JP3877682B2 - 吸収性物品用の表面シート - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、使い捨ておむつ等の吸収性物品の肌当接面に用いられる表面シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品用の表面シートには、経血や尿等の人体からの排出物をスムーズに吸収体に移行させることのできる吸収特性と共に、ムレによる不快感や、痒み・カブレといった皮膚トラブルを防止できる表面特性が要求される。
これらの特性に応えるべく、従来、着用者の肌側に配される側に、凹凸形状を形成した吸収性物品用の表面シートが各種提案されている。
【0003】
特開平9−111631号公報(特許文献1)には、使い捨ておむつや生理用ナプキン等に好適な不織布として、表面に多数の筋状の皺が形成された多皺性不織布が記載されている。しかし、この多皺性不織布における多数の皺は、熱収縮性繊維及び該熱収縮性繊維の熱収縮開始温度よりも融点の低い熱融着繊維を含む層と、非熱収縮性繊維とを積層し、これら2層を線状の熱融着により厚さ方向に一体化した後、熱収縮性繊維を含む繊維層の収縮により他方の繊維層を変形させて形成したものであるため、収縮させた繊維層の厚みが大きくなっている。そのため、シート全体としての柔らかさが充分ではない。また、表面上に排出された液を素早く吸収体に移行させる構造ではないため、表面に液が残って、ムレや皮膚トラブルを生じ易い。また、特に生理用ナプキンの表面シートに用いた場合には、表面付近に残る経血の色が目立ち、使用者に不清潔な印象を与え易い。
【0004】
また、特開平7−232409号公報(特許文献2)には、合成樹脂フィルムと伸縮性不織布とからなり、該合成樹脂フィルムがシボ模様を有する複合不織布が記載されている。この複合不織布は、シボ模様を有することで、柔軟で表面が光沢の少ない艶消し状態となっている。しかし、この複合不織布はよれが起こり易く、また折り曲げによって合成樹脂フィルムの側が大きな皺になり易いので、これを吸収性物品の表面シートとして用いた場合には、着用者の身体とのフィット性が低下し、また皺に沿って液が流れ易く漏れが起こり易くなってしまう。特に、生理用ナプキンの表面シートとして用いる場合、生理用ナプキンは通常三つ折りにされて個装されているので、折り目の部分に沿って皺が出来易いことから、漏れが一層起こり易い。
【0005】
尚、特開平1−201569号公報(特許文献3)には、繊維ウエブにモノフィラメントを固定し、該モノフィラメントを収縮させて皺を形成した嵩高補強不織布が記載されている。しかし、このモノフィラメントは、本発明における高密度化部分を有する繊維層ではない。
【0006】
【特許文献1】
特許3131557号公報
【特許文献2】
特開平7−232409号公報
【特許文献3】
特開平1−201569号公報
【0007】
従って、本発明の目的は、経血や尿等の液体を吸収体に素早く移行させることができ、柔らかであり、且つよれやしわが生じにくい吸収性物品用の表面シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、肌側に配される第1繊維層と吸収体側に配される第2繊維層とが積層されて所定パターンの接合部で部分的に接合されており、第1繊維層は、前記接合部以外の部分が肌側に凸状をなしており、第2繊維層は、熱収縮性繊維を含む繊維集合体からなり、熱収縮した熱収縮部分と熱収縮が抑制された高密度化部分とを有しており、前記高密度化部分は、熱収縮させる前の第2繊維層に熱エンボス加工を施して形成されている、吸収性物品用の表面シートを提供することにより、上記の目的を達成したものである。
【0009】
また、本発明は、前記吸収性物品用の表面シートの製造方法であって、熱収縮性繊維を含む繊維集合体に、熱エンボス処理を施して、高密度化部分を有する第2繊維層を形成し、第2繊維層の片面に、第1繊維層としての繊維集合体を積層して両繊維層を部分的に接合し、次いで、第2繊維層を熱処理により収縮させることを特徴とする吸収性物品用の表面シートの製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
図1には本発明の一実施形態としての吸収性物品用の表面シートが示されており、図2には図1のX−X線断面が模式的に示されている。
図1に示す吸収性物品用の表面シート10は、肌側に配される第1繊維層1と、吸収体側に配される第2繊維層2とからなる。第1繊維層1及び第2繊維層2は、それぞれ繊維集合体からなり、互いに積層されて所定パターンの接合部3で部分的に接合されている。
本実施形態における接合部3は、いわゆる千鳥状のパターン〔図4(b)参照〕で配されており、個々の接合部3は、それぞれ平面視円形で不連続に形成されている。
接合部3は、圧密化されており、表面シート10における他の部位に比して厚みが小さく且つ密度が大きくなっている。
【0011】
接合部3は、例えば熱エンボス、超音波エンボス、接着剤による接着などの各種接合手段によって形成される。本実施形態における接合部3は円形のものであるが、接合部3の形状は、円形の他、楕円形、三角形、矩形又はこれらの組み合わせ等であってもよい。また接合部3を、連続した形状、例えば直線や曲線などの線状、格子状等に形成してもよい。接合部の形成パターンの他の例を図3に示した。
【0012】
第1繊維層1は、繊維集合体から構成されており、第2繊維層2との接合部3以外の部分が肌側に凸状をなしている。即ち、図1及び2に示すように、第1繊維層1における、接合部3同士間に位置する部分(詳細には、四隅部に接合部3を有する矩形状部分)が凸状(ドーム状)をなしており、それにより、多数の凸部4が表面シート10の肌側面(肌側に向けられる面)に形成されている。各凸部4の内部は、第1繊維層1を構成する繊維で満たされており、また、接合部同士間における第1繊維層1と第2繊維層2との界面は、接合はされていないが全域に亘って密着した状態とされている。凸部4の形状は、主として、第1繊維層1を構成する繊維集合体の形態及び接合部3のパターンにより決まる。
第1繊維層1は、第2繊維層2を構成する繊維と異なる種類及び/又は配合の繊維の集合体から構成されている。
【0013】
第2繊維層2は、熱収縮性繊維を含む繊維集合体(熱収縮性繊維100%からなるものでも良い)からなり、熱収縮した熱収縮部分5と熱収縮が抑制された高密度化部分6とを有する。高密度化部分6は、第2繊維層2における、第1繊維層1との接合部3とは別に存在するものであり、第2繊維層2における熱収縮部分5よりも高密度となっている。
【0014】
第2繊維層2を構成する熱収縮性繊維は、熱収縮部分5においては熱収縮しており、高密度化部分6においては熱収縮が抑制されている。即ち、高密度化部分6においては、熱収縮性繊維が実質的に熱収縮していないか又は熱収縮しているが熱収縮部分5に比較して収縮の程度が極端に小さくなっている。
本実施形態の表面シート10は、熱収縮させる前の第2繊維層2に対して予め熱エンボスにより高密度化部分を形成しておき、これを後の工程で熱収縮させて得られたものであるため、熱収縮部分5においては熱収縮性繊維の収縮により繊維層の厚みが増大しており、且つ高密度化部分6においては熱収縮性繊維の収縮による厚みの増大が妨げられている。そのため、高密度化部分6における第2繊維層の厚みは熱収縮部分5における厚みよりも小さくなっている。また、高密度化部分6は、熱収縮部分5よりも圧密化されている。また、熱収縮部分5は、伸縮性を有しており、高密度化部分6は実質的に伸縮性を保持していないか又は熱収縮部分5の伸縮性よりも極めて小さい程度の伸縮性を有している。
【0015】
また、高密度化部分6における熱収縮性繊維は、使用時において身体の動きによる表面シートの変形が生じた際にも、高密度化部分が破壊されることなく、表面シート形状を安定に保つ点から、融着状態であることが好ましい。
【0016】
高密度化部分6の形成方法は、熱収縮させる前の第2繊維層2に対して熱エンボス処理を施す方法である。
【0017】
本実施形態における高密度化部分6は、それぞれ円形で不連続に形成されており、MD方向(機械方向,製造時の流れ方向)及びCD方向(MD方向に直交する方向)それぞれに所定の間隔で並べた散点状のパターンで配置されている〔図4(a)参照〕。高密度化部分6は、接合部3のピッチよりも短いピッチで形成されており、凸状をなす第1繊維層1に対応する各部分(詳細には、四隅部に接合部3を有する矩形状部分)には、それぞれ、一つ以上の高密度化部分6が存在している。高密度化部分6は、一つの凸部4に対して一つ又は二つ以上存在することが好ましい。また、高密度化部分6は、互いに独立した散点状のものであっても良いし、直線状や曲線状(連続波形等を含む)、格子状、ジグザグ形状等であっても良い。また、高密度化部分6を散点状に配置する場合の各接合部の形状は、円形状、三角形状、四角形状等、任意の形状とすることができる。
【0018】
表面シート10の面積に対する接合部3の面積率R1(表面シート10の単位面積当りの接合部3の面積,第2繊維層を収縮させる前に測定)は、第1繊維層1と第2繊維層2との接合を十分に高くする点、及び凸部4を充分に形成して嵩高さを発現させる点から2〜15%、特に5〜10%であることが好ましい。
表面シート10の面積に対する高密度化部分6の面積率R2(表面シート10の単位面積当りの高密度化部分6の面積,第1繊維層と接合する前で且つ第2繊維層を収縮させる前に測定)は、第1繊維層と第2繊維層とを接合、収縮後に、接合部3の隣接する接合点の間に高密度化部分6を一つ又は二つ以上介在させる点から15〜40%、特に20〜35%であることが好ましい。
【0019】
本実施形態の吸収性物品用の表面シート10によれば、特に、第2繊維層2に、熱収縮が抑制された高密度化部分6を形成してあるため、以下の効果が奏される。
(1)第2繊維層2の全体的な厚みが薄くなること及び第1繊維層から第2繊維層への密度勾配ができることから、表面に排出された経血や尿等の液体を吸収体側に素早く移行させることができる。そのため、表面に液が残ることによるムレや皮膚トラブルの発生、表面付近に経血等の有色液体が残ることによる不清潔感等を効果的に防止することができる。第2繊維層への密度勾配は、第2繊維層の収縮した部分(熱収縮部分5)が密、第1繊維層の凸状に盛り上がった部分(凸部4)が粗となることにより形成され、この密度勾配により、表面シート上に排出された液は、例えば図2中の矢印Aに示すような経路で良好に吸収体側に移行する。
(2)熱収縮が抑制された高密度化部分6を形成することにより、高密度化部分6同士間及び接合部3と高密度化部分6との間が熱収縮部分で結ばれた、熱収縮繊維による密なネットワーク構造が形成されるため、ヨレにくく、皺ができにくい表面シートが得られる。
(3)高密度化部分6の形成により第2繊維層2の収縮後の厚みを制御することができ、第2繊維層2の厚みを減らことができるため、柔らかなシートとすることができ、吸収性物品に用いられた場合の装着感を向上させることができる。
【0020】
第1繊維層及び第2繊維層を構成する繊維について説明すると、第1繊維層を構成する繊維としては、熱融着性繊維、特に熱可塑性ポリマー材料からなる繊維が好適に用いられる。熱可塑性ポリマー材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。またこれらの熱可塑性ポリマー材料の組み合わせからなる芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維も用いることができる。
第1繊維層を構成する繊維の集合体の形態としては、例えばカード法によって形成されたウェブ、熱融着法によって形成された不織布、水流交絡法によって形成された不織布、ニードルパンチ法によって形成された不織布、溶剤接着法によって形成された不織布、スパンボンド法によって形成された不織布、メルトブローン法によって形成された不織布、又は編地などが挙げられる。
第1繊維層は、特にカード法によって形成されたウェブにより形成されていることが好ましい。第1繊維層1が、カード法によって形成されたウェブを用いて構成されていると、比較的に繊維をランダムに配向でき、収縮の際に第1繊維層が凸状に盛り上がり易く、且つ比較的、繊維密度の小さい(粗な)空間を得ることができる。更には、予め熱処理により繊維交絡点を適度に融着することも可能であるため、毛羽立ちなく、柔らかい表面設計が可能となる。
【0021】
カード法によって形成されたウェブとは、不織布化される前の状態の繊維集合体のことである。つまり、不織布を製造する際に用いられるカードウエブに加えられる後処理、例えばエアスルー法やカレンダー法による加熱融着処理が施されていない状態にある、繊維同士が極めて緩く絡んでいる状態の繊維集合体のことである。カード法によって形成されたウェブを第1繊維層に用いる場合には、第1繊維層1と第2繊維層2を接合させると同時に、または接合させた後、第1繊維層1中の繊維同士を、熱融着若しくは溶剤による接着又は機械的に交絡させる。
【0022】
第2繊維層を構成する繊維としては、熱収縮性繊維、特に熱可塑性ポリマー材料からなり且つ熱収縮性を有するものが好ましく用いられる。特に液吸収可能で且つ熱収縮部分が伸縮性を保持し表面シート全体を柔らかく設計できるという点から、特に潜在捲縮性繊維を用いることが好ましい。
潜在捲縮性繊維は、加熱される前は、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度での加熱によって螺旋状の捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。潜在捲縮性繊維を用いることで、熱収縮性と収縮後のエラストマー的挙動の両者を同時に発現させることができる。
【0023】
潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。その例としては、特開平9−296325号公報や特許2759331号明細書に記載のものが挙げられる。収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料の例としては、例えばエチレン−プロピレンランダム共重合体とポリプロピレンとの組み合わせが好適に挙げられる。
【0024】
第2繊維層を構成する繊維の集合体の形態としては、(1)潜在捲縮性繊維を含み且つカード法によって形成されたウェブ、または(2)熱収縮性を有する不織布として、熱融着法によって形成された不織布、水流交絡法によって形成された不織布、ニードルパンチ法によって形成された不織布、溶剤接着法によって形成された不織布、スパンボンド法によって形成された不織布、メルドブローン法によって形成された不織布が挙げられる。ここで、熱収縮性を有する不織布とは、所定温度での加熱によって収縮する性質の不織布のことである。
【0025】
第1繊維層1及び第2繊維層2には、前記以外の繊維、例えばレーヨン、コットン、親水化アクリル系繊維などの吸水性繊維を混綿することもできる。
例えば、第2繊維層には、熱融着繊維等、他の繊維を混ぜても良い。熱融着性繊維は、例えば、形状を安定させ、ヨレ・シワ防止性を高める目的で配合される。
本発明の表面シートにおいて、第2繊維層2は、熱収縮性繊維を30〜100重量%、特に50〜100重量%含有することが好ましい。熱収縮性繊維の含有率が30重量%以上であると、第1繊維層の非接合領域を凸状もしくは繊維密度を粗にせしめるに充分な変形を生じさせ得る収縮力が得られる。
また、第1繊維層1は、第2繊維層2に含有させる前記熱収縮性繊維の収縮開始温度では収縮しない繊維を50〜100重量%、特に70〜100重量%含有することが好ましい。該繊維の含有率が50重量%以上であると、第2繊維層の収縮領域よりも比較的繊維密度が小さい状態で第1繊維層を形成できる。
第1繊維層1にも、第2繊維層2に含有させる熱収縮性繊維を含有させても良いが、第2繊維層の収縮領域よりも比較的繊維密度が小さい状態の第1繊維層を形成できる観点から、第1繊維層1の熱収縮性繊維の含有率は、第2繊維層2の熱収縮性繊維の含有率よりも低いことが好ましい。このような設計をすること、第2繊維層は第1繊維層よりも収縮レベル(縮む程度)が大きいために、第1繊維層が盛り上がり、且つ第1繊維層に熱収縮繊維を配合することで、コイル状に縮んだ嵩高繊維が繊維間距離を拡げる役割を果たし、部分的に粗な空間を作り易くなる。
【0026】
本発明の吸収性物品用の表面シート10は、第1繊維層1の見掛け厚み〔t1,図5(a)参照〕が0.1〜3mm、特に0.5〜2.5mmであることが好ましく、第2繊維層2の見掛け厚み〔t2,図5(a)参照〕が0.2〜1.5mm、特に0.5〜1.5mmであることが好ましい。
【0027】
前記見掛け厚み(t1)が0.1mm以上であると、装着圧がかかった際に圧縮変形できる部分が充分となり、ふんわりとした柔らかい感触が得られる。また、3mm以下であると、吸収された液が第2繊維層2に到達するまでの距離(空間)が短くなるため、低荷重時の液吸収もスムーズにいく。
前記見掛け厚み(t2)が0.2mm以上であると、繊維ムラが生じるのを防止できる。本発明は、第1繊維層と第2繊維層の繊維密度差を設け、これにより生じる毛管力を利用して表面に液が残らない吸収力を設計しているが、繊維ムラが生じる場合は充分密な構造を作ることが困難であるが、斯かる繊維ムラを防止できる。また、1.5mm以下であると、第2繊維層の比較的粗な構造が吸収体への液移行を促進し、第2繊維層の液残り量を減少させることができ、経血の色の隠蔽性や液戻り防止性能等を向上させることができる。
【0028】
また、各凸部4の高さ〔t3,図5(a)参照〕は、装着感と吸収性の点から0.5〜5mm、特に0.5〜3mmが好ましい。凸部高さ(t3)を0.5mm以上とすることにより、皮膚との接触面積を減少させることができ、使用中の肌が閉塞されることによるムレやカブレの発生を防止することができる。また、凸部高さ(t3)が5mm以下であると、吸収された液が第2繊維層2に到達するまでの距離が小さくなり、低荷重時においても液の吸収がスムーズにいく。
【0029】
ここで、第1繊維層及び第2繊維層の見掛け厚みは、以下のようにして測定される。
先ず、表面シートから、縦横の長さが30mm×30mmの試験片を切り出す。そして、縦方向〔第1繊維層を構成する不織布(繊維集合体)の繊維配向方向(不織布製造時の流れ方向)〕に略平行で且つ接合部3を通る線で切断面を作る。ハイスコープ(オリンパス製、SZH10)にて、この断面の拡大写真を得る。
拡大写真のスケールを合わせて、第1繊維層の最大厚みを求め、これを第1繊維層の見掛け厚み(t1)とし、その第1繊維層の最大厚み測定部位において、第2繊維層の厚みを測定し、これを第2繊維層の見掛け厚み(t2)とする。即ち、第1繊維層及び第2繊維層の見掛け厚みは、シートの厚み方向に延びる同一直線上において測定する〔図5(a)参照〕。また、表面凹凸部の凸部高さ(t3)は、t1,t2と同様にして、凸部の底部から頂部までの隆起高さを測定する。
【0030】
また、本発明の吸収性物品用の表面シート1は、第1繊維層1の見掛け繊維密度(d1)よりも第2繊維層2の見掛け繊維密度(d2)が高く、第1繊維層1の見掛け繊維密度(d1)が0.001〜0.02g/cm3 、特に0.005〜0.015g/cm3 であることが好ましく、第2繊維層2の見掛け繊維密度(d2)が0.01〜0.2g/cm3 、特に0.02〜0.15g/cm3であることが好ましい。
【0031】
前記両見掛け繊維密度(d1),(d2)が上記の関係を満たしていると、表面シート10上に排出された液体が、第1繊維層内に素早く吸収され、しかも第1繊維層1内に吸収された液体が粗密勾配によりスムーズに第2繊維層2に移行し易くなるため、液体が表面シートの表面に残ることによる、ムレの発生や、痒みやカブレ、不快感等を一層効果的に防止することができる。
【0032】
尚、第1繊維層の見掛け繊維密度(d1)が0.001g/cm3 未満であると、疎な繊維空間になり過ぎ、繊維間の自由度が高まり過ぎて、毛羽立ちやすくなるので好ましくない。また、0.05g/cm3 超であると、第2繊維層2との疎密勾配のバランスが難しくなり、充分な毛管力を発現できない可能性が出てくる。
第2繊維層の見掛け繊維密度(d2)が0.01g/cm3 未満であると、充分な毛管力を発現できる程、密な構造には成り得ず、表面に液残りを生じてしまい、隠蔽性(清潔感)に劣ってしまう。また、0.2g/cm3 超であると、第2繊維層が密になり過ぎて吸収阻害を起こし、表面の液残りが問題となる可能性が出てくる。
【0033】
また、第1繊維層と第2繊維層からなる疎密構造を形成させ、充分な毛管力を発現させる観点から、前記見掛け繊維密度(d1)と前記見掛け繊維密度(d2)との比(d2/d1)は1.2以上、特に3〜10であることが好ましい。
【0034】
ここで、第1繊維層1及び第2繊維層2の見掛け繊維密度は、以下のようにして測定される。
先ず、表面シートから、縦横の長さが30mm×30mmの試験片を切り出す。
第1繊維層1の繊維密度については、前記試験片の縦方向〔第1繊維層を構成する繊維集合体の繊維配向方向(不織布製造時の流れ方向)〕に略平行で且つ接合部3を通る線上で厚み方向に垂直に切断面を作る。この断面より、上述した見掛け厚みの測定におけるのと同様にして、第1繊維層の見掛け厚みt1(mm)を測定する。
次に、収縮前(第1繊維層と第2繊維層の接合前)に予め測定した第1繊維層の面積(a1 ×b1 )と第1繊維層を第2繊維層に接合させ収縮させた後に測定した第1繊維層の面積(a2 ×b2 )とから、式〔収縮面積率A=((a1 ×b1 −a2 ×b2 )÷(a1 ×b1 ))×100〕によりサンプルの収縮面積率A(%)を求め〔図5(b)参照〕、更に、求めた収縮面積率A(%)と、収縮前(第1繊維層と第2繊維層の接合前)に予め測定した第1繊維層の坪量P1(g/m2)とから、式〔第1繊維層の坪量P2=P1×100/(100−A)〕により第1繊維層の坪量P2(g/m2)を求める。
そして、第1繊維層の見掛け繊維密度d1(g/cm3 )を、式〔d1=P2×(1/1000)×(1/t1)〕により求める。
第2繊維層2の見掛け繊維密度については、前記第1繊維層1の見掛け繊維密度の測定と同様にして求めることができる。この際、第2繊維層2の見掛け厚みt2は、上述した見掛け厚みの測定におけるのと同様にして測定し、この値を用いて見掛け繊維密度d2を算出する。
【0035】
また、表面シート10は、原材料コスト削減とシート全体を柔軟化する観点から、表面シート10はその坪量が20〜80g/m2 、特に20〜60g/m2 であることが好ましい。坪量は、表面シート10を50mm×50mm以上の大きさに裁断して測定片を採取し、この測定片の重量を最小表示1mgの電子天秤を用いて測定し坪量に換算することで求める。
【0036】
また、本発明の吸収性物品用の表面シート10は、荷重10gf/cm2 の圧縮変形をさせた際の1gf/cm2 当たりの厚み変形量が0.03〜0.3mm、特に0.04〜0.2mmであることが好ましい。
前記厚み変形量が0.03mm以上であると、低荷重において充分な厚み変形量が得られるため、使用者に対してふんわりした柔らかさを提供することができる。
前記厚み変形量が0.3mm以下であると、表面シートの厚みを著しく高めることがなく、また、繊維構造(空間)が自在に変化して予め設計した繊維構造を維持できなくなるという不都合を防止でき、優れた吸収性能を損なうことがない。
【0037】
前記荷重10gf/cm2 の圧縮変形をさせた際の1gf/cm2 当たりの厚み変形量は、以下のようにして測定される。
前記厚み変形量の測定は、カトーテック株式会社製、KES−FB3圧縮試験機を用いて測定する。この試験機は、面積2cm2 の円形の圧縮面を持つ加圧部を下降−上昇させることにより、布やフィルム状の試料に圧縮−回復荷重を与え、その圧縮及び回復過程の一サイクルの圧縮荷重−圧縮変形量のヒステリシス曲線を得、そこから、試料厚み、圧縮仕事量、回復性等を求めることができるものである。
【0038】
先ず、表面シートを、2.5cm×2.5cmの正方形に切りとり、これを試料として、圧縮試験機にセットする。そして、加圧速度0.02mm/秒で加圧部を下降させてシートを加圧し、荷重50gf/cm2 になるまで圧縮した時点で、切り替えスイッチ(MANUAL RETURN スイッチ)押して加圧部を下降から上昇に変え、荷重0gf/cm2 となるまで圧縮加圧部を上昇させる。この圧縮−回復過程の一サイクルにおけるヒステリシス曲線を得る。
得られたヒステリシス曲線より、圧縮過程における荷重が10gf/cm2 の時の試料の厚み(t4)を求め、0.5gf/cm2 の荷重時の試料の厚みを初期厚み(t5)として、厚みの減少量〔t5−t4〕(mm)を算出し、これを10で除して、1gf/cm2 当たりの厚み変形量とする。
【0039】
また、本発明の吸収性物品用の表面シートは、その表面白度がL値で60以上であることが好ましく、赤色板隠蔽率が35%以上、特に40以上であることが好ましい。
【0040】
表面シート1のL値(L1)が60以上であると、従来のフィルムタイプ表面シートと同様の清潔感(吸収した液の見えにくさ)を実現することができる。尚、このL値は、吸収体に吸収させて拡がった液(経血)をカバーするレベル値であり、値が100に近い程白いことを示す。
【0041】
ここで、表面シートのL値(L1)及び赤色板隠蔽率は、それぞれ以下のようにして測定される。
【0042】
〔表面シートのL値(L1)〕
日本電色株式会社製の色差計(品番SZ−Σ80)を用いて測定される。サンプル測定前に、標準白色板にて標準合わせを行う。この際、投光パイプは30φ、試料台は30mmφを用いる。標準合わせを行った後、試料台に表面シート(単体)のサンプルを載せる。サンプルは、表面白度を測定したい面(本発明の場合は、肌当接面となる側)を投光側にして置く。次にサンプルの上方面(測定面とは逆の面)に付属の試料押さえ板(黒色板)を置く。測定は、1サンプルについて異なる部位で計5回測定し、この平均値をL値(表面白度)として記録する。
【0043】
〔赤色板隠蔽率〕
赤色板隠蔽率は、前記試料押さえ(黒色板)を外し、代わりに付属の赤色板を置いて測定を行う。赤色板隠蔽率は次のようにして求める。
初めに、付属の赤色板(赤色面を測定面とする)の分光カーブを測定する。得られた吸収波長の中でも特に500cm-1を選択し、この際の反射率を記録する(Ra)。次に赤色板を外して、試料台にサンプルを置き、更にサンプル裏面(測定面とは逆の面)と赤色板の赤色面が向き合うように赤色板を置く。測定は1サンプルについて異なる部位で計5回測定し、500cm-1の反射率の平均値(Rb)を算出する。得られたRa、Rbの値より、赤色板隠蔽率は次式(1)により求められる。
赤色板隠蔽率(%)=〔(Rb−Ra)/(100−Ra)〕×100 (1)
【0044】
次に、本発明の吸収性物品用の表面シートの製造方法について、上述した表面シート10を製造する場合を例に、図6を参照しながら説明する。
先ず、図6(a)に示すように、熱収縮性繊維を含む繊維集合体に、熱エンボス処理を施して、高密度化部分6を有する第2繊維層2を形成する。
【0045】
次いで、図6(b)に示すように、第2繊維層の片面に、第1繊維層として他の繊維集合体を積層し、図6(c)に示すように、両繊維層を所定パターンの接合部で部分的に接合させる。
そして、図6(d)に示すように、第2繊維層に含まれる熱収縮性繊維が熱収縮を開始する温度以上で熱処理して、第2繊維層を収縮させる。これにより、第1繊維層1における接合部以外の部分が凸状に変形した表面シート10が得られる。このとき、第2繊維層2の熱収縮率は、熱収縮のコントロール、立体シート材料の伸張回復性、圧縮変形性、凸部の形成に伴う嵩高性の点から、20〜90%、特に40〜80%とすることが好ましい。熱収縮率は面積収縮率であり、収縮前の基準面積S0、基準面積の収縮後の面積S1から下記の式(2)にて求められる。
収縮率(%)=〔(S0−S1)/S0〕×100 (2)
【0046】
第2繊維層を収縮させるには、例えば卓上型の恒温乾燥機や、熱接着不織布を製造する際に用いられるエアスルー熱処理機などが用いられる。
【0047】
尚、本発明の吸収性物品用の表面シートは、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、両シート間に介在される吸収体とを具備する吸収性物品の表面シートとして好ましく用いられ、吸収性物品としては、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、失禁パッド、パンティライナー等が挙げられる。
【0048】
〔実施例1〕
(1)第1繊維層の製造
熱融着繊維として大和紡績株式会社製の芯鞘型複合繊維(商品名NBF−SH、芯:ポリエチレンテレフタレート、鞘:ポリエチレン、芯/鞘重量比=5/5、繊度2.2dtex、繊維長51mm、以下において、この繊維を「非収縮性繊維A」という)を用いた。
この繊維をカードにて解繊してウエブとし、熱処理(120℃)して、坪量15g/m2の不織布を得た。
【0049】
(2)第2繊維層の製造
潜在捲縮性繊維〔エチレン−プロピレンランダム共重合体(EP)を芯成分とし、ポリプロピレン(PP)を鞘成分とした熱収縮性を示す芯鞘型複合繊維(2.2dtex、大和紡績株式会社製、熱収縮開始温度Ts90℃、以下において、この繊維を「収縮性繊維B」という)を原料としてカードウエブを製造し、このウエブに対して、凹凸ロールと平滑ロールからなる熱エンボスロール装置(ロール温度;エンボス面145℃)を用い、エンボス加工した。
この際、ウエブにおける潜在捲縮性繊維の温度が、該潜在捲縮性繊維の熱収縮開始温度Tsより低くなるまで該ウエブにMD方向へのテンションを与えつづけることで、第2繊維層の収縮を抑制した。
このエンボス加工の際の凹凸ロールのエンボスパターンは、図4(a)に示すような散点状のパターンであり、個々のエンボス点が円状(エンボス面積0.0055cm2)で且つMD方向(製造時の流れ方向)に隣接するエンボス点の中心間距離(ピッチ)P1が1.4mm、CD方向(MD方向と交差する方向)に隣接するエンボス点の中心間距離(ピッチ)P2が1.4mmであり、エンボス面積率28%であった。得られたヒートエンボス不織布(第2繊維層)の坪量は20g/m2であった。
【0050】
(3)表面シートの製造
両不織布を重ね合わせて、凹凸ロールと平滑ロールとの組み合わせからなる熱エンボスロール装置に通し、両不織布を接合一体化した。凹凸ロール温度は155℃に設定した。この際の凹凸ロールのエンボスパターンは、図4(b)に示すような、いわゆる千鳥状のパターンであり、個々のエンボス点が円状(エンボス面積0.047cm2)で且つMD方向に隣接するエンボス点の中心間距離(ピッチ)P1が7mm、CD方向に隣接するエンボス点の中心間距離(ピッチ)P2が7mm、斜め45℃に隣接するエンボス点の中心間距離(ピッチ)P3が5mmであり、エンボス面積率7.2%であった。
両不織布を接合一体化させた後、130℃に加熱した熱乾燥機内にて1〜3分間熱処理を行なった。この際所望の収縮率に設計するためにピンテンター(予め収縮後寸法にあわせて四辺にピンを配列し、収縮前にサンプルをピンで固定することで、ピンで決められた面積以下には収縮しないようにできる装置)を利用し、坪量60g/m2の表面シートを得た。
【0051】
〔実施例2〕
前記非収縮性繊維Aと前記収縮性繊維Bとを重量比85:15(前者:後者)の比率で混綿し、この混合繊維をカードにて解繊してウエブとし、これを熱処理(120℃)して、坪量15g/m2の不織布(第1繊維層)を得た以外は、実施例1と同様にして表面シートを得た。
【0052】
〔実施例3〕
前記非収縮性繊維Aと前記収縮性繊維Bとを重量比70:30(前者:後者)の比率で混綿し、この混合繊維をカードにて解繊してウエブとし、これを熱処理(120℃)して、坪量15g/m2の不織布(第1繊維層)を得た以外は、実施例1と同様にして表面シートを得た。
【0053】
〔比較例1〕
前記収縮性繊維Bを原料として坪量35g/m2のカードウエブを製造し、このウエブ層を、エンボス加工を施さずに第2繊維層として用いた以外は、実施例1と同様にして表面シートを得た。
【0054】
〔比較例2〕
坪量12g/m2のポリプロピレン繊維100%からなるスパンボンド不織布を第1繊維層として用いた以外は、比較例1と同様にして表面シートを得た。
【0055】
〔比較例3〕
花王(株)製の生理用ナプキンであるロリエさらさらクッションスリムウイングなし(薬事販売名 ロリエUN−f−11)に使用されている不織布製の表面シートを比較例3とした。この表面シートは、芯鞘型複合繊維(芯:ポリエチレンテレフタレート、鞘:ポリエチレン、芯/鞘の重量比=5/5、繊度2.2dtex、繊維長51mm)をエアスルー法にて不織布化した不織布からなる。
【0056】
〔比較例4〕
花王(株)製の生理用ナプキンであるロリエドライupメッシュレギュラー(薬事販売名 ロリエDR−h−114)に使用されている開孔フィルム表面シートを比較例4とした。この表面シートは、ポリエチレンからなる樹脂フィルムに開孔を施したものである。
【0057】
得られた各表面シートについて、坪量、第1繊維層の見掛け厚み及び繊維密度(d1)、第2繊維層の見掛け厚み及び繊維密度(d2)、荷重10gf/cm2 の圧縮変形をさせた際の1gf/cm2 当たりの厚み変形量、表面白度(L値;L1)、赤色板隠蔽率を測定し、結果を表1に示した。
【0058】
〔吸収後の表面白度評価〕
各表面シートを用いて生理用ナプキンを製造し、その生理用ナプキンの液吸収前の表面白度(L値;La)及び液吸収後の表面白度(L値;Lb)を後述する方法で測定し、それらの差(La―Lb)を算出して表1に示した。
液吸収後の表面白度Lbは、表面シート上に滲んだ液(経血)の見えにくさの尺度であり、排泄部と接する領域(中央)に関連する値である。数値が大きい程、表層に液が残っていないことを示す。前記Lbが60以上であると、滲んだ液(経血)が見えにくい従来のフィルムタイプの表面シートと同レベルの見えにくさ(清潔感)を実現できる。
吸収性物品の表面白度において、吸収前のL値(La)と吸収後のL値(Lb)の差は、それが小さい程、表層に液が残らず、見た目にも清潔で、且つムレ・カブレを生じる可能性の少ないことを示す。前記La−Lbが40以上であると、液吸収後の表面白度において、液滲みが著しくなり、表層に液が残ってしまうことを示す。
【0059】
(1)生理用ナプキンの構造;花王株式会社製の生理用ナプキンであるロリエさらさらクッションスリムウイングなし(薬事販売名:ロリエ UN−f−11)と同様の構成(表面シートの下に、吸収体及び裏面シートを順に配置し、これに防漏溝及び周縁シール部を形成した構成)。
裏面シート及び吸収体は、それぞれ、上記のロリエさらさらクッションスリムウイングなしに用いられている裏面シート(ポリエチレンフィルム製)及び吸収体(厚み4.5mm、坪量200g/m2 のフラッフパルプ中に吸水ポリマー(アクリル酸・アクリル酸ナトリウム塩共重合体)40g/m2 を配合したものを、更に16g/m2 の吸収紙で包んだ構成)を用いた。
【0060】
(2)吸収性物品(製品)の液吸収前の表面白度(La)
表面シートのL値の測定方法と同様に、日本電色株式会社製の色差計(品番SZ−Σ80)を用いて測定する。製品の表面シート側が投光側となるように製品自体を測定台にのせて測定する。それ以外は、前述の表面シート単体の表面白度の測定と同様に行い、液吸収前のL値(La)を得る。
【0061】
(3)吸収性物品(製品)の液吸収後の表面白度(Lb)
次のようにして擬似血液を調製する。
2Lのビーカーにイオン交換水1500gを入れ、マグネティックスターラーで撹拌しながら、カルボキシメチルセルロースナトリウム〔関東化学(株)製, CMC−Na〕5.3gを入れる(この溶液を「A」とする)。次に、1Lのビーカーにイオン交換水556gを入れ、スターラーで撹拌しながら塩化ナトリウム〔関東化学(株)製〕27.0g、炭酸水素ナトリウム〔NaHCO2 ,関東化学(株)製〕12gを入れ、完全に溶解させる(この溶液を「B」とする)。更に、3Lのビーカーにグリセリンを900g量り取り、上記(A)及び(B)を加えて撹拌する。
更に、ノニオン系の界面活性剤「エマルゲン935」〔製造販売元 花王(株)〕の濃度(界面活性剤/水)=1g/Lの水溶液15mlと、食用赤色2号〔発売元:アイゼン(株),保土ヶ谷化学工業(株)、製造元:ダイワ化成(株)〕0.3gを加え、撹拌する。
このようにして得られた溶液を、ガラス濾過器を用いて吸引濾過し、その濾液を擬似血液とする。
【0062】
尚、擬似血液の調製の際には、上述した界面活性剤に代えて、他のノニオン系の界面活性剤を用いることもでき、同様の結果を得ることができる。但し、界面活性剤の使用量を、最終的に得られる擬似血液のガラス表面に対する接触角が35〜40゜の範囲になるように調整する必要がある。前記接触角は、接触角測定装置(協和界面科学(株),FACE接触角計 CA−A型)を用い、ガラス表面(エタノール洗浄後)と擬似血液との接触角を測定する。
【0063】
得られた擬似血液6gを、10mLのビーカーに入れ、予め表面白度を測定したサンプル(製品)の表面シート側より静かに注ぐ。
液を注ぐ際には、内径22mmの大径部と内径10mmの小径部を有し、中心軸に対して約45度に傾斜する傾斜面を介して大径部及び小径部の内周面同士が連続する高さ50mmの円筒体を、前記小径部と同一内径の円形貫通孔を中央に有するアクリルプレート(長さ200mm×幅100mm×厚み8mm)の該円形貫通孔の開口周縁部に、軸を一致させて結合させた構成の液注入具を用いる。前記円筒体は、小径部側の端部が前記プレートに結合されている。この液注入具においては、円筒体の大径部側の開口部から注入した液が、プレート下面の開口部(直径10mm)から排出される。
サンプルへの液の注入は、プレート下面の開口部を、製品の排泄ポイントとなる部分〔例外はあるが、本評価では製品中心部(長手方向/幅方向の中心)〕に当てて行う。擬似血液6gの液注入具への注入は約5秒間で完了させる。
擬似血液を注ぎ切った後、120秒間(2分間)放置してから、液吸収前のL値(La)の測定と同様にして表面白度を測定し、得られた表面白度を液吸収後のL値(Lb)とする。
【0064】
〔液残り量の評価〕
表面シートから吸収体への液の移行性を評価するべく、表面シート上に残存する液量を測定した。液量が少ない程、吸収体への液移行がスムーズであることを示す。
高健(株)製の歩行運動対応人体モデルを用いる。人体モデルを歩行速度100歩/分に設定する。吸収性物品を、花王株式会社製のショーツ(「ロリエショーツ」,スタンダートショーツLサイズ)に取り付け、人体モデルに装着する。尚、表面シートは、縦100mm×横80mmに切り取ったものを用い、予め重量を測定しておく。
1分間歩行させた後、評価液(馬脱繊維血液:日本バイオテスト研究所製)を0.13g/秒の注入速度で2g注入し、更に29分間歩行させる。歩行後、表面シートの重量を測定し、予め測定した液吸収前の表面シートの重量との差より、表面シート中に残った液量を求める。3回測定し、その平均値を液残り量として表1に示した。
【0065】
〔ヨレ、シワの低減効果の評価〕
花王株式会社製の生理用ナプキンであるロリエさらさらクッションスリムウイングなし(薬事販売名:ロリエ UN−f−11)を複数枚用意し、それぞれから表面シートを取り除いた。実施例及び比較例の各表面シートを、横75mm×長さ180mmの寸法に裁断し、それを、表面シートを取り除いた前記生理用ナプキンの吸収体上面に重ね、ナプキンの両サイド部分(吸収体幅方向端から5mm内側の位置)においてホッチキスで固定した。各サイド部分は、ナプキンの前方部、中央部及び後方部の3カ所において固定し、ナプキン全体では合計6カ所を固定した。
得られた生理用ナプキンを、ショーツ(花王株式会社のロリエスタンダードショーツ)に固定し、それを、人体腰部モデル(人体の腰部を模してあり、両脚を前後させて歩行運動するもの)に装着して歩行動作を開始し、1分後に2g/15秒の注入速度で着色水6gを注入し、更に30分間歩行運動を継続する。
30分経過後に、サンプルを取り外し、その表面状態(表面材のヨレ、シワの程度)を女性7人に観察させ、ヨレ、シワの程度を下記の評価基準で評価させた(N=7)。その結果を表1に併せて示した。
○;ヨレ、シワがない。
△;ヨレ、シワはあるが、気になるレベルではない。
×;ヨレ、シワが目立つ。
【0066】
【表1】
Figure 0003877682
【0067】
本発明の吸収性物品用の表面シートは、吸収性物品に組み込まれた状態において、肌当接面の一部のみに上述した凸部4等を有するものであっても良い。例えば、図7に示す生理用ナプキン20は、液透過性の表面シート10、液不透過性の裏面シート30及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体40を具備し、肌当接面に、規則的に形成された凹凸領域11、及び該凹凸領域11における凸部4よりも高さの低い凸部が形成された非凹凸領域12を有している。
凹凸領域11における多数の凸部4は、熱収縮可能な状態にある熱収縮性繊維を含み、構成繊維が熱エンボスによって部分的に熱融着された高密度化部分を有する第2繊維層(熱収縮性不織布)を、第1繊維層と部分的に接合した後に収縮させることによって、第1繊維層の接合部以外の部位を隆起させて生じさせたものである。非凹凸領域12は、ナプキン製造時に第2繊維層を充分に収縮させなかった領域であり、該領域12内の凸部は、該凹凸領域11における凸部4に比べて高さが格段に低いので図示を省略してある。凹凸領域11は、ナプキンを長手方向に前方部A、排泄部対向部(着用者の液排泄部に対向配置される排泄ポイント部を幅方向中央に有する部分)B及び後方部Cに区分した際の排泄部対向部B、より詳細には排泄部対向部Bの幅方向中央部(前記排泄ポイント部)に形成されている。他方、非凹凸領域12は、凹凸領域11を囲むように該凹凸領域11の周囲に形成されている。
【0068】
また、図8(a)に示す生理用ナプキンは、長手方向の両側部(排泄ポイント部の両側)に凹凸領域11を有し、凹凸領域11同士間が非凹凸領域12となっており、図8(b)に示す生理用ナプキンは、長手方向の後方部に凹凸領域11を有し、その他の部位が非凹凸領域12となっている。
更に、本発明の吸収性物品用の表面シートを、吸収性物品の肌当接面の一部(中央部、両側部、後方部等)のみに貼り付けて吸収性物品の表面シートとして用いても良い。
【0069】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品用の表面シートは、経血や尿等の液体を吸収体に素早く移行させることができ、柔らかであり、且つよれやしわが生じにくいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品用の表面シートの一実施形態を示す部分拡大斜視図である。
【図2】図2は、図1のX−X線断面を模式的に示す図である。
【図3】図3は、接合部のパターンの例を示す図である。
【図4】図4は、接合部及び高密度化部分の形成パターンの例を示す図である。
【図5】図5(a)は、見掛け厚み及び凸部高さの測定方法を説明するための模式図(図2に対応する模式断面図)である。図5(b)は、収縮面積率を説明するための模式図である。
【図6】図6は、吸収性物品用の表面シートの製造方法を示す概略工程図である。
【図7】図7は、本発明の吸収性物品用の表面シートを用いた生理用ナプキンの一例を示す斜視図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、それぞれ、本発明の吸収性物品用の表面シートを用いた生理用ナプキンの一例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 吸収性物品用の表面シート
1 第1繊維層
2 第2繊維層
3 接合部
4 凸部
5 熱収縮部分
6 高密度化部分

Claims (4)

  1. 肌側に配される第1繊維層と吸収体側に配される第2繊維層とが積層されて所定パターンの接合部で部分的に接合されており、
    第1繊維層は、前記接合部以外の部分が肌側に凸状をなしており、
    第2繊維層は、熱収縮性繊維を含む繊維集合体からなり、熱収縮した熱収縮部分と熱収縮が抑制された高密度化部分とを有しており、
    前記高密度化部分は、熱収縮させる前の第2繊維層に熱エンボス加工を施して形成されている、吸収性物品用の表面シート。
  2. 第2繊維層は、熱収縮性繊維を30〜100重量%含有し、第1繊維層は、前記熱収縮性繊維の収縮開始温度では収縮しない繊維を50〜100重量%含有し且つ前記熱収縮性繊維を含有する場合の該熱収縮性繊維の含有率が第2繊維層の該熱収縮性繊維の含有率よりも低い請求項記載の吸収性物品用の表面シート。
  3. 第1繊維層の見掛け厚み(t1)が0.1〜3mmであり、第2繊維層の見掛け厚み(t2)が0.2〜1.5mmであり、
    シート全体の坪量が20〜80g/m2である請求項1又は2記載の吸収性物品用の表面シート。
  4. 肌側に配される第1繊維層と吸収体側に配される第2繊維層とが積層されて所定パターンの接合部で部分的に接合されており、第1繊維層は、前記接合部以外の部分が肌側に凸状をなしており、第2繊維層は、熱収縮性繊維を含む繊維集合体からなり、熱収縮した熱収縮部分と熱収縮が抑制された高密度化部分とを有する吸収性物品用の表面シートの製造方法であって、
    熱収縮性繊維を含む繊維集合体に、熱エンボス処理を施して、高密度化部分を有する第2繊維層を形成し、第2繊維層の片面に、第1繊維層としての繊維集合体を積層して両繊維層を部分的に接合し、次いで、第2繊維層を熱収縮させることを特徴とする吸収性物品用の表面シートの製造方法。
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