JP2008149491A - 刷版加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の刷版をそれぞれ位置決めし、それぞれの刷版に位置決め孔および係止片を同時に加工することができる刷版加工装置を提供すること。
【解決手段】搬送装置8で搬入されてきた複数の刷版1a,1bをそれぞれ独立して位置決め可能な複数の位置決め手段7a,7bと、位置決めした刷版の天側および地側にそれぞれ配置され、位置決め孔を形成するパンチユニット13a,13b、14a,14bと、位置決めした刷版の天側および地側にそれぞれ配置され、回動可能な曲げ体とアンビルとで刷版を曲げ加工して係止片を形成する曲げユニット20a,20bと、前記複数の位置決め手段7a,7bにそれぞれ対応し、刷版1a,1bに形成された基準マークの位置を認識する複数の位置認識装置18a,18b、19a,19bとを設け、前記複数の位置決め手段7a,7bが、対応する位置認識手段18a,18b、19a,19bによって認識された基準マークの位置に基づいて刷版の位置決めを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、新聞等の印刷に使用する輪転機の版胴に装着する刷版の対向する側縁に位置決め孔および係止片を形成するための刷版加工装置に関する。
新聞用輪転印刷機の版胴に刷版を装着するために、刷版の対向する側縁に、位置決めのための位置決め孔を形成するとともに、側縁を所定の形状に折り曲げて取り付けのための係止片を形成する。
図10(a)は刷版の平面図、(b)および(c)は断面図、(d)および(e)は版胴に装着した状態を示す図である。新聞紙面内容および基準マーク(いわゆるトンボマーク)1Mの画像が形成された刷版1の天側および地側に相対して2箇所の基準となる位置決め孔2が刷版用のパンチャーなどで形成されている。また、刷版用のベンダーなどで刷版1のくわえ側(地側)およびくわえ尻側(天側)の版曲げ加工を行って、刷版1を版胴に装着するための係止片3が形成されている。
刷版1の版胴4への装着は 図10(b)に示すいわゆるナローギャップ式の刷版1の場合、図10(d)に示すように、版胴4のスリット溝5にくわえ側およびくわえ尻側の係止片3を挿入して取り付ける。図10(c)に示す刷版1の場合、図10(e)に示すように、くわえ側の係止片3を引っ掛け、くわえ尻側の係止片3を版締め機構5のバネ5aをカム5bで押して引っ張ることにより装着する。
このように係止片の折り曲げの形状や角度、さらには折り曲げ長さなどは、輪転機メーカーや機種によって様々であるが、印刷中の版浮き等による版切れトラブルを避けるため、係止片は所望の位置に正確に形成する必要があり、そのためには係止片を形成する際に刷版を正確に位置決めして曲げ加工を行うことが必要である。
このような刷版の位置決め機能を備えた刷版加工装置として、本願出願人は先に特許文献1の刷版加工装置を開発した。この刷版加工装置は、CCDカメラで刷版の基準マークを認識した後、入力しておいた、基準マークからパンチ位置および曲げ位置までの距離のデータに基づき位置決め孔のパンチ位置および係止片の曲げ位置がテーブルの移動によりパンチユニットおよび曲げユニットに位置決めされるようにしたものである。よって、精度よく位置決め孔および係止片を加工することができる。
ところで、この刷版加工装置は、2頁周長2頁幅の刷版1枚を加工する構成であり、そのテーブルも2頁周長2頁幅の刷版に対応する大きさを有している。したがって、2頁周長1頁幅の刷版であれば、そのテーブル上には2頁周長1頁幅の刷版を2枚載せることができる。しかし、刷版の位置決め機構やパンチユニット、曲げユニットなどが1枚の刷版用に1組しか設けられていないため、結果的には、2頁周長1頁幅の刷版であっても1枚ずつしか加工できず、効率が悪くなる。
特許第3554313号公報
本発明が解決しようとする課題は、複数の刷版をそれぞれ位置決めし、それぞれの刷版に位置決め孔および係止片を同時に加工することができる刷版加工装置を提供することにある。
本発明の刷版加工装置は、基準マークを含む画像が形成された刷版を移動させて位置決めし、刷版の天側および地側にそれぞれ位置決め孔と係止片を加工する刷版加工装置において、搬送装置で搬入されてきた複数の刷版をそれぞれ独立して位置決め可能な複数の位置決め手段と、位置決めした刷版の天側および地側にそれぞれ配置され、位置決め孔を形成するパンチユニットと、位置決めした刷版の天側および地側にそれぞれ配置され、回動可能な曲げ体とアンビルとで刷版を曲げ加工して係止片を形成する曲げユニットと、前記複数の位置決め手段にそれぞれ対応し、刷版に形成された基準マークの位置を認識する複数の位置認識手段とを備え、前記複数の位置決め手段が、対応する位置認識手段によって認識された基準マークの位置に基づいて刷版の位置決めを行うことを特徴とするものである。
このような構成とすることで、例えば2頁周長1頁幅の刷版2枚を加工する場合には、2つの位置決め手段を使用してそれぞれの刷版を位置決めし、位置決め孔および係止片を同時に加工することができる。また、2頁周長2頁幅の刷版1枚を加工する場合には、2つの位置決め手段のうち1つの位置決め手段のみを使用して刷版を位置決めし、位置決め孔および係止片を加工することができる。
また、本発明においては、刷版を加工位置まで搬送する搬送装置として、刷版を天地方向と直交する方向に搬送する第1の搬送機構と、刷版を天地方向に搬送する第2の搬送機構とを設け、これらの第1および第2の搬送機構を使い分けることにより、刷版の搬入方向を選択可能とすることができる。これによって、印刷工場のレイアウト等に応じて、刷版の搬入方向を選択することができる。
さらに、本発明においては、係止片を形成する曲げユニットにおいて、天側および地側のアンビルを、刷版の天側および地側の曲げ位置の間隔より狭い位置に固定配置することができる。この場合、曲げユニットによる係止片の加工は、刷版の天側と地側とで別々に行い、その加工の際に刷版を所定の曲げ位置に移動させる。このような構成とすることで、刷版の天地方向への移動によって刷版の天側および地側に加工された係止片を天側および地側のアンビルから外すことが可能となり、アンビルを逃すための移動機構や駆動機構が必要なく、アンビルを固定配置できるので、構造が簡素化および小型化される。
本発明によれば、複数の刷版をそれぞれ位置決めし、それぞれの刷版に位置決め孔および係止片を同時に加工することができるので、刷版加工の効率を向上させることができる。
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の刷版加工装置の第1実施例を示す平面図、図2はその正面図である。この刷版加工装置は、2頁周長1頁幅の刷版2枚に位置決め孔および係止片を同時に加工できるように構成されたものである。
まず、刷版の搬送および位置決め機構について説明する。2枚の刷版1a,1bをバキューム付の固定テーブル6および移動テーブル7a,7bの上に搬入する搬送機構として、4条のベルトからなる搬送コンベア8が配置されている。この搬送コンベア8によって刷版1a,1bは、その天地方向と直交する方向(図1の矢印方向)に搬送され、固定テーブル6および移動テーブル7a,7bの上に搬入され、加工後には同方向に搬出される。搬送コンベア8は上昇下降可能であり、刷版1a,1bの搬出入時には固定テーブル6および移動テーブル7a,7bより高いレベルに上昇した状態で作動し、下降により刷版1a,1bを固定テーブル6および移動テーブル7a,7b上に載置する。
移動テーブル7a,7bは、搬送コンベア8の中央のベルト間に配置されており、それぞれ独立して前後左右方向に直線移動可能でかつ回転可能である。この2つの移動テーブル7a,7bは、搬送コンベア8によって搬入されてきた刷版1a,1bをそれぞれ独立して位置決めする位置決め手段である。すなわち、移動テーブル7aによって刷版1aを位置決めし、移動テーブル7bによって刷版1bを位置決めする。
具体的には、搬送コンベア8で搬送されてきた刷版1a,1bは、搬送コンベア8の下降によって固定テーブル6および移動テーブル7a,7bの上に載せられ、まず移動テーブル7a,7bの真空による吸着機能で保持され、移動テーブル7a,7bの直線移動や回転によりそれぞれ独立して位置決めされる。このように、移動テーブル7a,7bは位置決め時および位置決め後の刷版を真空により吸着して保持する機能を有する。また、固定テーブル6も真空による吸着機能を有しており、移動テーブル7a,7bによる位置決め後に行う位置決め孔のパンチ工程あるいは係止片の曲げ加工工程の際、刷版1a,1b全体を移動テーブル7a,7bと協働してしっかりと保持固定し、位置決めする。当然、テーブル7a,7bが位置決めを行うために直線移動あるいは回転する間は、固定テーブル6は刷版1a,1bの吸着は行わない。逆に、刷版1a,1bが搬送コンベア8により搬出入される際や、移動テーブル7a,7bが位置決めを行う間は、固定テーブル6からエアーを吹き出させ、搬送コンベア8による刷版1a,1bの搬出入時や移動テーブル7a,7bの位置決め移動時の補助をするようにしてもよい。
このような搬送コンベア8による刷版1a,1bの搬入および位置決めを補助するため、本実施例の刷版加工装置では、搬送コンベア8で搬送されてきた刷版1aを停止させる進入ストッパー9aおよび同様に搬送コンベア8で搬送されてきた刷版1bを停止させる進入ストッパー9bが出没可能(上下動可能)に配置されている。また、刷版1aを進入ストッパー9a位置で確実に停止させるために、刷版1aを搬入方向に押すプッシャー10aが配置され、同様に刷版1bを進入ストッパー9b位置で確実に停止させるために、刷版1bを搬入方向に押すプッシャー10bが配置されている。さらに、刷版1aの天地方向の初期位置を固定するために、プッシャー11aが天側に配置され、このプッシャー11aにより刷版1aを地側に移動させて停止させる地側ストッパー12aが出没可能に配置されている。同様に、刷版1bの天地方向の初期位置を固定するために、プッシャー11bが天側に配置され、このプッシャー11bにより刷版1bを地側に移動させて停止させる地側ストッパー12bが出没可能に配置されている。
次に、刷版1a,1bに位置決め孔および係止片を加工するための構成について説明する。刷版1aに位置決め孔を加工するために、刷版加工装置の架台(図示せず)の両側にパンチユニット13a,13bが配置され、同様に刷版1bに位置決め孔を加工するために、刷版加工装置の架台(図示せず)の両側にパンチユニット14a,14bが配置されている。ここで、パンチユニット13a,13bとパンチユニット14a,14bとの間にも、パンチユニット15a,15bが配置されているが、これは2頁周長2頁幅の刷版1枚を取り扱う際に使用するもので、2頁周長1頁幅の刷版2枚(刷版1a,1b)を取り扱う際には使用しない。
これらのパンチユニットは、従来のプレートパンチャーと同じく、パンチ16a,16bと穴あきのダイス17a,17bで構成され、上下動するパンチ16a,16bの下方に穴あきのダイス17a,17bが配置されている。なお、基準となる地側のパンチユニット13b,14b,15bは架台に固定されている。
刷版1aに位置決め孔を加工するためのパンチユニット13a,13bには、刷版1aに形成された基準マークの位置を認識する位置認識手段としてCCDカメラ18a,18bが固定されている。このCCDカメラ18a,18bによって認識された刷版1aの基準マークの位置に基づいて、上述の移動テーブル7aが刷版1aの位置決めを行う。同様に、刷版1bに位置決め孔を加工するためのパンチユニット14a,14bには、刷版1bに形成された基準マークの位置を認識する位置認識手段としてCCDカメラ19a,19bが固定されている。このCCDカメラ19a,19bによって認識された刷版1bの基準マークの位置に基づいて、上述の移動テーブル7bが刷版1bの位置決めを行う。また、刷版1aに位置決め孔を加工する天側のパンチユニット13aには、刷版1aを地側に押す上述のプッシャー11aが設けられ、刷版1bに位置決め孔を加工する天側のパンチユニット14aには、刷版1bを地側に押す上述のプッシャー11bが設けられている。
刷版1a,1bに係止片を加工するために、刷版加工装置の架台(図示せず)の両側に曲げユニット20a,20bが配置されている。基準となる地側の曲げユニット20bは架台に固定されている。
図3は曲げユニットの一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。曲げユニット20a(20b)は、回動可能な曲げ体21a(21b)とアンビル22a(22b)とを主要な構成とする。曲げ体21a(21b)の外側には、その回動中心と一致させてタイミングプーリー23が取り付けられ、このタイミングプーリー23はタイミングベルト24を介してタイミングプーリー25を軸にもつモータ26に連結されている。モータ26としてはサーボモータ、ステッピングモータなど回転位置制御可能なものを使用する。この構成により、モータ26に所定の制御パルス(例えば、所望の任意の曲げ角度に準じたデータ)を入力することにより、モータ26はこのパルスに見合った分だけ回転し、タイミングプーリー23,25とタイミングベルト24を通して、その回転は曲げ棒21a,21bの回転角度として伝えられ、刷版1a,1bがアンビル22a,22bに押さえられ、必要とする曲げ角度に刷版1a,1bを曲げ加工して係止片を形成することができる。なお、27a(27b)は曲げ加工の際に下降して刷版を押さえる押さえ部材である。
ここでモータ26と曲げ棒21a(21b)の連結は位相ズレをしないもの、たとえばリンクチェーンで行ってもよい。また、曲げ棒21a(21b)の回動中心軸とモータ軸をカップリング等で直結してもよい。さらに、曲げ棒21a(21b)の片方のみからモータ26の駆動力を伝達してもよいが、図3(b)に示すように連結軸28を用いて他方の軸29も同時に駆動してもよい。この方法を用いれば版曲げ作用時の曲げ棒21a(21b)のねじれを最小限に抑えることができ、刷版1a,1bの曲げ精度の向上に結びつく。
係止片を形成した刷版1a,1bを排出するとき、曲げ形成された係止片と天側のアンビル22aのくわえ込みを引き離すため、アンビル22aは一時退避するが、曲げ加工時は規定位置に移動してストッパー(図示せず)に突き当たって正確な位置が保持される。なお、両方のアンビル22a,22bを移動可能にして一時退避するようにしてもよい。また、天側の曲げユニット20aの曲げ体21aの曲げ動作の際に、これと上述の天側のパンチユニット13a,14a,15aが干渉する場合は、天側のパンチユニット13a,14a,15aを退避可能に設け、基準マークの読み取りやパンチ時には退避位置から移動してストッパー(図示せず)に突き当たって正確に規定位置に停止するようにする。
次に、刷版に位置決め孔および係止片を加工する手順を説明する。図4はその加工手順を示す正面図である。図1で説明したように本実施例の刷版加工装置では、2枚の刷版1a,1bについて位置決め孔および係止片を同時に加工するが、刷版1aと刷版1bの加工手順は同じであるので、図4では刷版1aの加工手順を示している。以下、図4を参照して加工手順を説明する。
(1)図4(a)に示すように、基準マークを含む画像が形成された刷版1aを、固定テーブル6および移動テーブル7aより高いレベルに上昇している搬送コンベア8で搬入し、上昇させた進入ストッパー9a(図1参照)に突き当てて停止させる。なおプッシャー10aは、刷版1aが進入ストッパー9aに当接するまでは下降させておき、当接後、上昇させて刷版1aを押す。
(2)図4(b)に示すように、刷版1aを天側のプッシャー11aで地側に押し、地側ストッパー12aに突き当てて停止させ、その後、搬送コンベア8を下降させて刷版1aを固定テーブル6および移動テーブル7aの上に載せ、移動テーブル7aの真空吸着により仮位置決めする。
(3)図4(c)に示すように、パンチユニット13a,13bに固定されたCCDカメラ18a,18bにより刷版1aの基準マークの位置を認識し、基準マークがCCDカメラ18a,18bの基準マークの位置情報に一致するように移動テーブル7aを動作させて位置決めする。具体的には、予め入力しておいた、基準マークから位置決め孔のパンチ位置までの距離のデータに基づき、その位置決め孔のパンチ位置が移動テーブル7aの移動によりパンチユニット13a,13bのパンチ位置に来るように位置決めする。その後、固定テーブル6でも真空吸着を行い、刷版1a全体を移動テーブル7aと協働で保持、固定し、位置決めがズレないようにする。そして、両方のパンチユニット13a,13bのパンチ16a,16bをダイス17a,17bに下降させて位置決め孔を加工する。
(4)位置決め孔を形成した後、図4(d)に示すように、天側の1段曲げができる位置まで移動テーブル7aによって、地側に刷版1aを移動させ位置決めする。このときも、予め入力しておいた、基準マークから曲げ位置までの距離データに基づき天側の1段曲げ位置がテーブル7aの移動によって天側の曲げユニット20aに位置決めされる。また、刷版1aを移動させる際には、固定テーブル6の真空吸着を解除し、その後、移動テーブル7aによる位置決めが終わった後に、再び固定テーブル6が真空吸着を行い移動テーブル7aと協働して刷版1aを固定する。そして、曲げユニット20aの曲げ体21aとアンビル22aとで天側の1段曲げを行う。なお、天側の曲げ加工の際には、天側のパンチユニット13aは曲げ体21aに干渉しないように退避位置に退避させておく。
(5)天側の1段曲げの後、図4(e)に示すように、天側の2段曲げおよび地側の曲げができる位置まで移動テーブル7aによって、天側に刷版1を移動させ位置決めする。この場合も、予め入力しておいた、基準マークから曲げ位置までの距離データに基づき、移動テーブル7aによって刷版1を移動させ位置決めする。また、移動テーブル7aによる位置決めが終わったら、固定テーブル6でも真空吸着を行い移動テーブル7aと協働して刷版1aを固定する。そして、それぞれの曲げユニット20a,20bの曲げ棒21a,21bとアンビル22a,22bとで天側の2段曲げおよび地側の曲げを行い、係止片の加工が完了する。
(6)係止片の加工終了後、図4(f)に示すように、天側のアンビル22aを地側に移動させて係止片3を逃がし、その後、刷版1aを移動テーブル7aで真空吸着したまま(このときも、固定テーブル6の真空吸着は解除されている)地側に移動させてアンビル22bからも係止片3を逃がした後、真空吸着を解除し、搬送コンベア8を上昇させて刷版1を載せて搬出する。
以上の手順により刷版1a,1bのそれぞれに位置決め孔および係止片を加工することができる。なお、上述のように固定テーブル6は、移動テーブル7a,7bが各工程において位置決めを行っている間は、刷版1a,1bの真空吸着を行わず、位置決め終了後各工程を実施する際に移動テーブル7a,7bのみの吸着力では弱く、位置決めがズレるおそれがあるため、固定テーブル6でも刷版1a,1bの真空吸着を行い、位置決めを確実なものにして製版の品質向上を図っている。
図5は、本発明の刷版加工装置の第2実施例を示す平面図である。この実施例は、刷版1a,1bを固定テーブル6および移動テーブル7a,7bの上に搬入する搬送機構として、刷版1a,1bを天地方向と直交する方向に搬送する搬送コンベア8(第1の搬送機構)に加えて、刷版1a,1bを天地方向に搬送する搬送機構として移動式の吸着体30a,30b(第2の搬送機構)を設けたものである。その他の構成は図1に示した第1実施例と同一であり、同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6は、この吸着体による刷版の搬入手順を示す正面図である。刷版1aと刷版1bの搬入手順は同じであるので、図6では刷版1aの搬入手順を示している。
吸着体30aは、天地方向の中央付近から天側までの間を天地方向に移動可能であり、地側から図示しないコンベアによって天側に向けて搬入されてきた刷版1aの先端部分を、天地方向の中央付近で吸着し、そのまま天側に牽引する。これによって図6に示すように、刷版1aを固定テーブル6および移動テーブル7aの上に載置する。その後、吸着を解除し、プッシャー10aで刷版1aを押し、進入ストッパー9aに突き当てる。
その後は、第1実施例において図4(b)〜図4(f)に示した手順、すなわち上記(2)〜(6)で説明した手順によって、刷版に位置決め孔および係止片を加工する。
この実施例では、上記のように、移動式の吸着体30a,30bを利用することで刷版1a,1bを天地方向に搬入することができるほか、第1実施例と同様に搬送コンベア8を利用することで刷版1a,1bを天地方向と直交する方向に搬入することもできる。したがって、第1の搬送機構のみを使用すれば搬入・搬出方向を直線的にすることができ、第2の搬送機構および第1の搬送機構を使用すれば搬入・搬出方向を直角にすることができることから、印刷工場のレイアウト等に応じて、都合の良い刷版の搬入方向を選択することができる。
図7は、本発明の刷版加工装置の第3実施例を示す平面図である。この実施例は、刷版1a,1bを固定テーブル6および移動テーブル7a,7bの上に搬入する搬送機構として、刷版1a,1bを天地方向と直交する方向に搬送する搬送コンベア8(第1の搬送機構)に加えて、刷版1a,1bを天地方向に搬送する搬送機構として別の搬送コンベア31a,31b(第2の搬送機構)を設けたものである。その他の構成は図1に示した第1実施例と同一であり、同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
搬送コンベア31a,31bはそれぞれ2条のベルトからなり、この搬送コンベア31a,31bによって刷版1a,1bは地側から天側に向けて搬入され、固定テーブル6および移動テーブル7a,7bの上に載置される。搬送コンベア31a,31bは、第1実施例で説明した搬送コンベア8と同様に上昇下降可能であり、刷版1a,1bの搬入時には固定テーブル6および移動テーブル7a,7bより高いレベルに上昇した状態で作動し、下降により刷版1a,1bを固定テーブル6および移動テーブル8a,8b上に載置する。その後、プッシャー10aで刷版1aを押し、進入ストッパー9aに突き当てる。
その後は、第1実施例において図4(b)〜図4(f)に示した手順、すなわち上記(2)〜(6)で説明した手順によって、刷版に位置決め孔および係止片を加工する。
この実施例でも、搬送コンベア31a,31bを利用することで刷版1a,1bを天地方向に搬入することができるほか、搬送コンベア8を利用することで刷版1a,1bを天地方向と直交する方向に搬入することもできる。したがって、第1の搬送機構のみを使用すれば搬入・搬出方向を直線的にすることができ、第2の搬送機構および第1の搬送機構を使用すれば搬入・搬出方向を直角にすることができることから、印刷工場のレイアウト等に応じて、都合の良い刷版の搬入方向を選択することができる。
図8は、本発明の刷版加工装置の第4実施例を示す正面図である。この実施例は、天側の曲げユニット20aのアンビル22aおよび地側の曲げユニット20bのアンビル22bを、刷版の天側および地側の曲げ位置の間隔より狭い位置に固定配置したものである。その他の構成は先の第1実施例と同一であり、同一の構成には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9は、この実施例における刷版の係止片の加工手順を示す正面図である。刷版1aと刷版1bの係止片の加工手順は同じであるので、図9では刷版1aの加工手順を示している。
刷版1aに第1実施例で説明した要領で位置決め孔を加工した後、図9(a)に示すように、基準マークを基準として、移動テーブル7aで刷版1aを地側の所定位置まで移動させ、刷版1aの地側の曲げ位置を地側の曲げユニット20bの曲げ位置であるアンビル22bの先端位置に合わせ、この地側の曲げユニット20bにより刷版1aの地側の係止片を曲げ加工する。
刷版1aの地側に係止片3を加工した後、図9(b)に示すように、基準マークを基準として、移動テーブル7aで刷版1aを地側の所定位置までさらに移動させ、刷版1aの天側の1段曲げ位置を天側の曲げユニット20aの曲げ位置であるアンビル22aの先端位置に合わせ、この天側の曲げユニット20aにより刷版1aの天側の1段曲げを行う。
刷版1aの天側の1段曲げを行った後、図9(c)に示すように、基準マークを基準として、移動テーブル7aで刷版1aを天側の所定位置まで移動させ、刷版1aの天側の2段曲げ位置を天側の曲げユニット20aの曲げ位置であるアンビル22aの先端位置に合わせ、この天側の曲げユニット20aにより刷版1aの天側の2段曲げを行う。
刷版1aの天側に2段曲げを行った状態では、刷版1aの裏面側に90°以上の角度で曲げ加工される天側の係止片3の1段曲げ部と地側の係止片3は、それぞれアンビル22a,22bの外側に外れており、天側のアンビル22aには刷版1aの裏面側に90°以下の角度で曲げ加工された天側の係止片3の2段曲げ部が位置している。そのため、図9(d)に示すように、固定テーブル6および移動テーブル7aによる真空吸着を解除し、搬送コンベア8を上昇させれば、加工後の刷版1aをアンビル22a,22bより上方に持ち上げ、搬送コンベア8により搬出することができる。
このように、この実施例によれば、刷版の天地方向への移動によって刷版の天側および地側に加工された係止片を天側および地側のアンビルから外すことが可能となり、アンビルを逃すための移動機構や駆動機構が必要なく、アンビルを固定配置できるので、構造が簡素化および小型化される。
以上の実施例では、2頁周長1頁幅の刷版2枚(1a,1b)を同時に加工する例を説明したが、上記各実施例の刷版加工装置では、2頁周長2頁幅の刷版1枚を加工することもできる。この場合、刷版の位置決め手段として2つの移動テーブル7a,7bのうち1つの移動テーブルのみを使用して刷版を位置決めする。また、刷版の位置決め手段の数を増やせば、3枚以上の刷版を同時に加工することもできる。また、天側と地側を入れかえても同様に刷版を加工することができる。
本発明の刷版加工装置の第1実施例を示す平面図である。 図1に示す刷版加工装置の正面図である。 図1に示す刷版加工装置における曲げユニットの一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図1に示す刷版加工装置による刷版の加工手順を示す正面図である。 本発明の刷版加工装置の第2実施例を示す平面図である。 図5に示す刷版加工装置における刷版の搬入手順を示す正面図である。 本発明の刷版加工装置の第3実施例を示す平面図である。 本発明の刷版加工装置の第4実施例を示す正面図である。 図8に示す刷版加工装置による刷版の曲げ加工手順を示す正面図である。 (a)は刷版の平面図、(b)および(c)は断面図、(d)および(e)は刷版を版胴に装着した状態を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b 刷版
1M 基準マーク
2 位置決め孔
3 係止片
4 版胴
5 版締め機構
5a バネ
5b カム
6 固定テーブル
7a,7b 移動テーブル(位置決め手段)
8 搬送コンベア(第1の搬送機構)
9a,9b 進入ストッパー
10a,10b,11a,11b プッシャー
12a,12b 地側ストッパー
13a,13b,14a,14b,15a,15b パンチユニット
16a,16b パンチ
17a,17b ダイス
18a,18b,19a,19b CCDカメラ(位置認識手段)
20a,20b 曲げユニット
21a,21b 曲げ体
22a,22b アンビル
23 タイミングプーリー
24 タイミングベルト
25 タイミングプーリー
26 モータ
27a,27b 押さえ部材
28 連結軸
29 他方の軸
30a,30b 吸着体(第2の搬送機構)
31a,31b 搬送コンベア(第2の搬送機構)

Claims (3)

  1. 基準マークを含む画像が形成された刷版を移動させて位置決めし、刷版の天側および地側にそれぞれ位置決め孔と係止片を加工する刷版加工装置において、
    搬送装置で搬入されてきた複数の刷版をそれぞれ独立して位置決め可能な複数の位置決め手段と、
    位置決めした刷版の天側および地側にそれぞれ配置され、位置決め孔を形成するパンチユニットと、
    位置決めした刷版の天側および地側にそれぞれ配置され、回動可能な曲げ体とアンビルとで刷版を曲げ加工して係止片を形成する曲げユニットと、
    前記複数の位置決め手段にそれぞれ対応し、刷版に形成された基準マークの位置を認識する複数の位置認識手段とを備え、
    前記複数の位置決め手段が、対応する位置認識手段によって認識された基準マークの位置に基づいて刷版の位置決めを行う刷版加工装置。
  2. 前記搬送装置が、刷版を天地方向と直交する方向に搬送する第1の搬送機構と、刷版を天地方向に搬送する第2の搬送機構とを備え、前記第1および第2の搬送機構を使い分けることにより、刷版の搬入方向を選択可能とした請求項1に記載の刷版加工装置。
  3. 前記曲げユニットにおいて天側および地側のアンビルが、刷版の天側および地側の曲げ位置の間隔より狭い位置に固定配置されている請求項1または請求項2に記載の刷版加工装置。
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