JP2004091717A - ゴム組成物用添加剤、ゴム組成物用添加剤組成物及びそれを用いたゴム組成物並びにタイヤ - Google Patents

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野原 大輔
Isao Nishi
西 勲
Masaaki Dobashi
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鷹野 哲男
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Abstract

【課題】加硫ゴム組成物の物性を保ちつつ、作業環境上の問題を伴なうことなく加工性を改良し、未加硫及び加硫ゴム組成物の表面状態も安定して問題のない改良されたゴム組成物用添加剤、ゴム組成物用添加剤組成物及びそれを用いたゴム組成物並びにタイヤを提供することを目的とすること。
【解決手段】無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルであるゴム組成物用添加剤、補強性充填剤(a)と、前記部分エステル(b)とを含有するゴム組成物用添加剤組成物、ゴム成分(A)と前記添加剤(b)を配合してなるゴム組成物、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)と補強性充填剤(a)とを含有するゴム組成物用添加剤組成物(B)をゴム成分(A)に配合してなるゴム組成物、及び前記ゴム組成物を用いたタイヤである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴム組成物の物性に悪影響を与えることなく、ゴム製品製造の際の加工性及び生産性を改良し得るゴム組成物用添加剤、ゴム組成物用添加剤組成物及びそれを用いたゴム組成物並びにタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、タイヤ、ベルト、ホースなどのゴム製品は、配合剤や充填剤を原料ゴムに均一に分散させるために混練りされるが、また、その後の加工工程において、成形作業性を容易にするために、さらにゴム組成物を可塑化させる数回の練り工程が必要となることがある。しかし、このように何回ものゴム組成物の可塑化作業を行なうことは、ゴム製品の生産性の面からは好ましくない。一方、ゴム製品の生産性を向上させるためには練り回数を減少させることが有効であるが、ただ単に練り回数を少なくしても未加硫ゴム組成物は十分可塑化されず、結局は生産性の向上にはつながらない。
【0003】
このため、可塑剤や加工助剤などを添加することにより、未加硫ゴム組成物の加工性を向上させ、練り回数を減らし、成形作業性を向上させることは可能であるが、従来の可塑剤や加工助剤などを用いた場合には、未加硫ゴム組成物や加硫ゴム組成物の物性の低下を伴うため、練り回数を減らすことは事実上困難であった。特に、従来の天然ゴムを含むゴム製品の製造における加工工程では、天然ゴム分子鎖同士の絡み合いや天然ゴムのイソプレン鎖中の官能基同士又はそのような官能基と天然ゴム中の非ゴム成分との反応によるポリマーゲルが存在するため、練り回数を増加させる必要があり、生産性が良好であるとは言えなかった。また、未加硫ゴム組成物を可塑化させるために練り回数を増加させれば、天然ゴム分子の分子量低下が起こり、加硫ゴム組成物の物性に悪影響を及ぼすこととなる。
したがって、従来より、未加硫ゴム組成物及び加硫ゴム組成物の物性低下を伴わずに成形作業性を向上させることが、特に天然ゴム含有ゴム製品の製造においては要望されていた。
【0004】
一方、最近ではこれらの問題を解決するため、いくつかの提案がなされている。例えば、芳香族ポリカルボン酸誘導体を天然ゴムに添加して、天然ゴムのポリマーゲル量を低減させることが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、加硫後にブルームが発生し易いことがわかった。
また、特定のエステルを添加して、加工性を向上させる方法も知られているが(特許文献2,3参照)、これらの方法では、加工中に特有の臭いが発生し作業環境上の問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−209406号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平6−57040号公報(第1頁)
【特許文献3】
特開平4−20579号公報(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下、本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、ゴム組成物の物性の低下及び作業環境上の問題を伴なうことなく加工性を改良し、未加硫及び加硫ゴム組成物の表面状態も安定させ得る改良されたゴム組成物用添加剤、ゴム組成物用添加剤組成物及びそれを用いたゴム組成物並びにタイヤを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルをゴム組成物用添加剤として利用することにより、加硫ゴム組成物の物性を損なうことなく、ゴム分子間でのすべりが増加することを知見すると共に、これが前記の目的を達成することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルであることを特徴とするゴム組成物用添加剤を提供するものである。
また、本発明は、補強性充填剤(a)と、前記部分エステル(b)とを含有することを特徴とするゴム組成物用添加剤組成物を提供するものである。
さらに、本発明は、ゴム成分(A)と、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)を配合してなることを特徴とするゴム組成物を提供するものであり、また、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)と補強性充填剤(a)とを含有するゴム組成物用添加剤組成物(B)を、ゴム成分(A)に配合してなることを特徴とするゴム組成物をも提供するものである。
また、本発明は、前記ゴム組成物を用いたことを特徴とするタイヤを提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる部分エステル(b)は、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルからなるものである。
このエステルは、下記一般式(I)で表わされるものが好ましい。
【0009】
【化1】
Figure 2004091717
【0010】
〔式(I)中、mは平均重合度を表わす1以上の数であり、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基又はアシル基である。〕
前記一般式(I)において、より好ましくは、mが3〜7,Rが炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基である。
【0011】
本発明の前記ゴム組成物用添加剤(b)は、(i)無水マレイン酸と、(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体とを反応させることで得られる。 (ポリ)オキシプロピレン誘導体としては、ポリオキシプロピレンラウリルエ−テル、ポリオキシプロピレンミリスチルエ−テル、ポリオキプロピレンデシルエーテル、ポリオキシプロピレンオクチルエーテル、ポリオキシプロピレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテルなどのポリオキシプロピレン脂肪族エーテル;ポリオキシプロピレンベンジルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンベンジル化フェニルエーテルなどのポリオキシプロピレン芳香族エーテルなどが挙げられるが、ポリオキシプロピレン脂肪族エーテルが好ましく、その中でも特にポリオキシプロピレンラウリルエ−テルが好ましい。
【0012】
さらに、ポリプロピレンの重合度が3〜7、アルキル基またはアルケニル基の炭素数が8〜18であることが好ましい。具体的には、ポリオキシプロピレンをPOP(r)と略し、rを各々平均重合度とすれば、POP(3)オクチルエーテル、POP(4)2−エチルヘキシルエーテル、POP(3)デシルエーテル、POP(5)デシルエーテル、POP(3)ラウリルエーテル、POP(5)ラウリルエーテル、POP(8)ラウリルエーテル、POP(1)ステアリルエーテル、POP(5)ミリスチルエーテルなどが挙げられる。
上記(ii)(ポリ)オキシアルキレン誘導体は、単独で用いてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0013】
また、本発明の(i)無水マレイン酸と(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)は、原料の(i)無水マレイン酸を含有してもよい。該無水マレイン酸の含有量は好ましくは10重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。
一方、(i)無水マレイン酸と(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)は、原料の(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体を含有してもよい。該(ii)(ポリ)オキシプロピレン誘導体の含有量は好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。
また、本発明のゴム組成物用添加剤組成物(B)は、補強性充填剤(a)と、(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)とを含有する。
また、該(a)成分の(b)成分に対する重量配合比(a)/(b)が70/30〜30/70であることが作業性の点から好ましい。この点から、さらに(a)/(b)は60/40〜40/60(重量配合比)の範囲が好ましい。
【0014】
前記ゴム組成物用添加剤組成物(B)は、さらに(c)成分として、(ポリ)オキシプロピレン誘導体、アルコール及びその脂肪酸エステルの中から選ばれる少なくとも1種類を含有することができる。その配合量は、(a)成分及び(b)成分の合計100重量部に対して、10重量部以下であることが好ましく、それ以上加えても利点が少ない。
前記(c)成分の融点が20℃以下であり、かつ沸点が150℃以上であることが好ましい。(c)成分の融点は、ゴム組成物用添加剤組成物又はゴム組成物製造時の粉塵抑制の観点から20℃以下が好ましく、また沸点はゴム組成物加工時の安全性の観点から150℃以上であることが好ましい。
本発明で用いられる上記の(c)成分の中では、ポリオキシプロピレン誘導体が特に好ましい。具体的には、ポリオキシプロピレンをPOP(r)と略し、rには平均重合度を示すと、POP(3)ラウリルエーテル、POP(5)ラウリルエーテル、POP(5)デシルエーテル、POP(4)オレイルエーテル、POP(10)モノラウレート、POP(10)モノオレエートなどが挙げられる。
また、上記(c)成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記のゴム組成物用添加剤組成物を得るためにはミキサーを使用して各成分を混合すればよく、例えばヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、タンブラーミキサーなどが挙げられ、それぞれのミキサーに対して、回転数、攪拌温度、攪拌時間など最適な範囲が選択される。
本発明のゴム組成物用添加剤組成物(B)は、前述の(a)(b)及び(c)の他に、ゴム組成物用の配合剤を適宜添加することができるが、その添加量は添加剤組成物の10重量%以下であることが好ましい。
【0015】
次に、本発明における第一のゴム組成物は、ゴム成分(A)と、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)を配合して得られ、補強性充填剤(C)を併用することができる。ここで(b)成分は、前記の一般式(I)で表されるエステルが好ましく、具体的には、モノ〔POP(3)ラウリルエーテル〕マレイン酸エステル,モノ〔POP(5)ラウリルエーテル〕マレイン酸エステル,モノ〔POP(5)ミリスチルエーテル〕マレイン酸エステル,モノ〔POP(5)2−エチルヘキシルエーテル〕マレイン酸エステルなどが挙げられる。
また、本発明における第二のゴム組成物は、ゴム成分(A)に、前記無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)と、前記補強性充填剤(a)とを配合することにより得られるゴム組成物用添加剤組成物(B)を配合して得られる。
【0016】
本発明のゴム組成物において使用されるゴム成分(A)の種類は特に限定されないが、天然ゴム単独、天然ゴムと合成ゴムのブレンドゴムの系において加工性の改良効果が顕著である。用い得る合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)等、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)が天然ゴムを含む場合には、天然ゴム分子の分子量を低下させずに天然ゴムのポリマーゲル量を低減することができ、かつゴム分子間でのすべりを増加させることにより成形作業性を向上させると共に、未加硫又は加硫ゴムの物性低下が抑制される。また、ゴム成分が天然ゴムを含まない場合には、ゴム分子間でのすべりを増加させることで成形作業性を向上させ、この場合もゴムの分子量の低下は伴わないため、未加硫又は加硫ゴムの物性低下が起きない。いずれにしても、本発明においては、加硫ゴム組成物の物性に悪影響を与えることなく、優れたゴム加工性を得ることができる。
【0017】
前記補強性充填剤(a)または(C)としては、一般的なゴム組成物に用いることができる充填剤であればいずれも使用することができ、これらのうちの一種又は二種以上のものを混合して使用してもよい。具体的には、カーボンブラック及び無機充填剤を挙げることができ、無機充填剤としては、シリカ及び下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
aM ・bSiOc・dH O        ・・・(II)
ここで、式(II)中、M は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物から選ばれる少なくとも一種であり、a、b、c及びdは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
さらに、カリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウム等の金属、フッ素等の元素及びNH−等の官能基を含有していてもよい。
【0018】
上記一般式(II)の具体例としては、アルミナ一水和物(Al・HO)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)]、酸化マグネシウム(MgO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO・9HO)、チタン白(TiO)、チタン黒(TiO2n−1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al)、クレー(Al・2SiO)、カオリン(Al・2SiO・2HO)、パイロフィライト(Al・4SiO・HO)、ベントナイト(Al・4SiO・2HO)、ケイ酸アルミニウム(AlSiO、Al・3SiO・5HO等)、ケイ酸マグネシウム(MgSiO、MgSiO等)、ケイ酸カルシウム(Ca・SiO等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al・CaO・2SiO等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO)、各種ゼオライト、長石、マイカ等が例示でき、Mがアルミニウムであることが好ましい。
【0019】
上記各種充填剤の中で、本発明に用いる補強性充填剤としては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ類が好ましい。
カーボンブラックの種類としては、特に制限はなく、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等を用いることができるが、ゴム組成物の用途に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、トレッド用のゴム組成物に用いる場合は、ヨウ素吸着(IA)が60mg/g以上、かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上のカーボンブラックが好ましい。トレッドゴムとしてこのようなカーボンブラックを用いることによって、グリップ性能及び耐破壊特性を改良することができるが、さらに、優れた耐摩耗性が要求される場合はHAF、ISAF、SAFを用いることが好ましい。
本発明で用い得るシリカも特に制限はなく、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、耐破壊特性の改良効果、ウェットグリップ性及び転がり抵抗性の両立効果が最も顕著である湿式シリカが好ましい。
アルミナ類とは、上記式(II)で表される化合物のうち、下記一般式(III)で表されるものをいう。
Al・eHO        ・・・(III)
(式中、eは1〜3の整数である)
これらの無機充填剤としては、その粒径が10μm以下が好ましく、更に3μm以下が好ましい。該無機充填剤の粒径を10μm以下とすることにより、加硫ゴム組成物の耐破壊特性、耐摩耗性を良好に維持することができる。
これらの補強性充填剤は単独でも、2種以上を併用しても良い。特に本発明のゴム組成物においてシリカを配合した場合、シリカの分散改良効果が得られ、この効果はシリカ比率の高い系で顕著である。
【0020】
ゴム組成物用添加剤組成物(B)における補強性充填剤(a)の配合量は、上述したのと同様に、(b)成分に対する重量配合比(a)/(b)として70/30〜30/70であることが好ましく、60/40〜40/60であることが更に好ましい。
また、本発明のゴム組成物における(b)成分の配合量は、ゴム成分(A)100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。0. 1重量部以上であれば加工性が向上し、10重量部以下であればゴム物性は保持され、かつコストの面からも望ましい。この点から、さらに0. 5〜5重量部であることが好ましい。これらの成分は、例えば混練時に配合すればよい。なお、(b)成分が前記ゴム組成物用添加剤組成物(B)として配合される場合にも同様であり、この場合には、ゴム成分100重量部に対する(b)成分の配合換算量として好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部となるように配合される。
また、本発明のゴム組成物には、必要に応じて他のゴム配合剤、例えば硫黄、加硫促進剤、プロセスオイル、老化防止剤などを適宜配合できる。
本発明のゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、タイヤトレッド,アンダートレッド,カーカス,サイドウォール,ビード部分等のタイヤ用途を始め、防振ゴム,ベルト,ホースその他の工業品等の用途にも用いることができるが、特にタイヤトレッド用ゴム組成物として好適に使用される。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて、上記のように各種薬品を含有させた本発明のゴム組成物が未加硫の段階で各タイヤ用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
このようにして得られた本発明のタイヤは、ゴム物性に悪影響を及ぼすことなく、しかも該ゴム組成物の工場作業性は良好であるので、生産性にも優れている。また、本発明のタイヤは、その内部に空気や窒素などの気体を充填して用いることができる。
【0021】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
各種の測定は以下の方法により行なった。
<ムーニー粘度(ML1+4)>
ゴム組成物の加工性の評価として、SHIMADZU社製MOONY VISCOMETER SMV201を用いて、加硫系配合剤を添加して混練した未加硫ゴム試料を、130℃で1分間予熱をした後、ロータの回転をスタートさせ4分後の値をML1+4として測定した。この際、比較例1又は比較例2の測定値の逆数を100として指数化した。値が大きい程、加工性がよいことを示す。
【0022】
<破断強度、破断伸び>
ダンベル状3号形を試験片に用いた。試験方法及び結果の値は、JIS K6251−1993に基づく。結果は比較例1又は比較例2の値を100として指数化した。数値が大きいほど破断強度は良好であり、また破断伸びは大きい。
<反発弾性>
ゴム表面に所定のおもりを自由落下させ、そのおもりが跳ね上がった高さ(落とした高さに対する%) をもって値とした。試験方法及び結果の値は、JISK6301−1995に基づく。結果は比較例1又は比較例2の値を100として指数化した。数値が大きいほど反発弾性は大きい。
<耐摩耗性>
ランボーン摩耗試験により、JIS K6264−1993に基づいて摩耗量を測定した。結果は比較例1又は比較例2において得られた摩耗量の逆数を100として各例の摩耗量の逆数を指数化した。数値が大きいほど耐摩耗性は良好である。
【0023】
実施例1〜5及び比較例1
天然ゴム(RSS#3)100重量部に対して、第1表に示す種類と量の(b)成分としてのエステル添加剤、カーボンブラック(HAF)55重量部、ステアリン酸2重量部、老化防止剤6PPD〔N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン〕1重量部、ワックス1重量部を、バンバリーミキサーを用いてスタート温度を70℃として、回転数70rpmで4分間混練した。得られた混合物を充分に室温放冷した後、さらに亜鉛華3重量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)1重量部、加硫促進剤CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1重量部、硫黄2重量部を添加し、バンバリーミキサーを用いてスタート温度を70℃として、回転数70rpmで1分間混練した。なお、比較例1ではエステル添加剤(b)は用いなかった。
得られた未加硫ゴム組成物についてはムーニー粘度を測定した。また、これらの未加硫ゴム組成物を150℃で30分間加硫して得た加硫ゴム組成物について、破断強度、破断伸び、反発弾性及び耐摩耗性を前記方法により評価した。結果を第1表に示す。
【0024】
【表1】
Figure 2004091717
【0025】
注1;各物性は全て比較例1を基準とした指数表示であり、数値が大きい程良好を示す。
注2;(b)成分量(phr)は、ゴム成分100重量部に対する配合重量部数を示す。
注3;(b)成分の種類
下記の構造式(IV)及び第2表のx,R,Rで表わされる化合物A、すなわち、モノ〔POP(5)ラウリルエーテル〕マレイン酸エステルを用いた。
【0026】
【化2】
Figure 2004091717
【0027】
【表2】
Figure 2004091717
【0028】
実施例6〜10及び比較例2
<添加剤組成物(B)の調製>
予め第3表に示す種類と量の(b)成分とシリカを(b)成分:シリカ=6:4の割合で混合し、ゴム組成物用添加剤組成物(B)を調製した。
<ゴム組成物の調製>
次に、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR1712:商標、ジェイエスアール(株)製、アロマティックオイル37.5phrの油展ゴム)137.5重量部に対して、上記で調製した各ゴム組成物用添加剤組成物(B)の所定量〔(b)成分が第3表に示す量になるような配合量〕、カーボンブラック(ISAF)30重量部、シリカ〔ニプシルVN3;商標、日本シリカ工業(株)製(上記ゴム組成物用添加剤組成物(B)の調製に用いたシリカも同種)〕を総量が30重量部、ステアリン酸1重量部、老化防止剤6PPD〔N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン〕1重量部、ワックス1重量部、シランカップリング剤(Si69:商標、デグサ社製)3重量部を、バンバリーミキサーを用いてスタート温度を70℃として、回転数70rpmで4分間混練した。
得られた混合物を充分に室温放冷した後、さらに亜鉛華3重量部、加硫促進剤DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)1重量部、加硫促進剤D(ジフェニルグアニジン)1重量部、加硫促進剤CBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)1重量部、硫黄2重量部を添加し、バンバリーミキサーを用いてスタート温度を70℃として、回転数70rpmで1分間混練した。なお、比較例2ではエステル添加剤(b)は用いなかった。
得られた未加硫ゴム組成物についてはムーニー粘度を、また、加硫ゴム組成物については破断強度、破断伸び、反発弾性及び耐摩耗性を前記方法により評価した。結果を第3表に示す。
【0029】
【表3】
Figure 2004091717
【0030】
(注)
第1表脚注に記載の注1〜注3に同じ。
上記の結果から、本発明におけるゴム組成物は、いずれも未加硫ゴムにおける加工性に著しく優れており、しかも、加硫ゴムの良好な物性を殆ど低下させることなく維持していることが分かる。
【0031】
【発明の効果】
本発明のゴム組成物用添加剤、ゴム組成物用添加剤組成物によれば、ゴムの物性は損なうことなく加工性を改良し、未加硫及び加硫ゴムの表面状態にも安定して問題のないゴム組成物を得ることができ、したがって、生産性も向上し、特にタイヤに好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステルであることを特徴とするゴム組成物用添加剤。
  2. 前記(ポリ)オキシプロピレン誘導体のオキシプロピレン部分の平均重合度が、3から7である請求項1に記載のゴム組成物用添加剤。
  3. 前記(ポリ)オキシプロピレン誘導体が、ポリオキシプロピレンラウリルエーテルである請求項1又は2記載のゴム組成物用添加剤。
  4. 補強性充填剤(a)と、請求項1記載の部分エステル(b)とを含有することを特徴とするゴム組成物用添加剤組成物。
  5. 前記(a)成分の(b)成分に対する重量配合比(a)/(b)が、70/30〜30/70である請求項4に記載のゴム組成物用添加剤組成物。
  6. ゴム成分(A)と、無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)を配合してなることを特徴とするゴム組成物。
  7. さらに、補強性充填剤(C)を配合してなる請求項6に記載のゴム組成物。
  8. 無水マレイン酸と(ポリ)オキシプロピレン誘導体との部分エステル(b)と補強性充填剤(a)とを含有するゴム組成物用添加剤組成物(B)を、ゴム成分(A)に配合してなることを特徴とするゴム組成物。
  9. 前記(a)成分の(b)成分に対する重量配合比(a)/(b)が70/30〜30/70であるゴム組成物用添加剤組成物(B)を、ゴム成分(A)に配合してなる請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 請求項6〜9のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とするタイヤ。
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