JP2008148395A - モータインバータ装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のモータの1つの相の指令値と三角波aを比較し、同時に別の相の指令値と三角波aの反転信号である三角波cを比較してPWM信号を算出する(S13)。同様に、第2のモータの1つの相の指令値と三角波bの振幅値を比較し、同時に別の相の指令値と三角波bの反転信号である三角波dを比較してPWM信号を計算する(S17)。これらのPWM信号によりインバータブリッジ14aと14bのスイッチングタイミングを制御することで平滑キャパシタC1のリップル電流を減少させる。
【選択図】 図4
Description
上記の発明のモータインバータ装置において、前記駆動信号生成手段は、前記各モータ間の前記指令値の関係に応じて、前記駆動信号に替えて各モータを2相変調制御する第2の駆動信号を生成し、前記各モータそれぞれについて前記第2の駆動信号のうち変調する2相は互いに位相の異なる2つのキャリア信号に基づいて生成され、前記2つのキャリア信号の位相は各モータ間で等しい。
このように180°位相差を有するキャリア信号を用いることでスイッチング素子群のスイッチングタイミングをずらし、モータインバータ装置の出力電流のピーク値を抑えることができる。
上記の発明のモータインバータ装置の制御方法において、前記各モータ間の指令値の関係に応じて、前記駆動信号に替えて各モータを2相変調制御する第2の駆動信号を生成し、前記各モータそれぞれについて前記第2の駆動信号のうち変調する2相は互いに位相の異なる2つのキャリア信号に基づいて生成され、前記2つのキャリア信号の位相は各モータ間で等しい。
図2の縦軸は、指令値の大きさ(電圧値)を示し、横軸は電気角を示し3相交流モータ12の電気角0〜360度を基準に示している。図2において、太線は3相交流モータ12のU、V、W相の指令値を示し、太線の実線は、U相の指令値、点線はV相の指令値、一点鎖線はW相の指令値を示す。また、細線は別の3相交流モータ13のU、V、W相の指令値を示し、細線の実線はU相の指令値、細線の点線はV相の指令値、細線の一点鎖線はW相の指令値を示す。さらに、実線で示す3相交流モータ12の指令値が電気角で360度変化する間に、細線で示す3相交流モータ13の指令値はその半分の電気角である180度変化する状態を示している。つまりこの状態では、3相交流モータ12のロータが1回転する間に、3相交流モータ13のロータは1/2回転する。
図3において、太線で示す三角波aと太線の点線で示す三角波bは同じ周波数で一定の位相差(例えば、90度)を有する信号である。細線の実線で示す三角波cは、三角波aの反転信号であり、細線の点線で示す三角波dは、三角波bの反転信号である。三角波a〜dの周波数は、図2に示すU、V、W相の指令値の周波数より十分に高い周波数に設定されている。
第2のモータ13についても同様の処理を実行する。第2のモータ13のロータの位置を図示しない位置検出器により検出する(S15)。検出した位置の電気角と回転数を計算する(S16)。
この結果、インバータブリッジ14aの変調する2相とインバータブリッジ14bの変調する2相はそれぞれ位相の異なるキャリア信号である三角波a,b,c,dに基づいて駆動信号が生成される。
ここで、インバータ装置11から2台の3相交流モータ12、13に駆動電流を供給する場合に、(1)1種類の三角波を用いてインバータブリッジ14aと14bのスイッチングタイミングを制御した場合、(2)180度の位相差を有する2種類の三角波(例えば三角波aと三角波c)を用いてインバータブリッジ14aのスイッチングタイミングを制御し、同じように、180度の位相差を有する2種類の三角波(例えば三角波aと三角波c)を用いてインバータブリッジ14bのスイッチングタイミングを制御した場合、(3)90度または180度の位相差を有する4種類の三角波のうちの2種類の三角波(例えば三角波aと三角波c)を用いてインバータブリッジ14aのスイッチングタイミングを制御し、4種類の三角波のうちの別の2種類の三角波(例えば三角波bと三角波d)を用いてインバータブリッジ14bのスイッチングタイミングを制御した場合に、平滑キャパシタC1に流れる電流のリップル率のシミュレーション結果を説明する。なお、リップル率は、平滑キャパシタC1に流れる平均電流に対するピーク値の比である。
(2)の場合のリップル率は約「0.481」となった。
(3)の場合のリップル率は約「0.401」となった。
この第2の実施の形態は、2相変調制御を行う場合に、一方の3相交流モータの1つの相が一定期間オンとなり、同時に他方の3相交流モータの1つの相が一定期間オフとなる場合などに、三角波を4種類から2種類に切り換えてパルス幅制御を行うものである。このようにパルス幅制御信号を生成するための三角波を4種類から2種類に切り換える制御を行った場合の平滑キャパシタC1のリップル率をシミュレーションにより計算したところ、平滑キャパシタC1に流れる電流のリップル率を改善できることが確認できた。
以下、図5のフローチャートの説明では、図4のフローチャートと同じ処理には同じステップ番号をつけてそれらの説明を省略する。
また、ステップS22において、第2のモータ13の各相の指令値を参照して3相の出力値を決定する。
シミュレーションの結果、4種類の三角波を用いてスイッチングタイミングの制御を行った場合(第1の実施の形態)の平滑キャパシタC1のリップル率は約「0.401」であった。
○実施の形態は、2台の3相交流モータを制御する場合について説明したが、2台に限らず、3台以上任意の台数のモータ制御に本発明は適用できる。
○実施の形態の制御部15の三角波発生器16及びPWM制御部17の機能は、CPUにより実現しても良い。
○駆動信号を生成するためのキャリア信号は、三角波に限らず、のこぎり波等の他の信号を用いても良い。
○実施の形態は、制御部15が2種類または4種類の三角波を計算する場合について説明したが、モータの各相の指令値と三角波を比較して得られるパルス幅を予め計算してメモリ等に記憶しておき、メモリに記憶されているパルス幅のデータに基づいて制御部(CPU)15が駆動信号を算出するようにしても良い。
○インバータ装置のスイッチング素子は、MOSトランジスタに限らず、バイポーラトランジスタ、IGBT等でも良い。
C1 平滑キャパシタ
TR1〜TR6 MOSトランジスタ
TR1’〜TR6’ MOSトランジスタ
11 インバータ装置
12,13 3相交流モータ
14a、14b インバータブリッジ
15 制御部
16 三角波発生器
17 PWM制御部
Claims (10)
- 1つの直流電源の出力電圧を平滑キャパシタで平滑して複数の3相交流電圧に変換し、前記各3相交流電圧がそれぞれモータを駆動させるモータインバータ装置において、
各モータを2相変調制御する駆動信号を生成する制御手段と、
前記各モータ毎に、前記駆動信号によりオン、オフ制御され3相交流電圧を供給するスイッチング素子群を有し、
前記駆動信号のうち変調する2相はそれぞれ位相の異なるキャリア信号に基づいて生成される、
ことを特徴とするモータインバータ装置。 - 前記制御手段は、前記位相の異なるキャリア信号を発生するキャリア信号発生手段と、
前記各モータの指令値と前記キャリア信号に基づいて2相変調制御を行う前記駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、
を有する請求項1に記載のモータインバータ装置。 - 前記各モータ毎について前記駆動信号のうち変調する2相に対応する前記キャリア信号は互いに180°位相が異なり、かつ、全キャリア信号の位相は均等に異なる、請求項1または2に記載のモータインバータ装置。
- 前記モータが2つである、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のモータインバータ装置。
- 前記駆動信号生成手段は、前記各モータ間の前記指令値の関係に応じて、前記駆動信号に替えて各モータを2相変調制御する第2の駆動信号を生成し、
前記各モータそれぞれについて前記第2の駆動信号のうち変調する2相は互いに位相の異なる2つのキャリア信号に基づいて生成され、
前記2つのキャリア信号の位相は各モータ間で等しい、
ことを特徴とする請求項2に記載のモータインバータ装置。 - 前記2つのキャリア信号は互いに180°位相が異なる、請求項5に記載のモータインバータ装置。
- 前記モータが2つであり、
前記駆動信号生成手段は、一方のモータの1つ相の指令値が正の一定値で、他方のモータの1つの相の指令値が負の一定値のときに、前記第2の駆動信号を生成する請求項5または請求項6に記載のモータインバータ装置。 - 1つの直流電源の出力電圧を平滑キャパシタで平滑して複数の3相交流電圧に変換し、前記各3相交流電圧がそれぞれモータを駆動させるモータインバータ装置の制御方法において、
各モータを2相変調制御する駆動信号を生成し、
前記駆動信号をモータインバータ装置のスイッチング素子群の制御端子に供給し、
前記駆動信号のうち変調する2相はそれぞれ位相の異なるキャリア信号に基づいて生成される、モータインバータ装置の制御方法。 - 前記各モータ間の指令値の関係に応じて、前記駆動信号に替えて各モータを2相変調制御する第2の駆動信号を生成し、
前記各モータそれぞれについて前記第2の駆動信号のうち変調する2相は互いに位相の異なる2つのキャリア信号に基づいて生成され、
前記2つのキャリア信号の位相は各モータ間で等しい、
請求項8に記載のモータインバータ装置の制御方法。 - 前記モータが2つであり、
一方のモータの1つ相の指令値が正の一定値で、他方のモータの1つの相の指令値が負の一定値のときに、前記第2の駆動信号を生成する請求項9に記載のモータインバータ装置の制御方法。
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