JP2009131349A - 吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】厚みが薄く、吸収速度が速い吸収体及び吸収性物品を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収体1は、親水性多孔体21及び吸収性ポリマー22を含んで構成される下部吸収層2と、該下部吸収層2上に積層され、不織布31及び吸収性ポリマー32を含んで構成される上部吸収層3とを具備する。親水性多孔体21は、好ましくはセルロース系スポンジからなる。また、下部吸収層2は実質的に縦長であり、該下部吸収層2の幅方向中央部は、該下部吸収層2の他の部位に比して、吸収性ポリマー22の分布量が少ないことが好ましく、特に、下部吸収層2の幅方向中央部には、吸収性ポリマー22が実質的に存在していないことが好ましい。また、不織布31は、好ましくはエアスルー不織布からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる吸収体及び該吸収体を用いた吸収性物品に関する。
従来、セルロース系スポンジを用いた吸収体が知られている。セルロース系スポンジは、乾燥状態においては比較的厚みが薄く、剛性の高い状態となっているが、体液を吸収すると膨らんで、柔軟で弾性を有した多孔体となる。この多孔体は、保水性にも優れているため、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の構成部材として好適である。
セルロース系スポンジを吸収体として用いた吸収性物品として、例えば特許文献1には、吸収体の少なくとも一部を剛軟度30〜120のセルロース系スポンジにより構成した吸収性物品が記載されている。特許文献1に記載の吸収性物品においては、セルロース系スポンジからなる第2吸収層上にフラッフパルプからなる第1吸収層を積層し、両吸収層間に高分子吸収体を配設した形態、あるいはセルロース系スポンジからなる2層の吸収層の間に高分子吸収体を配設した形態を採用している。
また、特許文献2には、親水性繊維を主体とする下部吸収体と、セルロース系スポンジからなる上部吸収体とから形成された吸収体を具備する吸収性物品が記載されている。
また、特許文献3には、乾燥状態において圧縮されており、体液を吸収するとその圧縮方向に膨張する、圧縮セルロースベース直線繊維層なる層を有し、該層が、熱接着エアレイ材料からなり且つ吸収性ゲル化材料粒子を供えた、実質的に膨張しない吸収層の上に配置されている吸収体が記載されている。
しかし、特許文献1〜3に記載の吸収体は、吸収性能の点で充分とは言い難く、特に、液の吸収速度に関しては充分に速いとは言い難く、改良の余地があった。
また、吸収性物品用の吸収体においては、着用感や携帯性等の観点から、厚みの薄い薄型のものが望まれる傾向があるが、吸収体の厚みを薄くすると、吸収性能の低下を招くおそれがある。
特開平2−109562号公報 特開2007−61473号公報 特表平11−508479号公報
従って、本発明の目的は、厚みが薄く、吸収速度が速い吸収体及び吸収性物品を提供することにある。
本発明は、親水性多孔体及び吸収性ポリマーを含んで構成される下部吸収層と、該下部吸収層上に積層され、不織布及び吸収性ポリマーを含んで構成される上部吸収層とを具備する吸収体を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また本発明は、表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備する吸収性物品であって、該吸収体が、上述した本発明の吸収体である吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明によれば、厚みが薄く、吸収速度が速い吸収性能が良好な吸収体及び吸収性物品を提供することができる。
以下、先ず、本発明の吸収体を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。本実施形態の吸収体1は、使い捨ておむつや生理用ナプキンを始めとする各種吸収性物品の吸収体として用いられるもので、図1及び図2に示すように、親水性多孔体21及び吸収性ポリマー22を含んで構成される下部吸収層2と、該下部吸収層2上に積層され、不織布31及び吸収性ポリマー32を含んで構成される上部吸収層3とを具備している。
吸収体1は、図1に示すように、実質的に縦長である。下部吸収層2及び上部吸収層3は、何れも実質的に縦長であり、全体として長方形形状を有している。本実施形態においては、下部吸収層2と上部吸収層3とは同一寸法である。
尚、本明細書において、「長手方向」は、吸収体、使い捨ておむつ又は各種部材の長辺に沿う方向であり、「幅方向」は、長手方向と直交する方向である。
下部吸収層2及び上部吸収層3の積層体は、長手方向の両端面を除き、全体が被覆シート4で被覆されている。被覆シート4は、液透過性のシートであり、本実施形態においては、寸法の異なる2枚のシートから構成されている。1枚は、前記積層体の長手方向及び幅方向の長さ(ここでいう前記積層体の幅方向の長さは、幅方向の最大長さを意味する)と同一寸法の上部被覆シート41であり、他の1枚は、該上部被覆シート41より幅広の下部被覆シート42である。上部被覆シート41は、上部吸収層3の上面(下部吸収層2との対向面とは反対側の面)と対向配置されている。下部被覆シート42は、下部吸収層2の下面(上部吸収層3との対向面とは反対側の面)と対向配置されており、且つ下部吸収層2の両側縁から延出した部分が、上部吸収層3の上面を被覆する上部被覆シート41上に巻き上げられている。上部被覆シート41と上部吸収層3の上面との間、及び下部被覆シート42と下部吸収層2の下面との間は、ホットメルト粘着剤等の接合手段により接合されている。
本実施形態のように吸収層(前記積層体)を被覆シート4で被覆することは、吸収体の形状安定性の向上及び吸収性ポリマーの脱落防止に特に有効である。
下部吸収層2は、上部吸収層3を通過した尿や軟便等の体液を拡散させつつ吸収し、保持する層である。このような下部吸収層2の液拡散性及び液保持性の発現に大きく寄与するのが、親水性多孔体21及び吸収性ポリマー22である。親水性多孔体21及び吸収性ポリマー22の合計含有量は、液拡散性及び液保持性の観点から、下部吸収層2の全重量に対して、好ましくは50〜100重量%、更に好ましくは70〜100重量%である。
親水性多孔体21は、表面及び内部に無数の孔を有する親水性の多孔質体である。この多孔質体は、内部に導液路あるいは貯液室として作用する無数の空間を有しているため、液の拡散性及び保持性に優れている。このような親水性多孔体21としては、例えば、セルロール系スポンジ、ウレタン系フォームを既知の方法で親水化したもの等が挙げられる。これらの中でも特に、セルロース系スポンジが好ましく用いられる。セルロース系スポンジは、セルロース骨格を有する材料、例えば、セルロース誘導体のビスコース、セルロースエーテル類、セルロースエステル等の多孔質体(スポンジ)である。市販のセルロース系スポンジとしては、例えば、圧縮スポンジ(東レファインケミカル(株))等がある。
セルロース系スポンジからなる親水性多孔体21は、吸収体1の使用前には乾燥状態にある。乾燥状態にあるセルロース系スポンジは、セルロース繊維等の該スポンジの構成成分が互いに水素結合しているため、比較的剛性の高い状態となっている。一方、セルロース系スポンジは、体液を吸収すると、その構成成分同士の水素結合が外れるか又は弱まり、柔軟で弾性を有した状態となる。このように、セルロース系スポンジからなる親水性多孔体21は、弾性を有するので、変形に対する回復性が優れており、液拡散性及び液保持性の加えて、吸収性物品の着用時におけるヨレ防止性にも優れている。
また、セルロース系スポンジは、上述したように乾燥時に水素結合により構造が固定するため、例えば湿潤状態のセルロース系スポンジを圧縮固定した状態で乾燥させると、圧縮された厚みのまま固まり、液を吸うと結合が外れて膨張する(元の厚みを回復する)性質がある。従って、親水性多孔体21として、圧縮固定された乾燥状態のセルロース系スポンジを用いることにより、吸収体の薄型化を図ることができる。
尚、本明細書において、セルロース系スポンジの乾燥状態〔液吸収前(使用前)の吸収体1における親水性多孔体21〕は、水分が全く含まれていない状態のみを意味するのではなく、通常の使用条件における湿度、温度(温度20〜23℃、湿度50〜65%RH)の下において、水分がセルロース系スポンジに平衡吸着状態で存在するような実質的に乾燥した状態も含まれる。このような状態でのセルロース系スポンジの平衡水分量は10〜20質量%である。平衡水分量の測定は、セルロース系スポンジを110℃で2時間乾燥した後、次式により求められる。 平衡水分量={(乾燥前質量−乾燥後質量)/乾燥後質量}×100
親水性多孔体21がセルロース系スポンジからなる場合、使用前(液吸収前)の親水性多孔体21は乾燥状態である。乾燥状態の親水性多孔体21(セルロース系スポンジ)の厚みは、吸収体の一層の薄型化を図る観点から、好ましくは0.5〜2mm、更に好ましくは0.5〜1mmである。
また、乾燥状態の親水性多孔体21(セルロース系スポンジ)の密度は、厚みと柔軟性の観点から、好ましくは0.05〜0.5g/cm3、更に好ましくは0.2〜0.5g/cm3である。
乾燥状態の厚み及び密度がそれぞれ前記範囲内にある親水性多孔体21は、液吸収後の厚みが、好ましくは1〜10mm、更に好ましくは2〜5mm、液吸収後の密度が好ましくは0.05〜0.2g/cm3、更に好ましくは0.05〜0.1g/cm3である。ここで、液吸収とは、1cm3あたり0.1g以上の液体状物質を吸収することを意味する。液体状物質には尿や経血、おりもの等の体液が挙げられるが、この範囲に限定されるものではない。
上述した親水性多孔体の乾燥状態及び液吸収後の厚み及び密度は、何れも、吸収性ポリマーを含有していない親水性多孔体についてのものである。
尚、上述した親水性多孔体21の厚みは、2.5g/cm2の荷重下での厚みであり、次のようにして測定される。即ち、親水性多孔体21上に5cm×5cmの大きさのアクリル板を載せ、更にその上に重りを載せ、2.5g/cm2の荷重が加わった状態下に測定される。本実施形態においては、キーエンス社のLK080クラス2レーザー変位計を用いて厚みを測定した。測定点数は5点の平均とし、20%以上測定値が振れた場合はそのデータを削除し、別の測定値を追加した。試料には予め250g/cm2の荷重を12時間掛けて、しわを伸ばした状態としておいた。
以下、本明細書における各部(各吸収層、吸収体等)の「厚み」は、特に断らない限り、上記のようにして測定される、2.5g/cm2の荷重下での厚みを意味する。
下部吸収層2を構成する吸収性ポリマー22としては、当該技術分野において通常用いられているものを適宜用いることができる。例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、吸収性ポリマー22としては、通常は粒子状のものが用いられるが、繊維状のものでもよい。粒子状の高吸収性ポリマーには、その形状の違いから、不定形タイプ、塊状タイプ、俵状タイプ、球粒凝集タイプ、球状タイプ等があるが、何れのタイプも用いることができる。
下部吸収層2における吸収性ポリマー22の配置形態としては、下記1)〜5)の何れでも良く、あるいは下記1)〜5)を適宜組み合わせた形態でも良い。本実施形態においては、図2に示すように、下記1)の配置形態を採用しており、親水性多孔体21の内部には吸収性ポリマー22は配置されていない。
1)親水性多孔体21の上面(上部吸収層3との対向面)上に、吸収性ポリマー22が配置されている形態。
2)親水性多孔体21の内部に、吸収性ポリマー22が配置されている形態。この2)の形態においては、吸収性ポリマー22は親水性多孔体21の全体に均一に分布していても良く、あるいは親水性多孔体21における吸収性ポリマー22の分布密度に差があっても良い。
3)親水性多孔体21の下面(上部吸収層3との対向面とは反対側の面)上に、吸収性ポリマー22が配置されている形態。3)の形態においては、被覆シート4(下部被覆シート42)と親水性多孔体21との間に吸収性ポリマー22が配置される。
4)親水性多孔体21が複数の層からなり、各層間に吸収性ポリマー22が配置されている形態。
5)親水性多孔体21が多数の小片からなり、吸収性ポリマー22が親水性多孔体21の小片間に配置されている形態。5)の形態においては、吸収性ポリマー22は親水性多孔体21の小片間に全体に均一に分布していても良く、あるいは親水性多孔体21の小片間における吸収性ポリマー22の分布密度に差があっても良い。
前記2)の形態のように、親水性多孔体の内部に吸収性ポリマーを配置する方法としては、例えば、親水性多孔体に吸収性ポリマーのモノマー(アクリル酸モノマー等)を含浸した後、該親水性多孔体において該モノマーを重合する方法(特開昭60−149609号公報及び特開昭61−275355号公報参照)等が挙げられる。
図2及び図3に示すように、縦長の下部吸収層2の幅方向中央部は、その長手方向の全長における30〜100%の範囲に亘って、該下部吸収層2の他の部位(幅方向両側部)に比して、吸収性ポリマー22の分布量が少ない。少なくとも、吸収体1が吸収性物品の吸収体として用いられた場合に、その着用者の排泄部に当接する領域に該当する下部吸収層2の幅方向中央部で吸収性ポリマー22の分布量が少ないことが好ましい。ここでいう、「下部吸収層の幅方向中央部」は、下部吸収層2を幅方向に二分する仮想中心線(図示せず)から幅方向一端及び他端それぞれに該下部吸収層2の幅方向の長さ(下部吸収層の幅が一定で無い場合は、最小幅の長さ)の1〜40%以内の領域である。
このように、下部吸収層2における吸収性ポリマー22の分布量を、その幅方向中央部が他の部位に比して少なくなるように調整することにより、下部吸収層2における通液性及び液拡散性が高まり、吸収速度の向上及び液戻り量の低減が図られる。
このような観点から、下部吸収層2の幅方向中央部における吸収性ポリマー22の分布量をP1、下部吸収層2の他の部位(幅方向両側部)における吸収性ポリマー22の分布量(幅方向一側部と他側部とで該分布量が異なる場合はそれらの平均値)をP2とした場合、P2に対するP1の比(P1/P2)は、好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.25以下である。
本実施形態においては、下部吸収層2の幅方向中央部には、吸収性ポリマー22が実質的に存在しておらず、該幅方向中央部は、吸収性ポリマー非存在領域NPとなっており、図3に示すように、下部吸収層2の長手方向の全長に亘って存在している。非存在領域NPは、上述したように、下部吸収層2の長手方向の全長における30〜100%の範囲に亘って存在していることが好ましく、少なくとも前記排泄部に当接する領域に該当する下部吸収層2の幅方向中央部に設けることが好ましい。
ここで、「吸収性ポリマーが実質的に存在していない」とは、吸収性ポリマーが全く存在していない場合のみを意味するのではなく、少量の吸収性ポリマーが意図せずに存在している場合、即ち、例えば、本来吸収性ポリマーを配置していなかった箇所に、他の箇所に配置されていた吸収性ポリマーの一部が意図せずに移動し、その結果、該箇所に吸収性ポリマーが存在するようになった場合を含むものである。
このように、下部吸収層2の幅方向中央部に吸収性ポリマー22が実質的に存在していないことにより、下部吸収層2における通液性及び液拡散性がより一層高まり、吸収速度の向上及び液戻り量の低減がより一層図られる。
吸収性ポリマー非存在領域NPの幅W2(図3参照、下部吸収層2の長手方向と直交する方向の長さ)は、下部吸収層2の幅(下部吸収層の幅が一定で無い場合は、最小幅の長さ)W1の5〜40%の範囲にあることが好ましく、該幅W1の10〜25%の範囲にあることが更に好ましい。
下部吸収層2における吸収性ポリマー非存在領域NP以外の領域は、吸収性ポリマー22の存在領域Pとなっている。本実施形態においては、存在領域Pにおける吸収性ポリマー22の配置形態は、上述したように、親水性多孔体21の上面上に吸収性ポリマー22が配置されている形態〔前記1〕の形態〕である。
存在領域P(吸収性ポリマー非存在領域NP以外の領域)における吸収性ポリマー22の分布量は、好ましくは10〜500g/m2、更に好ましくは100〜300g/m2である。
下部吸収層2は、必要に応じ、親水性多孔体21及び吸収性ポリマー22以外の他の成分を該吸収層2の厚みに影響のない範囲で含有していてもよい。下部吸収層2に含有可能な他の成分としては、例えば、pH緩衝材や親水性の微粉、消臭剤等の各種添加剤、及びパルプ以外の天然繊維や再生繊維、合成繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの他の成分の含有量は、下部吸収層2の全重量に対して、好ましくは20重量%以下である。
下部吸収層2の坪量は、好ましくは30〜600g/m2、更に好ましくは100〜400g/m2である。
また、下部吸収層2の厚み(2.5g/cm2の荷重下での厚み)は、好ましくは0.8〜2.5mm、更に好ましくは1〜1.5mmである。
尚、下部吸収層2と上部吸収層3との境界は、上部吸収層3を構成する不織布31の非肌当接面(下部吸収層2との対向面)である。即ち、不織布31の非肌当接面よりも下方に位置するものが、下部吸収層2である。
上部吸収層3は、下部吸収層2上に積層され、吸収体1が吸収すべき液と最初に接触する層であり、例えば吸収体1が使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられた場合は、尿や軟便等の体液を拡散させずに速やかに下部吸収層2へ透過させる作用と、そのまま体液を保持する作用と、下部吸収層2から戻ってきた液を吸収し、いわゆる液戻りを防止する作用とを有する。このような上部吸収層3の作用効果の発現に大きく寄与するのが、不織布31及び吸収性ポリマー32である。不織布31及び吸収性ポリマー32の合計含有量は、上記作用を確実に奏させる観点から、上部吸収層3の全重量に対して、好ましくは20〜100重量%、更に好ましくは50〜100重量%である。
上部吸収層3を構成する不織布31としては、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品に通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、例えば、エアスルー不織布、エアレイド不織布、スパンレース不織布、ケミカルボンド不織布等を用いることができる。これらの中でも、特にエアスルー不織布は、吸収性ポリマーの担持性及び通液性に優れており、本発明で好ましく用いられる。
上部吸収層3を構成する不織布31に用いられる繊維としては、通液性の観点から、熱可塑性繊維が好ましく用いられる。パルプ繊維やレーヨン、アセテート等の吸収性繊維は、上部吸収層3に必要な通液性の妨げとならない程度に含まれていても良い。
不織布31に用いられる熱可塑性繊維としては、例えば、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、プロピレンとαオレフィンとからなる結晶性プロピレン共重合体等のポリオレフィン類;ポリアミド類;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ジオールとテレフタル酸/イソフタル酸等とを共重合した低融点ポリエステル、ポリエステルエラストマー等のポリエステル類等の樹脂を単独で用いた合成繊維、又はこれらの2種以上の樹脂を用いた複合繊維(芯鞘型、サイドバイサイド型等)等が挙げられる。これらの中でも、吸収性ポリマーを効率的に担持させる観点から、ポリオレフィン類の複合繊維が好ましい。ポリオレフィン類の複合繊維は、好ましい不織布31であるエアスルー不織布の構成繊維として好適である。
また、上部吸収層3を構成する不織布31に用いられる繊維は、吸収性ポリマーの担持性及び通液性の観点から、繊度が好ましくは0.5〜13dtex、更に好ましくは1〜4dtexであり、繊維長が好ましくは64mm以下、更に好ましくは3〜64mmである。
また、上部吸収層3を構成する不織布31の密度は、通液性と吸収性ポリマーの担持性の観点から、好ましくは0.003〜0.06g/cm3、更に好ましくは0.005〜0.05g/cm3である。
上部吸収層3を構成する不織布31の厚み(2.5g/cm2の荷重下での厚み)は、吸収性ポリマーの担持性及び吸収体の薄型化を実現する観点から、好ましくは0.2〜2.0mm、更に好ましくは0.5〜1.5mmである。
また、同様の観点から、上部吸収層3を構成する不織布31の坪量は、好ましくは10〜50g/m2、更に好ましくは15〜40g/m2である。
上述した不織布31の厚み及び坪量は、何れも、吸収性ポリマーを担持していない不織布についてのものである。
上部吸収層3を構成する不織布31は、1枚の不織布から構成されていても良く、2枚以上の不織布から構成されていても良い。
上部吸収層3に用いられる吸収性ポリマー32としては、上述した下部吸収層2に用いられる吸収性ポリマー22と同様のものを用いることができる。
吸収性ポリマー32の含有量は、上部吸収層3の全重量に対して、好ましくは20〜95重量%、更に好ましくは50〜95重量%である。
上部吸収層3における吸収性ポリマー32の分布量は、好ましくは10〜300g/m2、更に好ましくは50〜200g/m2である。
上部吸収層3における吸収性ポリマーの配置形態としては、下記A)及びB)の何れでも良く、あるいは下記A)及びB)を組み合わせた形態でも良い。本実施形態においては、図2に示すように、下記A)の配置形態を採用している。
A)不織布31の内部に、吸収性ポリマー32が配置されている形態。
B)不織布31の上面(下部吸収層2との対向面とは反対側の面)上に、吸収性ポリマー32が配置されている形態。このB)の形態においては、被覆シート4(上部被覆シート41)と不織布31との間に吸収性ポリマー32が配置される。
前記A)の形態のように、不織布の内部に吸収性ポリマーを配置する方法としては、例えば、A−1)不織布上に吸収性ポリマーを散布した後、この吸収性ポリマー散布面をローラー等で押圧して、該吸収性ポリマーを該不織布の内部に埋没させる、A−2)相対向する不織布間に吸収性ポリマーを配置する、A−3)不織布に吸収性ポリマーのモノマー(アクリル酸モノマー等)を含浸した後、該不織布において該モノマーを重合する、等が挙げられる。前記A−2)における「相対向する不織布」は、1枚の不織布を折り畳んだものでも良く、2枚の不織布を重ね合わせたものでも良い。
本実施形態に係る上部吸収層3においては、吸収性ポリマー32は、上部吸収層3の肌当接面(下部吸収層2との対向面とは反対側の面)側に偏倚している。即ち、吸収性ポリマー32の分布量は、上部吸収層3の肌当接面側が相対的に多くなっている。吸収性ポリマー32の斯かる配置形態により、液吸収速度の一層の向上が図られる。吸収性ポリマー32の斯かる配置形態は、前記B)の配置形態の採用によって得ることができ、また、前記A−1)の方法により得ることもできる。
尚、本発明者らの知見によれば、上部吸収層3においては、吸収性ポリマー32が上部吸収層3の非肌当接面(下部吸収層2との対向面)側に偏倚している場合に比して、吸収性ポリマー32が上部吸収層3の全体に均一に分布している場合、及び本実施形態のように吸収性ポリマー32が上部吸収層3の肌当接面側に偏倚している場合は、何れも液吸収速度が速い。
上部吸収層3の坪量は、好ましくは20〜350g/m2、更に好ましくは65〜240g/m2である。
また、上部吸収層3の厚み(2.5g/cm2の荷重下での厚み)は、好ましくは0.2〜2.0mm、更に好ましくは0.5〜1.5mmである。
上部吸収層3は、必要に応じ、不織布及び吸収性ポリマー以外の他の成分を含有していてもよい。この他の成分については、前述した下部吸収層2に用いられる他の成分と同様である。
下部吸収層2及び上部吸収層3の積層体を被覆する被覆シート4(上部被覆シート41、下部被覆シート42)としては、例えば繊維材シートや、穿孔フィルムなどを用いることができる。液の透過が良好な観点から、被覆シート4は親水性の繊維シートからなることが好ましい。親水性の繊維シートとしては、ティッシュペーパー等の紙や各種不織布を用いることができる。不織布としては、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布や、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布が挙げられる。具体的には、界面活性剤で処理されたスパンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、エアスルー不織布などが挙げられる。
吸収体1の坪量、厚みは、吸収体1が適用される吸収性物品の具体的な用途に応じて適切な値が選択される。例えば、乳幼児用の使い捨ておむつの吸収体として用いる場合には、坪量は200〜700g/m2、特に300〜650g/m2であることが好ましく、厚み(2.5g/cm2の荷重下での厚み)は1〜5mm、特に1.5〜4mmであることが好ましい。尚、ここでいう吸収体1の坪量、厚みは、被覆シート4を含めた坪量、厚みである。
上述の如き構成の本実施形態の吸収体1は、吸収速度が速く、液戻りを起こし難いため、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の吸収体として好適に用いられる。
即ち、本実施形態の吸収体1は、不織布を主体とする上部吸収層3と、親水性多孔体21を主体とする下部吸収層2との採用により、従来のパルプ繊維を主体として構成された吸収体に比して厚みが薄く、吸収性物品に用いられた場合には優れた着用感を提供できる。
また、本実施形態の吸収体1は、通液性に優れる上部吸収層3の下方に、親水性多孔体21及び吸収性ポリマー22を含んで構成され液保持性及び液拡散性に優れる下部吸収層2を配置しているため、吸収速度が速く、液戻りを起こし難く、高い吸収性能を有している。
次に、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である使い捨ておむつに基づき図面を参照して説明する。
本実施形態のおむつ10は、図4及び図5に示すように、液透過性の表面シート11、液不透過性ないし撥水性(以下、これらを総称して液不透過性という)の裏面シート12、及びこれら両シート11,12間に介在配置された、上述した本発明の吸収体1を具備し、実質的に縦長に形成されている展開型のものである。
おむつ10は、背側部A、腹側部B及びこれらA,Bの間に位置する股下部Cを長手方向に有している。背側部Aはおむつの着用者の背側に位置する部位、腹側部Bは着用者の腹側に位置する部位、股下部Cは着用者の股下に位置する部位である。股下部Cは、おむつ10の長手方向中央部に位置している。
本実施形態のおむつ10は、股下部Cの両側縁が内向きの円弧状に湾曲しており、全体として長手方向中央部が内方に括れた砂時計状の形状となっている。表面シート11は、吸収体1よりも外形寸法の大きい略矩形状の平面視形状を有しており、裏面シート12の幅方向中央部に配されている。裏面シート12は、おむつの外形形状に一致する砂時計状の外形を有している。表面シート11及び裏面シート12は、それぞれ吸収体1の長手方向両端縁部及び幅方向両側縁部から外方に延出しており、それらの延出部において直接的に又は他の部材を介在させて互いに接合されている。
吸収体1は、上部吸収層3をおむつ10の肌当接面側に向け(上部吸収層3の上面を表面シート51の非肌当接面に対向させ)、且つその長手方向をおむつ10の長手方向に一致させるようにして、両シート11,12間におけるおむつ10の幅方向中央部に挟持固定されている。
おむつ10は、背側部Aの左右両側縁部に一対のファスニングテープ13,13が設けられている、いわゆる展開型のおむつであり、腹側部Cの外表面(非肌当接面)に、該ファスニングテープ13,13に対応するランディングテープ14を有している。
おむつ10の長手方向両側部それぞれには、複数本の立体ギャザー形成用弾性部材15を有する立体ギャザー形成用シート16が、表面シート11の両側部を覆うように配されており、これによって一対の立体ギャザーが形成されている。
また、おむつ10の長手方向両側部それぞれには、複数本のレッグ弾性部材17が略直線状に配されている。レッグ弾性部材17は、立体ギャザー形成用弾性部材15よりもおむつ幅方向外方において、立体ギャザー形成用シート16と裏面シート12との間に挟持固定されている。これによってレッグギャザーが形成されている。立体ギャザー形成用弾性部材15及びレッグ弾性部材17は、何れも、糸状の形態を有し、おむつ10の長手方向に沿って配設されており、また、背側部Aと腹側部Bとの間に亘って配設されている。
おむつ10の背側部A及び腹側部Bにおけるウエスト部には、ウエスト弾性部材18が配設されてウエストギャザーが形成されている。ウエスト弾性部材18は、帯状の形態を有し、おむつ10の幅方向に沿って略全幅に亘って、表面シート11と裏面シート12との間に挟持固定されている。
また、おむつ10の背側部Aにおける胴回り部の両側部には、それぞれ複数本の胴回りギャザー形成用弾性部材19が配設されて左右一対の胴回りギャザーが形成されている。胴回りギャザー形成用弾性部材19は、幅方向に沿って略直線状に配され、表面シート11と裏面シート12との間に挟持固定されている。
本実施形態においては、表面シート11と吸収体1との間には、サブレイヤーシート50が配置されている。
サブレイヤーシート50は、不織布から形成され、平面視で矩形形状を有しており、その長手方向をおむつ10の長手方向と一致させて吸収体1の肌当接面上に配置されている。サブレイヤーシート50と表面シート11との間は、ホットメルト粘着剤等の公知の接合手段により全面又は部分的に接合されている。
サブレイヤーシート50は、吸収体1の幅方向の長さ(吸収体の幅が一定で無い場合は、該吸収体の最大幅)と略同じ幅を有し、また、吸収体1の長手方向の全長と略同じ全長を有している。液吸収性の向上と製造コストの低廉化との両立の観点から、サブレイヤーシート50の幅方向の長さは、吸収体1の幅方向の長さ(最大幅)に対して50〜100%であることが好ましく、また、サブレイヤーシート50の長手方向の長さは、吸収体1の長手方向の長さに対して50〜100%であることが好ましい。
サブレイヤーシート50を構成する不織布としては、例えば、エアスルー不織布、エアレイド不織布、サクションヒートボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、ケミカルボンド不織布等が挙げられる。特に、液透過の観点から、エアスルー不織布、エアレイド不織布、ケミカルボンド不織布が好ましく用いられる。これらの不織布が、疎水性の繊維から構成されている場合には、親水化剤を用いて親水化させることが好ましい。
サブレイヤーシート50を構成する不織布の坪量は、20〜50g/m2であることが、装着感を損なわず且つサブレイヤーシートが有する保水性や液拡散性を損なわない点から好ましい。
また、サブレイヤーシート50の厚みは、好ましくは0.5〜2.0mm、更に好ましくは0.5〜1.5mmである。
おむつ10における各部の形成材料について説明すると、表面シート11、裏面シート12としては、従来の使い捨ておむつにおいて、それぞれ材料として用いられている各種公知の材料等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート11としては、不織布や開孔フィルム等の各種液透過性のシート材を用いることができる。裏面シート12としては、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができる。また、立体ギャザー形成用のシート材16としては、裏面シート12と同様のものを用いることができる。
本実施形態のおむつ10は、上述の如き構成の吸収体1を具備しているため、厚みが薄く、着用感に優れており、また、体液の吸収速度が速く、液戻りを起こし難い。
また、おむつ10は、吸収体1に加えて更にサブレイヤーシート50を具備しているため、更に体液の吸収速度が速く、液戻りを起こし難いという効果を奏する。
本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。
例えば、前記実施形態では、本発明の吸収性物品における適用例の一つとしていわゆる展開型の使い捨ておむつを挙げたが、予めパンツ型に成形されたパンツ型の使い捨ておむつの他、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等にも適用することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1及び図2に示す形態の吸収体を次のようにして製造し、得られた吸収体を実施例1のサンプルとした。
先ず、繊維径3.3dtexで繊維長51mmの合成繊維(芯がポリエチレンテレフタレート、鞘がポリエチレンからなる親水化処理された芯鞘型複合繊維)で坪量26g/m2のエアスルー不織布を作成した。このエアスルー不織布は、厚みは0.5mm、不織布の密度は、0.052g/cm3であった。このエアスルー不織布を長手方向が360mm、幅方向が100mmの長方形形状にし、そのエアー面(不織布製造時にネットと接触していたネット面とは反対側の面)上に、吸収性ポリマー(ポリアクリル酸ソーダ、サンダイヤポリマー(株)製、商品名「サンウェットIM930」)を坪量150g/m2散布した。この吸収性ポリマーの平均粒径は300μmであった。こうして得られた、吸収性ポリマーが担持された不織布を、上部吸収層3として用いた。この上部吸収層においては、吸収性ポリマーは合成繊維に接合せずに担持されており、また、該不織布に含まれる吸収性ポリマーのうちの75重量%が、該不織布の厚み方向におけるエアー面側半分に存在している。
また別途、前記エアスルー不織布と同寸法の長方形形状の圧縮セルロース系スポンジ(東レファインケミカル(株)、タイプAC、坪量210g/m2、厚み0.45mm)の一面における、その幅方向中央部に位置する幅16mmの領域以外の領域(幅方向両側部)に、前記吸収性ポリマーを坪量195g/m2散布し、幅方向中央部に吸収性ポリマーが実質的に存在していない下部吸収層2を得た。
次いで、こうして得られた下部吸収層2の吸収性ポリマー散布面(前記一面)上に、前記上部吸収層3の不織布のエアー面(吸収性ポリマーの散布面)とは反対側の面(不織布のネット面)を重ね、積層体を得た。得られた積層体の上下面を、坪量5g/m2のホットメルト粘着剤がスプレー塗工された、坪量16g/m2のティッシュペーパー(被覆シート)で包んだ。これをゴムローラーで圧縮して吸収体1を得た。
こうして得られた吸収体の坪量は604g/m2、厚み(2.5g/cm2の荷重下での厚み)は2.2mmであった。
〔実施例2〕
実施例1において、下部吸収層2の作製工程で、圧縮セルロース系スポンジの一面の全面に前記吸収性ポリマーを坪量165g/m2で均一散布した以外は実施例1と同様にして吸収体を製造し、これを実施例2のサンプルとした。
〔比較例1〕
開繊したフラッフパルプからなる坪量165g/m2の積繊体の一面上に、前記吸収性ポリマーを坪量165g/m2で均一散布し、下部吸収層を得た。このフラッフパルプからなる下部吸収層の該一面上に、実施例1と同じ上部吸収層3を実施例1と同様に重ね、積層体を得た。得られた積層体の上下面を、坪量5g/m2のホットメルト粘着剤がスプレー塗工された、坪量16g/m2のティッシュペーパー(被覆シート)で包んだ。これをゴムローラーで圧縮して吸収体を得、これを比較例1のサンプルとした。
こうして得られた吸収体の坪量は559g/m2、厚み(2.5g/cm2の荷重下での厚み)は2.2mmであった。
〔比較例2〕
開繊したフラッフパルプからなる坪量50g/m2の積繊体の一面上に、前記吸収性ポリマーを坪量230g/m2で均一散布し、下部吸収層を得た。このフラッフパルプからなる下部吸収層の該一面上に、上部吸収層として実施例1と同じ圧縮セルロース系スポンジを重ね、積層体を得た。この積層体の上下面を、坪量5g/m2のホットメルト粘着剤がスプレー塗工された、坪量16g/m2のティッシュペーパー(被覆シート)で包んだ。これをゴムローラーで圧縮して吸収体を得、これを比較例1のサンプルとした。
こうして得られた吸収体の坪量は543g/m2、厚み(2.5g/cm2の荷重下での厚み)は2.2mmであった。
〔比較例3〕
比較例2において、上部吸収層と下部吸収層とを上下逆に配置した以外は比較例2と同様にして吸収体を製造し、これを比較例3のサンプルとした。
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた吸収体について以下の方法で吸収時間及び液戻り量をそれぞれ評価した。これらの結果を下記表1に示す。
<吸収時間>
得られた吸収体をその上方から2kPaで加圧しつつ、40gの生理食塩水を該吸収体に3回注入して、計120gの生理食塩水を注入した。3回目の生理食塩水注入時から該生理食塩水を吸収し終わるまでの時間(吸収時間)を測定し、下記の3段階で評価した。
○:吸収時間が300秒以下。
△:吸収時間が300秒を超え、500秒以下。
×:吸収時間が500秒を超える。
<液戻り量>
上記吸収時間の測定後、吸収体における生理食塩水の注入部に10cm×10cmのろ紙を置き、ろ紙の上から3.5kPaの荷重をかけて2分間放置した。ろ紙に吸収体中の生理食塩水が移行することによる、ろ紙の重量増加分から液戻り量を算出し、下記の3段階で評価した。
○:液戻り量が1g以下。
△:液戻り量が1gを超え、2g以下。
×:液戻り量が2gを超える。
Figure 2009131349
図1は、本発明の吸収体の一実施形態を示す上面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、図1に示す吸収体の下部吸収層における吸収性ポリマーの分布状態を示す上面図である。 図4は、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつの、展開状態の表面シート側を示す平面図である。 図5は、図4のII−II線断面を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 吸収体
2 下部吸収層
21 親水性多孔体
22 吸収性ポリマー
3 上部吸収層
31 不織布
32 吸収性ポリマー
4 被覆シート
41 上部被覆シート
42 下部被覆シート
NP 吸収性ポリマー非存在領域
P 吸収性ポリマー存在領域
10 使い捨ておむつ(吸収性物品)
11 表面シート
12 裏面シート
A 背側部
B 排泄部対向部
C 腹側部

Claims (7)

  1. 親水性多孔体及び吸収性ポリマーを含んで構成される下部吸収層と、該下部吸収層上に積層され、不織布及び吸収性ポリマーを含んで構成される上部吸収層とを具備する吸収体。
  2. 前記親水性多孔体がセルロース系スポンジからなる請求項1記載の吸収体。
  3. 前記下部吸収層は実質的に縦長であり、該下部吸収層の幅方向中央部は、該下部吸収層の他の部位に比して、前記吸収性ポリマーの分布量が少ない請求項1又は2記載の吸収体。
  4. 前記下部吸収層の幅方向中央部には、前記吸収性ポリマーが実質的に存在していない請求項3記載の吸収体。
  5. 前記不織布がエアスルー不織布からなる請求項1〜4の何れかに記載の吸収体。
  6. 表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に配置された吸収体を具備する吸収性物品であって、該吸収体が、請求項1〜5の何れかに記載の吸収体である吸収性物品。
  7. 前記表面シートと前記吸収体との間にサブレイヤーシートが配置されている請求項6記載の吸収性物品。
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