JP7031127B2 - タイヤ用ゴム組成物の製造方法及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
ゴム成分としては、ジエン系ゴムを用いることが好ましい。ジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)、ジエン系合成ゴムを使用でき、ジエン系合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。なかでも、低燃費性、破壊特性及び加工性をバランス良く示すことから、NR、BR、SBRが好ましく、BR、SBRがより好ましい。
シリカとしては、とくに制限されるわけではないが、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)や湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)などがあげられ、表面のシラノール基が多く、シランカップリング剤との反応点が多いという理由から、湿式法により調製されたシリカが好ましい。シリカは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリカの市販品としては、エボニック社製のウルトラシルVN3などが挙げられる。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037-81に準じてBET法で測定される値である。
シランカップリング剤としては、ゴム組成物の補強性改善効果に優れるなどの点から、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドなどのスルフィド系シランカップリング剤が好ましく、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫薬品としては、例えば、加硫剤、加硫促進剤などが挙げられ、加硫剤、加硫促進剤を併用することが好ましい。
本発明の製造方法により得られるゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、カーボンブラック;老化防止剤;オイルなどの軟化剤;ステアリン酸、酸化亜鉛などの加硫助剤;などを配合することができる。
第一工程は、ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を投入して混練し、第一混練物を得る工程である。
第二工程は、第一工程で得られた第一混練物を更に混練し、第二混練物を得る工程である。第二工程を設けることで、シリカの分散が促進される。
なお、第二工程では、第一混練物のみを更に混練してもよいし、第一混練物とともに、他の成分を投入して混練してもよい。
第三工程は、第二工程で得られた第二混練物及び加硫薬品を投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得る工程である。
第三工程で得られた未加硫ゴム組成物を、タイヤ部材(好ましくはキャップトレッド)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧することで、タイヤを製造することができる。
SBR:下記製造例1で調製した変性SBR(スチレン量:10質量%、ビニル量:40質量%、Mw:20万)
BR:シス1、4含有率96質量%
カーボンブラック:三菱化学(株)製のシーストN220
シリカ:エボニック社製のウルトラシルVN3(平均一次粒子径:17nm、N2SA:175m2/g)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX-140
シランカップリング剤:エボニック社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’-ジフェニルグアニジン)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3-ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n-ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシランを変性剤として加えて15分間反応を行った。重合反応終了後、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性SBRを得た。
(第一工程)
表1に示す配合内容に従い、ゴム成分のみをバンバリーミキサーに投入して混練した。混練は、設定された素練り温度にゴム温度が到達してから、ゴム温度が素練り温度の±3℃となるように調整しながら、所定の時間(素練り時間)が経過するまで実施した。各例の素練り温度、素練り時間は表2~6に示したとおりである。
その後、硫黄及び加硫促進剤以外の材料をバンバリーミキサーに投入して更に混練し、ゴム温度が165℃になった時点で排出することで、第一混練物を得た。素練り処理を除いた混練時間は10分であった。
(第二工程)
得られた第一混練物をバンバリーミキサーに投入して更に混練し、ゴム温度が165℃になった時点で排出した。混練時間は5分であった。
(第三工程)
得られた第二混練物、硫黄及び加硫促進剤をオープンロールに投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得た。混練は、ゴム温度が110℃になった時点で終了した。混練時間は2分であった。
(加硫工程)
得られた未加硫ゴム組成物を170℃で15分間加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
なお、下記評価において、表2の基準比較例は比較例1、表3の基準比較例は比較例2、表4の基準比較例は比較例3、表5の基準比較例は比較例6、表6の基準比較例は比較例9とした。
JIS K6300に従い、130℃で、上記第一混練物のムーニー粘度を測定し、下記式により指数表示した(第一工程後のVIS指数)。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(第一工程後のVIS指数)=(基準比較例のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
(株)上島製作所製のスペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃で、上記加硫ゴム組成物のtanδを測定し、下記式により指数表示した(tanδ指数)。指数が大きいほど転がり抵抗が低く、低燃費性に優れることを示す。
(tanδ指数)=(基準比較例のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に従い、上記加硫ゴム組成物から形成した厚さ2mmの3号ダンベルを用いて引張り試験を実施し、破断強度(TB)及び破断伸び(EB)をそれぞれ測定した。そして、TBとEBの積で定義される破壊エネルギーについて、下記式により指数表示した(破壊エネルギー指数)。指数が大きいほど破壊エネルギーが大きく、破壊特性に優れることを示す。
(破壊エネルギー指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(基準比較例の破壊エネルギー)×100
素練り温度を20~90℃の範囲外で設定した比較例3~8では、素練り時間を長くしても、充分な性能の改善は見られなかった。
Claims (2)
- 変性ゴムを含むゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤(但し、下記(1)~(2)に示す化合物を除く)を投入して混練し、第一混練物を得る第一工程と、
前記第一混練物を更に混練し、第二混練物を得る第二工程と、
前記第二混練物及び加硫薬品を投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得る第三工程とを含み、
前記第一工程において、20~90℃の範囲内で設定された温度を維持しながら、前記ゴム成分を混練する素練り処理を、30秒以上実施し、その後、前記シリカ及び前記シランカップリング剤を投入して混練するタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
(1)下記平均組成式:
(R1O)3-p-qR2 pR3 qSi-R4-Sx-R4-SiR3 qR2 p(OR1)3-p-q
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1~4のアルキル基、R3は炭素数2~4のアルケニル基、R4は炭素数1~15の2価の炭化水素基、pは0~2の整数、qは1~3の整数、但しp+q≦3、xは平均値として1以上4未満である)で表される硫黄含有シラン化合物
(2)下記平均組成式(I)で表される硫黄含有シラン化合物
(R1O)3-p(R2)pSi-R3-Sm-R4-Sm-R3-Si(R2)p(OR1)3-p ・・・(I)
(R1及びR2はそれぞれ炭素数1~4の炭化水素基、R3は炭素数1~15の2価の炭化水素基、pは0~2の整数、mは平均値として1以上4未満、R4は下記一般式(II)~(IV)のいずれかに記載される二価の官能基である。)
S-R5-S ・・・(II)
R6-Sx-R7 ・・・(III)
R8-Sy-R9-Sz-R10 ・・・(IV)
(R5~R10は直鎖状又は分岐を有する炭素数1~20の2価の炭化水素基、2価の芳香族基又は硫黄及び酸素以外のヘテロ元素を含む2価の有機基であって、R5~R10はそれぞれ同一でも異なってもよく、x、y、zはそれぞれ平均値として1以上4未満である。) - 請求項1の製造方法で得られたタイヤ用ゴム組成物を用いて空気入りタイヤを作製する空気入りタイヤの製造方法。
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