JP2008150372A - 気相中でのイソシアネートの製造方法 - Google Patents

気相中でのイソシアネートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008150372A
JP2008150372A JP2007320396A JP2007320396A JP2008150372A JP 2008150372 A JP2008150372 A JP 2008150372A JP 2007320396 A JP2007320396 A JP 2007320396A JP 2007320396 A JP2007320396 A JP 2007320396A JP 2008150372 A JP2008150372 A JP 2008150372A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cooling
isocyanate
reaction
mixture
zone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007320396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5366393B2 (ja
Inventor
Fritz Pohl
ポール フリッツ
Klaus Biskup
ビスクープ クラウス
Rainer Bruns
ブルンス ライナー
Friedhelm Steffens
シュテフェンス フリートヘルム
Herbert Stutz
シュトゥッツ ヘルベルト
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Covestro Deutschland AG
Original Assignee
Bayer MaterialScience AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bayer MaterialScience AG filed Critical Bayer MaterialScience AG
Publication of JP2008150372A publication Critical patent/JP2008150372A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5366393B2 publication Critical patent/JP5366393B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/18Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/10Preparation of derivatives of isocyanic acid by reaction of amines with carbonyl halides, e.g. with phosgene

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】イソシアネートを、相応のアミンとホスゲンとの気相中での反応により製造するための方法であって、最適な滞留時間に至ったときに、効果的に短時間内で反応が停止され、そして反応混合物の残留成分からイソシアネートを簡単に分離することを達成でき、そして更に高いイソシアネート含有率を有するイソシアネート混合物が得られ、かつ該方法を、最小限のエネルギー入力で簡単な小型装置中で実施できる方法を開発する。
【解決手段】イソシアネート含有反応混合物を、反応チャンバから、液体が注入される冷却区間を通じて案内して、その反応を停止させるにあたって、その直接的な冷却を、その冷却区間において1段階で、直列に接続された2箇所以上の冷却帯域において行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、イソシアネートを、相応の第一級アミンとホスゲンとを気相中で反応させることによって製造するにあたり、その反応混合物を、反応チャンバから、液体が注入される冷却区間(cooling stretch)を通じて案内することによって反応を停止させて行うイソシアネートの製造方法において、直接的な冷却を、その冷却区間において、1段階で、直列に接続された2箇所以上の冷却帯域で行うことを特徴とする方法に関する。
アミンとホスゲンとを気相中で反応させることによってイソシアネートを製造するために様々な方法が、当該技術水準から知られている。これらの方法の利点は、ホスゲン化が困難な中間体が回避されること、高い反応収率を達成できること、ホスゲン滞留量が低下すること、イソシアネートの製造に特別に必要とされるエネルギー量が比較的少ないことである。
EP−A−593334号は、気相中で芳香族ジイソシアネートを製造する方法において、ジアミンとホスゲンとの反応を、管形反応器であって可動部を有さず、かつ該反応器の長軸に沿って壁部が狭まっているものにおいて実施することを特徴とする方法を記載している。しかしながら、管壁の狭まった箇所を介するだけの出発材料の混合は、適切な混合機構を使用する場合と比較して不十分であるため、前記方法には問題がある。その混合不足は、通常は、不所望に高い固体形成を引き起こす。
EP−A−699657号は、気相中で芳香族ジイソシアネートを製造するための方法において、関連のジアミンとホスゲンとの反応を、2帯域反応器であって、全反応器容量のほぼ20%〜80%の割合を占める第一の帯域が、理想混合を行い、かつ全反応器容量の80%〜20%の割合を占める第二の帯域が、ピストン流れを特徴とする形式のものにおいて実施することを特徴とする方法を記載している。しかしながら、反応容量の少なくとも20%は理想的に逆混合されるので、不均一な滞留時間分布が生じ、それは不所望に増大された固体形成を引き起こすことがある。
EP−A−289840号は、乱流中で温度200℃〜600℃において可動部を有さない円筒型チャンバにおいて気相ホスゲン化を行うことによってジイソシアネートを製造することを記載している。可動部がないため、ホスゲン流出の危険性が低下する。円筒型チャンバ(管)における乱流のため、壁部付近の液体要素を無視すれば、比較的良好な管中の流動の等分配が達成され、従って比較的狭い滞留時間分布が得られる。このことは、EP−A−570799号に記載されるように、固体形成の低下をもたらしうる。
EP−A−570799号は、芳香族ジイソシアネートの製造方法において、関連のジアミンとホスゲンとの反応を、管形反応器中で、ジアミンの沸点より高い温度で、平均接触時間0.5〜5秒の範囲内で実施する方法を開示している。その明細書に記載されるように、反応時間は、長すぎても短すぎても、不所望な固体形成を引き起こす。従って、平均接触時間からの平均偏差が6%未満の方法が開示されている。その接触時間は、レイノルズ数が4000より高いか又はボーデンシュタイン数が100より高いかのいずれかを特徴とする管状流で反応を実施することによって認められる。
EP−A−570799号で既に開示されているように、気相中でアミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造するための技術水準から公知のあらゆる方法の共通の特徴は、形成されたイソシアネートが、通常用いられる反応温度300〜600℃で熱的に安定でないということである。従って、最適な反応時間に至ったら、イソシアネートの熱分解又は更なる反応によって不所望な二次生成物が形成するのを避けるために、反応を効果的に停止させる必要がある。
この目的のために、EP−A−0289840号においては、連続的に反応チャンバを出て行く、とりわけ形成されたイソシアネートと、ホスゲンと、塩化水素とを含有する気体状混合物が、不活性ガス、例えばジクロロベンゼン中に導入される。この方法の欠点は、ガス混合物が溶剤浴を通過する流速を比較的低く選択せねばならないことである。それというのも、速度が高すぎると、溶剤とその中に溶解される化合物が運び去られるためである。その液状化合物は、後続工程においてガスから分離する必要がある。更なる欠点は、流速が低く、かつ熱伝導システムが不十分であるため、冷却の達成のためには、大規模な溶剤レザバー又はタンク/容器を使用せねばならないことである。
また、反応ガスを冷却するために熱交換器を使用し、かつ/又は真空状態のガスを膨張させる方法も知られている(DE10158160号A1)。熱交換器の欠点は、熱伝導が不十分であるため、大きな交換面、ひいては大規模な熱交換器が効率的な冷却には必要であるということである。加えて、比較的冷たい熱交換器の表面上では、これらの冷却面でのガス混合物の二次反応、例えば分解もしくは重合の結果として、固体が堆積する。更に、その熱伝導は、結果的に損なわれるため、より長い滞留時間、ひいては二次生成物形成の更なる増大が引き起こされる。更に、冷却段階の清浄化は、設備全体として不所望な停止時間を引き起こす。
EP−A−1403248号の教示によれば、アミンとホスゲンとの気相ホスゲン化における気体状反応混合物を、当該反応生成物が熱的に安定となる温度にまで、上述の欠点を避けつつ迅速に冷却するのと同時に、不所望な二次生成物の形成を抑制するという問題は、反応チャンバを出ていく反応混合物を、単独の冷却帯域において、冷却液を注入しながら直接的に冷却することで冷却することによって解決することができる。EP−A−1403248号は、ジアミンを気相中でホスゲン化してジイソシアネートを製造するにあたって、少なくとも1種のジイソシアネート、ホスゲン及び塩化水素を含有する気体状反応混合物の反応を停止させるために、反応停止液を、円筒型の反応帯域から下流の円筒型の反応停止帯域へと連続的に流れているガス混合物中に注入することによって行う方法において、該反応停止液を、反応停止帯域の周辺部に沿って等間隔で反応停止帯域への入口部に配置された少なくとも2つの噴霧ノズルによって注入する方法を開示している。
EP−A−1403248号の教示によれば、ホスゲン、塩化水素及び主生成物として形成されるジイソシアネートを含有する他に、その気体状反応混合物は、二次生成物として形成される他のイソシアネートと、窒素及び/又は有機溶剤とを含むことがある。ジアミンの気相ホスゲン化によって製造されるジイソシアネートとしては、EP−A−1403248号は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)を開示している。EP−A−1403248号の教示によれば、その方法の利点は、好適な反応停止液の噴霧によって、300〜400℃で反応器を出て行く、ジイソシアネート、塩化水素及び過剰のホスゲンを含有するガス混合物を最大で150℃まで迅速に望ましい冷却をすることに至ることである。冷却が行われる接触時間は、0.2〜3秒間である。
EP−A−1403248号に開示される反応混合物を、イソシアネートの相応のアミンとホスゲンとの気相ホスゲン化による製造の間に直接的に冷却することは、同様にWO2005/123665号の発明主題である。EP−A−1403248号に開示される冷却時間0.2〜3秒は、WO2005/123665号の教示によれば、イソシアネートの顕著な回避可能な損失をもたらす。WO2005/123665号の教示によれば、イソシアネートの相応のアミンとホスゲンとの気相ホスゲン化による製造の反応混合物を直接的に冷却するにあたり、アミンとホスゲンとの気相中での反応が1つの反応帯域で行われる方法によって、著しく短い冷却時間を達成可能である。反応を停止させるために、該反応混合物は、液体が注入される帯域を通じて案内されるが、その反応混合物は、反応帯域と液体が注入される帯域との間で、低減された流動断面積を有する帯域を通じて案内されることを特徴とする。WO2005/123665号の教示によれば、流動断面の狭窄は、その狭窄部を抜けた反応混合物が、著しく冷却され、かつ高い流速を有するように選択され、それはWO2005/123665号の教示によれば、反応停止液の効果的な"二次霧化"をもたらす。WO2005/123665号の教示によれば、両方の必要条件は、狭窄部中の流動のマッハ数が0.1〜1.0、有利には0.2〜1.0、最も有利には0.3〜1.0である場合に満たすことができる。WO2005/123665号の教示によれば、非常に高速度で狭窄断面から生じた反応ガス流が、5〜5000μm、有利には5〜500μm、最も有利には5〜250μmのザウター直径d23を有する1成分もしくは2成分のアトマイザーノズルによって生成された反応停止液スプレーと衝突したときに、反応停止液の"二次霧化"が引き起こされるので、そのスプレーは、特に大きい比表面積を有する。WO2005/123665号の教示によれば、開示された方法によって達成できる大きい比表面積は、反応ガスと反応停止液との間の高い相対速度と関連して、反応ガスと反応停止液との間の材料交換と熱交換の強化をもたらし、かつ反応混合物の冷却に必要な接触時間は、大きく低下し、そして更なる反応による二次生成物の形成の結果としての有用なイソシアネート生成物の損失が低減される。反応停止区域へと反応ガスが流入してから、その反応ガスが、依然として反応ガスと液滴との混合物の断熱的な最終温度とは10%だけ相違する時点までに必要な期間は、WO2005/123665号において、有利には10-4〜10秒として、より有利には5×10-4〜1.0秒として、最も有利には0.001〜0.2秒として開示されている。
WO2005/123665号に開示される方法の欠点は、その方法の基礎となる、反応停止液スプレーの"二次霧化"であって、好ましい範囲においては既に液滴からなるものが、形成されるイソシアネートと冷却された反応混合物との分離のための高い経費の結果としてミスト形成の危険性をはらむということである。冷却液が添加される帯域において、狭まった断面積の帯域からの高温の反応混合物の高速の発生が、相応して高められた装置寸法によって考慮されるべきであることである。
EP−A−593334号 EP−A−699657号 EP−A−289840号 EP−A−570799号 EP−A−0289840号 DE10158160号A1 EP−A−1403248号 WO2005/123665号
本発明の課題は、イソシアネートを、相応のアミンとホスゲンとの気相中での反応により製造するための方法であって、最適な滞留時間に至ったときに、効果的に短時間内で反応が停止され、そして反応混合物の残留成分からイソシアネートを簡単に分離することを達成でき、そして更に高いイソシアネート含有率を有するイソシアネート混合物が得られ、かつ該方法を、最小限のエネルギー入力で簡単な小型装置中で実施できる方法を開発することであった。
前記課題は、イソシアネート含有反応混合物を、反応チャンバから、液体が注入される冷却区間を通じて案内して、その反応を停止させることであって、直接的な冷却を、その冷却区間において1段階で、直列に接続された2箇所以上の冷却帯域において行うことによって解決することができた。
本発明は、イソシアネートを、相応の第一級アミンとホスゲンとの反応により製造するにあたり、
a)ホスゲンとアミンとを、反応チャンバ中で、アミンの沸点より高い温度で、平均接触時間0.05〜15秒内で反応させる工程と、
b)前記反応チャンバを出て行くガス混合物を冷却して、形成されたイソシアネートを凝縮させる工程
により行うイソシアネートの製造方法において、
c)工程b)における冷却を、2箇所以上の冷却帯域が直列に配置された冷却区間中で1段階において直接的に冷却することによって行う工程と、
d)未凝縮のイソシアネートを、前記ガス混合物から、洗浄液での洗浄によって分離する工程
を特徴とする方法を提供する。
本発明の範囲内では、"1段階において"とは、直接的な冷却を、冷却区間において、少なくとも1つの冷却液の供給で行い、その際、1つだけの共通の凝縮混合物が、2箇所以上の冷却帯域から得られることを意味しており、その際、液体回収容器は、有利には凝縮混合物が回収される冷却区間の下方に配置されている。凝縮混合物は、工程a)で製造されたイソシアネートの分離のために排出することができるか、又は好ましくは、冷却を行った後に、その凝縮混合物の一部を、冷却区間の1箇所以上の冷却帯域に返送することができる。
本発明による方法の好ましい一実施態様においては、工程a)における反応は、断熱的に行われる。
本発明の方法の工程c)における2箇所以上の冷却帯域における直接的な冷却に際して、同一もしくは異なる組成を有し、かつ同一もしくは異なる温度を有する冷却液を使用することが好ましい。異なる組成を有する冷却液を使用することが好ましい。
本発明による方法の好ましい一実施態様において、工程c)における直接的な冷却を実施するにあたり、
第一の帯域において、反応混合物中に供給される冷却液が、50〜200℃の温度を有する溶剤含有の冷却液であって、(i)溶剤を、冷却液の質量に対して80〜100質量%の量で含有し、また(ii)工程a)で製造されるイソシアネートを、冷却液の質量に対して20〜0質量%の量で含有するものであり、かつ
第二の帯域と任意の付加的な帯域において、その冷却液が、冷却区間の底部生成物として得られる混合物であって、温度100〜200℃を有し、かつ溶剤を、その冷却液の質量に対して30〜90質量%の量で含有し、さらに工程a)で製造されるイソシアネートを、冷却液の質量に対して70〜10質量%の量で含有するものである
形式において実施する。
より好ましくは、第一の冷却帯域で使用される冷却液の量と溶剤含有率は、第一の冷却帯域において、イソシアネートの温度が、0.001秒から0.2秒未満の滞留時間後に、既に300℃の温度未満、有利には280℃未満であるように調整される。このことは、好ましくは、第一の冷却帯域の冷却液中の溶剤含有率を、その冷却液の質量に対して、少なくとも85質量%、最も有利には少なくとも90質量%で使用することによって達成され、その際、その冷却液の温度は、有利には少なくとも50℃、最も有利には少なくとも80℃である。多量の溶剤の蒸発と、関連した蒸発熱の散逸とによって、非常に迅速な冷却が達成され、そして特に300℃より高い温度で生ずる不所望な二次成分の形成の危険性が最小限となる。
本発明の方法の基礎を成すことは、反応チャンバから冷却区間に入った反応ガスの冷却を、主として、1箇所以上の第一の冷却帯域に注入される冷却液(反応停止液)の溶剤成分の蒸発によって行うということである。蒸発に必要となるエネルギーのため、少量の冷却液を使用して、更なる冷却を後続の帯域で収率の損失無く、比較的低速であっても実施できるような温度範囲にまで非常に迅速な冷却を達成することが可能である。冷却区間における2箇所以上の冷却帯域の直列的な接続のため、反応ガスの迅速な冷却効果は、本発明の方法においては、それらの冷却帯域のための冷却液として比較的高いイソシアネート含有率を有する混合物が使用される場合でさえも達成される。1つ以上の冷却液の注入は素早く連続して行われるため、主として望まれる蒸発冷却に最適な溶剤成分を、高いイソシアネート濃度を有する冷却液が使用される場合でさえも、常に利用可能である。
本発明の方法は、高いイソシアネート収率と同時に、冷却された反応混合物からのイソシアネートの分離の簡易さの点で優れている。その本発明の好ましい実施態様においては、冷却区間の底部生成物として存在する凝縮混合物中の特に高いイソシアネート濃度が、1段階の冷却区間の複数の冷却帯域における種々の冷却液の使用によって得ることができる。種々の複数の冷却液の使用は、有利には、凝縮混合物からイソシアネートを分離するためと、使用される溶剤を処理するために必要とされるエネルギー入力を低減させる。
特に低いエネルギー入力は、
(1)冷却区間の底部生成物として得られる凝縮混合物であって、溶剤を該凝縮混合物の質量に対して30〜90質量%の量で含有し、更に工程a)で製造されるイソシアネートを該凝縮混合物の質量に対して70〜10質量%の量で含有するものに加えて、少なくとも塩化水素、ホスゲン及び工程a)で製造されるイソシアネートを含有するガス流を得て、
(2)前記の少なくとも塩化水素、ホスゲン及び工程a)で製造されるイソシアネートを含有するガス流を、工程d)において溶剤で、溶剤を混合物の質量に対して95〜100質量%の量で含有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを混合物の質量に対して5〜0質量%の量で含有する混合物を洗浄液として用いて洗浄して、
(3)工程b)の洗浄で得られる洗浄液であって、溶剤を混合物の質量に対して80〜99.99質量%の量で含有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを混合物の質量に対して20〜0.01質量%の量で含有するものを、引き続き工程c)において、冷却区間の第一の冷却帯域の冷却液として使用して、
(4)第二の冷却帯域と、場合により更なる冷却帯域において、冷却液として、冷却区間全体としての底部生成物として得られる混合物であって、溶剤を該混合物の質量に対して30〜90質量%の量で含有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを該混合物の質量に対して70〜10質量%の量で含有するものを使用する
場合に達成される。
前記の実施態様において、反応チャンバから冷却区間に入る反応ガスの冷却は、主として、第一の冷却帯域中に注入される冷却液の溶剤成分の蒸発によって行われる。その蒸発のために必要なエネルギーのため、その後続の帯域において、更なる冷却を収率の損失無く、比較的低速でさえも実施できるような温度にまでの非常に迅速な冷却が達成される。従って、顕著に高められたイソシアネート含有率を有する冷却液を使用することができる。前記の実施態様の更なる利点は、ガス洗浄で得られる洗浄液を処理する必要がないということである。
ホスゲンと第一級アミンとを気相中で反応させることによってイソシアネートを製造するためのいかなる公知の方法、例えばEP−A 0570799号、EP−A 1362847号、EP−A 1526129号又はEP−A 1555258号に記載される方法も、本発明の方法における工程a)として使用してよい。工程a)を、一定の流過横断面もしくは反応混合物の流動方向で増加する流過横断面を有する回転対称形状を有する反応チャンバにおいて実施することが好ましい。実質的に一定の流過横断面もしくは反応混合物の流動方向で増加する流過横断面を有する管形反応器が好ましい。もう一つの好ましい実施態様においては、反応チャンバ、好ましくは管形反応器は、一定断面並びに流動方向で横断面積が増加する断面を有する。
第一級アミンは、本発明による方法のために使用することができる。分解せずに気相に変換できる第一級アミンを使用することが好ましい。特に適したアミン、特にジアミンは、1〜15個の炭素原子を有する脂肪族もしくは脂環式の炭化水素を基礎とするものである。適したアミンの例は、1,6−ジアミノヘキサン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン(IPDA)及び4,4′−ジアミノジシクロヘキシルアミンである。1,6−ジアミノヘキサン(HDA)が最も好ましい。
好ましくは分解せずに気相に変換できる第一級アミンを使用することも可能である。好ましい芳香族アミンの例は、トルエンジアミン(TDA)、特に2,4−TDA及び2,6−TDA並びにそれらの混合物、ジアミノベンゼン、ナフチルジアミン(NDA)及び2,2′−、2,4′−もしくは4,4′−メチレンジフェニルジアミン(MDA)又はこれらの異性体の混合物を含む。トルエンジアミン(TDA)、特に2,4−TDA及び2,6−TDA並びにそれらの混合物が特に好ましい。
本発明の方法を実施する前に、出発アミンを、一般に蒸発させ、そして200℃〜600℃、有利には201℃〜500℃、最も有利には250℃〜450℃にまで加熱し、場合により不活性ガス、例えばN2、He、Arで又は不活性ガスの蒸気で、反応器への供給前に希釈する。工程a)及び工程c)における溶剤の好ましい使用の点では、好ましくは、工程a)の反応のための溶剤として、又は工程b)における冷却液として、低沸点(すなわち沸点200℃未満)を有する溶剤が使用される。好適な溶剤の例は、場合によりハロゲン置換された芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼン又はo−ジクロロベンゼンを含む。
複数の出発アミンの蒸発は、任意の公知の蒸発装置中で実施できる。少量の作業分を高い循環能力で流下薄膜型蒸発器に案内し、かつ出発アミンへの熱負荷を最小限にするために、蒸発工程が、場合により不活性ガスの供給により及び/又は不活性溶剤の蒸気の供給により改善されている蒸発システムが好ましい。蒸気の形態のアミンは、依然として、未蒸発のアミン液滴(エアロゾル)量を含有しうるが、蒸気の形態のアミンは、如何なる未蒸発のアミンを含有しないことが好ましい。その蒸発後に、蒸気の形態のアミンであって、場合により不活性ガスもしくは不活性溶剤蒸気で希釈されたものは、有利には、後続加熱器を介して所望の使用温度にまでもたらされる。
本発明の方法においては、アミノ基に対して過剰のホスゲンを使用することが好ましい。ホスゲンとアミノ基とのモル比1.1:1〜20:1、好ましくは1.2:1〜5:1が通常存在する。また、ホスゲンは、一般に200℃〜600℃の温度にまで加熱され、そして不活性ガス、例えばN2、He、Arでもしくは不活性溶剤(例えばハロゲン置換を有するか又は有さない芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼンもしくはo−ジクロロベンゼン)の蒸気で場合により希釈して、反応器に供給される。
本発明の方法は、一般に、別個に加熱された反応物を、少なくとも1つの反応器中に導入し、混合し、そしてそれらの反応物を好適な反応時間で反応させることによって実施される。該反応は、本発明の方法の好ましい実施態様では断熱的に実施される。本発明の方法では、アミン基とホスゲンとを反応させてイソシアネートを形成させるのに必要な滞留時間は、0.05〜15秒であるが、それは、使用されるアミンの種類、反応温度、又は断熱反応法の場合には、出発温度及び反応器中の断熱的温度上昇、アミンとホスゲンとのモル比並びに反応物の不活性ガスによる任意の希釈に依存するものである。
工程a)で使用されるアミンが、ホスゲンによりホスゲン化されて、所望のイソシアネートが形成されたら、反応チャンバを出て行くガス混合物は、イソシアネートの熱分解によってもしくは更なる反応によって不所望な二次生成物が形成されるのを回避するために、工程b)において効果的に冷却される。この目的のために、反応チャンバを出て行くガス混合物であって、有利には少なくとも1種のイソシアネート、ホスゲン及び塩化水素を含有するものは、工程c)において、2箇所以上の冷却帯域が流動方向に直列に配置された冷却区間において冷却液の供給によって直接的に冷却される。
好ましい一実施態様においては、その冷却区間は、反応チャンバの直近にある。更なる好ましい一実施態様においては、反応チャンバからの出口の流過横断面の形状は、冷却区間への入口の流過横断面の形状に相当する。
効果的な冷却を実施するために、有利には、工程c)において、一定の横断面又はガス混合物の流動方向で増加する横断面を有する回転対称の形状を有する冷却区間が使用される。実質的に一定の流過横断面もしくは反応混合物の流動方向で増加する流過横断面を有する回転対称の冷却区間を使用することが好ましい。更なる好ましい一実施態様においては、回転対称であるのが好ましい冷却区間は、一定断面並びに流動方向で横断面積が増加する断面を有する。
これらの好ましい実施態様の他にも、回転対称の形状を有し、かつ流動方向で増加し、次に減少し、次に一定であるもしくは増加する横断面を有する冷却区間の使用も可能である。
本発明に適した、カスケード状の及び/又はガス混合物の流動方向で流過横断面が連続的に増加している冷却区間の形態は、冷却区間の軸に沿ったガス混合物の速度調整のために選択することができる。
冷却区間における2箇所以上の冷却帯域の構成形態は、技術水準から適していることが知られる任意の形態に従うものであってよい。好ましい一実施態様においては、冷却区間は、EP−A 1403248号の教示に従って構築されている。EP−A 1403248号の教示によれば、冷却液は、冷却帯域において、冷却帯域の周辺部に沿って等間隔で冷却帯域への入口部に配置された少なくとも2つの噴霧ノズルによって注入される。その噴霧ノズルは、単一のノズルであってよい。しかしながら、有利には、少なくとも2つの単一のノズルをそれぞれ有する複数のノズルヘッドが使用され、その際、1成分ノズルを選択することが好ましい。
本発明の方法で使用されるノズルは、有利には、100〜5000μmの、より有利には100〜2500μmの、最も有利には100〜1000μmのザウター直径d50を有する液滴を生成する。ザウター直径d50は、一定の係数に至るまで、液滴容量と液滴表面積との比率を説明している(K.Schwister:Tauschenbuch der Verfahrenstechnik,Fachbuchverlag Leipzig,Carl Hanser Verlag 2003)。
該噴霧ノズルは、有利には、互いに無関係に、冷却液の流動方向がそれぞれの場合に、ガス混合物の流動方向に対して、0゜〜50゜、有利には20゜〜35゜の角度を有する形式で配置されている。ガス混合物の流動方向は、実質的に、回転対称形状であることが好ましい冷却帯域の軸に沿って進む。冷却区間の好ましい鉛直配置の場合に、反応帯域から発生する反応ガスは、上方から下方に向かって、冷却区間とその冷却帯域を通過して流動する。それぞれの噴霧ノズルの軸に沿った冷却液の流動方向は、同様に進む。噴霧ノズルの開口角は、互いに無関係に、好ましくは、20゜〜90゜、最も有利には30〜60゜である。冷却液の入口角を選択する場合と、また噴霧ノズルの開口角を選択する場合にも、高温の反応混合物が、冷却帯域の又はノズルもしくはそのパイプの比較的低温の表面と接触しないように、冷却液がガス流中に噴霧されることが考慮される。ガス混合物が、当該特定のイソシアネートのために安定な温度範囲にまで冷却された場合にのみ、冷却帯域又は他の構造部品の比較的低温の壁部と接触する。
冷却区間の冷却帯域で使用するのに適した冷却液は、形成されるイソシアネートと反応しない有機溶剤又は異なる溶剤の混合物、又は形成されたイソシアネートを係る溶剤中に溶かした溶液である。特定の一実施態様においては、工程a)で反応成分を希釈するために場合により使用された溶剤又は溶剤混合物は、冷却区間で使用される。特に好ましい一実施態様においては、工程a)で反応成分の希釈のために、そして同様に工程d)において冷却工程c)で生成された廃ガス流の洗浄のために場合により使用される溶剤又は溶剤混合物は、冷却区間で使用される。好適な溶剤の例は、トルエン、クロロトルエン、キシレン、有利にはモノクロロベンゼン及びo−ジクロロベンゼンを含む。
特に好ましい一実施態様においては、冷却溶液は、好適な溶剤中にけ形成されたイソシアネートの液体溶液であり、有利には主として冷却区間の底部生成物として得られる混合物であって、溶剤を該混合物の質量に対して30〜90質量%の量で含有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを、該混合物の質量に対して70〜10質量%の量で含有するものである。また、冷却液として、工程d)において冷却工程c)で生成する廃ガス流の洗浄から得られる混合物であって、溶剤を該混合物の質量に対して80〜99.99質量%の量で含有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを該混合物の質量に対して20〜0.01質量%の量で含有するものを使用することが特に好ましい。また、2種の前記の冷却液の混合物を使用することもできる。
冷却区間の作業の間に、複数の別々の冷却帯域中に注入される冷却液の使用は、ガスの形態で冷却区間に入る反応混合物の非常に効果的な冷却が達成され、そして冷却帯域の温度が、イソシアネートに相応するカルバミン酸塩化物の分解温度より高い温度であるように選択される。第二の冷却帯域と、任意の後続の冷却帯域中での温度制御は、イソシアネートと、有利にはアミン蒸気流及び/又はホスゲン流中で希釈剤として場合により使用される溶剤又は蒸発冷却の間に気相に変換される溶剤との両方が凝縮しあるいは溶剤中に溶解し、かつ凝縮もしくは溶解されたイソシアネートが、冷却区間の下流に設けられた回収容器中に流動するように調整されるが、一方で、過剰のホスゲン、塩化水素及び希釈剤として場合により使用される不活性ガスは、冷却区間を通じて、下流に設けられた回収容器に流過する。
複数の別々の冷却帯域中に注入される冷却液の使用は、有利には、反応混合物の温度が、有利には250℃〜450℃で始まって、150℃〜350℃だけ、有利には100℃〜300℃だけ低下し、かつ所望の温度低下が、冷却区間にわたって、有利には0.1〜10秒で、より有利には0.1〜3秒で、最も有利には0.1〜1秒で行われるように実施される。冷却帯域に注入される冷却液の温度は、有利には50℃〜200℃、最も有利には80℃〜180℃である。特に、好ましい一実施態様においては、種々の温度を有する冷却液が、冷却区間の個々の冷却帯域に使用される。
冷却区間を通過した後に、冷却区間で生成した液体/ガス混合物は、その冷却区間の下流に設けられた回収容器に供給される。回収容器は、有利には、鉛直に配置されているのが好ましい冷却区間に直に隣接している。回収容器は、ガスと液体を分離する。相分離の結果として、溶剤を混合物の質量に対して30〜90質量%の量で含有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを混合物の質量に対して70〜10質量%の量で含有する液体混合物(凝縮混合物)と、少なくとも塩化水素、ホスゲン及び工程a)で製造されるイソシアネートを含有するガス流が得られる。
回収容器で得られる液体混合物(凝縮混合物)は、工程a)で製造されたイソシアネートの分離のために排出することができるか、又は好ましくは、冷却を行った後に、その凝縮混合物の一部を、冷却区間の1箇所以上の冷却帯域に返送することができる。
工程a)で製造されたイソシアネートを、排出された液体混合物(凝縮混合物)から分離することは、当業者に公知の如何なる方法によっても実施できる。蒸留が好ましい分離法である。
好ましい一実施態様においては、冷却区間の1箇所以上の帯域において冷却液として使用される液体混合物(凝縮混合物)の冷却は、直接的な冷却によって実施され、特に好ましい形態においては、直接的な冷却によって液体混合物から取り除かれた熱は、蒸気の生成のために使用される。当業者に公知の低圧蒸気の生成方法のいずれも使用することができる。更なる好ましい形態においては、直接的な冷却によって液体混合物から取り除かれた熱は、プロセス蒸気の加熱及び/又は蒸発のために使用することができる。
回収容器で得られた、少なくとも塩化水素、ホスゲン及び工程a)で製造されるイソシアネートを含有するガス流は、有利には、回収容器から分離され、そしておおかたイソシアネート成分を含まない洗浄塔に供給される。当業者に公知の如何なる方法も、洗浄塔で使用するために適しているが、洗浄は、向流で実施することが好ましい。本発明の好ましい一実施態様においては、ガス洗浄において洗浄相として得られる、溶剤を混合物の質量に対して80〜99.99質量%の量で含有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを混合物の質量に対して20〜0.01質量%の量で含有する混合物は、冷却工程c)において、冷却区間の第一の冷却帯域の冷却液として使用される。
洗浄塔の下流で得られる、ホスゲン、塩化水素及び使用される溶剤の残分を含有する残留ガスから、引き続き、当業者に公知の任意の方法で過剰のホスゲンを除去することができる。このことは、冷却トラップか、温度−20℃〜8℃に維持された不活性溶剤(例えばクロロベンゼン又はジクロロベンゼン)中での吸収か、又は活性炭上での吸着と加水分解とによって実施することができる。ホスゲン分離段階を通過した塩化水素ガスは、更なる化学反応のために使用することができ、更に処理することで、塩酸を形成させることができ、又は再循環させて、ホスゲン合成に必要な塩素を回収することができる。
本発明の方法を、以下に実施例によってより詳細に記載するが、それは本発明の好ましい実施形態を説明するものである。
実施例1: 芳香族ジアミンのホスゲン化/"TDI"製造
2,4−及び2,6−トルエンジアミンから構成される質量比80%対20%の混合物20.5キロモル/hを、窒素500kg/hと一緒に蒸発させ、そして320℃の温度で気体状の形態において反応器中に導入した。並行して、気体状のホスゲン182キロモル/hを、オルト−ジクロロベンゼン1000kg/hと一緒に、360℃に加熱し、同様に反応器中に導入した。それらの流を混合し、そして反応チャンバに進入させた。その反応は、断熱条件下で実施した。5.5秒後に反応チャンバを出た温度405℃のガス混合物を、2箇所の冷却帯域を有する冷却区間において1段階で冷却した。97質量%のオルト−ジクロロベンゼンを含有する温度150℃の冷却液を、第一の冷却帯域で使用し、そして74質量%のオルト−ジクロロベンゼンを含有する温度160℃の冷却液を、第二の冷却帯域で使用した。両方の冷却液は、第一の冷却帯域で、生成物温度が0.2秒未満で275℃未満に低下し、かつ冷却区間への入口部と冷却区間からの出口部との間の温度差が、冷却区間において平均滞留時間1秒間で200℃より高いように供給した。冷却区間からの凝縮混合物を回収容器に回収し、次いで公知法による蒸留によって後処理することで、最終生成物を形成させた。それらの冷却帯域の部位は、1ヶ月の作業時間後でさえも、反応停止ノズルの上部と周辺にケーキングを有さないか、あるいは僅かに有するに過ぎない。分離器のガス出口部位は、如何なる固体形成も有さなかった。
回収容器を出て行くガス流を、洗浄塔に供給し、そしてその中でオルト−ジクロロベンゼンを用いて向流で洗浄した。得られた洗浄液を、冷却区間の第一の冷却帯域において冷却液として使用した。
実施例2: 脂肪族ジアミンのホスゲン化/"HDI"製造
1,6−ジアミノヘキサン25.8キロモル/hを、窒素30kg/hと一緒に蒸発させ、そして気体状で、温度300℃に過熱して管形反応器に供給した。同時に、気体状のホスゲン110キロモル/hを、並行して300℃に加熱し、そして同様に管形反応器に供給した。それらの流を、混合時間0.04秒以内で混合し、そして反応チャンバに進入させた。混合帯域と反応チャンバは、断熱されているので、反応は断熱条件下で行われた。最終温度440℃が、反応チャンバの出口で表面温度計によって測定された。0.23秒後に反応チャンバを出たガス混合物を、2箇所の冷却帯域を有する冷却区間において1段階で冷却した。ガス混合物を、第一の冷却帯域において、0.2秒間で、270℃未満の生成物温度にまで、98質量%のモノクロロベンゼンを含有する温度80℃の冷却液の注入によって冷却し、そして第二の冷却帯域において、60質量%のモノクロロベンゼンを含有する温度130℃を有する冷却液の注入によって、平均滞留時間1.6秒で冷却することによって実施した。凝縮可能な成分を、その冷却液中に溶解させ、そして冷却に必要なモノクロロベンゼンの量を蒸発させた。液体/ガス混合物を、分離器中に導入した。分離器中で回収された濃縮されたジイソシアネート溶液の温度は、130℃であり、分離器を出て行くガスは、温度133℃を有していた。
それらの冷却帯域の部位は、1ヶ月の作業時間後でさえも、反応停止ノズルの上部と下部にケーキングを有さないか、あるいは僅かに有するに過ぎない。分離器のガス出口部位は、如何なる固体形成も有さなかった。
分離器を出て行くガス流を、洗浄塔に供給するが、その際、該ガス流は、モノクロロベンゼンを用いて向流で洗浄した。得られた洗浄液を、冷却区間の第一の冷却帯域において冷却液として使用した。
本発明を、説明を目的として前記において詳説したが、このような詳細は単にこの目的のためだけものであり、請求項により限定され得るものを除き、当業者によって本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく変法が作られることができると理解すべきである。

Claims (2)

  1. 第一級アミンとホスゲンとを反応させることによりイソシアネートを製造するにあたって、
    a)ホスゲンと第一級アミンとを、反応チャンバ中で、アミンの沸点より高い温度で、平均接触時間0.05〜15秒以内で反応させて、気体状のイソシアネート含有混合物を得る工程と、
    b)反応チャンバを出て行く前記の気体状のイソシアネート含有混合物を冷却して、形成されたイソシアネートを凝縮させる工程と
    を含むイソシアネートの製造方法において、
    c)前記冷却を、直接的な冷却において、1段階で、2箇所以上の冷却帯域が直列に接続された冷却区間において実施する工程と、
    d)工程b)からの気体状の混合物を洗浄液で洗浄して、該気体状混合物から未凝縮のイソシアネートを分離する工程と
    を含む、イソシアネートの製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、冷却工程b)が:
    (i)第一の冷却帯域中に、温度50〜200℃を有する第一の溶剤含有の冷却液であって、該冷却液の全質量に対して80〜100質量%の溶剤含有率を有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを該冷却液の質量に全質量に対して20質量%まで含有するものを供給する工程と、
    (ii)第二の冷却帯域と任意の後続の冷却帯域中に、冷却区間の底部生成物として得られる温度100〜200℃を有する第二の溶剤含有の冷却液であって、該冷却液の全質量に対して30〜90質量%の溶剤含有率を有し、かつ工程a)で製造されるイソシアネートを、該冷却液の全質量に対して10〜70質量%で含有するものを供給する工程と
    を含む、イソシアネートの製造方法。
JP2007320396A 2006-12-13 2007-12-12 気相中でのイソシアネートの製造方法 Expired - Fee Related JP5366393B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102006058634.4 2006-12-13
DE102006058634A DE102006058634A1 (de) 2006-12-13 2006-12-13 Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008150372A true JP2008150372A (ja) 2008-07-03
JP5366393B2 JP5366393B2 (ja) 2013-12-11

Family

ID=38988377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007320396A Expired - Fee Related JP5366393B2 (ja) 2006-12-13 2007-12-12 気相中でのイソシアネートの製造方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US7615662B2 (ja)
EP (1) EP1935875B1 (ja)
JP (1) JP5366393B2 (ja)
KR (1) KR101433943B1 (ja)
CN (1) CN101200437B (ja)
AT (1) ATE517082T1 (ja)
DE (1) DE102006058634A1 (ja)
PL (1) PL1935875T3 (ja)
RU (1) RU2464258C2 (ja)
TW (1) TWI409248B (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012505850A (ja) * 2008-10-15 2012-03-08 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造方法
JP2012508212A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造方法
JP2012510495A (ja) * 2008-12-03 2012-05-10 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造方法
JP2012519667A (ja) * 2009-03-06 2012-08-30 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造方法および製造装置
JP2013512273A (ja) * 2009-12-01 2013-04-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア カルバメートの熱的開裂によるイソシアネートの製造方法
JP2013522261A (ja) * 2010-03-18 2013-06-13 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの生産方法
JP2016529239A (ja) * 2013-07-26 2016-09-23 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトCovestro Deutschland Ag イソシアネートの製造方法
JP7093183B2 (ja) 2015-06-12 2022-06-29 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフト 気相中におけるジイソシアネートの製造方法

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008061686A1 (de) * 2008-12-11 2010-06-17 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
DE102008063728A1 (de) 2008-12-18 2010-06-24 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
WO2010115908A2 (de) 2009-04-08 2010-10-14 Basf Se Verfahren zur herstellung von isocyanaten
DE102009032414A1 (de) 2009-07-09 2011-01-13 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
DE102009032413A1 (de) 2009-07-09 2011-01-13 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
DE102009033639A1 (de) 2009-07-17 2011-01-20 Bayer Materialscience Ag Verfahen zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
US8716517B2 (en) 2009-08-11 2014-05-06 Basf Se Method for producing diisocyanates by gas-phase phosgenation
US8981145B2 (en) 2010-03-18 2015-03-17 Basf Se Process for preparing isocyanates
DE102010019342A1 (de) 2010-05-05 2011-11-10 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
EP2953928B1 (de) * 2013-02-08 2017-08-09 Covestro Deutschland AG Verfahren zur abtrennung eines durch phosgenierung eines primären amins in der gasphase hergestellten isocyanats aus dem gasförmigen rohprodukt der phosgenierung
PT2949622T (pt) 2014-05-27 2022-05-02 Covestro Intellectual Property Gmbh & Co Kg Processo para processar cloreto de hidrogénio a partir da produção de isocianatos
CN106458842B (zh) 2014-06-24 2020-02-11 科思创德国股份有限公司 具有运行中断的用于制备化学产物的方法
CN105017079B (zh) * 2015-06-24 2016-11-23 青岛科技大学 一种在惰性溶剂存在下制备异氰酸酯的方法
WO2017055311A1 (de) 2015-09-30 2017-04-06 Covestro Deutschland Ag Verfahren zur herstellung von isocyanaten
PT3362496T (pt) * 2015-10-16 2020-09-01 Huntsman Int Llc Método para controlar o processo para preparar isocianatos
CN109563028B (zh) 2016-08-17 2021-11-19 科思创德国股份有限公司 在生产联合体中制备异氰酸酯和至少一种其他化学产品的方法
CN110072845B (zh) 2016-12-21 2022-04-08 科思创德国股份有限公司 制备异氰酸酯的方法
EP3606630B1 (de) 2017-04-03 2021-03-10 Covestro Intellectual Property GmbH & Co. KG Reinigungsvorrichtung für gasströme aus der isocyanatherstellung
CN110914236B (zh) * 2017-06-08 2023-01-31 科思创德国股份有限公司 制备异氰酸酯的方法
HUE060390T2 (hu) 2017-06-08 2023-02-28 Covestro Intellectual Property Gmbh & Co Kg Eljárás izocianátok elõállítására gázfázisban
US10975020B2 (en) 2017-09-11 2021-04-13 Covestro Deutschland Ag Process for quenching a gaseous reaction mixture obtained in the gas phase phosgenation of diamines
US11814339B2 (en) 2018-12-26 2023-11-14 Wanhua Chemical Group Co., Ltd. Method for preparing isocyanate in gaseous phase
CN109704993A (zh) * 2018-12-26 2019-05-03 万华化学集团股份有限公司 一种在气相中制备异氰酸酯的方法
EP4031526B1 (de) 2019-09-17 2024-07-10 Covestro Deutschland AG Verfahren zur herstellung von isocyanaten
EP4347102A1 (de) * 2021-05-27 2024-04-10 Basf Se Verfahren zur herstellung von phosgen
WO2022263320A1 (en) 2021-06-14 2022-12-22 Covestro Deutschland Ag Reactor and process for preparing isocyanates
EP4104922A1 (en) 2021-06-14 2022-12-21 Covestro Deutschland AG Reactor and process for preparing isocyanates

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63280050A (ja) * 1987-04-30 1988-11-17 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト ジイソシアネートの製造法
JPH0641046A (ja) * 1992-05-22 1994-02-15 Bayer Ag 芳香族ジイソシアネートの製造方法
JP2004123745A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Bayer Ag ジアミンの気相ホスゲン化の際に気体反応混合物をクエンチする方法
JP2005510558A (ja) * 2001-11-28 2005-04-21 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 気相におけるイソシアナートの製造方法
JP2008503532A (ja) * 2004-06-22 2008-02-07 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト イソシアネートの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2697017B1 (fr) 1992-10-16 1995-01-06 Rhone Poulenc Chimie Procédé de préparation de composés du type isocyanates aromatiques en phase gazeuse.
FR2723585B1 (fr) 1994-08-12 1996-09-27 Rhone Poulenc Chimie Procede de preparation de composes du type polyisocyanates aromatiques en phase gazeuse.
DE10222023A1 (de) 2002-05-17 2003-11-27 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
DE10349504A1 (de) 2003-10-23 2005-05-25 Bayer Technology Services Gmbh Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
DE10359627A1 (de) 2003-12-18 2005-07-21 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Diisocyanaten

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63280050A (ja) * 1987-04-30 1988-11-17 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト ジイソシアネートの製造法
JPH0641046A (ja) * 1992-05-22 1994-02-15 Bayer Ag 芳香族ジイソシアネートの製造方法
JP2005510558A (ja) * 2001-11-28 2005-04-21 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 気相におけるイソシアナートの製造方法
JP2004123745A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Bayer Ag ジアミンの気相ホスゲン化の際に気体反応混合物をクエンチする方法
JP2008503532A (ja) * 2004-06-22 2008-02-07 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト イソシアネートの製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012505850A (ja) * 2008-10-15 2012-03-08 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造方法
JP2012508212A (ja) * 2008-11-07 2012-04-05 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造方法
JP2012510495A (ja) * 2008-12-03 2012-05-10 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造方法
JP2012519667A (ja) * 2009-03-06 2012-08-30 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの製造方法および製造装置
JP2013512273A (ja) * 2009-12-01 2013-04-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア カルバメートの熱的開裂によるイソシアネートの製造方法
JP2013522261A (ja) * 2010-03-18 2013-06-13 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア イソシアネートの生産方法
JP2016529239A (ja) * 2013-07-26 2016-09-23 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトCovestro Deutschland Ag イソシアネートの製造方法
JP7093183B2 (ja) 2015-06-12 2022-06-29 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフト 気相中におけるジイソシアネートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101200437A (zh) 2008-06-18
EP1935875A1 (de) 2008-06-25
KR20080055661A (ko) 2008-06-19
CN101200437B (zh) 2013-01-02
RU2007146117A (ru) 2009-06-20
US20080167490A1 (en) 2008-07-10
EP1935875B1 (de) 2011-07-20
ATE517082T1 (de) 2011-08-15
TW200842122A (en) 2008-11-01
RU2464258C2 (ru) 2012-10-20
TWI409248B (zh) 2013-09-21
DE102006058634A1 (de) 2008-06-19
US7615662B2 (en) 2009-11-10
JP5366393B2 (ja) 2013-12-11
KR101433943B1 (ko) 2014-08-25
PL1935875T3 (pl) 2011-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5366393B2 (ja) 気相中でのイソシアネートの製造方法
JP5361178B2 (ja) 気相中でのイソシアネートの製造方法
US7488842B2 (en) Method for producing isocyanates
JP5699128B2 (ja) イソシアネートの製造方法
JP5574684B2 (ja) 気相中でイソシアナートを製造する方法
US9840461B2 (en) Method for operating a gas-phase phosgenation plant
JP2004123745A (ja) ジアミンの気相ホスゲン化の際に気体反応混合物をクエンチする方法
JP2003192658A (ja) 改良された気相(ポリ)イソシアネート製造方法
TWI429619B (zh) 氣相中芳香族二異氰酸酯之製造方法
KR20110097790A (ko) 이소시아네이트의 제조 방법
JP5787908B2 (ja) イソシアネートの生産方法
JP5717735B2 (ja) 気相におけるイソシアネートの調製方法
JP7093183B2 (ja) 気相中におけるジイソシアネートの製造方法
US10975020B2 (en) Process for quenching a gaseous reaction mixture obtained in the gas phase phosgenation of diamines
JP2012533525A (ja) 気相中でのイソシアネートの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101126

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101227

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121221

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130312

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130315

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130422

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130425

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130521

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130812

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees