JP2009102774A - 不織布の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【手段】エラストマー的挙動を示さない不織布からなる第1層を少なくとも2%伸長させ弾性変形を生じさせる工程、前記第1層と、不織布からなる第2層を実質的に非伸長の状態で積層させる工程、前記第1層の伸長状態を維持して、複数の接着領域がそれぞれ不連続になるように前記第1層と第2層とを接着する工程、及び前記接着した両層を弛緩させ第2層の外側面に複数の嵩のある領域を生じさせる工程を有する不織布の製造方法。
【選択図】なし
Description
図1は、本発明の製造方法の各工程の実施形態を模式的に示す斜視図である。本実施形態においては、同図に示したように、第1層の不織布シート1が原反ロール11から送り出される。一方、第2層の不織布シート2が原反ロール12から送り出され、両シート1,2は、回転方向r2に回転するエンボスロール17と回転方向r1に回転するフラットロール16との間に挟み込まれ接着される。本実施形態において、エンボスロール17は多数の凸部を有し加熱されていることが好ましく、これにより間欠的に熱圧着して良好な接着領域(エンボス)3を多数、連続して形成することができる。
接着領域3の配置は、その複数が不連続に第1層と第2層とを接着するようにされていれば特に限定されず、用途や不織布の特性等に応じて適宜定めればよい(本発明において接着領域が不連続とは、個々の接着領域の面積が小さく、かつ個々の接着領域が近接し列状に連なったような実質的に連続であるような領域を形成しないことをいう。)。良好な嵩のある領域4を形成し、後述する内部空間5との相互作用によるクッション性や液体透過性を高めることを考慮すると、複数の接着領域のそれぞれの面積を円相当直径で5mm以下とし、かつ、前記第1層の伸長方向における前記複数の接着領域の最近接距離を3〜20mmとし、さらに前記複数の接着領域の合計面積(s1)と、嵩高不織布全体の面積(s2)との割合(s1/s2)を10%以下とすることが好ましい。
本発明において、上記接着領域の最近接距離は上述のように3〜20mmであることが好ましく、4〜15mmであることがより好ましい。
直交格子状パターンとは、接着領域がなす複数の列において、各列における複数の接着領域の配置が互いに略一致していることをいう。換言すれば、接着領域を各列に直交する方向に投影したときに、各接着領域の投影像が略同じ位置で重なる関係にあることをいう。
千鳥格子状パターンとは、各列の複数の接着領域の配置のピッチをずらした配列をいう。換言すれば、接着領域を各列に直交する方向に投影したときに、各接着領域の投影像が隣り合う列同士で一致しない配置であり、なかでも1列おきに略一致する配置であることが好ましい。
後述する図6で示したエンボスパターンでいうと、良好な千鳥格子状パターンとされており、エンボス列l1、l2、l3...を直交方向(Y方向)に投影したときに、各エンボス3の投影像が、l1、l3...と1例おきに一致するようにされている。また、図6に示すエンボスパターンにおいては、X方向においても上記の千鳥格子状パターンに配列されており、より好ましい。
測定する不織布のシートから、弾性率を測定する方向を長手方向として縦150mm横50mmの試験体として切り出す(図4参照)。この試験体41の長手方向の両端にチャック42を取り付け、両チャック42間の距離43が100mmとなるようにする。片側のチャックを固定し、もう一方のチャックを引張り、試験体41を伸長させながら、試験体の伸びと荷重の値を断続的に測定する。得られた測定値をもとに、横軸に伸び(mm)、縦軸に荷重(N)をとりプロットし、伸びに対して荷重が直線的に変化する初期伸びに対する荷重の傾きを求める。この測定を10回行い前記傾きの平均値を求める。これを本発明における弾性率とする。
不織布シートから試験体を切り取る方向により弾性率が異なるときには、前述の第1層の不織布を伸長する方向の弾性率をいうものとし、第1層を複数の方向で伸長するときにはこれらの平均値をいうものとする。
また、上記第2層の座屈荷重を20cN以下とすることが好ましく、15cN以下とすることがより好ましい。このようにすることで、上記第1層と間欠的に接合し、この第1層の伸長・弛緩の動きにあわせて第2層に嵩のある領域が形成されやすくなり、一層良好なクッション性が実現される。
本発明において上記座屈荷重とは以下のようにして測定した値をいう。
まず、測定対象となる不織布のシートから、座屈荷重を測定する方向と直交する方向を長手方向にして、150mm×30mmの試験体を切り出す。この試験体の長手方向の両側縁が円筒の両縁をなすよう、前記試験体を円筒状に丸める。該長手方向の両端部が約5mm重なるようにして、ステープラー針54で2箇所をとめる(図5参照)。作製した円筒状の試験体51の、片方の縁が接するように水平のステージ52にのせ、もう一方の縁に水平の加圧板53をあてる。加圧板を10mm/minの速度で押し下げていったとき、試験体51が変形していく際に加圧板にかけられた最大点荷重を求める。同様の測定を1つの試験材あたり5回行い、平均値を求め、本発明における座屈荷重とする。なお、測定する第2層の不織布が、不織布シートから試験材を切り取る方向により異なる座屈荷重を有するときは、前記第1層を伸長させる方向に対応する第2層の不織布の方向の座屈荷重をいうものとする。第1層を複数の方向で伸長するときには、これらに対応する方向の平均値をいうものとする。
(実施例・比較例)
図1に示した製造工程により下記のようにして不織布複合材(試験材1〜5)を作製した。
原反ロール11から表1に示した第1層の不織布シート1を送りだし、一方原反ロール12から表1に示した第2層の不織布シート2を送り出した。第1層シート1についてはテンションロール14により下表1に示した伸長率となるようにした。135℃に加熱したエンボスロール17には千鳥格子状の円形エンボスが賦型されるように凸部18が配設され、上記両シート1,2をフラットロール16との間で間欠的に加熱圧着した。このようにして複数の円形エンボスにより接着した複合シート4をさらに送りだし、ガイドロール19を通過したところで上記第1層の伸長状態を解き弛緩し、不織布複合材(試験材1〜5)を得た。得られた試験材1〜5には図6に示したような千鳥格子状の円形エンボスが互いに均等な間隔で形成され、この最近接距離d1はいずれの試験材についてもおよそ4mmであり、円形エンボスの直径は2mmであった。
なお、試験材1の第1層に用いた不織布は伸長回復率が57%であり、試験材2及び3の第1層に用いた不織布の破断点伸度はそれぞれ25%及び22%であり、いずれもエラストマー的挙動を示さない不織布であった。
作製した試験材1〜6について、第1層外側に形成された嵩のある領域の有無及びこのクッション性をパネル5人による試験により評価した。評価の基準は以下のとおりである。はっきりと嵩のある領域が目視確認され、手触りにより高いクッション性が感じられるものを「◎」とした。嵩のある領域が見た目に認められるが際立った凹凸ではなく、手触りによるクッション性が幾分感じられるものを「○」とした。嵩のある領域が見た目にどうにか確認されるが、手触りによるクッション性はほとんど感じられないものを「△」とした。嵩のある領域が目視確認されず、手触りによるクッション性も全ったく感じられないものを「×」とした。結果を下表1に示した。
作製した試験材1〜6について、それぞれ、レーザー変位計(KEYENCE(株)社製 LK−085)を用いて、円板状の重り(直径60mm 重量14.0g:50Pa)を測定台に載せ、その時の厚みを0とし、次に100×100mmのサイズに切り出した試験片を測定台に載せ、その上に重りを載せた際の測定値を試験片の厚みとした。この測定を別々の試験片にて10回行い、その測定値の平均をそれぞれの試験材の厚みとした。このようにして厚さ(t1)を測定した。結果を下表1に示した。
各試験材の作製に用いた第1層不織布と第2層不織布とを加工せず、そのまま重ね合わせたものについて、上述の試験材の厚さの測定と同様にして厚さ(t2)を測定した。この重ね合わせただけのものの厚さをt2とし、上述の試験材の厚さt1との比率(t1/t2)を求めて、厚さ変化率とした。結果を下表1に示した。
これに対し、本発明の製造方法により製造した試験材1〜3はいずれも厚みが増し嵩高くなり、良好な嵩のある領域が多数形成され、クッション性に富む柔らかな風合いのものであった。なかでも、試験材1及び2は厚さ変化率がそれぞれ50%及び27%という、エラストマー材料を用いていないにも関わらず顕著な厚みの増加がみられ、極めて高いクッション性を感じられるものであった。これらの結果から、本発明の製造方法によれば、複数の嵩のある領域及びその内部に保持された空間によるクッション性に富む良質の嵩高不織布を、高コストのエラストマー材料によらず、かつ複雑な加工工程や特殊な加工装置を用いずに、効率的かつ低コストで製造することができることが分かる。
2 第2層の不織布シート
3 接着領域(円形エンボス)
4 嵩のある領域(丘状部)
5 空間
7 伸長領域
8 弛緩領域
9 複合シート
10 嵩高不織布
11、12 原反ロール
13、19 ガイドロール
14 テンションロール
16 フラットロール
17 エンボスロール
18 凸部
31 サイドシール部
32 吸収体
33 裏面シート
41、51 試験体
42 チャック
52 ステージ
53 加圧板
54 ステープラー針
71 連続接着領域
Claims (5)
- (a)エラストマー的挙動を示さない不織布からなる第1層を少なくとも2%伸長させ弾性変形を生じさせる工程、
(b)前記第1層と、不織布からなる第2層を実質的に非伸長の状態で積層させる工程、
(c)前記第1層の伸長状態を維持して、複数の接着領域がそれぞれ不連続になるように前記第1層と第2層とを接着する工程、及び
(d)前記接着した両層を弛緩させ第2層の外側面に複数の嵩のある領域を生じさせる工程を有する不織布の製造方法。 - 前記第2層を構成する不織布の座屈荷重が20cN以下であることを特徴とする請求項1記載の不織布の製造方法。
- 前記複数の接着領域のそれぞれの面積が円相当直径で5mm以下のものとし、かつ、前記第1層の伸長方向における前記複数の接着領域の最近接距離を3〜20mmとし、
さらに前記複数の接着領域の合計面積(s1)と、嵩高不織布全体の面積(s2)との割合(s1/s2)を10%以下とすることを特徴とする請求項1又は2記載の不織布の製造方法。 - 第1層を構成する不織布の弾性率を0.7N/mm以上とし、かつ、該弾性率を第2層を構成する不織布の弾性率以上とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
- 前記複数の接着領域を、前記第1層及び第2層をフラットロールと加熱した凹凸ロールとの間で圧着して形成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
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