JP2008156599A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、発泡成形品、それらの製造方法、予備発泡粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリスチレン系樹脂粒子に、ペンタンとプロパンとの混合発泡剤を含浸させ、得られた発泡剤含有樹脂粒子を減圧下又は常圧下において35〜65℃の水性媒体中で0.5〜12時間保温することで、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、ペンタン3〜9質量部とプロパン0.01〜0.8質量部とを含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】図2
Description
隙間をできるだけ目立たないようにする試みは、従来から行われてきている。例えば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に温風をあてることで、ガスを強制的に逸散させ表層の非発泡層を形成させる方法や常圧下で温水による保温を行う方法が知られている。
特開平1−289841号公報(特許文献2)では、HLB7以下の非イオン系界面活性剤、ポリジメチルシロキサン、流動パラフィン等を表面に塗布する。次に、温風にて発泡剤を樹脂粒子の表面より除去し、5μm〜100μmの非発泡層を形成させている。
特開平9−40800号公報(特許文献3)では、ポリスチレン樹脂粒子を温風にて処理することにて、逆熟成が生じにくく、予備発泡粒子の気泡が均一、且つ気泡径が50〜300μmの範囲である予備発泡粒が得られている。
特開平9−111035号公報(特許文献4)では懸濁重合中に重合添加剤が30%以上の時点で水性媒体に対する濃度が、0.02〜0.5mol/lになるような量の電解質を添加して重合する工程、及び発泡剤を3〜20%逸散させることが記載されている。
特開平1−289841号公報、特開平9−40800号公報、特開平9−111035号公報の方法では水性媒体から、分離後に再度温風により処理を行わなければならないため、生産性を損なうといった問題があった。また、温風にて行うとガス逸散させるのに時間がかかりスチレン系樹脂粒子表面のみでなく、該樹脂全体に効果を及し、気泡が粗くなるため、印刷面のインクの色が映えないという問題があった。
かくして本発明によれば、ポリスチレン系樹脂粒子に、ペンタンとプロパンとの混合発泡剤を含浸させ、得られた発泡剤含有樹脂粒子を減圧下又は常圧下において35〜65℃の水性媒体中で0.5〜12時間保温することで、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、ペンタン3〜9質量部とプロパン0.01〜0.8質量部とを含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
6[μm]≦T1≦20[μm]・・・(1)
10[μm]≦D1≦40[μm]・・・(2)
の関係を満たしていることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が提供される。
6[μm]≦T2≦20[μm]・・・(3)
10×(X/10)1/3[μm]≦D2≦40×(X/10)1/3[μm]・・・(4)
の関係を満たしていることを特徴とする予備発泡粒子が提供される。
また更に、本発明によれば、上記予備発泡粒子を型内発泡成形して得られたことを特徴とする発泡成形品が提供される。
ポリスチレン系樹脂粒子には、他の添加剤、例えば、可塑剤、溶剤、難燃剤、染料等の着色剤等が含まれていてもよい。
ポリスチレン系樹脂粒子に、公知の方法で上記発泡剤を含浸させることで、発泡剤含有樹脂粒子を得、次いで発泡剤含有樹脂粒子を、減圧下又は常圧下において、35〜65℃の水性媒体中で0.5〜12時間保温する。この保温処理により、印刷性が向上した発泡成形品を形成可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が得られる。ここで、減圧下とは、水性媒体が沸騰しない程度の圧力下であることを意味する。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、ペンタンが3〜9質量部、プロパンが0.01〜0.8質量部含まれている。
一方、プロパンの含有量が0.01質量部より少ないと、樹脂粒子の表層部の気泡径が大きくなることがある。その結果、樹脂粒子から得られた成形品の表面に印刷した際のインクの映えが悪くなることがある。また、0.8質量部を超えると、樹脂粒子の表層部の気泡径が細かくなり、成形時の加熱に対する十分な耐熱性が得られないことがある。その結果、樹脂粒子の表層部が溶ける又は表層部の気泡の破れて収縮が発生し、美麗な成形品が得難いことがある。
なお、発泡剤含有樹脂粒子は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のペンタン及びプロパンの含有量を上記範囲とするため、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子より、ペンタンを0.1〜1.0質量部、プロパンを0.03〜0.38質量部それぞれ多く含有していることが好ましい。
保温する時間が0.5時間より短いと、保温による効果が小さく、十分な厚みの表面非発泡層が形成されないことがある。その結果、成形時の加熱に対する十分な耐熱性がなく、表層部が溶ける又は表層部の気泡の破れて収縮が発生し、美麗な成形品が得難いことがある。時間が12時間より長いと、粒子全体にまで保温の効果が及び、粒子全体の気泡径が大きくなることがある。その結果、成形品表面を印刷した後のインクの映えが悪くなることや、発泡成形する時に長時間の加熱が必要となることや、2次発泡力が低下して、成形品の外観が低下すること等の問題が生じることがある。より好ましい時間は1〜12時間であり、更に好ましくは1〜4時間である。
また、温度×時間が、60〜500℃・時の範囲であれば、より成形品外観を美麗にすることができるため好ましい。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、その表層部の非発泡層の厚さと、表層部の気泡径に特徴を有している。
詳しく述べると、嵩発泡倍率10倍の場合、非発泡層の厚さT1は、粒子の最表層の樹脂層厚みであり、6〜20μmの範囲が好ましく、更に好ましくは7〜12μmの範囲である。6μmより薄いと成形時の加熱に十分な耐熱性がなく、表層部が溶ける又は表層部の気泡が破れ収縮することがあり、美麗な成形品を得難いことがある。20μmより厚いと発泡能力が低下し、発泡成形する時に長時間の加熱が必要となることがある。
予備発泡粒子は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、ペンタン2.4〜7.2質量部とプロパン0.006〜0.3質量部とを発泡剤として含有している。
一方、プロパンの含有量が0.006質量部より少ないと、成形時に十分な融着を得るのに時間がかかることがあるため、生産性が良好でないことがある。また、0.3質量部を超えると、成形後も発泡力が過剰に残ってしまい、成形品表面の印刷を加熱乾燥させる工程で、印刷面の下の気泡が再発泡して印刷面に凹凸が生じ、美麗な成形品が得難いことがある。
好ましいペンタン及びプロパンの含有量は、それぞれ2.6〜4.4質量部及び0.04〜0.30質量部である。この範囲であれば、より美麗な成形品を提供し得る予備発泡粒子が得られる。
得られた予備発泡粒子は、その表層部の非発泡層の厚さと、表層部の気泡径に特徴を有している。
上記予備発泡粒子を、公知の型内発泡成形に付すことで発泡成形品が得られる。得られた発泡成形品は、成形品を構成する融着粒子間の隙間が少なく、印刷インクの色が映え、美麗な成形品である。
まず、実施例及び比較例の評価方法を記載する。
1.表層部の平均気泡径
嵩倍数10倍に発泡させた予備発泡粒子の中から任意に選択した10個について、剃刀刃を用いて、それぞれ発泡粒子の中心を通る平面で二等分し、その一方の切断面を走査型電子顕微鏡(日本電気社製 JSM-6360LV)を用いて、100倍に拡大した画像を作成した。
次に、粒子切断面の画像上に粒子の中心から半径90%に相当する距離を半径とする円(表層円)を描き、表層円の外側に存在する気泡径を粒子表層部の気泡径とし、この気泡について、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定した。つまり、各画像について円上にある気泡の個数を数え、次式によりこの気泡径の平均弦長(t)を算出した。
次の式により、この気泡の平均気泡径(D)を算出した。
平均気泡径D(μm)=t/0.616
計10画像分の平均値を表層部の平均気泡径とした。
嵩倍数10倍に発泡させた予備発泡粒子の中から任意に選択した10個について、剃刀刃を用いて、それぞれ粒子の中心を通る平面で二等分し、その一方の切断面の最表層部を走査型電子顕微鏡(日本電気社製 JSM-6360LV)を用いて、500倍に拡大した画像を作成した。その画像に45°で交わる4本の線を引き、これらの線の両端部の非発泡層の厚みを測定した。各画像について、8カ所測定し、計10画像分の平均値を表面非発泡層の厚みとした。
嵩倍数10倍に発泡させた予備発泡粒子10〜20mgを20mlの専用ガラスバイアルに精秤密封し、パーキンエルマー社製ヘッドスペースサンプラーTurboMatrixHS40にセットし、160℃で30分間加熱後、パーキンエルマー社製ガスクロマトグラフClarus500GC(検出器:FID)を用いて定量した。ヘッドスペースサンプラーにおける測定条件は、ニードル温度160℃、試料導入時間0.08分、トランスファーライン温度160℃、ガスクロマトグラフにおける測定条件は、カラムをJ&W社製DB−1(0.25mmφ×60m、膜厚1μm、カラム温度:50℃で10分間、20℃/分で270℃まで昇温、270℃で1分間)、キャリアガスをヘリウム(導入条件:18psiで10分間、0.5psi/分で24psiまで増量)、注入口温度(200℃)とした。測定値を樹脂100質量部に対する値に換算した。
カップ成形品のインキ塗布されている部位の色飛びが認められる個数を目視にてかぞえcm2あたりの個数に換算した。
○・・・色飛びがほとんどなく、1個/cm2以下である。
△・・・色飛び少しあり、3個/cm2以下である。
×・・・色飛び多く、3個/cm2より多い
カップ成形品の周壁部を80mm×80mmで切り出し、得られた切片の湾曲方向の両端に圧を加えることで、湾曲方向に略直交する方向に切片を破断した。破断面に露出した発泡粒子を目視観察し、発泡粒子内で破断している発泡粒子の数を数えて下記式に基づいて融着性を算出し、下記基準に基づいて判断した。
融着性(%)=100×発泡粒子内で破断している発泡粒子数/破断面に露出している発泡粒子数
○・・・80%以上
△・・・60%以上で且つ80%未満
×・・・60%未満
印刷後のカップ成形品の周壁部外面を目視観察して下記基準により判断した。
○・・・色が濃くでている。
×・・・色が薄く、商品価値を下げる。
嵩発泡倍数は、試料としての予備発泡粒子をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて試料容積を一定にし、その容積と質量を測定し、下記式により算出した。樹脂比重は、ポリスチレン系樹脂の場合、1.0とした。
嵩発泡倍数(倍)=メスシリンダー中の試料容積(ml)/試料質量(g)×樹脂比重
発泡成形品の発泡倍数は、試験片の寸法と質量を有効数字3桁以上になるように測定し、下記式により算出した。樹脂比重は、ポリスチレン系樹脂の場合、1.0とした。
発泡倍数(倍)=試験片体積(cm3)/試験片質量(g)×樹脂比重
内容積が100リットルの攪拌羽付きオートクレーブにリン酸三カルシウム120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ4g、ベンゾイルパーオキサイド105g、t−ブチルパーオキシベンゾエート30g、イオン交換水40kg及び可塑化成分を不純物として若干量含有するスチレンモノマー40kgを供給した後、200rpmの速度で攪拌羽を回転させて懸濁液を作製した。
得られたポリスチレン粒子をJIS Z8801に規定された目開き0.600mmの篩で篩い、この篩を通過したポリスチレン粒子を収集した。次に、この収集したポリスチレン粒子をJIS Z8801に規定された目開き0.300mmの篩で篩い、この篩上に残ったポリスチレン粒子を収集することによって、平均粒子径が0.450mmのポリスチレン粒子を得た。
その後、分離した粒子を再度オートクレーブに供給し、常圧下にて50℃の水中で4時間300rpmの撹拌の元に保温した。その後、脱水、洗浄、乾燥させて発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得た。
得られた発泡性ポリスチレン樹脂粒子をJIS Z8801に規定された目開き0.600mmの篩で篩い、この篩を通過した発泡性ポリスチレン樹脂粒子を収集した。次に、この収集した発泡性ポリスチレン樹脂粒子をJIS Z8801に規定された目開き0.300mmの篩で篩い、この篩上に残った発泡性ポリスチレン樹脂粒子を収集することによって、平均粒子径が0.450mmの発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得た。
得られた予備発泡粒子の表層部の気泡径、表層部の非発泡層の厚さ及び残存ガス量を下記の要領にて測定し、その結果を表1に示した。
得られた発泡性ポリスチレン樹脂粒子中のカップ成形品の表面粒子隙間、融着性、印刷面のインクの映えを測定し、その結果を表1に示した。
発泡剤として、プロパンを4g供給したこと以外は実施例1と同様に行った。
実施例3
発泡剤として、プロパンを8g供給したこと以外は実施例1と同様に行った。
内容積が100リットルの攪拌機付きオートクレーブ内に水40kgを供給して攪拌羽を120rpmの速度で回転させながら、複分解法で生成したピロリン酸マグネシウム240g及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ12gを分散剤としてオートクレーブ内に供給して水性媒体とした後、この水性媒体中に上記平均粒子径が0.450mmのポリスチレン粒子40kgを供給した。
しかる後、オートクレーブの攪拌羽を120rpmの速度で回転させながら、オートクレーブ内を110℃に加熱した後、発泡剤としてプロパン(コスモ石油社製プロパンゴールド)360g、ペンタン(コスモ石油社製ノルマルペンタン)2000gを窒素加圧することによって10分間かけて供給し、4時間に亘って放置した。次に、オートクレーブ内を25℃まで冷却してオートクレーブ内から取り出し、分離した。
その後、内容積が5.6リットルの攪拌機付きオートクレーブ内に分離した粒子2kgを供給し、更に38℃の水を供給し、撹拌速度300rpmで撹拌しつつ、38℃の水中で10時間保温した。その後、脱水、洗浄、乾燥させて発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様に行った。
50℃の水を供給し、50℃の水中で1時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
実施例6
50℃の水中で4時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
実施例7
50℃の水中で10時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
実施例8
60℃の水を供給し、60℃の水中で1時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
実施例9
発泡剤として、プロパン360g、ペンタンを3200g供給したこと以外は実施例6と同様に行った。
オートクレーブ内を110℃に加熱した後、発泡剤としてプロパン(コスモ石油社製プロパンゴールド)480g、ペンタン(コスモ石油社製ノルマルペンタン)3600gを窒素加圧することによって10分間かけて供給し、8時間に亘って放置した。次に、オートクレーブ内を25℃まで冷却してオートクレーブ内から取り出し、分離した。
その後、内容積が5.6リットルの攪拌機付きオートクレーブ内に分離した粒子を2kg供給し、更に60℃の水を供給し、撹拌速度300rpmで撹拌しつつ、60℃の水中で10時間保温した。その後、脱水、洗浄、乾燥させて発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得たこと以外は実施例4と同様に行った。
オートクレーブ内を110℃に加熱した後、発泡剤としてプロパン(コスモ石油社製プロパンゴールド)600g、ペンタン(コスモ石油社製ノルマルペンタン)2000gを窒素加圧することによって10分間かけて供給し、8時間に亘って放置した。次に、オートクレーブ内を25℃まで冷却してオートクレーブ内から取り出し、分離した。
その後、内容積が5.6リットルの攪拌機付きオートクレーブ内に分離した粒子を2kg供給し、更に50℃の水を供給し、撹拌速度300rpmで撹拌しつつ、50℃の水中で4時間保温した。その後、脱水、洗浄、乾燥させて発泡性ポリスチレン樹脂粒子を得たこと以外は実施例4と同様に行った。
50℃の温水の中で2時間保温を行わないこと以外は実施例1と同様に行った。
比較例2
発泡剤としてペンタン100gのみ使用したこと以外は実施例1と同様に行った。
比較例3
水中での保温を行わず、15℃の保冷庫にて1ヵ月放置したこと以外は実施例4と同様に行った。
比較例4
28℃の水を供給し、28℃の水中で4時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
70℃の水を供給し、70℃の水中で4時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。70℃の水中で保温を開始後、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が発泡し始めたため、これ以降の工程を中止した。
比較例6
50℃の水中で20時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
比較例7
発泡剤として、プロパンを14g、ペンタン60gを供給したこと以外は実施例1と同様に行った。予備発泡機に供給して嵩倍率10倍に予備発泡させたが、10倍まで発泡しないため、中止した。
比較例8
発泡剤として、プロパンを800g、ペンタン2000gを供給したこと以外は実施例4と同様に行った。
発泡剤として、ブタン(コスモ石油社製ブタンシルバー)2000gを供給したことと、内容積が5.6リットルの攪拌機付きオートクレーブに供給した後に40℃の水を供給し、40℃の水中で4時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
比較例10
発泡剤として、プロパン360g、ブタン2000gを供給したことと、内容積が5.6リットルの攪拌機付きオートクレーブに供給した後に40℃の水を供給し、40℃の水中で4時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
比較例11
発泡剤として、ブタン400g、ペンタン2000gを供給したことと、内容積が5.6リットルの攪拌機付きオートクレーブに供給した後に50℃の水を供給し、50℃の水中で4時間保温したこと以外は実施例4と同様に行った。
実施例1〜11及び比較例1〜11の評価結果を表1に示す。また、実施例1及び比較例1と2の予備発泡粒子の電子顕微鏡写真を図1〜6に示す。
実施例1〜11と、比較例2及び9〜11とから、発泡剤としてペンタンとプロパンとを使用することで、優れた外観を有する成形品が得られることがわかる。
実施例1〜3及び9〜11と、比較例2、7及び8とから、樹脂粒子を保温することで得られた、ペンタン3〜9質量部、プロパン0.01〜0.8質量部を含有した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を成形すると、得られた成形品が優れた外観を有していることがわかる。
実施例4、8及び10と、比較例1、3〜5とから、保温温度を35〜65℃とすることで、優れた外観を有する成形品が得られることがわかる。
実施例5〜7と、比較例6とから、保温時間を0.5〜12時間とすることで、優れた外観を有する成形品が得られることがわかる。
Claims (5)
- ポリスチレン系樹脂粒子に、ペンタンとプロパンとの混合発泡剤を含浸させ、得られた発泡剤含有樹脂粒子を減圧下又は常圧下において35〜65℃の水性媒体中で0.5〜12時間保温することで、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、ペンタン3〜9質量部とプロパン0.01〜0.8質量部とを含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
- ポリスチレン系樹脂粒子に、ペンタンとプロパンとの混合発泡剤を含浸させ、得られた発泡剤含有樹脂粒子を減圧下又は常圧下において35〜65℃の水性媒体中で0.5〜12時間保温することで、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、ペンタン3〜9質量部とプロパン0.01〜0.8質量部とを含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程と、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて予備発泡粒子を得る工程と、前記予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、前記成形型を蒸気加熱し型内発泡成形して発泡成形品を得る工程とを含むことを特徴とする発泡成形品の製造方法。
- 発泡剤を含むポリスチレン系樹脂からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、ペンタン3〜9質量部とプロパン0.01〜0.8質量部とを発泡剤として含有し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を嵩発泡倍数10倍に発泡させた場合、得られる発泡粒子の表面非発泡層の厚みT1と表層部の平均気泡径D1が、それぞれ下記式(1)と(2)
6[μm]≦T1≦20[μm]・・・(1)
10[μm]≦D1≦40[μm]・・・(2)
の関係を満たしていることを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 請求項3に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子であって、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して、ペンタン2.4〜7.2質量部とプロパン0.006〜0.3質量部とを発泡剤として含有し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を嵩発泡倍数X倍に予備発泡させた場合、得られる予備発泡粒子の表面非発泡層の厚みT2と表層部の平均気泡径D2が、それぞれ下記式(3)と(4)
6[μm]≦T2≦20[μm]・・・(3)
10×(X/10)1/3[μm]≦D2≦40×(X/10)1/3[μm]・・・(4)
の関係を満たしていることを特徴とする予備発泡粒子。 - 請求項4に記載の予備発泡粒子を型内発泡成形して得られたことを特徴とする発泡成形品。
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