JP2012090689A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面シート上に体液が長時間滞留し難く、ヨレや皺が発生し難い吸収性物品を提供すること。
【解決手段】表面シート2は、表面シート2の肌対向面2a側に頂部21aを有するように隆起する凸部21と該凸部21を囲む凹部20とをそれぞれ多数有する、単一の層から構成されている。表面シート2における繊維間距離は、表面シート2の厚み方向に関しては、頂部21a側よりも吸収体4側の方が短くなっており、表面シート2の面方向に関しては、頂部21a側よりも凹部20側の方が短くなっている。吸収体4をその厚み方向に肌側域45、中央域46、非肌側域47に区分した場合に、中央域46は、肌側域45よりも吸水性ポリマー43の存在比率が高く、且つ肌側域45は厚みが0.1〜0.8mm、密度が10〜110kg/m3である。表面シート2と吸収体4とが直接接している。
【選択図】図8

Description

本発明は、失禁パッド、生理用ナプキン、パンティライナ(おりものシート)等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品として、肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体を具備するものが知られている。吸収性物品には、吸収性能と共に快適性能を満たすことが要求されている。快適性能のなかでも、特に、排泄された体液が着用者の肌と直接接する表面シートに長時間残らないようにすることは、重要な要求事項の一つである。この要求にこたえるべく、表面シートの種々物性を工夫したり、体液が透過又は拡散し易くなるよう、表面シートの肌対向面上に溝を設ける等の物理的工夫等がこれまで提案されている。例えば、特許文献1には、表面シートと吸収体との間に、該表面シートよりも親水性に富む導液用繊維層を設け、該表面シートと該導液用繊維層とを、該表面シートの上面に格子状模様をなすように配置された多数の凹状の融着部で一体化させた吸収性物品が記載されている。
また、本出願人は、先に、表面シート上に体液が長時間滞留することを防止する技術に関し、種々提案している。例えば、表面シートに複数のエンボス部で囲まれた凸部を設け、隣り合うエンボス部間に、該凸部の頂点における該表面シートの密度よりも高密度の中間部を設けることで、液の拡散及び液の厚み方向への移行を速やかに行う技術(特許文献2参照)、表面シートを肌対向面側の上層と非肌対向面側の下層との2層構成とし、該上層と該下層との間に空洞が保持されるように該上層が肌対向面側に突出する凸部を複数配設し、該上層を肌対向面側の第一層と非肌対向面側の第二層との2層構成とし、該第二層及び該下層それぞれの繊維太さを制御する技術(特許文献3参照)、肌側へ向かう凸部を有する第1繊維層と、吸収体側に配され且つ熱収縮性繊維を含みその収縮によって高密度化した部分を備える第2繊維層とを備え、体液を吸収体に素早く移行させることができ、肌表面側への液残りの少ない、吸収性物品用の表面シート(特許文献4参照)を提案している。
特開平7−328060号公報 特開2009−512号公報 特開2009−172354号公報 特開2004−466号公報
特許文献1〜4に記載の技術は、表面シート上に体液が長時間滞留する不都合を防止するために、主として表面シートの改良を図った技術であり、斯かる不都合の防止について一定の効果は得られるが改善の余地があった。特に、特許文献2〜4に記載の技術は、経血のような粘性の高い体液に対しては、その表面シート上での長時間の滞留防止に高い効果を発揮するが、尿のような粘性の低い体液に対しては改善の余地があった。
本発明の課題は、表面シート上に体液が長時間滞留し難く、快適な着用感が得られる吸収性物品を提供することにある。
本発明は、繊維を含んで構成され且つ肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在配置され且つ繊維及び吸水性ポリマーを含む吸収体を具備する吸収性物品であって、前記表面シートは、該表面シートの肌対向面側に頂部を有するように隆起する凸部と該凸部を囲む凹部とをそれぞれ多数有する、単一の層から構成されており、前記表面シートにおける繊維間距離は、該表面シートの厚み方向に関しては、前記頂部側よりも前記吸収体側の方が短くなっており、該表面シートの面方向に関しては、該頂部側よりも前記凹部側の方が短くなっており、前記吸収体をその厚み方向に肌側域、中央域、非肌側域に区分した場合に、該中央域は、該肌側域よりも前記吸水性ポリマーの存在比率が高く、且つ該肌側域は厚みが0.1〜0.8mm、密度が10〜110kg/m3であり、前記表面シートと前記吸収体とが直接接している吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品は、表面シート上に体液が長時間滞留し難く、快適な着用感が得られる。
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である失禁パッドの肌対向面側(表面シート側)を模式的に示す平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す縦断面図である。 図3は、図1に示す失禁パッドが備えている表面シートの一実施形態を模式的に示す斜視図である。 図4は、図3に示す表面シートの肌対向面側の一部を拡大して模式的に示す平面図である。 図5は、図3に示す表面シートの厚み方向に沿った断面を模式的に示す断面図である。 図6は、図4のII−II線断面を模式的に示す断面図である。 図7は、図3に示す表面シートの製造方法の概略説明図である。 図8は、図2の一部を拡大して模式的に示す拡大断面図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である失禁パッドに基づき図面を参照して説明する。本実施形態の失禁パッド1は、図1及び図2に示すように、繊維を含んで構成され且つ肌対向面を形成する表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在配置され且つ繊維及び吸水性ポリマーを含む液保持性の吸収体4を具備しており、実質的に縦長の形状(図1に示す如き平面視において一方向に長い形状)をしている。失禁パッド1は、着用時に着用者の腹側部から背側部に向かう方向に配される縦方向Xと該縦方向Xに直交する横方向Yとを有している。縦方向Xは、失禁パッド1の長手方向に一致し、横方向Yは、該長手方向に直交する失禁パッド1の幅方向に一致している。
尚、本明細書において、肌対向面は、吸収性物品(失禁パッド)又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。また、長手方向は、吸収性物品又はその構成部材の長辺に沿う方向であり、幅方向は、該長手方向と直交する方向である。
表面シート2は吸収体4の肌対向面4aの全域を被覆し、裏面シート3は吸収体4の非肌対向面4bの全域を被覆している。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4よりも大きな寸法を有しており、吸収体4の外縁から外方に延出し、それらの延出部の端部において互いに接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段により接合されてシール部5を形成している。表面シート2及び裏面シート3それぞれと吸収体4との間は、接着剤等の接合手段によって接合されていても良い。
表面シート2は、図3に示すように、表面シート2の肌対向面2a側に頂部21aを有するように隆起する凸部21と該凸部21を囲む凹部20とをそれぞれ多数有する、単一の層から構成されている。表面シート2と吸収体4との間には他の部材が介在配置されておらず、表面シート2と吸収体4とは直接接している。
表面シート2について更に説明すると、表面シート2は単層構造の不織布からなり、その肌対向面2a(失禁パッド1の肌対向面)には、図1及び図3に示すように、縦方向X及び横方向Yそれぞれに交差する方向(即ち斜め方向)に延びる凹部20が格子状に形成されており、凹部20によって表面シート2が多数の領域に区画化されて、多数の区画領域22が形成されている。個々の区画領域22には、該区画領域22を囲む凹部20に対して相対的に隆起する凸部21が形成されている。凸部21の頂部21aは、区画領域22の中央部に位置している。凸部21内は、表面シート2の構成繊維で満たされている。
尚、図3〜図6中のX方向は、表面シート製造時におけるシートの流れ方向に直交する方向(CD)と同方向であり、失禁パッド1の縦方向X(図1参照)とも同方向である。また、図3〜図6中のY方向は、表面シート製造時におけるシートの流れ方向(MD)と同方向であり、失禁パッド1の横方向Y(図1参照)とも同方向である。
凹部20は、表面シート2の構成繊維が圧着又は接着されて形成されている。繊維を圧着する手段としては、熱を伴うか又は伴わないエンボス加工、超音波エンボス加工等が挙げられる。本実施形態に係る表面シート2における凹部20は、カード法によって形成した繊維ウエブに熱エンボス加工を施して形成されている。凹部20においては、表面シート2又はそれを構成する不織布の構成繊維である熱融着性繊維が熱融着により一体化している。凹部20における熱融着性繊維は、熱融着成分が溶融して繊維の形態を維持していない。
本実施形態において、凹部20は、表面シート2のみに形成されており、該表面シート2の下方に該表面シート2に隣接して配置されている、吸収体4には形成されていない。従って、表面シート2と吸収体4とは、凹部20を介しては接合されていない。但し、本発明における凹部は、表面シートと吸収体とが一体的に凹陥して形成されたものであっても良く、その場合、表面シートと吸収体とは、凹部を介して接合される。
凹部20は線状である。ここで、「線状」とは、凹部20の形状が平面視において図3に示す如き直線に限られず、曲線を含み、各線は、連続線でも良く、あるいは平面視において長方形、正方形、菱形、円形、十字等の多数の窪み部(エンボス部)が実質的に間隔を置かずに連なって全体として連続線を形成していても良い。「実質的に間隔を置かずに」とは、窪み部の隣り合う間隔が5mm以内であることをいう。
凹部20は、図3に示すように、格子状に形成されている。より具体的には、表面シート2は、図4に示すように、凹部20として、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された多数本の第1線状の凹部20aと、互いに平行に且つ所定の間隔で形成された多数本の第2線状の凹部20bとを有しており、第1線状の凹部20aと第2線状の凹部20bとが角度αをなして互いに交差している。第1線状の凹部20a及び第2線状の凹部20bは、何れも、縦方向X及び横方向Yそれぞれに交差する方向(即ち斜め方向)に直線状に延びている。第1線状の凹部20aの幅W1と第2線状の凹部20bの幅(図示せず)は同じであり、第1線状の凹部20aどうし間の間隔W2と第2線状の凹部20bどうし間の間隔(図示せず)も同じである。
第1及び第2線状の凹部20a,20bの幅W1(一方のみ図示)は、該凹部において繊維を確実に固定するために0.1〜1.5mm、特に0.3〜0.9mmであることが好ましく、第1線状の凹部20aどうし間の間隔W2及び第2線状の凹部20bどうし間の間隔は、後述する繊維並列起立部を形成しやすいように2〜14mm、特に2〜8mmであることが好ましい。幅W1及びW2は、凹部20の線に対して直交する方向に計測される。凹部20の線の幅は交点部分から変化があっても良いが、幅W1は交点と交点の中点で計測される。幅W2は区画領域22の対辺同士を結ぶ凹部20の線で計測される。また、凹部20の線が曲線のような非直線状の場合には、4つの凹部20で囲まれた格子形状における非直線状の凹部20上の、当該格子形状の2頂点を結んだ仮想直線を描いて格子形状の1辺とし、当該格子形状の対向する仮想直線2辺の間の距離を間隔W2とする。
個々の区画領域22は、それぞれ周囲を線状の凹部20に囲まれた領域であり、平面視において菱形形状である。本実施形態における区画領域22は、図4に示すように、平面視において縦方向Xよりも横方向Yに長い菱形形状をしている。個々の区画領域22の面積は、0.25〜2cm2であることが好ましい。
このように、凹部20と凸部21とが、表面シート2の縦方向X及び横方向Yそれぞれにおいて交互に配置されていることで、失禁パッド1の着用者の肌との接触面積が低減して蒸れやかぶれが効果的に防止される。また、凸部21(区画領域22)が、凹部20によって包囲され、平面視において閉じた形状をしていることにより、凸部21が凹部20によって包囲されていない場合に比して、凸部21における構成繊維が表面シート2の厚み方向に向かって伸張しやすくなるため凸部21の厚みが増し、これにより、1)液が素早く透過し、且つ、液残りが少なく、表面シート2の肌との接触面積が減少する、2)凸部21が規則正しいパターンで形成されるため、視覚的な印象が良好となる、等の効果が奏される。
表面シート2の肌対向面2aは、前述したように、格子状に形成された凹部20及び該凹部20で囲まれた凸部21をそれぞれ多数有する凹凸形状を有しているのに対し、表面シート2の非肌対向面2bは、凹凸形状を実質的に有しておらず、略平坦となっている。より具体的には、図5に示すように、表面シート2の厚み方向に沿った断面視において、隣り合う凹部20,20それぞれの厚み方向中央を通る仮想直線Pを引いた場合に、凸部21の頂部21aから仮想直線Pに向けて垂直方向に下ろした直線の長さQ1が、該直線と仮想直線Pとの交点から表面シート2の非肌対向面2b(頂部21aとは反対側)に向けて垂直方向に下ろした直線の長さQ2よりも長くなっており、従って、表面シート2の非肌対向面2bは、該非肌対向面2bとは反対側に位置する肌対向面2aに比して凹凸度合が低く、略平坦になっている。前述したように、表面シート2と吸収体4との間には他の部材が介在配置されておらず、両者は直接接しているところ、このように、表面シート2の非肌対向面2bが略平坦であると、表面シート2が吸収体4の肌対向面4aに密着しやすく、表面シート2から吸収体4への液の移行がスムーズに行われやすい。
前述した、表面シート2の非肌対向面2bが略平坦であることによる効果をより確実にさせるようにする観点から、長さQ1と長さQ2との比(Q2/Q1)は、好ましくは0.05〜0.60である。また、長さQ2は、好ましくは1.0〜1.8mmである。長さQ2が0μmである場合は、表面シート2の非肌対向面2bが平坦であることを意味する。長さQ1,Q2は、実体顕微鏡やマイクロスコープなどを用い、適当な倍率(例えば30倍前後)によって測定することができ、例えば次のようにして測定される。
<長さQ1,Q2の測定方法>
凹部20及び凸部21を有する測定対象の表面シート2より、ペーパーカッターで5cm×5cmの四角形形状を5つ切り出し、これらを測定サンプルとする。測定サンプルの断面をマイクロスコープ(KEYENCE製 VH−8000)により、適当な倍率(例えば30倍程度)で観察する。マイクロスコープの測長機能を用いて隣り合う凹部20,20それぞれの厚み方向中央を通る仮想直線Pを引き、頂部21aから仮想直線Pへの垂線の長さQ1、非肌対向面2b(頂部21aとは反対側)に向けて垂直方向に下ろした直線の長さQ2を各サンプルで3箇所測定する。5つのサンプルのQ1,Q2の全てのデータのそれぞれの平均値を長さQ1,Q2とする。
表面シート2における繊維間距離は、表面シート2の厚み方向(垂直方向)に関しては、凸部21の頂部21a側よりも吸収体4側の方が短くなっている。より具体的には、図6に示す如き断面視、即ち、失禁パッド1の横方向Yに沿った断面視においては、頂部21aの下方(区画領域22の中央部)に位置し且つ表面シート2の非肌対向面2bから厚み方向に50μm以内の部位(即ち吸収体4側)における、隣接する繊維25,25間の距離r2の方が、頂部21aにおける肌対向面2aから厚み方向に50μm以内の部位(即ち頂部21a側)における、隣接する繊維25,25間の距離r1よりも短い。失禁パッド1の縦方向Xに沿った断面視においても、繊維間距離r1と繊維間距離r2との関係は前記と同様になっている。本実施形態においては、表面シート2における隣接する繊維25,25間の距離は、肌対向面2aから表面シート2の厚み方向に沿って非肌対向面2bに向かうに従って漸減しており、厚み方向に関しては、頂部21a側で最大、吸収体4側で最小となっている。一般に、繊維間距離は繊維密度と反比例し、繊維間距離が大きいほど繊維密度は低くなる。従って、表面シート2の厚み方向においては、相対的に繊維間距離が長い頂部21a側は、相対的に繊維密度が低く疎となっており、相対的に繊維間距離が短い吸収体4側は、相対的に繊維密度が高く密となっている。
また、表面シート2における隣接する繊維25,25間の距離に関し、本実施形態においては、前述したように厚み方向に関して、凸部21の頂部21a側よりも吸収体4側の方が短くなっていることに加えて、表面シート2の面方向(厚み方向と直交する方向、水平方向)に関して、頂部21a側(区画領域22の中央部)よりも凹部20側(区画領域の22の縁部)の方が短くなっている。より具体的には、表面シート2における隣接する繊維25,25間には、図6に示すように、区画領域22の中央部(頂部21a)から端部(凹部20)に向かって先細りのストロー状の空間が形成されており、このストロー状の空間を形成する、隣接する繊維25,25間の距離は、頂部21a(区画領域22の中央部)から面方向に沿って凹部20に向かうに従って漸減している。従って、隣接する繊維25,25によって形成された1つのストロー状の空間において、凹部20の縁20sから区画領域22の内方に向かって面方向に100μm以内の部位(即ち凹部20側)の方が、平面視で頂部21aと同位置にある部位(区画領域22の中央部)よりも、該隣接する繊維25,25間の距離が短い。このストロー状の空間は、失禁パッド1の縦方向X及び横方向Yの両方向に存在している。このようなストロー状の空間の形成により、表面シート2の面方向においては、相対的に繊維間距離が長い頂部21a側(区画領域22の中央部)は、相対的に繊維密度が低く疎となっており、相対的に繊維間距離が短い凹部20側(区画領域22の縁部)は、相対的に繊維密度が高く密となっている。ストロー状の空間は、表面シート2の肌対向面2a上に排泄された体液の面方向(水平方向)への導液路として作用し、体液は、該空間を介して凹部20に誘導される。
表面シート2の頂部21a及びそのシートの厚み方向の近傍(以下、「頂部及びその近傍」ともいう)における繊維間距離、即ち、頂部21aにおける肌対向面2aから厚み方向に50μm以内の部位(頂部21a側)における繊維間距離r1(図6参照)は、好ましくは100〜500μm、更に好ましくは200〜400μmである。また、頂部21aの下方(区画領域22の中央部)に位置し且つ表面シート2の非肌対向面2bから厚み方向に50μm以内の部位(吸収体4側)における繊維間距離r2(図6参照)は、好ましくは50〜400μm、更に好ましくは100〜300μmである。
また、表面シートの凹部20の近傍における繊維間距離、即ち、凹部20の縁20sから区画領域22の内方に向かって面方向に100μm以内の部位(凹部20側)における繊維間距離r3(図示せず)は、好ましくは0〜100μm、更に好ましくは1〜70μmである。また、繊維間距離r1とr2との比(r2/r1)は、好ましくは0.1〜0.8、更に好ましくは0.15〜0.7であり、隣接する繊維25,25によって形成された1つのストロー状の空間における繊維間距離r1とr3との比(r3/r1)は、好ましくは0.001〜0.3、更に好ましくは0.01〜0.25である。繊維間距離は次のようにして測定される。
<繊維間距離の測定方法>
繊維間距離の測定は、特開平5−285172号公報記載の「繊維空間径の測定」に準じ、以下に説明する手順で行った。測定対象のシートを5cm四方の四角形形状にカットしたものを試料とし、マイクロスコープ(KEYENCE製 VHX−1000)により、この試料の100倍拡大画像を得、該拡大画像を基に、画像解析測定ソフト(Media Cybernetics社製Image−Pro Plus「The Proven Solution」Ver.4.5.12)により焦点が一致している繊維の外側を抽出し、そこに形成された面を繊維空間とする。前記拡大画像をスキャナー等で読み取り、繊維空間の占める面積を求めた。試料の任意の場所を5か所選択し、その選択した範囲における繊維空間1つ当たりの面積〔繊維空間面積(平均値)〕より、下記式(1)及び(2)によって繊維空間径(r)を求め、該繊維空間径(r)を繊維間距離とした。下記式中、Aは繊維空間面積(平均値)、Aiは測定した繊維空間の面積、Nは測定した個数である。
Figure 2012090689
本実施形態における表面シート2は、厚み方向については、肌対向面2aよりも非肌対向面2bの方が親水度が大きく、また面方向については、凸部21に関して、頂部21aよりも凹部20に近い部分の方が親水度が大きくなっている。より具体的には、表面シート2の肌対向面2aの頂部21a及びその近傍にある繊維に対する水の接触角は、表面シート2の厚み方向に関しては、非肌対向面2bの最表面及びその近傍にある繊維に対する水の接触角よりも大きくなっており、また表面シート2の面方向に関しては、肌対向面2a上の凹部20の近傍にある繊維に対する水の接触角より大きくなっている。繊維に対する水の接触角は次のようにして測定される。
<繊維に対する水の接触角の測定方法>
測定装置として、協和界面科学株式会社製の自動接触角計MCA−Jを用いる。接触角測定には、蒸留水を用いる。インクジェット方式水滴吐出部(クラスターテクノロジー社製、吐出部孔径が25μmのパルスインジェクターCTC−25)から吐出される液量を10ピコリットルに設定して、水滴を、測定対象の繊維の真上に滴下する。滴下の様子を水平に設置されたカメラに接続された高速度録画装置に録画する。録画装置は後に画像解析や画像解析をする観点から、高速度キャプチャー装置が組み込まれたパーソナルコンピュータが望ましい。本測定では、17msec毎に、画像が録画される。録画された映像において、繊維に水滴が着滴した最初の画像を、付属ソフトFAMAS(ソフトのバージョンは2.6.2、解析手法は液滴法、解析方法はθ/2法、画像処理アルゴリズムは無反射、画像処理イメージモードはフレーム、スレッシホールドレベルは200、曲率補正はしない、とする)にて画像解析を行い、水滴の空気に触れる面と繊維のなす角を算出し、繊維に対する水の接触角とする。尚、測定用サンプル(表面シートから取り出して得られる繊維)は、測定部位に位置する繊維を最表層から繊維長1mmで裁断し、該繊維を接触角計のサンプル台に載せて、水平に維持し、該繊維1本につき異なる2箇所の接触角を測定する。前述の各部位において、N=5本の接触角を小数点以下1桁まで計測し、合計10箇所の測定値を平均した値(小数点以下第2桁で四捨五入)を各々の接触角と定義する。
表面シート2の構成繊維としては、この種の吸収性物品における表面シートの構成繊維として通常使用されているものを特に制限無く用いることができ、木材パルプ等の天然繊維、各種樹脂からなる合成繊維等を用いることができる。本実施形態においては、前述した表面シート2の構成・構造をより確実に得る観点から、表面シート2に、構成繊維として、加熱によってその長さが伸びる熱伸長性繊維を含ませている。
表面シート2の構成繊維である熱伸長性繊維は、熱融着性繊維であることが好ましい。熱伸長性繊維としての熱融着性繊維は、熱融着成分と該熱融着成分よりも融点の高い高融点成分とからなる複合繊維であることが好ましく、より好ましくは、熱融着成分を鞘、高融点成分を芯とする芯鞘型複合繊維が用いられる。熱融着成分及び高融点成分は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱融着成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、又はこれらのランダム若しくはブロック共重合体等が挙げられる。高融点成分としては、例えば、ポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン−6やナイロン−66などのポリアミド等が挙げられる。
熱融着成分と高融点成分との好ましい組み合わせとしては、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンとポリプロピレン、低融点のポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンとポリブチレンテレフタレート等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。芯鞘型複合繊維は、同芯タイプの他、偏芯タイプのもの、更には繊維の全周の一部に芯成分が露出しているもの等であっても良い。
熱融着性繊維は、凹凸形状の形成性の点から、熱伸長性複合繊維であることが好ましい。熱伸長性複合繊維は、加熱によってその長さが伸びる複合繊維であり、温度が90℃以上、好ましくは、110℃〜130℃で伸張する繊維である。熱伸長性複合繊維は、表面シート2の製造時に伸長させることにより、起伏の大きい凹凸を形成し得る。従って、表面シート2として完成した後においては、その多くが伸長した状態となっており、その状態から更に伸長される繊維という意味ではない。伸長後の熱伸長性複合繊維も熱伸長性複合繊維に含める。
熱伸長性複合繊維としては、例えば加熱により樹脂の結晶状態が変化して伸びたり、あるいは捲縮加工が施された繊維であって捲縮が解除されて見かけの長さが伸びる繊維が挙げられる。熱伸長性複合繊維としては、熱融着成分の軟化点より10℃高く、更に融点よりも10℃低い温度での伸張率が5〜40%、特に10〜30%であることが、凹凸形状を顕著に形成させる点から好ましい。熱伸長性複合繊維の好ましい例は、特開2005−350836号公報の段落〔0024〕〜〔0040〕に記載されている。
熱融着成分と高融点成分とからなる複合繊維、特に熱伸長性複合繊維の割合は、表面シート2の構成繊維中、30〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは40〜100質量%、更に好ましくは40〜70質量%である。これらの複合繊維以外に配合する繊維としては、熱可塑性樹脂からなる繊維(非複合繊維)等が挙げられる。
本実施形態における表面シート2は、前述したように熱伸長性繊維を含んでおり、該熱伸長性繊維を含むウエブに凹部20を格子状に形成した後、該ウエブを加熱処理して形成されている。以下、本実施形態における表面シート2の製造方法について、熱伸長性複合繊維を用いて製造する場合を例にとり図7を参照しながら説明する。
先ず、所定のウエブ形成手段(図示せず)を用いて表面シート2の原反となるウエブ2Aを作製する。ウエブ2Aは、熱伸長性複合繊維を含むものであるか、又は熱伸長性複合繊維からなるものである。ウエブ形成手段としては、例えば(a)カード機を用いて短繊維を開繊するカード法、(b)溶融紡糸された連続フィラメントを直接エアサッカーで牽引してネット上に堆積させる方法(スパンボンド法)、(c)短繊維を空気流に搬送させてネット上に堆積させる方法(エアレイ法)等の公知の方法を用いることができる。
次いで、ウエブ2Aをヒートエンボス装置51に導入する。そして、ヒートエンボス装置51内で、ウエブ2Aにヒートエンボス加工が施される。ヒートエンボス装置51は、一対のロール52,53を備えている。ロール52は周面が平滑となっている平滑ロールである。一方、ロール53は、その周面に、凹部20に対応する格子状の凸部が形成されている彫刻ロールである。各ロール52,53は所定温度に加熱可能になっている。
ヒートエンボス加工は、ウエブ2A中の熱伸長性複合繊維の熱融着成分が溶融する温度で行う。ヒートエンボス加工の加工温度は、ウエブ2A中の熱伸長性複合繊維における熱融着成分の融点以上で且つ高融点成分の融点未満の温度で行われることが好ましい。また熱伸長性繊維の伸長開始温度未満の温度で行われることが好ましい。
ヒートエンボス加工によって、凹部20が格子状に形成された不織布54が得られる。次いで、その不織布54は、熱風吹き付け装置55に搬送される。熱風吹き付け装置55においては不織布54にエアスルー加工(加熱処理)が施される。熱風吹き付け装置55は、所定温度に加熱された熱風が不織布54を貫通するように構成されている。エアスルー加工は、不織布54中の熱伸長性複合繊維が加熱によって伸長する温度で行われる。且つ不織布54における凹部20以外の部分に存するフリーな状態の熱伸長性複合繊維どうしの交点が熱融着する温度で行われる。尤も、斯かる温度は熱伸長性複合繊維の高融点成分の融点未満の温度で行うことが好ましい。
このようなエアスルー加工によって、不織布54に含まれる熱伸長性複合繊維が、凹部20以外の部分において伸長する。熱伸長性複合繊維はその一部が凹部20によって固定されているので、伸長するのは凹部20間の部分である。熱伸長性複合繊維はその一部が凹部20によって固定されていることによって、伸長した熱伸長性複合繊維の伸び分は、不織布54の平面方向への行き場を失い、エアスルー加工時の熱風吹きつけ側の熱伸長性複合繊維は、該不織布54の厚み方向へ移動する。これによって、凹部20に囲まれた区画領域22の中央部に凸部23が形成される。また、エアスルー加工によって凹部20間に存する熱伸長性複合繊維どうしの交点が熱融着によって接合され、凸部23には、繊維接合点が3次元的に分散した状態に形成される。このようにして目的とする表面シート2が得られる。
本発明に係る表面シートは、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、区画領域22(凹部20で囲まれた領域)の平面視における形状は、図4に示す如き菱形に制限されず、例えば、長方形、正方形、平行四辺形、楕円形、三角形等の任意の形状とすることができる。また、一枚の表面シートに、菱形形状の区画領域と平行四辺形状の区画領域とを組み合わせて設ける等、平面視形状の異なる複数種類の区画領域を設けることもできる。
吸収体4は、図2に示すように、1枚の吸収性シート40が2つ折りされて構成されている。即ち、本実施形態における吸収体4は、1枚の矩形形状の吸収性シート40をその幅方向に延びる折曲線Rで2つ折りすることによって構成されており、折曲線Rを基準として表面シート2側(肌側)に位置する上層部40Aと、裏面シート3側(非肌側)に位置する下層部40Bとを有している。上層部40Aは、表面シート2と直接接しており、下層部40Bは、裏面シート3と直接接している。上層部40A及び下層部40Bは、何れも平面視において矩形形状をしている。こうして2つ折りされた吸収性シート40は、その折曲線Rを失禁パッド1の横方向Yに一致させて、失禁パッド1の縦方向Xの中央に配置されている。尚、図2では、折曲線Rは、失禁パッド1の上側(前端1a側)に位置しているが、失禁パッド1の下側(後端1b側)に位置していても良い。また、図2及び後述する図8では、2つ折りされて相対向する上層部40Aと下層部40Bとの間に隙間が存在しているかのように記載しているが、実際にはこのような隙間は実質的に存在しておらず、上層部40Aと下層部40Bとは通常密着している。相対向する上層部40Aと下層部40Bとの間は、接着剤等の接合手段によって接合されていても良い。
図8には、図2の一部が拡大して模式的に示されている。吸収性シート40は、図8に示すように、第1シート41、第2シート42、及び両シート41,42間に介在配置された吸水性ポリマー43を含んで構成されている。吸収性シート40は、第2シート42を内側にして折曲線Rで2つ折りされており、これにより、上層部40Aの第2シート42と下層部40Bの第2シート42とが、他の部材を介在させずに対向配置されている。上層部40Aの第1シート41は、表面シート2と直接接しており、下層部40Bの第1シート41は、裏面シート3と直接接している。吸水性ポリマー43は、尿等の体液を吸液し膨潤する粒子状のポリマーであり、上層部40A及び下層部40Bそれぞれにおいて、第1シート41と第2シート42との間に多数存在している。
このような構成の吸収性シート40を2つ折りしてなる吸収体4は、図8に示すように、その厚み方向に肌側域45、中央域46、非肌側域47の3つの領域に区分される。肌側域45は表面シート2に隣接する領域であり、非肌側域47は裏面シート3に隣接する領域であり、何れも、主として第1シート41から構成されている。また、中央域46は、肌側域45と非肌側域47との間に位置する領域であり、上層部40Aの下部と下層部40Bの上部とが重ね合わされて構成されており、これら下部及び上部の何れも、主として第2シート42及び吸水性ポリマー43から構成されている。中央域46には、上層部40Aの下部と下層部40Bの上部との間に、両者の境界として作用する界面(上層部40Aの非肌対向面、下層部40Bの肌対向面)が存在している。肌側域45は、表面シート2の非肌対向面2bから厚み方向に0.8mm以内、特に0.6mm以内に存在していることが好ましく、非肌側域47は、裏面シート3の肌対向面3aから厚み方向に0.8mm以内、特に0.6mm以内に存在していることが好ましい。
本実施形態においては、吸収体4の中央域46は、肌側域45よりも吸水性ポリマー43の存在比率が高くなっている。逆に、吸収体4の肌側域45は、中央域46よりもパルプ繊維等の繊維材料の存在比率が高くなっている。肌側域45における吸水性ポリマー43の存在比率45aと中央域46における吸水性ポリマー43の存在比率46aとの比(45a/46a)は、好ましくは0.0〜0.1、更に好ましくは0.0〜0.05である。また、中央域46における吸水性ポリマー43の存在比率46aは、好ましくは0.2〜0.8、更に好ましくは0.3〜0.75である。
また、吸収体4の非肌側域47は、中央域46よりも吸水性ポリマー43の存在比率が低くなっている。逆に、吸収体4の非肌側域47は、中央域46よりもパルプ繊維等の繊維材料の存在比率が高くなっている。非肌側域47における吸水性ポリマー43の存在比率47aと中央域46における吸水性ポリマー43の存在比率46aとの比(47a/46a)は、好ましくは0.0〜0.1、更に好ましくは0.0〜0.05である。また、肌側域45における吸水性ポリマー43の存在比率45aと非肌側域47における吸水性ポリマー43の存在比率47aとの比(45a/47a)は、好ましくは0.2〜0.8、更に好ましくは0.3〜0.75である。吸水性ポリマーの存在比率は次のようにして測定される。
<吸水性ポリマーの存在比率の測定方法>
面積が既知の吸収性シート40の重量(40hg)を測定しておく。水溶性染料で着色した十分な量のイオン交換水に5分間、吸収性シート40を浸漬する。浸漬後、ピンセットで第1シート41を、十分膨潤した吸水性ポリマー43との界面を剥離面として、吸収性シート40より剥がして取り出す。取り出した第1シート41を80℃の電気乾燥機で1時間以上乾燥させる。乾燥後の第1シート41に付着した染色された吸水性ポリマー43をピンセット等で該シート41から分離し、それらを集めて重量を測定し、その重量を、肌側域45における吸水性ポリマー43の重量(45p)とする。また、吸水性ポリマー43分離後の第1シート41の重量を45fとする。同様に、第2シート42を、吸水性ポリマー43との界面を剥離面として吸収性シート40より剥がして取り出し、乾燥後、付着した吸水性ポリマー43をピンセット等で分離後の第2シート42の重量を42fとする。次式により、肌側域45における吸水性ポリマー43の存在比率45a、及び中央域46における吸水性ポリマー43の存在比率46aをそれぞれ求める。非肌側域47における吸水性ポリマー43の存在比率47aは、存在比率45aと同じ方法で測定する。
存在比率45a=45p/(45f+45p)
存在比率46a={40h−(45f+45p+42f)}/{40h−(45f+45p)}
後述する吸収体4における体液の浸透性制御の観点から、吸収体4の肌側域45は、厚みが0.1〜0.8mm、好ましくは0.1〜0.6mm、更に好ましくは0.15〜0.5mmであり、密度が10〜110kg/m3、好ましくは50〜110kg/m3である。同様の観点から、肌側域45の厚みは、乾燥状態(吸液前)の粒子状の吸水性ポリマー43の平均粒径に対して1.1〜3倍の範囲にあることが好ましい。非肌側域47の厚み及び密度についても、それぞれ、肌側域45と同様の範囲にあることが好ましい。
吸収体の中央域46は、前述したように、上層部40Aの下部と下層部40Bの上部とが重ね合わされて構成されており、これら下部及び上部の何れも、肌側域45(非肌側域47)に比して吸水性ポリマー43の存在比率が高い部位である。後述する吸収体4における体液の浸透性制御の観点から、中央域46を構成する上層部40Aの下部及び下層部40Bの上部は、それぞれ、肌側域45及び非肌側域47よりも密度が高いこと好ましい。具体的には、上層部40Aの下部の密度又は下層部40Bの上部の密度をT1、肌側域45の密度又は非肌側域47の密度をT2とした場合、T1/T2が1.2〜3.0、特に1.5〜2.5の範囲にあることが好ましい。
また、中央域46を構成する上層部40Aの下部及び下層部40Bの上部は、それぞれ、厚みが0.1〜1.0mm、特に0.12〜0.8mm、とりわけ0.15〜0.6mmであることが好ましく、また、密度が50〜350kg/m3、特に80〜300kg/m3、とりわけ100〜280kg/m3であることが好ましい。また、中央域46を構成する上層部40Aの下部及び下層部40Bの上部は、それぞれ、乾燥状態(吸液前)の粒子状の吸水性ポリマー43の平均粒径に対して0.5〜1.5倍の範囲にあることが好ましい。
吸収体4の肌側域45(第1シート41)は、後述する吸収体4における体液の浸透性制御の観点から、嵩高繊維材料を含んで構成されていることが好ましい。嵩高繊維材料としては、例えば、繊維粗度が0.3mg/m以上のセルロース繊維、繊維断面の真円度が0.5〜1、特に好ましくは0.55〜1であるセルロース繊維、セルロース繊維の分子内及び/又は分子間を架橋させた架橋セルロース繊維、繊維断面の真円度が0.5〜1であるマーセル化パルプの分子内及び/又は分子間を架橋した嵩高性のセルロース繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
肌側域45における嵩高繊維材料の含有量は、肌側域45の全質量に対して、好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは60〜90質量%である。肌側域45(第1シート41)には、嵩高繊維材料以外の繊維材料を含有させることもでき、その場合、肌側域45に含まれる全繊維材料に占める嵩高繊維材料の割合は、好ましくは50〜90質量%である。吸収体4の非肌側域47の組成も、肌側域45の組成と同様に設計することができる。
第1シート41、第2シート42としては、それぞれ、紙又は親水性不織布が好ましく用いられる。紙としては、湿式抄紙法による紙が挙げられる。親水性不織布としては、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が挙げられる。第1シート41の坪量は、好ましくは10〜100g/m2、更に好ましくは15〜80g/m2であり、第2シート42の坪量は、好ましくは10〜80g/m2、更に好ましくは15〜60g/m2である。
吸水性ポリマー43としては、この種の吸収性物品において通常用いられている各種のものを適宜用いることができる。例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。粒子状の吸水性ポリマー43の形状は特に制限されず、例えば不定形状、塊状、俵状、球状、あるいは球状等の粒子が凝集した形状等が挙げられる。吸収体4(吸収性シート40)における吸水性ポリマー43の含有量は、吸収体4(吸収性シート40)の全質量に対して、好ましくは10〜70質量%、更に好ましくは
15〜60質量%である。
吸収体4を構成する吸収性シート40は、例えば次のようにして製造することができる。即ち、湿潤状態の第2シート42の一面上に吸水性ポリマー43を散布した後、吸水性ポリマー43の散布面に乾燥状態の第1シート41を重ね合わせ、これらを乾燥し、一体化させる工程を経ることにより、吸収性シート40を製造することができる。斯かる製造方法においては、このように、吸収体4の肌側域45あるいは非肌側域47を構成する第1シート41を、吸水性ポリマー43が散布されるシートとして用い且つ湿潤状態にして用いている。必要に応じ、吸水性ポリマー43の散布前に、第2シート42の一面に吸水性ポリマーのバインダーを付与しても良く、あるいは吸水性ポリマー43の散布後に、その散布面に該バインダーを付与しても良い。
失禁パッド1について更に説明すると、失禁パッド1の非肌当接面(裏面シート3の非肌当接面3b)は、着用時にショーツのクロッチ部等、衣類側に向けられる。非肌当接面3bには、失禁パッド1をショーツ等の下着のクロッチ部に固定するための粘着部(図示せず)が設けられている。この粘着部は、ホットメルト粘着剤を所定箇所に塗布することにより設けられており、失禁パッド1の使用前においてはフィルム、不織布、紙などからなる図示しない剥離シートによって被覆されている。
裏面シート3としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。裏面シート3は、液不透過性でも液透過性でも良く、例えば透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができる。
本実施形態の失禁パッド1は、公知の失禁パッドと同様に下着等の着衣に装着して使用する。本実施形態の失禁パッド1は、前述した構成を具備していることにより、表面シート2上に体液が長時間滞留し難く、快適な着用感を提供しうる。斯かる効果を奏する本実施形態の失禁パッド1は、特に、軽度の尿失禁症の失禁パッド等に有効である。
即ち、本実施形態における表面シート2は、前述したように、厚み方向に関しては凸部21の頂部21a側よりも吸収体4側の方が繊維間距離が短く、従って、表面シート2の厚み方向における繊維密度は、頂部21a側が相対的に疎、吸収体4側が相対的に密になっており、また、面方向に関しては、頂部21a側(区画領域22の中央部)よりも凹部の方が凹部20側(区画領域の22の縁部)の方が繊維間距離が短く、従って、表面シート2の面方向における繊維密度は、頂部21a側が相対的に疎、凹部20側が相対的に密となっているため、頂部21aの肌対向面2aやその近傍に位置する体液は、吸収体4側や凹部20側の強い毛管力(表面張力)によって、前述した、隣接する繊維によって形成されたストロー状の空間を介して、凹部20に移行しやすくなっている。更に、本実施形態における表面シート2は、前述したように単一の層から構成された単層構造であるため、頂部21a側から吸収体4側に至るまでの繊維密度勾配が連続的であり、前述した体液の移行がスムーズになされやすい。
また、本実施形態においては、前述したように、表面シート2の肌対向面2aに、凹部20が格子状に設けられることにより多数の区画領域22が形成されているため、肌対向面2a上に排泄された体液は、凹部20で包囲された個々の区画領域22内に閉じ込められ、これにより面方向における体液の拡散が抑制される。その結果、例えば、体液が肌対向面2a上を流れて失禁パッド1の端部に達して漏れ出すという不都合が効果的に防止される。このように、表面シート2の肌対向面2a上に排泄された体液は、区画領域22の存在等により表面シート2の面方向への拡散が抑制されつつ、前述した繊維密度勾配等の作用により、非肌対向面2b側に向かって厚み方向及び面方向に速やかに移行し、凹部20に優先的に集められる。
そして、凹部20に集められた体液は、直下の吸収体4に移行する。本実施形態においては、前述したように、吸収体4と対向する表面シート2の非肌対向面2bは、略平坦であるため、吸収体4の肌対向面4aと実質的に隙間を作ることなく密着しており、そのため、表面シート2から吸収体4への体液の移行が速やかになされる。
吸収体4は、前述したように、着用者の肌に近い側から順に、肌側域45、中央域46、非肌側域47を備えており、表面シート2を透過した体液は、先ず、肌側域45と接する。肌側域45の下方に隣接する中央域46は、肌側域45よりも吸水性ポリマー43の存在比率が高く、肌側域45よりも高密度であるため、肌側域45に達した体液は、中央域46の強い毛管力(表面張力)によって厚み方向の下方に引き込まれ、中央域46に速やかに移行する。中央域46では、上層部40Aの下部において、体液の一部が面方向に拡散しつつ吸水性ポリマー43に吸収され、上層部40Aの下部で吸収されず該一部を透過した体液は、上層部40Aと下層部40Bとの界面において面方向に拡散しつつ、下層部40B(中央域46を構成する下層部40Bの上部)に移行する。下層部40Bでは、その上部(中央域46)において、体液が面方向に拡散しつつ吸水性ポリマー43に吸収される。下層部40Bの最下方に位置する非肌側域47は、前述したように中央域46よりも低密度であるため、下層部40Bの上部における吸水性ポリマー43の吸液に伴う膨潤を妨げにくく、そのため、下層部40Bの上部においては、吸水性ポリマー43の液吸収性能を最大限に活用してより多くの体液を吸収することができる。以上のような表面シート2と吸収体4との連携した作用効果の発現により、失禁パッド1においては、排泄された体液が表面シート2上に長時間滞留し難く、快適な着用感が安定的に奏される。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態では、吸収体4は、1枚の矩形形状の吸収性シート40がその長手方向に延びる折曲線Rで2つ折りされて構成されていたが、1枚の矩形形状の吸収性シート40がその幅方向に延びる折曲線で2つ折りされて構成されていても良い。また、吸収体4は、2枚の別体の吸収性シートが互いに重ね合わされて構成されていても良く、その場合、吸収体4には折曲線は存在しない。また、本発明の吸収性物品の適用例の一つとして失禁パッドを挙げたが、本発明は、例えば尿取りパッド、テープ式紙おむつや、パンツ式紙おむつ、生理用ナプキン等にも適用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1及び図2に示す如き構成の失禁パッドを常法に従って作製し、これを実施例1のサンプルとした。表面シート及び吸収体として、それぞれ、下記に示すものを用い、裏面シートとして、通気性のための微細孔が設けられているポリエチレンフィルムを用いた。
(実施例1で用いた表面シート)
繊維径4dtex伸長率8%の芯鞘型複合繊維(芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレン)と繊維径3.3dtexの芯鞘型複合繊維(芯がポリエステル、鞘がポリエチレン)をそれぞれ50%混ぜた繊維をカード機に通してウエブとし、該ウエブを、ヒートエンボス装置に導入して、該ウエブに線状の凹部(エンボス部)を形成した。次いで、そのウエブを、熱風吹き付け装置に導入し、エアスルー加工による熱風処理を行い、坪量30g/m2の表面シートを得た。得られた表面シートの線状の凹部の形成パターンは、概ね図3及び図4に示すパターンであり、区画領域22は平面視において失禁パッドの縦方向よりも横方向に長い菱形形状、第1及び第2線状の凹部20a,20bそれぞれの幅W1は0.5mm、第1線状の凹部20aどうし間の間隔及び第2線状の凹部20bどうし間の間隔W2は6mmであった。
(実施例1で用いた吸収体)
先ず、繊維粗度0.32mg/m、繊維断面の真円度が0.30の架橋処理パルプ〔Weyerhauser Paper製の「High Bulk AdditiveHBA-S」(商品名)〕80質量部、及び繊維粗度0.18、繊維断面の真円度が0.32の針葉樹クラフトパルプNBKP(商品名;「SKEENA PRIME」,Skeena Ce11ulose Co.製)30質量部を水中に分散混合し、更に前記混合したパルプの乾燥重量100部に対し、紙力補強剤〔ポリアミドエビクロルヒドリン樹脂、商品名;カイメンWS−570、会社名;日本PMC(株)〕を樹脂成分で1質量部を水中に分散混合し、所定の濃度とした後、この分散混合液を用いて公知の湿式抄紙法によって湿潤繊維ウエブを形成した。次いで、該湿潤繊維ウエブをサクションボックスにより、乾燥繊維ウエブ100重量部に基づき水分率100重量部になるまで脱水し、得られた坪量20g/m2の乾燥繊維ウエブを第2シートとした。次いで、得られた第2シートの一面に、106μm〜に分級した吸水性ポリマー〔日本触媒のポリマーCAW−4(商品名)、ゲル圧縮変形率25%〕を、吸水性ポリマーの坪量(散布量)が30g/m2となるようにほぼ均一に散布した。次いで、第2シートにおける吸水性ポリマーの散布面に、第1シートとして、第2シートと同様の配合組成を有する、予め抄紙しておいた坪量30g/m2の吸収紙を重ね合わせ、そうして得られた重ね合わせ体をドライヤーに導入し、130℃の温度にて乾燥し、乾燥と同時に0〜1kg/cmでプレスし、両シートを一体不可分に接合して吸収性シートを得た。この吸収性シートより幅33mm、長さ200mmのシートサンプルを切り出し、長さ100mmの位置で二つ折りして実施例1の吸収体とした。
〔実施例2〕
実施例1において、吸収体として下記に示すものを用いた以外は実施例1と同様にして失禁パッドを作製し、これを実施例2のサンプルとした。
(実施例2で用いた吸収体)
前記(実施例1で使用した吸収体)における吸収性シートの作製方法と同様の方法で、第1シート(坪量50g/m2)、吸水性ポリマーからなる層(坪量55g/m2)及び第2シート(坪量40g/m2)を順次積層してなる吸収性シートを得、この吸収性シートより幅33mm、長さ100mmのシートサンプルを切り出し、該シートサンプルを折り曲げずにそのまま実施例2の吸収体として用いた。実施例2の吸収体の中央域は、吸水性ポリマーと第2シートとから構成される。
〔比較例1〕
実施例1において、表面シートとして、繊維径2.4dtexの芯鞘型複合繊維(芯がポリエステル、鞘がポリエチレン)からなる繊維を用いてエアスルー加工により作製した坪量25g/m2の不織布を2枚重ねて用いた以外は実施例1と同様にして失禁パッドを作製し、これを比較例1のサンプルとした。比較例1の表面シートは、凹凸を有しておらずその両面は略平坦であり、また繊維間距離は、表面シートの全域に亘って略一定(およそ85μm)であった。
〔比較例2〕
実施例1において、吸収体として下記に示すものを用いた以外は実施例1と同様にして失禁パッドを作製し、これを比較例2のサンプルとした。
(比較例2で用いた吸収体)
前記(実施例1で使用した吸収体)における吸収性シートの作製方法において、第2シートにおける吸水性ポリマーの散布面に第1シート(吸収紙)を重ね合わせる前に、該第1シートを加圧して厚みを1/2以下に圧縮した以外は、前記作製方法と同様にして吸収性シートを得、この吸収性シートより幅33mm、長さ100mmのシートサンプルを切り出し、該シートサンプルを折り曲げずにそのまま比較例2の吸収体として用いた。
〔評価〕
実施例及び比較例の各サンプル(失禁パッド)について、表面液残り量を下記方法に従って測定した。その結果を下記表1に示す。
<表面液残り量の測定方法>
失禁パッドを水平に置き、失禁パッドのほぼ中央に0.9%生理食塩水を5g/秒で3cc注入する。注入後10秒後、表面シートの表面上に、縦6cm×横9.5cmで坪量13g/m2の予め重量を測定しておいた吸収紙(市販のティッシュペーパー)を載せる。尚、生理食塩水の注入後から10秒経過後に吸収紙を載せるのは、失禁パッドの使用時において、パッド着用者が失禁してから10秒後を想定したものである。更にその上に圧力が4.5×102Paになるように錘を載せて5秒間加圧する。加圧後、吸収紙を取り出し、加圧前後の吸収紙の重量変化を測定し、吸収紙に吸収された生理食塩水の重量を表面液残り量とする。表面液残り量が少ないほど、パッドの表面(肌対向面)の手触り評価において濡れ感が少なくなって快適な着用感が得られ、高評価となる。通常、斯かる手触り評価において、表面液残り量が一桁mg(10mg未満)である場合は濡れ感が全く感知されず、表面液残り量が二桁mgで且つ50mg以下の場合は濡れ感が殆ど感知されず、表面液残り量が三桁mg以上の場合は濡れ感が明確に感知される。
Figure 2012090689
表1に示す結果から明らかなように、比較例1及び2の表面液残り量は、何れも濡れ感が明確に感知される程度の多量であるのに対して、実施例1の表面液残り量は、濡れ感が全く感知されない程度の極少量、実施例2の表面液残り量は、濡れ感が殆ど感知されない程度の少量となっている。以上の結果から、実施例1及び2の失禁パッドは、失禁10秒後より濡れ感が感知されないので、着用感において優れていることが分かる。
1 失禁パッド(吸収性物品)
2 表面シート
2a 表面シートの肌対向面(吸収性物品の肌対向面)
21 凸部
21a 凸部の頂部
20 凹部
22 区画領域
25 表面シートの構成繊維
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性シート
40A 上層部
40B 下層部
41 第1シート
42 第2シート
43 吸水性ポリマー
45 肌側域
46 中央域
47 非肌側域

Claims (5)

  1. 繊維を含んで構成され且つ肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及び両シート間に介在配置され且つ繊維及び吸水性ポリマーを含む吸収体を具備する吸収性物品であって、
    前記表面シートは、該表面シートの肌対向面側に頂部を有するように隆起する凸部と該凸部を囲む凹部とをそれぞれ多数有する、単一の層から構成されており、
    前記表面シートにおける繊維間距離は、該表面シートの厚み方向に関しては、前記頂部側よりも前記吸収体側の方が短くなっており、該表面シートの面方向に関しては、該頂部側よりも前記凹部側の方が短くなっており、
    前記吸収体をその厚み方向に肌側域、中央域、非肌側域に区分した場合に、該中央域は、該肌側域よりも前記吸水性ポリマーの存在比率が高く、且つ該肌側域は厚みが0.1〜0.8mm、密度が10〜110kg/m3であり、
    前記表面シートと前記吸収体とが直接接している吸収性物品。
  2. 前記表面シートの厚み方向に沿った断面視において、隣り合う前記凹部それぞれの厚み方向中央を通る仮想直線を引いた場合に、前記頂部から該仮想直線に向けて垂直方向に下ろした直線の長さが、該直線と該仮想直線との交点から該表面シートの非肌対向面に向けて垂直方向に下ろした直線の長さよりも長い請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記非肌側域は、前記中央域よりも前記吸水性ポリマーの存在比率が低い請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記表面シートの前記頂部及びその近傍における繊維間距離が100〜500μm、該表面シートの前記凹部の近傍における繊維間距離が0〜100μmである請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記肌側域は、嵩高繊維材料を含んで構成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品。
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