JP2008145588A - クリーニング装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像保持体とブレード部材との摩擦によるブレード部材の破損や板ばね部材の変形を抑制し、クリーニング不良の発生を抑制する。
【解決手段】ブレード部材70は、板ばね部材72の一端部72Aに取り付けられ、板ばね部材72によって感光体ドラム15の表面へ圧接されている。板ばね部材72の他端部72Bは、ブレード取り付け部材74に接着剤76で接着されている。ブレード部材70の厚さtは0.8mm以上2.2mm以下で、ブレード部材70の破断伸びSと引張り強さFは、320%≦S≦500%、430kg/cm≦F≦620kg/cmを満たしている。ブレード部材70が感光体ドラム15を押圧する線圧は3.0gf/mm以上5.0gf/mm以下で、ブレード部材70のエッジが当たる点の感光体ドラム15の接線とブレード部材70の感光体ドラム15側の面とのなす角は8°〜16°に設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、像保持体の表面をクリーニングするクリーニング装置、およびこのクリーニング装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置では、感光体の表面に形成されたトナー像の転写後に、感光体の表面の転写残トナーなどをクリーニングするクリーニング装置が設けられている。このクリーニング装置として、例えば、感光体表面に圧接されるブレード部材によって転写残トナーなどクリーニングするものが採用されている。
しかし、このようなクリーニング装置では、長期にわたる使用によって、ブレード部材の変形(以下、「へたり」と呼ぶ)が起こり、感光体に対して所望の圧力をかけることができず、クリーニング性が低下してしまう。
この対策として、例えば、筐体の支持部材に板ばね部材の一端を接着し、板ばね部材の他端にブレード部材を接着する構成が提案されており、板ばね部材の弾性によってブレード部材を感光体表面に圧接している(例えば、特許文献1を参照)。
特開平4−172486号公報
しかし、特許文献1に記載のブレード部材では、画像形成装置の長寿命化のために表面平滑性が高く、耐摩耗性の高い架橋樹脂からなる表面層を有する感光体を使用する場合、ブレード部材と感光体表面とのトルクが高くなり、ブレード部材のエッジ部の欠けや裂けなどの破損や、板ばね部材の変形などが起こる場合がある。特に、高温高湿環境下や接触式帯電装置を用いた場合などでは、感光体とブレード部材との摩擦力が高くなり、このような現象が起こりやすい。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、像保持体に圧接されるブレード部材の破損や板ばね部材の変形などによるクリーニング不良の発生を抑制することを目的とする。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明に係るクリーニング装置は、像保持体の表面をクリーニングするブレード部材と、一端部に前記ブレード部材が設けられ、前記ブレード部材を前記像保持体の表面へ押圧する板ばね部材と、前記板ばね部材の他端部を固定支持するブレード取り付け部材と、を備え、前記ブレード部材の厚さtが0.8mm以上2.2mm以下で、前記ブレード部材の破断伸びSと、引張り強さFが、
320%≦S≦500%、430kg/cm≦F≦620kg/cm
を満たすものであると共に、前記ブレード部材が前記像保持体を押圧する線圧が3.0gf/mm以上5.0gf/mm以下であり、前記ブレード部材のエッジが当たる点の前記像保持体の接線と前記ブレード部材の前記像保持体側の面とのなす角が8°〜16°であることを特徴としている。
請求項2に記載の発明に係る画像形成装置は、架橋樹脂からなる表面層を有する像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、画像情報に基づいて前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、少なくともトナーによって前記静電潜像を顕像化する現像装置と、前記像保持体上のトナー像を転写材に転写する転写装置と、請求項1に記載のクリーニング装置と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明に係るクリーニング装置によれば、像保持体とブレード部材との摩擦によるブレード部材の破損や板ばね部材の変形を抑制でき、クリーニング不良の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明に係る画像形成装置によれば、表面平滑性が高く耐摩耗性が高い架橋樹脂からなる表面層を有する像保持体を用いた場合でも、ブレード部材の破損や板ばね部材の変形などを抑制でき、クリーニング不良による画質劣化の発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態の画像形成装置1が示されている。
この画像形成装置1は、デジタルカラープリンターであり、原稿(図示省略)の露光装置やパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データは画像処理装置12に送られ、所定の画像処理が施される。画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)(各8ビット)の4色の原稿再現色材階調データに変換され、次に述べるように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの露光装置14に送られる。この露光装置14では、所定の色の原稿再現色材階調データに応じてレーザ光LBによる画像露光が行われる。
画像形成装置1の内部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に一定の間隔をおいて並列的に配置されている。これらの4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kは、すべて同様に構成されており、回転駆動される感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電するロール部材からなる帯電装置16と、感光体ドラム15の表面に所定の色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を所定の色のトナーで現像する現像器17と、感光体ドラム15の表面を清掃するクリーニング装置18とで構成されている。
露光装置14は、4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通に構成されており、図示しない4つの半導体レーザを各色の原稿再現色材階調データに応じて変調して、これらの半導体レーザからレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを階調データに応じて出射するように構成されている。なお、露光装置14は、複数の画像形成ユニット毎に個別に構成しても勿論よい。上記半導体レーザから出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しないf−θレンズを介してポリゴンミラー19に照射され、このポリゴンミラー19によって偏向走査される。ポリゴンミラー19によって偏向走査されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、図示しない結像レンズ及び複数枚のミラーを介して、感光体ドラム15上の露光ポイントに、斜め下方から走査露光される。
露光装置14は、下方から感光体ドラム15上に画像を走査露光するものであるため、この露光装置14には、上方に位置する4つの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの現像器17などからトナー等が落下して、汚損される虞れがある。そのため、露光装置14は、その周囲が直方体状のフレーム20によって密閉されているとともに、フレーム20の上部には、4本のレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kを、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に露光するため、シールド部材としての透明なガラス製のウインドウ21Y、21M、21C、21Kが設けられている。
画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kに共通して設けられた露光装置14に、各色の画像データが順次出力される。露光装置14から画像データに応じて出射されたレーザ光LB−Y、LB−M、LB−C、LB−Kは、対応する感光体ドラム15の表面に走査露光され、静電潜像が形成される。感光体ドラム15上に形成された静電潜像は、現像器17Y、17M、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像として現像される。
各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの上方にわたって配置された転写ユニット22の中間転写ベルト25上に、4つの一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kによって多重に転写される。これらの一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kは、各画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15に対応した中間転写ベルト25の裏面側に配設されている。一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kには、転写バイアス電源(図示しない)が接続されており、所定のトナー極性とは逆極性(本実施の形態では正極性)の転写バイアスが所定のタイミングで印加されるようになっている。
中間転写ベルト25は、ドライブロール27と、テンションロール24と、バックアップロール28との間に一定のテンションで巻き掛けられており、図示しないモータによって回転駆動されるドライブロール27により、図中の時計回りに所定の速度で循環駆動されるようになっている。
中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像は、バックアップロール28に圧接する二次転写ロール29によって、シートとしての記録用紙30上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙30は、上方に位置する定着器31へと搬送される。二次転写ロール29は、バックアップロール28の側方に圧接しており、下方から上方に搬送される記録用紙30上に、各色のトナー像を二次転写するようになっている。定着器31は、所定の温度に加熱された加熱ロール56と、この加熱ロール56に圧接された加圧ロール58とを備えている。そして、各色のトナー像が転写された記録用紙30は、加熱ロール56と加圧ロール58との圧接部で熱及び圧力により定着処理を受けた後、排出ロール32によって画像形成装置1の上部に設けられた排出トレイ33上に排出される。
記録用紙30は、給紙カセット34から所定のサイズのものが、給紙ローラ35及び用紙分離搬送用のローラ対36により用紙搬送路37を介して、レジストロール38まで一旦搬送され、停止される。給紙された記録用紙30の用紙搬送路37は、垂直方向上向きとなっている。給紙カセット34から供給された記録用紙30は、所定のタイミングで回転するレジストロール38によって中間転写ベルト25の二次転写位置へ送出される。
なお、画像形成装置1において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、片面に画像が定着された記録用紙30を、排出ロール32によって排出トレイ33上にそのまま排出せずに、図示しない切替ゲートによって搬送方向を切り替え、用紙搬送用のローラ対39を介して両面用搬送ユニット40へと搬送する。この両面用搬送ユニット40では、搬送径路41に沿って設けられた図示しない搬送ローラ対により、記録用紙30の表裏が反転された状態で、再度レジストロール38へと搬送される。そして、記録用紙30の裏面に画像が転写・定着された後、排出トレイ33上に排出される。
また、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム15の表面は、クリーニング装置18によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。このクリーニング装置18については後に詳述する。
また、トナー像の転写工程が終了した後の中間転写ベルト25の表面は、クリーニング装置43によって残留トナーや紙粉等が除去されて、次の画像形成プロセスに備える。クリーニング装置43は、クリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bを備えており、これらのクリーニングブラシ43a及びクリーニングブレード43bによって、中間転写ベルト25上の残留トナーや紙粉等を除去するようになっている。
なお、画像形成装置1の内部の上方部には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを収容するトナーカートリッジ44Y、44M、44C、44Kがそれぞれ設けられており、各色の現像器17に、所定の色のトナーを供給するようになっている。
また、画像形成装置1の側面(図1中の左側面)には、任意のシートを積載可能な手差しトレイ47が取り付けられている。この手差しトレイ47には、シートとしての記録用紙52がセットされ、給紙ローラ54によって記録用紙52が給紙され、レジストロール38へと搬送されるようになっている。なお、記録用紙52は、先述の記録用紙30と種類やサイズが異なる。
図2に示すように、感光体ドラム15は、図示しないモータにより矢印A方向(反時計方向)に回転駆動されている。クリーニング装置18には、筐体60の感光体ドラム15の回転方向上流側に、感光体ドラム15に接触する樹脂製のシール部材62が設けられている。このシール部材62は、先端部が感光体ドラム15の回転方向下流側に向けて配置されている。また、クリーニング装置18には、筐体60の感光体ドラム15の回転方向下流側に、感光体ドラム15の表面の転写残トナーなどをかき取るクリーニング部材64が設けられている。さらに、筐体60内のクリーニング部材64の背面側に、クリーニング部材64によってかき取られた転写残トナーなどを排トナーボックス(図示省略)に排出する排トナー搬送オーガー66が配設されている。
図3及び図4に示すように、クリーニング部材64は、板ばね部材72の一端部72Aに固着されたブレード部材70を備えており、ブレード部材70が感光体ドラム15の回転方向上流側に向けて配置されている。また、筐体60には、略L字状のブレード取り付け部材74が、L字状の一端部74Aが上方に向くように取り付けられている。ブレード取り付け部材74の一端部74Aには、板ばね部材72の他端部72Bが接着剤76によって接着されている。この板ばね部材72は、ブレード部材70が取り付けられた面と反対側の面が接着剤76によってブレード取り付け部材74に接着されている。
このようなクリーニング部材64では、図4に示すように、板ばね部材72の一端部72Aに設けられたブレード部材70が、感光体ドラム15の回転方向(A方向)の上流側に向けて配置され、板ばね部材72が撓むことで、ブレード部材70が感光体ドラム15に圧接されている。すなわち、板ばね部材72の弾性によってブレード部材70が感光体ドラム15の回転方向上流側に向けて圧接されることにより、感光体ドラム15の表面の転写残トナーや紙粉等がブレード部材70によってかき取られる。
ここで、本発明者らが、感光体ドラム15との摩擦によるブレード部材70のエッジ部の欠けや裂け、板ばね部材72の座屈などの変形を抑制するために行った検討の内容について説明する。
ブレード部材として、高引張り強さ、高破断伸びの材料を検討したところ、ブレード部材のエッジ部の欠けや裂け、板ばね部材の座屈などの変形は回避できる可能性を見出したが、ブレード部材又は板ばね部材の振動に起因すると考えられる異音が起こり、また、感光体ドラム15上では検出できないが、接触帯電方式の帯電装置16に徐々に付着してやがて画像ムラとなる、トナーのすり抜けが起こることがわかった。
更なる検討の結果、ブレード部材70の物性、ブレード部材70の厚み、ブレード部材70の感光体ドラム15への接触条件を規定することにより、効果的に異音やトナーのすり抜け、ブレード部材70のエッジ部の欠けや裂け、及び板ばね部材72の座屈などの変形を抑制できることがわかった。具体的には、ブレード部材70の厚さtが0.8mm以上2.2mm以下で、ブレード部材70の破断伸びSと、引っ張り強さFが、
320%≦S≦500%、430kg/cm≦F≦620kg/cmを満たすことが好ましい。また、ブレード部材70が感光体ドラム15を押圧する線圧NFが3.0gf/mm(3.0×0.0098=0.0294N/mm)以上5.0gf/mm(5.0×0.0098=0.049N/mm)以下であることが好ましい。さらに、図5に示すように、ブレード部材70のエッジが当たる点の感光体ドラム15の接線とブレード部材70の感光体ドラム15側の面とのなす角WAが8°〜16°であることが好ましい。これらのブレード部材70の厚み、ブレード部材70の感光体ドラム15への接触条件の根拠については後述する。
ここで、ブレード部材70についてより詳細に説明する。
<ブレード材料について>
一般にブレード部材70の耐磨耗性を向上させるために、感光体ドラム15に接触する部分の材料として、高硬度あるいは引っ張り強さの強い材料を採用すると、一般的には耐性は向上するが弾性が低下する。弾性が低下するとは、ゴムらしさが無くなり伸び難くなることである。伸び難くなる為、BCOの発生に伴い感光体ドラム15表面に埋没したキャリア片などの異物が、ブレード部材70のエッジと感光体ドラム15表面との接触部を通過する際、異物がエッジを変形させる力に追従して、エッジ先端が変形することが出来ずに欠け易くなってしまう。
従って、ブレード部材70のエッジ欠けを防止するためには、ブレード部材70のエッジと感光体ドラム15表面との接触部を異物が通過する際に、エッジ先端が変形する(伸びる)ようなある程度低硬度の材料で、エッジ先端部が構成されていることが有利である。しかし、このような低硬度の材料では、耐磨耗性に劣るため、長期に渡り良好なクリーニング性能を維持することができない。
ブレード部材70の材料としては、ウレタンゴムまたはシリコンゴムを使用することが好ましい。特に化学的な変化を起こしにくい上に引っ張り強度などの機械的物性が優れる点でウレタンゴムが好ましい。ポリウレタン材料としては、エステル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタンを挙げることができるが、エステル系ポリウレタンが好ましい。
なお、エステル系のウレタンゴムを製造する際には、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを用いることができる。ここで、ポリイソシアネートとしては、2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート(TODI)などを挙げることができる。特に、性能及びコスト面で好適なものはMDIである。
また、上述したポリエステルポリオールを用いてウレタンゴムを製造するには、ポリエステルポリオール及び鎖延長剤としての短鎖ポリオールに、ポリイソシアネートを配合し、反応させる。反応はプレポリマー法やワンショット法など、ポリウレタンの一般的な製造方法を用いることができる。
例えば、ブレード部材70は、脱水処理したポリテトラメチルエーテルグリコールにジフェニルメタン−4.4.−ジイソシアネートを混入し120℃で15分反応させ生成したプレポリマーに硬化剤として1.4−ブタジオールおよびトリメチロールプロパンを併用し遠心成形機内で架橋反応させゴムシートを形成する。更にゴムシートを110℃にて10時間硬化させることにより、ブレードゴム材料を作成する。
また、ブレード部材70は、エラストマー材料であれば特に限定されないが、ハードセグメントおよびソフトセグメントを含むエラストマー材料であることが特に好ましい。なお、「ハードセグメント」および「ソフトセグメント」とは、エラストマー材料中で、前者を構成する材料の方が、後者を構成する材料よりも相対的に硬い材料からなり、後者を構成する材料の方が前者を構成する材料よりも相対的に柔らかい材料からなるセグメントを意味する。
ハードセグメント材料とソフトセグメント材料との組み合わせとしては、特に限定されず、一方が他方に対して相対的に硬く、他方が一方に対して相対的に柔らかい組み合わせとなるように公知の樹脂材料から選択できるが、本発明においては、以下のような組み合わせが好適である。
すなわち、ハードセグメント材料としては、ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。この場合のポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、1000〜4000の範囲内であることが好ましく、1500〜3500の範囲内であることがより好ましい。重量平均分子量が1000未満の場合は、ブレード部材70が低温環境下で使用される場合にハードセグメントを構成するポリウレタン樹脂の弾性が失われるために、クリーニング不良が生じやすくなる場合がある。また、重量平均分子量が4000を超える場合は、ハードセグメントを構成するポリウレタン樹脂の永久歪みが大きくなり、エッジ先端が、感光体ドラム15に対して接触圧を保持することができなくなり、クリーニング不良が生じる場合がある。
なお、上述したようなハードセグメント材料として用いられるポリウレタン樹脂としては、例えば、ダイセル化学社製、プラクセル205やプラクセル240などが挙げられる。
また、ハードセグメント材料としてポリウレタン樹脂を用いる場合のソフトセグメント材料としては、(1)イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有する樹脂を用いることが好ましい。また、この樹脂の物性は、(2)ガラス転移温度が0℃以下、(3)25℃における粘度が600〜35000mPa・s範囲内、(4)重量平均分子量が700〜3000の範囲内であることが好ましい。これらの物性が満たされない場合には、ブレード部材70を作製する際の成形性が不充分となったり、ブレード部材自体の特性が不充分となる場合がある。なお、物性は、より好ましくは、ガラス転移温度が−10℃以下、25℃における粘度が1000〜3000mPa・s範囲内、重量平均分子量が900〜2800の範囲内である。また、ブレード部材70を遠心成型を利用して作製する場合、25℃における粘度が600〜3500mPa・s範囲内であることが好ましい。
<ブレード部材の物性について>
(1) 引っ張り強さ430kg/cm≦F≦620kg/cm
(2) 破断伸び320%≦S≦500%
本発明のブレード部材70は、感光体ドラム15(被クリーニング部材)表面と接触する部分の材料(以下、当該部分を「エッジ部」あるいは「エッジ先端」と称し、当該部分を構成する材料を「エッジ部材料」あるいは「エッジ先端材料」と称す場合がある)が、式(1)を満たすため、良好なクリーニング性を発揮しつつ、耐磨耗性にも優れる。
引張り強さFが、430kg/cm未満の場合には、耐磨耗性が不充分となり、長期に渡り良好なクリーニング性を維持することができない。このため、430kg/cm以上が好ましく、さらには470%以上であることが好ましい。また、620kg/cmを超える場合には、エッジ部材料が硬くなりすぎ、感光体ドラム15に対する追従性が悪化し、良好なクリーニング性を発揮できない。加えて、感光体ドラム15表面を傷つけやすくなる場合がある。このため、620kg/cm以下が好ましく、さらには590kg/cm以下であることが好ましい。
さらに、式(2)に示される破断伸びSが320%未満である場合、上述したような感光体表面の異物とエッジ先端が強い力で衝突した際に、エッジ先端が伸びて追従変形できなくなるため比較的短期間の内にエッジ欠けが発生してしまう。従って、早期に欠けが発生するため、長期に渡って良好なクリーニング性を維持することができない。このため、破断伸びは320%以上であることが好ましく、350%以上ではさらに好ましい。
なお、エッジ欠けに対しては大きい程好ましい反面、破断伸びSが500%より大きい場合は感光体ドラム15に対する追従性(密着性)が増し、感光体ドラム15との摩擦力が増大し、結果としてエッジ磨耗が増大し易くなる場合がある。それゆえ、エッジ磨耗の観点から破断伸びSは500%以下であることが好ましく、450%以下であることがより好ましく、400%以下であることが更に好ましい。
ここで、引張り強さF、破断伸びSは、JIS K6251(ダンベル状3号形試験片使用)に基づいて測定された引張り強さ(kg/cm)、破断伸び(%)を表す。
また、画像形成装置1のブレード部材70の周辺温度つまり使用環境温度は概ね10〜60℃の範囲である。従って、感光体ドラム15表面と接触する部分の材料のガラス転移温度Tgが使用環境温度を上回るとゴムらしさが無くなりブレード部材70の接触圧が安定しなくなる場合がある。それゆえ、感光体ドラム15表面と接触する部分の材料のガラス転移温度Tgは使用環境温度の下限値(10℃)以下であることが好ましい。
一方、感光体ドラム15表面と接触する部分の材料の反発弾性Rは、当該材料のガラス転移温度Tgが10℃以下である場合、低温程反発弾性は小さくなる傾向にある。特に、反発弾性Rが10%未満ではエッジ先端のスティック&スリップ挙動が鈍くなり、ある接触姿勢で変形した状態で摺擦する部分が発生し易くなる場合がある。
スティック&スリップ挙動により接触姿勢が解放されない場合には、エッジ先端の姿勢が保たれたまま摺擦が起こるため、局所的な塑性変形が発生しやすくなる。このような局所的な塑性変形が発生すると、エッジ先端と感光体ドラム15との密着性が低下し、クリーニング不良が発生し易くなる場合がある。このような局所的な塑性変形を抑制する為にはエッジ先端は常にスティック&スリップ挙動が行われている事が好ましく、そのためには、使用環境温度の実質的な下限値である温度10℃以上の環境下において、反発弾性Rは、10%以上であることが好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましい。
なお100%モジュラスMは、JISK6251に準拠して、ダンベル状3号形試験片を用い、引張速度500mm/minで計測し、100%歪み時の応力より求めた。尚、測定装置は、東洋精機(株)製、ストログラフAEエラストマを用いた。
また、応力−歪曲線は以下に説明する手順・方法により求めたものである。すなわち、JISK6251に準拠して、ダンベル状3号形試験片を用い、引張速度500mm/minで計測し、100%歪み時の応力と200%歪み時の応力より求めた。尚、測定装置は、東洋精機(株)製、ストログラフAEエラストマを用いた。
さらに、本発明において、感光体ドラム15表面と接触する部分の材料のガラス転移温度や、後述するソフトセグメント材料やハードセグメント材料のガラス転移温度は、粘弾性測定装置により温度分散を測定し、tanδ(損失正接)のピーク温度として求めた。
ここで、tanδ値は、以下に説明する貯蔵及び損失弾性率から導かれるものである。
線形弾性体に、正弦波の歪みを定常振動的に与えたとき、応力は式(4)で表される。
|E|は複素弾性率と呼ばれる。また、レオロジー学の理論より、弾性体成分は式(5)、及び粘性体成分は式(6)で表される。ここで、E’は貯蔵弾性率、E’’は損失弾性率と呼ばれる。δは応力と歪みとの位相差角を表し、”力学的損失角”と呼ばれるものである。
tanδ値は、式(7)の様にE”/E’で表され、”損失正弦”と呼ばれるものであり、その値が大きい程、その線形弾性体は、ゴム弾性を有するものとなる。
式(4) σ=|E|γcos(ωt)
式(5) E’=|E|cosδ
式(6) E”=|E|sinδ
式(7) tanδ=E”/E’
tanδ値は、レオペクトラ−DVE−V4(レオロジ−(株)製)によって静止歪み5%、10Hz 正弦波引張加振を温度範囲−60〜100 ℃で測定した。
また、ブレード部材70の厚さtは、0.8mm以上2.2mm以下であることが好ましく、また、1.2mm以上1.8mm以下であることがより好ましい。ブレード部材70の厚さtが0.8mmより小さいと、感光体ドラム15に圧接された状態で感光体ドラム15が回転したときにブレード部材70の先端がタック(感光体ドラム15の進行方向に引き込まれる状態)にならず、駆動状態で所望の圧力を得ることができず、帯電装置16の汚れによる色スジや、プアクリーニング(感光体ドラム15上のトナーのすり抜け)が発生する。また、ブレード部材70の厚さtが2.2mmより大きいと、プアクリーニングやブレード部材70又は板ばね部材72の振動による異音が発生する。
以上のような構成のブレード部材70は、耐磨耗性および耐欠け性の双方共に優れ、長期に渡り良好なクリーニング性能を維持することができる。
このため、BCOの発生に伴い、感光体ドラム15表面に埋没・固着した異物等のように、感光体ドラム15表面に存在する異物、特に表面に埋没・固着した異物に対応するために、従来のように画像形成装置内に別途耐磨耗性や耐欠け性を向上させるための装置を新たに設ける必要が無いため、装置の大型化・高コスト化を防止できる。
加えて、ブレード部材70の寿命が長くなるため、本発明のブレード部材70を具備したプロセスカートリッジや、クリーニング装置18、画像形成装置1の長寿命化や、メンテナンスコストの低減が容易である。特に、表面の耐磨耗性を向上させた感光体ドラム15及び本発明のブレード部材70の双方を具備したプロセスカートリッジや、画像形成装置であれば、上述したメリットをより一層享受することができる。
<ブレード部材の接触条件>
ブレード部材70が感光体ドラム15を押圧する線圧NFは、3.0gf/mm以上5.0gf/mm以下(0.0294N/mm以上0.049N/mm以下)であることが好ましく、また、3.5gf/mm以上4.5gf/mm以下(0.0343N/mm以上0.0441N/mm以下)であることがより好ましい。線圧NFが3.0gf/mmより小さいと、感光体ドラム15上のトナーなどの汚れを充分に掻き取ることができず、帯電装置16の汚れによる色スジやプアクリーニング(感光体ドラム15上のトナーのすり抜け)が発生しやすい。また、線圧NFが5.0gf/mmより大きいと、プアクリーニングやブレード部材70又は板ばね部材72の振動による異音が発生する。
さらに、図5に示すように、ブレード部材70のエッジが当たる点の感光体ドラム15の接線とブレード部材70の感光体ドラム15側の面とのなす角WAが8°〜16°であることが好ましく、また、10°〜14°であることがより好ましい。角度WAが8°より小さいと、帯電装置16の汚れによる色スジやプアクリーニング(感光体ドラム15上のトナーのすり抜け)が発生する。角度WAが16°より大きいと、プアクリーニングやブレード部材70又は板ばね部材72の振動による異音が発生する。異音が発生する。
ここで、角度WAは以下の方法により測定した。感光体ドラム15にブレード部材70を所望の変位量(食い込み量)Npで押圧した状態で、ニップ部にシリコンゴムを流し込み、硬化後カットして断面を観察し角度を測定した。ここでは観察のため、KEYENCE社製レーザー顕微鏡VK−8500を使用した。
また、線圧NFは以下の方法により測定した。図6に示すような測定装置100を使用し、ブレード部材70の食い込み量を変化させたときの荷重を測定し、ブレード部材70の線圧を測定した。図6に示すように、測定対象のクリーニング部材102のブレード取り付け部材74を測定装置100のブレード取付部104に取り付け、マイクロメータ106によりブレード部材70を矢印方向に下降させて押圧部108に押圧する。ブレード部材70が押圧部108に接触した位置を変位量(食い込み量)Np=0として、変位量(食い込み量)Npに対する押圧力を測定する。押圧力は荷重センサ110によって測定される。線圧は、この測定値をブレード幅で割ったものである。ここで使用した荷重センサ110は、共和電業社製 荷重変換器LM−1KAを使用した。
[画像形成装置の条件]
プロセススピードを160mm/secとし、帯電装置16による感光体ドラム15表面の帯電電位を−700V、露光装置14による露光部電位を−300Vとした。現像器17の現像ロールに−560Vの直流成分に振幅(ピーク・トゥ・ピーク電圧)を1.0kV、周波数6kHz、Duty60%の矩形波が重畳された現像バイアス電圧を印加してトナー像を形成した。このトナー像は中間転写ベルト25に転写され、さらに記録用紙30に転写され、定着器31によって定着される。
ここで、感光体ドラム15には、架橋構造を有する樹脂を含む表面層が形成されている。感光体ドラム15は、導電性基体の表面に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の感光層である場合、電荷輸送層上に設けた保護層に架橋構造を有する樹脂が含まれている。架橋構造を有する樹脂は優れた耐磨耗性を有しているため、長期に渡って使用しても、感光体ドラム15表面の磨耗や傷の発生を抑制することができる。
感光体ドラム15は、例えば、以下の方法により作成したものが用いられる。
〈感光体ドラム例1〉
(下引き層)
アセチルアセトンジルコニウムブトキシド 20重量部
(オルガチックス ZC540、松本交商製)
γーアミノプロピルトリエトキシシラン 2重量部
(A1100 日本ユニカ(株)製)
ポリビニルブチラール樹脂 1.5重量部
(エスレックBM−S 積水化学(株)製)
n−ブチルアルコール 70重量部
上記成分からなる溶液を、アルミニウムパイプ上に浸漬塗布した後、150°Cで10分間乾燥させて、膜厚0.9μmの下引き層を形成した。
(電荷発生層)
X型無金属フタロシアニン5重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、ユニオンカーバイド社製)5重量部、酢酸 n−ブチル 200重量部を1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散して得られた分散液を、上記の下引き層上に浸漬塗布し、100°Cで10分間乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層)
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン45重量部及びビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量:4万)55重量部をクロルベンゼン800重量部に加えて溶解し,電荷輸送層用塗布液を得た。この塗布液を電荷発生層上に塗布し、130℃、45分の乾燥を行って膜厚が22μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層)
下記構造式(I)で表される化合物3.5質量部、レジトップPL−4852(群栄化学製)3質量部、ポリビニルフェノール樹脂(Aldrich製)0.5部、イソプロピルアルコール10質量部、並びに3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.2質量部を加えて保護層用塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約4.0μmの保護層を形成して例1の感光体ドラムを作成した。
Figure 2008145588
〈感光体ドラム例2〉
下引き層、電荷発生層は感光体ドラム例1に同じである。
(電荷輸送層)
下記構造式(II)の電荷輸送性化合物2部、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(分子量:4万)3部をクロロベンゼン20部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚22μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2008145588
(保護層)
下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5部、テトラヒドロフラン3部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
構成材料
下記構造式(III)化合物 2部
メチルトリメトキシシラン2部
テトラメトキシシラン 0.3部
コロイダルシリカ 0.1部
フッ素グラフトポリマー(ZX007C:富士化成製) 0.5部
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部を加え、このコーティング液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚4.0μmの表面層を形成した。
Figure 2008145588
〈感光体ドラム例3〉
感光体ドラム例1の下引き層、電荷発生層、電荷輸送層と同じ構成の感光体ドラムとする。
〈感光体ドラム例4〉
下引き層、電荷発生層は感光体ドラム例1と同じである。
(電荷輸送層)
構造式(II)の電荷輸送性化合物9部、ポリアリレート樹脂(分子量8万)10部をジメチキシメタン33部、モノクロロベンゼン60部の混合溶媒に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、120℃、60分の加熱を行なって膜厚23μmの電荷輸送層を形成した。
ここで、使用したトナーについて説明する。トナーは、乳化重合法により作成し、コールターカウンター(コールター社製)で測定した体積平均粒径が5.8μmのトナーであった。トナー粒径は必ずしもこの限りではなく、3〜7μmであればよい。トナーの形状は形状係数で表わし、光学顕微鏡(ミクロフォトFXA;ニコン社製)で得た該トナーの拡大写真を、イメージアナライザーLuzex3(NIRECO社製)により画像解析を行って次式により算出した値である。
形状係数=(トナー径の絶対最大長)/トナーの投影面積×(π/4)×100
トナー形状係数は、トナーの投影面積と、それに外接する円の面積の比で表わしており、真球の場合100となり、形状が崩れるにつれ増加する。形状係数は、トナー粒子複数個に対して計算され、その平均値を代表値とする。本発明では、形状係数130〜140のトナーを用いた。トナーには、平均粒径10〜150nmの、シリカおよびチタニア等の無機微粒子(外添剤)を適宜量外添した。本実施例においては上に示す現像剤を使用したが、必ずしもこの限りでなく従来使用されている粉砕トナーを使用してもよい。また、平均粒径35μmのフェライトビーズからなるキャリアを使用した。
「実施例1」
本実施例のクリーニング部材64では、ブレード部材70として、ヤング率105kg/cm、100%モジュラス82kg/cm、25℃反発弾性40%、10℃反発弾性24%、23℃破断伸び360%、引張り強さ500kg/cm、厚さ1.2mmのウレタンゴムを使用した。板ばね部材72として、板厚0.08mmのSUS304CSP−Hを使用した。ブレード取り付け部材74は、厚さ2mmの亜鉛めっき鋼板をL字状に加工したものを使用した。ここで、ブレード部材70は板ばね部材72の一端部72Aにホットメルトによって接着した。また、板ばね部材72の他端部72Bを、厚さ2.5mmの亜鉛めっき鋼板よりなるブレード取り付け部材74にホットメルトによって接着した。このとき、ブレード取り付け部材74の先端面からブレード部材70の感光体ドラム15と接触するエッジ部までの距離FLを8.6mmとした。
このようなクリーニング部材64を用い、図5に示すように、感光体ドラム15がないときにブレード部材70の先端がくる位置を符号80としたとき、感光体ドラム15表面の接線とブレード部材70の接触面とのなす角θ(ブレード・セット・アングル)を23°とし、感光体ドラム15との圧接によるブレード部材70の先端部の変位量Np(ブレード部材70の食い込み量)を1.1mmとした。このとき、ブレード部材70が感光体ドラム15を押圧する線圧NFは4.1gf/mm(4.1×0.0098=0.0402N/mm)、ブレード部材70のエッジが当たる点の感光体ドラム15の接線とブレード部材70の感光体ドラム15側の面とのなす角WAは12°であった。
なお、板ばね部材72の材料、厚さ、ブレード取り付け部材74の先端面からブレード部材70の感光体ドラム15と接触するエッジ部までの距離FL、ブレード部材70の先端部の変位量Np、ブレード・セット・アングルは必ずしもこの限りでなく、所望の線圧NF、ブレード部材70のエッジが当たる点の感光体ドラム15の接線とブレード部材70の感光体ドラム15側の面とのなす角WAが得られるものであれば良い。特に板ばね部材72の材料や厚みは、クリーニング部材64を配置するスペースなどに応じて選んでよいが、安定した押圧力を得るという観点で、板圧0.05mm〜0.2mmのリン青銅やSUSの板バネ材を使用するのが好ましい。
次に、上述の条件で設定した画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kを画像形成装置1の作像位置に装着し、ランニングテストを実施した。
このテストでは、(1)22℃/50%RH環境、(2)(高温高湿)28℃/85%RH環境、(3)(低温低湿)10℃/15%RH環境下でそれぞれ10000枚プリント(A4横、各色画像密度5%)を実施し、(1)→(2)→(3)→(1)→(2)→(3)の順で合計60,000枚のプリントを行った。この結果、各環境下で30%および50%ハーフトーンをプリントしたが、いずれの画像形成ユニット13Y、13M、13C、13Kでも帯電装置16の汚れによる色スジや色帯の発生は見られなかった。また、60,000枚プリント後の(3)環境下で画像密度100%の未転写トナー像A3サイズ1枚分をクリーニング部に突入させたが、プアクリーニング(感光体ドラム15上のトナーのすり抜け)も見られなかった。
「実施例2」
表1に示すブレード材料をブレード部材70とし、実施例1と同条件で帯電装置16の汚れに起因するスジ、クリーニング不良(プアクリーニング)、ブレード部材70のエッジ部のダメージの比較を行った。
Figure 2008145588
その結果を表2に示す。ここで帯電装置16の汚れに起因するスジは、ランニングテスト(上記のランニングテストと同条件)実施後に、常温、高温高湿、低温低湿の各環境下で30%および50%ハーフトーンをプリントし、プロセス方向のスジ発生有無を評価している。表2中の×は帯電装置16の汚れに対応したスジが面積率30%、50%に見られたもの、△は画像を詳細に観察すると帯電装置16の汚れに対応したスジが面積率30%、50%に見られたものである。プアクリーニングは、環境下で画像密度100%の未転写トナー像A3サイズ1枚分をクリーニング部に突入させて評価を行っている。クリーニング装置18を通過した感光体ドラム15上に通過トナーの有無を確認しており、×は明らかなトナー通過が発生しているもの、△は透明テープを感光体表面の評価部分に貼り付け、はがしたときに薄いスジ状の通過が確認できたものを示している。あわせて、ブレード部材70のエッジ部分を顕微鏡で観察し、エッジ部分が磨耗または欠落しているとき×、エッジには達しないものの明らかに磨耗量が多いときものを△としている。また、表2中の○は問題のないレベルを示している。
Figure 2008145588
表2に示すように、ブレード材料<1>〜<5>では、帯電装置16の汚れに起因するスジ、プアクリーニング、ブレード部材70の磨耗、欠けがほとんど発生せず、良好な結果が得られた。したがって、ブレード部材70の破断伸びSと引張り強さFが、
500%≧S≧320%、620kg/cm≧F≧430kg/cmが好ましいことがわかる。
表3〜表7には表1中ブレード材料<1>〜<5>を使用し、それぞれブレード部材70の厚さ、感光体ドラム15に対する線圧NF、ブレード部材70のエッジが当たる点の感光体ドラム15の接線とブレード部材70の感光体ドラム15側の面とのなす角WAを変更し、評価を実施した結果を示す。ここでは表2で述べた帯電装置16の汚れに起因するスジ、プアクリーニングが発生している場合を■(表2の×)、表2の△レベルを□としている。また、感光体ドラム15の駆動時または停止するときにブレード部材70の振動に関係すると考えられる異音が発生した場合、それぞれ▼(駆動中)、▽(停止時)としている。また、問題ない場合は○とした。
Figure 2008145588
Figure 2008145588
Figure 2008145588
Figure 2008145588
Figure 2008145588
表3〜表7に示すように、ブレード部材70の厚さtは0.8mm以上2.2mm以下が好ましく、ブレード部材70が感光体ドラム15を押圧する線圧NFは3.0gf/mm以上5.0gf/mm以下(0.0294N/mm以上0.049N/mm以下)が好ましく、さらに、ブレード部材70のエッジが当たる点の感光体ドラム15の接線とブレード部材70の感光体ドラム15側の面とのなす角WAは8°〜16°が好ましいことがわかる。
以上の結果から、本発明のクリーニング装置18を使用することにより、長期間安定したクリーニング性能が得られることがわかった。このクリーニング装置18により、長期間所望の圧力を安定にかけられるため、比較的低線圧で十分なクリーニング性の得られるばかりでなく、架橋構造を有する耐磨耗性の高い感光体ドラム15を使用した場合であっても、ブレード部材70のエッジ部のかけや裂けを効果的に回避し、長期にわたって安定したクリーニング性を得ることができる。
なお、上記実施形態の画像形成装置1は、中間転写ベルトの移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成ユニットを並設する構成であったが、この構成に限定するものではない。例えば、4色の現像器を配置した回転式現像器を用いて感光体ドラムへのトナー像の形成を4サイクル繰り返して行う画像形成装置であっても、本発明を適用することが可能である。
なお、上記実施形態では、感光体ドラム15の表面をクリーニングするクリーニング装置18であったが、この構成に限定されず、例えば、中間転写ベルト25など、他の像保持体をクリーニングするときに本発明のクリーニング装置を適用することができる。
本発明の第1実施形態に係るクリーニング装置を備えた画像形成装置を示す概略構成図である。 図1に示す画像形成装置で用いられる画像形成ユニットのクリーニング装置の周辺を示す構成図である。 クリーニング装置に用いられるクリーニング部材を示す構成図である。 クリーニング部材を感光体ドラムに圧接した状態を示す構成図である。 クリーニング部材を感光体ドラムに圧接するときのブレード部材の変位量などの各種設定を説明する図である。 ブレード部材の線圧を測定する装置を示す構成図である。
符号の説明
1 画像形成装置
13 画像形成ユニット
14 露光装置
15 感光体ドラム(像保持体)
16 帯電ロール(帯電装置)
17 現像器(現像装置)
18 クリーニング装置
25 中間転写ベルト(転写材)
26 一次転写ロール(転写装置)
64 クリーニング部材
70 ブレード部材
72 板ばね部材
72A 一端部
72B 他端部
74 ブレード取り付け部材
76 接着剤

Claims (2)

  1. 像保持体の表面をクリーニングするブレード部材と、
    一端部に前記ブレード部材が設けられ、前記ブレード部材を前記像保持体の表面へ押圧する板ばね部材と、
    前記板ばね部材の他端部を固定支持するブレード取り付け部材と、を備え、
    前記ブレード部材の厚さtが0.8mm以上2.2mm以下で、前記ブレード部材の破断伸びSと、引張り強さFが、
    320%≦S≦500%、430kg/cm≦F≦620kg/cm
    を満たすものであると共に、
    前記ブレード部材が前記像保持体を押圧する線圧が3.0gf/mm以上5.0gf/mm以下であり、
    前記ブレード部材のエッジが当たる点の前記像保持体の接線と前記ブレード部材の前記像保持体側の面とのなす角が8°〜16°であることを特徴とするクリーニング装置。
  2. 架橋樹脂からなる表面層を有する像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電装置と、
    画像情報に基づいて前記像保持体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、
    少なくともトナーによって前記静電潜像を顕像化する現像装置と、
    前記像保持体上のトナー像を転写材に転写する転写装置と、
    請求項1に記載のクリーニング装置と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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