JP5594928B2 - 発光素子、発光装置並びに電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電流励起型の発光素子に関する。また、その発光素子を有する発光装置、電子機器に関する。
より詳しくは、寿命の長い電流励起型の発光素子に関する。またそれを用いた発光装置、電子機器に関する。
近年、エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)を利用した発光素子の研究開発が盛んに行われている。これら発光素子の基本的な構成は、一対の電極間に発光性の物質を含む層を挟んだものである。この素子に電圧を印加することにより、発光性の物質からの発光を得ることができる。
このような発光素子は自発光型であるため、液晶ディスプレイに比べ画素の視認性が高く、バックライトが不要である等の利点があり、フラットパネルディスプレイ素子として好適であると考えられている。また、このような発光素子は、薄型軽量に作製できることも大きな利点である。さらに非常に応答速度が速いことも特徴の一つである。
そして、これらの発光素子は膜状に形成することが可能であるため、大面積の素子を形成することにより、面状の発光を容易に得ることができる。このことは、白熱電球やLEDに代表される点光源、あるいは蛍光灯に代表される線光源では得難い特色であるため、照明等に応用できる面光源としての利用価値も高い。
そのエレクトロルミネッセンスを利用した発光素子は、発光性の物質が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって大別できるが、本発明は、発光性の物質に有機化合物を用いるものである。
その場合、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。
このようなメカニズムから、このような発光素子は電流励起型の発光素子と呼ばれる。なお、有機化合物が形成する励起状態の種類としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能であり、一重項励起状態からの発光が蛍光、三重項励起状態からの発光が燐光と呼ばれている。
このような発光素子に関しては、その素子特性を向上させる上で、材料に依存した問題が多く、これらを克服するために素子構造の改良や材料開発等が行われている。
例えば、非特許文献1では、正孔ブロック層を設けることにより、燐光材料を用いた発光素子を効率良く発光させている。
テツオ ツツイ、外8名、ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス、vol.38、L1502−L1504(1999)。
しかしながら、非特許文献1に記載されているように正孔ブロック層は耐久性がなく、発光素子の寿命は短く、そのため発光素子のさらなる長寿命化が望まれている。
以上のようなことから、本発明は寿命の長い発光素子を提供することを課題とする。
また、寿命の長い発光装置および電子機器を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、キャリアの移動、すなわち電子又は正孔の移動を制御する層を設けることにより、キャリアバランスの経時変化を抑制できることを見出した。またそれにより、寿命の長い発光素子が得られることを見出した。
前記のとおりであり、本発明の一は、第1の電極と第2の電極の間に、発光層とキャリアの移動を制御する層とを有し、前記キャリアの移動を制御する層は、第1の有機化合物と、第2の有機化合物とを有し、前記キャリアの移動を制御する層は、前記発光層と前記第2の電極の間に設けられており、前記第1の有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であり、前記第2の有機化合物は、電子トラップ性の有機化合物であり、前記キャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物よりも第1の有機化合物が多く含まれており、前記第1の電極の電位が前記第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、上記構成において、第2の有機化合物は第1の有機化合物の最低空軌道準位より0.3eV以上低い最低空軌道準位を有することが好ましい。さらに、発光層は、電子輸送性であることが好ましい。例えば、発光層は、第3の有機化合物と第4の有機化合物とを有し、第3の有機化合物は、第4の有機化合物よりも多く含まれており、第3の有機化合物は電子輸送性であることが好ましい。また、第1の有機化合物と第3の有機化合物とは異なる有機化合物であることが好ましい。
また、上記構成において、第1の有機化合物は、金属錯体であることが好ましい。また、第2の有機化合物は、0.1重量%〜5重量%、または0.1mol%〜5mol%の濃度で前記キャリアの移動を制御する層に含まれていることが好ましい。これによって、キャリアがトラップされる量を適切に制御することができる。
さらに、上記構成において、第2の有機化合物は、クマリン誘導体であることが好ましい。
そして、本発明の一は、第1の電極と第2の電極との間に、発光層とキャリアの移動を制御する層とを有し、前記キャリアの移動を制御する層は、第1の有機化合物と、第2の有機化合物とを有し、前記キャリアの移動を制御する層は、前記発光層と第1の電極との間に設けられており、前記第1の有機化合物は、正孔輸送性の有機化合物であり、
前記第2の有機化合物は、正孔トラップ性の有機化合物であり、前記キャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物よりも第1の有機化合物が多く含まれており、
前記第1の電極の電位が前記第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加することにより、前記発光層からの発光が得られることを特徴とする発光素子である。
また、上記構成において、第2の有機化合物は第1の有機化合物の最高被占有軌道準位より0.3eV以上高い最高被占有軌道準位を有することが好ましい。さらに、発光層は、正孔輸送性であることが好ましい。例えば、発光層は、第3の有機化合物と第4の有機化合物とを有し、第3の有機化合物は、第4の有機化合物よりも多く含まれており、第3の有機化合物は正孔輸送性であることが好ましい。また、第1の有機化合物と第3の有機化合物とは異なる有機化合物であることが好ましい。
また、第2の有機化合物は、0.1重量%〜5重量%、または0.1mol%〜5mol%の濃度で前記キャリアの移動を制御する層に含まれていることが好ましい。これによって、キャリアがトラップされる量を適切に制御することができる。
さらに、上記構成において、第1の有機化合物は、芳香族アミン化合物であることが好ましい。
そして、上記構成において、キャリアの移動を制御する層の膜厚は、5nm以上20nm以下であることが好ましい。すなわち、キャリア輸送性である第1の有機化合物が電子輸送性あるいは正孔輸送性のいずれの場合においても、またキャリアトラップ性の化合物が電子トラップ性あるいは正孔トッラプ性のいずれの場合においても、キャリアの移動を制御する層の膜厚は、5nm以上20nm以下であることが好ましい。
さらに、それらのいずれの場合においても、キャリアの移動を制御する層と発光層とは接するように設けられていることが好ましい。
また、本発明は、上述した発光素子を有する発光装置も範疇に含めるものである。本明細書中における発光装置とは、画像表示デバイス、発光デバイス、もしくは光源(照明装置を含む)を含む。また、発光素子が形成されたパネルにコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子が形成された基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
さらに、本発明の発光素子を表示部に用いた電子機器も本発明の範疇に含めるものとする。したがって、本発明の電子機器は、表示部を有し、表示部は、上述した発光素子と発光素子の発光を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
前記のとおりであるから、本発明においては、キャリア輸送性(すなわち電子輸送性又は正孔輸送性)である第1の有機化合物と、キャリアトラップ性(すなわち電子トラップ性又は正孔トッラプ性)ある第2の有機化合物とを、キャリアの移動を制御する層において組み合わせて用いることを特徴とするものである。
その際におけるキャリアトラップ性とは、絶対的なものではなく、キャリア輸送性との対比における相対的なものである。
すなわち、キャリアトラップ性とは、キャリアの移動を制御する層において使用されている第1の有機化合物のキャリア輸送性を所定範囲で低減できるものである。
その尺度としては、電子輸送性の場合には最低空軌道準位、正孔輸送性の場合には最高被占有軌道準位を目安とすることができ、それらを用いるのがよい。
例えば、第1の有機化合物が電子輸送性である場合には、電子トラップ性の第2の有機化合物は、前記第1の有機化合物の最低空軌道準位より0.3eV以上低い最低空軌道準位を有することが好ましい。
また、第1の有機化合物が正孔輸送性である場合には、正孔トラップ性の第2の有機化合物は、前記第1の有機化合物の最高被占有軌道準位より0.3eV以上高い最高被占有軌道準位を有することが好ましい。
本発明の発光素子は、キャリアの移動を制御する層を設けており、キャリアバランスの経時変化を抑制することができる。よって、長寿命の発光素子を得ることができる。
さらに、本発明の発光素子を、発光装置および電子機器に適用することにより、発光効率が高く、消費電力が低減された発光装置および電子機器を得ることができる。また、寿命の長い発光装置および電子機器を得ることができる。
以下において、本発明について、発明を実施するための最良の形態を含む実施の態様に関し図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
まず、発光素子における輝度劣化要因について説明する。発光素子は通常、一定電流によって駆動されることが多いが、その場合、輝度劣化とは電流効率の低下である。そして電流効率は、流れている電流に対する光の出力であるため、流れているキャリアのうちどのくらいが発光層内において再結合に寄与しているか(キャリアバランス)、あるいは発光層内で再結合したキャリアのうち(つまり励起子のうち)どのくらいが発光に寄与しているか(量子収率)に大きく左右される。
してみると、輝度劣化要因としては、キャリアバランスの経時的な変化、あるいは量子収率の経時劣化が大きなウェイトを占めていると考えられる。そのようなことから、本発明では、キャリアバランスの経時的な変化に着目し、そのキャリアバランスの経時的な変化を抑制することができる発光素子の開発に成功した。
(実施の形態1)
本発明の発光素子の一態様について図1(A)を用いて以下に説明する。本実施の形態では、キャリアの移動を制御する層として、電子の移動を制御する層を設けた発光素子について説明する。
すなわち、本発明では、キャリアの移動を制御する層を用いて、キャリアバランスの経時変化を抑制し、発光素子を長寿命化するために、電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるようにしたものである。
本発明の発光素子は、一対の電極間に複数の層を有する。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。
本実施の形態において、発光素子は、第1の電極202と、第2の電極204と、第1の電極202と第2の電極204との間に設けられたEL層203とから構成されている。なお、本形態では第1の電極202は陽極として機能し、第2の電極204は陰極として機能するものとして、以下説明をする。つまり、第1の電極202の方が第2の電極204よりも電位が高くなるように、第1の電極202と第2の電極204に電圧を印加したときに、発光が得られるものとして、以下説明をする。
基板201は発光素子の支持体として用いられる。基板201としては、例えばガラス、またはプラスチックなどを用いることができる。
なお、本発明の発光素子においては、基板201は、該発光素子を利用する製品である発光装置あるいは電気機器中に残存するようにしてよいが、発光素子の作製工程において支持体として機能するものであってもよく、その場合には最終製品中に残存しないことになる。
第1の電極202としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等が挙げられる。
これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して、インクジェット法、スピンコート法などにより作製しても構わない。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
また、第1の電極と接する層として、後述する複合材料を含む層を用いた場合には、第1の電極として、仕事関数の大小に関わらず、様々な金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、アルミニウムを含む合金(AlSi)等を用いることができる。
なお、本明細書中において、複合とは、単に2つの材料を混合させるだけでなく、複数の材料を混合することによって材料間での電荷の授受が行われ得る状態になることを言う。
また、仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金の膜はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
EL層203は、第1の層211、第2の層212、第3の層213、第4の層214、第5の層215、第6の層216を有しており、このEL層203において、第3の層213は発光層、第4の層214はキャリアの移動を制御する層である。なお、本発明においては、EL層203は、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層と、発光層とを有していればよく、その他の層積層構造については特に限定されない。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、キャリアの移動を制御する層、電子輸送層、電子注入層等を適宜組み合わせて構成することができる。
第1の層211は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
この他、低分子の有機化合物としては、フタロシアニン(略称:H2Pc)、銅(II)フタロシアニン(略称:CuPc)、バナジルフタロシアニン(略称:VOPc)等のフタロシアニン系の化合物が挙げられる。
さらに、低分子の有機化合物としては、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等が挙げられる。
また、第1の層211として、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させた複合材料を用いることができる。なお、正孔輸送性の高い物質にアクセプター性物質を含有させたものを用いることにより、電極の仕事関数に依らず電極を形成する材料を選ぶことができる。つまり、第1の電極202として仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料を用いることができる。これらの複合材料は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター物質とを共蒸着することにより形成することができる。
複合材料に用いる有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。以下では、複合材料に用いることのできる有機化合物を具体的に列挙する。
複合材料に用いることのできる有機化合物としては、例えば、MTDATA、TDATA、DPAB、DNTPD、DPA3B、PCzPCA1、PCzPCA2、PCzPCN1、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)等の芳香族アミン化合物や、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、1,4−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]−2,3,5,6−テトラフェニルベンゼン等のカルバゾール誘導体を挙げることができる。
また、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2−tert−ブチル−9,10−ビス(4−フェニルフェニル)アントラセン(略称:t−BuDBA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2−tert−ブチルアントラセン(略称:t−BuAnth)、9,10−ビス(4−メチル−1−ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]−2−tert−ブチル−アントラセン、9,10−ビス[2−(1−ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン等の芳香族炭化水素化合物を挙げることができる。
さらに、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、2,3,6,7−テトラメチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、9,9’−ビアントリル、10,10’−ジフェニル−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス(2−フェニルフェニル)−9,9’−ビアントリル、10,10’−ビス[(2,3,4,5,6−ペンタフェニル)フェニル]−9,9’−ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン、ペンタセン、コロネン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10−ビス[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等の芳香族炭化水素化合物を挙げることができる。
また、アクセプター性物質としては、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、クロラニル等の有機化合物や、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムは電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
また、第1の層211としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることができる。例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることができる。
なお、上述したPVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPD等の高分子化合物と、上述したアクセプター性物質を用いて複合材料を形成し、第1の層211として用いてもよい。
第2の層212は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、低分子の有機化合物としては、NPB(またはα−NPD)、TPD、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。
但し、第2の層212については、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、前記以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、第2の層212として、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
第3の層213は、発光性の高い物質を含む層であり、本発明の発光層に該当し、種々の材料を用いることができる。低分子の有機化合物としては、具体的には、青色系の発光材料として、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)などが挙げられる。
また、緑色系の発光材料として、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)]−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)などが挙げられる。
また、黄色系の発光材料として、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)などが挙げられる。さらに、赤色系の発光材料として、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,13−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)などが挙げられる。また、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナトーN,C3']イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)2(acac))のような燐光材料を用いることもできる。
なお、本実施の形態では、キャリアの移動を制御する層を、発光層と、陰極として機能する第2の電極との間に設けており、そのため、発光層は、電子輸送性であることが好ましい。発光層が電子輸送性の場合、従来では発光層内からの電子の突き抜けを防ぐため、電子ブロック層を発光層の陽極側に設けていた。しかしながら、その電子ブロック機能が経時的に劣化すると、再結合領域が電子ブロック層内(あるいは正孔輸送層内)にまで及んでしまい、電流効率の低下(すなわち輝度劣化)が顕著となる。
他方本発明の場合は、逆に、発光層の手前(陰極側)において電子の移動を制御しているため、多少電子のバランス(正孔に対する移動度や電荷量等)が崩れたとしても、発光層内における再結合の割合は変化しにくく、輝度が低下しにくいというメリットがある。
なお、発光層としては、上述した発光性の高い物質を他の物質に分散させた構成としてもよい。発光性の物質を分散させるための材料としては、各種のものを用いることができ、発光性の物質よりも最低空軌道準位(LUMO準位)が高く、最高被占有軌道準位(HOMO準位)が低い物質を用いることが好ましい。
なお、本実施の形態では、キャリアの移動を制御する層を、発光層と、陰極として機能する第2の電極との間に設けるため、発光層は、電子輸送性であることが好ましい。つまり、正孔輸送性よりも電子輸送性の方が高いことが好ましい。よって、上述した発光性の高い物質を分散させるための材料としては、電子輸送性の有機化合物であることが好ましい。
具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体を用いることができる。
さらに、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物も用いることができる。
また、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、3,3’,3’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリピレン(略称:TPB3)などの縮合芳香族化合物を用いることができる。
また、発光性の物質を分散させるための材料は複数種用いることができる。例えば、結晶化を抑制するためにルブレン等の結晶化を抑制する物質をさらに添加してもよい。さらに、発光性の物質へのエネルギー移動をより効率良く行うためにNPB、あるいはAlq等を添加してもよい。
また、発光性の高い物質を他の物質に分散させた構成とすることにより、第3の層213の結晶化を抑制することができる。さらに、発光性の高い物質の濃度が高いことによる濃度消光を抑制することができる。
また、発光層である第3の層213として高分子化合物を用いることができる。具体的には、青色系の発光材料として、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)(略称:POF)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイル)](略称:PF−DMOP)、ポリ{(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−[N,N’−ジ−(p−ブチルフェニル)−1,4−ジアミノベンゼン]}(略称:TAB−PFH)などが挙げられる。
さらに、緑色系の発光材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)(略称:PPV)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−co−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,7−ジイル)](略称:PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−co−(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン)]などが挙げられる。
また、橙色〜赤色系の発光材料として、ポリ[2−メトキシ−5−(2’−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(3−ブチルチオフェン−2,5−ジイル)、ポリ{[9,9−ジヘキシル−2,7−ビス(1−シアノビニレン)フルオレニレン]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}、ポリ{[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシロキシ)−1,4−ビス(1−シアノビニレンフェニレン)]−alt−co−[2,5−ビス(N,N’−ジフェニルアミノ)−1,4−フェニレン]}(略称:CN−PPV−DPD)などが挙げられる。
第4の層214はキャリアの移動を制御する層であり、2種類以上の物質を含む。
本発明の発光素子においては、このキャリアの移動を制御する層を有することが最大の特徴であり、その制御する層は、キャリア輸送性の有機化合物である第1の有機化合物とキャリアトラップ性の有機化合物である第1の有機化合物を含むものである。
そのキャリア輸送性の有機化合物には、電子輸送性の化合物と正孔輸送性の化合物があり、またキャリアトラップ性の有機化合物には電子トラップ性の化合物と正孔トラップ性の化合物とがある。
本実施の形態の第4の層214においては、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれている。本実施の形態では、キャリアの移動を制御する層を、発光機能を担う層、すなわち発光層よりも陰極として機能する第2の電極側に設ける場合について説明する。つまり、発光機能を担う第3の層213と第2の電極204との間に設ける場合について説明する。
発光機能を担う層よりも陰極として機能する第2の電極側に設ける場合、第1の有機化合物は、電子輸送性を有する有機化合物であることが好ましい。つまり、第1の有機化合物は、正孔輸送性よりも電子輸送性の方が高い物質であることが好ましい。
それに対して、第2の有機化合物は、電子をトラップする機能を有する有機化合物であることが好ましい。つまり、第2の有機化合物は、第1の有機化合物の最低空軌道準位(LUMO準位)より0.3eV以上低い最低空軌道準位(LUMO準位)を有する有機化合物であることが好ましい。
第2の有機化合物が含まれることにより、層全体としては、第1の有機化合物のみからなる層よりも電子輸送速度が小さくなる。つまり、第2の有機化合物を添加することにより、キャリアの移動を制御することが可能となる。また、第2の有機化合物の濃度を制御することにより、キャリアの移動速度を制御することが可能となる。
具体的には、第2の有機化合物の濃度は、0.1重量%〜5重量%、または、0.1mol%〜5mol%であることが好ましい。
また、第2の有機化合物は発光してもよいが、その場合には、発光素子の色純度を保つため、発光機能を担う層の発光色と第2の有機化合物の発光色とが同系色の発光色であることが好ましい。例えば、発光機能を担う層に含まれる有機化合物がYGA2SやYGAPAのような青色系の発光を示す有機化合物である場合、第2の有機化合物はアクリドン、クマリン102、クマリン6H、クマリン480D、クマリン30などの青色〜青緑色の発光を示す物質であることが好ましい。これによって、第2の有機化合物が意に反して発光した場合にも発光素子の色純度を保つことができる。
また、発光機能を担う層に含まれる有機化合物が2PCAPA、2PCABPhA、2DPAPA、2DPABPhA、2YGABPhA、DPhAPhAのような緑色系の発光色を示す有機化合物である場合、第2の有機化合物はN,N’−ジメチルキナクリドン(略称:DMQd)、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、9,18−ジヒドロベンゾ[h]ベンゾ[7,8]キノ[2,3−b]アクリジン−7,16−ジオン(略称:DMNQd−1)、9,18−ジヒドロ−9,18−ジメチルベンゾ[h]ベンゾ[7,8]キノ[2,3−b]アクリジン−7,16−ジオン(略称:DMNQd−2)、クマリン30、クマリン6、クマリン545T、クマリン153などの青緑色〜黄緑色の発光を示す物質であることが好ましい。
また、発光機能を担う層に含まれる有機化合物がルブレン、BPTのような黄色系の発光を示す有機化合物である場合、第2の有機化合物はDMQd、(2−{2−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCMCz)などの黄緑色〜黄橙色の発光を示す物質であることが好ましい。
また、発光機能を担う層に含まれる有機化合物がp−mPhTD、p−mPhAFDのような赤色系の発光を示す有機化合物である場合、第2の有機化合物は(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、{2−(1,1−ジメチルエチル)−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、ナイルレッドなどの橙色〜赤色の発光を示す物質であることが好ましい。
また、発光機能を担う層の発光材料が燐光材料である場合、第2の有機化合物も燐光材料であることが好ましい。例えば、発光材料が上述したIr(btp)2(acac)である場合、Ir(btp)2(acac)は赤色発光を示すため、第2の有機化合物として赤色の燐光材料である(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))などを用いればよい。なお、上述した化合物は、発光素子に用いられる化合物の中でもLUMO準位が低い化合物であり、後述する第1の有機化合物に添加することで良好な電子トラップ性を示す。
なお、第2の有機化合物としては、上記に列挙した物質の中でも、DMQd、DPQd、DMNQd−1、DMNQd2のようなキナクリドン誘導体が化学的に安定であるため好ましい。すなわち、キナクリドン誘導体を適用することにより、特に発光素子を長寿命化することができる。また、キナクリドン誘導体は緑色系の発光を示すため、本発明の発光素子の素子構造は、緑色系の発光素子に対して特に有効である。緑色は、フルカラーディスプレイを作製する際には最も輝度が必要な色であるため、劣化が他の色に比して大きくなってしまう場合があるが、本発明を適用することによりそれを改善することができる。
また、第4の層214に含まれる第1の有機化合物は、電子輸送性を有する有機化合物である。つまり、正孔輸送性よりも電子輸送性の方が高い物質である。具体的には、Alq、Almq3、BeBq2、BAlq、Znq、BAlq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体、PBD、OXD−7、TAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの複素環化合物、CzPA、DPCzPA、DPPA、DNA、t−BuDNA、BANT、DPNS、DPNS2、TPB3などの縮合芳香族化合物を用いることができる。
また、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などの高分子化合物を用いることができる。中でも電子に対して安定な金属錯体であることが好ましい。
また、先に述べたように、第2の有機化合物のLUMO準位は、第1の有機化合物のLUMO準位より0.3eV以上低いことが好ましい。したがって、用いる第2の有機化合物の種類に応じて、そのような条件を満たすように適宜第1の有機化合物を選択すればよい。例えば、後記する実施例に示すように、第2の有機化合物としてDPQdやクマリン6を用いる場合、第1の有機化合物としてAlqを用いることで、上述の条件を満たすようになる。
なお、第3の層213に含まれる発光性の高い物質の発光色と、第4の層214に含まれる第2の有機化合物の発光色は同系色の発光色であることが好ましい。そのため、発光性の高い物質の発光スペクトルのピーク値と第2の有機化合物の発光スペクトルのピーク値との差は、30nm以内であることが好ましい。30nm以内であることにより、発光性の高い物質の発光色と第2の有機化合物の発光色は、同系色の発光色となる。よって、電圧等の変化により、第2の有機化合物が発光した場合にも、発光色の変化を抑制することができる。
ただし、必ずしも第2の有機化合物が発光する必要はない。例えば、発光性の高い物質の方が発光効率が高い場合は、実質的に発光性の高い物質の発光のみが得られるように、第4の層214における第2の有機化合物の濃度を調節する(第2の有機化合物の発光が抑制されるように、その濃度を若干低くする)ことが好ましい。この場合、発光性の高い物質の発光色と第2の有機化合物の発光色は同系統の発光色である(すなわち、同程度のエネルギーギャップを持つ)ため、発光性の高い物質から第2の有機化合物へのエネルギー移動は生じにくく、高い発光効率が得られる。
なお、第2の有機化合物は、クマリン102、クマリン6H、クマリン480D、クマリン30、クマリン6、クマリン545T、クマリン153などのクマリン誘導体であることが好ましい。クマリン誘導体は、電子トラップ性が弱いため、第1の有機化合物に添加する濃度が比較的高くてもよい。つまり、濃度の調節がしやすく、所望の性質を有するキャリアの移動を制御する層を得ることができる。また、クマリン誘導体は発光効率が高いため、第2の有機化合物が発光した場合、発光素子全体の発光効率の低下を抑制することができる。
図4は、図1(A)で示した本発明の発光素子のバンド図の一例である。図4において、第1の電極202から注入された正孔は、正孔注入性の高い物質が含まれる第1の層211、正孔輸送性の高い物質が含まれる第2の層212を通り、発光性の高い物質が含まれる第3の層213に注入される。一方、第2の電極204から注入された電子は、電子注入性の高い物質が含まれる第6の層216、電子輸送性の高い物質が含まれる第5の層215を通り、キャリアの移動を制御する層である第4の層214に注入される。キャリアの移動を制御する層に注入された電子は、電子トラップ性を有する第2の有機化合物により、電子の移動が遅くなる。遅くなった電子は、発光性の高い物質を含む第3の層213に注入され、正孔と再結合し、発光する。
例えば、第3の層213が電子輸送性を有する場合、第2の層212から第3の層213に注入された正孔は移動が遅くなる。また、第4の層214から第3の層213に注入された電子は、第4の層214で移動が遅くなっているため、第3の層213でも移動が遅い。よって、移動の遅い正孔と移動の遅い電子が第3の層213で再結合するため、再結合確率が高くなり、発光効率が向上する。
もし第4の層214を設けない従来の発光素子であれば、電子の移動は遅くならないまま第3の層213に注入され、第2の層212と第3の層213との界面付近まで達する。そのため、発光領域は第2の層212と第3の層213との界面近傍に形成される。その場合、電子が第2の層212にまで達してしまい、第2の層212を劣化させる恐れがある。また、経時的に第2の層212にまで達してしまう電子の量が増えていくと、経時的に発光層内での再結合確率が低下していくことになるため、素子寿命の低下(輝度の経時劣化)に繋がってしまう。
本発明の発光素子において、第2の電極204から注入された電子は、電子注入性の高い物質が含まれる第6の層216、電子輸送性の高い物質が含まれる第5の層215を通り、キャリアの移動を制御する層である第4の層214に注入される。ここで、第4の層214は、電子輸送性を有する第1の有機化合物に、電子をトラップする機能を有する第2の有機化合物を添加した構成となっている。したがって、第4の層214に注入された電子は、その移動が遅くなり、第3の層213への電子注入が制御される。
その結果、従来では正孔輸送性の高い物質が含まれる第2の層212と第3の層213との界面近傍で形成されたはずの発光領域が、本発明の発光素子においては、第3の層213から、第3の層213と第4の層214との界面付近にかけて形成されることになる。したがって、電子が第2の層212にまで達してしまい、正孔輸送性の高い物質が含まれる第2の層212を劣化させる可能性が低くなる。また正孔に関しても、第4の層214が電子輸送性を有する第1の有機化合物を有しているため、正孔が第5の層215にまで達して電子輸送性の高い物質が含まれる第5の層215を劣化させる可能性は低い。
さらに、本発明においては、第4の層214において、単に電子移動度の遅い物質を適用するのではなく、電子輸送性を有する有機化合物、すなわちキャリア輸送性の有機化合物に、電子をトラップする機能を有する有機化合物、すなわちキャリアトップ性の有機化合物を添加している点が重要である。このような構成とすることで、単に第3の層213への電子注入を制御するだけではなく、その制御された電子注入量が経時的に変化するのを抑制することができる。以上のことから本発明の発光素子は、発光素子において経時的にキャリアバランスが悪化して再結合確率が低下していく現象を防ぐことができるため、素子寿命の向上(輝度の経時劣化の抑制)に繋がる。
本発明の発光素子は、発光層と正孔輸送層との界面または発光層と電子輸送層との界面に発光領域が形成されていないため、正孔輸送層や電子輸送層に発光領域が近接することによる劣化の影響を受けることがない。また、キャリアバランスの経時的な変化(特に電子注入量の経時的変化)を抑制することができる。したがって、劣化が少なく、寿命の長い発光素子を得ることができる。
また、第4の層214に含まれる第2の有機化合物の発光色と、発光層である第3の層213に含まれる発光性の高い物質の発光色とは、同系色の発光色であることが好ましい。具体的には、第2の有機化合物の発光スペクトルのピーク値と発光性の高い物質の発光スペクトルのピーク値との差は、30nm以内であることが好ましい。30nm以内であることにより、第2の有機化合物の発光色と発光性の高い物質の発光色は、同系色の発光色となる。よって、電圧等の変化により、第2の有機化合物が発光した場合にも、発光色の変化を抑制することができる。ただし、必ずしも第2の有機化合物が発光する必要はない。
また、第4の層214の膜厚は、5nm以上20nm以下であることが好ましい。厚すぎる膜厚だと、キャリアの移動速度を低下させすぎてしまい、駆動電圧が高くなってしまう。また、薄すぎる膜厚だと、キャリアの移動を制御する機能を実現しなくなってしまう。よって、5nm以上20nm以下の膜厚であることが好ましい。
第5の層215は、電子輸送性の高い物質を含む層である。例えば、低分子の有機化合物として、Alq、Almq3、BeBq2、BAlq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体を用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、PBD、OXD−7、TAZ、TPBI、BPhen、BCPなどの複素環化合物も用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、第5の層215として、高分子化合物を用いることができる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。
また、第6の層216は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入性の高い物質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を用いることができる。例えば、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることができる。なお、電子注入層として、電子輸送性を有する物質からなる層中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有させたものを用いることにより、第2の電極204からの電子注入が効率良く行われるためより好ましい。
第2の電極204を形成する物質としては、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金の膜は、真空蒸着法を用いて形成することができる。また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を含む合金の膜はスパッタリング法により形成することも可能である。また、銀ペーストなどをインクジェット法などにより成膜することも可能である。
また、第2の電極204と第5の層215との間に、電子注入を促す機能を有する層である第6の層216を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等様々な導電性材料を第2の電極204として用いることができる。これら導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することが可能である。
また、EL層の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
例えば、上述した材料のうち、高分子化合物を用いて湿式法でEL層を形成してもよい。または、低分子の有機化合物を用いて湿式法で形成することもできる。また、低分子の有機化合物を用いて真空蒸着法などの乾式法を用いてEL層を形成してもよい。
また、電極についても、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法を用いて形成しても良い。
以下、具体的な発光素子の形成方法を示す。本発明の発光素子を表示装置に適用し、発光層を塗り分ける場合には、発光層は湿式法により形成することが好ましい。発光層をインクジェット法を用いて形成することにより、大型基板であっても発光層の塗り分けが容易となる。
例えば、図1(A)に示した構成において、第1の電極を乾式法であるスパッタリング法、第1の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第2の層を乾式法である真空蒸着法、第3の層を湿式法であるインクジェット法、第4の層を乾式法である共蒸着法、第5の層および第6の層を乾式法である真空蒸着法、第2の電極を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法を用いて形成してもよい。
また、第1の電極を湿式法であるインクジェット法、第1の層を乾式法である真空蒸着法、第2の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第3の層を湿式法であるインクジェット法、第4の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第5の層および第6の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第2の電極を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法を用いて形成してもよい。なお、上記の方法に限らず、湿式法と乾式法を適宜組み合わせればよい。
例えば、図1(A)に示した構成の場合、第1の電極を乾式法であるスパッタリング法、第1の層および第2の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、発光層である第3の層を湿式法であるインクジェット法、第4の層を乾式法である共蒸着法、第5の層および第6の層を乾式法である真空蒸着法、第2の電極を乾式法である真空蒸着法で形成することができる。
つまり、第1の電極が所望の形状で形成されている基板上に、第1の層から第3の層までを湿式法で形成し、第4の層から第2の電極までを乾式法で形成することができる。この方法では、第1の層から第3の層までを大気圧で形成することができ、第3の層の塗り分けも容易である。また、第4の層から第2の電極までは、真空一貫で形成することができる。よって、工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
一例を以下に示す。第1の電極上に、第1の層としてPEDOT/PSSを形成する。PEDOT/PSSは水溶性であるため、水溶液としてスピンコート法やインクジェット法などにより、成膜することができる。第2の層は設けず、第1の層上に発光層として第3の層を設ける。発光層は、すでに形成されている第1の層(PEDOT/PSS)が溶解しない溶媒(トルエン、ドデシルベンゼン、あるいはドデシルベンゼンとテトラリンとの混合溶媒など)に、発光性の物質を溶かした溶液を用いてインクジェット法を用いて形成することができる。次に、第3の層上に第4の層を形成するが、第4の層を湿式法で形成する場合には、すでに形成されている第1の層および第3の層が溶解しない溶媒を用いて形成しなくてはならない。その場合、溶媒の選択肢が狭まるため、乾式法を用いて形成する方が容易である。よって、第4の層から第2の電極までを乾式法である真空蒸着法を用いて真空一貫で形成することにより、工程を簡略化することができる。
また、図2(A)に示した構成の場合、上記の方法とは逆の順番で、第2の電極を乾式法であるスパッタリングまたは真空蒸着法、第6の層から第5の層を乾式法である真空蒸着法、第4の層を乾式法である共蒸着法、第3の層を湿式法であるインクジェット法、第2の層および第1の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第1の電極を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法により形成することができる。この方法では、第2の電極から第4の層までを乾式法により真空一貫で形成し、第3の層から第1の電極までを大気圧で形成することができる。よって、工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
以上のような構成を有する本発明の発光素子は、第1の電極202と第2の電極204との間に生じた電位差により電流が流れ、EL層203において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。
発光は、第1の電極202または第2の電極204のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極202または第2の電極204のいずれか一方または両方は、透光性を有する電極である。
第1の電極202のみが透光性を有する電極である場合、図3(A)に示すように、発光は第1の電極202を通って基板側から取り出される。また、第2の電極204のみが透光性を有する電極である場合、図3(B)に示すように、発光は第2の電極204を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極202および第2の電極204がいずれも透光性を有する電極である場合、図3(C)に示すように、発光は第1の電極202および第2の電極204を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
なお、第1の電極202と第2の電極204との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。発光領域と金属とが近接することによって生じる消光を防ぐように、第1の電極202および第2の電極204から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成であり、キャリアの移動を制御する層を有する構成であれば、上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等から成る層と、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層および発光層を適宜組み合わせて構成すればよい。
なお、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層は、電子の移動を制御するものであるため、発光層よりも陰極として機能する電極側に設けることが好ましい。
例えば、図1(B)に示すように、発光機能を担う第3の層213と、キャリアの移動を制御する層である第4の層214との間に、電子輸送性の高い物質を含む第7の層217を設けてもよい。
より好ましくは、キャリアの移動を制御する層は発光層と接するように設けることが望ましい。キャリアの移動を制御する層を発光層と接するように設けることにより、発光層への電子注入を直接制御できるため、発光層内におけるキャリアバランスの経時変化をより抑制することができ、素子寿命向上に関してより大きな効果が得られる。また、電子輸送性の高い物質を含む第7の層217を設けることがないので、プロセス的にも簡便となる。
なお、キャリアの移動を制御する層を発光層と接するよう設ける場合には、キャリアの移動を制御する層に含まれる第1の有機化合物と、発光層に多く含まれている有機化合物とは、異なる有機化合物であることが好ましい。特に、発光層の構成が、発光性の高い物質を分散させる物質(第3の有機化合物)と、発光性の高い物質(第4の有機化合物)とを含む場合、第3の有機化合物と、第1の有機化合物とは、異なる有機化合物であることが好ましい。このような構成により、キャリアの移動を制御する層から発光層へのキャリア(本実施の形態においては電子)の移動が、第1の有機化合物と第3の有機化合物との間においても抑制され、キャリアの移動を制御する層を設ける効果がより高くなる。
また、図2(A)に示す発光素子は、基板201上に、陰極として機能する第2の電極204、EL層203、陽極として機能する第1の電極202とが順に積層された構成となっている。EL層203は、第1の層211、第2の層212、第3の層213、第4の層214、第5の層215、第6の層216を有する。第4の層214は、第3の層213よりも陰極として機能する第2の電極側に設けられている。
本実施の形態においては、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に発光素子を作製している。一基板上にこのような発光素子を複数作製することで、パッシブマトリクス型の発光装置を作製することができる。また、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、TFTと電気的に接続された発光素子を作製してもよい。これにより、TFTによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置を作製できる。
なお、その際におけるTFTの構造については、特に限定されない。スタガ型のTFTでもよいし、逆スタガ型のTFTでもよい。また、TFT基板に形成される駆動用回路についても、N型およびP型のTFTからなるものでもよいし、若しくはN型のTFTまたはP型のTFTのいずれか一方からのみなるものであってもよい。また、TFTに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定されない。非晶質半導体膜を用いてもよいし、結晶性半導体膜を用いてもよい。
本発明の発光素子は、キャリアの移動を制御する層を有している。キャリアの移動を制御する層は、2種類以上の物質を含むため、物質の組み合わせや混合比、膜厚などを制御することにより、キャリアバランスを精密に制御することが可能である。
さらに、物質の組み合わせや混合比、膜厚などの制御でキャリアバランスを制御することが可能であるので、従来よりも容易にキャリアバランスの制御が可能となる。つまり、用いる材料そのものの物性を変化させなくても、混合比や膜厚等により、キャリアの移動を制御することができる。
また、キャリアの移動を制御する層を用いてキャリアバランスを向上させることにより、発光素子の発光効率を向上させることができる。
さらに、キャリアの移動を制御する層を用いることにより、過剰の電子が注入されることや、発光層を突き抜けて正孔輸送層や正孔注入層へ電子が達することを抑制することができる。正孔輸送層や正孔注入層へ電子が達してしまうと、発光層内で再結合する確率が低下してしまい(すなわちキャリアバランスが崩れてしまい)、経時的な発光効率の低下を招いてしまう。つまり、発光素子の寿命が短くなってしまう。
しかしながら、本発明では、本実施の形態で示すように、キャリアの移動を制御する層を用いることにより、過剰の電子が注入されることや、発光層を突き抜けて正孔輸送層や正孔注入層へ電子が達することを抑制し、経時的な発光効率の低下を抑制することができる。つまり、長寿命の発光素子を得ることができる。
さらに詳述すれば、キャリアの移動を制御する層に含まれる2種類以上の物質のうち、第1の有機化合物よりも少なく含まれている第2の有機化合物を用いてキャリアの移動を制御している。よって、キャリアの移動を制御する層に含まれている成分のうち少ない成分でキャリアの移動を制御することが可能である。その結果、経時劣化しにくく、発光素子の長寿命化を実現することができる。
つまり、単一物質によりキャリアバランスを制御する場合に比べ、キャリアバランスの変化が起きにくい。例えば、単一物質により形成された層でキャリアの移動を制御する場合には、部分的なモルフォロジーの変化や、部分的な結晶化により、層全体のバランスが変化してしまう。そのため、経時劣化しやすい。しかし、本実施の形態で示すように、キャリアの移動を制御する層に含まれている成分のうち少ない成分でキャリアの移動を制御することにより、モルフォロジーの変化や結晶化、凝集等の影響が小さくなり、経時劣化が起きにくい。よって、経時的な発光効率の低下が起こりにくい長寿命の発光素子を得ることができる。
本実施の形態で示したように、キャリアの移動を制御する層を、発光層と陰極として機能する第2の電極との間に設ける構成は、電子過多の発光素子に適用すると特に有効である。例えば、発光層が、電子輸送性であり、第2の電極から注入された電子が発光層を突き抜けてしまう割合が経時的に増加していく恐れがあるような場合において本実施の形態で示した構成を適用すると特に有効である。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1とは異なる本発明の発光素子の一態様であり、それについて図5(A)を用いて説明する。本実施の形態は、キャリアの移動を制御する層として、正孔の移動を制御する層を設けた発光素子であり、それについて説明する。
本発明の発光素子は、一対の電極間に複数の層を有する。当該複数の層は、電極から離れたところに発光領域が形成されるように、つまり電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるように、キャリア注入性の高い物質やキャリア輸送性の高い物質からなる層を組み合わせて積層されたものである。
本実施の形態において、発光素子は、第1の電極402と、第2の電極404と、第1の電極402と第2の電極404との間に設けられたEL層403とから構成されている。なお、本形態では第1の電極402は陽極として機能し、第2の電極404は陰極として機能するものとして、以下説明をする。つまり、第1の電極402の方が第2の電極404よりも電位が高くなるように、第1の電極402と第2の電極404に電圧を印加したときに、発光が得られるものとして、以下説明をする。
基板401としては、実施の形態1と同様なものを用いることができる。
第1の電極402としては、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、導電性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましく、実施の形態1で示したものと同様なものを用いることができる。
EL層403は、第1の層411、第2の層412、第3の層413、第4の層414、第5の層415、第6の層416を有している。なお、EL層403は、実施の形態1と同様に本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層と、発光層とを有していればよく、その他の層積層構造については特に限定されない。例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、キャリアの移動を制御する層、電子輸送層、電子注入層等を適宜組み合わせて構成することができる。
第1の層411は、正孔注入性の高い物質を含む層であり、実施の形態1で示したものと同様なものを用いることができる。
第2の層412は、正孔輸送性の高い物質を含む層であり、実施の形態1で示したものと同様なものを用いることができる。
第3の層413は、キャリアの移動を制御する層である。第3の層413は、2種類以上の物質を含む。第3の層413において、第1の有機化合物は、第2の有機化合物よりも多く含まれている。本実施の形態では、キャリアの移動を制御する層を、発光機能を担う層よりも陽極として機能する第1の電極側に設ける場合について説明する。つまり、発光機能を担う第4の層414と第1の電極402との間に設ける場合について説明する。
発光機能を担う層よりも陽極として機能する第1の電極側に設ける場合、第1の有機化合物は、正孔輸送性を有する有機化合物であることが好ましい。つまり、第1の有機化合物は、電子輸送性よりも正孔輸送性の方が高い物質であることが好ましい。
他方、第2の有機化合物は、正孔をトラップする機能を有する有機化合物であることが好ましい。つまり、第2の有機化合物は、第1の有機化合物の最高被占有道準位(HOMO準位)より0.3eV以上高い最高被占有道準位(HOMO準位)を有する有機化合物であることが好ましい。第2の有機化合物が含まれることにより、層全体としては、第1の有機化合物のみからなる層よりも電子輸送速度が小さくなる。つまり、第2の有機化合物を添加することにより、キャリアの移動を制御することが可能となる。また、第2の有機化合物の濃度を制御することにより、キャリアの移動速度を制御することが可能となる。
具体的には、第2の有機化合物の濃度は、0.1重量%〜5重量%、または0.1mol%〜5mol%であることが好ましい。
また、第2の有機化合物としては、例えば、CuPc、DNTPD、DPAB、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2')イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(10−(2−ピリジル)フェノキサジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(ppx)2(acac))、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2')イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナトーN,C3']イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)2(acac))、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)などが挙げられる。
上述した化合物は、発光素子に用いられる化合物の中でもHOMO準位が高い化合物であり、後述する第1の有機化合物に添加することで良好な正孔トラップ性を示す。第2の有機化合物は、発光してもよいが、その場合には、発光素子の色純度を保つため、発光機能を担う層の発光色と第2の有機化合物の発光色とが同系色の発光色であることが好ましい。
また、第3の層413に含まれる第1の有機化合物は、正孔輸送性を有する有機化合物である。つまり、電子輸送性よりも正孔輸送性の方が高い物質である。具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセンのような縮合芳香族炭化水素が挙げられる。
また、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、NPB(またはα−NPD)、TPD、DFLDPBi、BSPB、2,3−ビス{4−[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]フェニル}キノキサリン(略称:BPAPQ)などの芳香族アミン化合物等が挙げられる。さらに、PVK、PVTPA、PTPDMA、Poly−TPDなどの高分子化合物を用いることもできる。
それらの中でも正孔に対して安定な芳香族アミン化合物であることが好ましい。また、先に述べたように、本実施の形態2においては、第2の有機化合物は正孔トラップ性の化合物であることが必要であり、そのためにはHOMO準位は、第1の有機化合物のHOMO準位より0.3eV以上高いことが好ましい。したがって、用いる第2の有機化合物の種類に応じて、そのような条件を満たすように適宜第1の有機化合物を選択すればよい。
なお、第4の層414に含まれる発光性の高い物質の発光色と、第3の層413に含まれる第2の有機化合物の発光色は同系色の発光色であることが好ましいため、発光性の高い物質の発光スペクトルのピーク値と第2の有機化合物の発光スペクトルのピーク値との差は、30nm以内であることが好ましい。30nm以内であることにより、発光性の高い物質の発光色と第2の有機化合物の発光色は、同系色の発光色となる。よって、電圧等の変化により、第2の有機化合物が意に反して発光した場合にも、発光色の変化を抑制することができる。
ただし、必ずしも第2の有機化合物が発光する必要はない。例えば、発光性の高い物質の方が発光効率が高い場合は、実質的に発光性の高い物質の発光のみが得られるように、第3の層413における第2の有機化合物の濃度を調節する(第2の有機化合物の発光が抑制されるように、その濃度を若干低くする)ことが好ましい。この場合、発光性の高い物質の発光色と第2の有機化合物の発光色は同系統の発光色である(すなわち、同程度のエネルギーギャップを持つ)ため、発光性の高い物質から第2の有機化合物へのエネルギー移動は生じにくく、高い発光効率が得られる。
図8は、図5(A)で示した本発明の発光素子のバンド図の一例である。図8において、第2の電極404から注入された電子は、電子注入性の高い物質が含まれる第6の層416、電子輸送性の高い物質が含まれる第5の層415を通り、発光性の高い物質が含まれる第4の層414に注入される。一方、第1の電極402から注入された正孔は、正孔注入性の高い物質が含まれる第1の層411、正孔輸送性の高い物質が含まれる第2の層412を通り、キャリアの移動を制御する層である第3の層413に注入される。キャリアの移動を制御する層に注入された正孔は、正孔トラップ性を有する第2の有機化合物により、正孔の移動が遅くなる。遅くなった正孔は、発光性の高い物質を含む第4の層414に注入され、正孔と再結合し、発光する。
例えば、第4の層414が正孔輸送性を有する場合、第5の層415から第4の層414に注入された電子は移動が遅くなる。また、第3の層413から第4の層414に注入された正孔は、第3の層413で移動が遅くなっているため、第4の層414でも移動が遅い。よって、移動の遅い正孔と移動の遅い電子が第4の層414で再結合するため、再結合確率が高くなり、発光効率が向上する。
もし第3の層413を設けない従来の発光素子であれば、正孔の移動は遅くならないまま第4の層414に注入され、第4の層414と第5の層415との界面付近まで達する。そのため、発光領域は第4の層414と第5の層415との界面近傍に形成される。その場合、正孔が第5の層415にまで達してしまい、第5の層415を劣化させる恐れがある。また、経時的に第5の層415にまで達してしまう正孔の量が増えていくと、経時的に発光層内での再結合確率が低下していくことになるため、素子寿命の低下(輝度の経時劣化)に繋がってしまう。
本発明の発光素子において、第1の電極402から注入された正孔は、正孔注入性の高い物質が含まれる第1の層411、正孔輸送性の高い物質が含まれる第2の層412を通り、キャリアの移動を制御する層である第3の層413に注入される。ここで、第3の層413は、正孔輸送性を有する第1の有機化合物に、正孔をトラップする機能を有する第2の有機化合物を添加した構成となっている。したがって、第3の層413に注入された正孔は、その移動が遅くなり、第4の層414への正孔注入が制御される。
その結果、従来では電子輸送性の高い物質が含まれる第5の層415と第4の層414との界面近傍で形成されたはずの発光領域が、本発明の発光素子においては、第4の層414から第4の層414と第3の層413との界面付近にかけて形成されることになる。したがって、本発明の発光素子においては、正孔が第5の層415にまで達してしまい、電子輸送性の高い物質が含まれる第5の層415を劣化させる可能性が低くなる。また電子に関しても、第3の層413が正孔輸送性を有する第1の有機化合物を有しているため、電子が第2の層412にまで達して正孔輸送性の高い物質が含まれる第2の層412を劣化させる可能性は低い。
さらに、本発明においては、第3の層413において、単に正孔移動度の遅い物質を適用するのではなく、正孔輸送性を有する有機化合物に正孔をトラップする機能を有する有機化合物を添加している点が重要である。このような構成とすることで、単に第4の層414への正孔注入を制御するだけではなく、その制御された正孔注入量が経時的に変化するのを抑制することができる。以上のことから本発明の発光素子は、発光素子において経時的にキャリアバランスが悪化して再結合確率が低下していく現象を防ぐことができるため、素子寿命の向上(輝度の経時劣化の抑制)に繋がる。
本発明の発光素子は、発光層と正孔輸送層との界面または発光層と電子輸送層との界面に発光領域が形成されていないため、正孔輸送層や電子輸送層に発光領域が近接することによる劣化の影響を受けることがない。また、キャリアバランスの経時的な変化(特に電子注入量の経時的変化)を抑制することができる。したがって、劣化が少なく、寿命の長い発光素子を得ることができる。
また、第3の層413に含まれる第2の有機化合物の発光色と、第4の層414に含まれる発光性の高い物質の発光色とは、同系色の発光色であることが好ましい。具体的には、第2の有機化合物の発光スペクトルのピーク値と発光性の高い物質の発光スペクトルのピーク値との差は、30nm以内であることが好ましい。30nm以内であることにより、第2の有機化合物の発光色と発光性の高い物質の発光色は、同系色の発光色となる。よって、電圧等の変化により、第2の有機化合物が意に反して発光した場合にも、発光色の変化を抑制することができる。
また、キャリアの移動を制御する層である第3の層413の膜厚は、5nm以上20nm以下であることが好ましい。厚すぎる膜厚だと、キャリアの移動速度を低下させすぎてしまい、駆動電圧が高くなってしまう。また、薄すぎる膜厚だと、キャリアの移動を制御する機能を実現しなくなってしまう。よって、5nm以上20nm以下の膜厚であることが好ましい。
第4の層414は、発光性の高い物質を含む層であり、実施の形態1で示した発光性の高い物質を用いることができる。また、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))のような燐光材料を用いることもできる。
発光性の高い物質として燐光材料を用いる場合、第3の層413における第2の有機化合物としては、Ir(ppy)2(acac)、Ir(ppx)2(acac)、Ir(ppy)3、Ir(btp)2(acac)のような燐光材料が好ましい。例えば、Ir(Fdpq)2(acac)は赤色発光を示すため、第3の層413における第2の有機化合物としては同系色の赤色発光を示すIr(btp)2(acac)を用いることが好ましい。また、発光層としては、実施の形態1で示したように、発光性の高い物質を他の物質に分散させた構成としてもよい。
なお、本実施の形態では、キャリアの移動を制御する層を、発光層と、陽極として機能する第1の電極との間に設けるため、発光層は、正孔輸送性であることが好ましい。つまり、電子輸送性よりも正孔輸送性の方が高いことが好ましい。発光層が正孔輸送性の場合、従来では発光層内からの正孔の突き抜けを防ぐため、正孔ブロック層を発光層の陰極側に設けていた。しかしながら、その正孔ブロック機能が経時的に劣化すると、再結合領域が正孔ブロック層内(あるいは電子輸送層内)にまで及んでしまい、電流効率の低下(すなわち輝度劣化)が顕著となる。他方、本発明の場合は、逆に、発光層の手前(陽極側)において正孔の移動を制御しているため、多少正孔のバランス(電子に対する移動度や電荷量等)が崩れたとしても、発光層内における再結合の割合は変化しにくく、輝度が低下しにくいというメリットがある。
よって、実施の形態1で示した発光性の高い物質を分散させるための材料としては、正孔輸送性の有機化合物であることが好ましい。具体的には、DPAnth、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセンのような縮合芳香族炭化水素や、CzA1PA、DPhPA、PCAPA、PCAPBA、2PCAPA、NPB(またはα−NPD)、TPD、DFLDPBi、BSPBなどの芳香族アミン化合物を用いることができる。
第5の層415は、電子輸送性の高い物質を含む層であり、実施の形態1で示したものと同様なものを用いることができる。
第6の層416は、電子注入性の高い物質を含む層であり、実施の形態1で示したものと同様なものを用いることができる。
また、EL層の形成方法としては、乾式法、湿式法を問わず、種々の方法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法など用いても構わない。また各電極または各層ごとに異なる成膜方法を用いて形成しても構わない。
例えば、上述した材料のうち、高分子化合物を用いて湿式法でEL層を形成してもよい。または、低分子の有機化合物を用いて湿式法で形成することもできる。また、低分子の有機化合物を用いて真空蒸着法などの乾式法を用いてEL層を形成してもよい。
また、電極についても、ゾル−ゲル法を用いて湿式法で形成しても良いし、金属材料のペーストを用いて湿式法で形成してもよい。また、スパッタリング法や真空蒸着法などの乾式法を用いて形成しても良い。
以下、具体的な発光素子の形成方法を示す。本発明の発光素子を表示装置に適用し、発光層を塗り分ける場合には、発光層は湿式法により形成することが好ましい。発光層をインクジェット法を用いて形成することにより、大型基板であっても発光層の塗り分けが容易となる。
例えば、図5(A)に示した構成において、第1の電極を乾式法であるスパッタリング法、第1の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第2の層を乾式法である真空蒸着法、第3の層を湿式法であるインクジェット法、第4の層を乾式法である共蒸着法、第5の層および第6の層を乾式法である真空蒸着法、第2の電極を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法を用いて形成してもよい。
また、第1の電極を湿式法であるインクジェット法、第1の層を乾式法である真空蒸着法、第2の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第3の層を湿式法であるインクジェット法、第4の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第5の層および第6の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第2の電極を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法を用いて形成してもよい。なお、上記の方法に限らず、湿式法と乾式法を適宜組み合わせればよい。
さらに具体的には、例えば、図5(A)に示した構成の場合、第1の電極を乾式法であるスパッタリング法、第1の層および第2の層を乾式法である真空蒸着法、第3の層を乾式法である共蒸着法、発光層である第4の層を湿式法であるインクジェット法、第5の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第6の層を設けず、第2の電極を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法により形成することができる。
つまり、第1の電極から第3の層までを乾式法で形成し、第4の層から第2の電極までを湿式法で形成することができる。この方法では、第1の電極から第3の層までを真空一貫で形成することができ、第4の層から第2の電極までを大気圧中で形成することができる。また、第4の層の塗り分けも容易である。よって、工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
また、図6(A)に示した構成の場合、上記の方法とは逆の順番で、第2の電極を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第6の層から第5の層を湿式法であるインクジェット法やスピンコート法、第4の層を湿式法であるインクジェット法、第3の層を乾式法である共蒸着法、第2の層および第1の層を乾式法である真空蒸着法、第1の電極を乾式法である真空蒸着法により形成することができる。この方法では、第2の電極から第4の層までを大気圧中で形成し、第3の層から第1の電極までを乾式法により真空一貫で形成することができる。よって、工程を簡略化し、生産性を向上させることができる。
以上のような構成を有する本発明の発光素子は、第1の電極402と第2の電極404との間に生じた電位差により電流が流れ、EL層403において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。
発光は、第1の電極402または第2の電極404のいずれか一方または両方を通って外部に取り出される。従って、第1の電極402または第2の電極404のいずれか一方または両方は、透光性を有する電極である。
第1の電極402のみが透光性を有する電極である場合、図7(A)に示すように、発光は第1の電極402を通って基板側から取り出される。また、第2の電極404のみが透光性を有する電極である場合、図7(B)に示すように、発光は第2の電極404を通って基板と逆側から取り出される。第1の電極402および第2の電極404がいずれも透光性を有する電極である場合、図7(C)に示すように、発光は第1の電極402および第2の電極404を通って、基板側および基板と逆側の両方から取り出される。
なお、第1の電極402と第2の電極404との間に設けられる層の構成は、上記のものには限定されない。すなわち、本発明及び本実施の形態においては、発光領域と金属とが近接することによって生じる消光を防ぐように、第1の電極402および第2の電極404から離れた部位に正孔と電子とが再結合する発光領域を設けた構成であり、キャリアの移動を制御する層を有する構成であれば、上記以外のものでもよい。
つまり、層の積層構造については特に限定されず、電子輸送性の高い物質または正孔輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、正孔注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等から成る層と、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層および発光層を適宜組み合わせて構成すればよい。
なお、本実施の形態で示すキャリアの移動を制御する層は、正孔の移動を制御するものであるため、発光層よりも陽極として機能する電極側に設けることが好ましい。
例えば、図5(B)に示すように、発光機能を担う第4の層414と、キャリアの移動を制御する層である第3の層413との間に、正孔輸送性の高い物質を含む第7の層417を設けてもよい。
より好ましくは、キャリアの移動を制御する層は発光層と接するように設けることが望ましい。キャリアの移動を制御する層を発光層と接するように設けることにより、発光層への正孔注入を直接制御できるため、発光層内におけるキャリアバランスの経時変化をより抑制することができ、素子寿命向上に関してより大きな効果が得られる。また、正孔輸送性の高い物質を含む第7の層を設けることがないので、プロセス的にも簡便となる。
なお、キャリアの移動を制御する層を発光層と接するよう設ける場合には、キャリアの移動を制御する層に含まれる第1の有機化合物と、発光層に多く含まれている有機化合物とは、異なる有機化合物であることが好ましい。特に、発光層の構成が、発光性の高い物質を分散させる物質(第3の有機化合物)と、発光性の高い物質(第4の有機化合物)とを含む場合、第3の有機化合物と、第1の有機化合物とは、異なる有機化合物であることが好ましい。このような構成により、キャリア(本実施の形態においては正孔)の移動が、第1の有機化合物と第3の有機化合物との間においても抑制され、キャリアの移動を制御する層を設ける効果がより高くなる。
また、図6(A)に示す発光素子は、基板401上に、陰極として機能する第2の電極404、EL層403、陽極として機能する第1の電極402とが順に積層された構成となっている。EL層403は、第1の層411、第2の層412、第3の層413、第4の層414、第5の層415、第6の層416を有する。第3の層413は、第4の層414よりも陽極として機能する第1の電極側に設けられている。
本発明の発光素子は、キャリアの移動を制御する層を有している。キャリアの移動を制御する層は、2種類以上の物質を含むため、物質の組み合わせや混合比や膜厚などを制御することにより、キャリアバランスを精密に制御することが可能である。
また、物質の組み合わせや混合比、膜厚などの制御でキャリアバランスを制御することが可能であるから、従来よりも容易にキャリアバランスの制御が可能となる。つまり、用いる材料そのものの物性を変化させなくても、混合比や膜厚等を制御することにより、キャリアの移動を制御することができる。
また、キャリアの移動を制御する層を用いてキャリアバランスを向上させることにより、発光素子の発光効率を向上させることができる。
さらに、キャリアの移動を制御する層を用いることにより、過剰の正孔が注入されることや、発光層を突き抜けて電子輸送層や電子注入層へ正孔が達することを抑制することができる。電子輸送層や電子注入層へ正孔が達してしまうと、発光層内で再結合する確率が低下してしまい(すなわちキャリアバランスが崩れてしまい)、経時的な発光効率の低下を招いてしまう。つまり、発光素子の寿命が短くなってしまう。
しかし、本実施の形態で示すように、キャリアの移動を制御する層を用いることにより、過剰の正孔が注入されることや、発光層を突き抜けて電子輸送層や電子注入層へ正孔が達することを抑制し、発光効率の低下を抑制することができる。つまり、長寿命の発光素子を得ることができる。
また、キャリアの移動を制御する層に含まれる2種類以上の物質のうち、第1の有機化合物よりも少なく含まれている第2の有機化合物を用いてキャリアの移動を制御している。よって、キャリアの移動を制御する層に含まれている成分のうち少ない成分でキャリアの移動を制御することが可能であるから、経時劣化しにくく、発光素子の長寿命化を実現することができる。つまり、単一物質によりキャリアバランスを制御する場合に比べ、キャリアバランスの変化が起きにくい。
例えば、単一物質により形成された層でキャリアの移動を制御する場合には、部分的なモルフォロジーの変化や、部分的な結晶化により、層全体のバランスが変化してしまう。そのため、経時劣化しやすい。しかし、本実施の形態で示すように、キャリアの移動を制御する層に含まれている成分のうち少ない成分でキャリアの移動を制御することにより、モルフォロジーの変化や結晶化、凝集等の影響が小さくなり、経時劣化が起きにくい。よって、経時的な発光効率の低下が起こりにくい長寿命の発光素子を得ることができる。
本実施の形態で示したように、キャリアの移動を制御する層を、発光層と陽極として機能する第1の電極との間に設ける構成は、正孔過多の発光素子に適用すると特に有効である。例えば、発光層が正孔輸送性であり、第1の電極から注入された正孔が発光層を突き抜けてしまう割合が経時的に増加していく恐れがあるような場合において、本実施の形態で示した構成を適用すると特に有効である。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。例えば、発光層と陽極として機能する第1の電極との間に、正孔の移動を制御する層を設け、発光層と陰極として機能する第2の電極との間に、電子の移動を制御する層を設けてもよい。
すなわち、このようにすることにより、発光層の両側に、キャリアの移動を制御する層を設けることもでき、発光層の両側において、電極から離れた部位でキャリアの再結合が行われるようになり、より好ましい。
その結果、発光層の両側において、キャリアの移動を制御することにより、より一層モルフォロジーの変化や結晶化、凝集等の影響が小さくなり、経時劣化が起きにくく、経時的な発光効率の低下が起こりにくい長寿命の発光素子を得ることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、本発明に係る複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子の態様を示すものであり、それについて、図9を参照して説明する。この発光素子は、第1の電極と第2の電極との間に、複数の発光ユニットを有する積層型発光素子である。発光ユニットとしては、実施の形態1で示したEL層203や実施の形態2で示したEL層403と同様な構成を用いることができる。つまり、実施の形態1や実施の形態2で示した発光素子は、1つの発光ユニットを有する発光素子であり、本実施の形態では、複数の発光ユニットを有する発光素子について説明する。
図9において、第1の電極501と第2の電極502との間には、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512が積層されており、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512との間には電荷発生層513が設けられている。第1の電極501と第2の電極502は実施の形態1と同様なものを適用することができる。また、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512は同じ構成であっても異なる構成であってもよく、その構成は実施の形態1及び実施の形態2と同様なものを適用することができる。
電荷発生層513には、有機化合物と金属酸化物の複合材料が含まれている。この有機化合物と金属酸化物の複合材料は、実施の形態1で示した複合材料であり、有機化合物とバナジウム酸化物やモリブデン酸化物やタングステン酸化物等の金属酸化物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が10-6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物と金属酸化物の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。
なお、電荷発生層513は、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と他の材料とを組み合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
いずれにしても、第1の発光ユニット511と第2の発光ユニット512に挟まれる電荷発生層513は、第1の電極501と第2の電極502に電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図9において、第1の電極の電位の方が第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層513は、第1の発光ユニット511に電子を注入し、第2の発光ユニット512に正孔を注入するものであればよい。
本実施の形態では、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。本実施の形態に係る発光素子のように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現できる。また、照明を応用例とした場合は、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一発光が可能となる。また、低電圧駆動が可能で消費電力が低い発光装置を実現することができる。
また、それぞれの発光ユニットの発光色を異なるものにすることで、発光素子全体として、所望の色の発光を得ることができる。例えば、2つの発光ユニットを有する発光素子において、第1の発光ユニットの発光色と第2の発光ユニットの発光色を補色の関係になるようにすることで、発光素子全体として白色発光する発光素子を得ることも可能である。なお、補色とは、混合すると無彩色になる色同士の関係をいう。つまり。補色の関係にある色を発光する物質の発光を混合すると、白色発光を得ることができる。また、3つの発光ユニットを有する発光素子の場合でも同様であり、例えば、第1の発光ユニットの発光色が赤色であり、第2の発光ユニットの発光色が緑色であり、第3の発光ユニットの発光色が青色である場合、発光素子全体としては、白色発光を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態は、本発明の発光素子を有する発光装置を示すものであり、それについて説明する。
本実施の形態では、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図10を用いて説明する。なお、図10(A)は、発光装置を示す上面図、図10(B)は図10(A)をA−A’およびB−B’で切断した断面図である。
点線で示された601は駆動回路部(ソース側駆動回路)、602は画素部、603は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。さらに、604は封止基板、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
また、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図10(B)を用いて説明する。素子基板610上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と、画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はNチャネル型TFT623とPチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、画素部と同一の基板上に駆動回路を形成したドライバ一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を画素部と同一の基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と、電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆って絶縁物614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物614として、光の照射によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光の照射によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、第1の電極613に用いる材料としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。第1の電極を陽極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。
例えば、珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層膜、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等の積層膜を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616は、実施の形態1及び実施の形態2で示したキャリアの移動を制御する層および発光層を有している。また、EL層616を構成する他の材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。また、EL層に用いる材料としては、有機化合物だけでなく、無機化合物を用いてもよい。
また、第2の電極617に用いる材料としては、さまざまな金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物を用いることができる。第2の電極を陰極として用いる場合には、その中でも、仕事関数の小さい(仕事関数3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。例えば、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)等が挙げられる。
なお、EL層616で生じた光を第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(酸化インジウム−酸化スズ(ITO)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム(IWZO)等)との積層を用いることも可能である。
さらに、本実施の形態の発光装置では、素子基板610はシール材605で封止基板604と貼り合わされており、それにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の発光素子を有する発光装置を得ることができる。
このようにして得られる本発明の発光装置は、長寿命の発光素子を有しているため、長寿命である。
また、本発明の発光素子は発光効率の高い発光素子であるため、高輝度の発光が可能であり、消費電力が低減された発光装置を得ることができる。
以上のように、本実施の形態では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の発光装置について示しており、それに関し説明した。しかし、本発明の発光素子は、トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させるパッシブマトリクス型の発光装置とすることもでき、その場合の構造について図11に図示する。その図11には、本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の発光装置について斜視図および断面図を示す。なお、図11(A)は、発光装置を示す斜視図、図11(B)は図11(A)をX−Yで切断した断面図である。図11において、基板951上には、電極952と電極956との間にはEL層955が設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。
そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。また、パッシブマトリクス型の発光装置においても、寿命の長い本発明の発光素子を含むことによって、寿命の長い発光装置を得ることができる。また、発光効率が高い本発明の発光素子を含むことによって、消費電力の低減された発光装置を得ることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態は、実施の形態4に示す発光装置をその一部に含む本発明の電子機器を示すものであり、それについて説明する。本発明の電子機器は、実施の形態1ないし実施の形態3で示した発光素子を有し、寿命の長い表示部を有する。また、発光効率の高い発光素子を有するため、消費電力の低減された表示部を得ることができる。
本発明の発光装置を用いて作製された電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図12に示す。
図12(A)は本発明に係るテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置において、表示部9103は、実施の形態1ないし実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、寿命が長いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9103も同様の特徴を有するため、このテレビ装置は寿命が長いという特徴を有している。つまり、長時間の使用に耐えうるテレビ装置を提供することができる。また、発光効率が高い発光素子を有するため、消費電力の低減された表示部を有するテレビ装置を得ることができる。
図12(B)は本発明に係るコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。このコンピュータにおいて、表示部9203は、実施の形態1ないし実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、寿命が長いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9203も同様の特徴を有するため、このコンピュータは寿命が長いという特徴を有している。つまり、長時間の使用に耐えうるコンピュータを提供することができる。また、発光効率が高い発光素子を有するため、消費電力の低減された表示部を有するコンピュータを得ることができる。
図12(C)は本発明に係る携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話において、表示部9403は、実施の形態1ないし実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、寿命が長いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9403も同様の特徴を有するため、この携帯電話は寿命が長いという特徴を有している。つまり、長時間の使用に耐えうる携帯電話を提供することができる。また、発光効率が高い発光素子を有するため、消費電力の低減された表示部を有する携帯電話を得ることができる。
図12(D)は本発明に係るカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このカメラにおいて、表示部9502は、実施の形態1ないし実施の形態3で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、寿命が長いという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9502も同様の特徴を有するため、このカメラは寿命が長いという特徴を有している。つまり、長時間の使用に耐えうるカメラを提供することができる。また、発光効率が高い発光素子を有するため、消費電力の低減された表示部を有するカメラを得ることができる。
以上の様に、本発明の発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明の発光装置を用いることにより、長時間の使用に耐えうる、寿命の長い表示部を有する電子機器を提供することが可能となる。また、消費電力の低減された表示部を有する電子機器を得ることができる。
また、本発明の発光装置は、照明装置として用いることもできる。本発明の発光素子を照明装置として用いる一態様を、図13を用いて説明する。
図13は、本発明の発光装置をバックライトとして用いた液晶表示装置の一例である。図13に示した液晶表示装置は、筐体901、液晶層902、バックライト903、筐体904を有し、液晶層902は、ドライバIC905と接続されている。また、バックライト903は、本発明の発光装置が用いられおり、端子906により、電流が供給されている。
本発明の発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、寿命の長いバックライトが得られる。また、本発明の発光装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。さらに、本発明の発光装置は薄型で低消費電力であるため、表示装置の薄型化、低消費電力化も可能となる。また、発光効率の高い発光素子を有しているため、高輝度の発光が可能な発光装置を得ることができる。また、本発明の発光装置は長寿命であるため、寿命の長い液晶表示装置を得ることができる。
図14は、本発明を適用した発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例である。図14に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として、本発明の発光装置が用いられている。本発明の発光装置は長寿命であるため、電気スタンドも長寿命である。
図15は、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた例である。本発明の発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、本発明の発光装置は、長寿命であるため、長寿命の照明装置として用いることが可能となる。
このように、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた部屋に、図12(A)で説明したような、本発明に係るテレビ装置3002を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。このような場合、両装置は長寿命であるので、照明装置やテレビ装置の買い換え回数を減らすことができ、環境への負荷を低減することができる。
本実施例では、図16に積層構造を示す本発明の発光素子の作製例及び作製された発光素子の特性について具体的に説明する。また、特性については測定結果を示す図を用いて具体的に説明する。なお、実施例1で用いる有機化合物の構造式を以下に示す。
Figure 0005594928
(発光素子1の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
続いて、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した。
次いで、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2212を形成した。
その後、正孔輸送層2212上に、発光層2213を形成した。その際には、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、発光層2213を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節した。
さらに、発光層2213上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)とN,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2214を10nmの膜厚で形成した。ここで、AlqとDPQdとの重量比は、1:0.003(=Alq:DPQd)となるように蒸着レートを調節した。
次いで、抵抗加熱による蒸着法を用いて、キャリアの移動を制御する層2214上にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2215を形成した。
その後、電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子1を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子1を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子1の電流密度−輝度特性を図17に示す。また、電圧−輝度特性を図18に示す。また、輝度−電流効率特性を図19に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図20に示す。
また、発光素子1に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図21に示す(縦軸は、5000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
発光素子1は、輝度5000cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.30、y=0.64)であり、2PCAPAに由来する緑色の発光を示した。また、輝度5000cd/m2のときの電流効率は14cd/Aであり、駆動電圧は8.1Vであった。
さらに、発光素子1に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、740時間後でも初期輝度の93%の輝度を保っており、長寿命な発光素子であることがわかった。
(比較発光素子2の作製)
次に、比較のため、上述した発光素子1のキャリアの移動を制御する層2214を設けない構成の比較発光素子2を作製した。作製方法を以下に示す。まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した後、第1の電極上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
続いて、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層を形成した。
その後、正孔輸送層上に、発光層を形成した。その際には9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、発光層を40nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節した。
次いで、抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層上にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層を形成した。つまり、発光素子1とは異なり、キャリアの移動を制御する層を設けず、発光層上に電子輸送層を形成した。
その後、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極を形成し、比較発光素子2を作製した。
以上により得られた比較発光素子2を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、比較発光素子2の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
比較発光素子2は、輝度5000cd/m2のときのCIE色度座標は(x=0.29、y=0.62)、電流効率が13cd/Aであり、発光素子1と同様、2PCAPAに由来する緑色の発光を示した。
しかしながら、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、図21に示す通り、740時間後には初期輝度の73%にまで輝度が低下しており、発光素子1よりも寿命が短かった。
よって、本発明を適用することにより、長寿命な発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、図16に積層構造を示す本発明の発光素子の作製例及び作製された発光素子の特性について具体的に説明する。また、特性については測定結果を示す図を用いて具体的に説明する。実施例2で用いる有機化合物の構造式を以下に示す。なお、実施例1で既に示した有機化合物については省略する。
Figure 0005594928
(発光素子3の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
その後、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した
次に、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
続いて、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2212を形成した。
次に、正孔輸送層2212上に、発光層2213を形成した。その際には9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、発光層2213を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節した。
さらに、発光層2213上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)とN,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2214を10nmの膜厚で形成した。ここで、AlqとDPQdとの重量比は、1:0.005(=Alq:DPQd)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、キャリアの移動を制御する層2214上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2215を形成した。
電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子3を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子3を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。発光素子3の電流密度−輝度特性を図22に示す。また、電圧−輝度特性を図23に示す。また、輝度−電流効率特性を図24に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図25に示す。
また、発光素子3に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図26に示す(縦軸は、5000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
発光素子3は、輝度5000cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.30、y=0.63)であり、2PCAPAに由来する緑色の発光を示した。また、輝度5000cd/m2のときの電流効率は13cd/Aであり、駆動電圧は5.5Vであった。
さらに、発光素子3に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、570時間後でも初期輝度の88%の輝度を保っており、長寿命な発光素子であることがわかった。
(発光素子4の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
続いて、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した。
次いで、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
その後、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2212を形成した。
次に、正孔輸送層2212上に、発光層2213を形成した。その際には、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、発光層2213を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節した。
さらに、発光層2213上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)と9,18−ジヒドロ−9,18−ジメチルベンゾ[h]ベンゾ[7,8]キノ[2,3−b]アクリジン−7,16−ジオン(略称:DMNQd−2)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2214を10nmの膜厚で形成した。ここで、AlqとDMNQd−2との重量比は、1:0.005(=Alq:DMNQd−2)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、キャリアの移動を制御する層2214上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2215を形成した。
電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子4を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子4を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子4の電流密度−輝度特性は図27に示す。また、電圧−輝度特性は図28に示す。また、輝度−電流効率特性は図29に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルは図30に示す。
また、発光素子4に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図26に示す(縦軸は、5000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
発光素子4は、輝度5000cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.30、y=0.64)であり、2PCAPAに由来する緑色の発光を示した。また、輝度5000cd/m2のときの電流効率は17cd/Aであり、駆動電圧は4.2Vであった。
さらに、発光素子4に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、570時間後でも初期輝度の87%の輝度を保っており、長寿命な発光素子であることがわかった。
(発光素子5の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
その後、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した。
次に、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
その後、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2212を形成した。
次に、正孔輸送層2212上に、発光層2213を形成した。その際には、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、発光層2213を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節した。
さらに、発光層2213上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)とクマリン6(Coumarin6)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2214を10nmの膜厚で形成した。ここで、Alqとクマリン6との重量比は、1:0.01(=Alq:クマリン6)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、キャリアの移動を制御する層2214上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2215を形成した。
電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子5を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子5を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子5の電流密度−輝度特性を図31に示す。また、電圧−輝度特性を図32に示す。また、輝度−電流効率特性を図33に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図34に示す。
そして、発光素子5に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図26に示す(縦軸は、5000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
発光素子5は、輝度5000cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.30、y=0.63)であり、2PCAPAに由来する緑色の発光を示した。また、輝度5000cd/m2のときの電流効率は16cd/Aであり、駆動電圧は4.5Vであった。
さらに、発光素子5に関し、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、150時間後でも初期輝度の93%の輝度を保っており、長寿命な発光素子であることがわかった。
(比較発光素子6の作製)
次に、比較のため、上述した発光素子3ないし発光素子5のキャリアの移動を制御する層2214において、電子トラップ性の有機化合物を含まないようにした(すなわちAlqのみを用いて2214を形成した)以外は発光素子3ないし発光素子5と同様にして、比較発光素子6を作製した。作製方法を以下に示す。まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した後、第1の電極上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層を形成した。
その後、正孔輸送層上に、発光層を形成した。その際には、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、発光層を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節した。
次いで、発光層上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を10nmの膜厚で形成した。つまり、発光素子3ないし発光素子5とは異なり、Alqのみからなる層を形成した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、Alqのみからなる層上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層を形成した。
さらに、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極を形成し、比較発光素子6を作製した。
以上により得られた比較発光素子6を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、比較発光素子6の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
比較発光素子6は、輝度5000cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.28、y=0.64)、電流効率が18cd/Aであり、発光素子3ないし発光素子5と同様、2PCAPAに由来する緑色の発光を示した。しかしながら、初期輝度を5000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、図26に示す通り、260時間後には初期輝度の75%にまで輝度が低下しており、発光素子3ないし発光素子5よりも寿命が短かった。
以上のことから、本発明を適用することにより、長寿命な発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、実施例1及び実施例2で作製した、発光素子1、発光素子3及び発光素子5においてキャリアの移動を制御する層に用いた、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)及びクマリン6の還元反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。また、その測定から、Alq、DPQd、クマリン6のLUMO準位を求めた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用いた。
CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象を1mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温(20〜25℃)で行った。
(参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーの算出)
まず、本実施例3で用いる参照電極(Ag/Ag+電極)の真空準位に対するポテンシャルエネルギー(eV)を算出した。つまり、Ag/Ag+電極のフェルミ準位を算出した。メタノール中におけるフェロセンの酸化還元電位は、標準水素電極に対して+0.610[V vs. SHE]であることが知られている(参考文献;Christian R.Goldsmith et al., J.Am.Chem.Soc., Vol.124, No.1,83-96, 2002)。他方、本実施例3で用いる参照電極を用いて、メタノール中におけるフェロセンの酸化還元電位を求めたところ、+0.20V[vs.Ag/Ag+]であった。
してみると、本実施例3で用いる参照電極のポテンシャルエネルギーは、標準水素電極に対して0.41[eV]低くなっていることがわかった。
ここで、標準水素電極の真空準位からのポテンシャルエネルギーは−4.44eVであることが知られている(参考文献;大西敏博・小山珠美著、高分子EL材料(共立出版)、p.64−67)。以上のことから、本実施例3で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.44−0.41=−4.85[eV]であると算出できた。
(測定例1;Alq)
本測定例1では、Alqの還元反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図35に示す。なお、還元反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.69Vから−2.40Vまで走査した後、−2.40Vから−0.69Vまで走査することにより行った。
図35に示すように、還元ピーク電位Epcは−2.20V、酸化ピーク電位Epaは−2.12Vと読み取ることができる。したがって、半波電位(EpcとEpaの中間の電位)は−2.16Vと算出できる。このことは、Alqは−2.16V[vs.Ag/Ag+]の電気エネルギーにより還元されることを示しており、このエネルギーはLUMO準位に相当する。ここで、上述した通り、本実施例3で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.85[eV]であるため、AlqのLUMO準位は、−4.85−(−2.16)=−2.69[eV]であることがわかった。
(測定例2;DPQd)
本測定例2では、DPQdの還元反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図36に示す。なお、還元反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.40Vから−2.10Vまで走査した後、−2.10Vから−0.40Vまで走査することにより行った。また、DPQdは溶解性が悪く、1mmol/Lの濃度となるように溶液を調製しようとしても溶け残りが生じたため、溶け残りが沈殿した状態で上澄み液を採取し、測定に使用した。
図36に示すように、還元ピーク電位Epcは−1.69V、酸化ピーク電位Epaは−1.63Vと読み取ることができる。したがって、半波電位(EpcとEpaの中間の電位)は−1.66Vと算出できる。このことは、DPQdは−1.66V[vs.Ag/Ag+]の電気エネルギーにより還元されることを示しており、このエネルギーはLUMO準位に相当する。ここで、上述した通り、本実施例3で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.85[eV]であるため、DPQdのLUMO準位は、−4.85−(−1.66)=−3.19[eV]であることがわかった。
なお、上述のようにして求めたAlqとDPQdのLUMO準位を比較すると、DPQdのLUMO準位はAlqよりも0.50[eV]も低いことがわかる。このことは、DPQdをAlq中に添加することにより、DPQdが電子トラップとして作用することを意味する。したがって、本発明の発光素子の第2の層において、第2の有機化合物としてDPQdを、第1の有機化合物としてAlqを用いた実施例1および実施例2の素子構造は、本発明に好適な構造である。
なお、発光素子4で用いた9,18−ジヒドロ−9,18−ジメチルベンゾ[h]ベンゾ[7,8]キノ[2,3−b]アクリジン−7,16−ジオン(略称:DMNQd−2)は溶解性が極端に悪く、CV測定ができなかった。しかしながら、DMNQd−2はDPQdと同様のキナクリドン誘導体であるため、分子骨格内にカルボニル基を有しており、強い電子トラップ性を有する。したがって、DMNQd−2はDPQdと同様の物性を有していると考えられる。
(測定例3;クマリン6)
本測定例3では、クマリン6の還元反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図37に示す。なお、還元反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.31Vから−2.00Vまで走査した後、−2.00Vから−0.31Vまで走査することにより行った。
図37に示すように、還元ピーク電位Epcは−1.85V、酸化ピーク電位Epaは−1.77Vと読み取ることができる。したがって、半波電位(EpcとEpaの中間の電位)は−1.81Vと算出できる。このことは、クマリン6は−1.81V[vs.Ag/Ag+]の電気エネルギーにより還元されることを示しており、このエネルギーはLUMO準位に相当する。ここで、上述した通り、本実施例3で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.85[eV]であるため、クマリン6のLUMO準位は、−4.85−(−1.81)=−3.04[eV]であることがわかった。
なお、上述のようにして求めたAlqとクマリン6のLUMO準位を比較すると、クマリン6のLUMO準位はAlqよりも0.35[eV]も低いことがわかる。このことは、クマリン6をAlq中に添加することにより、クマリン6が電子トラップとして作用することを意味する。したがって、本発明の発光素子のキャリアの移動を制御する層において、第2の有機化合物としてクマリン6を、第1の有機化合物としてAlqを用いた実施例2の素子構造は、本発明に好適な構造である。
本実施例では、図16に積層構造を示す本発明の発光素子の作製例及び作製された発光素子の特性について具体的に説明する。また、特性については測定結果を示す図を用いて具体的に説明する。
(発光素子7の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
続いて、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2212を形成した。
その後、正孔輸送層2212上に、発光層2213を形成した。その際には、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、発光層2213を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節した。
さらに、発光層2213上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)とN,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2214を10nmの膜厚で形成した。ここで、AlqとDPQdとの重量比は、1:0.002(=Alq:DPQd)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、キャリアの移動を制御する層2214上にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2215を形成した。
電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子7を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子7を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子7の電流密度−輝度特性を図38に示す。また、電圧−輝度特性を図39に示す。また、輝度−電流効率特性を図40に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図41に示す。
また、発光素子7に関し、初期輝度を1000cd/m2として、80℃における定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図42に示す(縦軸は、1000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
発光素子7は、輝度1040cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.28、y=0.65)であり、2PCAPAに由来する緑色の発光を示した。また、輝度1040cd/m2のときの電流効率は16cd/Aであり、駆動電圧は5.4Vであり、パワー効率は9.1lm/Wであった。
さらに、発光素子7に関し、初期輝度を1000cd/m2として、80℃における定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、1000時間後でも初期輝度の96%の輝度を保っており、1700時間後でも初期輝度の94%の輝度を保っていることがわかった。つまり、80℃という高温環境下でも非常に長寿命である発光素子を得ることができた。
よって、本発明を適用することにより、長寿命な発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、図16に積層構造を示す、実施例4とは別の本発明の発光素子の作製例及び作製された発光素子の特性について具体的に説明する。また、特性については測定結果を示す図を用いて具体的に説明する。
(発光素子8の作製)
まず、ガラス基板2201上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2202を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次いで、第1の電極2202が形成された面が下方となるように、第1の電極2202が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2202上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2211を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2212を形成した。
その後、正孔輸送層2212上に、発光層2213を形成した。その際には、9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)とN−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)とを共蒸着することにより、発光層2213を30nmの膜厚で形成した。ここで、CzPAと2PCAPAとの重量比は、1:0.05(=CzPA:2PCAPA)となるように蒸着レートを調節した。
さらに、発光層2213上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)とN,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2214を10nmの膜厚で形成した。ここで、AlqとDPQdとの重量比は、1:0.002(=Alq:DPQd)となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、キャリアの移動を制御する層2214上にバソフェナントロリン(略称:BPhen)を30nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2215を形成した。
電子輸送層2215上に、フッ化リチウム(LiF)を1nmの膜厚となるように成膜することにより、電子注入層2216を形成した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2204を形成し、発光素子8を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子8を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子8の電流密度−輝度特性を図43に示す。また、電圧−輝度特性を図44に示す。また、輝度−電流効率特性を図45に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図46に示す。
また、発光素子8に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図47に示す(縦軸は、1000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
発光素子8は、輝度1440cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.27、y=0.65)であり、2PCAPAに由来する緑色の発光を示した。また、輝度1440cd/m2のときの電流効率は17cd/Aであり、駆動電圧は3.8Vであり、パワー効率は14lm/Wであった。
さらに、発光素子8に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、3300時間後でも初期輝度の99%の輝度を保っており、非常に長寿命な発光素子であることがわかった。
よって、本発明を適用することにより、長寿命な発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、図48に積層構造を示す、実施例4及び5とは別の本発明の発光素子の作製例及び作製された発光素子の特性について具体的に説明する。なお、特性については測定結果を示す図を用いて具体的に説明する。
また、実施例6における発光素子9の作製で用いる有機化合物の構造式を以下に示す。なお、他の実施例で既に示した有機化合物については省略する。
Figure 0005594928
(発光素子9の作製)
まず、ガラス基板2401上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2402を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
続いて、第1の電極2402が形成された面が下方となるように、第1の電極2402が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した。
その後、第1の電極2402上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層2411を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2412を形成した。
さらに、正孔輸送層2412上に、2,3−ビス{4−[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]フェニル}キノキサリン(略称:BPAPQ)と4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2413を10nmの膜厚で形成した。ここで、BPAPQとDNTPDとの重量比は、1:0.1(=BPAPQ:DNTPD)となるように蒸着レートを調節した。
次いで、キャリアの移動を制御する層2413上に、発光層2414を形成した。2,3−ビス{4−[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]フェニル}キノキサリン(略称:BPAPQ)と(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))とを共蒸着することにより、発光層2414を20nmの膜厚で形成した。ここで、BPAPQとIr(Fdpq)2(acac)との重量比は、1:0.07(=BPAPQ:Ir(Fdpq)2(acac))となるように蒸着レートを調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2414上にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を10nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2415を形成した。
電子輸送層2415上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)とリチウム(Li)とを共蒸着することにより、電子注入層2416を50nmの膜厚で形成した。ここで、AlqとLiとの重量比は、1:0.01(=Alq:Li)となるように蒸着レートを調節した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2404を形成し、発光素子9を作製した。
以上により得られた本発明の発光素子9を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子9の電流密度−輝度特性を図49に示す。また、電圧−輝度特性を図50に示す。また、輝度−電流効率特性を図51に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図52に示す。また、発光素子9に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図53に示す(縦軸は、1000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
発光素子9は、輝度1060cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.70、y=0.30)であり、Ir(Fdpq)2(acac)に由来する赤色の発光を示した。また、輝度1060cd/m2のときの電流効率は4.7cd/Aであり、駆動電圧は6.2Vであり、パワー効率は2.4lm/Wであった。
さらに、発光素子9に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、2400時間後でも初期輝度の74%の輝度を保っており、長寿命な発光素子であることがわかった。
(発光素子10の作製)
発光素子10は、発光素子9のキャリアの移動を制御する層2413を、2,3−ビス{4−[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]フェニル}キノキサリン(略称:BPAPQ)と4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1−TNATA)とを用いて形成した。
つまり、正孔輸送層2412上に、2,3−ビス{4−[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]フェニル}キノキサリン(略称:BPAPQ)と4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1−TNATA)とを共蒸着することにより、キャリアの移動を制御する層2413を10nmの膜厚で形成した。ここで、BPAPQと1−TNATAとの重量比は、1:0.1(=BPAPQ:1−TNATA(これについては以下に構造式を示す))となるように蒸着レートを調節した。なお、キャリアの移動を制御する層2413以外は発光素子9と同様に作製した。
Figure 0005594928
以上により得られた本発明の発光素子10を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、これらの発光素子の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
発光素子10の電流密度−輝度特性を図54に示す。また、電圧−輝度特性を図55に示す。また、輝度−電流効率特性を図56に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図57に示す。また、発光素子10に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図58に示す(縦軸は、1000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
発光素子10は、輝度960cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.70、y=0.30)であり、Ir(Fdpq)2(acac)に由来する赤色の発光を示した。また、輝度960cd/m2のときの電流効率は5.1cd/Aであり、駆動電圧は7.0Vであり、パワー効率は2.3lm/Wであった。
さらに、発光素子10に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、1100時間後でも初期輝度の84%の輝度を保っており、長寿命な発光素子であることがわかった。
(比較発光素子11の作製)
次に、比較のため、上述した発光素子9及び発光素子10のキャリアの移動を制御する層2413を設けない構成の比較発光素子11を作製した。作製方法を以下に示す。まず、ガラス基板上に、酸化珪素を含む酸化インジウム−酸化スズをスパッタリング法にて成膜し、第1の電極を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
続いて、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した後、第1の電極上に、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)と酸化モリブデン(VI)とを共蒸着することにより、複合材料を含む層を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデン(VI)の比率は、重量比で4:1=(NPB:酸化モリブデン)となるように蒸着レートを調節した。
その後、抵抗加熱を用いた蒸着法により、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)を10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、発光層を形成した。2,3−ビス{4−[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]フェニル}キノキサリン(略称:BPAPQ)と(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))とを共蒸着することにより、発光層を30nmの膜厚で形成した。ここで、BPAPQとIr(Fdpq)2(acac)との重量比は、1:0.07(=BPAPQ:Ir(Fdpq)2(acac))となるように蒸着レートを調節した。つまり、発光素子9および発光素子10とは異なり、キャリアの移動を制御する層を設けず、正孔輸送層上に発光層を形成した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層上にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)を10nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層を形成した。
電子輸送層上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)とリチウム(Li)とを共蒸着することにより、電子注入層を50nmの膜厚で形成した。ここで、AlqとLiとの重量比は、1:0.01(=Alq:Li)となるように蒸着レートを調節した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、アルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極を形成し、比較発光素子11を作製した。
以上により得られた比較発光素子11を、窒素雰囲気のグローブボックス内において、発光素子が大気に曝されないように封止する作業を行った後、比較発光素子2の動作特性について測定を行った。なお、測定は室温(25℃に保たれた雰囲気)で行った。
比較発光素子11の電流密度−輝度特性を図59に示す。また、電圧−輝度特性を図60に示す。また、輝度−電流効率特性を図61に示す。また、1mAの電流を流したときの発光スペクトルを図62に示す。
また、比較発光素子11に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果を図63に示す(縦軸は、1000cd/m2を100%とした時の相対輝度である)。
比較発光素子11は、輝度1140cd/m2のときのCIE色度座標が(x=0.65、y=0.34)であり、Ir(Fdpq)2(acac)に由来する赤色の発光を示した。しかしながら、図62からわかるように、発光層に接するAlqの発光が見られ、発光素子9および発光素子10に比べ、色純度が低下していることがわかる。つまり、比較発光素子11は、発光素子9および発光素子10に比べキャリアバランスが悪くなっていることが示唆される。
また、比較発光素子11の輝度1140cd/m2のときの電流効率は2.9cd/Aであり、駆動電圧は4.8Vであり、パワー効率は1.9lm/Wであった。
さらに、比較発光素子11に関し、初期輝度を1000cd/m2として、定電流駆動による連続点灯試験を行った結果、1300時間後では初期輝度の73%の輝度であり、発光素子9および発光素子10よりも寿命が短かった。
よって、本発明を適用することにより、長寿命な発光素子が得られることがわかった。
本実施例では、実施例6で作製した発光素子9におけるキャリアの移動を制御する層に用いた、2,3−ビス{4−[N−(4−ビフェニリル)−N−フェニルアミノ]フェニル}キノキサリン(略称:BPAPQ)と4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)の酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。
また、その測定から、BPAPQ、DNTPDのHOMO準位を求めた。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用いた。
CV測定は、実施例3と同様に行った。CV測定における溶液は、溶媒として脱水ジメチルホルムアミド(DMF)((株)アルドリッチ製、99.8%、カタログ番号;22705−6)を用い、支持電解質である過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(n−Bu4NClO4)((株)東京化成製、カタログ番号;T0836)を100mmol/Lの濃度となるように溶解させ、さらに測定対象を1mmol/Lの濃度となるように溶解させて調製した。また、作用電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、PTE白金電極)を、補助電極としては白金電極(ビー・エー・エス(株)製、VC−3用Ptカウンター電極(5cm))を、参照電極としてはAg/Ag+電極(ビー・エー・エス(株)製、RE5非水溶媒系参照電極)をそれぞれ用いた。なお、測定は室温(20〜25℃)で行った。
[参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーの算出]
実施例3で示した方法により、本実施例7で用いる参照電極(Ag/Ag+電極)の真空準位に対するポテンシャルエネルギー(eV)を算出した。その結果、本実施例7で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.44−0.41=−4.85[eV]であると算出できた。
(測定例4;BPAPQ)
本測定例4では、BPAPQの酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図64に示す。なお、酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.16Vから1.00Vまで走査した後、1.00Vから−0.16Vまで走査することにより行った。
図64に示すように、酸化ピーク電位Epaは0.78V、還元ピーク電位Epcは0.60Vと読み取ることができる。したがって、半波電位(EpcとEpaの中間の電位)は0.69Vと算出できる。このことは、BPAPQは0.69V[vs.Ag/Ag+]の電気エネルギーにより酸化されることを示しており、このエネルギーはHOMO準位に相当する。ここで、上述した通り、本実施例7で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.85[eV]であるため、BPAPQのHOMO準位は、−4.85−0.69=−5.54[eV]であることがわかった。
(測定例5;DNTPD)
本測定例5では、DNTPDの酸化反応特性について、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって調べた。スキャン速度は0.1V/secとした。測定結果を図65に示す。なお、酸化反応特性の測定は、参照電極に対する作用電極の電位を−0.05Vから1.20Vまで走査した後、1.20Vから−0.05Vまで走査することにより行った。
図65に示すように、酸化ピーク電位Epaは0.16V、還元ピーク電位Epcは0.26Vと読み取ることができる。したがって、半波電位(EpcとEpaの中間の電位)は0.21Vと算出できる。このことは、DPQdは0.21V[vs.Ag/Ag+]の電気エネルギーにより酸化されることを示しており、このエネルギーはHOMO準位に相当する。ここで、上述した通り、本実施例7で用いる参照電極の真空準位に対するポテンシャルエネルギーは、−4.85[eV]であるため、DPQdのHOMO準位は、−4.85−0.21=−5.06[eV]であることがわかった。
なお、上述のようにして求めたBPAPQとDNTPDのHOMO準位を比較すると、DNTPDのHOMO準位はBPAPQよりも0.48[eV]も低いことがわかる。このことは、DNTPDをBPAPQ中に添加することにより、DNTPDが正孔トラップとして作用することを意味する。したがって、本発明の発光素子の第2の層において、第2の有機化合物としてDNTPDを、第1の有機化合物としてBPAPQを用いた実施例6の素子構造は、本発明に好適な構造である。
本発明の実施の形態1の発光素子を示す図。 本発明の実施の形態1における図1とは別の積層構造を持つ発光素子を示す図。 本発明の実施の形態1の発光素子の発光の態様を示す図。 図1(A)で示した本発明の発光素子のバンド図の一例を示す図。 本発明の実施の形態2の発光素子を示す図。 本発明の実施の形態2における図5とは別の積層構造を持つ発光素子を示す図。 本発明の実施の形態2の発光素子の発光の態様を示す図。 図5(A)で示した本発明の実施の形態2の発光素子のバンド図の一例を示す図。 本発明の実施の形態3における複数の発光ユニットを積層した構成の発光素子を示す図。 本発明の実施の形態4におけるアクティブマトリクス型発光装置を示す図。 本発明の実施の形態4におけるパッシブマトリクス型発光装置を示す図。 本発明の電子機器を説明する図。 本発明の発光装置をバックライトとして用いた電子機器を示す図。 本発明の照明装置を電気スタンドとした図。 本発明の照明装置を室内照明装置とした図。 実施例の発光素子を示す図。 発光素子1の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子1の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子1の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子1の発光スペクトルを示す図。 発光素子1および比較発光素子2の定電流駆動による連続点灯試験結果を示す図。 発光素子3の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子3の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子3の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子3の発光スペクトルを示す図。 発光素子3、発光素子4、発光素子5、比較発光素子6の定電流駆動による連続点灯試験結果を示す図。 発光素子4の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子4の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子4の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子4の発光スペクトルを示す図。 発光素子5の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子5の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子5の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子5の発光スペクトルを示す図。 Alqの還元反応特性を示す図。 DPQdの還元反応特性を示す図。 クマリン6の還元反応特性を示す図。 発光素子7の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子7の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子7の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子7の発光スペクトルを示す図。 発光素子7の定電流駆動による連続点灯試験結果を示す図。 発光素子8の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子8の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子8の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子8の発光スペクトルを示す図。 発光素子8の定電流駆動による連続点灯試験結果を示す図。 実施例の発光素子を説明する図。 発光素子9の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子9の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子9の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子9の発光スペクトルを示す図。 発光素子9の定電流駆動による連続点灯試験結果を示す図。 発光素子10の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子10の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子10の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子10の発光スペクトルを示す図。 発光素子10の定電流駆動による連続点灯試験結果を示す図。 発光素子11の電流密度−輝度特性を示す図。 発光素子11の電圧−輝度特性を示す図。 発光素子11の輝度−電流効率特性を示す図。 発光素子11の発光スペクトルを示す図。 発光素子11の定電流駆動による連続点灯試験結果を示す図。 BPAPQの還元反応特性を示す図。 DNTPDの還元反応特性を示す図。
符号の説明
201 基板
202 第1の電極
203 EL層
204 第2の電極
211 第1の層
212 第2の層
213 第3の層
214 第4の層
215 第5の層
216 第6の層
217 第7の層
401 基板
402 第1の電極
403 EL層
404 第2の電極
411 第1の層
412 第2の層
413 第3の層
414 第4の層
415 第5の層
416 第6の層
417 第7の層
501 第1の電極
502 第2の電極
511 第1の発光ユニット
512 第2の発光ユニット
513 電荷発生層
601 ソース側駆動回路
602 画素部
603 ゲート側駆動回路
604 封止基板
605 シール材
607 空間
608 配線
609 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
610 素子基板
611 スイッチング用TFT
612 電流制御用TFT
613 第1の電極
614 絶縁物
616 EL層
617 第2の電極
618 発光素子
623 Nチャネル型TFT
624 Pチャネル型TFT
901 筐体
902 液晶層
903 バックライト
904 筐体
905 ドライバIC
906 端子
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 EL層
956 電極
2001 筐体
2002 光源
2201 ガラス基板
2202 第1の電極
2204 第2の電極
2211 複合材料を含む層
2212 正孔輸送層
2213 発光層
2214 キャリアの移動を制御する層
2215 電子輸送層
2216 電子注入層
2401 ガラス基板
2402 第1の電極
2404 第2の電極
2411 複合材料を含む層
2412 正孔輸送層
2413 キャリアの移動を制御する層
2414 発光層
2415 電子輸送層
2416 電子注入層
3001 照明装置
3002 テレビ装置
9101 筐体
9102 支持台
9103 表示部
9104 スピーカー部
9105 ビデオ入力端子
9201 本体
9202 筐体
9203 表示部
9204 キーボード
9205 外部接続ポート
9206 ポインティングデバイス
9401 本体
9402 筐体
9403 表示部
9404 音声入力部
9405 音声出力部
9406 操作キー
9407 外部接続ポート
9408 アンテナ
9501 本体
9502 表示部
9503 筐体
9504 外部接続ポート
9505 リモコン受信部
9506 受像部
9507 バッテリー
9508 音声入力部
9509 操作キー
9510 接眼部

Claims (9)

  1. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層とキャリアの移動を制御する層とを有し、
    前記キャリアの移動を制御する層は、第1の有機化合物と、第2の有機化合物とを有し、
    前記キャリアの移動を制御する層は、前記発光層と前記第2の電極との間に設けられており、
    前記第1の有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であり、
    前記第2の有機化合物は、電子トラップ性の有機化合物であり、
    前記キャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物は0.1重量%〜5重量%の濃度で含まれており、
    前記キャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物よりも前記第1の有機化合物が多く含まれており、
    前記発光層は、第3の有機化合物を有し、
    前記第3の有機化合物は、発光性の有機化合物であり、
    前記第1の電極の電位が前記第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加することにより、発光が得られ、
    前記第2の有機化合物及び前記第3の有機化合物は、燐光材料であることを特徴とする発光素子。
  2. 第1の電極と第2の電極との間に、発光層とキャリアの移動を制御する層とを有し、
    前記キャリアの移動を制御する層は、第1の有機化合物と、第2の有機化合物とを有し、
    前記キャリアの移動を制御する層は、前記発光層と前記第2の電極との間に設けられており、
    前記第1の有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であり、
    前記第2の有機化合物は、電子トラップ性の有機化合物であり、
    前記キャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物は0.1重量%〜5重量%の濃度で含まれており、
    前記キャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物よりも前記第1の有機化合物が多く含まれており、
    前記発光層は、第3の有機化合物を有し、
    前記第3の有機化合物は、発光性の有機化合物であり、
    前記第1の電極の電位が前記第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加することにより、発光が得られ、
    前記第2の有機化合物及び前記第3の有機化合物は、燐光材料であり、
    前記第2の有機化合物の濃度は、前記第3の有機化合物の濃度よりも低いことを特徴とする発光素子。
  3. 請求項1又は2において、
    前記発光層は、前記第3の有機化合物に加えて第4の有機化合物を有し、
    前記第4の有機化合物は、前記第3の有機化合物よりも多く含まれており、
    前記第4の有機化合物は電子輸送性であることを特徴とする発光素子。
  4. 請求項3において、
    前記第1の有機化合物と前記第4の有機化合物とは異なる有機化合物であることを特徴とする発光素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項において、
    前記第2の有機化合物の発光色と、前記第3の有機化合物の発光色とは、同系色であることを特徴とする発光素子。
  6. 第1の電極と第2の電極との間に、第1の発光ユニットと電荷発生層と第2の発光ユニットとを有し、
    前記第1の発光ユニットは、第1の発光層と第1のキャリアの移動を制御する層とを有し、
    前記第1のキャリアの移動を制御する層は、第1の有機化合物と、第2の有機化合物とを有し、
    前記第1のキャリアの移動を制御する層は、前記第1の発光層と前記電荷発生層との間に設けられており、
    前記第1の有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であり、
    前記第2の有機化合物は、電子トラップ性の有機化合物であり、
    前記第1のキャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物は0.1重量%〜5重量%の濃度で含まれており、
    前記第1のキャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物よりも前記第1の有機化合物が多く含まれており、
    前記第1の発光層は、第3の有機化合物を有し、
    前記第3の有機化合物は、発光性の有機化合物であり、
    前記第2の発光ユニットは、第2の発光層と第2のキャリアの移動を制御する層とを有し、
    前記第2のキャリアの移動を制御する層は、第4の有機化合物と、第5の有機化合物とを有し、
    前記第2のキャリアの移動を制御する層は、前記第2の発光層と前記第2の電極との間に設けられており、
    前記第4の有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であり、
    前記第5の有機化合物は、電子トラップ性の有機化合物であり、
    前記第2のキャリアの移動を制御する層において、前記第5の有機化合物は0.1重量%〜5重量%の濃度で含まれており、
    前記第2のキャリアの移動を制御する層において、前記第5の有機化合物よりも前記第4の有機化合物が多く含まれており、
    前記第2の発光層は、第6の有機化合物を有し、
    前記第6の有機化合物は、発光性の有機化合物であり、
    前記第1の電極の電位が前記第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加することにより、前記電荷発生層から前記第1の発光ユニットに電子が注入され、且つ、前記電荷発生層から第2の発光ユニットに正孔が注入されることにより、発光が得られ、
    前記第2の有機化合物及び前記第3の有機化合物は、燐光材料であり、
    前記第5の有機化合物及び前記第6の有機化合物は、燐光材料であることを特徴とする発光素子。
  7. 第1の電極と第2の電極との間に、第1の発光ユニットと電荷発生層と第2の発光ユニットとを有し、
    前記第1の発光ユニットは、第1の発光層と第1のキャリアの移動を制御する層とを有し、
    前記第1のキャリアの移動を制御する層は、第1の有機化合物と、第2の有機化合物とを有し、
    前記第1のキャリアの移動を制御する層は、前記第1の発光層と前記電荷発生層との間に設けられており、
    前記第1の有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であり、
    前記第2の有機化合物は、電子トラップ性の有機化合物であり、
    前記第1のキャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物は0.1重量%〜5重量%の濃度で含まれており、
    前記第1のキャリアの移動を制御する層において、前記第2の有機化合物よりも前記第1の有機化合物が多く含まれており、
    前記第1の発光層は、第3の有機化合物を有し、
    前記第3の有機化合物は、発光性の有機化合物であり、
    前記第2の発光ユニットは、第2の発光層と第2のキャリアの移動を制御する層とを有し、
    前記第2のキャリアの移動を制御する層は、第4の有機化合物と、第5の有機化合物とを有し、
    前記第2のキャリアの移動を制御する層は、前記第2の発光層と前記第2の電極との間に設けられており、
    前記第4の有機化合物は、電子輸送性の有機化合物であり、
    前記第5の有機化合物は、電子トラップ性の有機化合物であり、
    前記第2のキャリアの移動を制御する層において、前記第5の有機化合物は0.1重量%〜5重量%の濃度で含まれており、
    前記第2のキャリアの移動を制御する層において、前記第5の有機化合物よりも前記第4の有機化合物が多く含まれており、
    前記第2の発光層は、第6の有機化合物を有し、
    前記第6の有機化合物は、発光性の有機化合物であり、
    前記第1の電極の電位が前記第2の電極の電位よりも高くなるように電圧を印加することにより、前記電荷発生層から前記第1の発光ユニットに電子が注入され、且つ、前記電荷発生層から第2の発光ユニットに正孔が注入されることにより、発光が得られ、
    前記第2の有機化合物及び前記第3の有機化合物は、燐光材料であり、
    前記第5の有機化合物及び前記第6の有機化合物は、燐光材料であり、
    前記第2の有機化合物の濃度は、前記第3の有機化合物の濃度よりも低く、
    前記第5の有機化合物の濃度は、前記第6の有機化合物の濃度よりも低いことを特徴とする発光素子。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の発光素子と、前記発光素子の発光を制御する制御手段とを有する発光装置。
  9. 表示部を有し、
    前記表示部は、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の発光素子と前記発光素子の発光を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする電子機器。
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