定にし、第2自由エッジ部32Aの第2自由エッジ経路長le2を直線的に短くすればよい。動電型スピーカー1Aは、最低共振周波数f0付近若しくはそれ以下の周波数でボイスコイル4が大きく変位する場合に、第1自由エッジ部31Aおよび第2自由エッジ部32Aで発生しやすい異常共振を抑制することができる。動電型スピーカー1Aは、エッジ3Aが異常共振を発生しやすい周波数において、平坦な再生音圧周波数特性を実現することができ、スピーカー振動系の動作が安定して音声再生能力が向上する。
本実施例の動電型スピーカー1Aは、図9(b)に示すように、先の実施例における比較例の場合に見られた前後振幅の非対称性が改善され、前後非対称性に起因する偶数次歪、ならびに、ばたつき音の発生等の動作不良の発生を低減することができる。また、本実施例の細長形のスピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aを備える動電型スピーカー1Aは、図10に示すように、他の実施例と同様に、中高音域において平坦な周波数特性を実現することができる。また、変位の前後対称性が改善されて、その結果、良好な音声再生が可能になる。
なお、これらの本実施例のスピーカー振動板2Aは、押出成形されて厚みがほぼ均一なポリプロピレン(PP)のシートを、プラグアシスト成形を併用した真空成形法を用いて形成するので、第1振動板部21Aの平均厚みt1と、第2振動板部22Aの平均厚みを規定する第2平均厚値t2とが、ほぼ等しい場合である。ただし、先の実施例1のように、第2振動板部22Aの第2平均厚値t2が、第1振動板部21Aの第1平均厚値t1よりも厚く形成されていてもよい。中音域および高音域の再生能率がさらに向上し、再生帯域の広い動電型スピーカーが実現される。
図11は、本発明の他の好ましい実施形態による動電型スピーカー1Bを説明する図である。図11(a)は、動電型スピーカー1Bを前面側から見た斜視図であり、図11(b)は、動電型スピーカー1BのB−B’断面の斜視拡大図である。なお、後述するように、動電型スピーカー1Bの一部の構造や、内部構造等は、省略している。また、点O−Aを結ぶ直線(長軸)が延びる方向が長径方向であり、また、点O−Bを結ぶ直線(短軸)が延びる方向が短径方向である。
本実施例の動電型スピーカー1Bは、長径方向長L1が約300.0mm、短径方向長L2が約45.0mmのトラック形のスピーカー振動板2Bを有する細長形の動電型スピーカーであり、細長形であっても口径が約131mmの円形振動板と同等の振動板面積を有するスピーカーである。スピーカー振動板2Bは、エッジ3Bによってその外周端を支持されており、エッジ3Bの外周端は、フレーム6Bに固定されている。また、スピーカー振動板2Bの背面側には、トラック形のボイスコイル4Bが連結している。また、フレーム6Bは、トラック形のスピーカー振動板2Bに対応した細長形状であり、フレーム6Bに固定される磁気回路10Bも、その幅が短径方向長L2以下の狭い細長形状を有している。したがって、動電型スピーカー1Bは、ディスプレイ等の機器が有する表示部の側面など、スピーカーを取り付ける幅が少ない機器に適するスピーカーである。
動電型スピーカー1Bのスピーカー振動板2Bは、その外周端にエッジ3Bの内周側が接着されており、また、中央背面にはボイスコイル4Bを構成するコイル支持部材4Baが接着される。スピーカー振動板2Bは、スピーカー振動板の軽量化を図るために発泡させた熱可塑性樹脂を形成して構成されている。本実施例の場合には、押出成形された熱可塑性樹脂発泡シート(具体的には、ポリプロピレン)を、プラグアシスト成形を併用した真空成形法を用いることで、リブを有するスピーカー振動板2Bを得ている。すなわち、長径方向長と短径方向長が著しく異なる細長形のスピーカー振動板2Bは、長径方向の分割振動の影響が顕著になりやすいので、長径方向に延びるリブを有し、かつ、短径方向断面形状が略W字形になるようにして、長径方向に剛性を有する形状とされている。
エッジ3Bは、本実施例では、柔軟性を有する発泡ゴムを金型内に注入して加熱発泡して形成したものである。スピーカー振動板2Bの長径方向に直線状に延びるトラック形の長辺では、スピーカー振動板2Bを自由支持するように薄肉のコルゲーション(またはロール)によるフリーエッジが形成され、短径方向に円弧状になるトラック形の短辺では、スピーカー振動板2Bを固定支持するように厚肉で自由に振動しないフィックスドエッジが形成される。その結果、細長形のスピーカー振動板2Bは、短径方向ではエッジ3Bのフリーエッジ部のコンプライアンスで柔軟に支持される一方で、長径方向ではスピーカー振動板2Bを形成する熱可塑性樹脂の発泡シートの柔軟性によって、曲げ振動可能にされている。
ボイスコイル4Bは、トラック形に形成されたコイル支持部材4Baと、同様のトラック形を有する音声電流が供給されるコイル積層体4Bbと、から形成される。コイル支持部材4Baは、例えば、ポリエーテルエーテルケトン樹脂で成形された部材であり、内径および外径を有する環状形であるトラック形に形成されて、その結果、内径側に内孔4Bcを有している。コイル支持部材4Baは、筒状の一方端にコイル積層体4Bbを連結する一方で、他端側がスピーカー振動板2Bの背面中央に接着剤により連結される。コイル積層体4Bbも、内径および外径を有する環状形であるトラック形に形成されて、内径側に内孔4Bcを有している。したがって、ボイスコイル4Bを備える動電型スピーカー1Bでは、コイル積層体4Bbが、後述する磁気回路10Bの円形の磁気空隙13aおよび13bに配置される。
なお、(図示しない)錦糸線8は、フレーム6Bに固定される(図示しない)ターミナル7Bとコイル積層体4Bbとをハンダづけして導通させて、コイル積層体4Bbに音声電流を供給する。錦糸線8は、スピーカー振動板2Bに金属ハトメを設けてターミナル7まで導通させるようにしてもよい。もちろん、錦糸線8は、絶縁体で被覆されたリード線で代用してもよい。
フレーム6Bは、スピーカー振動板2Bの形状に対応して細長形のバスケット状にプレス成形された鉄板フレームであり、エッジ3Bを固定する略矩形の固定部と、磁気回路10Bを固定する固定部と、これらの固定部を連結する連結部と、複数の連結部の間に規定される窓と、ターミナル7Bを取り付ける取付孔と、を備える。したがって、スピーカー振動板2B、エッジ3B、および、ボイスコイル4Bからなるスピーカー振動系は、フレーム6Bならびに磁気回路10Bに対して振動可能に支持される。
図12は、動電型スピーカー1Bを構成する磁気回路10Bを説明する斜視図である。磁気回路10Bは、フレーム6Bにそれぞれ固定される細長形のトッププレート11aおよび11bと、トッププレート11aおよび11bの間に狭持されるように配置されるセンターポール12を含むポール14と、同一方向に着磁された2つの主マグネット15aおよび15bと、から構成される。トッププレート11およびセンターポール12は、均等な幅を有する平行な二辺の直線部を含む磁気空隙13aおよび13bを形成する。主マグネット15aおよび15bは、それぞれ、トッププレート11aおよびポール14のアンダープレートとの間に、そして、トッププレート11bおよびポール14のアンダープレートとの間に、狭持され、短径方向にセンターポール12を中間にして対称配置される。2つの主マグネット15aおよび15bは、外形が長径方向に長い細長形であり、細長形のトッププレート11aおよび11b、ならびに、ポール14の形状に対応した略細長形状である。磁気回路10Bの長径方向の長さは約72.5mmであり、短径方向の長さは約36.2mmであり、磁気空隙13aおよび13bの幅は約1.76mmである。なお、センターポール12は、ポール14のアンダープレートと一体に形成されていても良く、また、別ピースを接着剤で固着されていても良い。
本実施例の2つの主マグネット15aおよび15bは、残留磁化および保磁力がさらに大きく、小さい体積でも保磁力の強いNd−Fe−B系の希土類磁石であり、フェライト系磁石であってもよい。磁気回路10Bは、ボイスコイル4Bのコイル積層体4Bbを平面視した場合に投影する領域の外部に磁石が配置される外磁型磁気回路であり、かつ、長径方向に細長く、保磁力の強い主マグネット15aおよび15bが短径方向に配置されるので、本発明の動電型スピーカー1Bのような細長形のスピーカーに適する。磁気回路10Bの最大幅を小さくすることができれば、細長形のスピーカー振動板2Bを前面視した場合に形成される領域内に磁気回路10Bが収まるからである。したがって、軽量なスピーカー振動板2Bを採用することを含めて、能率の高い動電型スピーカー1Bが実現される。
図13は、動電型スピーカー1Bを構成するボイスコイル4Bを説明する斜視図である。ボイスコイル4Bは、コイル支持部材4Baと、コイル積層体4Bbと、からなり、内径および外径を有する環状形であるトラック形に形成されて、その結果、内径側に内孔4Bcを有している。また、トラック形は、長径方向に沿って平行な二辺の直線部4Bdと、直線部4Bdの長径側端部を連結する円弧部4Beと、からなる。本実施例の場合には、ボイスコイル4Bは、長径方向の外形長が約81.2mm、短径方向の外形長が約12.7mm、円弧部4Beの半径が約6.35mmのトラック形であり、直径約64.4mmの円形ボイスコイルに相当する。また、ボイスコイル4Bの全高は、約5.6mmであり、直線部4Bdの幅は、約1.3mmである。一方の円弧部4Beには切欠部が2箇所設けられており、ここにコイル積層体4Bbに導通する錦糸線8aおよび8bの一端が、それぞれハンダ付けされて固定されている。
動電型スピーカー1Bでは、トラック形のボイスコイル4Bの平行な二辺の直線部4Bdが、磁気回路10Bの平行な二辺の直線部を含む磁気空隙13aおよび13bに配置される。そして、長径方向から磁気回路10Bを側面視すると、マグネット15aおよび15bが配置されない長径端部16aおよび16bが形成されているので、ここからトラック形のボイスコイル4Bの円弧部4Beが突出するように露出する。ボイスコイル4Bは、トラック形の円弧部4Beに錦糸線8aおよび8bを接続して取り出しているので、錦糸線8aおよび8bは、磁気回路10Bに干渉しないようにターミナル7Bへ導出される。なお、磁気回路10Bでは、長径端部16aおよび16bを、通気性を有する織布又は不織布等で形成される防塵部材により覆って、磁気空隙13aおよび13bに鉄粉等の異物が侵入するのを防止するようにしてもよい。
錦糸線8aおよび8bを介してボイスコイル4Bのコイル積層体4Bbに音声電流が供給されると、磁気空隙13aおよび13bに配置された直線部4Bdには駆動力が作用し、ボイスコイル4Bは図1〜図3における上下方向に振動し、連結されたスピーカー振動板2Bも上下方向に振動する。磁気回路10Bは、平行な二辺の直線部を含む磁気空隙13aおよび13bが長径方向に均等な幅を有するので、長径方向においてほぼ磁束密度分布が一定になり、長径方向のボイスコイル4Bの平行な二辺の直線部4Bdに沿って、ほぼ一定の駆動力が発生する。スピーカー振動板2Bは、短径方向ではその外周端を支持するエッジ3Bのフリーエッジ部が柔軟に支持し、その一方で、長径方向ではスピーカー振動板2Bを形成する熱可塑性樹脂発泡シートの柔軟性によって曲げ振動可能になる。最低共振周波数f0付近若しくはそれ以下の周波数でボイスコイル4Bが大きく変位する場合には、長径方向の両端を固定されたスピーカー振動板2Bは、長径方向に弓状に曲がって変形する。
本実施例のボイスコイル4Bは、コイル積層体4Bbと、コイル積層体4Bbを磁気回路10Bの磁気空隙13aおよび13bに配置するコイル支持部材4Baと、を備え、コイル積層体4Bbは、エッチングにより形成される導電性金属の(図示しない)コイルパターン45pと、コイルパターン45pが貼り合わされる(図示しない)耐熱性フィルム45xと、を複数積層させたコイル積層体である。本実施例のコイル積層体4Bbの場合には、具体的には、(図示しない)コイル層45aから45hを積層した8層のコイル積層体4Bbが形成されている。コイル層45aから45hは、それぞれ、耐熱性フィルム45xに、導電性金属のコイルパターン45pがエッチングにより形成されている。本実施例では、耐熱性フィルム45xは、厚みが50μmのポリイミドフィルムであり、コイルパターン45pは、厚みが18μmの銅箔であり、これらは接着剤で接着されている。コイルパターン45pは、ポリイミドフィルム45xに貼り合わされた銅箔をエッチングして形成されており、導体幅が0.3mm、導体ピッチが0.1mmで、その始点45s1と、終点45s2とにスルーホールランドをそれぞれ有する約2ターンのコイルである。それぞれのコイル層45a〜45hには、ボイスコイル4Bの円弧部4Beの共通する所定の位置に、合計9つのスルーホールランド45s0が設けられており、コイルパターン45pの始点45s1および終点45s2は、その中の2つから選択されている。コイル積層体4Bbでは、積層された2つのコイルパターン45pが、それぞれの始点45s1もしくは終点45s2に形成されたスルーランドホール45s0を銅メッキすることにより導通し、8層のコイルパターン45pが直列接続するボイスコイルを形成する。錦糸線8aおよび8bを接続すれば、合計が約16ターンで、直流抵抗値が約8.39Ωのトラック形のコイルが形成される。なお、銅メッキは、銀メッキであっても良い。
コイル支持部材4Baは、コイル積層体4Bbと略同形状のトラック形の内径および外径を有するように形成されるので、長径方向に平行な二辺の直線部4Bdと、直線部4Bdの長径側端部を連結する円弧部4Beと、を備え、その内径側に磁気回路10Bのセンターポール12を収容する内孔4Bcを有している。コイル支持部材4Baは、樹脂を射出成形、もしくは、一定の厚みを有する樹脂部材をプレス型で打ち抜いて形成された部材であり、厚さが約1.3mmのトラック形を有する。コイル積層体4Bbは、コイル支持部材4Baの下側端面に接着剤で接着される。また、コイル支持部材4Baとコイル積層体4Bbとの連結は、接着剤の代わりに、エポキシプリプレグシートを用いて加熱して連結しても良い。したがって、コイル支持部材4Baは、コイル積層体4Bbを磁気回路10Bの磁気空隙13aおよび13bに配置することができる。なお、コイル支持部材4Baを形成する部材は、本実施例の場合に限られるものではなく、合成樹脂、ケミカルウッド(ウレタン)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート(PC)、エポキシ、フェノール、不飽和ポリエステル、等であっても良く、軽量化を図るために発泡ビーズを含むウレタン、アクリル、PC、PP、等の樹脂であってもよい。
図14および図15は、本実施例のスピーカー振動板2Bおよびエッジ3Bを説明する図である。図14は、スピーカー振動板2Bおよびエッジ3Bを前面側斜め上方から見た斜視図である。また、図15(a)は、スピーカー振動板2Bおよびエッジ3Bの短径方向の断面を示すB−B’断面図であり、図15(b)は、C−C’断面図であり、図15(c)は、D−D’断面図であり、図15(d)は、E−E’断面図である。なお、後述するように、スピーカー振動板2Bおよびエッジ3Bの一部の構造や、断面構造等は、省略している。また、点A−A’を結ぶ直線が延びる方向が長径方向であり、また、点B−B’を結ぶ直線が延びる方向が短径方向である。
本実施例のスピーカー振動板2Bは、先の実施例2と同様に、押出成形されて厚みがほぼ均一なポリプロピレン(PP)のシートを、プラグアシスト成形を併用した真空成形法を用いることで、補強リブを有するように成形している。トラック形のスピーカー振動板2Bの外形概略寸法は、その長径方向長が約262.0mmであり、短径方向長が約25.5mmである。スピーカー振動板2Bの第1振動板部21Bおよび第2振動板部22Bは、先の実施例と同様に規定される。ただし、本実施例のスピーカー振動板2Bは、トラック形のボイスコイル4Bに対応して、トラック形のボイスコイル4Bの一端が取り付けられるトラック形の平坦部23Bを備えており、先の実施例で円形のボイスコイルボビン4が取り付けられる場合に比較して、第1振動板部21Bの領域が広く、また、長径中央リブ24Bを挟んで配置される二つの副長径リブ27Bが長くなる。
つまり、第1振動板部21Bは、スピーカー振動板2Bの中央部において、細長形のスピーカー振動板2の二つの長辺と、これらの長辺の間を短径方向に横切る二つの仮想線XおよびX’と、により規定される略矩形状の領域である。本実施例の場合には、仮想線XおよびX’の距離は約110.0mmであり、トラック形のボイスコイル4Bの長径方向の外形長よりも長く、スピーカー振動板2Bの長径方向長の1/2以内程度の範囲で設定可能である。図15(a)の断面図に示すように、中音域および高音域の再生に貢献する第1振動板部21Bは、背面側中央部に略円筒形状の(図示しない)ボイスコイルボビン4の一端が取り付けられるトラック形の平坦部23Bを含んでいる。
また、第2振動板部22Bは、細長形のスピーカー振動板2Bの両端側においてそれぞれ、細長形のスピーカー振動板2Bの二つの長辺と、細長形のスピーカー振動板2Bの短辺と、上述の仮想線X(もしくはX’)と、により規定される領域である。本実施例のトラック形のスピーカー振動板2Bの短辺の部分は、トラック形を規定する半円形部分を含む。本実施例の場合には、第2振動板部22Bの平均厚みは、第1振動板部21Bと変わらずに約1.1mmであり、ほぼ均一の厚みになるように成形されている。
本実施例のスピーカー振動板2Bでは、その全体がほぼ均一の厚みになるように成形するので、補強リブの配置ならびに形状を工夫することで、長径方向で必要となる剛性を確保することができる。具体的には、スピーカー振動板2Bは、長径方向および短径方向にそれぞれ延びる補強リブを有し、かつ、短径方向断面形状が略W字形になる。本実施例の場合には、補強リブは、短径方向の中央部に形成される長径中央リブ24Bと、長径中央リブ24Bを挟んで配置される二つの副長径リブ27Bと、を含む。そして、副長径リブ27Bのそれぞれの端部は、第1振動板部21Bにおいて振動板本体の短径方向の中央部に近づいて、長径中央リブ24Bに連結するように形成される。副長径リブ27Bは、短径方向の断面において、それぞれボイスコイルの直線部分の接合部である平坦部23Bと長径両端リブ25Bとの間に形成される。二つの副長径リブ27Bは、短径方向のB−B’断面では長径中央リブ24Bとは分離しているものの、短径方向のC−C’断面に至るまでの間に長径中央リブ24Bにその両端が連結している。したがって、副長径リブ27Bは、仮想線XおよびX’により規定される第1振動板部21Bの領域に収まって、ボイスコイルボビン4の一端が取り付けられるトラック形の平坦部23Bの周囲を補強する。
長径中央リブ24Bは、先の実施例の場合と同様に、第1振動板部21B、および、それぞれの第2振動板部22Bに渡って連続して形成される。また、長径中央リブ24Bは、そのリブ高さを規定する長径中央リブ高YLが、それぞれ、第1振動板部21Bにおいて最も高く、第2振動板部22Bにおいて長径方向の一方の端部に向かうに連れて低くなる。さらに、長径中央リブ24Bは、スピーカー振動板2Bを正面視した場合に規定される幅が、第1振動板部21Bにおいて最も幅広く、第2振動板部22Bにおいて長径方向の一方の端部に向かうに連れて幅狭くなる。第1振動板部21Bでは、トラック形の平坦部23Bの外側の短径方向の両端部に二つの長径両端リブ25Bが形成され、長径中央リブ24Bを補強する二つの副長径リブ27Bがさらに形成されるので、スピーカー振動板2Bの長径方向の剛性を向上させるとともに、後述するように、比較的に平坦な再生音圧周波数特性を実現することができる。さらに、第2振動板部22Bの半円形状に対応して円弧状に形成される短径両端リブ26Bは、それぞれの長径両端リブ25Bを連結して、トラック形のスピーカー振動板2Bの外周縁を補強して、剛性を高める。
エッジ3Bは、先の実施例1で説明したエッジ3に類似する構成のエッジであり、切断内径が約259mm×約22mm、半円弧形状の半径が約11mmのトラック形のエッジである。エッジ3Bは、自由エッジ部の第2自由エッジ部32Bの形状が、先の実施例2のエッジ3Aと異なる。具体的には、エッジ3Bは、スピーカー振動板2Bの長径方向に直線状に延びるトラック形の長辺においてスピーカー振動板2Bの短径方向両端を自由支持する自由エッジ部(第1自由エッジ部31B、第2自由エッジ部32Bと、を含む。)と、円弧状になるトラック形の短辺においてスピーカー振動板2Bを固定支持する固定エッジ部33Bと、を有し、柔軟性を有する発泡ゴムを金型内に注入して加熱発泡して形成したものである。スピーカー振動板2Bの外周部分に熱融着性の接着剤を塗布し乾燥した後、貼り付け金型で熱プレスすることにより、スピーカー振動板2Bとエッジ3Bとを貼り付けて、補強体34Bも一体に形成した振動板完成品を得ることができる。
本実施例のエッジ3Bでは、先の実施例2のエッジ3Aと同様に、自由エッジ部の第2自由エッジ部32Bの形状が、第1自由エッジ部31Bの形状と異なるように形成されている。つまり、本実施例の第2自由エッジ部32Bでは、その第2自由エッジ経路長le2が第1自由エッジ部31Bの第1自由エッジ経路長le1よりも短くなるように、支持可動部を構成するコルゲーションが形成されており、先の実施例のエッジ3Aの場合に比較して、トラック形のボイスコイル4を備えることに対応して第1振動板部21Bの領域が大きくなるのに合わせて、第1自由エッジ部31Bの長径方向における割合が長くなり、第2自由エッジ部32Bの割合が小さくなっている。具体的には、第1自由エッジ部31Bの第1自由エッジ経路長le1は13.5mmであり、第2自由エッジ部32Bの第2自由エッジ経路長le2は13.5mmから単調減少して5.7mmまで変化する。第2自由エッジ経路長le2は、第1自由エッジ部31Bから固定エッジ部33Bに至るにつれて、第1振動板部21Bと第2振動板部22Bの境界X(またはX’)を始点にする長径方向の長さに比例して、第1自由エッジ経路長le1から直線的に短くなる。したがって、図15(a)のB−B’断面図、および、図15(b)のC−C’断面図に示すように、第1振動板部21Bに対応する第1自由エッジ部31Bの高さYE1は、補強体34Bの底部を基準にして約2.2mmで一定であるのに対し、図15(c)のD−D’断面図、および、図15(d)のE−E’断面図に示すように、第2振動板部22Bに対応する第2自由エッジ部32Bの高さYE2は、固定エッジ部33Bに至るにつれて徐々に低くなる。
先の実施例の場合と同様に、本実施例の細長形のスピーカー振動板2Bおよびエッジ3Bを備える動電型スピーカー1Bは、短径方向ではエッジ3Bのフリーエッジ部のコンプライアンスで柔軟に支持される一方で、長径方向ではスピーカー振動板2Bを形成する熱可塑性樹脂の発泡シートの柔軟性によって、曲げ振動する。その結果、後述するように、長径中央リブ24Bおよび長径中央リブ24Bを補強する二つの副長径リブ27Bの剛性により、スピーカー振動板2Bの前後振幅の対称性を改善することができるので、歪が少ない再生音質に優れる動電型スピーカーが実現される。
図16は、本実施例の動電型スピーカー1Bにおいて、スピーカー振動板2Bの中心点Oが前側に約5mm変位するような静的な駆動力を与えた場合に、長径方向のO−A断面におけるスピーカー振動板2Bの変位分布を示すグラフである。また、図17は、本実施例の細長形のスピーカー振動板2Bおよびエッジ3Bを備える動電型スピーカー1Bの再生音圧周波数特性を説明するグラフである。
図16に示すように、ボイスコイル4Bが取り付けられる第1振動板部21Bの領域である仮想線Xまでは、スピーカー振動板2Bの変位量は、ほぼ一定であり、長径方向の短径端部に向かう第2振動板部22Bの領域では、変位量は直線的に減少する。したがって、エッジ3Bは、これに合わせて、第1自由エッジ部31Bの第1自由エッジ経路長le1を一定にし、第2自由エッジ部32Bの第2自由エッジ経路長le2を直線的に短くすればよい。動電型スピーカー1Bは、最低共振周波数f0付近若しくはそれ以下の周波数でボイスコイル4Bが大きく変位する場合に、第1自由エッジ部31Bおよび第2自由エッジ部32Bで発生しやすい異常共振を抑制することができる。動電型スピーカー1Bは、エッジ3Bが異常共振を発生しやすい周波数において、平坦な再生音圧周波数特性を実現することができ、スピーカー振動系の動作が安定して音声再生能力が向上する。
なお、これらの本実施例のスピーカー振動板2Bは、押出成形されて厚みがほぼ均一なポリプロピレン(PP)のシートを、プラグアシスト成形を併用した真空成形法を用いて形成するので、第1振動板部21Bの平均厚みt1と、第2振動板部22Bの平均厚みを規定する第2平均厚値t2とが、ほぼ等しい場合である。ただし、先の実施例1のように、第2振動板部22Bの第2平均厚値t2が、第1振動板部21Bの第1平均厚値t1よりも厚く形成されていてもよい。中音域および高音域の再生能率が向上し、再生帯域の広い動電型スピーカーが実現される。
本実施例の動電型スピーカー1Bは、図11に示すように、細長形のスピーカー振動板2Bを備えていながらも、コイル積層体4Bbの積層厚さが約0.6mm程度に薄くされるので、最低共振周波数f0以下の周波数の低域成分を含む音声信号を再生する場合であっても、磁気回路10Bとボイスコイル4Bとが接触しないようにしたうえで、動電型スピーカー1Bの全高を約20mmとして、従来の動電型スピーカーよりも薄くすることができる。なお、本実施例の動電型スピーカー1Bは、ボイスコイル4Bを振動可能に支持するダンパーを備えない場合であるが、柔軟性を有する繊維の織布を基材としてフェノール樹脂を含浸して成形するコルゲーションダンパー、もしくは、金属または樹脂で形成する蝶ダンパーを備えていても良い。
また、磁気回路10Bの磁気空隙13aおよび13bにおいて、高い磁束密度を保つトッププレート11aおよび11bの厚さ約4.0mmに比べて、コイル積層体4Bbの積層厚の方が薄く、短くなる。したがって、動電型スピーカー1Bは、ショートボイスの動電型スピーカーとなり、高調波歪が少なく、音声再生能力に優れた動電型スピーカーを実現することができる。さらに、動電型スピーカー1Bは、ボイスコイル4Bのコイル積層体4Bbがコイルパターン45pからなるものであっても、コイル支持部材4Baを備えることによって、コイル積層体4Bbを磁気回路10Bの磁束密度が高い磁気空隙11aおよび11bの内部に配置できるので、能率が高い再生音質に優れる動電型スピーカーとなる。
本実施例のボイスコイル4Bは、コイル支持部材4Baならびにコイル積層体4Bbがともに樹脂で成形されているので、長い平行な二辺の直線部4Bdを含むトラック形であっても、紙、アルミ等の金属箔、等で円筒形状にされたボビンに線材を巻回して構成するようなトラック形のボイスコイルよりも、剛性を高めることができる。したがって、トラック形のスピーカー振動板2Bを備えていても、動作の安定した再生音質に優れる動電型スピーカー1Bを実現することができる。もちろん、スピーカー振動板2Bの形状は、矩形、長円形、楕円形、あるいは、トラック形を含む細長形であってもよく、また、ボイスコイル4Bも、トラック形のボイスコイルボビンに線材を巻回して形成するコイルであってもよい。
なお、これらの本実施例のスピーカー振動板は、他の細形形状、もしくは、ボイスコイル径に対応した異なる寸法のスピーカー振動板であっても良い。また、これを用いた動電型スピーカーは、トラック形のスピーカー振動板に限らず、楕円形、長円形、長方形、矩形といった長径寸法と短径寸法との比が大きい細長形の動電型スピーカーであればよい。
なお、本実施例のスピーカー用磁気回路は、他のボイスコイル径に対応した異なる寸法の磁気回路であっても良い。内磁型、外磁型、または、反発形といったいずれの磁気回路であっても、磁気回路の横幅が細長形のフレームの横幅よりも小さく、略円筒形状のボイスコイルがスピーカー振動板の背面中央に取り付けられるものであれば、他の磁気回路を用いる動電型スピーカーであってもよい。
本発明の動電型スピーカーは、ディスプレイ等の映像・音響機器に内蔵するスピーカーとしてのみならず、音声を再生するスピーカーを内蔵するキャビネットを有するゲーム機、スロットマシン等の遊戯機にも適用が可能である。また、本発明のスピーカー用磁気回路を備える動電型スピーカーは、全幅が狭く、小型・薄型のキャビネットで音声を再生するスピーカーシステムが実現できるので、設置空間が限定される車両用のスピーカーに特に適する。
本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1を説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1を説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー振動板2およびエッジ3を説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態によるスピーカー振動板2およびエッジ3を説明する図である。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1の動作を説明するグラフである。(実施例1) 本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1において、駆動力を与えた場合の前後振幅の変位量をあらわすグラフである。(実施例1) 本発明の他の好ましい実施形態によるスピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aを説明する図である。(実施例2) 本発明の他の好ましい実施形態によるスピーカー振動板2Aおよびエッジ3Aを説明する図である。(実施例2) 本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1Aにおいて、駆動力を与えた場合の前後振幅の変位量をあらわすグラフである。(実施例2) 本発明の他の好ましい実施形態による動電型スピーカー1Aの再生音圧周波数特性を説明するグラフである。(実施例2) 本発明の他の好ましい実施形態による動電型スピーカー1Bを説明する図である。(実施例3) 本発明の他の好ましい実施形態による動電型スピーカー1Bを構成する磁気回路10Bを説明する斜視図である。(実施例3) 本発明の他の好ましい実施形態による動電型スピーカー1Bを構成するボイスコイル4Bを説明する図である。(実施例3) 本発明の他の好ましい実施形態によるスピーカー振動板2Bおよびエッジ3Bを説明する図である。(実施例3) 本発明の他の好ましい実施形態によるスピーカー振動板2Bおよびエッジ3Bを説明する図である。(実施例3) 本発明の好ましい実施形態による動電型スピーカー1Bにおいて、駆動力を与えた場合の前後振幅の変位量をあらわすグラフである。(実施例3) 本発明の他の好ましい実施形態による動電型スピーカー1Bの再生音圧周波数特性を説明するグラフである。(実施例3)
符号の説明
1、1A、1B 動電型スピーカー
2、2A、2B スピーカー振動板
21、21A、21B 第1振動板部
22、22A、22B 第2振動板部
23、23A、23B 円形平坦部、平坦部
24、24A、24B 長径中央リブ
25、25A、25B 長径両端リブ
26、26A、26B 短径両端リブ
27A、27B 副長径リブ
3、3A、3B エッジ
31、31A、31B 第1自由エッジ部
32、32A、32B 第1自由エッジ部
33、33A、33B 固定エッジ部
34、34A、34B 補強体
4、4B ボイスコイル
4a ボイスコイルボビン
4b コイル
4Ba コイル支持部材
4Bb コイル積層体
5、5a、5b ダンパー
6、6B フレーム
7、7B ターミナル
8、8a、8b 錦糸線
10、10B 磁気回路
11、11a、11b トッププレート
12 センターポール
13、13a、13b 磁気空隙
14 アンダープレート
15a、15b 主マグネット

Claims (7)

  1. 長径方向と短径方向とを有する細長形の振動板本体と、該振動板本体の外周縁を支持するエッジと、を備えるスピーカー振動板であって、
    該振動板本体が、その背面側中央部にボイスコイルとの接合部を含む略矩形状の第1振動板部と、該略矩形状の該第1振動板部の長径方向の両端から該長径方向の外側にそれぞれ延設された第2振動板部と、該第1振動板部、および、それぞれの該第2振動板部に渡って連続して形成される補強リブと、を有し、
    該エッジが、該第1振動板部ならびに該第2振動板部の該短径方向の端部を自由支持する自由エッジ部と、該自由エッジ部よりも厚みが厚く形成されて該第2振動板部の該長径方向の一方の端部を固定支持する固定エッジ部と、を有し、
    該補強リブが、該振動板本体の該短径方向の中央部に形成されてそれらの両端部が該第2振動板部に位置する長径中央リブと、該長径中央リブを挟んで配置されて該第1振動板部の該略矩形状の領域に収まる二つの副長径リブと、を含み、
    該副長径リブのそれぞれの端部が、該第1振動板部において該振動板本体の該短径方向の中央部に近づいて、該長径中央リブに連結する、
    スピーカー振動板。
  2. 前記振動板本体の前記第1振動板部が、前記ボイスコイルの投影断面積よりも面積が大きい表面積を有し、かつ、該第1振動板部の平均厚みを規定する第1平均厚値が、前記第2振動板部の平均厚みを規定する第2平均厚値よりも値が小さくなるように構成されている、
    請求項1に記載のスピーカー振動板。
  3. 前記補強リブが、前記振動板本体の前記短径方向の両端部にそれぞれ形成される長径両端リブと、前記第2振動板部の前記長径方向の一方の端部に形成される短径両端リブと、を含み、
    該短径両端リブが、それぞれの該長径両端リブを連結し、前記長径中央リブと連結しない、
    請求項1または2に記載のスピーカー振動板。
  4. 前記補強リブの前記長径中央リブのリブ高さを規定する長径中央リブ高が、それぞれ、前記第1振動板部において最も高く、前記第2振動板部において前記長径方向の一方の端部に向かうに連れて低くなる、
    請求項1から3のいずれかに記載のスピーカー振動板。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の前記スピーカー振動板と、前記エッジの外周端側が固定されるフレームと、該フレームに固定されて磁気空隙を有する磁気回路と、該スピーカー振動板の前記接合部において連結される前記ボイスコイルと、を備える、
    動電型スピーカー。
  6. 前記磁気回路が、平行な2辺の直線状の前記磁気空隙を有し、前記ボイスコイルが、該磁気回路に配置されてトラック形に形成されるコイルと、該トラック形のコイル支持体と、を備える、
    請求項5に記載の動電型スピーカー。
  7. 前記スピーカー振動板の前記振動板本体の二つの前記副長径リブが、前記短径方向の断面において、それぞれ前記ボイスコイルの直線部分の接合部と前記長径両端リブとの間に形成される、
    請求項6に記載の動電型スピーカー。
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