JP2008132240A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体吸収層(21、23)及び本体防漏層22を備えた実質的に縦長の吸収性本体2と、吸収性本体2における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップ3,3とを有する吸収性物品1であって、後方フラップ3は、フラップ表面シート31、フラップ裏面シート32及びこれらの間に介在するフラップ吸収体33を備えており、フラップ吸収体33は、液が吸収されると、該液の有色成分よりも該液の無色成分の方がフラップ吸収体33の面方向に拡散するようになっている。
【選択図】図2
Description
また、後方フラップを有する生理用ナプキンにおいて、後方フラップに吸収層(以下「フラップ吸収層」という)を設け、吸収性本体から溢れた体液を後方フラップにおいて吸収できるようにして、生理用ナプキン全体としての防漏性を向上させる技術が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
本実施形態の吸収性物品は、生理用ナプキン1であり、図1〜図3に示すように、本体吸収層(21,23)及び本体防漏層22を備えた実質的に縦長の吸収性本体2と、吸収性本体2における少なくとも後方部Bの両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップ3,3と、吸収性本体2における前方部Aの両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対のウイング部4,4とを有している。
吸収性本体2の上面には、図1に示すように、本体表面シート21から本体吸収体23に向けて凹んだ圧搾溝Dが設けられている。圧搾溝Dは、例えばヒートエンボス加工により形成され、本体表面シート21と本体吸収体23とを一体化している。
このように、吸収性本体2は、本体表面シート21、本体吸収体23及び本体裏面シート22の順で積層した積層体からなる。
後方フラップ3を有する生理用ナプキン1の長さ(生理用ナプキンの長手方向に沿う長さ)は、26cm以上、好ましくは30cm以上である。後方フラップ3の(片側の)幅(生理用ナプキンの幅方向に沿う幅)は、1cm以上、好ましくは3cm以上である。後方フラップ3の幅は、個装形態から生理用ナプキンを取り出す際の取り扱い易さや生理用ナプキンの装着し易さの観点から、吸収性本体2の幅よりも短い方が好ましい。本実施形態における後方フラップ3は、後方部Bに配されており、前方部Aから後方部Bに向けて幅が拡がる形状を有している。
フラップ防漏層32は、液不透過性又は撥水性のフラップ裏面シートからなる。フラップ裏面シート32は、フラップ吸収体33の下面全域を被覆している。
このように、後方フラップ3は、フラップ表面シート31、フラップ吸収体33及びフラップ裏面シート32の順で積層した積層体からなる。
具体的には、ウイング部4は、図3に示すように、液透過性のウイング表面シート41、液保持性のウイング吸収体43及び液不透過性又は撥水性のウイング裏面シート42の順で積層した積層体からなる。ウイング吸収体43は、平面視で、ウイング部4を一回り小さくした形状を有している。ウイング表面シート41は、ウイング吸収体43の上面全域を被覆している。ウイング裏面シート42は、ウイング吸収体43の下面全域を被覆している。
このように、ウイング部4は、ウイング表面シート41、ウイング吸収体43及びウイング裏面シート42の順で積層した積層体からなる。
本実施形態においては、図2及び図3に示すように、本体表面シート21、一対のフラップ表面シート31,31及び一対のウイング表面シート41,41は、一つの一体表面シート11から形成されている。また、本体裏面シート22、一対のフラップ裏面シート32,32及び一対のウイング裏面シート42,42は、一つの一体裏面シート12から形成されている。
フラップ吸収体33が吸収性本体2に亘って延在し、本体吸収体23の一部と一体化していると好ましい理由は、次の通りである。フラップ吸収体33においては、体液は、本体吸収体23を介して間接的に又は直接的に、フラップ吸収体33における吸収性本体2近傍の領域に吸収される場合が多い。そのような場合においても、フラップ吸収体33と一体化している本体吸収体23の存在により、フラップ吸収体33における吸収性本体2近傍の領域に吸収された体液は、吸収ポイントから同心円状に徐々に拡散することができるため、後方フラップ3の周縁部から漏れ出しにくい。
また、上層本体吸収体23aと一体吸収体13とは、別体となっている。
また、一体裏面シート12は、一体吸収体13の下面全域を被覆している。一体裏面シート12の周縁部は、一体吸収体13の周縁部から延出している。
そして、集合体(23a,13)の周縁部から延出している、一体表面シート11の周縁部と一体裏面シート12の周縁部とは、ヒートシール、ホットメルト接着剤等により接合されている。
赤血球は、中央部が窪んだ円盤状をなしており、直径が6μm、厚みが2μm程度である。細孔径6μm以下の細孔の割合が、ある程度以上であることにより、かかる形態の赤血球が細孔中に効率良く捕捉され、良好な血液分離能が発現される。また、細孔径6μm以下の細孔の割合が100%でないこと、即ち、細孔径6μm超の細孔が存在することは、血液分離体の表面のみならず、その内部においても良好な血液分離能が発揮されるので好ましい。
細孔径6μm以下の細孔の割合は、20〜90%であることがより好ましく、30〜80%であることが更に好ましい。
細孔径6μm以下の細孔の割合が20%以上である繊維集合体は、例えば、メルトブローン法により製造した繊維集合体や分割型複合繊維を用いて製造した繊維集合体に、カレンダー処理を施す方法により得ることができる。本明細書における繊維集合体は、不織布を含む概念である。メルトブローン法による紡糸、分割型複合繊維の構成成分同士の分割により、繊維径の非常に小さい繊維が得られる。更にそのような繊維からなる繊維集合体にカレンダー処理を施すことにより、血液分離体として好適に用いられる繊維集合体が得られる。また、他の方法により製造した極細繊維(平均繊維径が1〜10μmの繊維)からなる繊維集合体にカレンダー処理を施すことにより、血液分離体を得ることもできる。
カレンダー処理における温度は、繊維集合体の構成繊維の軟化点以下が好ましい。軟化点以上でカレンダー処理をすると繊維同士の接着が起こり、血液の拡散経路が閉ざされる。カレンダー処理における圧力は、ASTM F316−86により測定した細孔径分布において、繊維集合体における細孔径6μm以下の細孔の割合が20〜90%になるようにすれば特に限定されない。
構成繊維の平均繊維径は、以下のようにして測定される。
繊維集合体を液体窒素で凍結させ、鋭利な刃物で切断する。その切断面を走査型電子顕微鏡で倍率800倍〜2000倍に拡大して撮影し、繊維断面の任意の10個所を、撮影写真に示される縮尺ゲージと照らし合わせて繊維径を測定し、平均を取る。
親水性繊維は、親水化処理剤により親水化された合成繊維の他、親水化処理で処理しなくても元々親水性である再生繊維等も含まれる。繊維集合体中の親水性繊維の含有量は、50%〜100質量%、特に70〜100質量%であることが好ましい。親水性繊維は、2種以上が混合されていてもよい。
まず、繊維集合体を50mm×50mmの大きさに裁断し、これを測定片とする。測定台上に、この測定片よりも大きなサイズの12.5gのプレートを載置する。この状態でのプレートの上面の位置を測定の基準点Aとする。次にプレートを取り除き、測定台上に測定片を載置し、その上にプレートを再び載置する。この状態でのプレートの正面の位置をBとする。基準点Aと位置Bとの差から繊維集合体の厚みを求める。測定機器にはレーザー変位計〔(株)キーエンス製 CCDレーザー変位センサLK−080〕を用いる。尚、それに代えて、ダイアルゲージ式の厚み計を用いることもできる。その場合も測定圧力を49Paになるように調節する。
血液分離体は、吸収性物品が全体的に柔らかくなり、装着感やフィット性が向上する点から、吸収性ポリマーを含んでいないことが好ましい。
フラップ吸収体33の密度をこれと一体化している本体吸収体の密度よりも高くする方法としては、例えば、後方フラップ3のみにロール間において熱及び圧力を加える方法や、フラップ表面シート31とフラップ吸収体33とを熱エンボス加工等により接合する方法がある。
フラップ吸収体33の密度がこれと一体化している本体吸収体の密度よりも高くなっていると、フラップ吸収体33に吸収された体液が、これと一体化している本体吸収体に戻りにくい点で好ましい。
〔座屈強度の測定方法〕
測定は、20℃、65%RH下において、1日以上放置した吸収体を用いて、この温度及び湿度条件下にて行う。
一体表面シート11(本体表面シート21、フラップ表面シート31、ウイング表面シート41)及び一体裏面シート12(本体裏面シート22、フラップ裏面シート32、ウイング裏面シート42)としては、それぞれ、この種の吸収性物品に従来用いられている各種材料を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シートとしては、各種製法による不織布、樹脂フィルムに開孔を形成したもの、これらの積層体等を用いることができる。裏面シートとしては、透湿性を有するか又は有さない熱可塑性樹脂のフィルム、撥水性の不織布、これらの積層体等を用いることができる。
上層本体吸収体23aは、吸収性物品における吸収体として従来から用いられているものを特に制限なく用いることができる。上層本体吸収体23aは、嵩高で、液保持能が高いものが好ましい。
同様に、吸収性本体2の前方部Aから滲出した液や、吸収されずに流れる液を、ウイング部4で効果的に吸収できるため、前方部Aからの液漏れ防止性に優れる。
測定は、20℃、65%RH環境下において、1日以上放置した吸収体を用いて、この温度及び湿度条件下にて行う。
1gの生理食塩水を吸収体の約1cm上方から(10mlビーカーで)滴下した後、1分後の拡散面積を測定する。測定には、各種カメラ(撮影データが電子化されるものが好ましい)によって、1分後の拡散状態を記録するか、又は1分後の拡散状態を目視観察し、その拡散の輪郭をマーキングし、画像解析装置(NEXUS製:NEW QUBE Ver.4.20)を使用して拡散面積を測定する。生理食塩水には、赤色1号や青色2号等の着色剤を0.05〜0.1wt%程度外添して着色してもよいが、生理食塩水は着色剤以上に拡散するため、拡散の輪郭を正確に把握する必要がある。
上層フラップ吸収体33aでの拡散面積は、30cm2以下であることが好ましく、20cm2以下であることが更に好ましい。また、上層フラップ吸収体33aと下層フラップ吸収体33bとの拡散面積の差は、30cm2以上であることが好ましく、50cm2以上であることが更に好ましい。
ここでいう「液の濡れ性」は、以下のように測定される。
測定は、20℃、65%RH環境下において、1日以上放置した吸収体を用いて、この温度及び湿度条件下にて繊維表面の接触角を測定して行う。前記接触角は、下記のようにして測定される。
接触角計(協和界面科学(株)、CA−Sミクロン2型(倍率300倍)もしくはFACE接触角計:CA−A型)の繊維法にて計測した。カメラ((株)ニコン:D50)を接触角計に所定の方法にてセットし、予め測定サンプルの1本の繊維にピントを合わせておく。この状態から、霧吹きにて水滴を繊維表面に付着させ、付着5秒後にシャッターを切る。撮影画像で、水滴が明瞭(水滴の両端がはっきりしている状態)なもの:5点の接触角(左右で10点)を計測し、平均値を「接触角」とした。
前記エンボス吸収紙は、エンボス加工を施すことにより、吸収紙に厚みを出し、且つ液が1方向に拡散しないようにしたものである。そのエンボスパターンは特に限定されないが、1〜30個/cm2の密度でドット状にエンボス加工されていることが好ましい。
脱落防止の工夫がなされたポリマーシートとしては、例えば、特開平5−38350号公報や特開平8−232189号公報に記載のものが挙げられる。
尚、繊維状ポリマーと同様の効果が得られる吸収性ポリマーは、構成繊維上に吸収性ポリマーの原料を直接配し、重合を行うことにより得ることができる。
そのため、フラップ表面シート31側からフラップ吸収体33に吸収された体液(血液)Kは、図6に示すように、上層フラップ吸収体33aにおいて面方向にあまり拡散しないうちに、速やかに下層フラップ吸収体33bに移行する。その後、下層フラップ吸収体33bに移行した体液Kは、面方向に速やかに拡散する。尚、第2実施形態においては、フラップ吸収体33に吸収された体液は、通常、有色成分と無色成分とに分離することはない。
後方フラップ3における体液の隠蔽は、一般的に、フラップ表面シート31側(上面側)において求められており、フラップ裏面シート32側(下面側)においては求められていない。従って、第2実施形態によれば、効果の奏される原理は異なるが、第1実施形態と同様の効果が奏される。
例えば、下層本体吸収体23bは、図7に示すように、吸収性本体2の幅方向全域に亘っておらず、吸収性本体2の両側部近傍のみに分離して設けられていてもよい。本体吸収体23は、単層構造でも複数構造でもよい。
本体吸収層は、本体表面シート21と本体吸収体23との積層体に制限されず、両者の機能を併有する一体的な部材から構成することができる。
ウイング部4にはウイング吸収体が設けられていなくてもよい。また、ウイング部4自体がなくてもよい。
2 吸収性本体
21 本体表面シート
22 本体裏面シート(本体防漏層)
23 本体吸収体
23a 上層本体吸収体
23b 下層本体吸収体
3 後方フラップ
31 フラップ表面シート
32 フラップ裏面シート(フラップ防漏層)
33 フラップ吸収体
33a 上層フラップ吸収体
33b 下層フラップ吸収体
4 ウイング部
41 ウイング表面シート
42 ウイング裏面シート
43 ウイング吸収体
A 前方部
B 後方部
Claims (5)
- 本体吸収層及び本体防漏層を備えた実質的に縦長の吸収性本体と、該吸収性本体における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップとを有する吸収性物品であって、
前記後方フラップは、フラップ表面シート、フラップ裏面シート及びこれらの間に介在するフラップ吸収体を備えており、
前記フラップ吸収体は、液が吸収されると、該液の有色成分よりも該液の無色成分の方が該フラップ吸収体の面方向に拡散するようになっている吸収性物品。 - 本体吸収層及び本体防漏層を備えた実質的に縦長の吸収性本体と、該吸収性本体における少なくとも後方部の両側部それぞれから幅方向外方に延出する一対の後方フラップとを有する吸収性物品であって、
前記後方フラップは、フラップ表面シート、フラップ裏面シート及びこれらの間に介在するフラップ吸収体を備えており、
前記フラップ吸収体は、前記フラップ表面シート側の上層フラップ吸収体と前記フラップ裏面シート側の下層フラップ吸収体とからなり、該上層フラップ吸収体における液の拡散性よりも該下層フラップ吸収体における液の拡散性の方が大きい吸収性物品。 - 前記フラップ吸収体において、前記上層フラップ吸収体における液の濡れ性の方が前記下層フラップ吸収体における液の濡れ性よりも低い請求項2記載の吸収性物品。
- 前記フラップ吸収体は、前記上層フラップ吸収体に液が吸収されると、該上層フラップ吸収体における液よりも、該上層フラップ吸収体を介して前記下層フラップ吸収体に吸収された液の方が該フラップ吸収体の面方向に拡散するようになっている請求項2又は3に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品は生理用ナプキンであり、前記液は経血である請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品。
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