JP2008154518A - アルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法、生花又は生葉を添加したアルコール飲料の製造方法及びアルコール飲料 - Google Patents

アルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法、生花又は生葉を添加したアルコール飲料の製造方法及びアルコール飲料 Download PDF

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【目的】 萎びることなく、色落ちもなく、しかもアルコール飲料の味の変化をもたらさないアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法とする。
【構成】 生花又は生葉を重曹溶液で煮沸する工程と、重曹溶液で煮沸した生花又は生葉をクエン酸溶液で洗浄する工程と、このクエン酸溶液を除去する工程と、生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程と、シロップ液につけ込まれた生花又は生葉をエタノールに浸漬する工程と、エタノールに浸漬させた生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程とを有している。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、日本酒や焼酎等のアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法と、生花又は生葉を添加したアルコール飲料の製造方法と、この製造方法で製造されたアルコール飲料に関する。
日本酒や焼酎、その他のアルコール飲料には、おめでたい印象を与えるために、金箔を添加したものがある。また、薬草を添加したアルコール飲料もある。
そのうち、薬用効果があるとされる菊花を用いたアルコール飲料が知られている(特許文献1参照)。
これは、『二カ月以上陰干しした菊の花びらを、日本酒で煎じ』たものである。
特開2002−17314号公報
しかしながら、このアルコール飲料は、乾燥させた菊の花びらであるから、どうしても萎びた印象を与えるため、結婚披露宴やその他の祝宴のおめでたい席には用いにくいという問題点がある。
また、生花を塩漬けにしたものを添加したアルコール飲料も存在するが、塩漬けにしたものであるから、どうしても生花の鮮やかな色が落ちたり、アルコール飲料の味が変化したりという問題点がある。
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたもので、萎びることなく、色落ちもなく、しかもアルコール飲料の味の変化をもたらさないアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法、生花又は生葉を添加したアルコール飲料の製造方法及びアルコール飲料を提供することを目的としている。
本発明に係るアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法は、生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程と、シロップ液につけ込まれた生花又は生葉をエタノールに浸漬する工程と、エタノールに浸漬させた生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程とを有している。
また、前記シロップ液は、糖度40度以上の糖液と、飲食可能な酸とを混合したものであることが望ましい。
また、生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程の前に、生花又は生葉を重曹溶液で煮沸する工程と、重曹溶液で煮沸した生花又は生葉をクエン酸溶液で洗浄する工程と、このクエン酸溶液を除去する工程とを有することが望ましい。
さらに、前記生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程は、常温で行い、かつ6ケ月以上に渡って行う。
また、前記エタノールに浸漬する工程は、3〜5時間が好ましい。
また、本発明に係る生花又は生葉を添加したアルコール飲料の製造方法は、前記アルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法によって処理された生花又は生葉をアルコール飲料に添加する際に、アルコール飲料を65〜70℃に加熱する。
さらに、本発明に係るアルコール飲料は、前記アルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法によって処理された生花又は生葉を添加している。
本発明に係るアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法で処理した生花又は生葉は、アルコール飲料に添加しても、萎びることなく、色落ちもなく、しかもアルコール飲料の味の変化をもたらさない。
また、本発明に係る生花又は生葉を添加したアルコール飲料の製造方法で製造されたアルコール飲料に添加された生花又は生葉は萎びることなく、しかも生花の場合は、美しく花開くことが確認されている。
さらに、本発明に係るアルコール飲料は、萎びることなく、色落ちもなく、しかもアルコール飲料の味の変化をもたらさない生花等が添加されているので、結婚披露宴やその他の祝宴のおめでたい席には最適なものであり、新たな需要を大いに喚起するものである。
本発明の実施の形態に係るアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法は、生花又は生葉を重曹溶液で煮沸する工程と、重曹溶液で煮沸した生花又は生葉をクエン酸溶液で洗浄する工程と、このクエン酸溶液を除去する工程と、生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程と、シロップ液につけ込まれた生花又は生葉をエタノールに浸漬する工程と、エタノールに浸漬させた生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程とを有している。
まず、本明細書において、生花には、花のみならず、花びら、花のつぼみを含むものとし、枝付きのものも含む。また、生葉も枝付きのものを含む。生花としては、もっともおめでたい印象を与えるものとして桜花が挙げられるが、薔薇の花、ラベンダーの花,菊の花、藤の花、クチナシのはな、カーネーションの花、アジサイの花、蘭の花等のありとあらゆる花が使用可能である。
まず、採取された生花は、重曹溶液で数分間煮沸される。生花を重曹溶液で煮沸するのは、主として生花からあく抜きのために行われる。
煮沸が完了した生花を重曹溶液から引き揚げ、クエン酸溶液で洗浄する。
このクエン酸溶液での洗浄は、重曹溶液で煮沸された生花の中和のために行われる。
下準備としての重曹溶液での煮沸及びクエン酸溶液での洗浄が行われた生花は、シロップ液につけ込まれる。
このシロップ液としては、糖度40度以上の糖液と、飲食可能な酸とを混合したものが用いられる。
前記糖液は、果糖、はちみつ、氷砂糖、ショ糖、キシロオリゴ糖、麦芽糖等の糖類を水に溶かしたものを用いる。糖度を40度以上としたのは、40度未満であると、シロップ液へのつけ込みの工程の際に、細菌が繁殖し、生花が使用に適しなくなることがあることが判明したためである。
また、飲食可能な酸としては、クエン酸、リンゴ酸等が用いられる。シロップ液に酸を添加するのは、生花の変色を抑制するためである。
このシロップ液へのつけ込みの工程の際には、同一種の生花を樽等の容器に入れ、上から重しを加える。そして、このシロップ液へのつけ込みの工程は、6ケ月以上の長きにわたって行われる。重しを加えるのも、6ケ月以上にわたって行われるのも、生花に対して糖分及び酸を十分に染み込ませるためと、糖分及び酸の生花への染み込みを十分に行い、生花の比重を添加すべきアルコール飲料より上げるためである。
ここで、シロップ液へのつけ込みが不十分であると、生花をアルコール飲料に添加した際に、アルコール飲料内に沈まず、アルコール飲料の液面から生花が出て変色の原因となる。
このシロップ液へのつけ込みの工程は、常温で行う。
シロップ液の糖度が40度以上であると、常温で行っても細菌が繁殖しないためである。
また、このシロップ液へのつけ込みの工程が完了した生花は、phは4.5程度になっている。なお、シロップ液へのつけ込みの工程が完了した生花であっても、phが4.5未満のものは、アルコール飲料に添加するとアルコール飲料の味を劣化させるおそれがあるので、アルコール飲料への添加には適さないことが判明している。
シロップ液へのつけ込みの工程が完了し、phが4.5程度であると確認されたもののみがアルコール飲料に添加されるので、phが4.5未満のものは次の工程への送られない。
シロップ液へのつけ込みの工程が完了した生花は、アルコール飲料に添加されるまで冷凍保存される。もちろん、すぐにアルコール飲料に添加される場合には、冷凍保存する必要はないが、アルコール飲料は、季節製品であるので、生花の採取できる時期、生花を処理する期間、アルコール飲料が完成する時期とに差があるため、すぐにアルコール飲料に添加されることの方が少ない。
冷凍保存された生花は、解凍されてからエタノールに浸漬される。このエタノールへの浸漬は、主として不純物の洗浄と殺菌とのために行われる。
なお、冷凍保存されることなく、シロップ液へのつけ込みの工程の後にすぐにアルコール飲料に添加されるものであっても、エタノールへの浸漬が行われる。
このエタノールへの浸漬は、約12時間にわたって行われる。
このエタノールへの浸漬が完了した生花は、再びシロップ液につけ込まれる。この際のシロップ液は、上述したシロップ液と同一のものが用いられる。
この再度のシロップ液へのつけ込みは、冷凍・解凍やエタノールへの浸漬の影響によって、生花の比重が変化して可能性があるためである。すなわち、再度のシロップ液へのつけ込みは、生花の比重を最初のシロップ液へのつけ込みの工程が完了した時の比重と同じものとするために行われるものである。
この再度のシロップ液へのつけ込み3〜5時間で十分である。
このようにして処理された生花は、瓶詰めのアルコール飲料に添加されるが、単に添加するだけでなはく、添加されるアルコール飲料を65〜70℃に加熱しておく。アルコール飲料を65〜70℃に加熱することなく、上述の処理が施された生花をアルコール飲料に添加すると、生花は萎んだままの状態を維持するが、加熱することによって、生花は生き生きと開花した状態となる。
また、生花の比重は、アルコール飲料より高くなっているので、生花はアルコール飲料に確実に沈む。
なお、瓶に入れる際には、生花は萎んだ状態になっているので、狭い瓶の口から生花を傷つけずに入れることが可能である。
アルコール飲料の温度が室温程度になったならば、生花が添加されたアルコール飲料の瓶に王冠を施して封印する。
このようにしてアルコール飲料に添加された生花からは、香りや色等が徐々にアルコール飲料に溶けだす。
なお、前記シロップ液に、糖類や酸以外に、天然色素や天然香料を加えることも可能である。天然香料としては、例えば、赤キャベツ色素、赤大根色素、紫いも色素、クチナシ色素等が挙げられる。また、天然香料としては、桜花、薔薇の花、銀杏の葉、紅茶、シナモン、紫蘇、ミント等から抽出されたものが挙げられる。
加える天然色素、天然香料は、生花の種類に応じて適宜選択するものとするが、生花と同系統の色合いをもった天然色素や、同系統の香りをもった天然香料が望ましい。
なお、上述では、生花を例に挙げたが銀杏の葉や松葉等の生葉にも適用することができるものである。さらに、生花であっても、枝や葉っぱのついたものであってもよいことはいうまでもない。
また、アルコール飲料としては、日本酒、焼酎を挙げたが、ワイン等の日本酒以外の醸造酒や、ウイスキー等の焼酎以外の醸造酒でもあってもよいことはいうまでもない。

Claims (7)

  1. 生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程と、シロップ液につけ込まれた生花又は生葉をエタノールに浸漬する工程と、エタノールに浸漬させた生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程とを具備したことを特徴とするアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法。
  2. 前記シロップ液は、糖度40度以上の糖液と、飲食可能な酸とを混合したものであることを特徴とする請求項1記載のアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法。
  3. 生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程の前に、生花又は生葉を重曹溶液で煮沸する工程と、重曹溶液で煮沸した生花又は生葉をクエン酸溶液で洗浄する工程と、このクエン酸溶液を除去する工程とを有したことを特徴とする請求項1又は2記載のアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法。
  4. 前記生花又は生葉をシロップ液につけ込む工程は、常温で行い、かつ6ケ月以上に渡って行うものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載のアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法。
  5. 前記エタノールに浸漬する工程は、3〜5時間であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法。
  6. 前記請求項1乃至5記載のアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法によって処理された生花又は生葉をアルコール飲料に添加する際に、アルコール飲料を65〜70℃に加熱することを特徴とする生花又は生葉を添加したアルコール飲料の製造方法。
  7. 前記項請求項1乃至5記載のアルコール飲料への添加に適した生花又は生葉の処理方法によって処理された生花又は生葉を添加したことを特徴とするアルコール飲料。
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