本発明の一実施の形態によるラッチ回路及びそれを備えたフリップフロップ回路並びに論理回路について図1乃至図15を用いて説明する。まず、本実施の形態によるラッチ回路及びフリップフロップ回路について図1乃至図14を用いて説明する。図1は、本実施の形態によるラッチ回路の基本的な概略構成を示している。図1に示すように、ラッチ回路1は、外部から外部信号Dが入力される入力部2と、所定の制御信号CNTが入力される入力部16と、入力部16に入力された制御信号CNTに基づいて、入力部2から入力された外部信号Dの出力/非出力を切り替える切替回路3と、切替回路3から出力された信号を入力信号として入力し、当該入力信号に基づいて出力した出力信号Qの論理レベルの状態を保持する状態保持回路5と、出力信号Qが出力する出力部4と、クリア信号CLRが入力される入力部18と、入力部18から入力されたクリア信号CLRに基づいて当該入力信号の論理レベルをクリアレベルにするクリア回路7とを有している。
状態保持回路5は、切替回路3から出力された信号を入力信号として入力し、例えばCMOS構造のインバータ回路10と、当該入力信号が入力するインバータ回路10の入力端に出力信号Qをフィードバックして出力信号Qの論理レベルを保持する状態保持経路の接続/切断を、制御信号CNTに基づいて切り替える保持経路接続/切断回路6とを有している。保持経路接続/切断回路6は、切替回路3の非出力/出力状態と同期して出力/非出力状態となるように動作する。
また、当該入力信号が伝達される状態保持回路5の信号経路上には、インバータ回路10のみが配置されている。このため、ラッチ回路1は、従来のクリア機能付Dラッチ回路301と比較して信号経路上の負荷が小さくなる。これにより、ラッチ回路1は高速動作が可能になる。
クリア回路7は、例えば電源電圧が印加される電源端子側又は基準電位となるグランド端子側に切り替えられて、状態保持回路5の入力端を電源端子又はグランド端子に接続するスイッチ回路(不図示)を有している。あるいはクリア回路7は、例えば状態保持回路5の入力端が電源電圧レベル又はグランドレベルになるように、当該入力端を介して電源端子から電流を吸い込んだり、当該入力端を介してグランド端子側に電流を供給したりする電流源を有している。これにより、後程説明するように、クリア回路7は状態保持回路5に入力される入力信号の論理レベルをクリアレベル(高レベル又は低レベル)にして出力信号Qをクリアすることができる。
次に、ラッチ回路1の動作について説明する。以下では、切替回路3は、制御信号CNTが高レベル状態であると信号を出力する出力状態になり、制御信号CNTが低レベル状態であると信号を出力しない非出力状態になり、一方、保持経路接続/切断回路6は、制御信号CNTが高レベル状態であると状態保持経路を切断して信号を出力しない非出力状態になり、制御信号CNTが低レベル状態であると状態保持経路を接続して出力状態になると仮定して説明する。
まず、ラッチ回路1の通常動作について説明する。制御信号CNTが高レベル状態時に入力部2に外部信号Dが入力されると、切替回路3は外部信号Dを入力端から出力端へ伝達するオン状態になる。これにより、切替回路3は外部信号Dに基づく信号を出力する。当該信号は入力信号として状態保持回路5に入力される。その際、保持経路接続/切断回路6は非出力状態である。このため、保持経路接続/切断回路6の出力端は状態保持回路5の入力端に対して高インピーダンス状態になっている。また通常動作時には、切替回路3と状態保持回路5との接続点に接続されたクリア回路7の接続端は状態保持回路5の入力端に対して、例えば高イピーダンス状態になっている。このため、保持経路接続/切断回路6及びクリア回路7は状態保持回路5の入力端から切り離されていると看做すことができる。従って、通常動作時には、保持経路接続/切断回路6及びクリア回路7は信号線経路上の負荷にはならない。
状態保持回路5に入力された入力信号はインバータ回路10で位相が180°反転して出力端から出力される。当該出力端は出力部4に接続されているので、インバータ回路10で反転した反転信号は、入力信号に基づいた出力信号Qとして出力部4から出力する。
ここで、制御信号CNTが低レベル状態になると、切替回路3は入力端から出力端に外部信号Dを伝達しないオフ状態になり、保持経路接続/切断回路6は入力端から出力端に信号を伝達するオン状態になる。これにより、切替回路3は非出力状態になり、保持経路接続/切断回路6は出力状態になる。保持経路接続/切断回路6は状態保持経路を接続する。これにより、状態保持回路5内には、インバータ回路10と保持経路接続/切断回路6によりラッチループが形成される。保持経路接続/切断回路6は例えばインバータ回路として動作する。これにより、保持経路接続/切断回路6はインバータ回路10から出力された反転信号の位相を180°反転して入力信号と同位相の信号を出力する。当該信号はインバータ回路10に入力される。一方、切替回路3の出力端は状態保持回路5の入力端に対して高インピーダンス状態になるので、当該入力端から切り離されていると看做すことができる。従って、状態保持回路5は出力信号Qの論理レベルの状態を保持すると共に出力し続けることができる。
次に、ラッチ回路1のクリア動作について説明する。クリア回路7は、例えば切替回路3の非出力状態時に入力信号の論理レベルをクリアレベルにするようになっている。まず、出力信号Qを高レベルにクリアする場合について説明する。出力信号Qを高レベルにクリアするためのクリア信号CLRが入力部18に入力されると、例えばクリア回路7は、不図示のスイッチ回路をグランド端子側に切り替える。これにより、入力信号の論理レベルは低レベルのクリアレベルに変化する。入力信号の論理レベルが低レベルになると、状態保持回路5に入力される入力信号の電位はインバータ回路10のPMOSFET(p型トランジスタ)の閾値電圧より低くなる。このため、インバータ回路10は論理レベルが高レベルの反転信号を出力する。こうして、出力信号Qは高レベルにクリアされる。
また、クリア回路7は、スイッチ回路に代えて例えば電流源を用いて状態保持回路5の入力端から電流を吸い込むことができる構成にしてもよい。クリア動作時には、クリア回路7及び保持経路接続/切断回路6はインバータ回路10の入力端に接続されているので、クリア回路7は保持経路接続/切断回路6及び当該入力端を介して電源端子から電流を吸い込むことができる。保持経路接続/切断回路6の内部抵抗の抵抗値をほぼ一定と仮定すると、入力端の電位はクリア回路7が吸い込む電流の電流値が大きいほど低くなる。そこで、入力信号の電位がインバータ回路10のPMOSFETの閾値電圧より低くなるように、クリア回路7が入力端から電流を吸い込むことにより、ラッチ回路1は上記と同様に動作して、出力信号Qを高レベルにクリアできる。
次に、出力信号Qを低レベルにクリアする場合について説明する。出力信号Qを低レベルにクリアするためのクリア信号CLRが入力部18に入力されると、例えばクリア回路7は、不図示のスイッチ回路を電源端子側に切り替える。これにより、入力信号の論理レベルは高レベルのクリアレベルに変化する。入力信号の論理レベルが高レベルになると、状態保持回路5に入力される入力信号の電位はインバータ回路10のNMOSFET(n型トランジスタ)の閾値電圧より高くなる。このため、インバータ回路10は論理レベルが低レベルの反転信号を出力する。こうして、出力信号Qは低レベルにクリアされる。
また、クリア回路7は、スイッチ回路に代えて例えば電流源を用いて状態保持回路5の入力端に電流を供給できる構成にしてもよい。クリア動作時には、クリア回路7及び保持経路接続/切断回路6はインバータ回路10の入力端に接続されているので、クリア回路7は保持経路接続/切断回路6及び入力端を介してグランド端子に電流を供給することができる。保持経路接続/切断回路6の内部抵抗の抵抗値をほぼ一定と仮定すると、入力端の電位はクリア回路7が供給する電流の電流値が大きいほど高くなる。そこで、入力信号の電位がインバータ回路10のNMOSFETの閾値電圧より高くなるように、クリア回路7が入力端を介して保持経路接続/切断回路6に電流を供給することにより、ラッチ回路1は上記と同様に動作して、出力信号Qを低レベルにクリアできる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ラッチ回路1は、状態保持回路5に入力される入力信号の論理レベルをクリアレベルにするクリア回路7を有している。このため、ラッチ回路1は従来のクリア機能付Dラッチ回路301のように信号経路上に出力信号QをクリアするためのNOR回路等を配置する必要がなく、インバータ回路10のみを配置することができる。このため、ラッチ回路1は、従来のクリア機能付ラッチ回路301と比較して信号経路上の負荷が小さくなる。これにより、ラッチ回路1は、高速伝送が必要な高速信号経路上の負荷を増大させることなくクリア機能(セット・リセット機能)を備えることができ、回路性能の向上を図ることができる。従って、ラッチ回路1は、ギガヘルツ帯以上で動作する高速インターフェースICの構成要素であるマルチプレクサ(MUX)回路やデバイダ回路等に備えられたラッチ回路に適用できる。
さらに、本実施の形態によるラッチ回路1を図16に示すDFF回路101のマスタ回路又はスレーブ回路の少なくとも一方に用いることにより、高速伝送可能なクリア機能付DFF回路を得ることができる。
以下実施例を用いて、本実施の形態によるラッチ回路及びそれを備えたフリップフロップ回路について具体的に説明する。以下の実施例では、ラッチ回路として、Dラッチ回路を例にとって説明する。
(実施例1)
まず、本実施の形態の実施例1によるラッチ回路1について図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。図2に示すように、ラッチ回路1は、クロック信号(所定の制御信号)CLK、CLKXに基づいて、外部から入力する外部信号Dの出力/非出力を切り替える切替回路3と、切替回路3から出力された信号を入力信号として入力し、当該入力信号に基づいて出力した出力信号Qの論理レベルの状態を保持する状態保持回路5と、不図示のクリア信号に基づいて、当該入力信号の論理レベルをクリアレベルにするクリア回路7とを有している。
切替回路3は、クロック信号CLK、CLKXに基づいて、電源電圧VDDが印加される電源端子や基準電位VSSとなるグランド端子に出力端を接続したり切断したりできるゲーテッドインバータ回路(第1ゲーテッドインバータ回路)30を有している。状態保持回路5は、ゲーテッドインバータ回路30から出力された信号が入力信号として入力されるインバータ回路10と、インバータ回路10から出力された信号が入力され、出力信号をインバータ回路10の入力端に出力するゲーテッドインバータ回路20とを有している。
ゲーテッドインバータ回路30は、電源端子とグランド端子との間で直列接続されたPMOSFET9、11及びNMOSFET13、15を有している。PMOSFET9のソース端子は電源端子に接続され、ドレイン端子はPMOSFET11のソース端子に接続されている。PMOSFET11のドレイン端子はNMOSFET13のドレイン端子に接続されている。NMOSFET13のソース端子はNMOSFET15のドレイン端子に接続されている。NMOSFET15のソース端子はグランド端子に接続されている。PMOSFET11及びNMOSFET13のドレイン端子はゲーテッドインバータ回路30の出力端になる。
外部信号Dが入力される入力部2はPMOSFET9及びNMOSFET15のゲート端子にそれぞれ接続されている。PMOSFET9及びNMOSFET15のゲート端子はゲーテッドインバータ回路30の入力端になる。クロック信号CLKはPMOSFET11のゲート端子に入力され、クロック信号CLKXはNMOSFET13のゲート端子に入力される。
PMOSFET11は、クロック信号CLKが低レベル時に出力端である両FET11、13のドレイン端子を電源端子にそれぞれ接続し、クロック信号CLKが高レベル時に両FET11、13のドレイン端子を電源端子からそれぞれ切断するように動作する。一方、NMOSFET13は、クロック信号CLKXが低レベル時に両FET11、13のドレイン端子をグランド端子からそれぞれ切断し、クロック信号CLKXが高レベル時に両FET11、13のドレイン端子をグランド端子にそれぞれ接続するように動作する。
クロック信号CLKとクロック信号CLKXとは位相が180°異なっているので、クロック信号CLKが低レベル時にクロック信号CLKXが高レベルになり、クロック信号CLKが高レベル時にクロック信号CLKXが低レベルになる。クロック信号CLKが低レベルであり且つクロック信号CLKXが高レベルになると、PMOSFET11及びNMOSFET13は両FET11、13のドレイン端子を電源端子及びグランド端子にそれぞれ接続し、ゲーテッドインバータ回路30はインバータ回路として動作する。
クリア回路7はPMOSFET11のバックゲート端子に接続されている。従って、切替回路3は、クロック信号CLKに基づいて電源端子との接続/切断を制御するトランジスタであって、クロック信号CLKが入力するゲート端子と、クリア回路7が接続されるバックゲート端子とを備えたPMOSFET(第1トラジスタ)11を有している。
状態保持回路5に備えられたインバータ回路10は、電源端子とグランド端子との間で直列接続されたPMOSFET17及びNMOSFET19を有している。PMOSFET17のソース端子は電源端子に接続され、ドレイン端子はNMOSFET19のドレイン端子に接続されている。NMOSFET19のソース端子はグランド端子に接続されている。PMOSFET17及びNMOSFET19のゲート端子は互いに接続されて、PMOSFET11及びNMOSFET13のドレイン端子に接続されている。PMOSFET17及びNMOSFET19のゲート端子はインバータ回路10の入力端になると共に状態保持回路5の入力端になる。PMOSFET17及びNMOSFET19のドレイン端子は、出力部4に接続されると共にゲーテッドインバータ回路20のPMOSFET21及びNMOSFET27のゲート端子に接続されている。PMOSFET17及びNMOSFET19のドレイン端子は、インバータ回路10の出力端になると共に状態保持回路5の出力端になる。
ゲーテッドインバータ回路20は、電源端子とグランド端子との間で直列接続されたPMOSFET21、23及びNMOSFET25、27を有している。PMOSFET21のソース端子は電源端子に接続され、ドレイン端子はPMOSFET23のソース端子に接続されている。PMOSFET23のドレイン端子は、NMOSFET25のドレイン端子に接続されている。NMOSFET25のソース端子はNMOSFET27のドレイン端子に接続されている。NMOSFET27のソース端子はグランド端子に接続されている。
PMOSFET23及びNMOSFET25のドレイン端子は、インバータ回路10の両FET17、19のゲート端子及びゲーテッドインバータ回路30の両FET11、13のドレイン端子に接続されている。PMOSFET23及びNMOSFET25のドレイン端子はゲーテッドインバータ回路20の出力端になる。ゲーテッドインバータ回路20、30のそれぞれの出力端と、インバータ回路10の入力端との接続点がノードN1になる。
インバータ回路10の出力端に接続されたPMOSFET21及びNMOSFET27のゲート端子は、ゲーテッドインバータ回路20の入力端になる。クロック信号CLKXはPMOSFET23のゲート端子に入力され、クロック信号CLKはNMOSFET25のゲート端子に入力される。
PMOSFET23は、クロック信号CLKXが低レベル時にゲーテッドインバータ回路20の出力端を電源端子に接続し、クロック信号CLKXが高レベル時に当該出力端を電源端子から切断するように動作する。一方、NMOSFET25は、クロック信号CLKが低レベル時にゲーテッドインバータ回路20の出力端をグランド端子から切断し、クロック信号CLKが高レベル時に当該出力端をグランド端子に切断するように動作する。
クロック信号CLKとクロック信号CLKXとは位相が180°異なっているので、クロック信号CLKXが低レベルになり且つクロック信号CLKが高レベルになると、PMOSFET23及びNMOSFET25はゲーテッドインバータ回路20の出力端を電源端子及びグランド端子にそれぞれ接続し、ゲーテッドインバータ回路20はインバータ回路として動作する。一方、クロック信号CLKXが高レベルになり且つクロック信号CLKが低レベルになると、PMOSFET23及びNMOSFET25は出力端を電源端子及びグランド端子からそれぞれ切断し、入力端の状態にかかわらず出力端は高インピーダンス状態になる。このように、ゲーテッドインバータ回路20は、切替回路3から出力した信号を入力信号として入力する入力端に、インバータ回路10からの出力信号をフィードバックして当該出力信号の論理レベルを保持する状態保持経路の接続/切断を切り替えることができる。
クリア回路7は、PMOSFET11のバックゲート端子に接続されたスイッチ回路(第1スイッチ回路)8を有している。スイッチ回路8は、不図示のクリア信号に基づいて、ラッチ回路1の通常動作時には電源端子とPMOSFET11のバックゲート端子とを接続し、クリア動作時にはグランド端子とPMOSFET11のバックゲート端子とを接続するように切り替わる。
図3は、ゲーテッドインバータ回路30の構成を模式的に示す断面図である。図3に示すように、ゲーテッドインバータ回路30はグランド端子に接続されてバックバイアスが印加されたp型のシリコン基板31を有している。シリコン基板31上には、PMOSFET9、11及びNMOSFET13、15が並んで形成されている。PMOSFET9は、シリコン基板31のp型不純物領域に形成されたnウェルのバックゲート領域33と、バックゲート領域33上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極9gと、ゲート電極9g下層のnウェルに形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたp型不純物拡散層のソース領域9s及びドレイン領域9dとを有している。バックゲート領域33は不図示のバックゲート端子を介して電源端子に接続され、バックゲートバイアスが印加されている。ソース領域9sは不図示のソース端子を介して電源端子に接続されている。
PMOSFET11は、シリコン基板31のp型不純物領域に形成されたnウェルのバックゲート領域35と、バックゲート領域35上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極11gと、ゲート電極11g下層のnウェルに形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたp型不純物拡散層のソース領域11s及びドレイン領域11dとを有している。バックゲート領域35には、不図示のバックゲート端子を介してクリア回路7に備えられたスイッチ回路8が接続されている。ソース領域11sは不図示のソース端子を介してPMOSFET9のドレイン領域9dに接続されている。ゲート電極11gには、不図示のゲート端子を介してクロック信号CLKが入力される。
NMOSFET13は、シリコン基板31のp型不純物領域上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極13gと、ゲート電極13g下層のp型不純物領域に形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたn型不純物拡散層のドレイン領域13d及びソース領域13sとを有している。ドレイン領域13dは不図示のドレイン端子を介してPMOSFET11のドレイン領域11dに接続されている。ドレイン領域11d、13dの接続点がノードN1になる。ゲート電極13gには、不図示のゲート端子を介してクロック信号CLKXが入力される。
NMOSFET15は、シリコン基板31のp型不純物領域上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極15gと、ゲート電極15g下層のp型不純物領域に形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたn型不純物拡散層のドレイン領域15d及びソース領域15sとを有している。ドレイン領域15dは不図示のドレイン端子を介してNMOSFET13のソース領域13sに接続されている。ソース領域15sは不図示のソース端子を介してグランド端子に接続されている。ゲート電極15gは、不図示のゲート端子を介してPMOSFET9のゲート電極9gに接続されている。ゲート電極9g、15gには、外部信号Dが入力される。
次に、ラッチ回路1の動作について図2及び図3を用いて説明する。クロック信号CLKが低レベル状態でありクロック信号CLKXが高レベル状態であると、ゲーテッドインバータ回路30はインバータ回路として動作する。この時、入力部2に外部信号Dが入力されると、ゲーテッドインバータ回路30は外部信号Dに対して位相が180°反転した反転信号を出力する。当該反転信号は入力信号として状態保持回路5に入力される。その際、ゲーテッドインバータ回路20のPMOSFET23及びNMOSFET25はオフ状態になって、両FET23、25のドレイン端子は電源端子及びグランド端子からそれぞれ切断される。これにより、ゲーテッドインバータ回路20は非出力状態になる。ゲーテッドインバータ回路20の出力端は状態保持回路5の入力端に対して高インピーダンス状態になっている。このため、ゲーテッドインバータ回路20は状態保持回路5の入力端から切り離されていると看做すことができる。また、クリア回路7内のスイッチ回路8は、ラッチ回路1の通常動作時に、電源端子側に切り替えられており、PMOSFET11のバックゲート端子には電源電圧VDDが印加されている。
状態保持回路5に入力された入力信号(ゲーテッドインバータ回路30から出力された反転信号)はインバータ回路10で位相が180°反転して出力端から出力される。当該出力端は出力部4に接続されているので、インバータ回路10から出力された当該信号は入力信号に基づいた出力信号Qとして出力部4から出力する。
ここで、クロック信号CLKが高レベル状態になり、クロック信号CLKXが低レベル状態になると、PMOSFET11及びNMOSFET13はオフ状態になって両FET11、13のドレイン端子は電源端子及びグランド端子からそれぞれ切断される。これにより、ゲーテッドインバータ回路30は非出力状態になる。一方、PMOSFET23及びNMOSFET25はオン状態になって両FET23、25のドレイン端子は電源端子及びグランド端子にそれぞれ接続される。これにより、ゲーテッドインバータ回路20は出力状態になる。ゲーテッドインバータ回路20は状態保持経路を接続するので、状態保持回路5内には、インバータ回路10とゲーテッドインバータ回路20によりラッチループが形成される。
ゲーテッドインバータ回路20はインバータ回路として動作する。このため、インバータ回路10が出力してゲーテッドインバータ回路20に入力された信号は位相が180°反転して出力される。ゲーテッドインバータ回路20が出力する信号は入力信号と同位相であり、当該信号はインバータ回路10に入力される。一方、ゲーテッドインバータ回路30の出力端は状態保持回路5の入力端に対して高インピーダンス状態になるので、当該入力端から切り離されていると看做すことができる。従って、状態保持回路5は、入力部2に入力される外部信号Dの論理レベルに依存されずに、既に入力された入力信号に基づく出力信号Qの論理レベルの状態を保持できる。
次に、ラッチ回路1のクリア動作について説明する。クリア回路7は切替回路3の非出力状態時にノードN1での入力信号の論理レベルをクリアレベルにするようになっている。従って、クリア動作時では、クロック信号CLKは高レベルになり、クロック信号CLKXは低レベルになっている。図2に示すように、本実施例では、ラッチ回路1はノードN1での入力信号の論理レベルを低レベルにして出力信号Qを高レベルにクリアすることができる。
図2に示すように、ノードN1での論理レベルが高(H)レベルであり、出力信号Qの論理レベルが低(L)レベル時に、不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8は電源端子側からグランド端子側に切り替えられる。これにより、PMOSFET11のバックゲート端子はグランド端子に接続される。
図3に示すように、PMOSFET11のバックゲート端子がグランド端子に接続されるとバックゲート領域35もグランド端子に接続されて低レベルになる。一方ノードN1は高レベルである。このため、PMOSFET11のドレイン領域11dとバックゲート領域35によって形成されるPN接合を通して、図2に示すように、電源端子、ゲーテッドインバータ回路20のPMOSFET21、23、ノードN1、ゲーテッドインバータ回路30のPMOSFET11、スイッチ回路8及びグランド端子による電流パスが形成されて、この電流パスに電流Iが流れる。ノードN1の電位は低下して基準電位VSSとほぼ等しくなる。ノードN1での入力信号の論理レベルは低(L)レベルに変化するので、インバータ回路10は高レベルの信号を出力する。
クロック信号CLKは高レベルであり、クロック信号CLKXは低レベルであるので、状態保持回路5にはラッチループが形成されている。インバータ回路10からの出力信号はラッチループによって状態保持回路5に保持され、出力信号Qの論理レベルが高レベルにクリアされる。その後、スイッチ回路8が電源端子側に切り替えられる。スイッチ回路8が電源端子側に切り替えられても、ゲーテッドインバータ回路30は非出力状態なので、状態保持回路5は外部信号Dに依存されずに論理レベルが高レベルの出力信号Qを保持すると共に出力し続ける。
本実施例では、スイッチ回路8の一端には基準電位VSSが印加されているが、インバータ回路10のPMOSFET(p型トランジスタ)17の閾値電圧より低い電圧が印加されていてもよい。クリア回路7はリセット動作時に、PMOSFET11のバックゲート端子を介して入力信号の電位をPMOSFET17の閾値電圧より低くして、入力信号の論理レベルを低レベルに変化させることができる。これにより、インバータ回路10は高レベルの信号を出力するので、出力信号Qを高レベルにクリアできる。
以上説明したように、本実施例によれば、ラッチ回路1は、切替回路3を介してノードN1での入力信号の論理レベルを低レベルのクリアレベルにすることができる。すなわち、ラッチ回路1はPMOSFET11のバックゲート端子を介してノードN1での入力信号を低レベルにできるので、従来のクリア機能付Dラッチ回路301のように信号経路上に出力信号QをクリアするためのNOR回路等を配置する必要がない。これにより、本実施例のラッチ回路1は、図1に示すラッチ回路1と同様の効果が得られる。
(実施例2)
次に、本実施の形態の実施例2によるラッチ回路1について図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例1によるラッチ回路1は、PMOSFET11のバックゲート端子にクリア回路7が接続されている。これに対し、本実施例によるラッチ回路1は、図4に示すように、NMOSFET13のバックゲート端子にクリア回路7が接続されている点に特徴を有している。本実施例のラッチ回路1は、クリア回路7の接続されている位置が異なる点を除いて他の構成は実施例1のラッチ回路1と同様である。そこで以下では、本実施例のラッチ回路1が実施例1のラッチ回路1と同一の構成を有する部分については説明を省略する。
図5は、ゲーテッドインバータ回路30の構成を模式的に示す断面図である。図5に示すように、本実施例のラッチ回路1に備えられたゲーテッドインバータ回路30は、上記実施例1のラッチ回路1に備えられたゲーテッドインバータ回路30に対して、PMOSFET11のバックゲート領域35が常に電源端子に接続されている点と、NMOSFET13の構成が相違する点とが異なっている。NMOSFET13は、シリコン基板31のp型不純物領域に形成されたnウェル37と、nウェル37の形成領域に配置されたpウェルのバックゲート領域39上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極13gと、ゲート電極13g下層のバックゲート領域39に形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたn型不純物拡散層のソース領域13s及びドレイン領域13dとを有している。nウェル37は電源端子に接続され、バックゲートバイアスが印加されている。バックゲート領域39は不図示のバックゲート端子を介してクリア回路7内のスイッチ回路(第1スイッチ回路)8に接続されている。
クリア回路7はNMOSFET13のバックゲート端子に接続されている。従って、切替回路3は、クロック信号CLKXに基づいて電源端子との接続/切断を制御するトランジスタであって、クロック信号CLKXが入力するゲート端子と、クリア回路7が接続されたバックゲート端子とを備えたNMOSFET(第1トラジスタ)13を有している。
次に、本実施例のラッチ回路1の動作について図4及び図5を用いて説明する。本実施例のラッチ回路1は、NMOSFET13のバックゲート端子がスイッチ回路8を介してグランド端子に接続されて、上記実施例1と同様の通常動作をするので説明は省略する。
次に、本実施例のラッチ回路1のクリア動作について説明する。図4に示すように、本実施例では、ラッチ回路1はノードN1での入力信号の論理レベルを高レベルのクリアレベルにして出力信号Qを低レベルにクリアすることができる。
図4に示すように、ノードN1での論理レベルが低(L)レベルであり、出力信号Qの論理レベルが高(H)レベル時に、不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8はグランド端子側から電源端子側に切り替えられる。これにより、NMOSFET13のバックゲート端子は電源端子に接続される。
図5に示すように、NMOSFET13のバックゲート端子が電源端子に接続されるとバックゲート領域39も電源端子に接続されて高レベルになる。一方ノードN1は低レベルである。このため、NMOSFET13のバックゲート領域39及びドレイン領域13dによって形成されるPN接合を通して、図4に示すように、電源端子、スイッチ回路8、NMOSFET13、ノードN1、ゲーテッドインバータ回路20のNMOSFET25、27及びグランド端子による電流パスが形成され、この電流パスに電流Iが流れる。ノードN1の電位は上昇して電源電圧VDDとほぼ等しくなる。ノードN1での入力信号の論理レベルは高(H)レベルに変化するので、インバータ回路10は低レベルの信号を出力する。
この時、状態保持回路5にはラッチループが形成されている。インバータ回路10からの出力信号はラッチループによって状態保持回路5に保持され、出力信号Qの論理レベルが低レベルにクリアされる。その後、スイッチ回路8がグランド端子側に切り替えられる。スイッチ回路8がグランド端子側に切り替えられても、ゲーテッドインバータ回路30は非出力状態なので、状態保持回路5は外部信号Dに依存されずに論理レベルが低レベルの出力信号Qを保持すると共に出力し続ける。
本実施例では、クリア動作時にスイッチ回路8の一端には電源電圧VDDが印加されているが、インバータ回路10のNMOSFET(n型トランジスタ)19の閾値電圧より高い電圧が印加されていてもよい。この場合、リセット動作時に、ノードN1での入力信号の電位はNMOSFET13のバックゲート端子を介してインバータ回路10のNMOSFET19の閾値電圧より高くなる。このため、インバータ回路10は高レベルの入力信号を反転して低レベルの信号を出力するので、出力信号Qを低レベルにクリアできる。
以上説明したように、本実施例によれば、ラッチ回路1は、切替回路3を介してノードN1での入力信号の論理レベルを高レベルのクリアレベルにすることができる。すなわち、ラッチ回路1はNMOSFET13のバックゲート端子を介してノードN1での入力信号を高レベルにできるので、実施例1によるラッチ回路1と同様の効果が得られる。
(実施例3)
次に、本実施の形態の実施例3によるラッチ回路1について図6及び図7を用いて説明する。図6は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例1及び2によるラッチ回路1は、切替回路3にクリア回路7が接続されている。これに対し、本実施例によるラッチ回路1は、図6に示すように、状態保持回路5にクリア回路7が接続されている点に特徴を有している。本実施例のラッチ回路1は、クリア回路7の接続されている位置が異なる点を除いて他の構成は実施例1のラッチ回路1と同様である。そこで以下では、本実施例のラッチ回路1が実施例1のラッチ回路1と同一の構成を有している部分については説明を省略する。
クリア回路7はPMOSFET23のバックゲート端子に接続されている。従って、保持経路接続/切断回路は、クロック信号CLKXに基づいて電源端子との接続/切断を制御するトランジスタであって、クロック信号CLKXが入力するゲート端子と、クリア回路7が接続されるバックゲート端子とを備えたPMOSFET(第2トラジスタ)23を用いたゲーテッドインバータ回路(第2ゲーテッドインバータ回路)20を有している。
図7は、状態保持回路5に備えられたゲーテッドインバータ回路20の構成を模式的に示す断面図である。図7に示すように、ゲーテッドインバータ回路20は、グランド端子に接続されてバックバイアスが印加されたp型のシリコン基板31を有している。シリコン基板31上には、PMOSFET21、23及びNMOSFET25、27が並んで形成されている。PMOSFET21は、シリコン基板31のp型不純物領域に形成されたnウェルのバックゲート領域41と、バックゲート領域41上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極21gと、ゲート電極21g下層のnウェルに形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたp型不純物拡散層のソース領域21s及びドレイン領域21dとを有している。バックゲート領域41は不図示のバックゲート端子を介して電源端子に接続され、バックゲートバイアスが印加されている。ソース領域21sは不図示のソース端子を介して電源端子に接続されている。
PMOSFET23は、シリコン基板31のp型不純物領域に形成されたnウェルのバックゲート領域43と、バックゲート領域43上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極23gと、ゲート電極23g下層のnウェルに形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたp型不純物拡散層のソース領域23s及びドレイン領域23dとを有している。バックゲート領域43には、不図示のバックゲート端子を介してクリア回路7に備えられたスイッチ回路8が接続されている。ソース領域23sは不図示のソース端子を介してPMOSFET21のドレイン領域21dに接続されている。ゲート電極23gには、不図示のゲート端子を介してクロック信号CLKXが入力される。
NMOSFET25は、シリコン基板31のp型不純物領域上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極25gと、ゲート電極25g下層のp型不純物領域に形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたn型不純物拡散層のドレイン領域25d及びソース領域25sとを有している。ドレイン領域25dは不図示のドレイン端子を介してPMOSFET23のドレイン領域23dに接続されている。ドレイン領域23d、25dの接続点がノードN1になる。ゲート電極25gには、不図示のゲート端子を介してクロック信号CLKが入力される。
NMOSFET27は、シリコン基板31のp型不純物領域上に絶縁膜(不図示)を介して配置されたゲート電極27gと、ゲート電極27g下層のp型不純物領域に形成されるチャネル領域を挟んだ両側にそれぞれ形成されたn型不純物拡散層のドレイン領域27d及びソース領域27sとを有している。ドレイン領域27dは不図示のドレイン端子を介してNMOSFET25のソース領域25sに接続されている。ソース領域27sは不図示のソース端子を介してグランド端子に接続されている。ゲート電極27gは、不図示のゲート端子を介してPMOSFET21のゲート電極21gに接続されている。ゲート電極21g、27gから出力信号Qが出力される。
次に、本実施例のラッチ回路1の動作について図6及び図7を用いて説明する。本実施例のラッチ回路1は、PMOSFET23のバックゲート端子がスイッチ回路8を介して電源端子に接続されて、上記実施例1と同様の通常動作を行うので説明は省略する。
次に、本実施例のラッチ回路1のクリア動作について説明する。図6に示すように、本実施例では、ラッチ回路1はノードN1での入力信号の論理レベルを低レベルのクリアレベルにして出力信号Qを高レベルにクリアすることができる。
図6に示すように、ノードN1での論理レベルが高(H)レベルであり、出力信号Qの論理レベルが低(L)レベル時に、不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8は電源端子側からグランド端子側に切り替えられる。これにより、PMOSFET23のバックゲート端子はグランド端子に接続される。
図6に示すように、電源端子、ゲーテッドインバータ回路20のPMOSFET21、23、スイッチ回路8及びグランド端子による電流パスが形成され、電流Iが流れる。一方、図7に示すように、PMOSFET23のバックゲート端子がグランド端子に接続されるとバックゲート領域43もグランド端子に接続されて低レベルになる。また、ノードN1は高レベルである。このため、PMOSFET23のドレイン領域23d及びバックゲート領域43によって形成されるPN接合を通して、ノードN1の電位は低下して基準電位VSSとほぼ等しくなる。ノードN1での入力信号の論理レベルは低(L)レベルに変化するので、インバータ回路10は高レベルの信号を出力する。
この時、状態保持回路5にはラッチループが形成されているので、インバータ回路10からの出力信号はラッチループによって状態保持回路5に保持され、出力信号Qの論理レベルが高レベルにクリアされる。その後、スイッチ回路8が電源端子側に切り替えられる。ゲーテッドインバータ回路30は非出力状態なので、状態保持回路5は外部信号Dに依存されずに論理レベルが高レベルの出力信号Qを保持すると共に出力し続ける。
本実施例では、クリア動作時にスイッチ回路8の一端には基準電位VSSが印加されているが、インバータ回路10のPMOSFET(p型トランジスタ)17の閾値電圧より低い電圧が印加されていればよい。この場合、リセット動作時に、ノードN1での入力信号の電位はPMOSFET23のバックゲート端子を介してPMOSFET17の閾値電圧より低くなる。このため、インバータ回路10は低レベルの入力信号を反転して高レベルの信号を出力するので、出力信号Qを高レベルにクリアできる。
以上説明したように、本実施例によれば、ラッチ回路1は、状態保持回路5を介してノードN1での入力信号の論理レベルを低レベルのクリアレベルにすることができる。すなわち、ラッチ回路1は、PMOSFET23のバックゲート端子を介してノードN1での入力信号を低レベルにできるので、実施例1によるラッチ回路1と同様の効果が得られる。
(実施例4)
次に、本実施の形態の実施例4によるラッチ回路1について図8を用いて説明する。図8は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例3によるラッチ回路1は、PMOSFET23のバックゲート端子にクリア回路7が接続されている。これに対し、図8に示すように、本実施例によるラッチ回路1は、NMOSFET25にクリア回路7が接続されている点に特徴を有している。本実施例のラッチ回路1は、クリア回路7の接続されている位置が異なる点を除いて他の構成は実施例1のラッチ回路1と同様である。そこで以下では、本実施例のラッチ回路1が実施例1のラッチ回路1と同一の構成を有している部分については説明を省略する。
クリア回路7はNMOSFET25のバックゲート端子に接続されている。従って、保持経路接続/切断回路は、クロック信号CLKに基づいてグランド端子との接続/切断を制御するトランジスタであって、クロック信号CLKが入力するゲート端子と、クリア回路7が接続されるバックゲート端子とを備えたNMOSFET(第2トラジスタ)25を用いたゲーテッドインバータ回路(第2ゲーテッドインバータ回路)20を有している。
次に、本実施例のラッチ回路1の動作について図8を用いて説明する。本実施例のラッチ回路1は、NMOSFET25のバックゲート端子がスイッチ回路8を介してグランド端子に接続されて、上記実施例1と同様の通常動作を行うので説明は省略する。
次に、本実施例のラッチ回路1のクリア動作について説明する。図8に示すように、本実施例では、ラッチ回路1はノードN1での入力信号の論理レベルを高レベルのクリアレベルにして出力信号Qを低レベルにクリアすることができる。
図8に示すように、ノードN1での論理レベルが低(H)レベルであり、出力信号Qの論理レベルが高(L)レベル時に、不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8はグランド端子側から電源端子側に切り替えられる。これにより、NMOSFET25のバックゲート端子は電源端子に接続される。
NMOSFET25のバックゲート端子が電源端子に接続されると、電源端子、スイッチ回路8、ゲーテッドインバータ回路20のNMOSFET25、27及びグランド端子による電流パスが形成され、電流Iが流れる。さらに、NMOSFET25のバックゲート領域(不図示)及びドレイン領域(不図示)によって形成されるPN接合を通して、ノードN1の電位は高くなり電源電圧VDDとほぼ等しくなる。このため、ノードN1での入力信号の論理レベルは高(H)レベルに変化するので、インバータ回路10は低レベルの信号を出力する。
この時、状態保持回路5にはラッチループが形成されているので、インバータ回路10からの出力信号はラッチループによって状態保持回路5に保持され、出力信号Qの論理レベルが低レベルにクリアされる。その後、スイッチ回路8がグランド端子側に切り替えられる。ゲーテッドインバータ回路30は非出力状態なので、状態保持回路5は外部信号Dに依存されずに論理レベルが低レベルの出力信号Qを保持すると共に出力し続ける。
本実施例では、クリア動作時にスイッチ回路8の一端には電源電圧VDDが印加されているが、インバータ回路10のNMOSFET(n型トランジスタ)19の閾値電圧より高い電圧が印加されていればよい。この場合、リセット動作時に、ノードN1での入力信号の電位はNMOSFET25のバックゲート端子を介してNMOSFET19の閾値電圧より高くなる。このため、インバータ回路10は高レベルの入力信号を反転して低レベルの信号を出力するので、出力信号Qを低レベルにクリアできる。
以上説明したように、本実施例によれば、ラッチ回路1は、状態保持回路5を介してノードN1での入力信号の論理レベルを高レベルのクリアレベルにすることができる。すなわち、ラッチ回路1はNMOSFET25のバックゲート端子を介してノードN1での入力信号を高レベルにできるので、実施例2によるラッチ回路1と同様の効果が得られる。
(実施例5)
次に、本実施の形態の実施例5によるラッチ回路1について図9を用いて説明する。図9は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例1及び2によるラッチ回路1は、状態保持回路5及び切替回路3にゲーテッドインバータ回路20、30をそれぞれ有している。これに対し、本実施例によるラッチ回路1は、図9に示すように、ゲーテッドインバータ回路30に代えてトランスファゲート回路60を切替回路3に備えた点に特徴を有している。さらに、本実施例によるラッチ回路1は、ゲーテッドインバータ回路20に代えてインバータ回路47及びトランスファゲート回路45を状態保持回路5に備えた点に特徴を有している。以下では、実施例1のラッチ回路1に対して本実施例のラッチ回路1の構成が異なる点のみを説明し、同一の構成については説明を省略する。
図9に示すように、トランスファゲート回路60は、並列接続されたPMOSFET57及びNMOSFET59を有している。PMOSFET57のゲート端子には、クロック信号CLKが入力され、NMOSFET59のゲート端子には、クロック信号CLKXが入力される。PMOSFET57及びNMOSFET59のソース端子は互いに接続されて入力部2に接続されている。PMOSFET57及びNMOSFET59のドレイン端子は互いに接続されて状態保持回路5の入力端に接続されている。トランスファゲート回路60の出力端及び状態保持回路5の入力端の接続部はノードN1である。
状態保持回路5に備えられた保持経路接続/切断回路は、インバータ回路47とトランスファゲート回路45とを有している。インバータ回路47は、電源端子とグランド端子との間で直列接続されたPMOSFET53及びNMOSFET55を有している。PMOSFET53のソース端子は電源端子に接続され、ドレイン端子はNMOSFET55のドレイン端子に接続されている。NMOSFET55のソース端子はグランド端子に接続されている。PMOSFET53及びNMOSFET55のゲート端子は互いに接続されて、インバータ回路10の出力端及び出力部4に接続されている。PMOSFET53及びNMOSFET55のゲート端子はインバータ回路47の入力端になる。PMOSFET53及びNMOSFET55のドレイン端子は、トランスファゲート回路45の入力端に接続されている。PMOSFET53及びNMOSFET55のドレイン端子は、インバータ回路45の出力端になる。
トランスファゲート回路49は、並列接続されたPMOSFET49及びNMOSFET51を有している。PMOSFET49のゲート端子には、クロック信号CLKXが入力され、NMOSFET51のゲート端子には、クロック信号CLKが入力される。PMOSFET49及びNMOSFET51のソース端子は互いに接続されて入力端となる。当該ソース端子はインバータ回路47の出力端であるPMOSFET53及びNMOSFET55のドレイン端子に接続されている。PMOSFET49及びNMOSFET51のドレイン端子は互いに接続されて出力端になる。当該ドレイン端子はノードN1に接続されている。
クリア回路7はPMOSFET49のバックゲート端子に接続されている。クリア回路7は、PMOSFET49のバックゲート端子に接続されたスイッチ回路(第2スイッチ回路)8を有している。保持経路接続/切断回路は、クロック信号CLKXが入力するゲート端子と、クリア回路7が接続されるバックゲート端子とを備えたPMOSFET(第2トラジスタ)49を用いたトランスファゲート回路45を有している。
次に、ラッチ回路1の動作について図9を用いて説明する。まず、ラッチ回路1の通常動作について説明する。クロック信号CLKが低レベル状態でありクロック信号CLKXが高レベル状態であると、PMOSFET57及びNMOSFET59はオン状態になるので、トランスファゲート回路60は信号出力状態になり、入力部2に入力された外部信号Dを出力する。当該外部信号Dは入力信号として状態保持回路5に入力される。その際、トランスファゲート回路45のPMOSFET49及びNMOSFET51はオフ状態になるので、トランスファゲート回路45は非出力状態になる。このため、トランスファゲート回路45の出力端は状態保持回路5の入力端に対して高インピーダンス状態になっている。従って、トランスファゲート回路45は状態保持回路5の入力端から切り離されていると看做すことができる。また、クリア回路7内のスイッチ回路8は、ラッチ回路1の通常動作時に、電源端子側に切り替えられており、PMOSFET49のバックゲート端子には電源電圧VDDが印加されている。
状態保持回路5に入力された入力信号はインバータ回路10で位相が180°反転して出力端から出力される。当該出力端は出力部4に接続されているので、インバータ回路10から出力された当該信号は入力信号である外部信号Dに対して位相が180°反転した出力信号Qとして出力部4から出力する。
ここで、クロック信号CLKが高レベル状態になり、クロック信号CLKXが低レベル状態になると、PMOSFET57及びNMOSFET59はオフ状態になり、トランスファゲート回路60は非出力状態になる。一方、PMOSFET49及びNMOSFET51はオン状態になり、トランスファゲート回路45は信号出力状態になる。トランスファゲート回路45は状態保持経路を接続するので、状態保持回路5内には、インバータ回路10、47及びトランスファゲート回路45によりラッチループが形成される。
インバータ回路10から出力された信号は位相が180°反転してインバータ回路47から出力される。トランスファゲート回路45は入力された信号の位相を反転せずに出力するので、トランスファゲート回路45から出力された信号はインバータ回路10に入力される入力信号と同位相になる。入力信号と同位相の当該信号はインバータ回路10に入力される。一方、トランスファゲート回路60の出力端は状態保持回路5の入力端に対して高インピーダンス状態になるので、当該入力端から切り離されていると看做すことができる。従って、状態保持回路5は、入力部2に入力される外部信号Dの論理レベルに依存されずに、既に入力された入力信号に基づく出力信号Qの論理レベルの状態を保持できる。
次に、ラッチ回路1のクリア動作について説明する。本実施例によるラッチ回路1は、上記実施例1乃至4のラッチ回路1と同様に、クリア回路7が切替回路3の非出力状態時にノードN1での入力信号の論理レベルをクリアレベルにするようになっている。従って、クリア動作時では、クロック信号CLKは高レベルになり、クロック信号CLKXは低レベルになっている。図9に示すように、本実施例では、ラッチ回路1はノードN1での入力信号の論理レベルを低レベルにして出力信号Qを高レベルにクリアすることができる。
図9に示すように、ノードN1での論理レベルが高(H)レベルであり、出力信号Qの論理レベルが低(L)レベル時に、不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8は電源端子側からグランド端子側に切り替えられる。このため、PMOSFET49のバックゲート端子はグランド端子に接続される。そうすると、電源端子、インバータ回路47のPMOSFET53、PMOSFET49、スイッチ回路8及びグランド端子による電流パスが形成されて、この電流パスに電流Iが流れる。PMOSFET49のドレイン端子及びバックゲート端子にそれぞれ接続されたドレイン領域及びバックゲート領域(共に不図示)によってPN接合が形成されている。ノードN1の電位はこのPN接合を通して低下して基準電位VSSとほぼ等しくなる。このため、ノードN1での入力信号の論理レベルは低(L)レベルになるので、インバータ回路10は高レベルの信号を出力する。
クロック信号CLKは高レベルであり、クロック信号CLKXは低レベルであるので、状態保持回路5にはラッチループが形成されている。クリア回路7のクリア動作に基づいてノードN1での論理レベルが低レベルになった入力信号はラッチループによって状態保持回路5に保持され、出力信号Qの論理レベルが高レベルにクリアされる。その後、スイッチ回路8が電源端子側に切り替えられる。スイッチ回路8が電源端子側に切り替えられても、トランスファゲート回路60は非出力状態なので、状態保持回路5は外部信号Dに依存せずに論理レベルが高レベルの出力信号Qを保持すると共に出力し続ける。
本実施例では、スイッチ回路8の一端はグランド端子に基準電位VSSが印加されているが、上記実施例1及び3と同様に、インバータ回路10のPMOSFET(p型トランジスタ)17の閾値電圧より低い電圧が印加されていてもよい。この場合、クリア回路7はリセット動作時に、PMOSFET49のバックゲート端子を介して入力信号の電位をインバータ回路10のPMOSFET17の閾値電圧より低くして入力信号の論理レベルを低レベルに変化させることができる。この結果、インバータ回路10は高レベルの信号を出力するので、出力信号Qは高レベルにクリアされる。
以上説明したように、本実施例によれば、ラッチ回路1は、PMOSFET49のバックゲート端子を介してノードN1での入力信号を低レベルにできるので、従来のクリア機能付Dラッチ回路301のように出力信号QをクリアするためのNOR回路等を信号経路上に配置する必要がない。これにより、本実施例のラッチ回路1は、実施例1及び3のラッチ回路1と同様の効果が得られる。
(実施例6)
次に、本実施の形態の実施例6によるラッチ回路1について図10を用いて説明する。図10は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例5によるラッチ回路1は、PMOSFET49のバックゲート端子にクリア回路7が接続されている。これに対し、本実施例によるラッチ回路1は、図10に示すように、NMOSFET51のバックゲート端子にクリア回路7が接続されている点に特徴を有している。本実施例のラッチ回路1は、クリア回路7の接続されている位置が異なる点を除いて他の構成は実施例5のラッチ回路1と同様であるため、説明は省略する。
クリア回路7は、NMOSFET51のバックゲート端子に接続されたスイッチ回路(第2スイッチ回路)8を有している。保持経路接続/切断回路は、クロック信号CLKが入力されるゲート端子と、クリア回路7が接続されるバックゲート端子とを備えたNMOSFET(第2トラジスタ)51を用いたトランスファゲート回路45を有している。
次に、本実施例のラッチ回路1の動作について図10を用いて説明する。本実施例のラッチ回路1は、NMOSFET51のバックゲート端子がスイッチ回路8を介してグランド端子に接続されて、上記実施例5と同様の通常動作をするので説明は省略する。
次に、本実施例のラッチ回路1のクリア動作について説明する。図10に示すように、本実施例では、ラッチ回路1はノードN1での入力信号の論理レベルを高レベルのクリアレベルにして出力信号Qを低レベルにクリアすることができる。
図10に示すように、ノードN1での論理レベルが低(L)レベルであり、出力信号Qの論理レベルが高(H)レベル時に、不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8はグランド端子側から電源端子側に切り替えられる。このため、NMOSFET51のバックゲート端子は電源端子に接続される。そうすると、電源端子、スイッチ回路8、NMOSFET51、インバータ回路47のNMOSFET55及びグランド端子による電流パスが形成されて、この電流パスに電流Iが流れる。NMOSFET51のバックゲート端子及びドレイン端子にそれぞれ接続されたバックゲート領域及びドレイン領域(共に不図示)によってPN接合が形成されている。ノードN1の電位はこのPN接合を通して上昇して電源電圧VDDとほぼ等しくなる。このため、ノードN1での入力信号の論理レベルは高(H)レベルになるので、インバータ回路10は低レベルの信号を出力する。
クロック信号CLKは高レベルであり、クロック信号CLKXは低レベルであるので、状態保持回路5にはラッチループが形成されている。クリア回路7のクリア動作に基づいて、インバータ回路10からの出力信号はラッチループによって状態保持回路5に保持され、出力信号Qの論理レベルが低レベルにクリアされる。その後、スイッチ回路8がグランド端子側に切り替えられる。スイッチ回路8がグランド端子側に切り替えられても、トランスファゲート回路60は非出力状態なので、状態保持回路5は外部信号Dに依存されずに論理レベルが低レベルの出力信号Qを保持すると共に出力し続ける。
本実施例では、スイッチ回路8の一端には電源電圧VDDが印加されているが、上記実施例2及び4と同様に、インバータ回路10のNMOSFET(n型トランジスタ)19の閾値電圧より高い電圧が印加されていてもよい。この場合、クリア回路7はリセット動作時に、NMOSFET51のバックゲート端子を介して入力信号の電位をインバータ回路10のNMOSFET19の閾値電圧より高くして入力信号の論理レベルを高レベルに変化させることができる。この結果、インバータ回路10は低レベルの信号を出力するので、出力信号Qは低レベルにクリアされる。
以上説明したように、本実施例によれば、ラッチ回路1は、NMOSFET51のバックゲート端子を介してノードN1での入力信号を高レベルにできるので、従来のクリア機能付Dラッチ回路301のように出力信号QをクリアするためのNOR回路等を信号経路上に配置する必要がない。これにより、本実施例のラッチ回路1は、実施例2及び4のラッチ回路1と同様の効果が得られる。
(実施例7)
次に、本実施の形態の実施例7によるラッチ回路1について図11を用いて説明する。図11は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例1によるラッチ回路1のクリア回路7は、PMOSFET11のバックゲート端子に接続されたスイッチ回路8を有している。これに対し、本実施例によるラッチ回路1は、スイッチ回路(第1スイッチ回路)8と、スイッチ回路8とグランド端子との間に接続された電流源(第1電流源)61とを有するクリア回路7を備えた点に特徴を有している。本実施例のラッチ回路1は、クリア回路7の構成が異なる点を除いて他の構成は実施例1のラッチ回路1と同様であるため、説明は省略する。
次に、本実施例のラッチ回路1の動作について図11を用いて説明する。本実施例のラッチ回路1の通常動作は、上記実施例1と同様であるため説明は省略する。次に、ラッチ回路1のクリア動作について説明する。本実施例のラッチ回路1のクリア動作は、上記実施例1とほぼ同様なため異なる点について簡述する。
不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8は電源端子側から電流源61側に切り替えられる。そうすると、クリア回路7内の電流源61は、電源端子、ゲーテッドインバータ回路20のPMOSFET21、23、ノードN1、ゲーテッドインバータ回路30のPMOSFET11、スイッチ回路8による電流パスによって電流Iをグランド端子側に吸い込む。PMOSFET21、23のオン抵抗はほぼ一定と仮定すると、状態保持回路5の入力端(ノードN1)の電位は電流源61が吸い込む電流の電流値が大きいほど低くなる。このため、クリア回路7は、入力信号の電位がインバータ回路10のPMOSFET17の閾値電圧より低くなるようにPMOSFET11のバックゲートを介して電流を吸い込んで、ノードN1での入力信号の論理レベルを低レベルに変化させることができる。これにより、ラッチ回路1は上記と同様に出力信号Qを高レベルにクリアできる。
以上説明したように、本実施例によれば、ラッチ回路1は、PMOSFET11のバックゲート端子を介してノードN1での入力信号を低レベルにできるので、上記実施例1と同様の効果が得られる。
(実施例8)
次に、本実施の形態の実施例8によるラッチ回路1について図12を用いて説明する。図12は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例7によるラッチ回路1では、クリア回路7はPMOSFET11のバックゲート端子に接続されたスイッチ回路8を有している。これに対し、本実施例によるラッチ回路1では、クリア回路7は、スイッチ回路(第1スイッチ回路)8と、電源端子とスイッチ回路8との間に接続された電流源(第1電流源)61とを有し、NMOSFET13のバックゲート端子に接続されている点に特徴を有している。本実施例のラッチ回路1は、クリア回路7がNMOSFET13に接続されている点を除いて他の構成は実施例7のラッチ回路1と同様であるため、説明は省略する。
次に、本実施例のラッチ回路1の動作について図12を用いて説明する。本実施例のラッチ回路1の通常動作は、上記実施例2と同様であるため説明は省略する。次に、ラッチ回路1のクリア動作について説明する。本実施例のラッチ回路1のクリア動作は、上記実施例2とほぼ同様なため異なる点について簡述する。
不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8はグランド端子側から電流源61側に切り替えられる。そうすると、クリア回路7内の電流源61は、スイッチ回路8、NMOSFET13、ノードN1、ゲーテッドインバータ回路20のNMOSFET25、27及びグランド端子による電流パスによって電流IをノードN1側に供給する。NMOSFET25、27のオン抵抗はほぼ一定と仮定すると、状態保持回路5の入力端(ノードN1)の電位は電流源61が供給する電流の電流値が大きいほど高くなる。このため、クリア回路7は、入力信号の電位がインバータ回路10のNMOSFET19の閾値電圧より高くなるようにNMOSFET13のバックゲート端子を介して電流を供給して、ノードN1での入力信号の論理レベルを高レベルに変化させることができる。これにより、ラッチ回路1は上記実施例2と同様に出力信号Qを低レベルにクリアできる。
以上説明したように、本実施例によれば、ラッチ回路1は、NMOSFET13のバックゲート端子を介してノードN1での入力信号を高レベルにできるので、上記実施例2と同様の効果が得られる。
(実施例9)
次に、本実施の形態の実施例9によるラッチ回路1について図13を用いて説明する。図13は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例1乃至8によるラッチ回路1は、1個のスイッチ回路8を備えたクリア回路7を有している。これに対し、本実施例によるラッチ回路1は、CMOSインバータ構造の2個のスイッチ回路を有するクリア回路7を備えた点に特徴を有している。本実施の形態によるラッチ回路1の構成はクリア回路7の構成が異なる点を除いて上記実施例1のラッチ回路1の構成と同様である。このため以下では、クリア回路7の構成のみを説明する。
図13に示すように、クリア回路7は、切替回路3に備えられたゲーテッドインバータ回路(第1ゲーテッドインバータ回路)30のPMOSFET11のバックゲート端子に接続されたスイッチ回路(第1スイッチ回路)8aと、NMOSFET13に接続されたスイッチ回路(第1スイッチ回路)8bとを有している。
スイッチ回路8aは、電源端子及びグランド端子間に直列接続されたPMOSFET63及びNMOSFET65を有している。PMOSFET63のソース端子は電源端子に接続され、ドレイン端子はNMOSFET65のドレイン端子に接続されている。NMOSFET65のソース端子はグランド端子に接続されている。両FET63、65のドレイン端子はPMOSFET11のバックゲート端子に接続されている。両FET63、65のゲート端子には、クリア信号CLR1が入力される。
スイッチ回路8bは、電源端子及びグランド端子間に直列接続されたPMOSFET67及びNMOSFET69を有している。PMOSFET67のソース端子は電源端子に接続され、ドレイン端子はNMOSFET69のドレイン端子に接続されている。NMOSFET69のソース端子はグランド端子に接続されている。両FET67、69のドレイン端子はNMOSFET13のバックゲート端子に接続されている。両FET67、69のゲート端子には、クリア信号CLR2Xが入力される。
次に、本実施例のラッチ回路1の動作について図13を用いて説明する。本実施例のラッチ回路1の通常動作では、低レベルのクリア信号CLR1が入力されてPMOSFET63がオン状態になりNMOSFET65がオフ状態になる。これにより、PMOSFET11のバックゲート端子は電源端子に接続される。一方、高レベルのクリア信号CLR2Xが入力されてPMOSFET67がオフ状態になりNMOSFET69がオン状態になる。これにより、NMOSFET13のバックゲート端子はグランド端子に接続される。このため、本実施例のラッチ回路1は上記実施例1乃至8と同様の通常動作を行うことができる。
次に、ラッチ回路1のクリア動作について説明する。本実施例のラッチ回路1のクリア動作は、上記実施例1及び2とほぼ同様なため異なる点について簡述する。まず、出力信号Qを高レベル状態にクリアする際のラッチ回路1のクリア動作について説明する。例えば、ノードN1での論理レベルが高レベルであり出力信号Qの論理レベルが低レベル時に、高レベルのクリア信号CLR1がクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8aのPMOSFET63はオフ状態になりNMOSFET65はオン状態になる。これにより、PMOSFET11のバックゲート端子はNMOSFET65を介してグランド端子に接続される。以下、上記実施例1と同様に動作して、ラッチ回路1は出力信号Qを高レベルにクリアすることができる。なお、上記クリア動作時に、スイッチ回路8bは通常動作時と同様の状態を維持する。
次に、出力信号Qを低レベル状態にクリアする際のラッチ回路1のクリア動作について説明する。例えば、ノードN1での論理レベルが低レベルであり出力信号Qの論理レベルが高レベル時に、低レベルのクリア信号CLR2Xがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8bのPMOSFET67はオン状態になりNMOSFET69はオフ状態になる。これにより、NMOSFET13のバックゲート端子はPMOSFET67を介して電源端子に接続される。以下、上記実施例2と同様に動作して、ラッチ回路1は出力信号Qを低レベルにクリアすることができる。なお、上記クリア動作時に、スイッチ回路8aは通常動作時と同様の状態を維持する。
以上説明したように、本実施例によるラッチ回路1は、出力信号Qを高レベル又は低レベルのいずれにもクリアできる。また、ラッチ回路1は、両FET11、13のバックゲート端子に印加する電圧を制御する制御回路としてのスイッチ回路8a、8bが付加されるが、信号経路にはNOR回路等が付加されない。このため、本実施例によるラッチ回路1は高速動作が可能になる。また、本実施例では、ゲーテッドインバータ回路30にクリア回路7が接続されているが、本実施例の回路構成を有するクリア回路7はゲーテッドインバータ回路20のPMOSFET23及びNMOSFET25のバックゲート端子にそれぞれ接続されていも、本実施例と同様の効果が得られる。さらに、出力信号Qを高レベル又は低レベルのいずれか一方にクリアできればよい場合には、ラッチ回路1は、クリア回路1内にスイッチ回路8a、8bのいずれか一方のみを有していればよい。
(実施例10)
次に、本実施の形態の実施例10によるラッチ回路1について図14を用いて説明する。図14は、本実施例によるラッチ回路1の回路構成の一例を示している。上記実施例9によるラッチ回路1では、クリア回路7は2個のスイッチ回路8を有している。これに対し、本実施例によるラッチ回路1では、クリア回路7はカレントミラー回路を有する電流シンク回路及び電流供給回路を備えた点に特徴を有している。本実施例によるラッチ回路1の構成はクリア回路7の構成が異なる点を除いて上記実施例1のラッチ回路1の構成と同様である。このため以下では、クリア回路7の構成のみを説明する。
図14に示すように、クリア回路7は、切替回路3に備えられたゲーテッドインバータ回路(第1ゲーテッドインバータ回路)30のPMOSFET11のバックゲート端子に接続された電流シンク回路12aと、NMOSFET13のバックゲート端子に接続された電流供給回路12bとを有している。
電流シンク回路12aは、ゲート端子が互いに接続されてソース端子がグランド端子に接続されたNMOSFET73a、75aを有している。NMOSFET73aのドレイン端子はPMOSFET11のバックゲート端子に接続されている。NMOSFET75aのドレイン端子はNMOSFET73a、75aのゲート端子に接続されると共に電流源61aの電流出力端子に接続されている。電流源61aの電流入力端子は電源端子に接続されている。電流源61aは、例えば抵抗素子又はトランジスタで構成されている。
PMOSFET11のバックゲート端子及びNMOSFET73aのドレイン端子には、PMOSFET71aのドレイン端子が接続されている。PMOSFET71aのソース端子は電源端子に接続されている。PMOSFET71aのゲート端子にはクリア信号CLR1が入力される。NMOSFET73a、75aのゲート端子には、NMOSFET77aのドレイン端子が接続されている。NMOSFET77aのソース端子はグランド端子に接続されている。NMOSFET77aのゲート端子にはクリア信号CLR1Xが入力される。クリア信号CLR1とクリア信号CLR1Xとは位相が逆転している。このため、PMOSFET71aがオン/オフ状態になると、NMOSFET77aもオン/オフ状態になる。PMOSFET71a及びNMOSFET77aは電流シンク回路12aのスイッチ回路(第1スイッチ回路)として協働動作する。
電流供給回路12bは、ゲート端子が互いに接続されてソース端子が電源端子に接続されたPMOSFET73b、75bを有している。PMOSFET73bのドレイン端子はNMOSFET13のバックゲート端子に接続されている。PMOSFET75bのドレイン端子はPMOSFET73b、75bのゲート端子に接続されると共に電流源61bの電流入力端子に接続されている。電流源61bの電流出力端子はグランド端子に接続されている。電流源61bは、例えば抵抗素子又はトランジスタで構成されている。
NMOSFET13のバックゲート端子及びPMOSFET73bのドレイン端子には、NMOSFET71bのドレイン端子が接続されている。NMOSFET71bのソース端子はグランド端子に接続されている。NMOSFET71bのゲート端子にはクリア信号CLR2Xが入力される。PMOSFET73b、75bのゲート端子には、PMOSFET77bのドレイン端子が接続されている。PMOSFET77bのソース端子は電源端子に接続されている。PMOSFET77bのゲート端子にはクリア信号CLR2が入力される。クリア信号CLR2とクリア信号CLR2Xとは位相が逆転している。このため、PMOSFET77bがオン/オフ状態になると、NMOSFET71bもオン/オフ状態になる。PMOSFET77b及びNMOSFET71bは電流供給回路12bのスイッチ回路(第1スイッチ回路)として協働動作する。
次に、本実施例のラッチ回路1の動作について図14を用いて説明する。本実施例のラッチ回路1の通常動作では、低レベルのクリア信号CLR1及び高レベルのクリア信号CLR1Xがゲート端子にそれぞれ入力され、PMOSFET71a及びNMOSFET77aがオン状態になる。これにより、PMOSFET11のバックゲート端子は電源端子に接続される。一方、NMOSFET73aのゲート端子はNMOSFET77aを介してグランド端子に接続されるので、NMOSFET73aはオフ状態になる。これにより、バックゲート端子はグランド端子から切断される。
一方、低レベルのクリア信号CLR2及び高レベルのクリア信号CLR2Xがゲート端子にそれぞれ入力され、PMOSFET77b及びNMOSFET71bがオン状態になる。これにより、NMOSFET13のバックゲート端子はグランド端子に接続される。一方、PMOSFET73bのゲート端子はNMOSFET77bを介して電源端子に接続されるので、PMOSFET73bはオフ状態になる。これにより、バックゲート端子は電源端子から切断される。
このように、クリア回路7は、通常動作時にPMOSFET11のバックゲート端子を電源端子に接続し、NMOSFET13のバックゲート端子をグランド端子に接続することができる。これにより、本実施例のラッチ回路1は上記実施例1と同様の通常動作を行うことができる。
次に、ラッチ回路1のクリア動作について説明する。本実施例のラッチ回路1のクリア動作は、上記実施例7及び8とほぼ同様なため異なる点について簡述する。まず、出力信号Qを高レベル状態にクリアする際のラッチ回路1のクリア動作について説明する。例えば、ノードN1での論理レベルが高レベルであり出力信号Qの論理レベルが低レベル時に、高レベルのクリア信号CLR1及び低レベルのクリア信号CLR1Xがクリア回路7に入力されると、電流シンク回路12aのPMOSFET71a及びNMOSFET77aはオフ状態になる。これにより、PMOSFET11のバックゲート端子は電源端子から切断される。一方、NMOSFET73aはオン状態になるので、PMOSFET11のバックゲート端子はNMOSFET73aを介してグランド端子に接続される。さらに、電流源61a、NMOSFET73a、75aによりカレントミラー回路が構成される。これにより、電流シンク回路12aは、電流源61aが供給する電流Iとほぼ同じ電流値の電流をPMOSFET11のバックゲートを介してノードN1側から吸い込むことができる。従って、本実施例によるラッチ回路1は、上記実施例7と同様に動作して出力信号Qを高レベルにクリアすることができる。なお、上記クリア動作時に、電流供給回路12bは通常動作時と同様の状態を維持する。
次に、出力信号Qを低レベル状態にクリアする際のラッチ回路1のクリア動作について説明する。例えば、ノードN1での論理レベルが低レベルであり出力信号Qの論理レベルが高レベル時に、高レベルのクリア信号CLR2及び低レベルのクリア信号CLR2Xがクリア回路7に入力されると、電流供給回路12bのNMOSFET71b及びPMOSFET77bはオフ状態になる。これにより、PMOSFET11のバックゲート端子はグランド端子から切断される。一方、PMOSFET73bはオン状態になるので、PMOSFET11のバックゲート端子はPMOSFET73bを介して電源端子に接続される。さらに、電流源61b、PMOSFET73b、75bによりカレントミラー回路が構成される。これにより、電流供給回路12bは、電流源61bが吸い込む電流Iとほぼ同じ電流値の電流をNMOSFET13のバックゲートを介してノードN1側に供給することができる。従って、本実施例によるラッチ回路1は、上記実施例8と同様に動作して出力信号Qを低レベルにクリアすることができる。なお、上記クリア動作時に、電流シンク回路12aは通常動作時と同様の状態を維持する。
以上説明したように、本実施例によるラッチ回路1は、出力信号Qを高レベル又は低レベルのいずれにもクリアできる。また、本実施例では、ゲーテッドインバータ回路30にクリア回路7が接続されているが、本実施例の回路構成を有するクリア回路7はゲーテッドインバータ回路20のPMOSFET23及びNMOSFET25のバックゲート端子にそれぞれ接続されていも、本実施例と同様の効果が得られる。さらに、クリア回路7は、図9又は図10に示すトランスファゲート回路45、60のいずれか一方に接続されていても、本実施例と同様の効果が得られる。
本実施例1乃至10のいずれかのラッチ回路1を図16に示すDFF回路101のマスタ回路又はスレーブ回路の少なくとも一方に用いることにより、高速伝送可能なクリア機能付DFF回路を得ることができる。
次に、本実施の形態による論理回路について図15を用いて説明する。図15は、本実施の形態による論理回路81の回路構成の一例を示している。図15に示すように、論理回路81は、外部から入力する複数(図15では2個)の外部信号D1、D2を選択して出力するネットワーク構造を備えている。論理回路81は、所定の制御信号C、Eに基づいて、複数の外部信号D1、D2のうちの1つを選択する選択回路22と、選択回路22から出力した信号を入力信号として入力し、当該入力信号に基づいて出力した出力信号Fの論理レベルの状態を保持する状態保持回路14と、クリア信号(不図示)に基づいて、当該入力信号の論理レベルをクリアレベルにするクリア回路7とを有している。
選択回路22は、外部信号D1が入力される入力部2aに接続されたトランスファゲート回路83と、トランスファゲート回路83に接続された切替回路としてのNMOSFET89とを有している。NMOSFET89は、トランスファゲート回路83に接続されたソース端子と、制御信号Cが入力されるゲート端子とを有している。NMOSFET89は制御信号Cに基づいて外部信号D1の出力/非出力を切り替えるようになっている。また、選択回路22は、制御信号Eが入力されるゲート端子と、外部信号D2が入力される入力部2bに接続されたソース端子と、NMOSFET89aのドレイン端子に接続されたドレイン端子とを備えたNMOSFET90を有している。
トランスファゲート回路83は、並列接続されたNMOSFET85、87を有している。NMOSFET85、87のゲート端子には、制御信号A、Bがそれぞれ入力される。NMOSFET85、87のソース端子は互いに接続されて入力部2に接続され、ドレイン端子は互いに接続されてNMOSFET89のソース端子に接続されている。
NMOSFET89のバックゲート端子には、クリア回路7が接続されている。クリア回路7は、NMOSFET89のバックゲート端子に接続されたスイッチ回路8を有している。従って、切替回路としてのNMOSFET(トランジスタ)89は、制御信号Cが入力するゲート端子と、クリア回路7が接続されたバックゲート端子とを有している。
状態保持回路14は、NMOSFET89、90のドレイン端子に接続された入力端と、出力信号Fが出力する出力部4に接続された出力端とを備えたインバータ回路91を有している。また、状態保持回路14は、インバータ回路91の出力端に接続されたゲート端子と、インバータ回路の入力端に接続されたドレイン端子と、電源電圧VDDが印加される電源端子に接続されたソース端子とを備えたPMOSFET93を有している。状態保持回路14は出力信号Fの論理レベルの状態を保持すると共に論理レベルを確定し易くする。論理回路81は、選択回路22から出力されて入力した入力信号が伝達する状態保持回路14の信号経路上にはインバータ回路10のみが配置されている。論理回路81は、従来のクリア付機能Dラッチ回路301のように、出力信号Fをクリアするために信号経路上にNOR回路等を用いなくてもよいため、信号経路上の負荷が小さくなり高速動作が可能になる。
次に、本実施の形態による論理回路の動作について図15を用いて説明する。まず、論理回路81の通常動作について説明する。通常動作時には、クリア回路7内のスイッチ回路8は不図示のクリア信号に基づいてグランド端子側に切り替えられて、NMOSFET89のバックゲート端子をグランド端子に接続する。高レベルの制御信号A、BがNMOSFET85、87のゲート端子に入力されると、トランスファゲート回路83はオン状態になり、入力部2aに入力された外部信号D1が選択回路22に入力される。同時に外部信号D2も選択回路22に入力される。例えば制御信号Cが高レベルであり、制御信号Eが低レベルであると、NMOSFET89はオン状態になりNMOSFETはオフ状態になる。このため、選択回路22は外部信号D1を選択して状態保持回路14に外部信号D1を出力する。状態保持回路14に入力された入力信号としての当該外部信号D1はインバータ回路91で位相が180°反転されて出力部4から出力信号Fとして出力される。
状態保持回路14に入力される入力信号が低レベルであり出力信号Fが高レベルであると、PMOSFET93はオフ状態になるため、インバータ回路91の入力端は電源端子から切断される。これにより、状態保持回路14は、状態保持回路14に入力される入力信号の論理レベルが変化しない限り出力信号Fを高レベルに保持する。また、状態保持回路14に入力される入力信号が高レベルであり出力信号Fが低レベルであると、PMOSFET93はオン状態になるため、インバータ回路91の入力端は電源端子に接続される。これにより、状態保持回路14は、状態保持回路14に入力される入力信号の論理レベルが変化しない限り出力信号Fを低レベルに保持する。
次に、論理回路81のクリア動作について説明する。論理回路81は、出力信号Fを低レベルにクリアすることができる。例えば状態保持回路14の入力端での論理レベルが低レベルであり、出力信号Fの論理レベルが高レベル時に、不図示のクリア信号CLRがクリア回路7に入力されると、スイッチ回路8はグランド端子側から電源端子側に切り替えられる。同時に、NMOSFET89、90のゲート端子に低レベルの制御信号C、Eが入力されて、NMOFET89、90はオフ状態になる。
クリア回路7は、NMOSFET89のバックゲート端子を介して状態保持回路14の入力端での入力信号の電位をインバータ回路91のNMOSFET(n型トランジスタ)の閾値電圧より高くする。これにより、インバータ回路91にとって当該入力信号の論理レベルは高レベルになるので、インバータ回路91は低レベルの出力信号Fを出力する。こうして、出力信号Fは低レベルにクリアされる。NMOSFET89、90はオフ状態であるため、論理回路81は外部信号D1、D2に依存されずに出力信号Fをクリアすることができる。クリア動作時にはNMOSFET89、90がオフ状態であるため、外部信号D1、D2はNMOSFET89、90のドレイン端子側に出力されることがない。さらに、NMOSFET89、90がオフ状態であるため、NMOSFET89、90のドレイン端子側は不定であるが、クリア回路7によって当該ドレイン端子側の論理レベルを確定することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、論理回路81は、状態保持回路14に入力される入力信号の論理レベルをクリアレベルにするクリア回路7を有している。このため、論理回路81は従来のクリア機能付Dラッチ回路301のように出力信号FをクリアするためのNOR回路等を信号経路上に配置する必要がなく、インバータ回路10のみを配置することができる。このため、論理回路81は、従来のクリア機能付ラッチ回路301と比較して信号経路上の負荷が小さくなる。これにより、論理回路81は、高速伝送が必要な高速信号経路上の負荷を増大させることなくクリア機能を備えることができる。従って、論理回路81は高速動作を損なわずに論理を設定することができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
上記実施の形態によるラッチ回路1では、クリア回路7は切替回路3又は状態保持回路5のいずれか一方に接続されているが、本発明はこれに限られない。例えば、クリア回路7は、切替回路3及び状態保持回路5の双方に接続されていても、上記実施の形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施例9によるラッチ回路1では、クリア回路7はCMOSインバータ構造のスイッチ回路8a、8bを有し、上記実施例10によるラッチ回路1では、クリア回路7はカレントミラー回路を備えた電流シンク回路12a及び電流供給回路12bを有しているが、本発明はこれに限られない。例えば、所定のFETのバックゲート端子に電圧又は電流を供給することができれば、クリア回路7は他の構成であってもよい。
以上説明した本実施の形態によるラッチ回路及びそれを備えたフリップフロップ回路並びに論理回路は、以下のようにまとめられる。
(付記1)
所定の制御信号に基づいて、外部から入力する外部信号の出力/非出力を切り替える切替回路と、
前記切替回路から出力された信号を入力信号として入力し、前記入力信号に基づいて出力した出力信号の論理レベルの状態を保持する状態保持回路と、
クリア信号に基づいて、前記入力信号の論理レベルをクリアレベルにするクリア回路と
を有することを特徴とするラッチ回路。
(付記2)
付記1記載のラッチ回路において、
前記入力信号が伝達される前記状態保持回路の信号経路上には、インバータ回路のみが配置されていること
を特徴とするラッチ回路。
(付記3)
付記1又は2に記載のラッチ回路において、
前記クリア回路は、前記切替回路及び前記状態保持回路の少なくとも一方を介して前記入力信号の前記論理レベルをクリアレベルにすること
を特徴とするラッチ回路。
(付記4)
付記3記載のラッチ回路において、
前記切替回路は、前記所定の制御信号が入力するゲート端子と、前記クリア回路が接続されるバックゲート端子とを備えた第1トラジスタを有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記5)
付記3又は4に記載のラッチ回路において、
前記状態保持回路は、前記入力信号が入力する入力端に前記出力信号をフィードバックして前記出力信号の前記論理レベルを保持する状態保持経路の接続/切断を、前記所定の制御信号に基づいて前記切替回路の非出力/出力状態と同期させて切り替える保持経路接続/切断回路を有し、
前記保持経路接続/切断回路は、前記所定の制御信号が入力するゲート端子と、前記クリア回路が接続されるバックゲート端子とを有する第2トラジスタを有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記6)
付記5記載のラッチ回路において、
前記クリア回路は、前記切替回路の前記非出力状態時に前記入力信号の前記論理レベルを前記クリアレベルにすること
を特徴とするラッチ回路。
(付記7)
付記4乃至6のいずれか1項に記載のラッチ回路において、
前記インバータ回路は、CMOS構造を有し、
前記クリア回路は、前記バックゲート端子を介して前記入力信号の電位を前記インバータ回路のp型トランジスタの閾値電圧より低くして前記入力信号の前記論理レベルを低レベルに変化させ、及び/又は前記バックゲート端子を介して前記入力信号の電位を前記インバータ回路のn型トランジスタの閾値電圧より高くして前記入力信号の前記論理レベルを高レベルに変化させること
を特徴とするラッチ回路。
(付記8)
付記5乃至7のいずれか1項に記載のラッチ回路において、
前記インバータ回路は、CMOS構造を有し、
前記クリア回路は、前記入力信号の電位が前記インバータ回路のp型トランジスタの閾値電圧より低くなるように前記バックゲート端子を介して電流を吸い込んで、前記入力信号の前記論理レベルを低レベルに変化させ、及び/又は前記入力信号の電位が前記インバータ回路のn型トランジスタの閾値電圧より高くなるように前記バックゲート端子を介して電流を供給して、前記入力信号の前記論理レベルを高レベルに変化させること
を特徴とするラッチ回路。
(付記9)
付記4乃至8のいずれか1項に記載のラッチ回路において、
前記切替回路は、前記所定の制御信号に基づいて電源端子との接続/切断を制御するトランジスタ、及び前記所定の制御信号に基づいてグランド端子との接続/切断を制御するトランジスタの少なくとも一方に前記第1トランジスタを用いた第1ゲーテッドインバータ回路を有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記10)
付記5乃至8のいずれか1項に記載のラッチ回路において、
前記保持経路接続/切断回路は、前記所定の制御信号に基づいて電源端子との接続/切断を制御するトランジスタ、及び前記所定の制御信号に基づいてグランド端子との接続/切断を制御するトランジスタの少なくとも一方に前記第2トランジスタを用いた第2ゲーテッドインバータ回路を有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記11)
付記5乃至9のいずれか1項に記載のラッチ回路において、
前記保持経路接続/切断回路は、並列接続された2個のトランジスタの少なくとも一方に前記第2トランジスタを用いたトランスファゲート回路を有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記12)
付記4乃至11のいずれか1項に記載のラッチ回路において、
前記クリア回路は、前記第1トランジスタの前記バックゲート端子に接続された第1スイッチ回路を有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記13)
付記12記載のラッチ回路において、
前記クリア回路は、前記第1スイッチ回路に接続された第1電流源を有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記14)
付記5乃至13のいずれか1項に記載のラッチ回路において、
前記クリア回路は、前記第2トランジスタの前記バックゲート端子に接続された第2スイッチ回路を有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記15)
付記14記載のラッチ回路において、
前記クリア回路は、前記第2スイッチ回路に接続された第2電流源を有すること
を特徴とするラッチ回路。
(付記16)
外部から入力する外部信号に依存されずに出力信号をクリアできるクリア機能を備えたフリップフロップ回路において、
付記1乃至15のいずれか1項に記載のラッチ回路を備えていること
を特徴とするフリップフロップ回路。
(付記17)
外部から入力する複数の外部信号を選択して出力するネットワーク構造を備えた論理回路において、
所定の制御信号に基づいて、前記複数の外部信号のうちの1つを選択する選択回路と、
前記選択回路から出力した信号を入力信号として入力し、前記入力信号に基づいて出力した出力信号の論理レベルの状態を保持する状態保持回路と、
クリア信号に基づいて、前記入力信号の論理レベルをクリアレベルにするクリア回路と
を有することを特徴とする論理回路。
(付記18)
付記17記載の論理回路において、
前記入力信号が伝達する前記状態保持回路の信号経路上には、インバータ回路のみが配置されていること
を特徴とする論理回路。
(付記19)
付記18記載の論理回路において、
前記インバータ回路は、CMOS構造を有し、
前記クリア回路は、前記入力信号の電位を前記インバータ回路のn型トランジスタの閾値電圧より高くして前記入力信号の前記論理レベルを高レベルにすること
を特徴とする論理回路。
(付記20)
付記17乃至19のいずれか1項に記載の論理回路において、
前記選択回路は、前記所定の制御信号に基づいて、前記外部信号の出力/非出力を切り替える切替回路を有すること
を特徴とする論理回路。