JP2008156448A - スチールコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたベルトを有するタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対して、チッ素吸着比表面積が100〜200m2/gであるシリカを40〜80重量部、シランカップリング剤を1〜15重量部、およびホウ酸亜鉛を0.5〜4重量部含有するスチールコード被覆用ゴム組成物、ならびにそれを用いたベルトを有するタイヤ。
【選択図】なし
Description
(RO)3−Si−(CH2)x−Sn−(CH2)x−Si−(OR)3
(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基、xは1〜8の整数、nはポリスルフィド部の硫黄原子の数を表し、n=2であるシランカップリング剤の含有率が全シランカップリング剤の60重量%以上であり、nの平均値は2〜3である)
(RO)3−Si−(CH2)x−Sn−(CH2)x−Si−(OR)3
(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基、xは1〜8の整数、nはポリスルフィド部の硫黄原子の数を表し、n=2であるシランカップリング剤の含有率が全シランカップリング剤の60重量%以上であり、nの平均値は2〜3である)
天然ゴム(NR):TSR20
シリカ(1):デグッサ社製のウルトラジルVN3(BET:175m2/g)
シリカ(2):ローディア社製の115GR(BET:112m2/g)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi75(ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、以下の化学式において、Rはエチル基である)
(RO)3−Si−(CH2)x−Sn−(CH2)x−Si−(OR)3
(式中、nはポリスルフィド部の硫黄原子の数を表し、n=2であるシランカップリング剤の含有率が全シランカップリング剤の60重量%以上であり、nの平均値は2〜3である)
ホウ酸亜鉛:ボラックス(BORAX)社製のファイヤーブレークZB(Fire Break ZB)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
有機酸コバルト:大日本インキ化学工業(株)製のステアリン酸コバルト(コバルト含有量:10.0重量%)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
不溶性硫黄:フレキシス社製のクリステックスHSOT20(硫黄80重量%およびミネラルオイル20重量%含む不溶性硫黄)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
表1に示す配合処方にしたがい、(株)神戸製鋼所製のバンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を150℃の条件下で6分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄および加硫促進剤を添加し、98℃の条件下で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物を得た。さらに、得られた未加硫ゴム組成物を170℃の条件下で14分間プレス加硫し、実施例1〜2および比較例1〜4の加硫ゴム組成物を得た。
前記未加硫ゴム組成物から所定のサイズの試験片を作製し、JIS K 6300「未加硫ゴムの試験方法」に準じて、ムーニー粘度試験機を用いて、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点でのムーニー粘度(ML1+4、130℃)を測定し、比較例1のムーニー粘度指数を100とし、以下の計算式により、各配合のムーニー粘度を指数表示した。なお、ムーニー粘度指数が大きいほどムーニー粘度が小さく、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のムーニー粘度)
÷(各配合のムーニー粘度)×100
前記加硫ゴム組成物の作製におけるオープンロールを用いる工程において、ロール温度を70±3℃、25±3℃に調節した2台のオープンロールを用いて、ロール作業性を評価した。具体的には、ロール温度を70±3℃に調節したオープンロールでゴムを練り込み、ゴム温度が70℃以上になったことを確認した後、ロール温度を25±3℃に調節したオープンロールを用いて練り込み、ロール表面とゴムとの密着程度を以下の基準で評価した。
3点:ゴムをロールから引き剥がすことができ、ロール作業性に優れる。
2点:ゴムをロールから引き剥がすことはできるが、手でゴムをロールから引き剥がす操作が必要であり、ロール作業性は、許容レベルである。
1点:ゴムがロールに密着し、ロールを用いて連続作業ができない。ロールをいったん停止させ、ゴムをロール表面から操作が必要となり、ロール作業性に劣る。
前記加硫ゴム組成物から、5cm四方、厚さ1cmのゴム試験片を切り取り、温度を130℃に調節したオーブン中で1時間放置した。その後、ゴム試験片を取り出し、ゴム試験片の内部を観察し、以下の基準により、気泡の発生の有無を評価した。
5点:エアー(気泡)がまったく認められない。
4点:直径1mm以下の細かいエアー(気泡)が少数確認できる。
3点:直径1mm以上の大きいエアー(気泡)が少数確認できる。
2点:直径1mm以上の大きいエアーが多数発生し、外観上も膨らんでいるのがわかる。
1点:多数のエアー(気泡)がつながって空洞になっている。
真鍮メッキを施したスチールコードを25mm間隔に22本並べ、これを前記未加硫ゴム組成物で被覆し、170℃の条件下で14分間プレス加硫し、試験片を作製した。その後、スチールコードからゴムを剥離させ、スチールコードがゴムで被覆されている程度を、目視にて評価した。
5点:スチールコードの全面がゴムで覆われている。
4点:スチールコードがゴムに覆われていない部分が少数(5ヵ所以内)がある。
3点:スチールコードがゴムに覆われていない部分が多数(10ヵ所以内)ある。
2点:スチールコードのほとんど全面がゴムで覆われていない。
1点:スチールコードが、ゴムで覆われている部分がない。
スチールコードを前記未加硫ゴム組成物で被覆し、ベルトの形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で14分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15、Hレンジ)を製造した。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗)/(各配合の転がり抵抗)×100
製造したタイヤに酸素を40%、チッ素を60%の割合で注入し、内圧を200MPaに設定し、温度を60℃に設定したオーブンに3週間保管して老化させ、JIS規格の荷重100%、走行速度110km/hで、ドラム上を30000km走行させた。その後、タイヤの周上の4ヵ所からカットセクションを切り出し、その切断面にて、ベルトエッジと隣接するベルトエッジにて発生するセパレーションの長さ(セパレーション長さ)を測定し、それを8ヵ所について合計し、比較例1のベルトエッジ耐久性指数を100とし、以下の計算式により、各配合のセパレーション長さの合計を指数表示した。なお、ベルトエッジ耐久性指数が大きいほど、ベルトエッジ耐久性に優れることを示す。
(ベルトエッジ耐久性指数)=(比較例1のセパレーション長さの合計)
÷(各配合のセパレーション長さの合計)×100
Claims (5)
- ジエン系ゴム100重量部に対して、
チッ素吸着比表面積が100〜200m2/gであるシリカを40〜80重量部、
シランカップリング剤を1〜15重量部、および
ホウ酸亜鉛を0.5〜4重量部含有するスチールコード被覆用ゴム組成物。 - さらに、ジエン系ゴム100重量部に対して、
酸化亜鉛を10〜20重量部、
硫黄を3.5〜6重量部、および
有機酸コバルトを0.5〜2重量部含有する請求項1記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。 - シランカップリング剤が、以下の化学式で表される請求項1または2記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
(RO)3−Si−(CH2)x−Sn−(CH2)x−Si−(OR)3
(式中、Rは直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜8のアルキル基、xは1〜8の整数、nはポリスルフィド部の硫黄原子の数を表し、n=2であるシランカップリング剤の含有率が全シランカップリング剤の60重量%以上であり、nの平均値は2〜3である) - ベースゴムの混練り温度が140〜160℃である請求項1、2または3記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
- 請求項1、2、3または4記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いたベルトを有するタイヤ。
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