JP7413987B2 - ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物に関し、さらに詳述すると、天然ゴムを含有するゴム組成物および該ゴム組成物を成形してなるタイヤに関する。
含硫黄有機ケイ素化合物は、シリカ充填ゴム組成物からなるタイヤの製造に必須成分として有用である。シリカ充填タイヤは、自動車用途で優れた性能を有し、特に、耐磨耗性、転がり抵抗およびウェットグリップ性に優れている。これらの性能の向上は、タイヤの低燃費性向上と密接に関連しているため、特に、S-SBRを用いた乗用車用タイヤの業界において、昨今盛んに研究されている。
低燃費性向上には、ゴム組成物のシリカ充填率を上げることが必須であるが、シリカ充填ゴム組成物は、タイヤの転がり抵抗を低減し、ウェットグリップ性を向上させるものの、未加硫粘度が高く、多段練り等を要し、作業性に問題がある。そのため、シリカ等の無機質充填剤を単に配合したゴム組成物においては、充填剤の分散が不足し、破壊強度および耐磨耗性が大幅に低下するといった問題が生じる。
そこで、無機質充填剤のゴム中への分散性を向上させるとともに、無機質充填剤とゴムマトリックスとを化学結合させるため、含硫黄有機ケイ素化合物が必須であった。
含硫黄有機ケイ素化合物としては、アルコキシシリル基とポリスルフィドシリル基を分子内に含む化合物、例えば、ビス-トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィドやビス-トリエトキシシリルプロピルジスルフィド等が有効であることが知られている(特許文献1~5)。
一方、トラックやバスなどに装着される高荷重タイヤには、過酷な条件下での使用にも耐えうるよう、高い耐破壊特性が要求され、ゴム成分として天然ゴムを使用することで耐破壊特性を向上させたタイヤが提案されているが、そのようなタイヤにおいても、低燃費性の要求が高まっている(特許文献6)。
特許文献7および8には、含硫黄有機ケイ素化合物として、ポリスルフィド基とアルキル基を有するオルガノポリシロキサンを用いた例が開示されており、ゴム成分としては、天然ゴムを使用できることが記載されているが、実施例においては、S-SBRを主に用いており、天然ゴムを用いて所望の低燃費性を実現するタイヤ用ゴム組成物を得るには至っていない。
特公昭51-20208号公報 特表2004-525230号公報 特開2004-18511号公報 特開2002-145890号公報 米国特許第6229036号明細書 特開2019-131649号公報 特許第6384338号公報 特許第5574063号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、天然ゴムおよびシリカを含むゴム組成物、特に、天然ゴムを主たるゴム成分とし、これにシリカを配合したゴム組成物の加工性、硬化物の硬度、引張特性、耐磨耗性を維持したまま、低燃費性能を改善したタイヤを実現することができるゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、天然ゴムおよびシリカを含むゴム組成物、特に、天然ゴムを主たるゴム成分とし、これにシリカを配合したゴム組成物に、特定のオルガノポリシロキサンを添加することにより、加工性(ゴム粘度)や、硬化物の硬度、引張特性を維持したまま、低燃費性能を改善したタイヤを実現することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. (A)天然ゴム、
(B)シリカ、および
(C)下記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
(R1a(R2b(OR3c(R4dSiO(4-2a-b-c-d)/2 (1)
(式中、R1は、それぞれ独立して、スルフィド基含有二価有機基を表し、R2は、それぞれ独立して、炭素数3~12のアルキル基を表し、R3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基、または炭素数2~10のアルケニル基を表し、R4は、それぞれ独立して、炭素数6~10のアリール基または炭素数7~10のアラルキル基を表し、a、b、cおよびdは、0<2a<1、0≦b<1、0<c<3、0≦d<1、かつ0<2a+b+c+d<4を満たす数を表す。)
を含むゴム組成物、
2. 1記載のゴム組成物を成形してなるタイヤ、
3. 1記載のゴム組成物の硬化物、
4. 3記載の硬化物を用いたタイヤ
を提供する。
本発明は、天然ゴムおよびシリカを含むゴム組成物、特に、天然ゴムを主たるゴム成分とし、これにシリカを配合したゴム組成物の加工性(ゴム粘度)、硬化物の硬度、引張特性を維持したまま、低燃費性能を改善したタイヤを実現することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
[(A)天然ゴム]
本発明で用いられる天然ゴムとしては、特に限定されず、例えば、RSS#3、SIR20、TSR20等のタイヤ工業において一般的に用いられるものを使用できる。また、エポキシ化天然ゴム、水素化天然ゴム、グラフト化天然ゴム、脱タンパク質天然ゴム等の改質天然ゴムなども使用することができる。
なお、本発明のゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、天然ゴム以外のゴム成分を用いてもよい。天然ゴム以外のゴム成分としては、従来、各種ゴム組成物に一般的に用いられている任意のゴムを用いることができ、その具体例としては、各種イソプレンゴム(IR)、各種スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等のジエン系ゴムなどが挙げられ、これらは、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。また、ジエン系ゴム以外に、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体ゴム(EPR,EPDM)等の非ジエン系ゴムなどを併用することができる。
本発明のゴム組成物は、高荷重車両用タイヤ用として用いた場合にも、十分な耐破壊特性を示し得るものとして、ゴム成分中の天然ゴムを主たる成分とするものが好ましい。本発明において、天然ゴムを主たる成分とするとは、ゴム成分中の天然ゴムの含有量が、好ましくは50質量%以上であることをいう。天然ゴムの含有量は、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、ゴム成分が天然ゴムのみであることが特に好ましい。
[(B)シリカ]
本発明で用いられるシリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)など、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。中でもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。シリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、特に限定されず、70m2/g以上であることが好ましく、100m2/g以上がより好ましい。また、N2SAの上限は、特に限定されるものではないが、取扱い易さ等の観点から、例えば、500m2/g以下が好ましく、400m2/g以下がより好ましい。
シリカの配合量は、シリカの分散性、成形加工性、得られるタイヤの低燃費性等の観点から、(A)天然ゴム、または他のゴム成分を含む場合はそれらの合計100質量部に対して、例えば、5質量部以上が好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であり、70質量部以下が好ましい。
なお、本発明のゴム組成物には、充填剤として、シリカ以外に、さらに、他の充填剤を用いてもよい。そのような充填剤としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、タルク、クレーなど、この分野で一般的に使用される充填剤をいずれも用いることができる。これらの充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
充填剤として、シリカ以外のものを用いる場合、ゴム強度の観点から、カーボンブラックが好ましい。すなわち、充填剤としては、シリカおよびカーボンブラックを含むことが好ましく、シリカおよびカーボンブラックのみからなることがさらに好ましい。カーボンブラックとしては、特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。シリカとカーボンブラックを併用する場合、これらの配合割合は、質量比で、80/20~20/80が好ましく、70/30~30/70がさらに好ましい。
[(C)オルガノポリシロキサン]
本発明のゴム組成物に用いるオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で表される。
(R1a(R2b(OR3c(R4dSiO(4-2a-b-c-d)/2 (1)
上記式(1)において、R1は、それぞれ独立して、スルフィド基含有二価有機基を表す。
二価有機基としては、アルキレン基、アリーレン基等が挙げられるが、炭素数2~20のアルキレン基が好ましく、下記平均式(2)で表されるものがより好ましい。
Figure 0007413987000001
(式中、nは、それぞれ独立して、1~10、好ましくは1~5の数を表し、xは、1~6、好ましくは2~4の数を表し、破線は、結合手を表す。)
上記式(2)で表されるスルフィド基含有二価有機基の具体例としては、下記式で表される基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0007413987000002
(式中、破線は、結合手を表す。)
2は、それぞれ独立して、炭素数3~12のアルキル基を表す。炭素数3~12のアルキル基としては、n-プロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、オクタデシル基などが挙げられ、中でも炭素数6以上のアルキル基が好ましい。炭素数が6以上の場合、低燃費性能がより向上する。
3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数6~10のアリール基または炭素数7~10のアラルキル基を表す。
炭素数1~20のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、オクタデシル基等が挙げられる。
炭素数2~10のアルケニル基の具体例としては、ビニル、プロペニル、ペンテニル基等が挙げられる。
炭素数6~10のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル基等が挙げられる。
炭素数7~10のアラルキル基の具体例としては、フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチル基等が挙げられる。
これらの中でも、R3としては、水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
4は、それぞれ独立して、炭素数6~10のアリール基または炭素数7~10のアラルキル基を表す。
炭素数6~10のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル基等が挙げられる。
炭素数7~10のアラルキル基の具体例としては、フェニルメチル(ベンジル)、フェニルエチル基等が挙げられる。
これらの中でもR4としては、フェニル基が好ましい。
a、b、cおよびdは、ケイ素原子の合計モル数を1とした場合の各有機基の平均モル数を意味し、0<2a<1、0≦b<1、0<c<3、0≦d<1、かつ0<2a+b+c+d<4を満たす数を表すが、好ましくは0.2≦2a≦0.95、0.05≦b≦0.8、1≦c≦2.5、0≦d≦0.6、かつ1.3≦2a+b+c+d<4を満たす数、より好ましくは0.3≦2a≦0.80、0.05≦b≦0.6、1≦c≦2.5、0.05≦d≦0.5、かつ1.5≦2a+b+c+d<4を満たす数である。
本発明において、オルガノポリシロキサンの毛細管式動粘度計による25℃における動粘度は、加工性の点から、2~10,000mm2/sが好ましく、10~5,000mm2/sがより好ましい。
本発明で用いられるオルガノポリシロキサンは、例えば、下記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物と、下記一般式(4)で表される有機ケイ素化合物および/または下記一般式(5)で表される有機ケイ素化合物とを共加水分解縮合することにより製造することができる。
Figure 0007413987000003
(式中、R3、nおよびxは上記と同じ意味を表し、R5は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、または炭素数7~10のアラルキル基を表し、yは、1~3の整数、好ましくは、2または3を表す。)
Figure 0007413987000004
(式中、R2、R3、R5およびyは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 0007413987000005
(式中、R3、R4およびyは、上記と同じ意味を表す。)
5の炭素数1~12のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基としては、上記R2およびR4で例示した基と同様のものが挙げられるが、それらの中でも、R5としては、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記式(3)で表される有機ケイ素化合物の具体的としては、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等が挙げられる。
上記式(4)で表される有機ケイ素化合物の具体的としては、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、フェニルジエトキシプロピルシラン等が挙げられる。
上記式(5)で表される有機ケイ素化合物の具体的としては、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等が挙げられる。
ここで、上記式(3)、(4)および(5)で表される有機ケイ素化合物の使用量は、上記式(1)において、a~dが上述した数となるように選択される。式(3)、(4)および(5)で表される有機ケイ素化合物全体に対し、式(3)で表される有機ケイ素化合物は、好ましくは20~95モル%、より好ましくは20~90モル%であり、式(4)で表される有機ケイ素化合物は、好ましくは5~80モル%、より好ましくは5~70モル%、特に好ましくは5~60モル%であり、式(5)で表される有機ケイ素化合物は、好ましくは0~60モル%、より好ましくは5~50モル%である。
共加水分解縮合は、公知の方法によって行うことができる。使用する水の量も公知の量とすることができ、通常、有機ケイ素化合物中の加水分解性シリル基の合計1モルに対し、0.3~0.99モルであるが、0.4~0.8モルが好ましい。
本発明のオルガノポリシロキサンの製造には、必要に応じて有機溶媒を用いてもよい。
有機溶媒の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒などが挙げられる。
これらの中でも、加水分解反応性に優れるという観点から、エタノール、i-プロパノールが好ましい。上記溶媒を使用する場合、その使用量は、特に限定されないが、上記有機ケイ素化合物の質量の2倍量以下程度が好適であり、特に、有機ケイ素化合物の質量と同量以下程度が好ましい。
また、本発明のオルガノポリシロキサンの製造には、必要に応じて触媒を用いてもよい。
触媒の具体例としては、塩酸、酢酸等の酸性触媒;テトラブチルオルトチタネート、アンモニウムフルオリド等のルイス酸触媒;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン等のアミン化合物などが挙げられる。
シランの加水分解反応(および/または一部縮合)の触媒として、例えば塩酸を使用することができ、シラノールの縮合(オリゴマー化)の触媒として、例えば水酸化カリウムを使用することができる。
触媒の量(シランの加水分解反応の触媒とシラノールの縮合反応の触媒を併用する場合はそれぞれの量)は、反応性に優れるという観点から、有機ケイ素化合物中の加水分解性シリル基の合計1モルに対し、0.001~0.05(単位:モル当量)が好ましい。
共加水分解縮合の反応条件は、通常、20~100℃、好ましくは60~85℃にて、通常30分~20時間、好ましくは1分~10時間である。
上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン(C)の配合量は、得られるゴムの物性や、発揮される効果の程度と経済性とのバランス等を考慮すると、(B)シリカ、または他の充填剤を含む場合はそれらの合計100質量部に対し、3~20質量部が好ましく、5~12質量部がより好ましい。
なお、本発明のゴム組成物には、上記(A)~(C)の各成分に加えて、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤等のタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができる。これら添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明のゴム組成物は、上述した(A)~(C)成分およびその他の成分を一般的な方法で組成物とし、これを加硫または架橋するゴム製品、例えば、タイヤ等のゴム製品の製造に使用することができる。特に、タイヤを製造する場合、本発明のゴム組成物がトレッドに用いられていることが好ましい。
本発明のゴム組成物を用いて得られるタイヤは、転がり抵抗が大幅に低減されていることに加え、耐磨耗性も向上していることから、所望の低燃費性を実現できる。
なお、タイヤの構造は、従来公知の構造とすることができ、その製法も、従来公知の製法を採用すればよい。また、気体入りのタイヤの場合、タイヤ内に充填する気体として通常空気や、酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記例において、「部」は、質量部を意味し、粘度は、毛細管式動粘度計を用いて25℃で測定した値である。
[1]オルガノポリシロキサンの合成
[合成例1-1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE-846、信越化学工業(株)製)539g(1.0モル)、プロピルトリエトキシシラン(KBE-3033、信越化学工業(株)製)165g(0.8モル)、エタノール200gを納めた後、室温にて0.5N塩酸25.2g(水1.4モル)を滴下した。次いで、80℃にて10時間撹拌した。その後、プロピレンオキサイド3.0gを滴下し、80℃で2時間撹拌した。さらに、減圧濃縮、濾過することで、粘度が120mm2/sの褐色透明液体を得た。得られたオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式で表されるものであった。
(-C36-S4-C36-)0.36(-C370.28(-OC252.00SiO0.50
[合成例1-2]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE-846、信越化学工業(株)製)539g(1.0モル)、ヘキシルトリエトキシシラン(KBE-3063、信越化学工業(株)製)199g(0.8モル)、エタノール200gを納めた後、室温にて0.5N塩酸25.2g(水1.4モル)を滴下した。次いで、80℃にて10時間撹拌した。その後、プロピレンオキサイド3.0gを滴下し、80℃で2時間撹拌した。さらに、減圧濃縮、濾過することで、粘度が100mm2/sの褐色透明液体を得た。得られたオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式で表されるものであった。
(-C36-S4-C36-)0.36(-C6130.28(-OC252.00SiO0.50
[合成例1-3]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE-846、信越化学工業(株)製)539g(1.0モル)、オクチルトリエトキシシラン(KBE-3083、信越化学工業(株)製)222g(0.8モル)、エタノール200gを納めた後、室温にて0.5N塩酸25.2g(水1.4モル)を滴下した。次いで、80℃にて10時間撹拌した。その後、プロピレンオキサイド3.0gを滴下し、80℃で2時間撹拌した。さらに、減圧濃縮、濾過することで、粘度が80mm2/sの褐色透明液体を得た。得られたオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式で表されるものであった。
(-C36-S4-C36-)0.36(-C8170.28(-OC252.00SiO0.50
[合成例1-4]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE-846、信越化学工業(株)製)539g(1.0モル)、デシルトリエトキシシラン(KBE-3103、信越化学工業(株)製)244g(0.8モル)、エタノール200gを納めた後、室温にて0.5N塩酸25.2g(水1.4モル)を滴下した。次いで、80℃にて10時間撹拌した。その後、プロピレンオキサイド3.0gを滴下し、80℃で2時間撹拌した。さらに、減圧濃縮、濾過することで、粘度が70mm2/sの褐色透明液体を得た。得られたオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式で表されるものであった。
(-C36-S4-C36-)0.36(-C10210.28(-OC252.00SiO0.50
[合成例1-5]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE-846、信越化学工業(株)製)539g(1.0モル)、フェニルトリエトキシシラン(KBE-103、信越化学工業(株)製)192g(0.8モル)、エタノール200gを納めた後、室温にて0.5N塩酸25.2g(水1.4モル)を滴下した。次いで、80℃にて10時間撹拌した。その後、プロピレンオキサイド3.0gを滴下し、80℃で2時間撹拌した。さらに、減圧濃縮、濾過することで、粘度が240mm2/sの褐色透明液体を得た。得られたオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式で表されるものであった。
(-C36-S4-C36-)0.36(-C650.28(-OC252.00SiO0.50
[合成例1-6]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を備えた1Lセパラブルフラスコに、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE-846、信越化学工業(株)製)539g(1.0モル)、フェニルトリエトキシシラン(KBE-103、信越化学工業(株)製)96g(0.4モル)、プロピルトリエトキシシラン(KBE-3033、信越化学工業(株)製)83g(0.4モル)、エタノール200gを納めた後、室温にて0.5N塩酸25.2g(水1.4モル)を滴下した。次いで、80℃にて10時間撹拌した。その後、プロピレンオキサイド3.0gを滴下し、80℃で2時間撹拌した。さらに、減圧濃縮、濾過することで、粘度が150mm2/sの褐色透明液体を得た。得られたオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式で表されるものであった。
(-C36-S4-C36-)0.36(-C650.14(-C370.14(-OC252.00SiO0.50
[2]ゴム組成物の調製
[実施例1-1~1-6,比較例1-1]
4Lのインターナルミキサー(MIXTRON、(株)神戸製鋼所製)を用いて、表1記載の天然ゴムを60秒間混練した。
次いで、表1記載のカーボンブラック、シリカ、スルフィドシラン、合成例で得られたオルガノポリシロキサン、ステアリン酸、老化防止剤、レジン、およびワックスを加え、内温を150℃まで上昇させ排出した。その後、ロールを用いて延伸した。得られたゴムを、再度インターナルミキサー(MIXTRON、(株)神戸製鋼所製)を用いて内温が145℃になるまで混練し、排出した後、ロールを用いて延伸した。これに表1記載の酸化亜鉛、加硫促進剤および硫黄を加えて混練し、ゴム組成物を得た。
天然ゴム:RSS#3
シリカ:ニプシルAQ(東ソー・シリカ(株)製)
カーボンブラック:シースト9H(東海カーボン(株)製)
スルフィドシラン:KBE-846(信越化学工業(株)製)
ステアリン酸:工業用ステアリン酸(花王(株)製)
老化防止剤:ノクラック6C(大内新興化学工業(株)製)
レジン:T-REZ RA-100(ENEOS(株)製)
ワックス:オゾエース0355(日本精蝋(株)製)
酸化亜鉛:亜鉛華3号(三井金属鉱業(株)製)
加硫促進剤(a):ノクセラーDM-P(大内新興化学工業(株)製)
加硫促進剤(b):ノクセラーCZ-G(大内新興化学工業(株)製)
硫黄:5%オイル処理硫黄(細井化学工業(株)製)
上記実施例1-1~1-6、比較例1-1で得られたゴム組成物について、未加硫物性および加硫物性を下記の方法で測定した。なお、加硫物性に関しては、得られたゴム組成物をプレス成形(145℃、30分)して、加硫ゴムシート(厚み2mm)を作製した。結果を表1に併せて示す。
〔未加硫物性〕
(1)ムーニー粘度
JIS K 6300-1:2013に準拠し、余熱1分、測定4分、温度130℃にて測定し、比較例1-1を100として指数で表した。指数値が小さいほど、ムーニー粘度が低く、加工性に優れている。
〔加硫物性〕
(2)硬度
JIS K 6253-3:2012に準拠し、デュロメーター(タイプA)硬さを測定し、比較例1-1を100として指数で表した。指数値が大きいほど、硬度が高く、優れている。
(3)引張特性
JIS3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K 6251に準拠して行い、300%モジュラス(M300)[MPa]を室温にて測定した。得られた結果を、比較例1-1を100として指数表示した。指数値が大きいほど、モジュラスが高く、引張特性に優れることを示す。
(4)動的粘弾性(歪分散)
粘弾性測定装置(メトラビブ社製)を使用し、温度25℃、周波数55Hzの条件にて、歪0.5%の貯蔵弾性率E’(0.5%)と歪3.0%の貯蔵弾性率E’(3.0%)を測定し、[E’(0.5%)-E’(3.0%)]の値を算出した。なお、試験片は厚さ0.2cm、幅0.5cmのシートを用い、使用挟み間距離2cmとして初期荷重を1Nとした。
[E’(0.5%)-E’(3.0%)]の値は、比較例1-1を100として指数で表し、指数値が小さい程、シリカの分散性が良好であることを示す。
(5)動的粘弾性(温度分散)
粘弾性測定装置(メトラビブ社製)を使用し、引張の動歪1%、周波数55Hzの条件にて測定した。なお、試験片は厚さ0.2cm、幅0.5cmのシートを用い、使用挟み間距離2cmとして初期荷重を1Nとした。
tanδ(60℃)の値は、比較例1-1を100として指数で表した。tanδ(60℃)の値は、指数値が小さいほど転がり抵抗が良好であることを示す。
(6)耐磨耗性
FPS試験機((株)上島製作所製)を用いて、サンプルスピード200m/分、荷重20N、路面温度30℃、スリップ率5%の条件で試験を行った。
得られた結果を、比較例1-1を100として指数表示した。指数値が大きいほど、磨耗量が少なく耐磨耗性に優れることを示す。
Figure 0007413987000006
表1に示されるように、実施例1-1~1-6のゴム組成物の加硫物は、比較例1-1のゴム組成物の加硫物に比べ、硬度や引張特性を維持したまま、歪分散[E’(0.5%)-E’(3.0%)]の値が小さく、シリカ分散性に優れていることがわかる。また、動的粘弾性tanδ(60℃)が低く、ヒステリシスロスが小さく、低発熱性である。

Claims (4)

  1. (A)天然ゴム、
    (B)シリカ、および
    (C)下記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサン
    (R1a(R2b(OR3c(R4dSiO(4-2a-b-c-d)/2 (1)
    (式中、R1は、それぞれ独立して、スルフィド基含有二価有機基を表し、R2は、それぞれ独立して、炭素数3~12のアルキル基を表し、R3は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数7~10のアラルキル基、または炭素数2~10のアルケニル基を表し、R4は、それぞれ独立して、炭素数6~10のアリール基または炭素数7~10のアラルキル基を表し、a、b、cおよびdは、0<2a<1、0≦b<1、0<c<3、0≦d<1、かつ0<2a+b+c+d<4を満たす数を表す。)
    を含むゴム組成物であって、この組成物に含まれるゴム成分中の(A)天然ゴムの含有量が50質量%以上であるゴム組成物
  2. 請求項1記載のゴム組成物を成形してなるタイヤ。
  3. 請求項1記載のゴム組成物の硬化物。
  4. 請求項3記載の硬化物を用いたタイヤ。
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