JP2009183002A - 電気音響変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大入力に対して異常のない音波放射を可能とする電気音響変換器を提供する。
【解決手段】 少なくともエッジ2の長手方向に沿う端部2Eが、振動板1の振動方向に向かうように立ち上がるフランジ部2Dを有し、フランジ部2Dの先端側がフレーム3の長手枠3Aまたは短手枠3Bと固定されている。また、トラック状のロール部3Cは、その長手部LAと円弧状部SAとの連接部近傍M1での幅及び突出高さが、連接部近傍M1から円弧状部SAの頂部Tに向かうに従って漸次大きくなるように形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電気音響変換器に係り、特に細幅(細長)形状のスピーカに関する。
例えば、テレビセットに搭載されるスピーカユニットは、最適な音響効果が得られるように、通常、画面の両脇に配置される。一方、テレビセットは、その画面の大型化や横長化に伴い、セット外形をできるだけ小さくすることが市場要求となっており、スピーカユニットに対しても、高音質を追求しつつ、その横幅を可能な限り小さくすることが求められている。
その要求に応えるべく、従来、角型や楕円型等の細幅構造のスピーカユニットが種々提供されてきた。このような細幅構造のスピーカ一例として、特許文献1の従来の技術欄に記載されたものがある。
このような、従来の細幅構造の電気音響変換器20の一例について、図12〜図14を用いて説明する。
図12(a)及び図12(b)は、それぞれ従来の細幅構造の電気音響変換器20の正面図及びA−A線断面図である。
これらの図において、振動板21は、振動方向から見た平面形状が長径と短径とを有し、音を放射する方向に凹凸状とした部分を連続的に形成されて成るものである。この振動板21の外周部にはエッジ22が接合され、このエッジ22はさらにフレーム23に保持されている。図12(a)におけるフレーム23は簡略的に表されている。
振動板21の外周部下端には、トラック型のボイスコイルボビン24が固着されている。このボイスコイルボビン24の外周面には、ボイスコイル25が巻回されている。ボイスコイルボビン24は、後述する磁気回路の磁気空隙Gに釣り下げられ、音声信号電流と磁束により駆動力を発生する。
フレーム23は、枠状に形成され、その側面の一部は、エッジ22の側部に沿った形状とされている。
磁気回路は、フレーム23の内側下方部に取付けられている。
この磁気回路は、鉄製のヨーク26,マグネット27,ポールピース28で構成され、フレーム23の所定位置に固定されている。なお、ポールピース28は、振動板21の主振動部に対応する位置に設けられている。
次に、振動板21と、この振動板21の外周部に接合され、フレーム23に保持されているエッジ22との具体的構成を説明する。
この振動板21は、上述のように、振動方向から見た平面形状が、長径と短径を有し、音を放射する方向に凹凸状に連続的に湾曲した形状を有するものである。即ち、凸状部29aと凹状部29bとを交互に連続して形成した形状を有するものである。また、それぞれの凹状部の深さ寸法Dは、ほぼ同程度に形成されている。
この振動板21は、ボイスコイル25の発熱に耐え、かつ、振動板21としての機械的特性に優れたポリイミド(PI)フィルムによって形成されている。また、溝部29cが振動板21の略中央部に設けられている。
特開2002−325294号公報(段落番号0002〜0009参照)
ところで、エッジ22はその短径方向の幅が広い程、加えられる駆動力に対して線形で応答できる範囲が広がり、最大振幅をより大きく設定できるので低音域の再生には好ましい。
しかしながら、上述のように、スピーカユニットの幅はより狭いことが望まれており、そのためには、エッジ22の幅も狭くする必要がある。そうすると、応答において線形性を保つことがより困難になる。この線形性については、エッジ22の幅が大きく関与している。
線形性への影響度合いは、再生する音の振幅が大きい場合にエッジのフレーム接合部付近に生じる応力を観測することにより明らかになる。また、スピーカの歪み特性でも知ることができる。
図13は、シミュレーションによってエッジ22のフレームとの接合部付近に生じる応力分布の一例を示した図である。
従来のエッジでは、長手方向も容易に振動して部位により応力偏倚が生じることが知られているが、図13はこれを裏付けるように、長手方向に高い応力集中が生じていることを示している。この応力集中は、電気的特性や音質に悪影響を与えるものである。
また、従来のエッジを有するスピーカの音響特性の例を図14に示す。当図は、第2次高調波,第3次高調波歪のいずれの歪みも大きい特性になっていることを示すものである。この大きい歪みが音質に悪影響を与えることは言うまでもない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、大入力に対して異常のない音波放射を可能とする電気音響変換器を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願発明は手段として次の構成を有する。
即ち、請求項1は、略長丸状の振動板1と、前記振動板1より大きい細長形状の外形を有し、その略中央に前記振動板1を配置して該振動板1を支持するエッジ2と、一対の長手枠3Aと一対の短手枠3Bとを有して成る略枠状であって、それぞれの枠に前記エッジ2の端部2Eが固定され、前記振動板1を、前記エッジ2を介して振動自由となるように支持するフレーム3とを備えて成る電気音響変換器において、
少なくとも前記エッジ2の長手方向に沿う前記端部2Eが、前記振動板1の振動方向に向かうように立ち上がるフランジ部2Dを有し、該フランジ部2Dの先端側が前記長手枠3Aまたは前記短手枠3Bと固定されていることを特徴とする電気音響変換器である。
また、請求項2は、略長丸状の振動板1と、前記振動板1より大きい細長形状の外形を有し、その略中央に前記振動板1を配置して該振動板1を支持すると共に前記振動板1の周囲に横断面形状が円弧状の振動方向に突出するロール部2Cが形成されて成るエッジ2と、一対の長手枠3Aと一対の短手枠3Bとを有して成る略枠状であって、それぞれの枠3A,3Bに前記エッジの端部2Eが固定され、前記振動板1を、前記エッジ2を介して振動自由となるように支持するフレーム3とを備えて成り、前記ロール部2Cが、前記エッジ2の長手方向に沿って互いに対向する一対の長手部と、この一対の長手部をその両端側で連結する一対の円弧状部とからなるトラック状に形成された電気音響変換器において、
前記ロール部は、前記長手部LAと前記円弧状部SAとが連接する連接部近傍M1での横断面形状における幅及び突出高さが、前記連接部近傍M1から前記円弧状部SAの頂部Tに向かうに従って漸次大きくなるように形成された部分を有していることを特徴とする電気音響変換器である。
また、請求項3は、少なくとも前記エッジ2の長手方向に沿う前記端部2Eが、前記振動板1の振動方向に向かうように立ち上がるフランジ部2Dを有し、該フランジ部2Dの先端側が前記長手枠3Aまたは前記短手枠3Bと固定されていることを特徴とする請求項2記載の電気音響変換器である。
以上詳述したように、本願発明によれば、振動板の線形性が向上し、大入力に対して異常のない音波放射が可能になり、外形形状における幅方向をより小さくできる、という効果を得る。
本発明の電気音響変換器の実施例を示す図である。 本発明の電気音響変換器の実施例を示す断面図である。 本発明の電気音響変換器の実施例における振動板を説明する斜視図である。 本発明の電気音響変換器の実施例におけるボイスコイルを説明する斜視図である。 本発明の電気音響変換器の実施例におけるフレームを説明する平面図である。 本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジを説明する斜視図である。 本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジを説明する断面図である。 本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジの要部を説明する斜視的断面図である。 本発明の電気音響変換器の一実施例における応力集中を説明する図である。 本発明の電気音響変換器の実施例における応力集中を説明する図である。 本発明の電気音響変換器の好ましい一実施例の特性を説明する図である。 従来の電気音響変換器を説明する図である。 従来の電気音響変換器における応力集中を説明する図である。 従来の電気音響変換器の特性を説明する図である。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図11を用いて説明する。
図1は、本発明の電気音響変換器の実施例を示す図であり、
図2は、本発明の電気音響変換器の実施例を示す断面図であり
図3は、本発明の電気音響変換器の実施例における振動板を説明する斜視図であり、
図4は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるボイスコイルを説明する斜視図であり、
図5は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるフレームを説明する平面図であり、
図6は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジを説明する斜視図であり、
図7は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジを説明する断面図であり、
図8は、本発明の電気音響変換器の実施例におけるエッジの要部を説明する斜視的断面図であり、
図9は、本発明の電気音響変換器の一実施例における応力集中を説明する図であり、
図10は、本発明の電気音響変換器の実施例における応力集中を説明する図であり、
図11は、本発明の電気音響変換器の好ましい一実施例の特性を説明する図である。
まず、図1,図2を主に用いて具体的構成について説明する。
図1(a)はその平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線半断面図である。 図2は、図1(a)におけるB−B線断面図である。
この電気音響変換器10は、振動板1とエッジ2とフレーム3とを有して構成されており、概略を以下に説明する。
振動板1は、長径と短径とを有し、対向する長辺とその端部を連結する略円弧状部とからなる長丸状の部材である(図3参照)。
エッジ2は、振動板1の外周と接合され、その振動板1をフレーム3に対して振動自在に保持する部材であり、振動板1に相応する部分を開口し一部に凹凸を有する枠状部材である(図6参照)。
フレーム3は、各部材を支持する略枠状の支持体であり、長手及び短手の枠部とエッジ2の外周とが接合され、このエッジ2を支持するものである(図5参照)。
振動板1の外周部下端には、図4に示すようなトラック型のボイスコイルボビン4が固着されている。このボイスコイルボビン4の外周面には、ボイスコイル5が巻回されている。
ボイスコイルボビン4は、後述する磁気回路の磁気空隙Gに釣り下げられ、音声信号電流と磁束とにより駆動力を発生する。
フレーム3の内側には磁気回路が取り付けられている(図1(b),図2参照)。
この磁気回路は、鉄からなるコ字状のヨーク6と、そのヨーク6の内側に固定されたマグネット7と、このマグネット7の先端に、振動板1の主振動部(概ね凹部凸部が設けられている範囲)1Aに対向するように設けられたポールピース8とから構成されている。
次に、(1)振動板,(2)エッジ及び(3)フレームについて詳述する。
(1)振動板1について
振動板1は、上述のように、長径と短径とを有し、対向する長辺とその端部を連結する略円弧状部とからなる長丸状の部材であって、凹凸形状を備えた主振動部1Aとその周囲に形成されたフランジ部1Bとを備えている。長手方向の端部角はR形状になっている。
主振動部1Aには、振動方向Vに凹凸とされた凹部及び凸部が、長径方向に連続して形成されている。即ち、交互に連続した凸部11a〜11fと凹部12a〜12dとが形成されている。
また、この凹部12a〜12dの深さD1は、中央部を除きほぼ同じ深さに形成されている。
この振動板1は、ボイスコイル5の動作時の発熱に耐えることから、また、振動板としての機械的特性が優れていることからポリイミド(PI)フィルムにより形成されている。
振動板1のほぼ中央部には、短手方向に溝部9が設けられている。この溝部9の深さD2は、主振動部1Aの長手方向端部に設けられた肩部14の深さ方向寸法Cとほぼ同じに設定されている。
(2)エッジ2について(図2,図6,図7参照)
エッジ2は、上述のように、振動板1の外形にほぼ相応する部分を開口した開口部2Aを有する略枠状に形成された部材である。
具体的には、図2,図6に示すように、上述の開口部2Aを設けた平坦部2Bと、平坦部2Bの外側に、断面が略円弧状となるようにトラック状に突出形成されたロール部2Cと、このロール部2Cの外側における長手方向側部にロール部2Cの突出方向とは逆の方向に折り返すように立ち上げたフランジ部2Dとを備えている。このロール部2Cは、その断面形状が、エッジ2の短手側、即ち、ロール部2Cの円弧状部において徐変するように形成されている。
ここで、トラック状とは、エッジ2の長手方向に沿って互いに対向する一対の長手部(長手領域LA)と、この一対の長手部をその両端側で連結する一対の略円弧状部(短手領域SA)とからなる形状を意味する。
この断面形状の徐変について、図8を用いて具体的に説明する。
図8は、図6の1つの隅部分Pを拡大した図であり、振動板1をエッジ2に固着した状態を示している。
ロール部2Cは、エッジ2の長手領域LAでは、外形曲率R1,突出高さh1,ロール幅W1とで成る断面形状が一定となるように形成されている。
ここにおいてロール幅W1とは、ロール部2Cがエッジ2の表面(平坦部2B)と接する内側の境界線2C1と外側の境界線2C2との間隔W1のことであり、以下、間隔W1と称する。
この断面形状は、短手領域SAにおいて突出高さh1と間隔W1とが、円弧の頂部Tに向かって漸次拡大するように、また、エッジ2の長手方向に延びる中心軸CL1の位置でそれぞれが最大(外形曲率R2,突出高さh2,間隔W2)となるように形成されている。そして、ロール部2Cは、この軸CL1に対して軸対称となるように形成されている。本実施例では、拡大比率R2/R1,h2/h1,W2/W1を1.2に設定している。
この断面形状の変化開始点である変化部M1は、長手領域LAと円弧状領域SAとの連接部Mでなくてもよく、この連接部Mの近傍に設定されていればよい。
また、この漸次拡大する範囲の頂点側端部(変化終了点)M2は、頂点Tではなく、その手前に設定してもよい。いずれの形態においても、変化部M1(変化開始点)と頂点側端部M2(変化終了点)は、屈曲線が生じないようになだらかに非変化範囲と連接する。
また、ロール部2Cは、エッジ2の開口部2Aにおける円弧状部分のライン2ALと相似形の、ロール部2Cの中心線CL2を想定した場合、ロール部2Cの断面形状が徐変しても、内側の境界線2C1とこの中心線CL2との距離Win、及び、外側の境界線2C2と中心線CL2との距離Woutとが等しくなるように形成されている
エッジ2の材料としては、ブチルゴムを用いることができる。耐熱性や振動特性等に優れるものであれば、この材料に限定されるものではない。
図2に示すように、開口部2Aの内側(図の下側)から振動板1が挿入され、この振動板1のフランジ部1Bの上面と、エッジ2の平坦部2Bの下面とが接着剤により固着されることで両者は一体化されている。
(3)フレーム3について
フレーム3は、上述のように、各部材を支持する略枠状に形成された支持体であり、長手方向の一対の長手枠3Aと短手方向の一対の短手枠3Bとを連結して成るものである(図5参照)。
短手枠3Bには、このフレームを他の部材に固定するための締結孔3B1が設けられている。
また、短手枠3Bの内方側には、長手枠3Aにも連接して円弧状の端部を有する鍔部3B2が設けられている(図1(b),図5参照)。
長手枠3Aの外側面には、壁部3A1aと突き当てになる底部3A1bとからなる段部3A1が設けられている(図2参照)。
図2において、エッジ2は、当図の上方向からフレーム3に載置され、長手方向においては、エッジ2のフランジ2Dの内側の面とフレーム3の長手枠3Aの壁部3A1aとを接着剤で固着する。
一方、短手方向においては、エッジ2の長手方向の端部にある平坦部2Eの下面とフレーム3の鍔部3B2の上面とを接着剤で固着する。
これらの固着により、フレーム3とエッジ2とが一体化し、振動板1はフレーム3に対してエッジ2を介して振動自由になるように支持されている。
次に、上述のような構成の電気音響変換器10の動作について説明する。
この構成において、マグネット7によって生じる磁界中でボイスコイルボビン4に巻回されたボイスコイル5に駆動電流が流れると、この駆動電流に応じた電磁力がボイスコイルボビン4に作用し、このコイルボビン4と一体化されている振動板1がその主振動部1Aを主体として振動する。
この時、上述したように、エッジ2の側面にフランジ部2Dを形成してこのフランジ部2Dの先端側をフレーム3に固着したことにより、振動板1を弾性的に主に支持するロール部2Cの外側の境界線2C2に対して、エッジ2がフレーム3に支持されるフランジ部2Dの端部が振動方向に位置するように構成されているので、エッジ2の幅を大きくすることなく境界線2C2とフランジ部2Dの端部との間の距離を長くできて線形性の向上が成されている。
また、短手領域SAにおけるロール部2Cの断面形状を長手領域LAから頂部Tに向けて漸次拡大するように徐変させたことによって、振動板1の振幅の線形性が飛躍的に向上し、エッジ2の外周部における応力レベルが激減すると共に、応力集中も防ぐことができる。
また、エッジ2の長手方向の側方部分においては、ロール部2Cの外側の平坦部2Eにフレーム3との接着しろが不要になっているので、この部分の幅を極めて小さくすることができる。
従って、電気音響変換器の外形においても、その幅方向寸法をより小さく形成することができる。
上述した構成の電気音響変換器を振動させた場合のエッジ2に生じる応力について図9,図10を用いて説明する。
図9は、エッジ2にフランジ部2Dを設け、この先端部をフレームに固定した場合の応力集中を説明する、エッジ2の隅部を内側から見た斜視図である。
図10は、図9で示した構成に加えて、短手領域SAにおいてロール部2の断面形状を拡大方向に徐変させた場合の応力集中を説明する、エッジ2の隅部を内側から見た斜視図である。
これらの図と従来のエッジを用いた場合の図13とを比較すると、フランジ部2Dを設けた場合(図9)は、応力集中は生じているものの、その範囲は極めて局所的になっていることがわかる。
従って、振幅応答が線形となる範囲が拡大しており、電気的特性や音質に与える悪影響が極めて少なくなっていることを示している。
一方、フランジ部2Dの形成に加えて、短手領域SAでロール部2Cの断面形状を拡大方向に徐変させた場合(図10)には、応力集中は全く発生していない。
従って、振幅応答が線形となる範囲が飛躍的に拡大しており、応力集中が電気的特性や音質に与える悪影響を完全に排除できていることを示している。
また、本実施例における電気音響変換器10の音圧周波数特性と高調波歪の周波数特性図を図11に示す。
当図と従来の周波数特性図である図14とを比較すれば、本実施例においては、音圧特性が何ら損なわれることなく、第2次高調波歪及び第3次高調波歪が大幅に減少していることがわかる。これは、これらの歪が音質に与える悪影響を大幅に減少できていることを示すものである。
さて、本発明の実施例は、上述した構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において例えば下記のような変形例としてもよいものである。
フランジ部2Dは、長手方向の長さと立ち上がり角度と立ち上がり長さとを限定するものではないが、最も望ましい形態は以下の形態である。
即ち、長手方向長さとしては、振動板1の主振動部と概ね対応する範囲に設けられているものであり、角度としては、概ね振動方向に立設されているものである。立ち上がり長さは、できる限り長いものであることが望ましい。
また、エッジ2の長手方向端部側にも側部と同様に立ち上げたフランジ部を設け、このフランジ部の先端部分をフレーム3と固着するように構成してもよい。
ロール部2Cの断面形状の徐変については、内側の境界線2C1と振動板1の円弧状部分のライン2ALとが相似形になるように、(W1/2)=Winとしてもよく、また、外側の境界線2C2とライン2ALとが相似形になるように(W1/2)=Woutとしてもよいが、Win=Woutとして徐々に拡大するようにした上述の実施例の構成が最も好ましい形態である。
ロール部2Cの拡大比率は1.2に限定されるものではない。振動板1の形状や材質等により最適な拡大比率を設定できるものである。また、この比率は、外形曲率,突出高さ,ロール部幅のそれぞれで異なるように設定してもよい。
その際、外形曲率の拡大比率をR2/R1=1として変化させなくてもよい。
振動板1の主振動部1Aに設けた凹凸形状は、上述した形状に限るものではなく、この主振動部1Aの形状は任意に設定できるものである。
1 振動板
1A 主振動部
1B フランジ部
2 エッジ
2A 開口部
2AL ライン
2B 平坦部
2C ロール部
2C1 (内側の)境界線
2C2 (外側の)境界線
2D フランジ部
2E (ロール部外側の)平坦部
3 フレーム
3A 長手枠
3A1 段部
3A1a 壁部
3A1b 底部
3B 短手枠
3B1 締結孔
3B2 鍔部
4 ボイスコイルボビン
5 ボイスコイル
6 ヨーク
7 マグネット
8 ポールピース
9 溝部
10 電気音響変換器
11a〜11f 凸部
12a〜12d 凹部
14 肩部
C,D1,D2 深さ
CL1,CL2 中心軸
G 磁気空隙
V 振動方向
M 連接部
M1 変化部(連接部近傍)(変化開始点)
M2 頂点側端部(変化終了点)
T 頂部
LA 長手領域
SA 短手領域
h1,h2 突出高さ
R1,R2 曲率
W1,W2 間隔
Win,Wout 距離

Claims (4)

  1. 細長形状の振動板と、
    前記振動板より大きい細長形状の外形を有し、前記振動板を支持するエッジと、
    一対の長手枠と一対の短手枠とを有して成る略枠状であって、それぞれの枠に前記エッジが固定され、前記振動板を、前記エッジを介して振動自由となるように支持するフレームとを備えて成る電気音響変換器であって、
    前記エッジの長手方向および短手方向に沿う側面に、前記振動板の振動方向に沿って延びるフランジ部を形成し、該フランジ部の先端側をそれぞれ前記フレームの長手枠または短手枠に固定したことを特徴とする電気音響変換器。
  2. 細長形状の振動板と、
    前記振動板より大きい細長形状の外形を有し、前記振動板を支持すると共に前記振動板の周囲に横断面形状が略円弧状の振動方向に突出するロール部が形成されて成るエッジと、
    一対の長手枠と一対の短手枠とを有して成る略枠状であって、それぞれの枠に前記エッジが固定され、前記振動板を、前記エッジを介して振動自由となるように支持するフレームとを備えて成り、
    前記ロール部が、前記エッジの長手方向に沿って互いに対向する一対の長手部と、この一対の長手部をその両端側で連結する一対の円弧状部とからなるトラック状に形成された電気音響変換器において、
    前記ロール部は、前記長手部と前記円弧状部とが連接する連接部近傍における横断面形状の幅が、前記連接部近傍から前記円弧状部の頂部に向かうに従って漸次大きくなるように形成されていることを特徴とする電気音響変換器。
  3. 前記エッジの長手方向に沿う側面に、前記振動板の振動方向に沿って延びるフランジ部を形成し、該フランジ部の先端側を前記フレームの長手枠に固定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気音響変換器。
  4. 前記エッジの長手方向および短手方向に沿う側面に、前記振動板の振動方向に沿って延びるフランジ部を形成し、該フランジ部の先端側をそれぞれ前記フレームの長手枠または短手枠に固定したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の電気音響変換器。
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