JP2008166745A - 発光素子、発光装置並びに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率の高い発光素子を提供することを課題とする。発光効率が高く、寿命の長い発光素子を提供することを課題とする。
【解決手段】第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は正孔輸送性であり、第2の有機化合物は正孔が注入されない物質であり、かつ、第1の層の正孔輸送性を下げる物質であり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られる発光素子を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流励起型の発光素子に関する。また、発光素子を有する発光装置、電子機器に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)を利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を挟んだものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の物質からの発光を得ることができる。
このような発光素子は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ画素の視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適であると考えられている。また、このような発光素子は、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。また、非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。
また、これらの発光素子は膜状に形成することが可能であるため、大面積の素子を形成することにより、面状の発光を容易に得ることができる。このことは、白熱電球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
エレクトロルミネッセンスを利用した発光素子は、発光性の物質が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって大きく分けられる。
発光性の物質が有機化合物である場合、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それら電子および正孔(キャリア)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に緩和する際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
なお、有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能であり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐光と呼ばれている。
このような発光素子に関しては、その素子特性を向上させる上で、材料に依存した問題が多く、これらを克服するために素子構造の改良や材料開発等が行われている。
例えば、非特許文献1では、正孔ブロック層を設けることにより、燐光材料を用いた発光素子を効率良く発光させている。しかし、非特許文献1に記載されているように正孔ブロック層は耐久性がなく、発光素子の寿命は極端に短い。よって、発光効率が高く、寿命の長い発光素子の開発が望まれている。
テツオ ツツイ、外8名、ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス、vol.38、L1502−L1504(1999)
上記問題に鑑み、本発明は、発光効率の高い発光素子を提供することを課題とする。また、発光効率が高く、寿命の長い発光素子を提供することを課題とする。また、発光効率の高い発光装置および電子機器を提供することを課題とする。また、発光効率が高く、寿命の長い発光装置および電子機器を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、キャリアの移動を制御する層を設けることで、発光効率の高い発光素子が得られることを見出した。
よって、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は、発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、第2の有機化合物は、正孔が注入されない物質であり、かつ、第1の層の正孔輸送性を下げる物質であり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は、発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、第2の有機化合物は、双極子モーメントが2.0デバイ以上の正孔ブロック材料であり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は、発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、第2の有機化合物のイオン化ポテンシャルと、第1の有機化合物のイオン化ポテンシャルとの差は、0.5eV以上であり、かつ、第2の有機化合物の双極子モーメントは2.0デバイ以上であり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は、発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、第2の有機化合物のイオン化ポテンシャルは5.8eV以上であり、かつ、第2の有機化合物の双極子モーメントは2.0デバイ以上であり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は、発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、第2の有機化合物のイオン化ポテンシャルと、第1の有機化合物のイオン化ポテンシャルとの差は、0.5eV以上であり、かつ、第2の有機化合物は複素環を有する分子構造であり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は、発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、第2の有機化合物のイオン化ポテンシャルは5.8eV以上であり、かつ、第2の有機化合物は複素環を有する分子構造であり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は、発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、第2の有機化合物は、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体のいずれかであり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、第1の層は、発光層と第1の電極との間に設けられており、第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれており、第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、第2の有機化合物は、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール、バソキュプロインのいずれかであり、第1の電極の方が第2の電極よりも電位が高くなるように、第1の電極と第2の電極とに電圧を印加することにより、発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
上記構成において、第1の層における第2の有機化合物の濃度は、1重量%以上20重量%以下であることを特徴とする発光素子である。この濃度領域を採用することにより、発光素子の寿命を長くすることができる。
また、上記構成において、第1の層は第1の電極と接していなくても良い。また、発光層と接していなくても良い。つまり、第1の層と発光層との間に層が設けられており、かつ、第1の層と第1の電極との間に層が設けられていても良い。
また、上記構成において、第1の層の膜厚は、1nm以上20nm以下であることが好ましい。
また、上記構成において、第1の層と発光層とは接するように設けられていても良い。
また、本発明には、上述した発光素子を有する発光装置も含まれる。本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置を含む)を含む。また、発光素子が形成されたパネルにコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子が形成された基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
また、本発明の発光素子を表示部に用いた電子機器も本発明に含めるものとする。したがって、本発明の電子機器は、表示部を有し、表示部は、上述した発光素子と発光素子の発光を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の発光素子は、キャリアの移動を制御する層を設けており、発光効率の高い発光素子を得ることができる。また、発光効率が高く、寿命の長い発光素子を得ることができる。
また、本発明の発光素子を、発光装置および電子機器に適用することにより、発光効率が高く、消費電力が低減された発光装置および電子機器を得ることができる。また、消費電力が低く、寿命の長い発光装置および電子機器を得ることができる。
以下、本発明の実施の態様及び実施例について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書中において、複合とは、単に2つの材料を混合させるだけでなく、複数の材料を混合することによって材料間での電荷の授受が行われ得る状態になることも含まれる。
(実施の形態1)
本発明の発光素子の一態様について図1(A)を用いて以下に説明する。本実施の形態では、キャリアの移動を制御する層として、正孔の移動を制御する層を設けた発光素子について説明する。
本発明の発光素子は、一対の電極間に複数の層を有する。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。
本実施の形態において、発光素子は、第1の電極202と、第2の電極204と、第1の電極202と第2の電極204との間に設けられたEL層203とから構成されている。なお、本形態では第1の電極202は陽極として機能し、第2の電極204は陰極として機能するものとして、以下説明をする。つまり、第1の電極202の方が第2の電極204よりも電位が高くなるように、第1の電極202と第2の電極204に電圧を印加したときに、発光が得られるものとして、以下説明をする。
基板201は発光素子の支持体として用いられる。基板201としては、例えばガラス、またはプラスチックなどを用いることができる。なお、発光素子を作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。
第1の電極202としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタリング法により成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して、インクジェット法、スピンコート法などにより作製しても構わない。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
また、第1の電極と接する層として、後述する複合材料を含む層を用いた場合には、第1の電極として、仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムを含む合金(AlSiなど)等を用いることができる。また、仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)を用いることができる。またさらに、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
本実施の形態で示すEL層203は、正孔注入層211、キャリアの移動を制御する層212、正孔輸送層213、発光層214、電子輸送層215、電子注入層216を有している。なお、EL層203は、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層と、発光層とを有していればよく、EL層の構造は上記構造に限定されない。つまり、EL層203の構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層と、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層および発光層とを適宜組み合わせて構成すればよい。例えば、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層および発光層が含まれていれば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等を適宜組み合わせて構成することができる。各層を構成する材料について以下に具体的に示す。
正孔注入層211は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、低分子の有機化合物としては、フタロシアニン(略称:HPc)、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジル(IV)フタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン系の化合物、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等が挙げられる。
また、正孔注入層211として、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることができる。なお、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させたものを用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができる。つまり、第1の電極202として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料を用いることができる。これらの複合材料は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター物質とを共蒸着することにより形成することができる。
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
複合材料に用いることのできる有機化合物としては、例えば、MTDATA、TDATA、DPAB、DNTPD、DPA3B、PCzPCA1、PCzPCA2、PCzPCN1、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体や、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物を挙げることができる。
また、アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
また、正孔注入層211としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることができる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
また、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合物と、上述したアクセプター性物質を用いて複合材料を形成し、正孔注入層211として用いてもよい。
キャリアの移動を制御する層212は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含んでおり、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれている。
第1の有機化合物は、電子輸送性よりも正孔輸送性の方が高い、いわゆる正孔輸送材料である。具体的には、芳香族アミン化合物を用いることができる。例えば、MTDATA、TDATA、DPAB、DNTPD、DPA3B、PCzPCA1、PCzPCA2、PCzPCN1、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)等が挙げられる。また、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
第2の有機化合物は、正孔が注入されず、かつ、双極子モーメントが大きい有機化合物である。正孔が注入されない物質としては、正孔ブロック材料が挙げられる。正孔ブロック材料は、一般に、イオン化ポテンシャルが大きい物質である。特に、イオン化ポテンシャルが5.8eV以上であると、正孔が注入されず好ましい。特に、好ましく6.0eV以上であるとさらに好ましい。また、第1の有機化合物のイオン化ポテンシャルと比較して0.5eV以上大きい材料も第1の有機化合物から第2の有機化合物へ正孔が移動しないので好ましい。また、第2の有機化合物の双極子モーメントは、2.0デバイ以上であることが好ましい。特に、双極子モーメントが2.0デバイよりもさらに大きい有機化合物はキャリアの移動を制御する層に好適に用いることができる。
第2の有機化合物としては、具体的には、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ01)、3,5−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:t−BuTAZ)などのトリアゾール誘導体、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などのフェナントロリン誘導体などを用いることができる。
本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層の概念図を図4に示す。図4において、第1の有機化合物221は正孔輸送性であるため、第1の有機化合物221へ正孔が注入されやすく、正孔が近傍の第1の有機化合物に移動しやすい。
一方、第2の有機化合物222は、第1の有機化合物よりもイオン化ポテンシャルが大きく、かつ第1の有機化合物のイオン化ポテンシャルとの差が0.5eV以上であるため、正孔が注入されない。よって、正孔は第2の有機化合物には注入されず、第1の有機化合物の間のみをホッピングによって移動していく。
また、第2の有機化合物222は、双極子モーメントが大きい物質である。具体的には、2.0デバイ以上であることが好ましい。双極子モーメントが大きい第2の有機化合物が含まれていることにより、第1の有機化合物の間を移動している正孔は、移動速度が遅くなる。つまり、双極子モーメントが大きい第2の有機化合物が第1の有機化合物の近傍に位置することにより、正孔の移動速度を減ずる効果を有すると考えられる。
よって、第2の有機化合物が含まれることにより、第1の有機化合物221を有する層の正孔移動速度は小さくなる。つまり、第2の有機化合物を添加することにより、キャリアの移動を制御することが可能となる。また、第2の有機化合物の濃度を制御することにより、キャリアの移動速度を制御することが可能となる。
特に、第2の有機化合物の双極子モーメントが大きいほど、正孔の移動速度を遅くする効果が大きい。よって、双極子モーメントの大きい物質を第2の有機化合物として用いる場合には、キャリアの移動を制御する層に含まれる第2の有機化合物の量が少量であっても十分な効果を得ることができる。
上述したように、キャリアの移動を制御することにより、キャリアバランスが向上し、その結果、正孔と電子の再結合確率が向上し、高い発光効率を得ることができる。また、本実施の形態で示したように、キャリアの移動を制御する層を、発光層と陽極として機能する第1の電極との間に設ける構成は、駆動時に正孔過多になりやすい発光素子に適用すると特に有効である。正孔過多になりやすい発光素子において、キャリアの移動を制御する層を設けることにより正孔の移動が抑制され、良好なキャリアバランスが得られるからである。
また、過剰の正孔の移動を制御することにより、過剰の正孔によって発光層や発光層周辺に発生するカチオンを減らすことができる。カチオンは消光剤として働くため、カチオンの生成を抑制することにより、発光効率の低下を抑制することができる。
有機化合物を用いた発光素子は、駆動時に正孔過多の状態になる場合が多いため、本発明は、有機化合物を用いた多くの発光素子に好適に用いることができる。
例えば、もしキャリアの移動を制御する層212を設けない従来の発光素子であれば、正孔の移動は遅くならないまま正孔輸送層213に注入され、発光層214まで達する。一般に、有機化合物を用いた発光素子は駆動時に正孔過多になる場合が多く、その場合には、再結合しなかった正孔は発光層214を通り抜けてしまう。発光層214を通り抜けてしまうと、正孔は電子輸送層215の界面付近まで達する。そのため、発光領域は発光層214と電子輸送層215との界面近傍となり、発光層214での再結合確率が低下し、発光効率が低くなってしまう。また、正孔が電子輸送層215にまで達してしまうと、電子輸送層215を劣化させる恐れがある。また、経時的に電子輸送層215にまで達してしまう正孔の量が増えていくと、経時的に再結合確率が低下していくことになるため、素子寿命の低下(輝度の経時劣化)に繋がってしまう。
本発明の発光素子において、第1の電極202から注入された正孔は、正孔注入層211を通り、キャリアの移動を制御する層212に注入される。キャリアの移動を制御する層212に注入された正孔は、その移動が遅くなり、正孔輸送層213への正孔注入が制御される。そのため、発光層214への正孔注入も制御される。その結果、従来の発光素子では、通常、発光層214と電子輸送層215との界面近傍に発光領域が形成されるが、本発明の発光素子においては、発光層214の中央付近に形成されることになる。したがって、正孔が電子輸送層215にまで達することによって促進される電子輸送層215の劣化の可能性が低くなる。
本発明においては、キャリアの移動を制御する層212において、単に正孔移動度の遅い物質を適用するのではなく、正孔輸送性を有する有機化合物に正孔輸送性を下げる有機化合物を添加している点が重要である。このような構成とすることで、単に発光層への正孔注入を制御するだけではなく、初期段階で制御されている正孔注入量が経時的に変化するのを抑制することができる。以上のことから本発明の発光素子は、発光素子において経時的にキャリアバランスが悪化して再結合確率が低下していく現象を防ぐことができるため、素子寿命の向上(輝度の経時劣化の抑制)に繋がる。
本発明の発光素子は、発光層と正孔輸送層との界面または発光層と電子輸送層との界面に発光領域が形成されにくいため、正孔輸送層や電子輸送層に発光領域が近接することにより素子が劣化しにくい。また、キャリアバランスの経時的な変化(特に電子注入量の経時的変化)を抑制することができる。したがって、劣化が少なく、寿命の長い発光素子を得ることができる。
なお、キャリアの移動を制御する層における第2の有機化合物の濃度は、1重量%以上20重量%以下であることが好ましい。この濃度領域を採用することにより、発光素子の寿命を長くすることができる。特に、1重量%以上10重量%以下であることが好ましい。
また、キャリアの移動を制御する層の膜厚は、1nm以上20nm以下であることが好ましい。厚すぎる膜厚だと、キャリアの移動速度を低下させすぎてしまい、駆動電圧が高くなってしまう。また、薄すぎる膜厚だと、キャリアの移動を制御する機能を実現しなくなってしまう。よって、1nm以上20nm以下の膜厚であることが好ましい。
正孔輸送層213は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、具体的に低分子の有機化合物としては、NPB(またはα−NPD)、TPD、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、正孔輸送層213として、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
発光層214は、発光性の高い物質を含む層であり、種々の材料を用いることができる。低分子の有機化合物の例としては、以下に示す化合物が挙げられる。例えば青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。また、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。また、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナトーN,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))のような燐光材料を用いることもできる。
なお、発光層としては、上述した発光性の高い物質を他の物質に分散させた構成としてもよい。発光性の物質を分散させるための材料としては、各種のものを用いることができ、発光性の物質よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が高く、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が低い物質を用いることが好ましい。
具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:Zn(BTZ))などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセンなどの縮合芳香族化合物、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、NPB(またはα−NPD)、TPD、DFLDPBi、BSPBなどの芳香族アミン化合物などを用いることができる。
また、発光性の物質を分散させるための材料は複数種用いることができる。例えば、発光性の物質の結晶化を抑制するため、ルブレン等の発光層の結晶化を抑制する物質をさらに添加してもよい。また、発光性の物質へのエネルギー移動をより効率良く行うためにNPB、あるいはAlq等をさらに添加してもよい。
発光性の高い物質を他の物質に分散させた構成とすることにより、発光層214の結晶化を抑制することができる。また、発光性の高い物質の濃度が高いことによる濃度消光を抑制することができる。
また、発光層214として高分子化合物を用いることができる。具体的には、青色系の発光材料として、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:POF)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。また、緑色系の発光材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。また、橙色〜赤色系の発光材料として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
電子輸送層215は、電子輸送性の高い物質を含む層である。例えば、低分子の有機化合物として、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:Zn(BTZ))などの金属錯体を用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ01)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物も用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、電子輸送層215として、高分子化合物を用いることができる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。
また、電子注入層216は、第2の電極204からEL層203への電子注入を促進する物質を含む層である。この特性の高い物質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。例えば、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより、第2の電極204からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。
第2の電極204を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)が挙げられる。また、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等も使用することができる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金の膜はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどの金属ペーストをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
また、第2の電極204と電子輸送層215との間に、電子注入を促す機能を有する層である電子注入層216を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を第2の電極204として用いることができる。これら導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。
また、EL層の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
例えば、上述した材料のうち、高分子化合物を用いて湿式法でEL層を形成してもよい。または、低分子の有機化合物を用いて湿式法で形成することもできる。また、低分子の有機化合物を用いて真空蒸着法などの乾式法を用いてEL層を形成してもよい。
また、電極についても、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法を用いて形成しても良い。
例えば、本発明の発光素子を表示装置に適用し、発光層を塗り分ける場合には、発光層は湿式法により形成することが好ましい。発光層をインクジェット法を用いて形成することにより、大型基板であっても発光層の塗り分けが容易となる。
以上のような構成を有する本発明の発光素子は、第1の電極202と第2の電極204との間に与えられた電位差により電流が流れ、EL層203において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。
発光は、第1の電極202または第2の電極204のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極202または第2の電極204のいずれか一方または両方は、透光性を有する電極である。第1の電極202のみが透光性を有する電極である場合、図3(A)に示すように、発光は第1の電極202を通って基板側から取り出される。また、第2の電極204のみが透光性を有する電極である場合、図3(B)に示すように、発光は第2の電極204を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極202および第2の電極204がいずれも透光性を有する電極である場合、図3(C)に示すように、発光は第1の電極202および第2の電極204を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
なお第1の電極202と第2の電極204との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光が防ぐように、第1の電極202および第2の電極204から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成であり、キャリアの移動を制御する層を有する構成であれば、上記以外のものでもよい。
つまり、第1の電極202と第2の電極204との間に設けられる層の構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等から成る層と、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層および発光層を適宜組み合わせて構成すればよい。
なお、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層は、正孔の移動を制御するものであるため、発光層と陽極の間に設けることが好ましい。
図1(A)に示すように、発光層214とキャリアの移動を制御する層212との間に層が形成されている場合、つまり、発光層214とキャリアの移動を制御する層212とが接しない構成の場合、発光層214とキャリアの移動を制御する層212との間で余計な相互作用が生じにくいため、発光素子の劣化を抑制することができるという点で好ましい。
また、図1(B)に示すように、発光層214と、キャリアの移動を制御する層212とが接する構成であってもよい。このようなで構成においては、発光層214に含まれる有機化合物のうち、最も多く含まれている有機化合物のバンドギャップよりも、バンドギャップの方が大きく電子が注入されにくい有機化合物を第2の有機化合物として用いることが好ましい。また、このような構成である場合、発光層214とキャリアの移動を制御する層212を同一のマスクで連続して成膜することが可能である。よって、フルカラーディスプレイなど、発光素子毎にキャリアの移動を制御する層を作り分ける必要がある場合には、作製が容易となり好ましい。
図2に示す発光素子は、基板201上に、陰極として機能する第2の電極204、EL層203、陽極として機能する第1の電極202とが順に積層された構成となっている。図2(A)に示す発光素子は、図1(A)に示したEL層を逆の順に積層した構成であり、電子注入層216、電子輸送層215、発光層214、正孔輸送層213、キャリアの移動を制御する層212、正孔注入層211の順に積層した構成である。図2(B)に示す発光素子は、図1(B)に示したEL層を逆の順に積層した構成であり、電子注入層216、電子輸送層215、発光層214、キャリアの移動を制御する層212、正孔輸送層213、正孔注入層211の順に積層した構成である。
本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された電極上に発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。なお、TFTの構造は、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし、逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型またはP型のいずれか一方からのみなるものであってもよい。また、TFTに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定されない。非晶質半導体膜を用いてもよいし、結晶性半導体膜を用いてもよい。
本発明の発光素子は、キャリアの移動を制御する層を有している。キャリアの移動を制御する層は、2種類以上の物質を含むため、物質の組み合わせや混合比、膜厚などを制御することにより、キャリアバランスを精密に制御することが可能である。
また、物質の組み合わせや混合比、膜厚などの制御でキャリアバランスを制御することが可能であるので、従来よりも容易にキャリアバランスの制御が可能となる。つまり、用いる物質そのものを代えなくても、混合比や膜厚等により、キャリアの移動を制御することができる。
また、キャリアの移動を制御する層を用いてキャリアバランスを向上させることにより、発光素子の発光効率を向上させることができる。
また、キャリアの移動を制御する層を用いることにより、過剰の正孔が注入されることや、発光層を突き抜けて電子輸送層や電子注入層へ正孔が達することを抑制することができる。電子輸送層や電子注入層へ正孔が達してしまうと、発光層内で再結合する確率が低下してしまう(すなわちキャリアバランスが崩れてしまう)。つまり、発光効率が低下してしまう。また、経時的な発光効率の低下を招いてしまう。つまり、発光素子の寿命が短くなってしまう。
しかし、本実施の形態で示すように、キャリアの移動を制御する層を用いることにより、過剰の正孔が注入されることや、発光層を突き抜けて電子輸送層や電子注入層へ正孔が達することを抑制し、発光効率を向上させることができる。また、経時的な発光効率の低下を抑制することができる。つまり、長寿命の発光素子を得ることができる。
本発明では、キャリアの移動を制御する層に含まれる2種類以上の物質のうち、第1の有機化合物よりも少なく含まれている第2の有機化合物を用いてキャリアの移動を制御している。よって、キャリアの移動を制御する層に含まれている成分のうち少ない成分でキャリアの移動を制御することが可能であるので、経時劣化しにくく、発光素子の長寿命化を実現することができる。つまり、単一物質によりキャリアバランスを制御する場合に比べ、キャリアバランスの変化が起きにくい。例えば、単一物質により形成された層でキャリアの移動を制御する場合には、部分的にモルフォロジーが変化、部分的に結晶化などが起こると、層全体のキャリアバランスが変化してしまう。そのため、経時劣化しやすい。しかし、本実施の形態で示すように、キャリアの移動を制御する層に含まれている成分のうち少ない成分でキャリアの移動を制御することにより、モルフォロジーの変化や結晶化、凝集等の影響が小さくなり、経時劣化が起きにくい。よって、経時的な発光効率の低下が起こりにくい長寿命の発光素子を得ることができる。
本実施の形態で示したように、キャリアの移動を制御する層を、発光層と陽極として機能する第1の電極との間に設ける構成は、駆動時に正孔過多になりやすい発光素子に適用すると特に有効である。有機化合物を用いた発光素子は、正孔過多になりやすい場合が多いため、本発明は、有機化合物を用いた多くの発光素子に好適に用いることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態は、本発明に係る複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子(以下、積層型素子という)の態様について、図5を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、複数の発光ユニットを有する発光素子である。
図5において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されている。第1の電極501と第2の電極502は実施の形態1と同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよく、実施の形態1に示したEL層と同様なものを適用することができる。
電荷発生層513には、有機化合物と金属酸化物の複合材料が含まれている。この有機化合物と金属酸化物の複合材料は、実施の形態1で示した複合材料であり、有機化合物とVやMoOやWO等の金属酸化物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が10−6cm/Vs以上の正孔輸送性材料を適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物と金属酸化物の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
なお、電荷発生層513は、有機化合物と金属酸化物の複合材料と、他の材料とを組み合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
いずれにしても、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512に挟まれる電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502の間に電圧を印加したときに、一方の側の発光ユニットに電子を注入し、他方の側の発光ユニットに正孔を注入するものであればどのような構成でも良い。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、同様に、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、低い電流密度で高輝度発光が可能であり、長寿命を有する素子が得られる。従って、このような発光素子は照明への応用に相応しい。。
また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光素子において、第1の発光ユニットの発光色と第2の発光ユニットの発光色を補色の関係になるようにすることで、白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり、補色の関係にある色を混合すると、白色発光を得ることができる。また、3つの発光ユニットを有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1の発光ユニットの発光色が赤色であり、第2の発光ユニットの発光色が緑色であり、第3の発光ユニットの発光色が青色である場合、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の発光素子を有する発光装置について説明する。
本実施の形態では、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図6を用いて説明する。なお、図6(A)は、発光装置を示す上面図、図6(B)は図6(A)をA−A’およびB−B’で切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図6(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はNチャネル型TFT623とPチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施例では、画素部と同一の基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を画素部と同一の基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、第1の電極613に用いる材料としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。第1の電極613を陽極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616は、実施の形態1で示した発光層を有している。また、EL層616を構成する他の材料としては、低分子化合物、オリゴマー、デンドリマー、または高分子化合物であっても良い。また、EL層616に用いる材料としては、有機化合物だけでなく、無機化合物を用いてもよい。
また、第2の電極617に用いる材料としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。第2の電極617を陰極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)等が挙げられる。なお、EL層616で生じた光を第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等)との積層を用いることも可能である。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の発光素子を有する発光装置を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置について説明したが、この他、パッシブマトリクス型の発光装置であってもよい。図7(A)には本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置の斜視図を示す。図7(B)には図7(A)をX−Yで切断した断面図を示す。図7において、基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。また、パッシブマトリクス型の発光装置においても、発光効率が高い本発明の発光素子を含むことによって、発光効率が高い発光装置を得ることができる。
本発明の発光装置は、実施の形態1〜実施の形態2で示した発光素子を有する。そのため、発光効率が高い発光装置を得ることができる。
また、発光効率が高い発光素子を有しているため、低消費電力の発光装置を得ることができる。
また、劣化が少なく、寿命の長い発光素子を有しているため、寿命の長い発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態3に示す発光装置をその一部に含む本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、実施の形態1〜実施の形態2で示した発光素子を有し、寿命の長い表示部を有する。
本発明の発光装置を用いて作製された電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図8に示す。
図8(A)は本実施の形態に係るテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置において、表示部9103は、実施の形態1〜2で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、消費電力が低いという特徴を有している。また、長寿命であるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9103も同様の特徴を有するため、このテレビ装置は画質の劣化が少なく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、テレビ装置において、劣化補償機能や電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、筐体9101や支持台9102の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るテレビ装置は、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、それにより住環境に適合した製品を提供することができる。
図8(B)は本実施の形態に係るコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。このコンピュータにおいて、表示部9203は、実施の形態1〜2で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、消費電力が低いという特徴を有している。また、長寿命であるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9203も同様の特徴を有するため、このコンピュータは画質の劣化が少なく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、コンピュータにおいて、劣化補償機能や電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9201や筐体9202の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るコンピュータは、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、環境に適合した製品を提供することができる。また、持ち運ぶことも可能となり、持ち運ぶときの外部からの衝撃にも強い表示部を有しているコンピュータを提供することができる。
図8(C)は本実施の形態に係る携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話において、表示部9403は、実施の形態1〜2で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、消費電力が低いという特徴を有している。また、長寿命であるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9403も同様の特徴を有するため、この携帯電話は画質の劣化が少なく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、携帯電話において、劣化補償機能や電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9401や筐体9402の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係る携帯電話は、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。また、携帯したときの衝撃にも強い表示部を有している製品を提供することができる。
図8(D)は本実施の形態に係るカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このカメラにおいて、表示部9502は、当該発光素子は、発光効率が高く、消費電力が低いという特徴を有している。また、長寿命であるという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9502も同様の特徴を有するため、このカメラは画質の劣化が少なく、低消費電力化が図られている。このような特徴により、カメラにおいて、劣化補償機能や電源回路を大幅に削減、若しくは縮小することができるので、本体9501の小型軽量化を図ることが可能である。本実施の形態に係るカメラは、低消費電力、高画質及び小型軽量化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。また、携帯したときの衝撃にも強い表示部を有している製品を提供することができる。
図9は本実施の形態に係る音響再生装置、具体例としてカーオーディオであり、本体701、表示部702、操作スイッチ703、704を含む。表示部702は実施の形態3の発光装置(パッシブマトリクス型またはアクティブマトリクス型)で実現することができる。また、この表示部702はセグメント方式の発光装置で形成しても良い。いずれにしても、本発明に係る発光素子を用いることにより、車両用電源(12〜42V)を使って、低消費電力化を図りつつ、寿命が長く明るい表示部を構成することができる。また、本実施の形態では車載用オーディオを示すが、本発明の発光装置を携帯型や家庭用のオーディオ装置に用いても良い。
図10は、その一例としてデジタルプレーヤーを示している。図10に示すデジタルプレーヤーは、本体710、表示部711、メモリ部712、操作部713、イヤホン714等を含んでいる。なお、イヤホン714の代わりにヘッドホンや無線式イヤホンを用いることができる。表示部711として、実施の形態3の発光装置(パッシブマトリクス型またはアクティブマトリクス型)で実現することができる。また、この表示部711はセグメント方式の発光装置で形成しても良い。いずれにしても、本発明に係る発光素子を用いることにより、二次電池(ニッケル−水素電池など)を使っても表示が可能であり、低消費電力化を図りつつ、寿命が長く明るい表示部を構成することができる。メモリ部712は、ハードディスクや不揮発性メモリを用いている。例えば、記録容量が20〜200ギガバイト(GB)のNAND型不揮発性メモリを用い、操作部713を操作することにより、映像や音声(音楽)を記録、再生することができる。なお、表示部704及び表示部711は黒色の背景に白色の文字を表示することで消費電力を抑えられる。これは携帯型のオーディオ装置において特に有効である。
以上の様に、本発明を適用して作製した発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明を適用することにより、低消費電力で、信頼性の高い表示部を有する電子機器を作製することが可能となる。
また、本発明を適用した発光装置は、発光効率の高い発光素子を有しており、照明装置として用いることもできる。本発明を適用した発光素子を照明装置として用いる一態様を、図11を用いて説明する。
図11は、本発明の発光装置を用いた電子機器の一例として、本発明の発光装置をバックライトとして用いた液晶表示装置を示す。図11に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902、バックライト903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC905と接続されている。また、バックライト903は、本発明の発光装置が用いられおり、端子906により、電流が供給されている。
本発明の発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、発光効率の高いバックライトが得られる。また、寿命の長いバックライトが得られる。また、本発明の発光装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。さらに、本発明の発光装置は薄型で低消費電力であるため、表示装置の薄型化、低消費電力化も可能となる。
図12は、本発明を適用した発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例である。図12に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として、本発明の発光装置が用いられている。本発明の発光装置は長寿命であるため、電気スタンドも長寿命である。
図13は、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた例である。本発明の発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、本発明の発光装置は、長寿命であるため、長寿命の照明装置として用いることが可能となる。このように、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた部屋に、図8(A)で説明したような、本発明に係るテレビ装置3002を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。このような場合、両装置は長寿命であるので、照明装置やテレビ装置の買い換え回数を減らすことができ、環境への負荷を低減することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
本実施例では、本発明の発光素子について具体的に図14を用いて説明する。なお、実施例1で作製した発光素子1、発光素子2,比較発光素子3は同一基板上に形成した。実施例1で用いる有機化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2008166745
(発光素子1の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は30nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、複合材料を含む層2211上に、キャリアの移動を制御する層2212を形成した。4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2212を10nmの膜厚で形成した。ここで、NPBとOXD−7との重量比は、1:0.05(=NPB:OXD−7)となるように蒸着レートを調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2213を形成した。
次に、正孔輸送層2213上に、発光層2214を形成した。9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)とを共蒸着することにより、発光層2214を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAとYGA2Sとの重量比は、1:0.04(=CzPA:YGA2S)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2214上に電子輸送層2215を形成した。まず、発光層2214上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を20nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層2231を形成した。次に、第1の電子輸送層2231上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を10nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層2232を形成した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子1を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子1を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
(発光素子2の作製)
発光素子2は、キャリアの移動を制御する層2212におけるNPBとOXD−7との重量比を、1:0.1(=NPB:OXD−7)とした以外は、発光素子1と同様に作製した。
本発明の発光素子2に関しても、発光素子1と同様に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
(比較発光素子3の作製)
次に、比較のため、上述した発光素子1および発光素子2におけるキャリアの移動を制御する層2212を設けない構成の比較発光素子3を作製した。作製方法を以下に示す。
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層を形成した。その膜厚は30nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、複合材料を含む層上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を30nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、発光層を形成した。9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)とを共蒸着することにより、発光層を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAとYGA2Sとの重量比は、1:0.04(=CzPA:YGA2S)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層上に電子輸送層を形成した。まず、発光層上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を20nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層を形成した。次に、第1の電子輸送層上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を10nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層を形成した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極を形成し、比較発光素子3を作製した。
以上により得られた比較発光素子3に関しても、発光素子1と同様に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1、発光素子2および比較発光素子3の電流密度−輝度特性を図15に示す。また、電圧−輝度特性を図16に示す。また、輝度−電流効率特性を図17に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図18に示す。
発光素子1は、輝度950cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.17)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度950cd/mのときの電流効率は4.6cd/A、電圧は5.4V、電流密度は20.7mA/cm、パワー効率は2.6lm/Wであった。
発光素子2は、輝度950cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.17)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度950cd/mのときの電流効率は6.0cd/A、電圧は5.4V、電流密度は15.7mA/cm、パワー効率は3.5lm/Wであった。
比較発光素子3は、輝度850cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.16)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度850cd/mのときの電流効率は3.6cd/A、電圧は5.2V、電流密度は23.5mA/cm、パワー効率は2.2lm/Wであった。
以上から、本発明のキャリアの移動を制御する層を設けた発光素子1および発光素子2は、キャリアの移動を制御する層を設けない比較発光素子3に比べ、高い電流効率を示すことがわかる。また、発光素子1および発光素子2は、キャリアの移動を制御する層を設けない比較発光素子3と駆動電圧がほぼかわらないため、高い電流効率を反映して、パワー効率が高くなっている。よって、本発明の発光素子は消費電力が小さいことがわかる。
また、発光素子1および比較発光素子3に関し、初期輝度を1000cd/mとして、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図19に示す。縦軸は、1000cd/mを100%としたときの相対輝度(規格化輝度)である。図19からわかるように、本発明のキャリアの移動を制御する層を設けた発光素子1は、キャリアの移動を制御する層を設けない比較発光素子3とほぼ同じ寿命であることがわかる。このことはすなわち、キャリアの移動を制御する層は素子の寿命に悪影響を与えることなく、電流効率を改善するということを意味する。
発光素子1および発光素子2で用いたOXD−7の双極子モーメントを計算した。まず、B3LYP/6−311(d,p)レベルの密度汎関数法(DFT)により、OXD−7の基底状態における構造最適化を行った。構造最適化されたOXD−7の双極子モーメントを計算したところ、3.78デバイ(Debye)と算出された。DFTは、電子相関を考慮しないハートリー・フォック(HF)法に比較して計算精度が良く、同レベルの計算精度である摂動法(MP)法よりも計算コストが小さいため、本計算で採用した。計算は、ハイパフォーマンスコンピュータ(HPC)(SGI社製、Altix3700 DX)を用いて行った。
本実施例で作製した発光素子1および発光素子2におけるキャリアの移動を制御する層に用いた、NPBおよびOXD−7の酸化特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。また、その測定から、NPBおよびOXD−7のイオン化ポテンシャルを求めた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用いた。
CV測定において、溶媒として脱水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−BuNClO)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させた。このn−BuNClOのDMF溶液に測定対象を10mmol/Lの濃度となるように溶解させた。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温(20〜25℃)で行った。
(参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーの算出)
まず、本実施例で用いる参照電極(Ag/Ag電極)の真空準位に対するポテンシャルエネルギー(eV)を算出した。つまり、Ag/Ag電極のフェルミ準位を算出した。メタノール中におけるフェロセンの酸化電位は、標準水素電極に対して+0.610Vであることが知られている(参考文献;Christian R.Goldsmith et al., J.Am.Chem.Soc., Vol.124, No.1,83−96, 2002)。一方、本実施例で用いる参照電極を用いて、メタノール中におけるフェロセンの酸化電位を求めたところ、+0.20Vvs.Ag/Agであった。したがって、本実施例で用いる参照電極のポテンシャルエネルギーは、標準水素電極に対して0.41eV低くなっていることがわかった。
ここで、標準水素電極の真空準位からのポテンシャルエネルギーは−4.44eVであることが知られている(参考文献;大西敏博・小山珠美著、高分子EL材料(共立出版)、p.64−67)。以上のことから、本実施例で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.44−0.41=−4.85eVであると算出できた。
(測定例1:OXD−7)
本測定例では、OXD−7の酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図38に示す。なお、酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.47Vから1.60Vまで走査した後、1.60Vから−0.47Vまで走査することにより行った。
図38に示すように、1.0Vまで走査しても、OXD−7の酸化を示すピークは現れていないことがわかる。また、1.0V以上では大電流が流れている影響で、酸化を示すピークがあったとしても、それは観測できない。つまり、このデータからは、OXD−7の酸化電位は1.0V以上ということがわかる。また、本測定例で用いた参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは−4.85eVであることから、CV測定における1.0Vの酸化電位は、イオン化ポテンシャルに換算すると−(−4.85−1.0)=5.85eVである。したがって、OXD−7のイオン化ポテンシャルは少なくとも5.8eV以上であることがわかった。よって、本発明のキャリアの移動を制御する層にOXD−7は好適に用いることができることがわかる。
(測定例2:NPB)
本測定例では、NPBの酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図37に示す。なお、酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.20Vから0.80Vまで走査した後、0.80Vから−0.20Vまで走査することにより行った。
図37に示すように、酸化ピーク電位Epaは0.45Vに現れた。したがって、測定例1で測定したOXD−7の酸化ピーク電位との差は0.55V以上である。したがって、NPBの酸化ピーク電位とOXD−7の酸化ピーク電位の差は、0.5V以上である。よって、NPBのイオン化ポテンシャルとOXD−7のイオン化ポテンシャルとの差は、少なくとも0.5eV以上であることがわかる。
上述したように、発光素子1および発光素子2で用いたOXD−7は、双極子モーメントが2.0デバイ以上であり、イオン化ポテンシャルは5.8eV以上であるため、キャリアの移動を制御する層に好適に用いることができることがわかる。つまり、正孔輸送性の有機化合物であるNPBとOXD−7とを含む層はキャリアの移動を制御する層として機能することがわかる。
よって、本発明を適用することにより、キャリアバランスが向上し、発光効率が高い発光素子が得られることがわかった。また、低消費電力の発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、本発明の発光素子について具体的に図20を用いて説明する。なお、実施例2で作製した発光素子4、発光素子5は同一基板上に形成した。
(発光素子4の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、複合材料を含む層2211上に、キャリアの移動を制御する層2212を形成した。4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2212を10nmの膜厚で形成した。ここで、NPBとOXD−7との重量比は、1:0.05(=NPB:OXD−7)となるように蒸着レートを調節した。
次に、キャリアの移動を制御する層2212上に、発光層2214を形成した。9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)とを共蒸着することにより、発光層2214を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAとYGA2Sとの重量比は、1:0.04(=CzPA:YGA2S)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2214上に電子輸送層2215を形成した。まず、発光層2214上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を20nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層2231を形成した。次に、第1の電子輸送層2231上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を10nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層2232を形成した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子4を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子4を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
(発光素子5の作製)
発光素子5は、キャリアの移動を制御する層2212におけるNPBとOXD−7との重量比を、1:0.1(=NPB:OXD−7)とした以外は、発光素子4と同様に作製した。
本発明の発光素子5に関しても、発光素子4と同様に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子4および発光素子5の電流密度−輝度特性を図21に示す。また、電圧−輝度特性を図22に示す。また、輝度−電流効率特性を図23に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図24に示す。
発光素子4は、輝度980cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.16)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度980cd/mのときの電流効率は4.5cd/A、電圧は4.8V、電流密度は21.7mA/cm、パワー効率は3.0lm/Wであった。
発光素子5は、輝度940cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.17)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度940cd/mのときの電流効率は5.7cd/A、電圧は4.6V、電流密度は16.5mA/cm、パワー効率は3.9lm/Wであった。
以上から、本発明のキャリアの移動を制御する層を設けた発光素子4および発光素子5は、高い電流効率を示すことがわかる。また、発光素子4および発光素子5は、高い電流効率を反映して、パワー効率が高くなっている。よって、本発明の発光素子は消費電力が小さいことがわかる。
よって、本発明を適用することにより、キャリアバランスが向上し、発光効率が高い発光素子が得られることがわかった。また、低消費電力の発光素子が得られることがわかった。
また、発光素子4および発光素子5で用いたOXD−7の双極子モーメントは、実施例1で算出したように、3.78デバイ(Debye)であり、イオン化ポテンシャルは少なくとも5.8eV以上である。また、NPBのイオン化ポテンシャルとOXD−7のイオン化ポテンシャルとの差は、0.5eV以上である。
よって、発光素子4および発光素子5で用いたOXD−7は、キャリアの移動を制御する層に好適に用いることができることがわかる。つまり、正孔輸送性の有機化合物であるNPBとOXD−7とを含む層はキャリアの移動を制御する層として機能することがわかる。
本実施例では、発光層とキャリアの移動を制御する層とが接する構成を示したが、このような構成であっても、NPBとOXD−7とを含む層はキャリアの移動を制御する層として機能し、高い発光効率を得ることができることがわかる。
本実施例では、本発明の発光素子について具体的に図14を用いて説明する。なお、実施例3で作製した発光素子6、発光素子7,比較発光素子8は同一基板上に形成した。実施例3で用いる有機化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2008166745
(発光素子6の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は30nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、複合材料を含む層2211上に、キャリアの移動を制御する層2212を形成した。4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ01)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2212を10nmの膜厚で形成した。ここで、NPBとTAZ01との重量比は、1:0.05(=NPB:TAZ01)となるように蒸着レートを調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2213を形成した。
次に、正孔輸送層2213上に、発光層2214を形成した。9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)とを共蒸着することにより、発光層2214を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAとYGA2Sとの重量比は、1:0.04(=CzPA:YGA2S)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2214上に電子輸送層2215を形成した。まず、発光層2214上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を20nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層2231を形成した。次に、第1の電子輸送層2231上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を10nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層2232を形成した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子6を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子6を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
(発光素子7の作製)
発光素子7は、キャリアの移動を制御する層2212におけるNPBとTAZ01との重量比を、1:0.1(=NPB:TAZ01)とした以外は、発光素子6と同様に作製した。
本発明の発光素子7に関しても、発光素子6と同様に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
(比較発光素子8の作製)
次に、比較のため、上述した発光素子6および発光素子7におけるキャリアの移動を制御する層2212を設けない構成の比較発光素子8を作製した。作製方法を以下に示す。
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層を形成した。その膜厚は30nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、複合材料を含む層上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を30nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、発光層を形成した。9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)とを共蒸着することにより、発光層を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAとYGA2Sとの重量比は、1:0.04(=CzPA:YGA2S)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層上に電子輸送層を形成した。まず、発光層上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を20nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層を形成した。次に、第1の電子輸送層上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を10nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層を形成した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極を形成し、比較発光素子8を作製した。
以上により得られた比較発光素子8に関しても、発光素子6と同様に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子6、発光素子7および比較発光素子8の電流密度−輝度特性を図25に示す。また、電圧−輝度特性を図26に示す。また、輝度−電流効率特性を図27に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図28に示す。
発光素子6は、輝度810cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.15)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度810cd/mのときの電流効率は3.3cd/A、電圧は5.8V、電流密度は24.2mA/cm、パワー効率は1.8lm/Wであった。
発光素子7は、輝度930cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.15)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度930cd/mのときの電流効率は3.9cd/A、電圧は5.8V、電流密度は23.5mA/cm、パワー効率は2.2lm/Wであった。
比較発光素子8は、輝度1040cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.15)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度1040cd/mのときの電流効率は2.8cd/A、電圧は5.8V、電流密度は36.6mA/cm、パワー効率は1.5lm/Wであった。
以上から、本発明のキャリアの移動を制御する層を設けた発光素子6および発光素子7は、キャリアの移動を制御する層を設けない比較発光素子8に比べ、高い電流効率を示すことがわかる。また、発光素子6および発光素子7は、キャリアの移動を制御する層を設けない比較発光素子8と駆動電圧がほぼかわらないため、高い電流効率を反映して、パワー効率が高くなっている。よって、本発明の発光素子は消費電力が小さいことがわかる。
発光素子6および発光素子7で用いたTAZ01の双極子モーメントを計算した。まず、B3LYP/6−311(d,p)レベルの密度汎関数法(DFT)により、TAZ01の基底状態における構造最適化を行った。構造最適化されたTAZ01の双極子モーメントを計算したところ、5.87デバイ(Debye)と算出された。なお、計算は実施例1と同様に行った。
また、本実施例で作製した発光素子6および発光素子7におけるキャリアの移動を制御する層に用いた、TAZ01の酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測定は、実施例1の測定例1と同じ条件で行った。
(測定例3:TAZ01)
本測定例では、TAZ01の酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図39に示す。なお、酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.47Vから1.50Vまで走査した後、1.50Vから−0.47Vまで走査することにより行った。
図39に示すように、少なくとも1.0Vまで走査しても、TAZ01は酸化を示すピークは現れなかった。また、1.0V以上では大電流が流れている影響で、酸化を示すピークがあったとしても、それは観測できない。つまり、このデータからは、TAZ01の酸化電位は1.0V以上ということがわかる。また、本測定例で用いた参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは−4.85eVであることから、CV測定における1.0Vの酸化電位は、イオン化ポテンシャルに換算すると−(−4.85−1.0)=5.85eVである。したがって、TAZ01のイオン化ポテンシャルは少なくとも5.8eV以上であることがわかった。よって、本発明のキャリアの移動を制御する層にTAZ01は好適に用いることができることがわかる。
また、実施例1の測定例2で示したように、NPBの酸化ピーク電位Epaは0.45Vであり、測定例3で測定したTAZ01の酸化ピーク電位との差は0.55V以上である。したがって、NPBの酸化ピーク電位とTAZ01の酸化ピーク電位の差は、0.5V以上である。よって、NPBのイオン化ポテンシャルとTAZ01のイオン化ポテンシャルとの差は、少なくとも0.5eV以上であることがわかる。
よって、発光素子6および発光素子7で用いたTAZ01は、双極子モーメントが2.0デバイ以上であり、イオン化ポテンシャルは5.8eV以上であるため、キャリアの移動を制御する層に好適に用いることができることがわかる。つまり、正孔輸送性の有機化合物であるNPBとTAZ01とを含む層はキャリアの移動を制御する層として機能することがわかる。特に、TAZ01は、双極子モーメントが大きいためキャリアの移動を制御する層に用いる第2の有機化合物としては好適である。
よって、本発明を適用することにより、キャリアバランスが向上し、発光効率が高い発光素子が得られることがわかった。また、低消費電力の発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、本発明の発光素子について具体的に図20を用いて説明する。なお、実施例4で作製した発光素子9、発光素子10は同一基板上に形成した。
(発光素子9の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、複合材料を含む層2211上に、キャリアの移動を制御する層2212を形成した。4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ01)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2212を10nmの膜厚で形成した。ここで、NPBとTAZ01との重量比は、1:0.05(=NPB:TAZ01)となるように蒸着レートを調節した。
次に、キャリアの移動を制御する層2212上に、発光層2214を形成した。9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)とを共蒸着することにより、発光層2214を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAとYGA2Sとの重量比は、1:0.04(=CzPA:YGA2S)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2214上に電子輸送層2215を形成した。まず、発光層2214上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を20nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層2231を形成した。次に、第1の電子輸送層2231上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を10nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層2232を形成した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子9を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子9を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
(発光素子10の作製)
発光素子10は、キャリアの移動を制御する層2212におけるNPBとTAZ01との重量比を、1:0.1(=NPB:TAZ01)とした以外は、発光素子9と同様に作製した。
本発明の発光素子10に関しても、発光素子9と同様に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子9および発光素子10の電流密度−輝度特性を図29に示す。また、電圧−輝度特性を図30に示す。また、輝度−電流効率特性を図31に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図32に示す。
発光素子9は、輝度930cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.15)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度930cd/mのときの電流効率は3.8cd/A、電圧は5.2V、電流密度は24.4mA/cm、パワー効率は2.3lm/Wであった。
発光素子10は、輝度930cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.15)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度930cd/mのときの電流効率は4.8cd/A、電圧は5.0V、電流密度は19.5mA/cm、パワー効率は3.0lm/Wであった。
以上から、本発明のキャリアの移動を制御する層を設けた発光素子9および発光素子10は、高い電流効率を示すことがわかる。また、発光素子9および発光素子10は、高い電流効率を反映して、パワー効率が高くなっている。よって、本発明の発光素子は消費電力が小さいことがわかる。
よって、本発明を適用することにより、キャリアバランスが向上し、発光効率が高い発光素子が得られることがわかった。また、低消費電力の発光素子が得られることがわかった。
また、発光素子9および発光素子10で用いたTAZ01の双極子モーメントは、実施例3で算出したように、5.87デバイ(Debye)であり、イオン化ポテンシャルは5.8eV以上である。また、NPBのイオン化ポテンシャルとTAZ01のイオン化ポテンシャルとの差は、0.5eV以上である。
よって、発光素子9および発光素子10で用いたTAZ01は、キャリアの移動を制御する層に好適に用いることができることがわかる。つまり、正孔輸送性の有機化合物であるNPBとTAZ01とを含む層はキャリアの移動を制御する層として機能することがわかる。
また、本実施例では、発光層とキャリアの移動を制御する層とが接する構成を示したが、このような構成であっても、NPBとTAZ01とを含む層はキャリアの移動を制御する層として機能し、高い発光効率を得ることができることがわかる。
本実施例では、本発明の発光素子について具体的に図14を用いて説明する。なお、実施例5で作製した発光素子11、発光素子12,比較発光素子13は同一基板上に形成した。実施例5で用いる有機化合物の構造式を以下に示す。
Figure 2008166745
(発光素子11の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は30nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、複合材料を含む層2211上に、キャリアの移動を制御する層2212を形成した。4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)とバソキュプロイン(略称:BCP)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2212を10nmの膜厚で形成した。ここで、NPBとBCPとの重量比は、1:0.05(=NPB:BCP)となるように蒸着レートを調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を20nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2213を形成した。
次に、正孔輸送層2213上に、発光層2214を形成した。9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)とを共蒸着することにより、発光層2214を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAとYGA2Sとの重量比は、1:0.04(=CzPA:YGA2S)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2214上に電子輸送層2215を形成した。まず、発光層2214上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を20nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層2231を形成した。次に、第1の電子輸送層2231上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を10nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層2232を形成した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子11を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子11を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
(発光素子12の作製)
発光素子12は、キャリアの移動を制御する層2212におけるNPBとBCPとの重量比を、1:0.1(=NPB:BCP)とした以外は、発光素子11と同様に作製した。
本発明の発光素子12に関しても、発光素子11と同様に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
以上により得られた本発明の発光素子12を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
(比較発光素子13の作製)
次に、比較のため、上述した発光素子11および発光素子12におけるキャリアの移動を制御する層2212を設けない構成の比較発光素子13を作製した。作製方法を以下に示す。
まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、真空蒸着装置を10−4Pa程度まで減圧した後、第1の電極上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層を形成した。その膜厚は30nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、複合材料を含む層上に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を30nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、発光層を形成した。9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)とを共蒸着することにより、発光層を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAとYGA2Sとの重量比は、1:0.04(=CzPA:YGA2S)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層上に電子輸送層を形成した。まず、発光層上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を20nmの膜厚となるように成膜し、第1の電子輸送層を形成した。次に、第1の電子輸送層上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を10nmの膜厚となるように成膜し、第2の電子輸送層を形成した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極を形成し、比較発光素子13を作製した。
以上により得られた比較発光素子13を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子11、発光素子12および比較発光素子13の電流密度−輝度特性を図33に示す。また、電圧−輝度特性を図34に示す。また、輝度−電流効率特性を図35に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図36に示す。
発光素子11は、輝度1130cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.18)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度1130cd/mのときの電流効率は5.2cd/A、電圧は5.4V、電流密度は21.9mA/cm、パワー効率は3.0lm/Wであった。
発光素子12は、輝度1080cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.18)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度1080cd/mのときの電流効率は5.9cd/A、電圧は5.4V、電流密度は18.4mA/cm、パワー効率は3.4lm/Wであった。
比較発光素子13は、輝度740cd/mのときのCIE色度座標は(x=0.16、y=0.17)であり、YGA2Sに由来する青色の発光を示した。また、輝度740cd/mのときの電流効率は3.6cd/A、電圧は4.8V、電流密度は20.4mA/cm、パワー効率は2.3lm/Wであった。
以上から、本発明のキャリアの移動を制御する層を設けた発光素子11および発光素子12は、キャリアの移動を制御する層を設けない比較発光素子13に比べ、高い電流効率を示すことがわかる。また、発光素子11および発光素子12は、キャリアの移動を制御する層を設けない比較発光素子13と駆動電圧がほぼかわらないため、高い電流効率を反映して、パワー効率が高くなっている。よって、本発明の発光素子は消費電力が小さいことがわかる。
発光素子11および発光素子12で用いたBCPの双極子モーメントを計算した。まず、B3LYP/6−311(d,p)レベルの密度汎関数法(DFT)により、BCPの基底状態における構造最適化を行った。構造最適化されたBCPの双極子モーメントを計算したところ、2.90デバイ(Debye)と算出された。なお、計算は実施例1と同様に行った。
また、本実施例で作製した発光素子11および発光素子12におけるキャリアの移動を制御する層に用いた、BCPの酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。測定は、実施例1の測定例1と同じ条件で行った。
(測定例4:BCP)
本測定例では、BCPの酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図40に示す。なお、酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.20Vから1.60Vまで走査した後、1.60Vから−0.20Vまで走査することにより行った。
図40に示すように、少なくとも1.0Vまで走査しても、BCPは酸化を示すピークは現れなかった。また、1.0V以上では大電流が流れている影響で、酸化を示すピークがあったとしても、それは観測できない。つまり、このデータからは、BCPの酸化電位は1.0V以上ということがわかる。また、本測定例で用いた参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは−4.85eVであることから、CV測定における1.0Vの酸化電位は、イオン化ポテンシャルに換算すると−(−4.85−1.0)=5.85eVである。したがって、BCPのイオン化ポテンシャルは少なくとも5.8eV以上であることがわかった。よって、本発明のキャリアの移動を制御する層にBCPは好適に用いることができることがわかる。
また、実施例1の測定例2で示したように、NPBの酸化ピーク電位Epaは0.45Vであり、測定例4で測定したBCPの酸化ピーク電位との差は0.55V以上である。したがって、NPBの酸化ピーク電位とBCPの酸化ピーク電位の差は、0.5V以上である。よって、NPBのイオン化ポテンシャルとBCPのイオン化ポテンシャルとの差は、少なくとも0.5eV以上であることがわかる。
よって、発光素子11および発光素子12で用いたBCPは、双極子モーメントが2.0デバイ以上であり、イオン化ポテンシャルは5.8eV以上であるため、キャリアの移動を制御する層に好適に用いることができることがわかる。つまり、正孔輸送性の有機化合物であるNPBとBCPとを含む層はキャリアの移動を制御する層として機能することがわかる。
よって、本発明を適用することにより、キャリアバランスが向上し、発光効率が高い発光素子が得られることがわかった。また、低消費電力の発光素子が得られることがわかった。
本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の電子機器を説明する図。 本発明の電子機器を説明する図。 本発明の電子機器を説明する図。 本発明の電子機器を説明する図。 本発明の照明装置を説明する図。 本発明の照明装置を説明する図。 実施例の発光素子を説明する図。 実施例1で作製した発光素子の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例1で作製した発光素子の電圧−輝度特性を示す図。 実施例1で作製した発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例1で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例1で作製した発光素子の定電流駆動による連続点灯試験結果を示す図。 実施例の発光素子を説明する図。 実施例2で作製した発光素子の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例2で作製した発光素子の電圧−輝度特性を示す図。 実施例2で作製した発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例2で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例3で作製した発光素子の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例3で作製した発光素子の電圧−輝度特性を示す図。 実施例3で作製した発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例3で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例4で作製した発光素子の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例4で作製した発光素子の電圧−輝度特性を示す図。 実施例4で作製した発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例4で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例5で作製した発光素子の電流密度−輝度特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の電圧−輝度特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の輝度−電流効率特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 NPBの酸化反応特性を示す図。 OXD−7の酸化反応特性を示す図。 TAZ01の酸化反応特性を示す図。 BCPの酸化反応特性を示す図。
符号の説明
201 基板
202 第1の電極
203 EL層
204 第2の電極
211 正孔注入層
212 キャリアの移動を制御する層
213 正孔輸送層
214 発光層
215 電子輸送層
216 電子注入層
221 第1の有機化合物
222 第2の有機化合物
501 第1の電極
502 第2の電極
511 第1の発光ユニット
512 第2の発光ユニット
513 電荷発生層
601 駆動回路部(ソース側駆動回路)
602 画素部
603 駆動回路部(ゲート側駆動回路)
604 封止基板
605 シール材
607 空間
608 配線
609 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
610 素子基板
611 スイッチング用TFT
612 電流制御用TFT
613 第1の電極
614 絶縁物
616 EL層
617 第2の電極
618 発光素子
623 Nチャネル型TFT
624 Pチャネル型TFT
701 本体
702 表示部
703 操作スイッチ
704 表示部
710 本体
711 表示部
712 メモリ部
713 操作部
714 イヤホン
901 筐体
902 液晶層
903 バックライト
904 筐体
905 ドライバIC
906 端子
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 EL層
956 電極
2001 筐体
2002 光源
2201 ガラス基板
2202 第1の電極
2204 第2の電極
2211 複合材料を含む層
2212 キャリアの移動を制御する層
2213 正孔輸送層
2214 発光層
2215 電子輸送層
2216 電子注入層
2231 第1の電子輸送層
2232 第2の電子輸送層
3001 照明装置
3002 テレビ装置
9101 筐体
9102 支持台
9103 表示部
9104 スピーカー部
9105 ビデオ入力端子
9201 本体
9202 筐体
9203 表示部
9204 キーボード
9205 外部接続ポート
9206 ポインティングデバイス
9401 本体
9402 筐体
9403 表示部
9404 音声入力部
9405 音声出力部
9406 操作キー
9407 外部接続ポート
9408 アンテナ
9501 本体
9502 表示部
9503 筐体
9504 外部接続ポート
9505 リモコン受信部
9506 受像部
9507 バッテリー
9508 音声入力部
9509 操作キー
9510 接眼部

Claims (13)

  1. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、
    前記第1の層は、前記発光層と前記第1の電極との間に設けられており、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、
    前記第1の有機化合物は、前記第2の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物は、正孔が注入されない物質であり、かつ、前記第1の層の正孔輸送性を下げる物質であり、
    前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも電位が高くなるように、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子。
  2. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、
    前記第1の層は、前記発光層と前記第1の電極との間に設けられており、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、
    前記第1の有機化合物は、前記第2の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物は、双極子モーメントが2.0デバイ以上の正孔ブロック材料であり、
    前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも電位が高くなるように、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子。
  3. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、
    前記第1の層は、前記発光層と前記第1の電極との間に設けられており、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、
    前記第1の有機化合物は、前記第2の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物のイオン化ポテンシャルと、第1の有機化合物のイオン化ポテンシャルとの差は、0.5eV以上であり、かつ、前記第2の有機化合物の双極子モーメントは2.0デバイ以上であり、
    前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも電位が高くなるように、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子。
  4. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、
    前記第1の層は、前記発光層と前記第1の電極との間に設けられており、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、
    前記第1の有機化合物は、前記第2の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物のイオン化ポテンシャルは5.8eV以上であり、かつ、前記第2の有機化合物の双極子モーメントは2.0デバイ以上であり、
    前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも電位が高くなるように、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子。
  5. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、
    前記第1の層は、前記発光層と前記第1の電極との間に設けられており、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、
    前記第1の有機化合物は、前記第2の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物のイオン化ポテンシャルと、第1の有機化合物のイオン化ポテンシャルとの差は、0.5eV以上であり、かつ、前記第2の有機化合物は複素環を有する分子構造であり、
    前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも電位が高くなるように、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子。
  6. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、
    前記第1の層は、前記発光層と前記第1の電極との間に設けられており、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、
    前記第1の有機化合物は、前記第2の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物のイオン化ポテンシャルは5.8eV以上であり、かつ、前記第2の有機化合物は複素環を有する分子構造であり、
    前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも電位が高くなるように、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子。
  7. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、
    前記第1の層は、前記発光層と前記第1の電極との間に設けられており、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、
    前記第1の有機化合物は、前記第2の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物は、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体のいずれかであり、
    前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも電位が高くなるように、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子。
  8. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層と第1の層を有し、
    前記第1の層は、前記発光層と前記第1の電極との間に設けられており、
    前記第1の層は、第1の有機化合物と第2の有機化合物とを含み、
    前記第1の有機化合物は、前記第2の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第1の有機化合物は、正孔輸送性であり、
    前記第2の有機化合物は、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール、バソキュプロインのいずれかであり、
    前記第1の電極の方が前記第2の電極よりも電位が高くなるように、前記第1の電極と前記第2の電極とに電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項において、
    前記第1の層における前記第2の有機化合物の濃度は、1重量%以上20重量%以下であることを特徴とする発光素子。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、
    前記第1の層と前記発光層との間に層が設けられており、かつ、前記第1の層と前記第1の電極との間に層が設けられていることを特徴とする発光素子。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
    前記第1の層の膜厚は、1nm以上20nm以下であることを特徴とする発光素子。
  12. 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光素子と、前記発光素子の発光を制御する制御手段とを有する発光装置。
  13. 表示部を有し、
    前記表示部は、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の発光素子と前記発光素子の発光を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする電子機器。
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