JP4566051B2 - 吸収性物品の表面シート - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、使い捨ておむつ等の吸収性物品及びその肌当接面に好ましく用いられる表面シートに関する。
生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品の表面シートには、経血や尿等の人体からの排出物をスムーズに吸収体に移行させることや、吸収体に一旦吸収された液の逆戻り(ウエットバック)を防止することが要求される。
吸収性物品の表面シートとして、肌側に配される上層及び吸収体側に配される下層を有する表面シートであって、下層の親水度が上層よりも高く、更に下層の構成繊維の親水化に用いた親水油剤の液体に対する耐久性が上層の構成繊維の親水化に用いた親水油剤の耐久性よりも高い表面シートが提案されている(特許文献1参照)。この表面シートによれば、使用開始後の早い段階においては、上層と下層との間の親水度の勾配によって、吸収体に液をスムーズに移行させることができる。
しかし、元々親水度が下層に比べて低い上層の親水度は、ある程度の量の液が表面シートを透過した後においては、更に低下するため、その後に表面シート上に排出(供給)される液が、表面シート中に引き込まれにくくなって、スムーズに吸収体に移行されなくなったり、表面シートの表面を流れるという問題がある。また、ある程度の量の液が表面シートを透過した後においても、上層に比較して下層の親水度が高く維持されるので、特に多量の液を吸収体に吸収させた場合などには、液が吸収体から下層に、更には表面シート表面に逆戻りする恐れがある。
特開2002−065738号公報
本発明の目的は、液の透過性が使用中安定に維持され、液の表面流れやウエットバックを使用中長時間防止することのできる表面シート及びそれを用いた吸収性物品を提供することにある。
本発明は、肌側に配される上層と吸収体側に配される下層とを有する積層不織布からなり、液透過前においては、前記上層よりも前記下層の方が親水度が高いかほぼ等しく、液透過後においては、前記下層よりも前記上層の方が親水度が高い、吸収性物品の表面シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明は、肌側に配される上層と吸収体側に配される下層とを有する積層不織布からなり、液透過前においては、前記上層よりも前記下層の方が親水度が高いかほぼ等しく、液透過後においては、前記下層よりも前記上層の方が親水度が高い液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する吸収性物品を提供することにより前記目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品の表面シートによれば、液の透過性が吸収性物品の使用中安定に維持され、液の表面流れやウエットバックを使用中長時間防止することができる。
本発明の吸収性物品によれば、表面シートの液の透過性が使用中安定に維持され、液の表面流れやウエットバックを使用中長時間防止することができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1及び図2に示す生理用ナプキン1は、本発明の吸収性物品の一実施形態であり、本発明の吸収性物品の表面シートの一実施形態としての表面シート2、液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体4を具備し、実質的に縦長に形成されている。
表面シート2は、長手方向及び幅方向を有し、その長手方向を生理用ナプキン1の長手方向と一致させた状態で、生理用ナプキン1の幅方向の中央領域(図1に斜線で示す部分)に配されている。表面シート2は、長手方向の両側縁部に一対の撥水性又は液不透過性の側部形成用シート5が連設されており、これら両シート5,5と共に複合表面シート6を形成している。複合表面シート6は、その両側縁部61,61が生理用ナプキン1の長手方向の両側部において吸収体4と裏面シート3との間に接着固定されており、その長手方向の両端部62,62が生理用ナプキン1の長手方向の両端部において、吸収体4の端縁より延出した裏面シート3に公知の接合手段により固定されている。
表面シート2は、図3に示す模式断面図に示すように、肌側に配される上層21と吸収体4側に配される下層22とを有する積層不織布20からなる。上層21及び下層22は、何れも繊維集合体からなる。ここでいう繊維集合体は、各種製法による不織布の他、カード法やエアレイド法により得られた不織布化する前の繊維ウエブ、紙等を含む概念である。上層21と下層22は不織布化してから積層して積層不織布20としても、またどちらか一方の層又は両層とも不織布化する前の繊維ウエブの状態で積層してから不織布化して積層不織布20としてもよい。
上層21及び下層22は、互いに積層されて部分的に接合されており、また、接合部以外の部位においては互いに密着しているか、上層21及び下層22を積層後の不織布化処理(エアスルー法、スパンレース法など)によって不織布化と同時に一体化されている。
表面シート2における下層22は、表面シート2に液を透過させる前の乾燥状態においては、上層21よりも親水度が高いか、ほぼ等しい。
これにより、表面シート2を用いた生理用ナプキン(吸収性物品)の使用開始後の早い段階においては、図4(a)に示すように、表面シート2における、ある特定の部位上に液Aが排出(供給)されると、その液は、矢印A’で示すように、その部位からあまり拡散することなく、親水度が比較的高く維持されている上層21中にスムーズに引き込まれ、更に上層21から下層22にスムーズに移行し、最後には吸収体4に吸収される。下層22が上層21よりも親水度が高い場合には、上層21から親水度の高い下層22に親水性の勾配により一層スムーズに移行し好ましい。
このようにして、表面シート2上に排出された液Aは、表面シートの表面に残ることなく、迅速に吸収体4に移行する。そのため、表面シート2の表面にドライ感が得られ、また、経血等の色を有する液を吸収する場合には、その色を目立たないように隠蔽する効果に優れている。尚、使用開始後の早い段階においては、吸収体4の吸収力(液吸収容量)に余裕があるため、下層22の親水度が高くてもウエットバックは生じない。
表面シート2は、上述したように、液透過前(湿潤させる前)においては、上層21よりも下層22の方の親水度が高いかほぼ等しいのであるが、液透過後においては、下層22よりも上層21の親水度が高い。
即ち、表面シート2における上層21と下層22とでは、液体に対する親水性の耐久性に差があり、上層21については、液体と接触しても親水性が比較的緩やかにしか低下しないのに対して、下層22については、液体との接触により親水性が比較的早く低下する。そのため、表面シート2に充分な量の液を透過させると、上層21と下層22の親水度の高低関係が逆転する。
上記の充分な量の液を透過させた場合とは、例えば、直径10mmの円内に10gのイオン交換水を5回透過させた場合の該円内である。この液量は、上層21と下層22の親水性の高低関係を逆転させるのに充分と思われるイオン交換水の透過量であり、表面シート2を、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いた場合に想定される透過液量ではない。即ち、生理用ナプキン等を現実に使用した場合に、上層21と下層22の親水度の高低関係が必ずしも逆転する必要はない。
表面シート2は、充分な液を透過させた場合に親水度の高低関係が逆転するような、親水性の耐久性が高い上層21と親水性の耐久性が低い下層22とを組み合わせた構成を有することにより、以下の効果が奏される。
即ち、図4(b)に示すように、表面シート2のある特定の部位上に排出された液Aが、ある程度の量、表面シート2を透過すると、下層22は、親水性の耐久性が低いので、液が透過した部位(点線で示す部位)Pの親水度は比較的大きく低下する。これに対して、上層21は、親水性の耐久性が高いので、液が透過した部位においても親水度の低下は比較的小さい。
そのため、上層21中への液の引き込み性が良好に維持されており、表面シート上に更に排出された液が、上層21中に良好に引き込まれる。これにより、表面シート2の表面を液が流れることが防止され、ナプキンの横や前後からの液漏れ等が防止される。
他方、下層22における、ある程度の量の液が透過した部位(点線で示す部位)Pの親水度は低下しているため、吸収体4に既に移行した液Bが下層22を透過して表面に逆戻りする現象(ウエットバック)が生じにくい。
尚、上層21中に引き込まれた液は、既にある程度の量の液が透過した部位(図中P)からは引き込まれにくくなるが、図4(b)に矢印A”で示されるように、その部位の周囲に存在する親水度が低下していない部位に親水度の勾配により引き込まれ、更には吸収体へと良好に移行する。
ここで、液透過前における上層及び下層の親水度の高低は、好ましくは構成繊維の親水度の高低であり、構成繊維に対するイオン交換水の接触角を指標として判断することができる。即ち、接触角は、繊維上の水滴と繊維表面との角度であり、その接触角が小さい方の親水度が高いと判断することができる。また、接触角の差が±3°以内の場合は、ほぼ同じ接触角であり、親水度がほぼ等しいと判断する。
また、液透過後における上層及び下層の親水度の高低は、好ましくは構成繊維の親水度の高低であり、液透過後の構成繊維に対するイオン交換水の接触角を指標として判断することができる。詳細には、直径10mmの円内に10gのイオン交換水を5回透過させた後(液透過後)における構成繊維に対するイオン交換水の接触角を指標として判断することができる。即ち、接触角の角度が小さいほど親水性が高いと判断することができる。
液の透過性が使用中安定に維持され、液の表面流れやウエットバックを使用中長時間安定に防止できるようにする観点から、上層21を構成する繊維は、液透過前におけるイオン交換水の接触角が30°〜80°、特に40°〜70°であり、且つ直径10mmの円内に合計50gのイオン交換水を透過させ、30℃で2時間乾燥した後のイオン交換水の接触角が35°〜80°、特に45°〜75°であることが好ましい。
また、同様の観点から、下層22を構成する繊維は、液透過前におけるイオン交換水の接触角が60°以下、特に40°以下であり、且つ直径10mmの円内に合計50gのイオン交換水を透過させ、30℃で2時間乾燥した後のイオン交換水の接触角が40°〜100°、特に60°〜95°であることが好ましい。下層22を構成する繊維の液透過前における前記接触角の下限値は、特に制限されないが、初期における液透過性、すなわち吸収体へのスムーズな液移動の点から、20°以上、特に25°以上であることが好ましい。
前述のように上記の液透過後の接触角は、直径10mmの円内に10gのイオン交換水を5回透過させた後に評価するが、直径10mmの円内に10gのイオン交換水を10回透過させた後においても、上層21および下層22は上記接触角であることが好ましい。
(1)構成繊維に対するイオン交換水の接触角(初期接触角)の測定方法。
キーエンス製マイクロスコープVH−8000に中倍率ズームレンズ(照明リング付)を90°に倒した状態で使用し、500倍の条件に設定して計測を行った。測定用サンプルは、表面シートを、上下層が一体となった状態のまま、MD150mm×CD70mmの大きさにカットしたものを用いた。測定環境は、20℃/50%RHであり、測定用サンプルは、測定面を上向きにした状態として、ウエブ(不織布)のCD方向から観察できるように測定ステージにセットした。
CD方向からウエブを観察する理由は、一般的にウエブの繊維はMD方向に配向されていることが多く、繊維が測定画面の幅方向に配列する可能性が高くなるためである。このようにセットすることによって、繊維の長さ方向に対して垂直な方向からレンズで観察する。
上層の構成繊維の接触角を求める場合は、上層表面の繊維を測定ターゲットとし、下層の構成繊維の接触角を求める場合は、下層表面(吸収体に当接する側の面)の繊維を測定ターゲットとする。通常、多層構造の繊維シートでは、その界面でシートを分けることは可能であるが、界面の状況によっては、別層の繊維が紛れ込む場合がある。このため、何らかの理由で上下層別々に測定しなければならない場合は、重りあっていない面で接触角を測定する。
次いで、セットされた測定用サンプルに、イオン交換水を充填した霧吹き(なるべく霧の状態が細かくなるような道具を使用する)にて水滴を繊維表面に付着させ、付着5秒以内(なるべく2〜3秒)に画像を取り込む。付着後短時間で画像取り込みが必要な理由は、付着した水滴がマイクロスコープの測定部から出る光によって蒸発してしまうことと、油剤による接触角変化をおこさないようにするためである。水滴の両端もしくは片端の焦点が鮮明な観察結果10点の接触角を計測し、それらの平均値を「接触角」とした。接触角は、画像または印刷した写真に対して、図8のように、水滴の繊維との接線を引き、画像解析または分度器等によって、計測を行う。尚、接触角の測定は、表面シートのままではなく、上下層から、それぞれの構成繊維を取り出して計測することも可能である。
なお、この接触角の測定は、以下の項目に注意しておこなう必要がある。
(イ)繊維上面での接触角を測定する。繊維の上に載った水滴を対象とし、繊維の下まで垂れ下がった水滴や、2本以上の繊維にまたがった水滴では測定しない。
(ロ)繊維が螺旋状等の細かい捲縮を発生している場合は、捲縮が少ないところか、繊維を伸張させて捲縮状態を無くして測定する。
(ハ)接触角の計測結果は、場所を変えた10個の計測値の算術平均とするが、親水度が高いと、計測時繊維上に水滴が留まりにくく、流れてしまう場合がある。その場合、その流れる割合に応じて「接触角」を判断する。
・計測値が10個になるまでに、総測定数(繊維と水との接触が観察された測定箇所の総数,接触後に水滴が流れた場合と流れなかった場合との合計,以下同じ)の40%未満が流れてしまった場合、10個の計測値の平均結果を「接触角」とする。
・計測値が10個になるまでに、総測定数の40%以上が流れてしまった場合、又は、10ヶ所の測定を行った時点で40%以上が流れてしまった場合、「接触角」は20°以下とする。
(2)液透過後の構成繊維に対するイオン交換水の接触角(液透過後接触角)の測定方法。
以下のようにして測定用サンプルを調製する以外は、上述した液透過前の接触角の測定方法と同様にして測定する。
(測定用サンプルの調製)
表面シートを150mm×70mmの寸法に切り取り、これを表面シートと同様の寸法に調整した紙(坪量30g/m2のパルプよりなる紙であり、クレープ率が5〜10%のもの)10枚上に重ねて水平面上に載置し、その上に、図5に示す円筒付きのアクリル板を載置した。そして、アクリル板上に重りを置き、表面シートに10g/cm2の荷重が加わるようにした。アクリル板の寸法は長さ200mm×幅100mm×厚み8mm、アクリル板上面からの円筒の高さは50mm、円筒の内径は円筒の上端から40mmまでの大径部は22mm、大径部から下方に5mmまでの範囲においては内径が漸減し、更にその下方の円筒下端までの小径部(高さ5mm)は10mmであった。上記アクリル板にも内径10mmの同軸の孔が設けられていた。大径部と小径部との間における円筒内面は、円筒軸を含む平面による断面形状が円筒軸の左右両側それぞれにおいて直線状であった。アクリル板は、それに設けられている孔が表面シートの中心部に位置するように載置した。場合によっては、注入部分の周囲を予めマーキングしておくことも可能である。尚、予めマーキング等を施す場合は、液の拡散に影響のないマーキング手段を使用するか、測定用サンプル及びアクリル板端部に、MD/CDの中央を示す印をつけ、その中央交差点で測定をおこなう。
この状態下にイオン交換水を10mLのビーカーに入れ、円筒内に3〜5秒の時間で静かに注入する。観察し易さの観点から、使用するイオン交換水には、0.3%の赤色2号(外添)で着色してある。注入量は10gとし、その全量を注入した。注入を完了し、イオン交換水が表面シート表面からなくなった後30秒間放置してから、紙10枚を新しいものに交換して再度同様にセットした。紙を交換する際、重り、アクリル板、表面シートを移動させるが、この際、同一箇所でイオン交換水が透過できるように、アクリル板と表面シートは離さないようにしておく。そして、再び、同様にしてイオン交換水を注入した。尚、イオン交換水を注入開始から180秒を経過しても表面シート表面からイオン交換水がなくならない(液透過しない)場合、測定不可として接触角の測定は行わない。
このような操作を繰り返して、合計50g(5回)のイオン交換水を注入した後、重り及びアクリル板を取り除き、紙を除去した後の表面シートを、DSR−114S(ISUZU製)電気乾燥機を用いて30℃で2時間乾燥させ、液透過後の表面シートの測定用サンプルとした。尚、接触角の測定は、この測定用サンプルのイオン交換水を透過させた部分(円内)の構成繊維について行う。
尚、直径10mmの円内に合計100gのイオン交換水を透過させ、30℃で2時間乾燥した後のイオン交換水の接触角は、10gのイオン交換水の注入を5回に代えて10回繰り返す以外は、上述した液透過後の構成繊維に対するイオン交換水の接触角の測定方法と同様にして測定することができる。
表面シートは、初期では上層より下層におけるクレム吸水度が高くなされており、上層部分のクレム吸水度が、3分後、20mm以上であることが好ましく、より好ましくは、3分後、30mm以上である。下層部のクレム吸水度は、3分後、35mm以上であることが好ましく、より好ましくは3分後、40mm以上である。液透過前における上層及び下層の親水度の高低は、クレム吸水度から判断することもできる。
(3)クレム吸水度の測定方法。
上層部分及び下層部分のクレム吸水の測定には、上層及び下層をなるべくダメージがないよう分離した後、各々の部分を単独で測定する。測定には、0.3%の赤色2号(外添)で着色したイオン交換水を用い、セットしてから3分後の水面からの高さをクレム吸水度とした。なお、クレム吸水度は、JIS P8141(1996)「紙及び板紙のクレム法による吸水度試験方法」に準じて実施しているが、測定方向は、MD方向のみを計測している。
また、液透過後における上層及び下層の親水度の高低は、イオン交換水の液通過時間を指標として判断することもできる。詳細には、前記「(2)液透過後の構成繊維に対するイオン交換水の接触角(液透過後接触角)の測定方法」と同様の液透過方法(イオン交換水の注入方法)を用いて、直径10mmの円内に10gのイオン交換水を1回透過させたものを液透過後とし、乾燥させたあとに、更に10gのイオン交換水を注入したときに液透過するまでの時間を液通過時間として、判断するものである。液通過時間は、短い方が液通過が速いことであり、親水度が高いことを示す。
液通過時間について、上層は下層よりも短い方が好ましい。上層の液通過時間(イオン交換水を1回した透過後)は、液透過後の親水度の維持による液の透過性の観点から、2回目の注入については40秒以下が好ましく、30秒以下が更に好ましく、20秒以下が一層好ましい。また、親水度の持続性の観点から、上層の5回目の注入については60秒以下が好ましく、40秒以下が更に好ましい。下層の液通過時間(イオン交換水を1回した透過後)は、ウェットバック防止および吸収体への液の移行性の観点から、2回目の注入については80秒以上が好ましく、90秒以上が更に好ましい。また、同様の観点から、下層の5回目の注入については90秒以上が好ましく、120秒以上が更に好ましい。
また、上層と下層との液通過時間の差は、上層から下層への液の移行性およびウェットバック防止の観点から、2回目の注入については30秒以上が好ましく、50秒以上が更に好ましい。また、同様の観点から、5回目の注入については90秒以上が好ましく、120秒以上が更に好ましい。
液透過時間について、以下に測定方法を示す。
(4)液通過時間の測定
液通過速度試験は、上述した「(2)液透過後の構成繊維に対するイオン交換水の接触角(液透過後接触角)の測定方法」と、サンプルと一部手順を除いて、同様に進める。異なる点のみ、以下に示す。
・測定サンプル:表面シートの上層及び下層は別々に測定を行う。表面シートの上層及び下層をその界面で剥離して測定を行うが、新たに上層及び下層を別に作成して測定することも出来る。
・評価手順:10gのイオン交換水を上述の(2)と同様に注入し、注入開始とともに時間の測定サンプル(表面シートの上層又は下層サンプル)の表面からイオン交換水がなくなるまでの時間(液通過時間)を測定する。イオン交換水を1回注入および透過させた後、測定サンプルは30℃で2時間乾燥させて、同じ箇所について2回目の注入および液通過時間の測定を行う。同様にして、液透過後の乾燥を繰り返して、5回の液透過を行う。尚、1回透過後に乾燥させた測定サンプルは、透過箇所において接触角を測定するが、測定は同じサンプルでも、同様に液透過および乾燥をおこなった別の測定サンプルでもよい。イオン交換水の注入開始から180秒を経過しても、測定サンプルの表面からイオン交換水がなくならない(液透過しない)場合、液通過時間は180秒以上として、接触角の測定および次の液通過時間の測定は行わない。
表面シート2の上層21及び下層22は、何れも親水油剤により親水化した疎水性繊維からなる。
疎水性繊維を親水油剤で親水化する方法としては、繊維集合体形成前の繊維を親水油剤で処理(浸漬(ディッピング法)、スプレー、グラビアコート、印刷等)する方法、繊維形成用の樹脂に親水油剤を練り込みブリードアウトさせる方法、繊維集合体を形成した後の該繊維集集合体合体を親水油剤で処理する方法等が挙げられるが、繊維集合体形成前の繊維を親水油剤で処理するディッピング法が親水性を安定的に発現し、繊維を不織布化する際に必要となる工程性油剤(カード法によるウエブ形成時の摩擦低減用)の観点から好ましい。
液透過前は上層よりも下層の方が親水度が高く、多量のイオン交換水透過後にはその親水度の高低関係が逆転するような上層及び下層の組合せは、上層及び下層に用いる疎水性繊維及びそれぞれの繊維を親水化するために用いる親水油剤を適宜に選択することにより達成することができる。
上層21に用いる疎水性繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂等が用いられる。また、前記の各種原料のうち、2種の樹脂の組み合わせからなる複合繊維(芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維)を用いることもできる。これらの中でも特に好ましい繊維はポリプロピレン(ポリオレフィン系樹脂)やポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、更には芯成分にポリプロピレン又はポリエステルを配し鞘成分にポリエチレンを用いた芯鞘型複合繊維である。
上層21の構成繊維に用いる親水油剤としてはアニオン系、カチオン系、両性系、ノニオン系の界面活性剤の様々な分子量のものを単独もしくは組み合わせて用いることができるが、これらの中でもノニオン系の界面活性剤を多く配合することが繊維表面への付着安定性と界面活性剤分子間の擬似結合による機能低下が少なくなる点から好ましく、特に分子量の高いものが耐久性を得る点からより好ましい。また、親水性油剤を繊維表面に固定しやすくする手段として、固定剤や練りこみなどの手段を用いることも耐久性を高める点で好ましい。
親水油剤で親水化された疎水性繊維の上層中21の含有量は、上層21の全質量中50〜100%、特に80〜100%であることが好ましい。また、親水油剤の付着量は、疎水性繊維の0.2から1.0質量%であることが、繊維表面に親水性を安定して発現させ、べたつき感などの風合いの低下を防ぐ観点から好ましい。
下層22に用いる疎水性繊維としては、上層21に用いる疎水性繊維と同様の繊維を用いることができるが、特に好ましい繊維は、芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維である。
また、下層22の構成繊維に用いる親水油剤としては、アニオン系、カチオン系、両性系、ノニオン系の界面活性剤の様々な分子量のものを単独もしくは組み合わせて用いることができるが、これらの中でもカチオン系の界面活性剤を多く配合することが初期の親水性が高く、程よい耐久性が得られる点で好ましい。
親水油剤で親水化された疎水性繊維の下層中22の含有量は、下層22の全質量中50〜100%、特に80〜100%であることが好ましい。また、疎水性繊維に対する親水油剤の付着量は0.2から1.0質量%であることが繊維表面に親水性を安定して発現させ、加工性低下(吸収体の表面を親水性油剤で汚染させることによる熱的・接着剤による接合の低下など)を防ぐ観点から好ましい。
上層21及び下層22からなる積層不織布の製造方法としては、同一又は異なる製造方法により製造した2枚の不織布を互いに積層した後、ヒートシール、超音波シール、接着剤等により両者を部分的に接合して厚み方向に一体化させる方法、各種製法により製造した不織布上に、繊維を堆積させた後、これにエアスルー法や熱エンボス法による加熱融着処理、ウオーターニードリング等の一体化処理を施して、堆積した繊維部分の繊維同士、及び堆積した繊維と前記不織布の繊維との間を結合又は交絡させて一体化する方法、カード機等を用いて製造した繊維ウエブを2枚重ねて、これに上記のような一体化処理を施す方法等が挙げられる。
上層21及び/又は下層22形成用に用いる不織布としては、熱融着法によって形成された不織布、水流交絡法によって形成された不織布、ニードルパンチ法によって形成された不織布、溶剤接着法によって形成された不織布、スパンボンド法によって形成された不織布、メルドブローン法によって形成された不織布等が挙げられる。
尚、親水度の調整等のために、上層及び下層は、親水化処理を施さなくても素材自体が親水性であるレーヨン、コットン等の親水性繊維を含有していても良い。但し、このような親水性繊維の含有させる場合の含有量は、上層中30%以下、下層中70%以下であることが好ましい。
本発明においては、下層22の見掛け密度が上層21の見掛け密度よりも高いことが上層から下層への液の移行性を一層向上させる観点から好ましい。
下層22の見掛け密度を上層21よりも高くする方法としては、下層22を構成する繊維の繊度を上層21を構成する繊維の繊度よりも大きくする方法、及び/又は下層22を構成する繊維の繊維間距離を上層21を構成する繊維の繊維間距離よりも小さくする方法を用いることができる。
下層22の見掛け密度及び上層21の見掛け密度は、以下のようにして測定することができる。
上層及び下層を剥離した後、0.5g/cm2荷重となるように調整したプレート(あるいは重りをのせたプレート)を乗せて、厚みを観察する(厚みの観察はそのMD/CD端部のいずれかでおこなうため、MD/CD端部において前記荷重となるようプレートを調整する)。観察には、キーエンス製マイクロスコープVH−8000に低倍率から中倍率ズームレンズ(照明リング付)を90°に倒した状態で使用する。得られた厚みの値を以下の式に代入することにより見掛け密度を算出する。
見掛け密度(g/cm3)=〔不織布の坪量(g/m2)/厚み(mm)〕×103
下層22の見掛け密度は、初期の液引き込み性を高める観点から0.05〜0.5g/cm3であることが好ましく、上層21の見掛け密度は、肌触りと下層への液を移動しやすくする観点から0.01〜0.3g/cm3であることが好ましい。
生理用ナプキン1の各部を構成する材料としては当該技術分野において通常用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば裏面シート3としては、液不透過性のフィルムが好ましく用いられる。吸収体4としてはフラッフパルプと高吸収性ポリマーの粒子との混合積繊物又はこれをティッシュペーパ等の液透過性シートでくるんだもの等を用いることができる。側部形成用シート5としては、撥水性の不織布や液不透過性の樹脂フィルム等を用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
例えば、上層21及び下層22は、それぞれ平面状であっても良いが、図6又は図7に示すように、少なくとも上層21側に凹凸を有していることが、表面の液残り防止、ドライ感の向上等の観点から好ましい。図6に示す例においては、上層21と下層22とが熱エンボス処理により部分的に熱融着されており、上層21の熱融着部23以外の部分が、着用者の肌側に向かって隆起する凸部24を形成し、前記熱融着部23が凹部を形成している。図7に示す例においては、上層21及び下層22を貫通し、開口周縁部25が下層22側に突出する立体開孔26が形成されている。図7の表面シートは、多数の穿孔ピンを周面に有する押し型ロールと、穿孔ピンが挿入される多数の受け孔を有する受け型ロールとの間に挿通して立体開孔26を形成する際の加熱及び加圧により上層21と下層22とが一体化されている。
また、上記実施形態における生理用ナプキン(吸収性物品)は、ナプキンの幅方向の中央領域のみが、上述した表面シート2に被覆されているが、吸収体の肌当接面側の面の全域が、上述した表面シート2に被覆されていても良く、また、生理用ナプキンの長手方向及び幅方向の中央部のみが上述した表面シート2に被覆されていても良い。
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、失禁パッド、パンティライナー、使い捨ておむつ等であっても良い。
以下、本発明を実施例を用いて更に説明する。しかし、本発明の範囲は斯かる実施例に制限されない。
〔実施例〕
実施例で用いた表面シートは、下記の繊維及び製法により、不織布化されているものである。
(使用繊維)
繊維は、親水性油剤成分を溶解した水溶液に浸された後、乾燥工程を経て、所定量の親水性油剤成分が繊維表面上に付着される(いわゆるディッピング法)。ここで、親水性油剤には、不織布製造時必要とされる各種工程性成分(例えばカーディング工程時の摩擦低減目的成分)も含んでいる。また、前記水溶液中に溶解される親水性油剤成分の量(濃度)は、各繊維が保持する水溶液の量より、繊維表面に付着させるべき親水性油剤成分量を計算される。
繊維A;大和紡績(株)製NBF(SH)2.2dtex×51mm(芯成分PET/鞘成分PE、容積比1:1)に、親水性繊維油剤aが、繊維Aに対して0.45質量%付着している。
繊維B;大和紡績(株)製NBF(SH)3.3dtex×51mm(芯成分PET/鞘成分PE、容積比1:1)に、親水性繊維油剤aが、繊維Bに対して0.45質量%付着している。
繊維C;大和紡績(株)製NBF(SH)2.2dtex×51mm(芯成分PET/鞘成分PE、容積比1:1)に、親水性繊維油剤bが、繊維Cに対して0.3質量%付着している。
繊維D;大和紡績(株)製NBF(SH)2.2dtex×51mm(芯成分PET/鞘成分PE、容積比1:1)に、親水性繊維油剤cが、繊維Dに対して0.35質量%付着している。
繊維E;大和紡績(株)製NBF(SH)2.2dtex×51mm(芯成分PET/鞘成分PE、容積比1:1)に、親水性繊維油剤dが、繊維Eに対して0.3質量%付着している。
繊維F;大和紡績(株)製NBF(SH)2.2dtex×51mm(芯成分PET/鞘成分PE、容積比1:1)に、親水性繊維油剤eが、繊維Fに対して0.35質量%付着している。
繊維G;大和紡績(株)製NBF(SH)2.2dtex×51mm(芯成分PET/鞘成分PE、容積比1:1)に、親水性繊維油剤fが、繊維Gに対して0.42質量%付着している。
上記繊維に使用の親水性繊維油剤は各々下記組成であり、有効成分以外はすべて水分である。
親水性繊維油剤a(有効成分率25%):POE脂肪酸アミド 20%/アルキルリン酸エステルK塩 20%/アルキルベタイン 30%/アルキルスルホサクシネートNa塩 30%
親水性繊維油剤b(有効成分率40%):アルキルリン酸エステルK塩 70%/アルキルグリコール 30%
親水性繊維油剤c(有効成分率55%):アルキルアルコールホスフェートK塩 60%/アルキルホスフェートK塩 40%
親水性繊維油剤d(有効成分率50%):ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルNa塩 50%/脂肪酸Na塩 50%
親水性繊維油剤e(有効成分率35%):アルキルリン酸エステルK塩 60%/アルキルグリコール 30%/変性シリコン 10%
親水性繊維油剤f(有効成分率30%):POE脂肪酸アミド 20%/アルキルリン酸エステルK塩 20%/アルキルベタイン 30%/アルキルスルホサクシーネートNa塩 30%
(不織布の作成)
実施例1:繊維Aをカード機によって解繊して坪量12g/m2のウエブを作成し、更に繊Dをカード機によって解繊して坪量13g/m2のウエブを作成し、両ウエブを重ね合わせた後、136℃の熱風(エアスルー法)によって坪量25g/m2の不織布とした。
実施例2:繊維Bをカード機によって解繊して坪量12g/m2のウエブを作成し、更に繊維Cをカード機によって解繊して坪量13g/m2のウエブを作成し、両ウエブを重ね合わせた後、136℃の熱風(エアスルー法)によって坪量25g/m2の不織布とした。
実施例3:繊維Aをカード機によって解繊して坪量25g/m2のウエブを作成し、136℃の熱風(エアスルー法)によって不織布となし、繊維Cをカード機によって解繊して坪量25g/m2のウエブとした後、繊維Aの不織布と重ね合わせ、130℃のピンエンボスロール(エンボス法)によって一体化して坪量50g/m2の不織布とした。
実施例4:繊維Aをカード機によって解繊して坪量25g/m2のウエブを作成し、136℃の熱風(エアスルー法)によって不織布となし、また、繊維Cをカード機によって解繊して坪量25g/m2のウエブを作成し、136℃の熱風(エアスルー法)によって不織布となし、これら2枚の不織布を重ね合わせた後、130℃に加熱したピンロールと、ピンとピンの間に薄板が挿入されるようになされ、130℃に加熱した受けロールとの間に重ね合わせた不織布を通し、開孔を形成すると共に開孔端部で一体化して坪量50g/m2の不織布とした(特開平10−80445号公報記載の方法)
実施例5:繊維Gをカード機によって解繊して坪量25g/m2のウエブを作成し、136℃の熱風(エアスルー法)によって不織布となし、繊維Eをカード機によって解繊して坪量25g/m2のウエブとした後、繊維Gの不織布と重ね合わせ、130℃のピンエンボスロール(エンボス法)によって一体化して坪量50g/m2の不織布とした。
比較例1:繊維Aの代わりに繊維Dを使用したほかは、実施例1と同様の方法で不織布を作成した。
比較例2:繊維Aに代えて繊維E、繊維Cに代えて繊維Fを使用したほかは、実施例3と同様の方法で不織布を作成した。
比較例3:繊維Aに代えて繊維F、繊維Cに代えて繊維Eを使用したほかは、実施例3と同様の方法で不織布を作成した。
比較例4:繊維Aに代えて繊維D、繊維Dに代えて繊維Aを使用したほかは、実施例1と同様の方法で不織布を作成した。
実施例及び比較例の各不織布は、それぞれ同一構成のものを複数枚製造し、下記(a)〜(d)の測定においては、測定毎に異なる不織布(構成は同一)を用いた。
(a)初期接触角の測定
得られた各不織布について、上層及び下層の構成繊維の接触角を、各不織布の表面側及び裏面側を各々測定することによって測定した。測定の方法は上述した(1)初期接触角の測定方法の通りである。測定結果を、表1の接触角「初期」の欄に示した。
(b)液透過後の接触角の測定
上述した(2)液透過後接触角の測定方法に従って、各不織布における直径10mmの円内に、イオン交換水50gを透過させ、次いで乾燥させた。各不織布におけるイオン交換水透過部分(前記円内)について、上層及び下層の構成繊維の接触角を測定した。その測定結果を表1の接触角「50g通液後」の欄に示した。次いで、測定可能(液透過時間が180s以下)であった一部の不織布については、新たに調整した不織布に、イオン交換水100gを透過させ、次いで乾燥させた。同様にして接触角を測定し、その測定結果を、表1の接触角「100g通液後」の欄に示した。また、液透過後の接触角評価において、液透過1回についての測定(イオン交換水10gの液通過時間)が180秒を超えた場合、測定不可とし、計測を終了した。
(c)液通過時間および繰り返し接触角の測定
表2記載の液通過速度試験及び繰り返し接触角の測定は、前記(4)液通過時間の測定に示す通り。測定サンプルは、実施例3の上層・実施例2の上層・実施例2の下層・比較例1・比較例2の上層・比較例2の下層を用いた。
一体化された不織布の上層もしくは下層のみを測定に用いる際には、上層・下層の剥離面とは異なる面を測定面としなければならない。尚、液通過時間が180秒を超えた場合の接触角は、測定せず、測定不可とした。
(d)液表面拡散評価
45°に傾斜させたプレート上に、下層をプレート側に向けて各不織布を固定し、その不織布上に、内径φ5mmのシリコンチューブより1g/10秒の速度で0.3%の赤色2号(外添)で着色したイオン交換水を30秒滴下させ、上層を流れた液の距離を計測した。この評価では、上層と下層の間(液滴の2分の1以下が表面にでている状態まで)をながれている状態は表層を流れているとはみなさない。
Figure 0004566051
Figure 0004566051
図1は、本発明の吸収性物品の表面シートの一実施形態としての表面シート及びそれを用いた生理用ナプキンを示す平面図である。 図2は、図1のI−I線断面図である。 図3は、図1に示す表面シートの厚み方向の断面を模式的に示す断面図である。 図4は、本発明の表面シートの機能を説明するための図で、図4(a)は使用開始後の早い段階における透液の状態を示す概念図であり、図4(b)はある程度の液が表面シートを透過した後の透液の状態を示す概念図である。 図5は、液透過後の接触角の測定に用いる測定用サンプルの調整方法を説明するための説明図である。 図6は、表面シートの厚み方向の具体的な断面構造の一例を示す模式断面図である。 図7は、表面シートの厚み方向の具体的な断面構造の他の一例を示す模式断面図である。 図8は、接触角の測定方法を説明するための図であり、(a)及び(b)は、接触角が好ましく計測された図である。なお、(a’)及び(b’)は、繊維上の液滴が蒸発したあとの繊維を示す図であり、水滴との境界部における繊維表面の接線を計測するために用いる。
符号の説明
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
20 積層不織布
21 上層
22 下層
3 裏面シート
4 吸収体
5 側部形成用シート

Claims (6)

  1. 肌側に配される上層と吸収体側に配される下層とを有する積層不織布からなり、液透過前においては、該積層不織布の全領域において前記上層よりも前記下層の親水度が高いかほぼ等しく、液透過後においては、液透過時に湿潤させた領域のみ前記下層よりも前記上層の親水度が高くなる、吸収性物品の表面シート。
  2. 前記上層を構成する繊維は、液透過前におけるイオン交換水の接触角が30°〜80°であり、直径10mmの円内に10gのイオン交換水を5回透過させ、30℃で2時間乾燥した後の該円内におけるイオン交換水の接触角が35〜80°である、請求項1記載の吸収性物品の表面シート。
  3. 前記下層を構成する繊維は、前記液透過前におけるイオン交換水の接触角が60°以下であり、直径10mmの円内に10gのイオン交換水を5回透過させ、30℃で2時間乾燥した後の該円内におけるイオン交換水の接触角が40°〜100°である、請求項2記載の吸収性物品の表面シート。
  4. 前記下層の見掛け密度が前記上層の見掛け密度よりも高い請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品の表面シート。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備する吸収性物品。
  6. 実質的に縦長の形状を有しており、前記表面シートが、前記吸収性物品の幅方向の中央領域において前記吸収体を被覆しており、該中央領域の両側においては撥水性又は液不透過性の側部形成用シートが該吸収体を被覆している請求項5記載の吸収性物品。
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