JP6465559B2 - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム組成物及びこれを用いて作製した空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤ用などのゴム組成物へのシリカの配合が盛んに行われている。シリカが配合されてなるゴム組成物においては、ゴム成分中でのシリカの分散を改良する目的で、シランカップリング剤が配合されるのが一般的である。このようなシリカ及びシランカップリング剤を含むゴム組成物(未加硫ゴム組成物)を製造する際には、150℃以上の高温練りを行うことで、シリカ表面のシラノール基とシランカップリング剤が十分に反応して補強性が向上し、また、シリカの分散性が向上し、低発熱性の練りゴムが得られる。
しかしながら、150℃以上の高温練りを行うと、シランカップリング剤に由来するポリマーのゲル化が起こり、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度が上昇し、後工程での加工が困難となる問題があった。また、スコーチタイムが短くなり、スコーチ(焼け)が発生するという問題もあった。このように、シリカが配合されてなるゴム組成物においては、加工性について改善の余地があった。
特開平10−120827号公報
本発明は、上記課題を解決し、良好な加工性を有するゴム組成物、及びこれを用いて作製した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、シリカと、下記一般式
Figure 0006465559
(上記一般式中、xは1以上の整数であり、分布を有する。R〜Rは、同一又は異なって、アルコキシ基を表す。m、nは整数を表す。)で表されるシランカップリング剤とを含有し、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が10〜100質量部であり、前記シリカ100質量部に対する前記シランカップリング剤の含有量が1〜15質量部であり、前記シランカップリング剤における特定のxを有する分子の存在比率(S[モル%])が、以下の関係式(1)及び(2)を同時に満足することを特徴とするゴム組成物に関する。
+S≧80 (1)
≦5 (2)
前記S[モル%]が、以下の関係式(3)を更に満足することが好ましい。
Figure 0006465559
また、本発明は、上記ゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、ゴム成分、シリカ及びシランカップリング剤を含有し、上記シランカップリング剤において特定の硫黄原子数を有する分子の存在比率が所定の関係式を満足するゴム組成物であるので、良好な加工性を有する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分と、シリカと、下記一般式
Figure 0006465559
(上記一般式中、xは1以上の整数であり、分布を有する。R〜Rは、同一又は異なって、アルコキシ基を表す。m、nは整数を表す。)で表されるシランカップリング剤とを含有し、前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が10〜100質量部であり、前記シリカ100質量部に対する前記シランカップリング剤の含有量が1〜15質量部であり、前記シランカップリング剤における特定のxを有する分子の存在比率(S[モル%])が、以下の関係式(1)及び(2)を同時に満足することを特徴としている。
+S≧80 (1)
≦5 (2)
本発明のゴム組成物は、シリカとともに特定のシランカップリング剤が配合されたものであり、良好な加工性を有するため、150℃の高温練りを行うことで、加硫後に十分な強度を有し、かつ、シリカ分散性及び低発熱性が良好な加硫ゴム組成物を得ることができる。更に、本発明のゴム組成物は、上記関係式(1)及び(2)を同時に満足しており、これは、上記一般式で表されるシランカップリング剤において硫黄原子数が3以上である分子の存在比率が低いだけでなく、硫黄原子数が1である分子の存在比率も低いことを意味している。これにより、150℃以上の高温練りにおけるシランカップリング剤に由来するポリマーのゲル化を抑制できると考えられ、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度の上昇を抑制でき、スコーチタイムを長くすることもできる。その結果、加工性が良好となる。
本発明に使用されるゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムが挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物を空気入りタイヤのトレッドとして用いる場合、ゴム成分としてSBR及び/又はBRを含むことが好ましい。
SBRとしては特に限定されず、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
本発明の効果が好適に得られるという理由から、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。また、該SBRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、耐摩耗性が良好であるという理由から、BRのシス含量は90質量%以上が好ましい。
本発明の効果が好適に得られるという理由から、ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。また、該BRの含有量は、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
本発明のゴム組成物は、補強用充填剤として、シリカを含有する。シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは70m/g以上、更に好ましくは110m/g以上である。40m/g未満であると、破壊強度が低下する傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは220m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。220m/gを超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性が悪化するおそれがある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以上であり、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは70質量部以上である。10質量部未満であると、シリカによる補強効果が充分に得られないおそれがある。また、該シリカの含有量は、100質量部以下であり、好ましくは90質量部以下、より好ましくは85質量部以下である。100質量部を超えると、シリカが分散しにくくなり、加工性が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物は、下記一般式
Figure 0006465559
(上記一般式中、xは1以上の整数であり、分布を有する。R〜Rは、同一又は異なって、アルコキシ基を表す。m、nは整数を表す。)で表されるシランカップリング剤を含有する。
上記シランカップリング剤における特定のxを有する分子の存在比率(S[モル%])は、以下の関係式(1)及び(2)を同時に満足している。
+S≧80 (1)
≦5 (2)
+Sの合計値は、80以上であり、82以上が好ましく、84以上がより好ましく、86以上が更に好ましい。S+Sの合計値が80未満である場合には、ゴム組成物の加工性が悪化する傾向がある。また、S+Sの合計値の上限は特に限定されないが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、98以下が好ましく、95以下がより好ましく、92以下が更に好ましい。
の値は、5以下であり、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。Sの値が5を超える場合には、ゴム組成物の加工性が悪化する傾向がある。また、Sの値の下限は特に限定されないが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、1.4以上が更に好ましい。
本発明の効果がより好適に得られるという理由から、Sの値は、75以上が好ましく、80以上がより好ましく、83以上が更に好ましい。また、Sの値の上限は特に限定されないが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、95以下が好ましく、93以下がより好ましく、90以下が更に好ましい。
の値は特に限定されないが、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、15以下が好ましく、13以下がより好ましい。Sの値の下限は特に限定されない。
本発明のゴム組成物において、上記シランカップリング剤は、上記S[モル%]が、上記関係式(1)及び(2)に加えて、以下の関係式(3)を更に満足することが好ましい。
Figure 0006465559
上記関係式(3)を満足するということは、上記一般式で表されるシランカップリング剤において硫黄原子数が4以上である分子の存在比率が低いことを意味している。これにより、150℃以上の高温練りにおけるシランカップリング剤に由来するポリマーのゲル化をより抑制できると考えられる。そのため、上記関係式(1)及び(2)に加えて上記関係式(3)を更に満足するシランカップリング剤は、上記関係式(1)及び(2)のみを満足するシランカップリング剤と比較して、加工性がより良好となる。
関係式(3)の左辺部分(以下、S以上の合計値ともいう)は、6以下が好ましく、5以下がより好ましく、4以下が更に好ましく、3以下が更により好ましく、2以下が特に好ましく、1以下が最も好ましい。S以上の合計値が6を超える場合には、ゴム組成物の加工性が悪化する傾向がある。S以上の合計値の下限は特に限定されない。
なお、上記S[モル%]は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
上記一般式で表されるシランカップリング剤において、R〜Rは、同一又は異なって、アルコキシ基を表す。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基)等が挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等の炭素数5〜8のシクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等の炭素数6〜8のアリールオキシ基等)も含まれる。本発明の効果がより好適に得られるという理由から、R〜Rは、同一のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜8の同一のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1〜5の同一のアルコキシ基であることが更に好ましく、炭素数1〜3の同一のアルコキシ基であることが特に好ましく、すべてエトキシ基であることが最も好ましい。
上記一般式で表されるシランカップリング剤において、m、nは整数を表す。mとしては、1〜9の整数が好ましく、2〜5の整数がより好ましい。nとしては、1〜9の整数が好ましく、2〜5の整数がより好ましい。本発明の効果がより好適に得られるという理由から、mとnは、同じ整数であることが好ましく、1〜9の同じ整数であることがより好ましく、2〜5の同じ整数であることが更に好ましく、ともに3であることが特に好ましい。
従って、上記一般式で表されるシランカップリング剤としては、R〜Rがすべてエトキシ基であり、mとnがともに3であるシランカップリング剤が好ましい。
上記一般式で表されるシランカップリング剤は、例えば、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のケイ素化合物をピリジン等のアミン系化合物の存在下で反応させることにより調製できる。
上記反応に使用できる溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素を使用することができる。
反応温度は、通常、−100℃〜200℃の範囲であるが、反応の操作性、安全性などを考慮すると−10℃〜160℃の範囲、より好ましくは20℃〜140℃の範囲である。また、反応時間は、通常、0.1〜10時間、好ましくは1〜5時間の範囲である。
反応は、通常大気圧下で攪拌することにより実施される。空気中で実施しても良いが、窒素、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で実施することがより好ましい。
得られたシランカップリング剤は、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにより精製することができる。さらに、ジメチルホルムアミド−メタノール、ジメチルホルムアミド−水、ジメチルスルホキシド−メタノール、ジメチルスルホキシド−水、THF−メタノール、1,4−ジオキサン−メタノールなどの極性溶媒の組み合わせを用いた溶媒から再結晶することによって精製することができる。得られたシランカップリング剤は、バンドドライヤーや押出型ドライヤーなどの公知の乾燥機で乾燥してもよい。
上記シランカップリング剤を調製する際、当業者であれば、適宜合成条件を調整することにより、上記関係式(1)及び(2)を同時に満足するシランカップリング剤、上記関係式(1)、(2)及び(3)を同時に満足するシランカップリング剤を調製できる。また、後述する実施例のように、シランカップリング剤を合成した後に、LCMS等を用いて、該シランカップリング剤をS=1、S=2、S=3、S=4以上の化合物にそれぞれ分離し、これらの化合物を適当な割合となるように混合して、シランカップリング剤を調製してもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、1質量部以上であり、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量以上である。1質量部未満では、カップリング効果が不充分であり、高いシリカ分散も得られず、加工性が低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、15質量部以下であり、好ましくは12質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。15質量部を超えると、余分なシランカップリング剤が残存し、得られるゴム組成物の加工性の低下を招くおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ以外の補強用充填剤(例えば、カーボンブラック)、オイル、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明において、加硫前の混練温度(加硫剤及び加硫促進剤以外の成分を混練りする温度)は、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、145℃以上が更に好ましく、また、190℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、170℃以下が更に好ましく、160℃以下が特に好ましい。混練時間は特に限定されないが、通常30秒間〜30分間であり、好ましくは1分間〜30分間である。
加硫剤及び加硫促進剤を配合した後の混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜85℃である。また、加硫剤及び加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理を行って用いられる。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
本発明のゴム組成物は、トレッド(キャップトレッド、ベーストレッド)、サイドウォールなどのタイヤの各部材やゴムクローラ、ゴム防舷材等に使用でき、なかでも、タイヤの各部材に好適に用いられ、タイヤのトレッドにより好適に用いられる。2層構造のトレッドの場合には、表面層(キャップトレッド)及び内面層(ベーストレッド)から構成される。このように、本発明のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤもまた、本発明の1つである。
多層構造のトレッドは、シート状にしたものを、所定の形状に貼り合わせる方法や、2本以上の押出し機に装入して押出し機のヘッド出口で2層以上に形成する方法により作製することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。すなわち、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤及び必要に応じて上記各種配合剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッド等の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、本発明の空気入りタイヤが得られる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとして好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:JSR(株)製のNS116(ビニル含量:60モル%、スチレン含有量:20質量%)
BR:宇部興産(株)製のウベポールBR150B(シス含量:97質量%)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI
シリカ:EVONIK社製のUltrasil VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤Si69:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
シランカップリング剤Si266:デグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤A、B、C、D:下記製造例1、2、3、4で合成したシランカップリング剤A、B、C、D
ミネラルオイル:(株)出光興産(株)製のPS−32(パラフィン系プロセスオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤CZ:住友化学(株)製のソクシノールCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤DPG:住友化学(株)製のソクシノールD(1,3−ジフェニルグアニジン)
以下、製造例1〜4で使用した各種薬品について、まとめて説明する。なお、薬品は必要に応じて定法に従い精製を行った。
クロロホルム:関東化学(株)製
3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン:東京化成工業(株)製
ピリジン:関東化学(株)製
(製造例1)
(シランカップリング剤Aの調製)
窒素雰囲気下、三つ口フラスコにクロロホルム200mL、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン24g、ピリジン7.9gを加え、50℃で3時間撹拌した。その後、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにより精製し、シランカップリング剤A(上記一般式で表される化合物)を得た。上記一般式において、R〜R=エトキシ基、m=3、n=3であった。
(製造例2)
(シランカップリング剤Bの調製)
LCMSを用いて、シランカップリング剤AをS=1、S=2、S=3、S=4以上の化合物にそれぞれ分離し、これらの化合物を表1に記載の割合となるように混合して、シランカップリング剤Bを得た。上記一般式において、R〜R=エトキシ基、m=3、n=3であった。
(製造例3)
(シランカップリング剤Cの調製)
LCMSを用いて、シランカップリング剤AをS=1、S=2、S=3、S=4以上の化合物にそれぞれ分離し、これらの化合物を表1に記載の割合となるように混合して、シランカップリング剤Cを得た。上記一般式において、R〜R=エトキシ基、m=3、n=3であった。
(製造例4)
(シランカップリング剤Dの調製)
LCMSを用いて、シランカップリング剤AをS=1、S=2、S=3、S=4以上の化合物にそれぞれ分離し、これらの化合物を表1に記載の割合となるように混合して、シランカップリング剤Dを得た。上記一般式において、R〜R=エトキシ基、m=3、n=3であった。
実施例及び比較例で使用したシランカップリング剤のS[モル%]を、以下の表1に示す。
なお、シランカップリング剤のS[モル%]は、0.03vol%のテトラメチルシランを基準物質として含有している重クロロホルムにシランカップリング剤を溶解させて、30℃において、ブルカー株式会社製核磁気共鳴装置「AVANCEII400」を使用してH−NMRスペクトルを求め、当該スペクトルにおける種々の長さの硫黄連鎖に結合しているαメチレンに基づく各々のシグナルの積分強度から算出した。例えば、S[モル%]は、上記H−NMRスペクトルにおける、硫黄原子数(上記一般式におけるxに対応する)が1個の硫黄連鎖に結合しているαメチレンに基づくシグナルの積分強度を、すべてのαメチレンに基づくシグナルの積分強度の合計で除すことによって算出した。なお、硫黄原子数(上記一般式におけるxに対応する)が1個、2個、3個、及び4個以上の硫黄連鎖に結合しているαメチレンの化学シフトは、それぞれ、2.50、2.68、2.88、及び2.96ppmである。
Figure 0006465559
(実施例及び比較例)
表2に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間、0.5mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
<評価項目及び試験方法>
得られた未加硫ゴム組成物について、下記の評価を行った。結果を表2に示す。
(ムーニー粘度指数)
JIS K 6300−1「未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準じて、ムーニー粘度試験機を用いて、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での上記未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4/130℃)を測定した。そして、比較例1のムーニー粘度を100とし、下記計算式により指数表示した。数値が大きいほど、ムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(ムーニー粘度指数)=(比較例1のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
(スコーチタイム指数)
JIS K 6300に基づき、160℃にて、上記未加硫ゴム組成物の加硫度が10%に達するまでの時間(T10)を測定した。そして、比較例1のT10を100とし、下記計算式により指数表示した。数値が大きいほど、スコーチタイムが長く、加工性に優れることを示す。
(スコーチタイム指数)=(各配合のT10)/(比較例1のT10)×100
Figure 0006465559
表2より、ゴム成分100質量部に対して10〜100質量部のシリカと、シリカ100質量部に対して1〜15質量部のシランカップリング剤を含有し、S+S≧80及びS≦5の関係式を満足するゴム組成物である実施例1〜5では、比較例1〜4に比べて、ムーニー粘度が低く、スコーチタイムが長いことから、加工性が良好であることが明らかとなった。

Claims (3)

  1. ゴム成分と、シリカと、下記一般式
    Figure 0006465559
    (上記一般式中、xは1以上の整数であり、分布を有する。R〜Rは、同一又は異なって、アルコキシ基を表す。m、nは1以上の整数を表す。)で表されるシランカップリング剤とを含有し、
    前記ゴム成分100質量部に対する前記シリカの含有量が10〜100質量部であり、
    前記シリカ100質量部に対する前記シランカップリング剤の含有量が1〜15質量部であり、
    前記シランカップリング剤における特定のxを有する分子の存在比率(S[モル%])が、以下の関係式(1)及び(2)を同時に満足することを特徴とするゴム組成物。
    92≧S+S≧84 (1)
    ≦5 (2)
  2. 前記S[モル%]が、以下の関係式(3)を更に満足する請求項1に記載のゴム組成物。
    Figure 0006465559
  3. 請求項1又は2に記載のゴム組成物を用いて作製したトレッドを有する空気入りタイヤ。
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