JP2005203832A - 電気音響変換器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 略長丸形状の振動板(1)に、その短手方向の断面形状が略円弧状の凹部(12A〜12K)及び凸部(11A〜11L)を長手方向に交互に連続して形成し、凹部(12A〜12K)及び凸部(11A〜11L)それぞれの、長丸の短手方向長さ(W)及び長丸の長手方向長さ(L)との比率α=W/Lを1.0≦αとした。さらに、αを1.5≦α≦2.5の範囲とした。
【選択図】 図1
Description
一方、テレビセットは、その画面の大型化や横長化に伴い、セット外形をできるだけ小さくすることが市場要求となっており、スピーカユニットに対しても高音質を追求しつつその横幅を可能な限り小さくすることが求められている。
その要求に応えるべく、従来、角型や楕円型等の細幅構造のスピーカユニットが種々提供されてきた。
このような細幅構造のスピーカ一例として、特許文献1の従来の技術欄に記載されたものがある。
具体的には、細幅構造のスピーカは、細幅の振動板を、長径と短径とを有する細長形状のボイスコイルで駆動することになるため、長軸方向の分割共振が励起されやすい。その結果、中高音帯域において再生音圧周波数特性上にピークディップを生じて音質の劣化を招いていた。
これにより、従来、振動板に生じていた屈曲波の振動モード(特許文献1の図14参照)が無くなり、その振動モードにより顕著に発生していた中高音帯域(6kHz近傍)のピークディップ(図5参照)の発生が抑制されて良好な周波数特性を得ることができるものである。
(a)補強剤を充填する作業工程及び工数が増加する。また、この工程及び工数の増加によりコストアップが生じる。また、補強剤自体によるコストアップも生じる。
(b)補強剤の濃度調整や充填位置の調整を精度良く行う必要があり、作業が難しく煩雑である。
(c)塗布量や位置のばらつきにより、量産において周波数特性のばらつきが生じる。従って、高音質の維持が容易ではない。
即ち、請求項1に係る発明は、略長丸形状の振動板であって、その短手方向の断面形状が略円弧状の凹部(12A〜12K)及び凸部(11A〜11L)を長手方向に交互に連続して形成して成る振動板(1)と、前記振動板(1)より大きい細長形状の外形を有し、その略中央に前記振動板(1)を配置して該振動板を支持するエッジと、前記振動板(1)を包囲する略枠状のフレームとを備え、
前記振動板(1)を、前記フレームに対して振動自由となるように前記エッジを介して支持して成る電気音響変換器において、
前記凹部(12A〜12K)及び凸部(11A〜11L)それぞれの、前記短手方向の幅(W)及び前記長手方向の長さ(L)を、比率αをW/Lとしたときに1.0≦αとなる幅W及び長さLで形成して成ることを特徴とする電気音響変換器(10)である。
また、請求項2に係る発明は、比率αを1.5≦α≦2.5としたことを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器(10)である。
図1は、本発明の電気音響変換器の実施例を示す図であり、
図2は、本発明の電気音響変換器の実施例の要部を示す斜視図であり
図3は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるボイスコイルを説明する斜視図であり、
図4は、本発明の電気音響変換器の実施例における周波数応答特性を示すグラフである。
図1(a)はその平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における半断面図である。
図2は、実施例の電気音響変換器の、振動板(エッジを含む)の斜視図である。この振動板は、図1に示す振動板とは後述する凹部及び凸部の数が異なる別の例を示している。
この電気音響変換器10は、振動板1とエッジ2とフレーム3とを有して構成されており、詳細を以下に説明する。
エッジ2は、振動板1の外周部(後述するフランジ部1B)と接合され、その振動板1をフレーム3に対して振動自在に保持する部材であり、振動板1に相応する部分を開口し一部に凹凸を有する枠状部材である。
フレーム3は、各部材を支持する略枠状の支持体であり、長手及び短手の枠部とエッジ2の外周とが接合され、このエッジ2を支持するものである。
ボイスコイルボビン4は、磁気回路の磁気空隙Gに釣り下げられ、音声信号電流と磁束により駆動力を発生する。
この磁気回路は、鉄からなるコ字状のヨーク6と、そのヨーク6の内側に固定されたマグネット7と、このマグネット7の先端に、振動板1の主振動部(概ね凹部凸部が設けられている範囲)1Aに対向するように設けられたポールピース8とから構成されている。
振動板1は、上述のように、長径と短径とを有し、長辺が平行に対向する略長丸状の部材であって、凹凸形状を備えた主振動部1Aとその周囲に形成されたフランジ部1Bとを備えている。
この振動板1は、ボイスコイル5の動作時の発熱に耐えるように、また、振動板としての機械的特性が優れていることからポリイミド(PI)フィルムにより形成されている。
また、溝部23の幅Wmは、磁気ギャップGp程度とし、振動系の振動によって磁気回路部分に接触することがないように設定してある。
そして、この溝部23は金型によって成形され、必要な面精度が十分に確保されている。
当図に示すように、ボイスコイルボビン4は、振動板1の振動方向から見た平面形状が長径と短径とを有するように形成されている。また、その一部は、振動板1の長径方向において互いに平行な直線部分を有している。
このボイスコイルボビン4は、巻線を施すフォーム部分が、振動板1の長径方向に沿って2分割(41、42)されており、この分割部分が短径方向に接合され、補強部としての梁13が形成されている。
一方、ボイスコイルボビン4の外周面には、補強紙として用いられるクラフト紙からなるバンド15が巻回されている。
そして、このバンド15の外周面にボイスコイル5が巻回されている。
また、ボイスコイル5と溝部23とが接触しないように溝部深さが設定されている。
上述した実施例の振動板1においては、凹部及び凸部のそれぞれの長手方向長さLと、それぞれの短手方向長さ(幅)Wとの比率αを1.0≦α(ただし、α=W/L)としてある。
この長手方向長さLは、中央の凹部12F及びその両隣の凸部11G,11F以外の各凹部12A〜12Kと各凸部11A〜11Lとにおいては等しく設定した寸法である。
そして、この比率αの最も望ましい数値範囲は、1.5〜2.5であり、比率αをこの数値範囲にすることでピークディップの発生を完全に無くすことができる。
当図で明らかなように、周波数応答特性にピークディップが生じていないので高音質を得ることができる。
凹部及び凸部それぞれの短手方向幅(主振動部1Aの幅):W
凹部及び凸部ぞれぞれの長手方向長さ:L
比率α=W/L (1.5≦α≦2.5)
主振動部1Aの長さ:LA
凸部の数:Nt (Ntは自然数)
凹部の数:No (Noは自然数)
凹部及び凸部の数:N (N=Nt+No)
とすれば、
N≒LA/L=LA/(W/α)
=α*LA/W (ただし、1.5≦α≦2.5)…(1)
である。
この(1)式のように数Nを設定することで、周波数応答特性におけるピークディップを無くして高音質を得ることができる。
1.5*LA/W≦N≦2.5*LA/W (ただし、Nは自然数)…(2)
を満たすNが存在するように各値を設定して振動板1を形成することと同じ意味である。
即ち、凹部及び凸部それぞれの短手方向の幅をWとし、主振動部1Aの前記長手方向の長さをLAとし、凹部及び凸部の合計数をNとしたときに、主振動部を、 1.5*LA/W≦N≦2.5*LA/W (ただし、Nは自然数)を満たす幅W及び長さLAで形成するものである。
ボイルコイルボビン4の周囲には、マグネット7により磁界が発生しているので、ボイルコイルボビン4に巻回されたボイルコイル5に駆動電流が流れると、この駆動電流に応じた電磁力がボイルコイルボビン4に作用し、主振動部1Aを主体として振動板1を振動させる。
そして、振動板1は、上述した形状に形成されているので、ピークディップを生じることない音響特性が得られる。
1A 主振動部
1B フランジ部
2 エッジ
3 フレーム
4 ボイスコイルボビン
4a 上端部
5 ボイスコイル
6 ヨーク
7 マグネット
8 ポールピース
10 電気音響変換器
11A〜11L 凸部
12A〜12K 凹部
15 バンド
23 溝部
G 磁気空隙
Gp 磁気ギャップ
L,LA 長さ
W,Wm 幅
α 比率
Claims (2)
- 略長丸形状の振動板であって、その短手方向の断面形状が略円弧状の凹部及び凸部を長手方向に交互に連続して形成して成る振動板と、
前記振動板より大きい細長形状の外形を有し、その略中央に前記振動板を配置して該振動板を支持するエッジと、
前記振動板を包囲する略枠状のフレームとを備え、
前記振動板を、前記フレームに対して振動自由となるように前記エッジを介して支持して成る電気音響変換器において、
前記凹部及び凸部それぞれの、前記短手方向の幅W及び前記長手方向の長さLを、比率αをW/Lとしたときに1.0≦αとなる幅W及び長さLで形成して成ることを特徴とする電気音響変換器。 - 比率αを1.5≦α≦2.5としたことを特徴とする請求項1記載の電気音響変換器。
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