JP2008149017A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面シート2と吸収体4との間に介在配置されたサブレイヤーシート5を具備する吸収性物品1であって、前記吸収体4は、液保持性の吸収性コア41を液透過性の被覆シート42で被覆して形成されており、前記サブレイヤーシート5は、縦長で且つ前記吸収性コア41より幅狭で、該吸収性コア41の幅方向中央部に配置されており、前記サブレイヤーシート5の両側縁5a,5aより外方で且つ前記吸収性コア41の上方で、前記表面シート2と前記被覆シート42との間又は前記被覆シート42の非肌当接面側に、少なくとも該サブレイヤーシート5の長手方向一端部から他端部に亘って、接着剤層6が設けられており、前記接着剤層6は、被塗工面に接着剤が実質的に全面塗工されて設けられている吸収性物品。
【選択図】図2
Description
また、特許文献3に記載の液漏れ防止技術は、腹部もしくは背面からの漏れ防止に主眼が置かれたものであり、前記排泄ポイントを中心とした領域における液漏れに対しては不充分であり、ウエットバック防止に有効ではなかった。
図1には、本発明の第1実施形態としての使い捨ておむつが示されている。図2は、図1におけるI−I線断面図である。
吸収性コア41は、パルプ繊維や高吸収性ポリマー等の吸収性物質を含んで構成され、実質的に縦長であり、全体として長手方向中央部が括れた形状(砂時計状の形状)を有している。吸収性コア41は、その長手方向の両端面を除き、全体が被覆シート4で被覆されている。被覆シート42は、吸収性コア41を被覆することにより、その保形性を保ち、また、高吸収性ポリマー等の該吸収性コア41の構成成分の脱落を防止するものである。
ここでいう、「実質的に全面塗工」には、(1)塗工面(前記被塗工面に接着剤が塗工されてなる面)の全面に満遍なく接着剤が塗工されており、接着剤が塗工されていない非塗工部が存在していない塗工状態(ベタ塗工)、及び(2)塗工面に非塗工部が存在しているためベタ塗工ではないが、該塗工面の略全面に接着剤が塗工されている塗工状態(実質ベタ塗工)が含まれる。つまり、「実質的に全面塗工」は、塗工面の全面又は略全面に接着剤が塗工されている塗工状態を意味し、例えばスパイラルパターンのような、非塗工部の存在率が高い間欠塗工パターンで接着剤が塗工されてなる塗工状態は、「実質的に全面塗工」には含まれない。
実質ベタ塗工は、ベタ塗工に比して接着剤の使用量が少ないにもかかわらず、液戻り量の低減効果に優れているという特長がある。ベタ塗工は、非塗工部が全く生じないため、液戻り量の低減効果に特に優れている。
ベタ塗工は、塗工装置のコーティングヘッドが被塗工面に接触する接触型塗工法により行なうことができる。好ましい接触型塗工法としては、例えば、スロットコーターを用いた塗工法が挙げられる。該塗工法においては、スロットコーターは常法通りに用いられる。
実質ベタ塗工は、塗工装置のコーティングヘッドが被塗工面に接触しない非接触型塗工法により行なうことができる。好ましい非接触型塗工法としては、例えば、スプレー塗工法、カーテン塗工法が挙げられる。スプレー塗工法は、コーティングヘッドのノズルから、霧状に非接触に被塗工面へと直接塗布する塗工法である。カーテン塗工法は、塗液をコーティングヘッドのノズルから流下して被塗工面へと直接塗布する非接触型の塗工法である。
即ち、接着剤層6は、接触型塗工法(スロットコーターを用いた接触型塗工法)、スプレー塗工法又はカーテン塗工法により設けられることが好ましい。
また、第1実施形態においては、図2に示すように、接着剤層6を介して表面シート2と下部被覆シート42bとの間が接合されているが、両シート2,42b間は接合されていなくてもよい。つまり、両シート2,42b間の相対向する面の一方に接着剤層6が設けられていれば、両シート2,42b間は接合されていなくてもよい。但し、第1実施形態のように両シート2,42b間が接着剤層6を介して接合されている形態の方が、液戻り量の低減に有効である。
図3に示すように、測定サンプルを上下からゴムパッキンを介して、直径35mmの一対のガラス製シリンダーで挟持固定した状態下に、上側のシリンダーに人工尿30gを供給する。人工尿の組成を下記表2に示す。人工尿の供給開始時から、測定サンプルを通過して下側のシリンダーに溜まった人工尿の重量が20gになるまでの時間を測定し、この時間を液通過時間とする。
測定サンプル1〜4は、5.5cm径の被覆シート及び表面シートを用意し、該被覆シートと該表面シートとの間を下記表1に示す塗工法にてホットメルト型接着剤で接合することにより作製した。測定サンプル1〜4において、被覆シートとして台紙を用い、表面シートとして親水性のエアスルー不織布(坪量25g/m2)を用い、ホットメルト型接着剤としてゴム系のホットメルトを用いた。また、市販のおむつ(商品名:Kao Merries Premium Baby Diapers、花王台湾社製)における、被覆シート(台紙)と表面シートとがホットメルト型接着剤のスパイラルパターン塗工により接合されてなる積層シートから、5.5cm径の円形サンプルを切り出し、該積層シートの該円形サンプルを測定サンプル5とした。測定時は、測定サンプルを、その被覆シート側が下側のシリンダーと対向するように両シリンダー間にセットした。測定サンプルのみを両シリンダー間にセットした場合(下記表1で、サンプルのみ)、及び測定サンプルと下側シリンダーとの間にろ紙(ADVANTEC(TOYO) FILTER PAPER QUALITATIVE 2 Φ70mm)をセットした場合についてそれぞれ測定した。
おむつ1における長手方向の両側には、立体ギャザー形成用の左右一対の弾性部材7,7及びレッグギャザー形成用の左右一対の弾性部材8,8が配されて、立体ギャザー及びレッグギャザーが形成されている。立体ギャザーは、前記弾性部材7を有する立体ギャザー形成用のシート材70から形成されている。立体ギャザー形成用のシート材70は、その一側縁に、前記弾性部材7が一本又は複数本、伸長状態で固定されている。シート材70は、吸収体4の左右両側縁よりも幅方向の外方の位置において、おむつ1の長手方向に沿って表面シート2に接合されており、その接合部71が、立体ギャザーの立ち上がり基端部71となっている。シート材70は、立ち上がり基端部71からおむつ1の幅方向の外方に延出し、その延出部において裏面シート3と接合されている。吸収体4の両側縁それぞれの外方に延出するレッグフラップには、一本又は複数本(第1実施形態においては複数本)の、レッグギャザー形成用の前記弾性部材8が伸長状態で略直線状に配設されている。シート材70は、おむつ長手方向の前後端部72,73において、表面シート2上に接合されている。
前記高吸収性ポリマーとしては、この種のおむつにおいて従来用いられている各種のものを用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、第2実施形態においては、上部被覆シート42aと下部被覆シート42bとの間は接着剤層6を介して接合されていてもよく、接合されていなくてもよい。但し、両シート42a,42b間が接着剤層6を介して接合されている形態の方が、液戻り量の低減に有効である。
上述の如き構成を有する第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果が奏される。
例えば、接着剤層6は、サブレイヤーシート5の両側縁5a,5aより外方で且つ吸収性コア41の上方で、上部被覆シート42aの非肌当接面側に、少なくともサブレイヤーシート5の長手方向一端部から他端部に亘って設けてもよい。この場合、該接着剤層6は、吸収性コア41と当接する。
また、本発明の使い捨ておむつは、パンツ型の使い捨ておむつであってもよい。
下記表3に示す接着剤塗工パターン等を用い、図1及び図2に示す使い捨ておむつを作製した。この際、表面シートとして親水性のエアスルー不織布(坪量25g/m2)を用い、裏面シートとして坪量20g/m2のフィルムと坪量15g/m2のSMS不織布とを貼り合わせた複合材を用い、吸収性コアとしてパルプ坪量315g/m2とポリマー坪量290g/m2の混合パットを用い、被覆シートとして坪量16g/m2の台紙を用い、サブレイヤーシートとして親水性のエアスルー不織布(坪量30g/m2)を用い、接着剤としてゴム系のホットメルトを用いた。
作製した各使い捨ておむつについて、以下の方法により、加圧下における液の吸収時間及びウエットバック量を評価した。これらの結果を下記表3に示す。
使い捨ておむつを平面状に拡げ、表面シートを上に向けて水平面上に固定した。
表面シートとサブレイヤーシートとが積層された部分に重ねるようにして、おむつの表面シート上に、円筒状の注入部の付いたアクリル板をのせ、更にそのアクリル板上に錘をのせ、表面シートとサブレイヤーシートとが積層された部分に対して、2kPa(20gf/cm2)の荷重を加えた。アクリル板に設けられた注入部は、内径36mmの円筒(高さ53mm)状をなし、アクリル板には、長手方向の1/3の部分、幅方向の中心軸に、該円筒状注入部の中心軸線が一致し、該円筒状注入部の内部とアクリル板の表面シート対向面との間を連通する内径36mmの貫通孔が形成されている。
おむつの吸収性コアを覆っている被覆シートの長手方向の腹側部分の先端から140mmの位置にアクリル板の円筒状注入部の中心軸が来るように配置し、人工尿を、円筒状注入部の下部から13mmの位置までの水位にしながら200g注入し、使い捨ておむつに吸収させた。人工尿として、前記表2に示した組成のものを用いた。
200gの全量が使い捨ておむつに吸収されるまでの時間を計測し、これを加圧下における液の吸収時間とした。
前記1の加圧下における液の吸収時間の測定において、人工尿200gを吸収させた後10分間そのまま放置後、使い捨ておむつ上から、錘及びアクリル板を取り除き、その使い捨ておむつの表面シート上に、吸収紙(4A TOYO Roshi Kaisha LTD. 100mm×100mm)を20枚重ねて置き、更にその上にアクリル平板を載せ、該平板上に更に錘をのせて、表面シートとサブレイヤーとが積層された部分に対して、3.5kPa(35gf/cm2)の荷重を加えた。
その状態で2分間放置した後、吸収紙を取り出し、吸収紙に吸収された人工尿の重量を計測し、その量をウエットバック(液戻り)量とした。このとき同時におむつの表面をさわり、さらっと感の官能評価を行い、〇、△、×として判断した。
〇:さらっとしている
△:湿っている
×:かなり湿っている
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
42 被覆シート
42a 上部被覆シート
42b 下部被覆シート
5 サブレイヤーシート
5a サブレイヤーシートの側縁
6 接着剤層
FT ファスニングテープ
LT ランディングテープ
Claims (4)
- 表面シート、裏面シート、両シート間に介在配置された吸収体、及び該表面シートと該吸収体との間に介在配置されたサブレイヤーシートを具備する吸収性物品であって、
前記吸収体は、液保持性の吸収性コアを液透過性の被覆シートで被覆して形成されており、
前記サブレイヤーシートは、縦長で且つ前記吸収性コアより幅狭で、該吸収性コアの幅方向中央部に配置されており、
前記サブレイヤーシートの両側縁より外方で且つ前記吸収性コアの上方で、前記表面シートと前記被覆シートとの間又は前記被覆シートの非肌当接面側に、少なくとも該サブレイヤーシートの長手方向一端部から他端部に亘って、接着剤層が設けられており、
前記接着剤層は、被塗工面に接着剤が実質的に全面塗工されて設けられている吸収性物品。 - 前記接着剤の前記全面塗工が、接触型塗工法、スプレー塗工法又はカーテン塗工法によりなされている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記接着剤層の坪量が3〜25g/m2である請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記接着剤層がホットメルト型接着剤からなる請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品。
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