JP2008150564A - 有機珪素化合物を含むゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム成分、シリカ及び下記の平均組成式(1)で表される有機珪素化合物を含んでなるゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤである。
式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜4の1価炭化水素基、R3は炭素数1〜18の1価炭化水素基、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜15の2価炭化水素基、mは平均組成値で1〜4、nは平均組成値で2〜4であり、qは0〜3、uは0又は1、p及びrはそれぞれ独立に0、1又は2、s及びtは平均組成値でそれぞれ独立に0より大きく3以下である。
【選択図】なし
Description
補強性無機充填剤としてシリカを用いた場合、従来のカーボンブラックを用いた場合と比較すると、シリカ−ゴム成分の結合は、カーボンブラック−ゴム成分の結合と比較して弱くなる。
そこで、シリカを配合したゴム組成物は、シリカ−ゴム成分の結合を補強するため、通常、有機珪素化合物であるシランカップリング剤が用いられる。即ち、シランカップリング剤は、シリカ−ゴム成分の結合を強化し、タイヤトレッドの低燃費性、破壊特性や耐摩耗性を向上させる。特に、その分子内にアルコキシシリル基及びイオウの双方を含む有機珪素化合物であるシランカップリング剤は、加硫反応によりシリカとゴム成分とを容易に結合させるため、好適に用いられている。
このような問題を解決するために、アルコールの放出を減少させる有機珪素化合物である種々のシランカップリング剤が提案されている。(特許文献1〜4参照)しかし、これらの化合物では、揮発性アルコールの放出の減少をも含めた未加硫ゴム組成物の作業性改善と、加硫ゴム組成物の反発弾性及び破壊特性の確保との両立が不十分であった。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、ゴム成分、シリカ及び下記の平均組成式(1)で表される有機珪素化合物を含んでなるゴム組成物及びそれを用いる部材を配設してなる空気入りタイヤである。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分、シリカ及び上記の平均組成式(1)で表される有機珪素化合物を含むものであって、この有機珪素化合物は、分子の両末端に置換シリル基を有し分子中央部にスルフィド又はポリスルフィドを有する硫黄含有シラン化合物であり、置換シリル基として例えばジアルコキシモノアシルオキシシリル基、モノアルコキシジアシルオキシシリル基等となるように、シリル基にアシルオキシ基を導入するものである。このアシルオキシ基を導入した前記有機珪素化合物は、未加硫ゴム組成物の混練中に、シリカとの反応後にカルボン酸、例えば長鎖カルボン酸が放出され、ステアリン酸と同様な効果を示し、未加硫ゴム組成物の粘度が低減するので作業性が改良される。
また、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に炭素数1〜15の2価炭化水素基であって、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、ヘキシレン基、デシレン基、フェニレン基、メチルフェニルエチレン基等が挙げられる。
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S2-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)6-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)6-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)4-S2-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)4-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)4-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)4-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)4-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)10-S2-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)10-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)10-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)10-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)10-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)15-S2-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)15-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)15-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)15-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)15-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C2H5O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C2H5O)3Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S4-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)3
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S4-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)3
等が挙げられる。
なお、有機珪素化合物のカルボキシル基が多過ぎると、ゴム組成物の未加硫時又は加硫時に遊離するカルボン酸が多過ぎてしまい、未加硫物性及び/又は加硫物性が低下してしまうため適当ではない。
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S2-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)6-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)6-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)6-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)4-S2-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)4-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)4-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)4-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)4-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)10-S2-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)10-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)10-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)10-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)10-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)15-S2-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)15-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S2-(CH2)15-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)15-S3-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S3-(CH2)15-S4-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S2-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S4-(CH2)6-S2-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S3-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
(C11H23OCO)(C2H5O)2Si-(CH2)3-S-(CH2)6-S4-(CH2)6-S3-(CH2)6-S-(CH2)3-Si(OC2H5)2(OCOC11H23)
等が挙げられる。
なお、本発明に係る有機珪素化合物は、単独で用いても、粉体に担持された形態でもよい。
また、白金触媒を用いてトリアルコキシシランをアルケンに付加させた後に該当する長鎖カルボン酸と反応させることによっても本発明で用いる有機珪素化合物を得ることが可能である。
なお、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度及びムーニースコーチタイム並びに加硫ゴム組成物の硬さ、切断時伸び及び反発弾性は、下記の方法に従って測定した。
(1)ムーニー粘度(ML1+4/130℃)
JIS K6300−1:2001に準拠し、予熱1分、測定4分、130℃にて測定し、比較例1の値を100として指数化した。指数の値が小さい程、ムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(2)ムーニースコーチタイム
JIS K6300−1:2001に準拠し、ムーニー粘度と同じ装置を用いて、加硫系配合剤を混練した未加硫ゴム組成物に対して、予熱を始めてからの粘度値が最低値より5単位上昇するまでの時間(ムーニースコーチタイム)を測定した。測定値は、比較例1の値を100として指数化した。指数の値が大きい程、加工性が良好であることを示す。
(3)硬さ
JIS K6253:1997に準拠してスプリング式(デュロメーター硬さ)タイプAにて測定し、比較例1の値を100として指数化した。指数の値が大きい程、硬さが高いことを示す。
(4)破壊特性: 切断時伸び
JIS K6251:2004に準拠し、切断時伸び(Eb)を測定した。測定値は、比較例1の値を100として指数化した。指数の値が大きい程、切断時伸びが高く、破壊特性が良好であることを示す。
(5)反発弾性
JIS K6255−1996に準じて、ダンロップトリプソメーターを用いて測定した。測定値は、比較例1の値を100として指数化した。指数の値が大きい程、反発弾性が高く、低発熱性が良好であることを示す。
窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサーを備えた1リットルのセパラブルフラスコに、平均組成式
(CH3CH2O)3Si(CH2)3S2(CH2)3Si(OCH2CH3)3 で表わされるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を237gとラウリン酸200g、トルエン300g、トリフロロ酢酸1.5gを仕込み、120℃に昇温した。そのまま1時間撹拌を続け、さらに除々に昇温し、発生したエタノールをトルエンと共に留去しながら、140℃まで加熱した。そのまま、140℃にて3時間熟成した。
その後、残存しているトルエンを減圧にて留去したところ、濃褐色透明の液体340gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行なった結果、平均組成式
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)10COO]Si(CH2)3S2(CH2)3Si(OCH2CH3)2[OCO(CH2)10CH3] で表わされる化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及びこの主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。
核磁気共鳴スペクトル分析の分析結果から、主成分の純度は74%であった。
合成例1におけるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を平均組成式
(CH3CH2O)3Si(CH2)3S4(CH2)3Si(OCH2CH3)3 で表わされるスルフィド鎖含有有機珪素化合物269gとした以外は、合成例1と同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体368gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行なった結果、平均組成式
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)10COO]Si(CH2)3S4(CH2)3Si(OCH2CH3)2[OCO(CH2)10CH3] で表わされる化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及びこの主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。
核磁気共鳴スペクトル分析の分析結果から、主成分の純度は76%であった。
合成例2におけるラウリン酸をカプロン酸116gとした以外は、合成例2と同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体252gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行なった結果、平均組成式
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)4COO]Si(CH2)3S4(CH2)3Si(OCH2CH3)2[OCO(CH2)4CH3] で表わされる化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及びこの主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。
核磁気共鳴スペクトル分析の分析結果から、主成分の純度は78%であった。
合成例1におけるラウリン酸を400gとした以外は、合成例1と同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体440gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行なった結果、平均組成式
(CH3CH2O)[CH3(CH2)10COO] 2Si(CH2)3S2(CH2)3Si(OCH2CH3)[OCO(CH2)10CH3] 2 で表わされる化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及びこの主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。
核磁気共鳴スペクトル分析の分析結果から、主成分の純度は64%であった。
合成例1におけるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を平均組成式
(CH3CH2O)3Si(CH2)3S(CH2)6S3(CH2)6 S (CH2)3Si(OCH2CH3)3 で表わされるスルフィド鎖含有有機珪素化合物369gとした以外は、合成例1と同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体470gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行なった結果、平均組成式
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)10COO]Si(CH2)3S(CH2)6S3(CH2)6S(CH2)3Si(OCH2CH3)2[OCO(CH2)10CH3] で表わされる化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及びこの主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。
核磁気共鳴スペクトル分析の分析結果から、主成分の純度は71%であった。
合成例1におけるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を平均組成式
(CH3CH2O)3Si(CH2)3S3[(CH2)6S3]3(CH2)3Si(OCH2CH3)3 で表わされるスルフィド鎖含有有機珪素化合物262gとした以外は、合成例1と同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体470gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行なった結果、平均組成式
(CH3CH2O)[CH3(CH2)10COO]2Si(CH2)3S3[(CH2)6S3]3(CH2)3Si(OCH2CH3)[OCO(CH2)10CH3] 2 で表わされる化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及びこの主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。
核磁気共鳴スペクトル分析の分析結果から、主成分の純度は64%であった。
合成例1におけるスルフィド鎖含有有機珪素化合物を平均組成式
(CH3CH2O)3Si(CH2)3S(CH2)6S3(CH2)6S3(CH2)6S(CH2)3Si(OCH2CH3)3 で表わされるスルフィド鎖含有有機珪素化合物459gとした以外は、合成例1と同様に合成を行ったところ、濃褐色透明の液体550gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、13C核磁気共鳴スペクトル分析、29Si核磁気共鳴スペクトル分析を行なった結果、平均組成式
(CH3CH2O)2[CH3(CH2)10COO]Si(CH2)3S(CH2)6S3(CH2)6S3(CH2)6S(CH2)3Si(OCH2CH3)2[OCO(CH2)10CH3] で表わされる化合物が主成分であり、原料のスルフィド鎖含有有機珪素化合物及びこの主成分の加水分解物が含まれていることを確認した。
核磁気共鳴スペクトル分析の分析結果から、主成分の純度は63%であった。
窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサー及び滴下漏斗を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン119g(0.5モル)を仕込み、撹拌下、有効成分20%のナトリウムエチラートのエタノール溶液151.2g(0.45モル)を加えた。滴下終了後、昇温し、80℃にて、3時間撹拌を続けた。その後冷却し、滴下漏斗に移した。
次いで、窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサー及び滴下漏斗を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、1,6−ジクロロヘキサン310.0g(2.0モル)を仕込み、80℃に昇温し、撹拌下、上記の3−メルカプトプロピルトリエトキシシランとナトリウムエチラートの反応物をゆっくり滴下した。滴下終了後、80℃にて5時間撹拌を続けた。その後冷却し、得られた溶液中から塩を濾別し、さらにエタノール及び過剰の1,6−ジクロロヘキサンを減圧留去した。得られた溶液を減圧蒸留したところ、沸点148〜150℃/0.005torrにて無色透明の液体64.2gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析及びマススペクトル分析を行なった結果、下記式
(CH3CH2O)3Si(CH2)3S(CH2)6-Cl で表わされる化合物であることを確認した。また、ガスクロマトグラフ分析における純度は、98.7%であった。
次に、窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサー及び滴下漏斗を備えた0.5リットルのセパラブルフラスコに、エタノール80g、無水硫化ナトリウム5.46g(0.07モル)、硫黄2.24gを仕込み、80℃に昇温した。撹拌下、
上記式 (CH3CH2O)3Si(CH2)3S(CH2)6-Cl で表わされる化合物49.91g(0.14モル)をゆっくり滴下した。滴下終了後、80℃にて10時間撹拌を続けた。撹拌終了後、冷却し、生成した塩を濾別した後、溶媒のエタノールを減圧留去したところ、赤褐色透明の溶液46.3gが得られた。このものの赤外線吸収スペクトル分析、1H核磁気共鳴スペクトル分析、超臨界クロマトグラフィー分析及び元素分析を行った結果、下記平均組成式
(CH3CH2O)3Si(CH2)3S(CH2)6S2(CH2)6S(CH2)3Si(OCH2CH3)3
で表わされる化合物であることを確認した。核磁気共鳴スペクトル分析結果から、主成分の純度は89.7%であった。
表1の示す配合内容により通常の混練条件でバンバリーミキサーにて混練して13種類のゴム組成物を調製し、未加硫ゴム組成物につきムーニー粘度及びムーニースコーチタイムを測定した。また、13種類のゴム組成物を160℃、15分間の条件で加硫し、加硫ゴム組成物の硬さ、切断時伸び及び反発弾性を測定した。結果を表1に示す。
*2:ISAF−HS、東海カーボン(株)製(商標)「シースト7HM」。
*3:東ソー・シリカ(株)製(商標)「ニプシル AQ」(BET比表面積 =190m2/g)。
*4:(CH3CH2O)3−Si−(CH2)3−S2−(CH2)3−Si(OCH2CH3)3 、デグッサ社製(商標)「Si75」。
*5:N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製、(商標)「ノクラック6C」。
*6:ジベンゾチアジルジスルフィド、三新化学工業(株)製、(商標)「サンセラーDM」。
*7:N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、三新化学工業(株)製、(商標)「サンセラーNS」。
Claims (9)
- 前記有機珪素化合物のuが0である請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記有機珪素化合物のuが1であり、nが平均組成値で2〜3である請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記有機珪素化合物のmが1である請求項3に記載のゴム組成物。
- 前記シリカのBET比表面積が40〜350m2/gである請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分がジエン系ゴムを含んでなる請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ゴム成分100質量部に対して、前記シリカを10〜200質量部及び前記シリカに対して前記有機珪素化合物を1〜20質量%配合してなる請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いる部材を配設してなる空気入りタイヤ。
- 前記部材がトレッドである請求項8に記載の空気入りタイヤ。
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