JP2008166017A - 導電性被膜付き基材の製造方法および導電性被膜付き基材 - Google Patents

導電性被膜付き基材の製造方法および導電性被膜付き基材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、基材と導電性被膜との密着性に優れ、かつ、電気抵抗の低い導電性被膜を有する導電性被膜付き基材を効率的に得ることができる導電性被膜付き基材の製造方法を提供する。
【解決手段】導電性組成物を基材上に塗布し、多孔質の導電性被膜を形成する導電性被膜形成工程と、前記導電性被膜上にスクリーン印刷によりオーバーコート剤を塗布して、前記基材と前記導電性被膜とを接着させ、かつ、前記導電性被膜の表面にオーバーコート層と電極部とを形成して導電性被膜付き基材を得るオーバーコート工程とを具備する導電性被膜付き基材の製造方法であって、前記オーバーコート工程中に、網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行い、前記オーバーコート剤の塗布量を部分的に少なくし、前記導電性被膜の一部が表面に露出した電極部を形成する、導電性被膜付き基材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性被膜付き基材の製造方法および導電性被膜付き基材に関する。
従来、ポリエステルフィルム等の合成樹脂基材上に、銀ペースト等の導電性組成物を、スクリーン印刷等の印刷法によって、所定の回路パターンとなるように印刷し、これらを加熱して導体回路をなす導電性被膜を形成し、回路基板を製造する方法が知られている。上記製造方法において、基材と導電性被膜との密着性を得るために、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂等からなるバインダを配合した導電性組成物を用いる方法が一般的である(例えば、特許文献1〜5参照。)。
特開昭60−88027号公報 特開昭63−86205号公報 特開昭60−15474号公報 国際公開第03/085052号パンフレット 国際公開第03/051562号パンフレット
しかしながら、特許文献1〜5に記載された方法は、基材密着性を上げるために比較的多量のバインダを含有するため、得られる導電性被膜の電気抵抗が高くなるという問題がある。
上記の問題に対して、本発明者は、基材上に多孔質の導電性被膜を形成し、この導電性被膜上に接着剤を塗布すると、接着剤が導電性被膜の孔部に浸透して基材と導電性被膜との密着性を向上できるため、上記導電性被膜にバインダを配合する必要がなくなり、導電性被膜の電気抵抗を低くできることを見出した。
この方法により作製される導電性被膜付き基材としては、例えば、図1に示すように、基材2と、基材2の上に設けられた多孔質の導電性被膜3と、その孔部分に充填された接着剤(オーバーコート剤)4と、導電性被膜3の表面に酸化防止や傷防止を目的として設けられたオーバーコート層5と、導電性被膜3の一部が表面に露出した電極部6とを有する導電性被膜付き基材1が挙げられる。
このような導電性被膜付き基材1を製造する場合、通常、図2に示すように、基材2の表面に導電性被膜3を形成した後(図2(a))、基材2と導電性被膜3との密着性を確保するために導電性被膜3上に接着剤4を塗布し(図2(b))、導電性被膜3の電極部6を形成させる部分をマスクして導電性被膜の上にオーバーコートを行い、オーバーコート層5と電極部6とを形成させて、導電性被膜付き基材1を得る(図2(c))。
この方法は、導電性被膜と基材とを接着する工程と、オーバーコートを形成する工程とが別々に行われるため、手間とコストがかかるという問題がある。
そこで、本発明は、基材と導電性被膜との密着性に優れ、かつ、電気抵抗の低い導電性被膜を有する導電性被膜付き基材を効率的に得ることができる導電性被膜付き基材の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、基材と導電性被膜との密着性に優れ、かつ、電気抵抗の低い導電性被膜を有する導電性被膜付き基材を提供することを目的とする。
本発明者は、導電性組成物を基材上に塗布し、多孔質の導電性被膜を形成する導電性被膜形成工程と、上記導電性被膜上にスクリーン印刷によりオーバーコート剤を塗布して、上記基材と上記導電性被膜とを接着させ、かつ、上記導電性被膜の表面にオーバーコート層と電極部とを形成して導電性被膜付き基材を得るオーバーコート工程とを具備する導電性被膜付き基材の製造方法であって、上記オーバーコート工程中に、網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行い、上記オーバーコート剤の塗布量を部分的に少なくし、上記導電性被膜の一部が表面に露出した電極部を形成する、導電性被膜付き基材の製造方法が、基材と導電性被膜との密着性に優れ、かつ、電気抵抗の低い導電性被膜を有する導電性被膜付き基材を効率的に得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記(1)〜(11)を提供する。
(1)導電性組成物を基材上に塗布し、多孔質の導電性被膜を形成する導電性被膜形成工程と、前記導電性被膜上にスクリーン印刷によりオーバーコート剤を塗布して、前記基材と前記導電性被膜とを接着させ、かつ、前記導電性被膜の表面にオーバーコート層と電極部とを形成して導電性被膜付き基材を得るオーバーコート工程とを具備する導電性被膜付き基材の製造方法であって、
前記オーバーコート工程中に、網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行い、前記オーバーコート剤の塗布量を部分的に少なくし、前記導電性被膜の一部が表面に露出した電極部を形成する、導電性被膜付き基材の製造方法。
(2)前記導電性組成物が、酸化銀と、第二級脂肪酸銀塩とを含有する上記(1)に記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(3)前記第二級脂肪酸銀塩が、沸点が200℃以下の第二級脂肪酸を用いて得られる第二級脂肪酸銀塩である上記(2)に記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(4)前記第二級脂肪酸銀塩が、炭素原子数7以下の第二級脂肪酸銀塩であり、
前記導電性組成物が、更に、炭素原子数8以上の脂肪酸および/または炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩を含有する上記(2)に記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(5)前記導電性組成物が、更に、還元剤を含有する上記(2)〜(4)のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(6)前記多孔質の導電性被膜が、空隙率10〜80%の導電性被膜である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(7)前記オーバーコート剤が、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを含有するウレタン系接着剤である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(8)前記ポリイソシアネート化合物が、イソシアヌレート構造を有する上記(7)に記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(9)前記オーバーコート剤の23℃における粘度が、1〜1000mPa・sである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(10)前記薄塗り印刷部のスクリーン線数が30〜150lpiであり、前記薄塗り印刷部の透過率が20〜70%である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法により得られる導電性被膜付き基材。
本発明の導電性被膜付き基材の製造方法によれば、基材と導電性被膜との密着性に優れ、かつ、電気抵抗の低い導電性被膜を有する導電性被膜付き基材を効率的に得ることができる。
また、本発明の導電性被膜付き基材は、基材と導電性被膜との密着性に優れ、かつ、電気抵抗の低い導電性被膜を有する。
以下、本発明をより詳細に説明する。
図3(a)および(b)は、本発明の製造方法の一例を示す模式図である。
本発明の導電性被膜付き基材の製造方法(以下「本発明の製造方法」という。)は、導電性組成物を基材2の上に塗布し、多孔質の導電性被膜3を形成する導電性被膜形成工程(図3(a))と、導電性被膜3の上にスクリーン印刷によりオーバーコート剤を塗布して、基材2と導電性被膜3とをオーバーコート剤4で接着させ、かつ、導電性被膜3の表面にオーバーコート層5と電極部6とを形成して導電性被膜付き基材を得るオーバーコート工程(図3(b))とを具備する導電性被膜付き基材の製造方法であって、上記オーバーコート工程中に、網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行い、上記オーバーコート剤の塗布量を部分的に少なくし、導電性被膜3の一部が表面に露出した電極部6を形成する、導電性被膜付き基材の製造方法である。
以下、各工程について説明する。
<導電性被膜形成工程>
上記導電性被膜形成工程は、導電性組成物を基材上に塗布し、多孔質の導電性被膜を形成する工程である。
上記基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド等のフィルム;銅板、銅箔、ガラス、エポキシ等の基板等が挙げられる。
上記基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)またはポリイミドから形成される基材が、柔軟性に優れる点から好ましい。
上記導電性組成物は、多孔質の導電性被膜を形成できるものであれば特に限定されず、例えば、銀ペースト等の金属を含有する導電性組成物、導電性ポリマーを含有する導電性組成物等を用いることができる。上記導電性組成物としては、酸化銀と、第二級脂肪酸銀塩とを含有する導電性組成物が好適に挙げられる。
上記導電性組成物に用いられる酸化銀は、酸化銀(I)、即ち、Ag2Oである。上記酸化銀の形状は特に限定されないが、粒子径が10μm以下の粒子状であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましい。粒子径がこの範囲であると、より低温で自己還元反応が生ずるので、低温で導電性被膜を形成できる。
上記導電性組成物に用いられる第二級脂肪酸銀塩は、第二級脂肪酸と、酸化銀とを反応させて得られるものである。
上記第二級脂肪酸銀塩としては、沸点が200℃以下の第二級脂肪酸と酸化銀とを反応させて得られる第二級脂肪酸銀塩が低温で導電性被膜を形成できる点から好ましい態様の1つである。具体的には、下記式(1)で表される沸点が200℃以下の第二級脂肪酸と酸化銀とを反応させて得られるものが好適に挙げられる。
式中、R1は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表し、R2は、炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
上記式(1)中、R1の炭素原子数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。R1は、メチル基、エチル基であるのが好ましい。
また、上記式(1)中、R2の炭素原子数1〜10のアルキル基としては、上記R1の炭素原子数1〜6のアルキル基以外に、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基が挙げられる。R2は、メチル基、エチル基、n−プロピル基であるのが好ましい。
上記式(1)で表される第二級脂肪酸としては、具体的には、例えば、2−メチルプロパン酸(別名:イソ酪酸)、2−メチルブタン酸(別名:2−メチル酪酸)、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルブタン酸;アクリル酸等の不飽和脂肪酸等が挙げられる。
これらのうち、2−メチルプロパン酸であるのが、得られる第二級脂肪酸銀塩である2−メチルプロパン酸銀塩を含有する導電性組成物を用いて形成される導電性被膜の形成時間が短時間、具体的には、180℃程度の温度で数秒となる点から好ましい。
一方、上記第二級脂肪酸銀塩の反応に用いられる酸化銀は、上述した酸化銀と同様、酸化銀(I)、即ち、Ag2Oである。
上記導電性組成物に用いる第二級脂肪酸銀塩は、上記第二級脂肪酸と、酸化銀とを反応させて得られる。この反応は、下記式(2)で表される反応が進行するものであれば特に限定されないが、上記酸化銀を粉砕しつつ進行させる方法や上記酸化銀を粉砕した後に上記脂肪酸を反応させる方法が好ましい。
前者の方法としては、具体的には、上記酸化銀と、溶剤により上記脂肪酸を溶液化したものとを、ボールミル等により混練し、固体である上記酸化銀を粉砕しながら、室温で、1〜24時間程度、好ましくは2〜8時間反応させるのが好ましい。
上記式(2)中、R1〜R2は、上記式(1)中のR1〜R2と同様である。
上記脂肪酸を溶液化する溶剤としては、具体的には、例えば、ブチルカルビトール、メチルエチルケトン、イソホロン、α−テルピネオール等が挙げれる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、イソホロンおよび/またはα−テルピネオールを溶媒として用いるのが、上記反応により得られる第二級脂肪酸銀塩を含有する導電性組成物のチクソ性が良好となる点から好ましい。
また、上記第二級脂肪酸銀塩として、炭素原子数7以下の第二級脂肪酸銀塩も好適に挙げられる。第二級脂肪酸銀塩として炭素原子数7以下の第二級脂肪酸銀塩を用いる場合、上記導電性組成物は、更に、炭素原子数8以上の脂肪酸および/または炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩を含有するのが好ましい。
上記炭素原子数7以下の第二級脂肪酸銀塩としては、上述した第二級脂肪酸銀塩のうち炭素原子数7以下のものが好適に挙げられる。具体的には、2−メチルプロパン酸銀塩、2−メチルブタン酸銀塩、2−メチルペンタン酸銀塩、2−エチルブタン酸銀塩、アクリル酸銀塩がより好ましく、得られる組成物を用いて形成される導電性被膜の形成時間が短時間、具体的には180℃程度の温度で数秒(例えば5〜60秒程度)でも電気抵抗のより低い導電性被膜となりうることから、2−メチルプロパン酸銀塩が更に好ましい。
上記炭素原子数8以上の脂肪酸は、鎖状のものであり、直鎖状および分岐状のいずれでもよく、不飽和結合を有することができる。脂肪酸の炭素原子数は、チクソ性により優れるという点から、8〜22が好ましく、10〜18がより好ましい。
炭素原子数8以上の脂肪酸は、下記式(3)で表される。
3−(COOH)m (3)
上記式(3)中、R3は炭素原子数2以上の脂肪族炭化水素基であり、mは1以上の整数であり、R3の炭素原子数とmとの和が8以上である。mは、1〜4の整数であるのが好ましい。
3としての脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、2以上であり、4以上であるのが好ましく、4〜21であるのがより好ましく、6〜21が更に好ましい。
炭素原子数2以上の脂肪族炭化水素基は、特に制限されない。脂肪族炭化水素基は、鎖状であり、直鎖状および分岐状のいずれでもよく、不飽和結合を有することができる。
炭素原子数2以上の脂肪族炭化水素基としては、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基等が挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、カプリル酸(炭素原子数8、以下、この段落において[ ]内の数字は脂肪酸の炭素原子数を示す。)、カプリン酸[10]、ラウリン酸[12]、ミリスチン酸[14]、パルミチン酸[16]、ステアリン酸[18]等のモノカルボン酸含有飽和脂肪族炭化水素化合物;下記式(4)で表される化合物等の多価カルボン酸含有飽和脂肪族炭化水素化合物;オレイン酸[18]、リノール酸[18]、リノレン酸[18]、アラキドン酸[20]、エイコサペンタエン酸[20]、ドコサヘキサエン酸[22]等の不飽和脂肪酸が挙げられる。
上記脂肪酸の中でも、チクソ性により優れるという点から、モノカルボン酸含有飽和脂肪族炭化水素化合物、多価カルボン酸含有飽和脂肪族炭化水素化合物が好ましく、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、式(4)で表される化合物がより好ましい。
上記炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩は下記式(5)で表され、直鎖状および分岐状のいずれでもよく、不飽和結合を有することができる。
上記炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩の炭素原子数は、チクソ性により優れるという点から、8〜22が好ましく、10〜18がより好ましい。
4−(COOAg)n (5)
表されるものであり、R4は炭素原子数2以上の脂肪族炭化水素基であり、nは1以上の整数であり、R4の炭素原子数とnとの和が8以上である。
nは、1〜4の整数であるのが好ましい。
4としての脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、2以上であり、4以上であるのが好ましく、4〜21であるのがより好ましく、6〜21がより好ましい。
炭素原子数2以上の脂肪族炭化水素基としては、上記と同様のものが挙げられる。
上記炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩としては、例えば、カプリル酸銀塩、カプリン酸銀塩、ラウリン酸銀塩、ミリスチン酸銀塩、パルミチン酸銀塩、ステアリン酸銀塩等のモノカルボン酸含有飽和脂肪族炭化水素化合物の銀塩;上記式(4)で表される化合物の銀塩等の多価カルボン酸含有飽和脂肪族炭化水素化合物の銀塩;オレイン酸銀塩、リノール酸銀塩、リノレン酸銀塩、アラキドン酸銀塩、エイコサペンタエン酸銀塩、ドコサヘキサエン酸銀塩等の不飽和脂肪酸銀塩が挙げられる。
中でも、チクソ性により優れるという点から、モノカルボン酸含有飽和脂肪族炭化水素化合物の銀塩、多価カルボン酸含有飽和脂肪族炭化水素化合物の銀塩が好ましく、カプリン酸銀塩、ラウリン酸銀塩、ミリスチン酸銀塩、パルミチン酸銀塩、ステアリン酸銀塩、上記式(4)で表される化合物の銀塩がより好ましい。
炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩の製造方法は、特に限定されず、上記と同様の方法を用いることができる。
炭素原子数8以上の脂肪酸、炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、チクソ性により優れ、電気抵抗のより低い被膜となり得る点から、炭素原子数8以上の脂肪酸および炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩からなる群から選ばれる少なくとも2種であるのが好ましく、炭素原子数8以上の脂肪酸の中の少なくとも2種であるのがより好ましく、ステアリン酸とラウリン酸との組合せであるのが更に好ましい。
炭素原子数8以上の脂肪酸および/または炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩の量は、電気抵抗のより低い被膜となり得る点から、酸化銀と、第二級脂肪酸銀塩との合計100質量部に対して、20質量部以下であるのが好ましく、0.5〜15質量部であるのがより好ましい。
また、炭素原子数8以上の脂肪酸および/または炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩の量は、電気抵抗のより低い被膜となり、チクソ性に優れる点から、酸化銀と、第二級脂肪酸銀塩との合計質量と、炭素原子数8以上の脂肪酸および/または炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩の質量との比[(酸化銀+第二級脂肪酸銀塩)/(炭素原子数8以上の脂肪酸および/または炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩)]が、100/0.5〜100/20であるのが好ましく、100/0.5〜100/15であるのがより好ましい。
上記導電性組成物は、更に還元剤を含有するのが好ましい。上記還元剤としては、具体的には、例えば、エチレングリコール類、アクリル化合物、エポキシ化合物、α−テルピネオール等が挙げられる。
また、上記導電性組成物は、必要に応じて、金属粉を含有していてもよい。
上記金属粉としては、具体的には、例えば、銅、銀、アルミニウム等が挙げられ、中でも、銅、銀であるのが好ましい。また、0.01〜10μmの粒径の金属粉であるのが好ましい。
本発明の製造方法においては、オーバーコート剤が導電性被膜の孔部に浸透して導電性被膜と基材とを接着できるため、導電性組成物がバインダを含有しなくても優れた密着性を得ることができる。したがって、本発明の製造方法に用いられる導電性組成物としては、得られる導電性被膜の電気抵抗を低くできる点から、バインダを含有しない導電性組成物であることが好ましい。
上記導電性組成物の製造方法としては、特に限定されないが、上記酸化銀および上記肪酸銀塩ならびに所望により含有していてもよい還元剤および金属粉を、ロール、ニーダー、押出し機、万能かくはん機等により混合する方法等が挙げられる。
また、上記脂肪酸と、過剰量の上記酸化銀とを混合し、上記第二級脂肪酸銀塩を合成して、酸化銀と第二級脂肪酸銀塩とを含有する導電性組成物を製造することもできる。
上記導電性組成物は、必要に応じて上記で例示したα−テルピネオール等の溶剤を用いて溶液化された後、以下に例示する塗布方法により基材上に塗布され、硬化して、多孔質の導電性被膜を形成する。
塗布方法としては、具体的には、例えば、インクジェット、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷等が挙げられる。
上記導電性被膜形成工程において、塗布された導電性組成物を硬化させる方法は、特に限定されず、使用する導電性組成物の種類等に応じて適宜設定することができる。例えば、上記脂肪酸銀と上記第二級脂肪酸銀塩とを含有する導電性組成物を用いる場合の硬化方法としては、熱処理または光照射が挙げられ、熱処理と光照射を併用してもよい。
熱処理の条件は特に制限されないが、例えば、上記第二級脂肪酸銀塩として沸点が200℃以下の第二級脂肪酸と酸化銀とを反応させて得られる第二級脂肪酸銀塩を用いる場合は、100〜250℃の温度で、数秒〜数十分間、加熱する処理であるのが好ましく、160℃程度で、1分程度、加熱する処理であるのがより好ましい。熱処理の温度および時間がこの範囲であると、耐熱性の低い基材にも導電性被膜を形成することができる。
上記光照射は、塗布された導電性組成物に、紫外線または赤外線を照射して行う。照射時間等の条件は、適宜設定することができる。
上記塗布された導電性組成物に熱処理および/または光照射することにより、上記第二級脂肪酸銀塩が銀に分解され、分解により生じた一部の脂肪酸と酸化銀とが反応し、再び第二級脂肪酸銀塩を生成し、それが還元(銀と脂肪酸への分解)されるサイクルを繰り返すことにより導電性被膜が形成される。導電性被膜が形成される際に、上記第二級脂肪酸銀塩の分解により生じた脂肪酸またはその分解物が揮発するため、上記導電性被膜は多孔質になると考えられる。
上記により得られる導電性被膜の空隙率は、10〜80%であることが好ましく、20〜70%であることがより好ましく、30〜70%であることが更に好ましい。この範囲であれば、導電性被膜が多孔質であるため、得られる導電性被膜付き基材における導電性被膜と基材との密着性に優れ、更に、被膜の強度や導電性にも優れる。
なお、本明細書において導電性被膜の空隙率は、SEMを用い、表・断面の画像から画像処理を行い、パソコン上で計算を行うことで、空隙分散率を算出して求められる値である。
<オーバーコート工程>
オーバーコート工程は、上述した導電性被膜形成工程により得られた導電性被膜上に、スクリーン印刷によりオーバーコート剤を塗布して、基材と導電性被膜とを接着させ、かつ、導電性被膜の表面にオーバーコート層と電極部とを形成して導電性被膜付き基材を得る工程である。このオーバーコート工程では、網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行い、オーバーコート剤の塗布量を部分的に少なくし、導電性被膜の一部が表面に露出した電極部を形成する。
オーバーコート工程におけるスクリーン印刷は、スクリーン(メッシュ)として網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するものを用いる以外は、通常用いられるスクリーン印刷法により行うことができる。
上記スクリーン印刷に用いられるスクリーンは、網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するものであれば特に限定されないが、網目スクリーン(ドットスクリーン)が好ましい。
スクリーンの網目を塞ぐために用いられる乳剤は、特に制限なく公知の乳剤を使用できるが、例えば、ジアゾ系、SBQ系問わず広く一般に用いられているものが挙げられ、その供給形態は、溶液型、フィルム型のいずれでもよい。
薄塗り印刷部は、オーバーコート剤の塗布量を制限することにより、導電性被膜の表面にオーバーコート層を形成させずに該導電性被膜を露出させて、電極部を形成させる目的でスクリーンの一部に設けられる。
薄塗り印刷部の位置および大きさは、特に限定されず、形成させる電極部の位置および大きさに応じて適宜設定することができる。
薄塗り印刷部のスクリーン線数は、30〜150lpiであるのが好ましい。薄塗り印刷部のスクリーン線数がこの範囲であると、基材と導電性被膜との密着性および印刷外観に優れ、電気抵抗の上昇を抑制できる。これらの特性により優れる点から、50〜100lpiであるのがより好ましい。
なお、スクリーン線数はスクリーン上のラインの密度を表す尺度であり、スクリーン線数によって網点の密度が変化する。単位としては、lines per inch(lpi)を使用する。例えば、60lpiのスクリーンを使用した場合、1インチあたり60個の印刷ドットができる。一般に、スクリーン線数が大きくなるほど網点ひとつひとつの大きさは小さくなる。
また、上記薄塗り印刷部の透過率は、20〜70%であるのが好ましい。薄塗り印刷部の透過率がこの範囲であると、基材と導電性被膜との密着性および印刷外観に優れ、電気抵抗の上昇を抑制できる。これらの特性により優れる点から、上記薄塗り印刷部の透過率は、25〜65%であるのがより好ましい。
本明細書において透過率は、スクリーンメッシュ表面のある領域の面積に占める空隙の面積の割合(%)をいい、スクリーンメッシュを顕微鏡等で拡大観察して求められる。
上記オーバーコート工程では、上記スクリーン印刷のインクとしてオーバーコート剤を使用する。オーバーコート剤は、基材と導電性被膜とを接着させ、また、導電性被膜の表面にオーバーコート層を形成する。
上記オーバーコート剤としては、使用する基材の種類等に応じて適宜選択して用いることができる。具体的には、例えば、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤等が挙げられる。中でも、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを含有するウレタン系接着剤が、接着性に優れ、湿気により硬化することができる点から好ましい。
上記ウレタン系接着剤に用いられるポリイソシアネート化合物としては、公知のウレタン系接着剤に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート化合物が、基材密着性に優れるという点から好適に挙げられる。
また、上記オーバーコート剤としては、脂肪族第二級炭素原子または脂肪族第三級炭素原子に結合しているイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、硬化剤とを含有する接着剤組成物が、密着性に優れる点から好ましい態様の1つである。このような接着剤組成物としては、特願2005−181858号に記載された組成物を用いることができる。
上記オーバーコート剤の23℃における粘度は、1〜1000mPa・sであるのが好ましい。粘度がこの範囲であると、基材と導電性被膜との密着性および印刷外観に優れる。これらの特性により優れる点から、50〜900mPa・sであるのがより好ましい。
なお、本明細書における粘度は、JIS K7117−1に準じ、E型粘度計を用いて、23℃にて測定された値を示す。
オーバーコート工程において、オーバーコート剤が導電性被膜の上に塗布された後、上記導電性被膜の孔部を通って導電性被膜と基材との境界に到達することができるため、導電性被膜と基材とを強固に接着することができる。
また、網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行うことにより、薄塗り印刷部におけるオーバーコート剤の透過率は、スクリーンの薄塗り印刷部以外の部分(以下「厚塗り印刷部」または「厚塗り部」という。)に比べて小さくなり、塗布量が相対的に少なくなる。したがって、厚塗り印刷部では、導電性被膜と基材との密着性を確保しつつ導電性被膜の表面にオーバーコート層を形成でき、薄塗り印刷部では導電性被膜と基材との密着性を確保しつつ導電性被膜が表面に露出した電極部を形成できる。
即ち、本発明の製造方法によれば、接着、オーバーコートおよび電極部形成を同時に行うことができるため、導電性被膜付き基材を効率よく製造できる。
上記オーバーコート剤は、導電性被膜上の他、導電性被膜の周囲にも塗布することができる。
上述した本発明の製造方法によれば、基材と導電性被膜との密着性に優れ、かつ、電気抵抗の低い導電性被膜を有する導電性被膜付き基材を効率良く得ることができる。
本発明の製造方法により得られる本発明の導電性被膜付き基材は、基材と導電性被膜との密着性に優れ、かつ、電気抵抗の低い導電性被膜を有する。
本発明の導電性被膜付き基材は、例えば、電子回路、アンテナ等の回路の作製に好適に用いることができる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.導電性被膜形成工程
酸化銀(I)100g、イソ酪酸銀17g、ステアリン酸2.5gおよびα−テルピネオール40gをボールミルで24時間混合し、酸化銀を粉砕しつつ反応させて導電性組成物を得た。
得られた導電性組成物をPETフィルム(ルミラーS56、東レ社製)、PENフィルム(テオネックス081、帝人デュポンフィルム社製)およびポリイミドフィルム(カプトン、東レ・デュポン社製)のそれぞれに塗布した後、160℃で1分間の条件で乾燥し、導電性被膜を作製した。
図4は、実施例1の基材上に形成された導電性被膜(接着剤塗布前)の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(1000倍)である。図4から明らかなように、得られた導電性被膜には多数の孔が観察された。実施例1の導電性被膜の空隙率は約40%だった。
また、接着剤塗布前に導電性被膜の体積抵抗率を抵抗率計(ロレスターGP、三菱化学社製、以下同じ。)を用いた4端子4探針法により測定し、また、下記の方法により密着性を評価した。結果を下記第1表に示す。
2.オーバーコート工程
オーバーコートを行う前に、網目スクリーン(EXスクリーン 90−040/230pw、NBC株式会社製、ポリエステル製)の網目を部分的に塞いで薄塗り印刷部を有するスクリーン(薄塗り印刷部のスクリーン線数50lpi、透過率40%)を作製した。
次に、各導電性被膜の上に、作製したスクリーンを用いて、ウレタン−エポキシ系接着剤(Y−coat242R、横浜ゴム社製、粘度100mPa・s)をスクリーン印刷により塗布し、導電性被膜の表面に厚塗り印刷部において厚さ2μmのオーバーコート層と、電極部とを形成して各導電性被膜付き基材を得た。
得られた導電性被膜付き基材の導電性被膜の体積抵抗率を抵抗率計により測定し、また、下記の方法により各導電性被膜付き基材の基材と導電性被膜との密着性を評価した。
結果を下記第1表に示す。
(密着性評価)
密着性の評価は、碁盤目テープはく離試験により行った。
各試料の導電性被膜に1mmの基盤目100個(10×10)を作り、基盤目上にセロハン粘着テープ(幅18mm)を付着させ、直ちにテープの一端を直角に保ち、瞬間的に引き離し、剥がれないで残った基盤目の個数を調べた。
(比較例1)
導電性組成物として、バインダを含有する市販の銀ペースト(FA−353、藤倉化成社製)を用いた点以外は、実施例1と同様に、導電性被膜および導電性被膜付き基材を作製し、各導電性被膜の体積抵抗率を測定し、各導電性被膜付き基材の密着性を評価した。結果を下記第1表に示す。
図5は、比較例1の基材上に形成された導電性被膜(接着剤塗布前)の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真(1000倍)である。図5から明らかなように、得られた導電性被膜には、孔がほとんどなかった。比較例1の導電性被膜の空隙率は約8%だった。
(比較例2)
酸化銀(I)100g、第三級脂肪酸銀塩であるネオデカン酸銀塩75gおよびα−テルピネオール40gをボールミルで24時間混合し、酸化銀を粉砕しつつ反応させて導電性組成物を得た。
得られた導電性組成物を用いて、実施例1と同様に、導電性被膜および導電性被膜付き基材を作製し、各導電性被膜の体積抵抗率を測定し、また、各導電性被膜の付き基材の密着性を評価した。結果を下記第1表に示す。
図6は、比較例2の基材上に形成された導電性被膜(接着剤塗布前)の断面のSEM写真(1000倍)である。
図6から明らかなように、得られた導電性被膜には孔がほとんどなかった。比較例2の導電性被膜の空隙率は0%だった。
第1表に示す結果から明らかなように、バインダを含有する市販の銀ペーストを用いた導電性被膜付き基材(比較例1)は、密着性に優れていたものの、その導電性被膜の体積抵抗率が高かった。また、第三級脂肪酸銀塩を含有する導電性組成物を用いた導電性被膜付き基材(比較例2)は、導電性被膜に孔がほとんど存在せず、そのため接着剤を塗布しても密着性は向上しなかった。
一方、実施例1の接着剤塗布後の導電性被膜付き基材は、優れた密着性を有し、更に、その導電性被膜の体積抵抗率は比較例1に比べて格段に低くすることができた。
(実施例2〜3)
実施例1と同様にPETフィルム上に導電性被膜を作製した。
次に、下記第2表に示すスクリーン線数、透過率の網目スクリーンを用いて、第2表に示す粘度のオーバーコート剤(Y−coat242R、横浜ゴム社製)をスクリーン印刷により塗布し、導電性被膜の表面に厚塗り印刷部において厚さ2μmのオーバーコート層を形成して各導電性被膜付き基材を得た。
得られた各導電性被膜付き基材について、上記の方法と同様に体積抵抗率および密着性を評価した。また、各導電性被膜付き基材の外観を下記の方法により評価した。
(外観評価)
得られた各導電性被膜付き基材のオーバーコート層表面を目視で観察した。
均一で塗りムラがなかったものを「○」とし、塗りムラが大きかったものを「×」とした。
第2表に示す結果から明らかなように、実施例2および3の導電性被膜付き基材は、外観、密着性および導電性に優れていた。
図1は、本発明の導電性被膜付き基材の概略断面図である。 図2(a)〜(c)は、通常の導電性被膜付き基材の製造方法を示す模式図である。 図3(a)および(b)は、本発明の製造方法の一例を示す模式図である。 図4は、実施例1の基材上に形成された導電性被膜(接着剤塗布前)の断面のSEM写真(1000倍)である。 図5は、比較例1の基材上に形成された導電性被膜(接着剤塗布前)の断面のSEM写真(1000倍)である。 図6は、比較例2の基材上に形成された導電性被膜(接着剤塗布前)の断面のSEM写真(1000倍)である。
符号の説明
1 本発明の導電性被膜付き基材
2 基材
3 導電性被膜
4 接着剤(オーバーコート剤)
5 オーバーコート層
6 電極部

Claims (11)

  1. 導電性組成物を基材上に塗布し、多孔質の導電性被膜を形成する導電性被膜形成工程と、前記導電性被膜上にスクリーン印刷によりオーバーコート剤を塗布して、前記基材と前記導電性被膜とを接着させ、かつ、前記導電性被膜の表面にオーバーコート層と電極部とを形成して導電性被膜付き基材を得るオーバーコート工程とを具備する導電性被膜付き基材の製造方法であって、
    前記オーバーコート工程中に、網目を部分的に塞いだ薄塗り印刷部を有するスクリーンを用いてスクリーン印刷を行い、前記オーバーコート剤の塗布量を部分的に少なくし、前記導電性被膜の一部が表面に露出した電極部を形成する、導電性被膜付き基材の製造方法。
  2. 前記導電性組成物が、酸化銀と、第二級脂肪酸銀塩とを含有する請求項1に記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  3. 前記第二級脂肪酸銀塩が、沸点が200℃以下の第二級脂肪酸を用いて得られる第二級脂肪酸銀塩である請求項2に記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  4. 前記第二級脂肪酸銀塩が、炭素原子数7以下の第二級脂肪酸銀塩であり、
    前記導電性組成物が、更に、炭素原子数8以上の脂肪酸および/または炭素原子数8以上の脂肪酸銀塩を含有する請求項2に記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  5. 前記導電性組成物が、更に、還元剤を含有する請求項2〜4のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  6. 前記多孔質の導電性被膜が、空隙率10〜80%の導電性被膜である請求項1〜5のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  7. 前記オーバーコート剤が、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物とを含有するウレタン系接着剤である請求項1〜6のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  8. 前記ポリイソシアネート化合物が、イソシアヌレート構造を有する請求項7に記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  9. 前記オーバーコート剤の23℃における粘度が、1〜1000mPa・sである請求項1〜8のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  10. 前記薄塗り印刷部のスクリーン線数が30〜150lpiであり、前記薄塗り印刷部の透過率が20〜70%である請求項1〜9のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の導電性被膜付き基材の製造方法により得られる導電性被膜付き基材。
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