JP2006131681A - ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 これまで以上に、未加硫粘度が低く、シリカの分散性の高いゴム組成物であって、タイヤのトレッド部材として使用した場合に、耐摩耗性が高く、転がり抵抗が低く、かつ湿潤路面の制動性および操縦安定性の向上を図ることができるゴム組成物および該ゴム組成物を用いたタイヤを提供する。
【解決手段】 ポリマー100質量部に対して、シリカ10〜200質量部と、下記一般式(I)、
(R1O)3-p(R2pSi−R3−S−R4−S−R3−Si(R2p(OR13-p・・・(I)、
(式(I)中、R4は下記一般式(II)、
−R5−Sx−R6−Sy−R7−・・・(II)
で表される2価の官能基である。)で表される1種または2種以上の硫黄含有シラン化合物1〜30質量部と、無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステル0.1〜20質量部とを含有するゴム組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴム組成物および空気入りタイヤに関し、詳しくは未加硫ゴムの粘度が低いために加工性が良好であり、特にタイヤトレッドに使用した場合に、耐摩耗性が高く、転がり抵抗が低く、さらに湿潤路面での制動性・操縦安定性に優れるゴム組成物及び該ゴム組成物を使用したタイヤに関する。
ゴム組成物に使用される多数の充填剤のうち、シリカはカーボンブラックに比較して、低転がり抵抗を有しかつ湿潤路面で高制動性・操縦安定性を発揮するが、未加硫状態での粘度が高いために多段練り等の作業が必要であるなど作業性に難点があった。また、充填材の分散性が低く加硫が遅延し、さらには破断強力、耐摩耗性を大幅に低下させるという問題点があった。
そこで、通常はゴムにシリカを配合する場合にはカップリング剤を添加し、未加硫粘度を低下させ、モジュラス、耐摩耗性の向上を図ることが行われる。しかしながら、これらのカップリング剤は高価であることから、配合によって製造コストが増大するという問題点があった。また、シリカの分散性を向上させ、未加硫粘度を低下させることによって、作業性を改良するために分散改良添加剤が用いられるが、耐摩耗性が低下するという問題点があった。更に、分散剤として強イオン性化合物を用いた場合には、ロール密着等の加工性の低下がみられる場合があった。
これら問題点を解消するために、特許文献1には特定の構造を有する硫黄含有シラン化合物を配合したゴム組成物が提案され、また、特許文献2には無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルを配合したゴム組成物が提案されている。
国際公開第2004/000930号パンフレット 特開2004−91717号公報
上記特許文献1および2により、それ以前に比べ、未加硫ゴムの粘度が低く、加工性が良好であり、タイヤトレッドに使用した場合には、耐摩耗性が高く、転がり抵抗が低く、さらに湿潤路面での制動性・操縦安定性を向上し得るゴム組成物が実現可能となったが、今日の技術の進歩に伴い、これら性能の更なる向上が望まれている。
そこで本発明の目的は、これまで以上に、未加硫粘度が低く、シリカの分散性の高いゴム組成物であって、タイヤのトレッド部材として使用した場合に、耐摩耗性が高く、転がり抵抗が低く、かつ湿潤路面の制動性および操縦安定性の向上を図ることができるゴム組成物および該ゴム組成物を用いたタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ゴム組成物に特定の構造を有する硫黄含有シラン化合物と無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステルを配合することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、ポリマー100質量部に対して、シリカ10〜200質量部と、下記一般式(I)、
(R1O)3-p(R2pSi−R3−S−R4−S−R3−Si(R2p(OR13-p・・・(I)、
(式(I)中、R1およびR2はそれぞれ炭素数1〜4の炭化水素基、R3は炭素数1〜15の2価の炭化水素基、pは0〜2の整数、R4は下記一般式(II)、
−R5−Sx−R6−Sy−R7−・・・(II)
で表される2価の官能基であって、式(II)中、R5、R6およびR7は夫々同一でも異なっていてもよく、直鎖状または分枝を有する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、2価の芳香族基、または硫黄原子および酸素原子以外のヘテロ原子を含む2価の有機基、xおよびyはそれぞれ平均値として1以上4未満である。)で表される1種または2種以上の硫黄含有シラン化合物1〜30質量部と、無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステル0.1〜20質量部とを含有することを特徴とするものである。
また、本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を含有する部材を用いたことを特徴とするものである。
本発明のゴム組成物は、特定構造を有する硫黄含有シラン化合物と無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステルとの併用の結果、未加硫粘度が低く、シリカの分散性が高く、加工性に優れ、その結果、ゴム性製品の生産性の大幅な向上を図ることができる。よって、このゴム組成物を、特に、タイヤトレッド部材として使用した場合には、耐摩耗性が高く、転がり抵抗が低く、さらに湿潤路面の制動性および操縦安定性に優れたタイヤが得られる。
以下、本発明の好適実施形態について詳述する。
本発明のゴム組成物は、ポリマー100質量部に対して、シリカ10〜200質量部と、上記一般式(I)で表される1種または2種以上の硫黄含有シラン化合物1〜30質量部と、無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステル0.1〜20質量部とを含有することを特徴とするものである。かかる硫黄含有シラン化合物と無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステルとを併用することで、該シラン化合物中のアルコキシ基とシリカ上のシラノール基との反応が促進され、それぞれを単独で用いた際の効果から予想させる併用効果よりも、はるかに優位な性能が得られることが分かった。
本発明に用いる硫黄含有シラン化合物は、分子の両末端にオルガノオキシシリル基を有し、分子中央部にスルフィドまたはポリスルフィドを有する上記一般式(I)で表される化合物である。式(I)中、R1およびR2はそれぞれ炭素数1〜4の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等が挙げられる。なお、R1とR2は同一でも異なっていてもよい。また、R3は炭素数1〜15の2価の炭化水素基であって、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基、ヘキシレン基、デシレン基、フェニレン基、メチルフェニルエチレン基等が挙げられる。なお、pは0〜2の整数である。
上記一般式(I)のR4は上記一般式(II)で表される2価の官能基であり、式(II)中、R5、R6およびR7は直鎖状または分枝を有する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、2価の芳香族基、または硫黄原子および酸素原子以外のヘテロ原子を含む2価の有機基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基、ヘキシレン基、デシレン基、フェニレン基、メチルフェニルエチレン基等、およびこれらに硫黄原子および酸素原子以外のヘテロ原子である窒素原子、リン原子等が導入された基などが挙げられる。本発明の所期の効果および製造コストの観点から、好ましくはR5、R6およびR7がヘキシレン基である。また、xおよびyがそれぞれ平均値として1以上4未満であり、本発明の所期の効果を得る上で、xおよびyがそれぞれ平均値として2以上4未満であることが好ましく、さらには2以上3以下であることが最も好ましい。
上記一般式(I)で表される化合物の合成方法は特に制限されるものではなく、既知の反応を組み合わせることにより合成することが可能であり、国際公開第2004/000930号パンフレット記載の方法を好適に用いることができる。
また、本発明に係る硫黄含有シラン化合物は、製造時に前記一般式(I)の2量体、3量体等の多量体が製造される場合があり、これら1分子中に3個以上のケイ素原子を含む硫黄含有シラン化合物は、本発明の効果に悪影響を及ぼす場合がある。よって、本発明においては、本発明に係る硫黄含有シラン化合物の配合時に、1分子に3個以上のケイ素原子を有する硫黄含有シラン化合物の含有量を、前記ゴム組成物に対して30質量%以下とすることが好ましく、さらには10質量%以下、特には実質的に含まれないようにすることが最も好ましい。
本発明においては、本発明の所期の効果を得る上で、ポリマー100質量部に対して前記硫黄含有シラン化合物を1〜30質量部配合するが、より所望の効果を得るには2〜20質量部の範囲内とすることが好ましい。
本発明で使用する無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステルは下記一般式(III)
Figure 2006131681
(式(III)中、mは平均重合度を表す1以上の数であり、R8はアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基またはアシル基である。)で表わされるものが好ましい。また、前記一般式(III)において、より好ましくは、mが3〜7,R8が炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基である。
無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステルは(i)無水マレイン酸と、(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体とを反応させることにより得られる。
(ポリ)オキシプロピレン誘導体としては、ポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンミリスチルエーテル、ポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシプロピレンオクチルエーテル、ポリオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテルなどのポリオキシプロピレン脂肪族エーテル:ポリオキシプロピレンベンジルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンベンジル化フェニルエーテルなどのポリオキシプロピレン芳香族エーテル等が挙げられるが、好適にはポリオキシプロピレン脂肪族エーテルであり、その中でも特にポリオキシプロピレンラウリルエーテルが好ましい。
さらに、ポロプロピレンの重合度が3〜7、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が8〜18であることが好ましい。具体的には、ポリオキシプロピレンをPOP(r)と略し、rを各々平均重合度とすれば、POP(3)オクチルエーテル、POP(4)−2−エチルヘキシルエーテル、POP(3)デシルエーテル、POP(5)デシルエーテル、POP(3)ラウリルエーテル、POP(5)ラウリルエーテル、POP(8)ラウリルエーテル、POP(1)ステアリルエーテル、POP(5)ミリスチルエーテルなどが挙げられる。なお、上記(ii)(ポリ)オキシアルキレン誘導体は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
また、本発明の(i)無水マレイン酸と(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルは、原料の(i)無水マレイン酸を含有してもよい。該無水マレイン酸の含有量は好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。一方、(i)無水マレイン酸と(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルは、原料の(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体を含有してもよい。該(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体の含有量は好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
本発明で使用するポリマーは、ゴム組成物を形成し得るものであれば特に限定されないが、ジエン系ゴムであることが好ましい。具体的には、天然ゴムまたは各種ジエン系合成ゴムを用いることができるが、特にジエン系合成ゴムが好ましい。ジエン系合成ゴムとしては、ポリブタジエン(BR)、ブタジエンと芳香族ビニル化合物との共重合体、ブタジエンと他のジエン系モノマーとの共重合体などのブタジエン系重合体、ポリイソプレン(IR)、イソプレンと芳香族ビニル化合物との共重合体、イソプレンと他のジエン系モノマーとの共重合体などのイソプレン系重合体、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの混合物等が挙げられるが、中でもブタジエン系重合体、イソプレン系重合体が好ましく、より好ましいのはスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)である。なお、SBRのミクロ構造は特に限定されないが、中でも、結合スチレン量が5質量%から60質量%であることが好ましく、特に15質量%から45質量%であることが更に好ましい。更に、本発明においては、スチレン−ブタジエン共重合体がゴム成分中50質量%以上含有していることが好ましいが、特に全ゴム成分がスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)単独であることが好ましい。
前記ジエン系モノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらは、一種単独で用いても、二種以上を混合してもよく、さらに1,3−ヘキサジエンなど他のジエンと共重合して用いてもよい。中でも好ましいのは、1,3−ブタジエンである。
本発明のゴム組成物は、ポリマー100質量部に対して、シリカ10〜200質量部を配合する。シリカとしては、特に制限はなく、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも耐破壊特性の改良効果、ウェットグリップ性および低転がり抵抗性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。また、BET表面積が40〜350m2/gの範囲であることが好ましい。BET表面積がこの範囲内であるとゴム補強性とゴム中の分散性を両立できるという利点がある。この観点からBET表面積は80〜300m2/gの範囲内であることがさらに好ましい。
尚、本発明のゴム組成物においては、通常のゴム組成物に配合する添加剤を本発明の効果を損なわない程度に添加することができ、ゴム工業で通常使用されているカーボンブラック、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等の添加剤を適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、ロールなどの開放式混練機、バンバリーミキサーなどの密閉式混練機等の混練機を用いて混練することによって得られ、成形加工後に加硫を行い、各種ゴム製品に適用可能である。例えば、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部等のタイヤ用途を始め、防振ゴム、防舷材、ベルト、ホース、その他の工業品等の用途に用いることができるが、特にタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。
また、上記ゴム組成物を用いた本発明のタイヤにおいては、耐摩耗性が高く、転がり抵抗が低く、更に湿潤路面での制動性・操縦安定性に優れた性能を得ることができる。このタイヤに充填する気体としては、空気、又は窒素などの不活性なガスが挙げられる。
次に、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各実施例および比較例で得られたゴム組成物の物性は以下の方法により測定した。
(1)ムーニー粘度(ML1+4
JIS K6300−1994に準拠し、130℃にてムーニー粘度(ML1+4/130℃)を測定し、比較例2の値を100として指数化した。ムーニー粘度は値が小さい程、加工性が高いことを示す。
(2)硬さ
JIS K6253−1997に準拠して測定し、比較例2の値を100として指数化した。
(3)反発弾性
JIS K6255−1996に準じて、ダンロップトリプソメーターを用いて測定した。測定値は比較例2の値を100として指数化した。
(4)耐摩耗性(ゴム組成物)
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定した。結果は、各例の摩耗量の逆数を、比較例2において得られた摩耗量の逆数の値を100として指数化した。
また、タイヤに関する物性は以下の方法により測定した。
(5)転がり抵抗性試験
転がり抵抗は、スチール平滑面を有する外径が1707.6mm、幅が350mmの回転ドラムを用い、4500N(460kg)の荷重の作用下で、80km/hの速度で回転させたときの惰行法を持って測定し、評価した。測定値は比較例2の値を100として指数化した。この数値が大きい程、転がり抵抗は良好(小さい)であることを示す。
(6)耐摩耗性(タイヤ)
実車にて舗装路面を2万キロ走行後、残溝を測定し、トレッドが1mm摩耗するのに要した走行距離を相対比較し、比較例2を100として指数表示した。指数が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
(硫黄含有シラン化合物の合成)
まず、硫黄含有シラン化合物の合成を行った。窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサーおよび滴下漏斗を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン119g(0.50mol)を仕込み、撹拌下、有効成分20%のナトリウムエトキシドのエタノール溶液151.2(0.45mol)を加えた。その後、80℃に昇温し、3時間撹拌を行った。その後、冷却し、滴下漏斗に移した。
次いで、上記と同様のセパラブルフラスコに、1,6−ジクロロヘキサンを69.75g(0.45mol)仕込み、80℃に昇温した後、上記の3−メルカプトプロピルトリエトキシシランとナトリウムエトキシドの反応物をゆっくり滴下した。滴下終了後、80℃で5時間撹拌を続けた。その後、冷却し、得られた溶液中から塩を濾別し、更にエタノールおよび過剰の1,6−ジクロロヘキサンを減圧留去した。得られた溶液を減圧蒸留し、沸点148〜150℃/0.67Pa(0.005Torr)の無色透明の液体137.7gを得た。IR分析、1H−NMR分析およびマススペクトル分析(MS分析)を行った結果、(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−Clで表される化合物であった。また、ガスクロマトグラフ分析(GC分析)による純度は97.7%であった。
次に、窒素ガス導入管、温度計、ジムロート型コンデンサーおよび滴下漏斗を備えた0.5リットルのセパラブルフラスコに、エタノール80g、無水硫化ソーダ10.92g(0.14mol)、硫黄6.73g(0.21mol)を仕込み、80℃に昇温した。この溶液を攪拌しながら、上記合成した一般式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−Clで表される化合物49.91g(0.14mol)および1,6−ジクロロヘキサン10.85g(0.07mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後、80℃にて10時間撹拌を続けた。撹拌終了後、冷却し、生成した塩を濾別した後、溶媒のエタノールを減圧留去したところ、褐色透明の溶液55.1gが得られた。IR分析、1H−NMR分析および超臨界クロマトグラフィー分析を行った結果、一般式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−Sx−(CH26−Sy−(CH26−S−(CH23−Si(OCH3CH23、即ち、化学式(I)および(II)においてR1がエチル基、R3がプロピレン基、R5〜R7がヘキシレン基、p=0、xおよびyの平均値が2.5であることを確認した。
実施例1〜3
ジエン系ゴム(日本合成ゴム(株)製、商品名「#1712」)110質量部、天然ゴム20質量部を1.8Lバンバリーミキサーにて、70rpm、開始温度80℃で30秒間素練りし、これにISAF級カーボンブラック(東海カーボン(株)製、商品名「シースト7HM」)20質量部と、シリカ(日本シリカ工業(株)製、商品名「ニプシルAQ」)50質量部と、ステアリン酸1質量部と、老化防止剤6PPD(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)1.0質量部と、上記で合成した硫黄含有シラン化合物(「化合物A」とする)と、更に下記の表1に示す配合内容に従い、モノ〔POP(5)ラウリルエーテル〕マレイン酸エステル(「部分エステルB」とする)またはモノ〔POP(5)デシルエーテル〕マレイン酸エステル(「部分エステルC」とする)とを配合し、160℃になるまで混練した後、放出し、ロールにてシート状にした。次いで1.8Lバンバリーミキサーにて、70rpm、開始温度80℃で1分30秒間リミル操作を行った後、放出し、ロールにてシート状にした。室温まで十分冷却した後、活性亜鉛3質量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)0.5質量部、加硫促進剤NS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1.0質量部および硫黄1.5質量部を混合し、60rpm、開始温度80℃で1分間混練してゴム組成物を得た。得られたゴム組成物の物性を測定した。なお、表1中、添加量はゴム成分100質量部に対する質量部である。
また、各ゴム組成物を用い、通常の方法でタイヤを製造した。タイヤサイズは205/65R15、リム15×6JJ、内圧を220kPaとした。このタイヤを用いて、転がり抵抗性試験および耐摩耗性試験(タイヤ)を実施した。夫々の評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、上記合成した化合物に代えて、市販のシランカップリング剤(デグッサ社製「Si69」)(構造式:(CH3CH2O)3−Si−(CH23−S4−(CH23−Si(OCH2CH33)をゴム成分100質量部に対し、5.5質量部添加し、部分エステルを添加しないことを除き、実施例1と同様にしてゴム組成物を得た。評価結果を表1に示す(タイヤに関する試験は未実施である)。
比較例2
実施例1において、上記合成した化合物に代えて、市販のシランカップリング剤(デグッサ社製「Si75」)(構造式:(CH3CH2O)3−Si−(CH23−S2−(CH23−Si(OCH2CH33)をゴム成分100質量部に対し、5.0質量部添加し、部分エステルを添加しないことを除き、実施例1と同様にしてゴム組成物およびタイヤを得た。評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、部分エステルを添加しないことを除き、実施例1と同様にしてゴム組成物およびタイヤを得た。評価結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、上記合成した化合物に代えて、市販のシランカップリング剤(デグッサ社製「Si75」)(構造式:(CH3CH2O)3−Si−(CH23−S2−(CH23−Si(OCH2CH33)をゴム成分100質量部に対し、5.0質量部添加したことを除き、実施例1と同様にしてゴム組成物およびタイヤを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2006131681
表1から明らかなように、実施例1〜3はいずれも比較例1〜4に比べ、ゴム組成物のムーニー粘度、硬さおよび耐摩耗性において同等または優れた物性を有し、また、ゴム組成物から作製されたタイヤにおいては転がり抵抗および耐摩耗性のいずれも良好である。

Claims (8)

  1. ポリマー100質量部に対して、シリカ10〜200質量部と、下記一般式(I)、
    (R1O)3-p(R2pSi−R3−S−R4−S−R3−Si(R2p(OR13-p・・・(I)、
    (式(I)中、R1およびR2はそれぞれ炭素数1〜4の炭化水素基、R3は炭素数1〜15の2価の炭化水素基、pは0〜2の整数、R4は下記一般式(II)、
    −R5−Sx−R6−Sy−R7−・・・(II)
    で表される2価の官能基であって、式(II)中、R5、R6およびR7は夫々同一でも異なっていてもよく、直鎖状または分枝を有する炭素数1〜20の2価の炭化水素基、2価の芳香族基、または硫黄原子および酸素原子以外のヘテロ原子を含む2価の有機基、xおよびyはそれぞれ平均値として1以上4未満である。)で表される1種または2種以上の硫黄含有シラン化合物1〜30質量部と、無水マレイン酸および(ポリ)オキシプロピレン誘導体の部分エステル0.1〜20質量部とを含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記式(II)中のxおよびyがそれぞれ平均値として2以上3以下である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記式(II)中のR5、R6およびR7がヘキシレン基である請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 前記(ポリ)オキシプロピレン誘導体が、ポリオキシプロピレンラウリルエーテルである請求項1〜3のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  5. 前記シリカのBET表面積が40〜350m2/gである請求項1〜4のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  6. 前記ポリマーがジエン系ゴムである請求項1〜5のうちいずれか一項記載のゴム組成物。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一項記載のゴム組成物を含有する部材を用いたことを特徴とするタイヤ。
  8. 前記部材がタイヤトレッドである請求項7記載のタイヤ。
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