JP4033774B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面シートが肌に張り付きにくく、ヨレにくく、吸収性能に優れた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の開発課題は、経血や尿などの人体からの排出物を吸収し保持して漏れないようにすること、また着用者の肌と密接して使用されるため、着用者に不快感を与えないこと、及び蒸れなどによって着用者の肌がかぶれないようにすることにある。
【0003】
前記課題を解決するため、着用者の肌側に配される側の面に凹凸形状を形成した立体シートを、吸収性物品の表面シートとして用いることが行われている。
しかし、従来の立体シートを用いた吸収性物品は、立体シートからなる表面シートが着用中に着用者の肌に張り付いて不快感を与えたり、表面シートと吸収体との間に隙間が生じて、表面シートから吸収体へのスムーズな液の移行が妨げられ、それにより、ムレやカブレの原因となったり、液の色が目立って不清潔な印象を与える等の問題があった。
【0004】
尚、特開平9−168562号公報(特許文献1)には、伸縮性の表面シートを伸張させて固定することが記載されている。しかし、表面シートを伸張させる目的は、物品を湾曲させることにあり、同公報には、物品を湾曲させる目的以外の目的で、表面シートを伸張させることについて何ら記載されていない。
また、特開平9−3755号公報(特許文献2)には、使い捨ておむつ等の面ファスナーの雌材に用いられる不織布として、熱収縮性繊維を含む層と、非熱収縮性繊維を含む層とを積層し、両層を部分的に熱融着すると共に熱収縮性繊維を含む層を熱収縮させて製造された、表面に凹凸を有する不織布が記載されている。しかし、同公報の不織布は、エラストマー的挙動を有しておらず、従って、該不織布を伸張させて固定することについて何ら記載されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−168562号公報
【特許文献2】
特開平9−3755号公報
【0006】
従って、本発明の目的は、表面シートが着用中に肌に張り付きにくく、また、表面シートから吸収体に液をスムーズに移行させ、ムレやカブレ、液の色が目立つことによる不清潔な印象等を防止することができ、更に、ヨレが生じにくい吸収性物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備し、実質的に縦長に形成された吸収性物品において、前記表面シートは、シート全体がエラストマー的挙動を示す立体シートからなり、前記立体シートは、肌側に配される第1層と前記吸収体側に配される第2層とが積層されて所定パターンの接合部で部分的に接合されており、第1層は、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ実質的に熱収縮性を有しないか又は前記熱収縮性を有する繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しない繊維を含む集合体からなり、第1層は、前記接合部以外の部分が肌側に凸状をなし、第2層は、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ熱収縮性を有し、エラストマー的挙動を示す繊維を含む集合体からなり、前記表面シートは、吸収性物品の長手方向及び/又は幅方向に伸張された状態で固定されている吸収性物品を提供することにより、前記目的を達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。先ず、本発明において表面シートとして用いる立体シートの好ましい例を、図1及び図2を参照して説明する。
図1及び図2に示す立体シート10は、肌側に配される第1層1と前記吸収体側に配される第2層2とからなる。第1層1及び第2層2は、それぞれ繊維集合体からなり、互いに積層されて所定パターンの接合部3で部分的に接合されている。
接合部3は、いわゆる千鳥状のパターン(図3参照)で配されており、個々の接合部3は、それぞれ平面視円形で不連続に形成されている。接合部3は、圧密化されており、立体シート10における他の部位に比して厚みが小さく且つ密度が大きくなっている。
【0009】
接合部3は、例えば熱エンボス、超音波エンボス、接着剤による接着などの各種接合手段によって形成される。本実施形態における接合部3は円形のものであるが、接合部3の形状は、円形の他、楕円形、三角形、矩形又はこれらの組み合わせ等であってもよい。また接合部3を、連続した形状、例えば直線や曲線などの線状、格子状等に形成してもよい。接合部の形成パターンの他の例を図4に示した。
【0010】
第1層1は、繊維集合体から構成されており、第2層2との接合部3以外の部分が肌側に凸状をなしている。即ち、立体シート10を平面視した場合において、第1層1の接合部3同士間に位置する部分(詳細には、四隅部に接合部3を有する矩形状部分)が凸状(ドーム状)をなしており、それにより、多数の凸部4が表面シート10の肌側面に形成されている。各凸部4の内部は、第1層1を構成する繊維で満たされており、また、接合部同士間における第1層1と第2層2との界面は、接合はされていないが全域に亘って密着した状態とされている。凸部4の形状は、主として、第1層1を構成する繊維集合体の形態及び接合部3のパターンにより決まる。
第1層1は、第2層2を構成する繊維と異なる種類及び/又は配合の繊維の集合体から構成されている。
【0011】
尚、本実施形態における立体シート10の第2層2は、接合部3間においてほぼ平坦面を保っており(図2参照)、立体シート10全体として見ると、第2層2側が平坦であり、且つ第1層1側に多数の凸部を有する構造となっている。
また、第1層1により形成される凸部4は、その内部が繊維で満たされていることに代えて、その内部が空洞(中空状)となっていてもよい。この場合には、第1層1を構成する繊維集合体は不織布または編地からなる。
【0012】
立体シート10の面積に対する接合部3の面積率(立体シート10の単位面積当りの接合部3の面積,第2層を収縮させる前に測定)は、第1層1と第2層2との接合を十分に高くする点、及び凸部4を充分に形成して嵩高さを発現させる点から2〜15%、特に5〜10%であることが好ましい。
【0013】
また、立体シート10は、各凸部4の高さT(図2参照)が、立体シートに充分な圧縮変形性及び嵩高性を付与する観点から0.5〜5mm、特に0.5〜3mmであることが好ましい。凸部高さTを0.5mm以上とすることにより、皮膚との接触面積を減少させることができ、使用中の肌が閉塞されることによるムレやカブレの発生を防止することができる。また、凸部高さTを5mm以下とすることにより、吸収された液が第2層2に到達するまでの距離が小さくなり、低荷重時においても液の吸収がスムーズにいく。
【0014】
ここで、凸部4の高さは、以下のようにして測定される。
先ず、立体シートから、縦横の長さが30mm×30mmの試験片を切り出す。そして、縦方向〔第1層を構成する不織布(繊維集合体)の繊維配向方向(不織布製造時の流れ方向)〕に略平行で且つ接合部3を通る線で切断面を作る。ハイスコープ(オリンパス製、SZH10)にて、この断面の拡大写真を得る。
拡大写真のスケールを合わせて、凸部4の頂部から底部(隣接する接合部3の上面)までの高さを測定する。
【0015】
立体シート10は、シート全体が柔らかく、且つ吸収体への液移行がスムーズで表面シートで液を保持させない点から、その坪量が20〜150g/m2 、特に20〜80g/m2 であることが好ましい。坪量は、立体シート10を50mm×50mm以上の大きさに裁断して測定片を採取し、この測定片の重量を最小表示1mgの電子天秤を用いて測定し坪量に換算することで求める。
【0016】
また、肌に対して柔らかく変形して心地よい装着感を提供できる点から、立体シート10の第1層は、その坪量が5〜40g/m2 、特に5〜30g/m2であることが好ましく、第2層は、伸縮特性を発現できる程に構成繊維の1つである収縮繊維を充分に収縮させる観点から、その坪量が5〜50g/m2 、特に5〜40g/m2であることが好ましい。第1及び第2層の坪量は、両層を接合する前のそれぞれの坪量である。
【0017】
立体シート10中において第2層2はエラストマー的挙動を示す材料から構成されており、第2層2をその平面方向(立体シート10の面と平行な方向)へ伸張させた場合に所定の収縮応力を発現する。更に立体シート10は全体としてエラストマー的挙動を示し、伸縮性を有する。
これによって、立体シート10を、伸張させて吸収性物品の表面シートとして用いた場合に、嵩高性、圧縮変形性、通気性、吸収性といった立体シートの利点を損なうことなく、肌への張り付き易さの改善、吸収性能及びヨレ防止性能の向上を図ることができる。尚、第1層1に関しては、伸張可能であればよく、エラストマー的挙動を示すか否かは特に問われない。第1及び第2層は何れも繊維集合体から構成されているので、立体シート10は全体として通気性を有している。
【0018】
十分に高いエラストマー的挙動を発現させる観点から、立体シート10は、その50%伸張時の伸張回復率が50%以上、特に60%以上、とりわけ60〜90%であることが好ましい。伸張回復率は、立体シート10の流れ方向及び幅方向において値が異なる場合があるが、少なくとも何れかの方向において測定された伸張回復率の値が前記範囲内であれば、十分なエラストマー的挙動が発現する。
【0019】
伸張回復率は、以下の方法で測定される。株式会社東洋ボールドウイン製の引張圧縮試験機RTM−100(商品名)を用い引張モードで測定する。先ず、立体シート10を50mm×50mmの大きさに裁断し測定片を採取する。測定片を引張圧縮試験機に装着されたエアーチャック間に初期試料長(チャック間距離)30mmでセットし、引張圧縮試験機のロードセル(定格出力5kg)に取り付けられたチャックを100mm/分の速度で上昇させて、測定片を伸張させる。測定片が初期試料長の50%、つまり15mm伸びた時点で、チャックの移動方向を逆転させ、チャックを100mm/分の速度で下降させ、初期試料長の位置まで戻す。この間の操作でロードセルで検出される荷重と、測定片の伸びとの関係をチャートに記録し、このチャートに基づき下記式(1)から伸張回復率を求める。
伸張回復率=回復伸び/最大伸び長さ(=15mm) ×100 (1)
ここで、回復伸びは、最大伸び長さ(=15mm)からチャックを下降させて、初めて荷重ゼロを記録したときの、最大伸び長さからのチャック移動距離で定義される。
【0020】
第1層1及び第2層2を構成する繊維について説明すると、第1層1を構成する繊維としては、熱融着性繊維、特に熱可塑性ポリマー材料からなる繊維が好適に用いられる。熱可塑性ポリマー材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。またこれらの熱可塑性ポリマー材料の組み合わせからなる芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維も用いることができる。また第1層1を構成する繊維として、実質的に熱収縮性を有しないか、又は後述する第2層2を構成する繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しないものを用いる。前記繊維の繊度は、立体シート10の用途にもよるが、0.5〜20dtex、特に1.0〜10dtexであることが、繊維の製造の容易さの点、及び立体シート10を例えば吸収性物品の構成部材として用いる場合に良好な感触を発現させる点から好ましい。
【0021】
第2層を構成する繊維としては、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ熱収縮性を有するものが用いられる。また該繊維は、エラストマー的挙動を示すものが用いられる。そのような繊維の例としては、潜在捲縮性繊維が挙げられる。潜在捲縮性繊維は、加熱される前は、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度での加熱によって螺旋状の捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。潜在捲縮性繊維を用いることで、熱収縮性とエラストマー的挙動の両者を同時に発現させることができる。
【0022】
潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。その例としては、特開平9−296325号公報や特許2759331号明細書に記載のものが挙げられる。
【0023】
第1層1及び第2層2には、前記以外の繊維、例えばレーヨン、コットン、親水化アクリル系繊維などの吸水性繊維を混綿することもできる。
【0024】
第1層を構成する繊維の集合体の形態としては、例えばカード法によって形成されたウェブ、熱融着法によって形成された不織布、水流交絡法によって形成された不織布、ニードルパンチ法によって形成された不織布、溶剤接着法によって形成された不織布、スパンボンド法によって形成された不織布、メルトブローン法によって形成された不織布、又は編地などが挙げられる。第1層1が、カード法によって形成されたウェブの形態である場合には、立体シート10に、嵩高で且つ該ウェブを構成する繊維で満たされた凸部が形成され、また該繊維が凸部に沿うように配向する。一方、第1層1が不織布又は編地の形態である場合には、中空の凸部が形成される。特に、第1層1が、カード法によって形成されたウェブを用いて構成されていると、第1層1が極めて疎な構造となり、立体シート10は、粘度の高い液の透過や保持が可能となる。また立体シート10を厚み方向へ圧縮させたときの圧縮変形性も高くなる。粘度の高い液としては、軟便若しくは経血、対人用の清浄剤若しくは保湿剤、又は対物用の清浄剤が挙げられる。
【0025】
カード法によって形成されたウェブとは、不織布化される前の状態の繊維集合体のことである。つまり、不織布を製造する際に用いられるカードウエブに加えられる後処理、例えばエアスルー法やカレンダー法による加熱融着処理が施されていない状態にある、繊維同士が極めて緩く絡んでいる状態の繊維集合体のことである。カード法によって形成されたウェブを第1層に用いる場合に、第1層1と第2層2を接合させると同時に、または接合させた後、第1層1中の繊維同士を、熱融着若しくは溶剤による接着又は機械的に交絡させる。
【0026】
一方、第2層を構成する繊維の集合体の形態としては、(1)潜在捲縮性繊維を含み且つカード法によって形成されたウェブ、または(2)熱収縮性を有する不織布として、熱融着法によって形成された不織布、水流交絡法によって形成された不織布、ニードルパンチ法によって形成された不織布、溶剤接着法によって形成された不織布、スパンボンド法によって形成された不織布、メルドブローン法によって形成された不織布が挙げられる。ここで、熱収縮性を有する不織布とは、所定温度での加熱によって収縮する性質の不織布のことである。更に、(3)熱収縮性を有するネットが挙げられる。
【0027】
次に、上述した立体シートを表面シートとして用いた本発明の吸収性物品の一実施形態について説明する。
図5に示す生理用ナプキン20は、液透過性の表面シート10、液不透過性の裏面シート30及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体40を具備し、実質的に縦長に形成されている。
生理用ナプキン20における表面シートは、上述した構成の立体シート10からなり、立体シート10からなる表面シートは、生理用ナプキン(吸収性物品)の長手方向及び/又は幅方向に伸張された状態で固定されている。
具体的には、立体シート10を、ナプキンの長手方向及び/又は幅方向に伸張した状態として吸収体40の上面(肌側に向けられる面)上に配し、その伸長状態を保持しつつ、該立体シート10を吸収体40の上面上に熱若しくは超音波エンボスにより圧着又はホットメルト等の接着剤により固定してある。図5に示すナプキン20における立体シート10は、その両側部が吸収体40の下面側において裏面シート30に接合されているが、エンボスにより圧着された部分(該エンボスにより防漏溝50が形成された部分)より外側に位置する部分における立体シート10は、伸長状態とされていてもよいし、非伸長状態とされていてもよい。尚、図5中、符号60は、撥水性の防漏シートであり、横モレ防止性を向上させるために配してある。
【0028】
本実施形態の生理用ナプキン20によれば、上記構成の立体シート10からなる表面シートを、ナプキン20の長手方向及び/又は幅方向に伸張させた状態で固定してあるため、下記効果が奏される。
(1)表面シートが着用中に着用者の肌に張り付いて不快感を与えることを防止することができる。即ち、表面シートが張力を有した状態で吸収体と密着していることにより、表面シートが浮き上がって肌にはりついた状態で長時間維持されるという不快な環境を防ぐことができ、特に着用者が最もはりつき感を感じるナプキン脱着時において、表面シートが肌から離れやすく、気持ちよくナプキンを交換できる。
(2)表面シートと吸収体との間が密着して両者間に隙間が生じにくいため、表面シート上に排泄された経血や尿等の液が、表面シートから吸収体へスムーズに移行し、表面シート上に液が残りにくい。
そのため、ムレやカブレが生じにくく、また、液の色が目立つことによって使用者に不清潔を与えること防止ないし軽減することができる。
(3)表面シートが張力を有した状態で吸収体と密着しているためヨレにくい。これは表面シートが単独で浮き上がり、シワになったりヨレたりすることを防止でき、常に吸収体と一体化した状態で身体にフィットする効果をもたらす。
【0029】
尚、立体シート10からなる表面シートは、より広範囲で経血をすばやく吸収し、吸収体への液移行をスムーズにさせる点から、吸収体40の上面上における防漏溝50以外の部分は、吸収体40に接合されていないか又はホットメルト(間隔を有した状態)やエンボス等で部分的に接合していることが好ましい。
【0030】
上述した効果を確実に発現させる目的から、立体シート10は、MD方向又はCD方向に2〜30%伸張させた状態で固定されており、その伸張方向に5%伸張させた時の伸張応力が5〜40cN、特に10〜30cNであり、且つ前記吸収体は、前記表面シートの伸張方向と同一方向の曲げモーメントが1〜30gf・cm、特に3〜20gf・cmであることが好ましい。
例えば、立体シートがMD方向に伸張された状態で固定されている場合には、該立体シートをMD方向に伸張させた際の伸張応力が上記範囲内であることが好ましい。尚、MD方向とは、立体シートの加工工程における流れ方向を意味し、CD方向とは、MD方向に対して直交する方向を意味する。
また、吸収体の曲げモーメントを測定する際には、表面シートが伸張された方向と同一方向の曲げモーメントを測定する。例えば、立体シートがMD方向に伸張されている場合は、吸収体におけるMD方向(立体シートのMD方向と同じ方向)に対して伸張応力が掛かることになるため、吸収体をMD方向でしならせる際の曲げモーメントを測定する。尚、立体シート10は、そのMD方向が、製品の長手方向及び幅方向の何れかに一致していることが好ましい。
【0031】
ここで、立体シート10のMD方向又はCD方向の5%伸張時の伸張応力は次のようにして測定される。
上述した伸張回復率の測定方法と同様にして測定する。但し、サンプルは、測定方向に直交する方向の長さが10mm、測定方向と同方向の長さが100mmとなるように立体シートから長方形状に切り取り、チャック間を50mmに設定してチャック間に取り付けた後、測定方向に300mm/分の引張速度で伸長させる。最初の初期長さ(チャック間距離50mm)に対して5%伸長(チャック間距離52.5cm)した時点での引張強度を5%伸長時の伸長応力とする(3回測定し、平均値を記録する)。
【0032】
また、立体シート10の固定時における伸長率を30%を超えるように設置すると、表面材の収縮レベルが大きくなり過ぎるため、吸収体との密着が不充分となり、結果的に吸収体への液移行がスムーズにいかなくなる可能性がある。また、2%未満とすると、表面シートの伸長応力が不充分で、表面シートのシワ、ヨレ防止効果が弱まってしまう。
また、前記曲げモーメントを30gf・cm以下とすることにより、ナプキン全体の柔らかな装着感を提供でき、また、前記曲げモーメントを1gf・cm以上とすることにより、使用時において吸収体が大きく変形(ヨレ)せず、特に表面シートと接する面において表面シートと吸収体が常に密着し、液の移行をスムーズに行うことができる。
【0033】
尚、立体シート10が、吸収性物品の長手方向及び幅方向の両方向に伸張されて固定されている場合には、長手方向又は幅方向の何れか一方の伸長率及び曲げモーメントが上記範囲内であれば良いが、表面シートの適度な伸張と吸収体への密着性を高める点から、両方向の伸長率及び曲げモーメントが上記の範囲を満足することが好ましい。
また、立体シート10からなる表面シートと吸収体との密着性を高める点から、吸収体30は実質的に湾曲していないことが好ましい。実質的に湾曲していないとは、応力下での応力が作用している方向と平行方向での吸収体長さと非応力下での同方向での吸収体長さが同じであることを意味する。
【0034】
図6は、本発明の他の好ましい実施形態を示すもので、上述した構成の立体シート10に、第1層1及び第2層2を貫通するスリットを形成しておき、スリットを形成した立体シート10を、その固定時に、伸張状態として固定することにより各スリットを拡開させて多数の孔部11を形成したものである。
【0035】
表面シートに、このようにして肌側及び吸収体側に開口する孔部11を形成することにより、潰れにくい孔部を形成することができ、また、高粘性液の吸収性を向上させることができる。
即ち、スリットを拡開させて肌側に開口する孔部、特に立体シートを貫通する孔部を形成する形態は、表面シートから吸収体への液の透過性が向上すること及び表面シートと肌との接触面積が低減することにより、肌への張り付きがより一層低減され、張り付き感のない快適な装着感が得られる。更に、特に貫通する孔部の場合、開孔の周囲がエラストマー的な挙動を示す繊維を含んでいることから、装着中の動きや圧力に対しての自由度が高まり開孔形状が維持されるため、上記効果が安定して奏される。
また、図7に示すように、加熱しながら繊維を寄り集めて切る方法を用いて第1層1及び第2層2を切開した場合には、拡開した孔部の内壁面12と、該内壁面から離れた部位13との間に繊維の粗密勾配が形成されるので、一層、液の引込力が強まり、表面ドライ感が高まる。
【0036】
尚、生理用ナプキン20’のように、肌側及び吸収体側に開口する孔部(立体シートを貫通する孔部)11を形成するのに代えて、図8に示すように、第1及び第2層の何れか一方にのみスリット11’を形成しておき、肌側及び吸収体側の何れか一方にのみ開口する孔部を形成することもできる。図8(a)は、肌側にのみ開口する孔部11を形成した場合であり、肌側及び吸収体側に開口する孔部を形成した場合と同様の効果が奏される。図8(b)は、吸収体側にのみ開口する孔部11を形成した場合であり、吸収体に一旦吸収された液が、表面シート側に逆戻りする現象(いわゆるウエットバック)を効果的に防止することができる。
【0037】
また、生理用ナプキン20’においては、各々立体シートのCD方向(ナプキンの幅方向)に延びるスリットを規則的なパターン(千鳥状の配置)で形成しておき、該立体シートをMD方向(ナプキンの長手方向)に伸張させて各スリットを拡開して孔部を形成してあるが、これに代えて、立体シートのMD方向(ナプキンの長手方向)に延びるスリットを形成し、該立体シートをCD方向(ナプキンの幅方向)に伸張させて各スリットを拡開して孔部を形成することもできる。
【0038】
生理用ナプキン(吸収性物品)における吸収体及び裏面シートの形成材料としては、それぞれ生理用ナプキン、使い捨ておむつ等に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、吸収体としては、繊維集合体又は繊維集合体及び高吸水性ポリマーを透水性の紙、不織布からなる被覆シートで被覆してなるものを挙げることができる。吸収体を構成する繊維集合体の形態としては、不織布又は繊維ウエブが挙げられ、高吸水性ポリマーの存在形態としては、該繊維集合体の繊維間間隙又は多層構造の繊維集合体の層間に保持されている形態が挙げられる。また、表面シートと吸収体との間に、拡散紙等を介在させてもよい。防漏シートとしては、撥水性の不織布、紙等を用いることができる。
【0039】
表面シートが着用中に肌に張り付きにくくすると共に表面シートから吸収体に液がスムーズに移行するようにする観点から、肌側に配される第1層と吸収体側に配される第2層とに親水性勾配を付けても良い。親水性勾配を付ける方法としては、例えば、第1層を構成する繊維に用いる親水化油剤と第2層を構成する繊維に用いる親水化油剤を異なるものとし、第2層に用いる親水化油剤として、第1層の親水度よりも親水性が高いものを選ぶ方法が挙げられる。この方法によれば、第1層から第2層へと親水度が向上し、液をスムーズに引き込むことができる。第1層より強い親水性を第2層に付与する他の方法として、上記親水化油剤の塗工量を変えたり、吸水性繊維(コットン等)を混綿させる方法等を用いることもできる。
【0040】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、第1層1及び第2層2としては、前述した繊維の集合体以外の、実質的に空気を通し得る材料を用いることもできる。そのような材料としては、通気性フィルム、開孔フィルム、ネット、若しくはこれらの複合体、又はこれらと繊維の集合体との複合体が挙げられる。
【0041】
また、第2層2として、エラストマー繊維を含む繊維の集合体、エラストマーフィルム、エラストマーネットを用いることも出来る。第2層2としてこれらの材料を用いる場合(第2層が第1層との接合前からエラストマー的挙動を示す場合)には、例えば以下の方法により立体シートを得る。即ち、第2層を伸張させた状態下に、第2層と第1層とを所定パターンの接合部によって部分的に接合させ、次いで、第2層の伸張状態を解放する。エラストマーとして用いることの出来る材料としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴム、及び熱可塑性エラストマーとして知られる各種ゴム、例えばウレタン系、スチレン系、エステル系、オレフィン系、アミド系のハードセグメントを有するゴムや、メタロセンを触媒として用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
【0042】
本発明における表面シートは、2層構造の立体シートからなるものに限られず、3層以上の多層構造の立体シートからなるものであっても良い。例えば、第2層における第1層側の面とは反対側の面に、吸収体との密着性を高める目的で第3層を設けることもできる。第3層は、例えば第1層と同様の繊維集合体から構成することができる。第3層の材料の選定としては、吸収体との密着効果を高めるため、ホットメルト塗工やヒートシールに対する適正が良好なものが望ましく、例えば、ポリオレフィン系の繊維又はポリオレフィン系の成分を含む複合繊維からなるスパンボンド不織布等を用いることができる。
【0043】
尚、本発明における吸収性物品としては、生理用ナプキンの他、使い捨ておむつ、失禁パッド、パンティライナー等が挙げられる。
【0044】
〔実施例1〕
(1)第1層の製造
熱融着繊維として大和紡績株式会社製の芯鞘型複合繊維(商品名NBF−SH、芯:ポリエチレンテレフタレート、鞘:ポリエチレン、芯/鞘重量比=5/5、繊度2.2dtex、繊維長51mm)を用いた。
この繊維をカードにて解繊してウエブとし、熱処理(120℃)して、坪量15g/m2の不織布を得た。
【0045】
(2)第2層の製造
潜在捲縮性繊維〔エチレン−プロピレンランダム共重合体(EP)を芯成分とし、ポリプロピレン(PP)を鞘成分とした熱収縮性を示す芯鞘型複合繊維,2.2dtex、大和紡績株式会社製、熱収縮開始温度Ts90℃〕を原料としてカードウエブを製造した。得られた不織布(第2層)の坪量は35g/m2であった。
【0046】
(3)立体シートの製造
両不織布を重ね合わせて、凹凸ロールと平滑ロールとの組み合わせからなる熱エンボスロール装置に通し、両不織布を接合一体化した。凹凸ロール温度は155℃に設定した。この際の凹凸ロールのエンボスパターンは、図3に示すような、いわゆる千鳥状のパターンであり、個々のエンボス点が円状(エンボス面積0.047cm2)で且つMD方向〔第1層及び第2層の製造時の流れ方向〕に隣接するエンボス点の中心間距離(ピッチ)L1が7mm、CD方向に隣接するエンボス点の中心間距離(ピッチ)L2が7mm、斜め45°に隣接するエンボス点の中心点距離(ピッチ)L3が5mmであり、エンボス面積率7.2%であった。
両不織布を接合一体化させた後、130℃に加熱した熱乾燥機内にて1〜3分間熱処理を行なった。この際所望の収縮率に設計するためにピンテンター(予め収縮後寸法にあわせて四辺にピンを配列し、収縮前にサンプルをピンで固定することで、ピンで決められた面積以下には収縮しないようにできる装置)を利用し、坪量100g/m2の立体シートを得た。
【0047】
(4)生理用ナプキン(吸収性物品)の製造
得られた立体シートを、MDに230mm×CDに125mmに切り取り、第1層が肌側になるようにして吸収体上に配置した。立体シートの配置の際には、立体シートのMD方向と製品の長手方向を一致させ、該立体シートをMD方向にのみ10%伸長させた状態で配置した。
そして、伸長させた状態を維持しながら、立体シートと吸収体とを、エンボス加工50により一体化させた。エンボス加工は、花王株式会社製の生理用ナプキンであるロリエやわらかメッシュさらさらクッションスリムウイングなし(薬事販売名:ロリエUN−f−11)にて実施している瓢箪形状のパターンのエンボスにて行い、プレス装置にて加工した。このエンボス加工は、上記の防漏溝50を形成する加工である。
次いで、一体化された立体シート及び吸収体を、裏面シート、防漏シート等の他の構成部材と常法により一体化させ、図5に示す形態の生理用ナプキンを得た。
【0048】
吸収体、裏面シート及び防漏シートとしては、上記のロリエさらさらクッションスリムウイングなし(ロリエUN−f−11)に用いられているものと同じ吸収体(パルプ坪量210g/m2 、吸水ポリマー坪量40g/m2 〕、裏面シート(ポリエチレンフィルム製、坪量25g/m2)、及び防漏シート(ポリエチレンフィルムと撥水性紙のラミネートシート、坪量23g/m2 )を用いた。尚、裏面シートの寸法は、210mm×75mmとし、防漏シートの寸法は210mm×105mmとした。また、裏面シート固定ホットメルト〔図5(b)の符号70〕は、坪量30g/m2、幅20mm、長さ130mmで2本塗工した。他の原材料や製品構成についても、上記のロリエさらさらクッションスリムウイングなし(ロリエUN−f−11)と同様とした(但し、ロリエやわらかメッシュさらさらクッションスリムウイングなし(ロリエUN−f−11)は、吸収体の側縁付近における防漏溝50の外側に、エンボス加工により1対の線状の防漏溝を形成してあるが本実施例においては、この防漏溝を形成せずに評価した)。
得られた生理用ナプキン(実施例1)における立体シートは、環状の防漏溝50に囲まれた部分において、平面状をなしており、実質的に湾曲していなかった。また、吸収体及び製品のMD方向への湾曲は認められなかった。
【0049】
〔実施例2〕
実施例1と同様にして得た立体シートを、MD230mm×CD80mmに切り取った。そして、立体シート10をMD方向にのみ10%伸長させた状態で、立体シート10の両側部それぞれに、撥水性のサイド不織布14を接合して複合シートを製造した〔図9参照〕。左右のサイド不織布14は、それぞれ、幅60mmの撥水性スパンボンド不織布〔芯:ポリエチレンテレフタレート(PET)鞘:ポリエチレン(PE)の芯鞘型複合繊維からなるスパンボンド不織布、坪量18g/m2)を2重折りして幅30mmとしたものを用い、それぞれ、折り線側の10mm幅の部分を、上記立体シート10の両側縁端それぞれから幅10mmの部分に重ねて接合した。両者の接合には、ホットメルト型接着剤15を用いた。得られた複合シートは、幅方向の中央部に立体シート10からなる60mm幅の部分を有し、その両外側に、2重折りした状態のスパンボンド不織布14からなる30mm幅の部分を有するものである。
この複合シートを、第1層が肌側になるようにして吸収体上に配置した。
この伸長させた状態を維持しながら、この複合シートの立体シート10からなる部分と吸収体40とを、エンボス加工16,16により一体化させた。
そして、複合シートの周縁部分を、吸収体の周縁よりも延出させた部分において裏面シートと接合して図9に示す生理用ナプキンを得た。
【0050】
尚、吸収体及び裏面シートとしては、上記のロリエさらさらクッションスリムウイングなし(ロリエUN−f−11)に用いられているものと同じ吸収体(パルプ坪量210g/m2 、吸水ポリマー坪量40g/m2 〕及び裏面シート(ポリエチレンフィルム製、坪量25g/m2)を用いた。この吸収体は、パルプ繊維41及び吸水ポリマー42からなる吸収性コアを、ティッシュペーパーのような台紙43で被覆してなり、図9(b)に示すように、その上下面は、それぞれ、スパイラル状にホットメルト型粘着剤が部分的に塗工されて、それぞれ立体シート10及び裏面シート30に部分的に固定されている。
得られた生理用ナプキン(実施例2)は、実質的に湾曲していなかった。
この生理用ナプキンのように、立体シート10をナプキンの幅方向の中央部にのみ配した吸収性物品は、表面材を細幅で使用できるため経済的に有利であり、また、表面材を細幅で使用できるため表面材全体にかかる収縮応力を低減でき、必要以上に吸収体の剛性(曲げ剛性)を高めなくても良いという利点を有する。
【0051】
〔実施例3〕
複合シートを、立体シートがMD方向にのみ15%伸長するように配置固定した以外は実施例2と同様にして、生理用ナプキンを試作した。
【0052】
〔実施例4〕
吸収体として、花王株式会社製の生理用ナプキンであるロリエやわらかメッシュスーパースリムガード(薬事販売名:ロリエPW−c)の吸収体を用いた以外は、実施例2と同様にして、生理用ナプキンを試作した。
【0053】
〔実施例5〕
実施例1と同様にして得た立体シートに、スリット加工を施し、CD方向に延びる細かいスリットを多数規則的に形成した。スリットは、第1及び第2層を同時に切開した。
(スリットの形成パターン)
CD方向のスリット長さ:3mm(スリット一個当たりのカット幅)
MD方向で隣接するスリット間の間隔(ピッチ):5mm
MD方向のスリット1列を構成するスリットの個数:18個
MD方向のスリット1列の長さ:85mm
スリット列数:製品長手方向と平行に6列
CD方向に隣接するスリット列間の間隔:3mm
CD方向に隣接するスリット列とのMD方向での位相差:±2.5mm
このようにしてスリットを形成した立体シートを用いる以外は、実施例3と同様にして、製品の長手方向及び幅方向の中央領域に多数の孔部が形成された生理用ナプキンを得た。
【0054】
〔実施例6〕
実施例1と同様にして得た立体シートに、スリット加工を施し、MD方向に延びる細かいスリットを多数規則的に形成した。スリットは、第1及び第2層を同時に切開した。
(スリットの形成パターン)
MD方向のスリット長さ:3mm(スリット一個当たりのカット幅)
MD方向で隣接するスリット同士間の間隔:3mm(ピッチ6mm)
MD方向のスリット1列を構成するスリットの個数:14個
MD方向のスリット1列の長さ:81mm
スリット列数:製品長手方向と平行に10列
CD方向に隣接するスリット列間の間隔(ピッチ):3mm
CD方向に隣接するスリット列とのMD方向での位相差:±3mm
このようにしてスリットを形成した立体シートを用いる点、及びこの立体シートを、製品の長手方向と直交する方向にのみ10%伸張させて吸収体上に固定する以外は、実施例2と同様にして、製品の長手方向及び幅方向の中央領域に多数の孔部が形成された生理用ナプキンを得た。
【0055】
〔比較例1〕
実施例2において、立体シートを伸張させずに吸収体上に固定した以外は、実施例2と同様にして生理用ナプキンを得た。
【0056】
〔比較例2〕
表面シートが、MD方向(製品の長手方向と同じ)に10%伸張させた状態で吸収体に固定されている以外は、花王株式会社製の生理用ナプキンであるロリエやわらかメッシュさらさらクッションスリムウイングつき(薬事販売名:ロリエUN−f)と同一の構造を有する生理用ナプキンを試作した。比較例2で用いた表面シートは、芯鞘構造(芯;ポリエチレンテレフタレート、鞘;ポリエチレン)の複合繊維からなる不織布に、約0.8〜1mmの開孔径を有する開孔が10〜15個/cm2で施されたものからなる。
【0057】
実施例及び比較例の生理用ナプキンについて、その製造に用いた立体シートの凸部高さ並びにMD方向及びCD方向の5%、10%、15%及び20%伸張時の伸張応力を上述した方法により測定した。また、各生理用ナプキンの製造に用いた吸収体の、立体シートの伸張方向と同方向の曲げモーメントをJIS P8125(テーバーこわさ試験機法)により測定した。これらの結果を表1に示した。
【0058】
〔吸収体の曲げモーメントの測定方法〕
吸収体長手方向に対して70mm長、幅方向に38mmの寸法で切り出した吸収体をサンプルとし、熊谷理機工業(株)製のテーバースティフネステスターを用いて一定速度(180°±40°/min)で15°曲げ時の曲げモーメント(gf・cm)を測定する。測定は左右両方向に曲げて測定しその平均値をもって1回の値とし、3回行い平均値を示す。
尚、実施例6においては、立体シートをCD方向に伸張させて吸収体に固定したため、実施例6についての吸収体の曲げモーメントは、吸収体を、吸収体幅方向に70mm、長手方向に38mmの寸法に切り出し、立体シートのCD方向に対応する方向(吸収体の幅方向)にしならせて測定した。表1には、そのCD方向の数値を記載した。
【0059】
〔吸収性物品の湾曲の評価〕
各生理用ナプキンの長手方向の湾曲の有無及びその程度を評価し、その結果を表1に示した。尚、製品が長手方向の湾曲していないものは、立体シートが、吸収体の上面上において、吸収性物品の長手方向に、実質的に湾曲していないものである。
(湾曲の評価方法)吸収体の長手方向長さ(両端部間の距離)をA、距離Aを形成する線分から吸収体湾曲凹部の深さ(線分Aを2等分する位置での深さ)をBとした時、A;Bを測定した上で三平方の定理を用いて曲率半径を算出する。曲率半径Rは以下の式より求まる。
曲率半径R=〔(1/4)A2 +B2 〕/2B
【0060】
〔表面シートと吸収体との密着性の評価〕
各生理用ナプキンについて、表面シートと吸収体との密着性を評価し、結果を表1に示した。
(密着性の評価方法)
表面シートの伸長方向に対して平行な方向でナプキン全体を切断し、その切断面より吸収体と表面シートとの間に1mmを超える隙間がある場合は密着していないものとした(表面シートの裏面の凹凸を考慮し、1mm以下の隙間については密着しているものとした)。密着しているものについては、更に、その密着の程度を調べた。
(評価基準)
◎:吸収体と表面シートが密着している(隙間1mm以下)
○:吸収体と表面シートが接してはいるが(隙間1mm以下)、表面シートが容易に浮きやすい。
×:吸収体と表面シートとの間に1mmを超える隙間がある。
【0061】
〔液残り量の評価〕
各生理用ナプキンの表面シートから吸収体への液移行性を、表面シートに残存する液量を測定することで評価するべく、下記方法により液残り量を測定した。結果を表1に示した。
高健(株)製の歩行運動対応人体モデルを用いる。人体モデルを歩行速度100歩/分に設定する。吸収性物品を、花王株式会社製のショーツ(「ロリエショーツ」,スタンダートショーツLサイズ)に取り付け、人体モデルに装着する。尚、表面シートは、縦205mm×横75mmに切り取ったものを用い、予め重量を測定しておく。
1分間歩行させた後、評価液(馬脱繊維血液:日本バイオテスト研究所製)を0.13g/秒の注入速度で2g注入し、更に29分間歩行させる。歩行後、表面シートの重量を測定し、予め測定した液吸収前の表面シートの重量との差より、表面シート中に残った液量を求める。3回測定し、その平均値を液残り量として表1に示した。
【0062】
〔液拡がり面積の評価〕
各生理用ナプキンについて、表面シートと吸収体との密着効果として液が表面で広がる事なくスムーズに吸収体へ吸収される程度を評価するべく、下記方法により液拡がり面積を測定した。結果を表1に示した。
高健(株)製の歩行運動対応人体モデルを用いる。人体モデルを歩行速度100歩/分に設定する。吸収性物品を花王株式会社製のショーツ(「ロリエショーツ」,スタンダートショーツLサイズ)に取り付け、人体モデルに装着する。1分間歩行させた後、評価液(馬脱繊維血液:日本バイオテスト研究所製)を0.13g/秒の注入速度で3g注入し、29分間歩行させる。歩行後、表面シート上に広がった液面積の周囲を透明シート上でふち取りし、ふち取った部分の面積を液拡がり面積とした。
【0063】
【表1】
【0064】
液残り量について比較すると、実施例のナプキンは、立体シートを伸長状態で固定していない比較例1のナプキンよりも液残り量が小さい傾向になり、吸収体に対して十分密着され、液移行がスムーズであることが判る。
また、液拡がり面積について比較すると、実施例のナプキンは、拡がり面積が小さい傾向であり、立体シートを伸長状態で固定していない比較例1のナプキンや市販商品の表面シートとして用いた比較例2のナプキンよりも吸収体に対して十分密着され、液移行がスムーズであることが判る。
【0065】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品は、表面シートが着用中に肌に張り付きにくく、また、表面シートから吸収体に液をスムーズに移行させ、ムレやカブレ、液の色が目立つことによる不清潔な印象等を防止することができ、更に、ヨレが生じにくいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明で用いる立体シートの好ましい例を示す部分拡大斜視図である。
【図2】図2は、図1のX−X線断面を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、接合部の好ましい形成パターンを示す図である。
【図4】図4は、接合部の他の形成パターンを示す図である。
【図5】図5は、本発明の吸収性物品の一実施形態を示す図で、図5(a)は一部破断斜視図、図5(b)は図5(a)のY−Y線模式断面図である。
【図6】図6は、本発明の吸収性物品の他の実施形態を示す図で、図6(a)は模式平面図、図6(b)は図6(a)のZ−Z線模式断面図である。
【図7】図7は、(a)立体シートにスリットを入れる様子を示す図及び(b)そのスリットを拡開して孔部を形成する様子を示す図である。
【図8】図8は、本発明の更に他の実施形態を模式的に示す図で、図7に対応する図である。
【図9】図9は、本発明の更に他の実施形態を模式的に示す図で、図9(a)は斜視図、図9(b)は図9(a)のI−I線模式断面図である。
【符号の説明】
1 第1層
2 第2層
3 接合部
10 立体シート(表面シート)
20 生理用ナプキン(吸収性物品)
30 裏面シート
40 吸収体
Claims (5)
- 液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれら両シート間に介在された液保持性の吸収体を具備し、実質的に縦長に形成された吸収性物品において、
前記表面シートは、シート全体がエラストマー的挙動を示す立体シートからなり、
前記立体シートは、肌側に配される第1層と前記吸収体側に配される第2層とが積層されて所定パターンの接合部で部分的に接合されており、
第1層は、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ実質的に熱収縮性を有しないか又は前記熱収縮性を有する繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しない繊維を含む集合体からなり、
第1層は、前記接合部以外の部分が肌側に凸状をなし、
第2層は、熱可塑性ポリマー材料からなり且つ熱収縮性を有し、エラストマー的挙動を示す繊維を含む集合体からなり、
前記表面シートは、吸収性物品の長手方向及び/又は幅方向に伸張された状態で固定されている吸収性物品。 - 前記表面シートを構成する前記立体シートは、第1層及び/又は第2層が部分的に切開されており、その切開された部分が該表面シートの伸張により拡開して、肌側及び/又は吸収体側に開口する孔部が形成されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記表面シートは、MD方向又はCD方向に2〜30%伸張させた状態で固定されており、その伸張方向に5%伸張させた時の伸張応力が5〜40cNであり、且つ前記吸収体は、前記表面シートの伸張方向と同一方向の曲げモーメントが1〜30gf・cmである請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、実質的に湾曲していない請求項1〜3の何れか記載の吸収性物品。
- 第2層が、潜在捲縮性繊維を含む繊維の集合体からなる請求項1〜4の何れか記載の吸収性物品。
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