JPH11216162A - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品

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JPH11216162A
JPH11216162A JP10024313A JP2431398A JPH11216162A JP H11216162 A JPH11216162 A JP H11216162A JP 10024313 A JP10024313 A JP 10024313A JP 2431398 A JP2431398 A JP 2431398A JP H11216162 A JPH11216162 A JP H11216162A
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absorbent article
sheet
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聡美 武末
Keiko Miyata
桂子 宮田
Koji Ogiso
宏治 小木曽
Migaku Suzuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 尿や軟便をすばやく吸収し、着用者が快適に
使用できる吸収性物品の提供。 【解決手段】 着用者の肌に接する側に位置するトップ
シートと、前記トップシートを介して着用者の肌に接す
る側とは反対側に位置するバックシートと、前記両シー
ト間に配置された吸収体とを有する吸収性物品であっ
て、前記吸収体は、それぞれ吸収能力の異なる腹側領
域、背側領域、及び腹側領域と背側領域との間の中間領
域の三領域からなり、かつ、前記三領域の吸収能力が中
間領域>腹側領域>背側領域の順に大きく、また、前記
トップシートには、腹側領域と背側領域を分離する仕切
りが形成され、さらに、前記バックシートは、腹側領域
が液不透過製の素材からなり、背側領域が撥水性の素材
からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸収性物品に関し、乳児
用、又は失禁者用として供される吸収パッド、使いすて
おむつ等に使用される吸収性物品に関するものであり、
更に詳しくは、吸収体の前、中、後の構成を尿又は軟便
の各々に適した構成にすることで着用者の尿及び軟便を
素早く吸収する液体保持性の吸収体を有する吸収性物品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の使いすておむつは、液透過性のト
ップシートと液不透過性のバックシートの間に、液透過
性の拡散層と綿状パルプ、高吸収性高分子物質(以下S
APという)、親水性シート等からなる吸収体を配置し
た構成になっており、尿は吸収体を通って吸収体に吸収
される。この時吸収体は、着用者の排泄物を素早く吸収
し、皮膚を逆に再び濡らすことなく保持する必要があ
る。特に新生児期から乳児期の離乳食前記における粘度
が比較的低くて柔らかい軟便と呼ばれる便や下痢便につ
いては、より素早く隔離、吸収、保持する必要がある。
近年、使いすておむつをはじめとする様々な吸収性物品
はおむつの外側に尿を漏らさないという点では満足でき
るものであるが、おむつ内部に保持された軟便が、着用
者の皮膚に接触してしまうことが度々起こる。このよう
に皮膚と排泄物が接触している時間が長くなるほど排泄
物は皮膚を刺激し、おむつかぶれ等の皮膚炎を引き起こ
す原因にもなる。
【0003】着用者の尿を素早く吸収するために、吸収
体内部のSAP分布を変化させる方法が、特開昭61−
167002号公報で、およびパルプ密度を変化させる
方法が、特開昭61−34203号公報に開示されてい
る。これらの方法は尿に対しては効果が認められている
が、軟便に対する効果は明確ではない。また、尿及び軟
便を吸収する方法としては、バックシート側の流体貯蔵
下層のSAP分布を変化させる方法として、特開平2−
111361号公報が開示されているが、吸収体全部を
SAPを含む同一の組成で形成しているために、ほとん
どが水分である尿に対しては効果があるが、水分が尿よ
り少なく粘度が高い軟便は吸収されにくいのが現状であ
る。
【0004】また、おむつの構造を替えることで、便を
隔離する方法が特開平4−300543号公報に開示さ
れているが、これは開口を有するトップシートを設けて
便を隔離し、保持するものであるが、着用者が座った状
態の時に開口部がつぶれてしまうために、便が保持され
ないことがあり、またトップシート及び吸収体を加工す
る工程が多くなり生産効率が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
からの使いすておむつの有する問題点を解決し、着用者
の尿及び比較的粘度が低く柔らかい軟便や下痢便を素早
く吸収し、それを隔離、保持する使いすておむつを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は着用者の肌に接
する側に位置する液透過性のトップシートと、前記トッ
プシートを介して着用者の肌に接する側とは反対側に位
置するバックシートと、前記両シート間に配置された吸
収体とを有する吸収性物品であって、前記吸収体は、そ
れぞれ吸収能力の異なる腹側領域、背側領域、及び腹側
領域と背側領域との間の中間領域の三領域からなり、か
つ、前記三領域の吸収能力が中間領域>腹側領域>背側
領域の順に大きいことを特徴とする吸収性物品に関す
る。
【0007】また本発明の前記吸収体の腹側領域は高吸
収性高分子物質および綿状パルプから構成されており、
背側領域は綿状パルプを主成分とし、さらに中間領域
は、超吸収性繊維を主として構成されていることを特徴
とする吸収性物品に関する。
【0008】さらに本発明の前記トップシートには、腹
側領域と背側領域を分離する仕切りが形成されているこ
とを特徴とする吸収性物品に関する。
【0009】また本発明の前記バックシートは、腹側領
域が液不透過性の素材からなり、背側領域が撥水性の素
材からなることを特徴とする吸収性物品に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の吸収性物品は、吸収体が
腹側領域、背側領域、及び腹側領域と背側領域との間の
中間領域からなり、それらの構成を尿又は軟便の各々に
適した構成にすることで、着用者の尿及び比較的粘度が
低くてやわらかい軟便や下痢便を素早く吸収し、それを
隔離、保持できるものであり、皮膚炎の原因になる皮膚
と排泄物の接触時間を短くすることができるものであ
る。
【0011】腹側領域は、着用者の尿を吸収する必要が
あるために、SAPと綿状パルプからなる層(対尿部)
を配置する。着用者が排尿した際には、親水性のトップ
シートを通じてまず綿状パルプに吸収され、次いでSA
Pに吸収保持される。
【0012】また、背側領域には、着用者の軟便及び下
痢便を吸収する必要があるために、綿状パルプを主成分
とする層(対便部)を配置する。着用者が排泄した際に
は、水分を多く含む軟便等は綿状パルプ層の繊維間の空
隙に吸収され、保持される。軟便及び下痢便は尿に比べ
粘度が高く水分が少ないために、水分を吸収するSAP
よりも固形分を繊維間の空隙に保持することのできる綿
状パルプからなる層を配置する必要がある。
【0013】更に、対尿部である腹側領域と対便部であ
る背側領域との間の尿便分離部にあたる中間領域は、腹
側の対尿部で吸収しきれずに中央部に向かって拡散した
尿を確実に吸収し、せき止めると共に、背側の対便部に
排泄された水分を含む軟便等をも分離する必要があるた
めに、より高い吸収性能が求められる。
【0014】また、トップシートに対尿部と対便部を分
離する凸状の仕切りを形成することによってトップシー
ト表面における尿の対便部へ、または便の対尿部への流
入を防ぐ。
【0015】
【実施例】以下に添付図面を参照にして本発明について
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等
制限されるものではない。図1は本発明の実施例の吸収
性物品1の一部を切り開いた状態を示す平面図である。
図1の吸収性物品1はトップシート2と、腹側バックシ
ート3及び背側バックシート4と、その間に吸収体5及
び仕切り6を有する。吸収体5は腹側にSAPと綿状パ
ルプからなる対尿部である腹側領域A、中央に高吸収能
を有する素材からなる尿便分離部にあたる中間領域C、
及び背側には綿状パルプを主成分とする対便部である背
側領域Bを有しており、仕切り6は腹側領域Aと中間領
域Cとの境界上に存する。
【0016】図2は本発明の吸収性物品の断面図を示す
ものであり、図1の吸収性物品のX−X’切断面図を示
すものである。図2においてトップシート2と腹側バッ
クシート3及び背側バックシート4に挟まれた吸収体5
は腹側にSAPと綿状パルプからなる対尿部である腹側
領域A、中央に高吸収能を有する素材からなる中間領域
C、及び背側には綿状パルプを主成分とする対便部にあ
たる背側領域Bを有しており、仕切り6は腹側領域Aと
中間領域Cとの境界線上に存する。
【0017】図3は本発明の吸収性物品をおむつとして
使用した場合の例を示す。図1の吸収性物品1の着用者
の脚周りにあたる部分には脚周り伸縮弾性部材7を配設
し、背側領域の腰回り開口部近傍の両側縁にファスニン
グテープ8が取り付けられたテープ型おむつの斜視図で
ある。使用時には、前身頃と後身頃を接着固定して着用
者の保持される。
【0018】図4は本発明の吸収性物品をおむつとして
使用した場合の別の例を示す。図1の吸収性物品1の両
側縁には、外側に延出したサイドフラップをトップシー
ト2上に折り返し、折り返された部分の長手方向両側縁
に伸縮弾性部材を伸張状態で配設し、かつ折り返された
部分の長手方向両端部を吸収体上のトップシート2に接
着固定さており、これが基端部となり、伸縮弾性部材が
配置されたフラップの自由縁が基端部から立ち上がるこ
とによって立体ギャザー9が形成されており、これらを
外装シート10の長手方向に沿う中央領域に配置して形
成したパンツ型おむつの前身頃と後身頃の接着部を開放
展開した斜視図である。
【0019】ここで立体ギャザー9を配設した吸収性物
品1は、脚周り伸縮弾性部材7及びウエスト周り伸縮弾
性部材11を配置した外装シート10の長手方向に沿う
中央領域に配置され、前身頃と後身頃を予め接着閉鎖し
て、着用者の腹から腰周りを囲む様に保持される。
【0020】本発明において使用されるトップシート2
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他の熱可塑性
繊維からなる液透過性不織布を用いる。また、腹側バッ
クシート3は、吸収性物品を単独で使用するような場合
は液不透過性のポリエチレンシート、好ましくは熱可塑
性樹脂にフィラーを加えて延伸した透湿性のある液不透
過性シート又は、さらに肌触り等の風合いが優れている
ことから、前記液不透過性シートの少なくとも片面に、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等からな
るカード、スパンボンド等の不織布をラミネートや積層
貼合わせ等を行った複合シートを用いることが適当であ
る。
【0021】一方、背側バックシート4は、主に対便部
として使用されるために排泄物の水分は対尿部分に比べ
少量であるために腹側バックシート3程の液不透過性は
要求されず、撥水加工等を施すことにより、耐水圧(J
IS L 1092における耐水度試験A法)が100
mmH2O以上となるポリエチレン、ポリプロピレン、
その他の熱可塑性繊維からなる不織布を用いることによ
って通気性も得られ、蒸れによるかぶれ等の皮膚障害を
起こす可能性も少なくなる。
【0022】また、この吸収性物品が着用者の腹から腰
周りを囲むような外装シートにより着用者に保持され
る、例えば図4に示すようなおむつの内部パッドとして
使用されるような場合は、腹側バックシート3について
も撥水加工等を施したポリエチレン、ポリプロピレン、
その他の熱可塑性繊維からなる不織布を用いても良い。
【0023】吸収体5は形成する三領域の構成が異なる
ものを用い、さらに全体をティシュで包み込んだ構造と
することが好ましい。また、吸収体の形としては矩形、
砂時計型、T字型等を選択することが可能であるが、身
体の形状によりフィットするものとして砂時計型とする
ことが好ましい。本発明における着用者の腹側領域A
は、主に尿を吸収する部分で、高吸水性を示す材料から
なる。このような材料としては、綿状パルプ及びSAP
等から構成されるが、特に制限されるものはなく、吸水
性スポンジ、吸収性シート等でも良い。
【0024】また、背側領域Bは、着用者の軟便及び下
痢便を吸収する必要があるために、綿状パルプを主成分
とする層を配置するが、便に含まれる水分を吸収し保持
するために少量のSAP等の吸水性材料を混合すること
が好ましい。
【0025】ここで、綿状パルプとしては、化学パル
プ、機械パルプあるいは化学機械パルプのシートを粉砕
機で綿状にしたものが使用される。パルプ原料として
は、針葉樹、広葉樹等の木材パルプ、麻等の非木材パル
プも適用される。このパルプの使用量は、目的とする吸
収体により単独または複数を混合、積層して用いるか、
田の吸収材を併用するか等により異なるが、一般的には
50〜400g/m2である。
【0026】また、綿状パルプと共に合成繊維、熱有着
成分、接着剤等を併用しても良く、これらを3〜60重
量%を混合して熱圧着しても良い。熱溶融成分として
は、特に制限はないが、綿状パルプと混合することを考
えると繊維状のものが好ましい。熱溶融成分としては、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビ
ニリデン、アクリル樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられ
る。または、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチ
レン等の2成分以上からなる複合繊維でも良く、特に
は、ポリエステル/ポリエステル、ポリエステル/ポリ
エチレン、ポリプロピレン/ポリエチレンの複合繊維が
強度の面から好ましい。繊維径は1〜5デニール程度が
好ましく、繊維長は3〜30mmのものが綿状パルプと
混合するのに好適であるが、特に制限を受けるものでは
ない。
【0027】SAPとしては、デンプン系、セルロース
系、合成ポリマー系が挙げられる。すなわち、デンプン
−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アク
リル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−
メタクリル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デン
プン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、
デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体のケン化
物、デンプン−アクリロニトル−2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸グラフト共重合体のケン
化物、アクリル酸(塩)重合体、アクリル酸で架橋され
たポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチル
セルロース、の架橋物、ポリビニルアルコール−無水マ
レイン酸反応物の架橋物等である。これらのうち、自重
の20倍以上の尿、体液及び水を吸収するもので、ポリ
アクリル酸ナトリウム系のものが吸収能力の点から最も
適当である。SAPの分布量は、綿状パルプの乾燥状態
の重量に対して10〜500%、好ましくは15〜30
0%であり、かかる量のSAPが綿状パルプに均一に、
あるいは不均一に分布していても良い。SAPが水分を
吸収し膨潤したとき、その粒子は相互の干渉が最小にと
どめられ、連続的に接触して透過障壁を形成することが
少なく、尿や体液を3次元方向に透過、吸収する。
【0028】さらに、対尿部である腹側領域Aと対便部
である背側領域Bを分ける尿便分離部にあたる中間領域
Cは、腹側領域Aで吸収しきれずに中央部に向かって拡
散した尿を確実に吸収し、せき止めると共に、背側領域
Bに排泄された水分を含む軟便等をも分離する必要があ
るために、より高い吸収性能が求められる。そのため、
吸収性能が高いことで知られているオアシス(鐘紡
(株)製)やランシール(東洋紡(株)製)の様なアク
リル酸系の繊維から作成された超吸収性繊維を用いるこ
とができる。
【0029】本発明において用いられる吸収性能の評価
方法としては、以下のような方法で評価し、加圧下吸収
量(g/g)とした。図5に示すような天秤12上に載
置された外気吸入パイプ13を備え、かつ0.9%濃度
の生理食塩水14を収容した容器15及び該容器15の
生理食塩水収容部に導管16より連通する逆ロート17
よりなり、該逆ロート17の頂部にグラスフィルター1
8を取り付けてなる装置を用い、該フィルター18上に
吸収体19を載置し、その上におもり20を載置し、3
0秒後の30g/cm2荷重下における吸収体の吸収量
(g/g)を測定した。なお、被測定吸収体は、予め直
径5.5cmの円形に切り取ったものを使用した。
【0030】前記吸収能力の測定により、吸収体5を形
成する腹側領域A、中間領域C、背側領域Bの三領域の
加圧下吸収量は、それぞれ腹側領域Aが8〜30g/
g、背側領域Bが4〜6g/g、中間領域Cが10〜4
0g/gであり、かつ三領域の吸収能力は中間領域C>
腹側領域A>背側領域Bの順に大きいことが好ましい。
これは、中間領域Cは、腹側領域A、背側領域Bを確実
に分離させるためには短時間における高い吸収力が必要
であり、また腹側領域Aは尿を吸収、保持するために高
い吸収力が要求され、背側領域Bは軟便及び下痢便等の
尿に比べて粘度が高く水分が少ないものを吸収するため
に、短時間で排泄物を皮膚から隔離することが要求され
ており、主として綿状パルプから構成されるためであ
り、高い吸収性能は必要ではない。中間領域Cにおいて
使用される吸収性繊維は、SAPのみ、または綿状パル
プのみ、更には、SAPと綿状パルプを混合することに
よって得られる吸収層のような腹側領域A、背側領域B
に使用される吸収体の構成のいずれよりも高い吸収能力
を示す。腹側領域Aおよび中間領域Cが背側領域Bより
も低い吸収能力である場合は、中間領域Cにおいて腹側
領域Aに排泄された尿が拡散、または吸収しきれずに背
側領域Bへ流入するのを防ぎきれず、臀部の湿度が上昇
し蒸れによるかぶれの原因になる恐れがある。
【0031】さらに、吸収体5を形成する腹側領域A、
中間領域C、背側領域Bの長手方向の長さの比が50〜
65%/5〜10%/25〜45%であることが着用中
の前後のずれも対応できるために好ましく、腹側領域A
が50%以下、または背側領域Bが45%以上である
と、腹側領域まで軟便等が流入し、性器等へ雑菌が進入
することにより皮膚障害を起こしやすくなる。更に、腹
側領域Aが65%以上、または背側領域Bが25%以下
であると背側領域まで尿が拡散し臀部の湿度が増すこと
により、蒸れを原因とするかぶれ等を起こしやすくな
る。また、背側領域Bが広すぎるとまた、中間領域Cは
腹側領域A、背側領域Bそれぞれを確実に分離すること
を目的とするので広い領域を必要としない。
【0032】また、腹側領域と背側領域を分離する仕切
り6は、腹側領域Aと中間領域Cとの境界上の股下幅の
少なくとも80%以上、長手方向の長さ5〜15mm、
高さ5〜15mmで配置することにより、トップシート
2上に凸状の壁が形成されトップシート状における尿及
び便の相互への流入を防ぐことができる。ここで、仕切
り6の股下に対する幅が80%より狭いと、排泄物が腹
側及び背側の相互へ流入する恐れがある。長手方向の長
さが5mmより短い、また高さが5mmより低いと、着
用中に吸収体がよれや尿等の水分吸収のため、仕切り6
以外の部分が仕切り6以上の高さになる可能性があり、
仕切りの役割を充分果たせなくなる恐れがある。また、
長手方向の長さが15mmより長いと、下部に形成され
ている吸収体5の吸収を妨げる恐れがあり、高さが15
mmより高いと、着用者の身体へ触れる部分が多くな
り、身体への違和感があるために着用者に不快感を与え
たり、更には摩擦によるかぶれを引き起こす恐れもあ
る。このために、仕切りを形成する材料としては嵩高で
あるが身体への違和感が少なく、また弱撥水性であるも
のが好ましく、例としてはウレタンフォームが挙げられ
る。
【0033】図4に示されるような吸収性物品1に立体
ギャザー9を形成する場合、サイドフラップは、液不透
過性のポリエチレンシートや微孔を施して通気性を付与
したポリエチレンシート、又は、熱可塑性樹脂にフィラ
ーを加えて延伸した透湿性のある液不透過性シートなど
の透湿性を付与したシート、さらには肌触り等の風合い
が優れていることから、前記液不透過性シートの少なく
とも片面に、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチ
レン等からなるカード、スパンボンド等の不織布をラミ
ネートや積層貼合わせ等を行った複合シートを用いるこ
とができる。また、撥水加工等を施したポリエチレン、
ポリプロピレン、その他の熱可塑性繊維からなる不織布
を用いると、肌触り等の風合いも良く高い通気性も得る
ことができるため、蒸れの防止にも効果がある。
【0034】また、サイドフラップに配設される伸縮弾
性部材、及びおむつを構成する脚周り伸縮弾性部材7、
ウエスト周り弾性部材11は、ウレタンフィルム、ウレ
タン糸、ウレタンフォーム、糸ゴム等の通常の吸収性物
品等に使用される伸縮弾性部材をそのまま使用でき、こ
れら伸縮弾性部材はホットメルト接着剤により伸張状態
で接着固定されている。
【0035】さらに、基端部を形成するための接着方法
としてはホットメルト接着、加圧溶着、超音波溶融等を
単独またはそれらを組み合わせることができる。また、
パンツ型おむつの前身頃と後身頃の両側部を接着閉鎖す
る際には、両側縁を外側に突き出した状態、または両側
縁を内側に突き出した状態、又は、一方の側縁を外側、
他方の側縁を内側に突き出した状態で、両側縁の最外部
に沿ってホットメルト接着剤、加圧溶着、超音波溶融等
を単独またはそれらを組み合わせることにより接合す
る。
【0036】外装シート10の少なくとも吸収性物品1
が配置される長手方向中央領域は、液不透過性のポリエ
チレンシート、好ましくは熱可塑性樹脂にフィラーを加
えて延伸した透湿性のある液不透過性シートなどの透湿
性を付与したシートが用いられることが好ましく、吸収
性物品1が配置される以外の部分は、脚周り伸縮弾性部
材7を挟み込んで配設するために少なくとも二層であ
り、着用者の発汗や排泄物による湿度上昇を抑え、蒸れ
や蒸れから起こりうるかぶれを防止するためにポリエチ
レン、ポリプロピレン等の熱可塑性繊維からなる不織
布、又は微孔を設けて通気性を付与したポリエチレンシ
ート、さらには熱可塑性樹脂にフィラーを加えて延伸し
た透湿性のあるシートを用い、少なくとも着用者に直接
触れる内側部分には不織布が用いられることが好まし
い。
【0037】また、おむつの着用者へのフィット性をさ
らに優れたものにするために、外装シート10の前身頃
及び後身頃の着用者の腰周りに当たる少なくとも一部の
幅方向に、複数本の伸縮弾性部材を配置することもでき
る。さらに好ましくは、少なくとも吸収性物品1が配置
される以外の部分に用いられるシートに、5〜40μm
の厚さの透湿性、伸縮性を有するポリウレタン系のフィ
ルム、天然ゴムシート、発泡シートの少なくとも片面
に、エラストマー不織ウェブ単体かエラストマー不織ウ
ェブの少なくとも片面にポリエチレンテレフタレート繊
維のようなポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ナ
イロン繊維のようなポリアミド繊維、コットン繊維のよ
うなセルロース繊維、パルプ繊維およびそれらの混合物
を含むグループから選択された材料から作られた繊維層
を水流交絡又は積層されたウェブ等積層貼り合わせたも
の、又は、ポリウレタン系、ポリオレフィン系等の透湿
性、伸縮性を有する熱可塑性樹脂を前記繊維層へラミネ
ートしたものを用いると、フィット性と共に蒸れも防止
することができる。
【0038】上記実施例では、図3においてはおむつ使
用時にテープを用いておむつの前身頃と後身頃を接着固
定するテープ型の使いすておむつを、また、図4におい
ては予め立体パンツ型とした使いすておむつを示した
が、それぞれ、図3におけるおむつを予め立体パンツ型
とし、図4におけるおむつの前身頃あるいは後身頃の幅
方向両側部に締結手段を設け、おむつ使用時にその締結
手段でおむつの前身頃と後身頃を接着固定する形状とし
てもよい。
【0039】
【発明の効果】以上、本発明における吸収性物品では、
吸収体を腹側領域と背側領域、さらにはそれらを分離す
る中間領域という三領域を各々に適した構成をとること
により、着用者の皮膚の接触するトップシートの尿及び
便を素早く吸収し、隔離保持することができるため、排
泄物による皮膚への刺激によるかぶれ等の皮膚障害を引
きおこすことがなく、快適な状態を保つ効果を有するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の一部切り抜き平面図。
【図2】図1のX−X’切断面図。
【図3】本発明の吸収性物品に、脚周り伸縮弾性部材及
び前後身頃の締結手段を設けたテープ型おむつの斜視
図。
【図4】本発明の吸収性物品を外装シートの長手方向に
沿う中央領域に配置して形成したパンツ型おむつの前身
頃と後身頃の接着部を開放展開した斜視図。
【図5】本発明において吸収体の吸収能力測定に使用さ
れる、加圧下吸収量測定装置の概略断面図。
【符号の説明】
A:腹側領域(対尿部) B:背側領域(対便部) C:中間領域(尿便分離部) 1:吸収性物品 2:トップシート 3:腹側バックシート 4:背側バックシート 5:吸収体 6:仕切り 7:脚周り伸縮弾性部材 8:ファスニングテープ 9:立体ギャザー 10:外装シート 11:ウエスト周り伸縮弾性部材 12:天秤 13:外気吸入パイプ 14:0.9%濃度生理食塩水 15:生理食塩水保存容器 16:導管 17:逆ロート 18:グラスフィルター 19:被測定吸収体 20:おもり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 磨 神奈川県鎌倉市植木19−2アルス鎌倉A− 301号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着用者の肌に接する側に位置する液透過
    性のトップシートと、前記トップシートを介して着用者
    の肌に接する側とは反対側に位置するバックシートと、
    前記両シート間に配置された吸収体とを有する吸収性物
    品であって、 前記吸収体は、それぞれ吸収能力の異なる腹側領域、背
    側領域、及び腹側領域と背側領域との間の中間領域の三
    領域からなり、かつ、前記三領域の吸収能力が中間領域
    >腹側領域>背側領域の順に大きいことを特徴とする吸
    収性物品。
  2. 【請求項2】 前記吸収体の腹側領域は高吸収性高分子
    物質および綿状パルプから構成されており、背側領域は
    綿状パルプを主成分とし、さらに中間領域は、超吸収性
    繊維を主として構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の吸収性物品。
  3. 【請求項3】前記トップシートには、腹側領域と背側領
    域を分離する仕切りが形成されていることを特徴とする
    請求項1、又は2記載の吸収性物品。
  4. 【請求項4】 前記バックシートは、腹側領域が液不透
    過性の素材からなり、背側領域が撥水性の素材からなる
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の吸収性物
    品。
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