JP2011145353A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】終始安定して画像流れを発生させず、且つ、像担持体の耐久性も十分に兼ね備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1の移動方向にて、像担持体1の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング手段6の下流側に像担持体1の表面を摺擦する部材71を設け、摺擦部材71は、摺擦部材71の長手方向において、摺擦部材71を均一平面に当接させた時の圧力が弱い弱圧部と、圧力が前記弱圧部より強い強圧部とを交互に有し、且つ摺擦部材71が像担持体1と当接する際に長手方向にレシプロ移動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真プロセスにより像担持体上に画像を形成し、この画像を記録材などの記録媒体に転写する、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関するものである。
従来の一般的な電子写真プロセスを用いた画像形成装置においては、帯電ローラなどの帯電手段により像担持体である電子写真感光体を一様に帯電し、これに、像露光、例えば、レーザービームを照射して静電潜像を得ている。この潜像は、現像手段により、トナー像として反転現像又は正規現像されて顕像化される。このトナー像は、転写ローラなどの転写手段により静電的に記録材などの記録媒体に転写された後に、加熱定着装置等の定着手段により熱と圧力が加えられて記録媒体に定着される。記録媒体に対するトナー像転写後の感光体の表面は、残留したトナーがクリーニング装置によって除去されて清掃され、次の画像形成工程に備えられる。
ところで、近年感光体の高耐久性を達成する為に低磨耗レートの感光体が使われ始めている。こういった高耐久感光体を用いると感光体表面摩擦係数の上昇によるクリーニング性の低下、また高湿環境での画像流れが発生する場合がある。これは感光体を帯電する帯電工程で生じるオゾンが、空気中の窒素と反応して窒素酸化物(NOx)となり、更にこれらの窒素酸化物が空気中の水分と反応して硝酸になって感光体の表面に付着して、感光体の表面の抵抗を低下させる。このために画像形成時に感光体において画像流れを生じるようになる。
この画像流れに対して、トナーに研磨作用を有する粒子を添加し、感光体の表面に付着した帯電生成物を剥ぎ取ることによって改善する方法が知られている。例えば特許文献1によるとトナー中に添加する研磨剤として粒子形状が概略立方体及び/又は直方体であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を用いることで、感光体表面に付着した帯電生成物の除去を効率的に行えるとしている。
また、摺擦部材により感光体表面をリフレッシュし放電生成物を機械的に除去する手法も提案されている。特許文献2には研磨ブレードを用いて感光体表面を摺擦する手法、特許文献3には弾性ローラを用いて感光体表面を摺擦する手法が記載されている。
特開2005−338750号公報 特開2006−293286号公報 特開2005―157178号公報
上記研磨剤を現像トナーに外添して感光体表面に供給する方法だと画像dutyや印字パターンにより供給の偏りが生じ、部分的に画像流れが発生してしまう場合がある。
また、摺擦部材により感光体表面をリフレッシュさせる方法では、画像流れを確実に防ぐ為にはある程度強く摺擦部材を当接する必要があり、その時感光体磨耗/傷が発生し感光体として十分な耐久性を得られない場合がある。
そこで、本発明の目的は、終始安定して画像流れを発生させず、且つ、像担持体の耐久性も十分に兼ね備える画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体に形成された静電潜像を現像剤像として可視化する現像手段と、前記現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置において、
前記像担持体の移動方向にて前記クリーニング手段の下流側に前記像担持体の表面を摺擦する部材を設け、前記摺擦部材は、前記摺擦部材の長手方向において、前記摺擦部材を均一平面に当接させた時の圧力が弱い弱圧部と、圧力が前記弱圧部より強い強圧部とを交互に有し、且つ前記摺擦部材が前記像担持体と当接する際に長手方向にレシプロ移動することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、摺擦部材の平均的な圧力が低い状態でも優れた摺擦効果が得られ、像担持体の寿命の向上と画像流れ防止の両立を長期にわたり維持することができる。また、像担持体として高耐久感光体を用いた場合においても画像流れの発生が防止され、且つ安定した画像特性が長期に渡り維持される。
本発明に係る画像形成装置の一実施例の全体概略構成図である。 図2(a)は、本発明に従った摺擦部材の当接方法の一実施例を説明する画像形成装置の全体概略構成図であり、図2(b)は、当接部材の感光体表面に対する順方向当接状態を説明する拡大図である。 図3(a)は、実施例1における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図3(b)は、圧力分布を表した図である。 図4(a)は、摺擦部材当接面の一実施例を説明するための摺擦部材の斜視図であり、図4(b)は、摺擦部材当接面の他の実施例を説明するための摺擦部材の斜視図である。 図5(a)は、実施例2における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図5(b)は、圧力分布を表した図である。 図6(a)は、実施例3における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図6(b)は、圧力分布を表した図である。 図7(a)は、実施例4における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図7(b)は、圧力分布を表した図である。 図8(a)は、比較例2における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図8(b)は、圧力分布を表した図である。 図9(a)は、比較例3における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図9(b)は、圧力分布を表した図である。 図10(a)は、比較例4における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図10(b)は、圧力分布を表した図である。 図11(a)は、比較例6における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図11(b)は、圧力分布を表した図である。 図12(a)は、比較例7における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図12(b)は、圧力分布を表した図である。 図13(a)は、比較例8における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図13(b)は、圧力分布を表した図である。 図14(a)は、実施例5における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図14(b)は、圧力分布を表した図である。 図15(a)は、実施例6における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図15(b)は、圧力分布を表した図である。 図16(a)は、実施例7における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図16(b)は、圧力分布を表した図である。 図17(a)は、実施例9における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図17(b)は、圧力分布を表した図である。 研磨シートを用いて感光体の表面形状を制御する装置の説明図である。 図19(a)は、実施例13における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図19(b)は、圧力分布を表した図である。 図20(a)は、実施例14における摺擦部材当接面を説明するための図であり、図20(b)は、圧力分布を表した図である。 本発明に従った摺擦部材の当接方法の他の実施例(カウンター当接)を説明する画像形成装置の全体概略構成図である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。なお、画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
実施例1
図1は、本実施例の画像形成装置の概略構成を示す模式図である。本実施例にて画像形成装置は、転写式電子写真画像形成装置であり、複写機機能、プリンタ機能、ファクシミリ能機を有する複合機能機である。
本実施例にて画像形成装置100は、画像形成部Aと、画像形成部Aの上部に配設された原稿読取り部(原稿読み取り手段)Bとを有している。
原稿読取り部Bは、原稿台ガラス21、原稿台ガラス21の上面に対して開閉可能な原稿押え板22を備えている。原稿台ガラス21の上に原稿Oを画像面を下向きにして所定の載置基準に従って載置し、原稿押え板22を被せることで原稿Oをセットする。原稿押え板22を原稿自動送り装置(ADF・RDF)にしてシート状の原稿を自動的に原稿台ガラス21の上に給送する構成にすることもできる。原稿読取り部Bには、原稿台ガラス21の下面に沿って移動駆動される原稿読取りユニット23が設置されている。この原稿読取りユニット23により原稿台ガラス21上のセット原稿Oの下向き画像面が走査される。
原稿読取り部Bにより、原稿画像が電気的な画像情報として光電読取りされて、コントローラCの画像処理部に入力する。コントローラCは、画像形成装置100の動作を統括的に制御する制御手段(制御回路)であり、画像形成開始信号が入力すると、画像形成動作のシーケンス制御を開始する。
画像形成部Aは、回転体とされる像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下、「感光体」と記す。)1を備えている。この感光体1は、駆動機構(不図示)により、矢印の時計方向に所定の速度(プロセススピード)、本実施例では200mm/secで回転駆動される。感光体1は、OPC等の感光材料の層を、アルミニウムなどのシリンダ状基体の外周面に塗布して形成している。本実施例にて、感光体1の直径は、30mmとした。
回転駆動される感光体1は、帯電手段である帯電ローラ2の感光体移動方向上流に配置された除電手段としての前露光ランプ(イレーザランプ)(不図示)による全面露光を受ける。これにより、感光体1の表面が均一に除電されて前の画像形成時の電気的メモリの消去がなされる。そして、その感光体1の除電面が接触帯電装置である帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電される。この帯電ローラ2の導電性部材に対して帯電バイアス印加電源部S1より所定の帯電バイアスが印加されることで、回転する感光体1の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。
画像露光手段(潜像を形成する露光装置)3として、本実施例では、レーザー発信器、高速で回転するポリゴンミラー、F−θレンズ、偏向ミラー等を含むレーザースキャナ(レーザー走査露光装置)が設置されている。
コントローラ部Cの画像処理部は、複写機モードの場合は、原稿読取り部Bから入力した原稿画像の電気的画像情報をレーザースキャナ3に入力する。レーザースキャナ3は、入力した画像情報に対応してON/OFF制御されたレーザー光Lを出力して、接触式帯電ローラ2で一様に帯電された感光体1の表面を走査露光する。これにより、感光体1の表面に原稿Oの画像情報に対応した静電潜像が形成される。本実施例では、感光体1の表面に明部電位VLとして−150Vの静電潜像が形成される。
感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段である現像装置4により供給される現像剤(トナー)によって現像剤像(トナー像)として可視化される。イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
上記構成において、帯電手段2と画像露光手段3と現像手段4とが、感光体1にトナー像を形成するトナー像形成手段である。又、本実施例では、感光体1、帯電手段2、現像手段4、クリーニング手段6は、枠体15aにて一体化され、画像形成装置100に着脱可能なカートリッジ15を構成している。
一方、給紙部Dの給紙ローラ9が所定の制御タイミングで駆動されて、給紙カセット8に積載して収納されている記録媒体としての記録材(転写用紙、OHPシート等)Pが一枚分離給送されて、レジストローラ(レジスロレーションローラ)10に送られる。レジストローラ10は、記録材Pの斜行修正と、感光体1から記録材Pへのトナー像の転写のタイミングを制御するもので、給紙カセット8から給送された記録材Pの先端を受け止めて一旦停止させる。そして、その記録材Pが、所定の制御タイミングで回転駆動されたレジストローラ10により、感光体1と中抵抗の転写ローラ(転写手段)5との圧接部である転写ニップ部Tに導入される。転写ローラ5には、記録材Pが転写ニップ部Tを挟持搬送される間、転写バイアス電源部S3から、トナーの帯電極性とは逆極性で所定の電位の転写バイアスが印加される。これにより、感光体1の表面に形成されているトナー像が記録材Pの表面に順次に静電的に転写される。
転写ニップ部Tを出た記録材Pは、感光体1の表面から分離される。そして、ガイド部材11でガイドされて定着手段としての画像加熱定着装置12の、加熱定着ローラ12aとこれに所定の加圧力にて接触させた加圧ローラ12bとの間の定着ニップ部Nに導入される。その記録材Pは、定着ニップ部Nにおいて定着ローラ12aと加圧ローラ12bとで挟持されて搬送され、その搬送過程で熱と圧力を受ける。これにより、トナー像が記録材Pの表面に固着画像として定着される。そして、定着ニップ部Nを出た記録材Pは排出ローラ13により排出トレイ14に画像形成物(コピー、プリント)として排出される。
また、記録材分離後(顕画像転写後)の感光体1の表面に残留した転写残トナーはクリーニング装置(クリーニング手段)6によって除去される。そして、表面がクリーニングされた感光体1は繰り返して画像形成に供される。
<帯電装置>
帯電部材である接触式帯電ローラ2は、電極として機能することが重要である。つまり、弾性を持たせて感光体1との十分な接触状態を得ると同時に、移動する感光体1を帯電するに十分低い抵抗を有する必要がある。一方では、感光体1にピンホールなどの低耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。十分な帯電性と耐リークを得るには接触式帯電ローラ2の抵抗値は104〜107Ωであることが好ましい。本実施例では接触式帯電ローラ2の抵抗値は106Ωを用いている。本実施例においては、帯電ローラ2には、電源S1から帯電バイアスとして、所定の交流電圧に所定の直流電圧を重畳した振動電圧が印加される(AC方式)。これにより、感光体1の表面は、所定の暗部電位VDに一様に接触帯電される。具体的には、周波数1850Hzの正弦波交流に−650Vの直流バイアスを重畳した帯電バイアスを用い、帯電ローラ2に流れる交流帯電電流Iacが定電流制御されている。感光体1はこれによって暗部電位VDとして約−600Vに一様帯電される。
接触式帯電ローラ2は、芯金2a、弾性体2b、表面層2cにて構成される。芯金2aの周りに形成される弾性体2bの材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものが挙げられる。また、特に導電性物質を分散せずに、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。表面層2cは、感光体1上にピンホール等の欠陥があってもリークが発生するのを防止するために設けている保護層であり、フッ素樹脂化合物に酸化錫とカーボンを分散したものなどにて作製される。
接触式帯電ローラ2のアスカーC硬度は、低すぎると形状が安定しないために感光体との接触性が悪くなり、高すぎると感光体との間に帯電ニップ部を確保できないだけでなく、感光体表面へのミクロな接触性が悪くなる。これらの理由でアスカーC硬度は20°以上80°以下であることが好ましい。本実施例では50°のものを使用した。
本実施例における帯電ローラ2の硬度の測定は、アスカーC硬度計を用いて23.5℃/60%RH環境において行ったものである。
<現像装置>
現像装置4は、本実施例では、現像方式として磁性1成分現像法を用いている。現像装置4は、現像剤担持体として、直径16mmの非磁性の現像スリーブ41を備えており、固定のマグネット・ローラ(磁界発生手段)42を内包している。
この現像スリーブ41に、重量平均粒径6μmのネガトナーをコートし、感光体1の表面との距離を200μmに固定した状態で、感光体1と等速で回転させ、現像スリーブ41に現像バイアス電源部S2より所定の現像バイアス電圧を印加する。本実施例では、現像バイアスは、−450Vの直流電圧と、周波数1.8MHz、ピーク間電圧1.6kVの矩形の交流電圧を重畳したものを用い、現像スリーブ41と感光体1の間でジャンピング現像を行わせる。
トナーの重量平均粒径は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径である。
本実施例で用いた現像剤の外添処方は、トナー100重量部に対して、疎水性シリカ(不定形、平均粒径約20nm)を1.0重量部外添した。
また、現像装置4の現像方式及び現像剤は、上記に限らず、感光体上の静電潜像にトナーを供給してトナー像とし得るものであればよい。例えば、非磁性1成分現像剤(非磁性トナー)を使用した非磁性1成分現像方式、或いは、2成分現像剤(トナーと磁性キャリア)を使用した2成分現像方式等も好適に用いることができる。
<クリーニング装置>
クリーニング手段であるクリーニング装置6は、クリーニング部材として、弾性を有するクリーニングブレード(弾性ブレード)を用いたブレードクリーニング装置である。クリーニング装置6は、板金6fに支持されたクリーニングブレード6a、トナー捕集シート6b、廃トナー回収容器6c等から構成されている。クリーニングブレード6aは回転する感光体1に対してカウンターに当接させて、感光体1とニップ部を形成させている。
クリーニングブレード6aは、板金6fの先端部に一体的に保持されたポリウレタンゴムからなり、感光体1に対して所定の侵入量、設定角の条件で当接されている。ブレードのゴム硬度としては50°以上85°以下(JIS A)が好ましい。50°未満では軟らか過ぎてブレード全体の挙動が安定せず、85°超では剛性が高すぎてトナーのクリーニングが良好に出来ない場合がある。本実施例ではクリーニングブレードとして70°のウレタンゴムを用いた。
本実施例では、設定角(θ)=22°、侵入量1.0mmの範囲、クリーニングブレード6aの感光体1への当接圧(F)を25g/cmとなるようにした。クリーニングブレード6aの当接圧は、15g/cm以上60g/cm以下であることが好ましい。クリーニングブレード6aの当接圧が20g/cm未満である場合、トナーすり抜けによるクリーニング不良が発生しやすくなり、また、60g/cmを超える場合、クリーニングブレード6aの磨耗により満足な耐久性が得られにくくなった。
<感光体>
本実施例における像担持体としての感光体1の構成は、導電性基体上に電荷発生層と電荷輸送層を積層し、その上に表面保護層を形成している。表面層は、重合或いは架橋し、硬化させた化合物を含有している電子写真感光体であることがより好ましい。表面層の硬化手段は、熱や可視光、紫外線等の光、更に放射線を用いることが出来る。
従って、本実施例における感光体1の表面層を形成するには、表面層用の重合或いは架橋し硬化させることが出来る化合物を融解、含有している塗布溶液を用いる。そして、この溶液を、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング等により塗工し、これを前記した硬化手段により硬化するという手順となる。感光体を効率よく大量生産するには含浸コーティング法が最良であり、本実施例においても浸漬塗布法は可能である。
本実施例において、表面層の重合或いは架橋させる化合物の硬化法は、感光体特性の劣化無く残留電位の上昇が起こらず、十分な硬度を示すことが出来る点で、放射線を用いることが好適である。
この際、使用する放射線とは電子線及びガンマ線である。電子線を照射する場合、加速器としてスキャニング型、エレクトロンカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びらミーナ型等の何れの形式も使用することが出来る。電子線を照射する場合に、本実施例の感光体における電気特性、及び耐久性能を発現する上で、その照射条件は、加速電圧は250kV以下が好ましく、最適には150kV以下である。また照射線量は好ましくは10KGyから1000KGyの範囲、より好ましくは30KGyから500KGyの範囲である。加速電圧が上記を越えると感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、照射線量が上記範囲より少ない場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化が起こりやすいので注意が必要である。
重合或いは架橋し硬化させることの出来る表面層用化合物としては、反応性の高さ、反応速度の速さ、硬化後に達成される硬度の高さの点から、分子内に不飽和重合性官能基を持つものが好ましい。更にその中でもアクリル基、メタクリル基、及びスチレン基をもつ化合物が特に好ましい。
本実施例に用いる表面保護層の膜厚は、0.2〜10μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜6μmの範囲である。
本実施例に用いられる像担持体である感光体表面の磨耗量は、テーバー磨耗試験器では2mg以下である。テーバー磨耗試験の試験方法は、テーバー磨耗試験機(Y.S.S.Taber 安田製作所製)の試料台にサンプルを装着する。そして、2個のサンプルの表面にラッピングテープ(富士フィルム製 品名:C2000)を装着したゴム製の磨耗輪(CS−0)の各々荷重500grをかけ、1000回転後のサンプルの質量減少を精密天秤にて測定する方法である。本実施例で用いた感光体は、保護層を設けテーバー磨耗試験で0.5mgとなるものを用いた。
次に、本実施例で用いた感光体1の表面形状についてであるが、平均表面粗さRz(10点平均粗さ)は0.1μm、表面の凹凸の平均間隔Smは300μmのものを用いており、感光体表面の特別な粗面化処理は施していない。
感光体1の表面の表面粗さは、接触式面粗さ測定機(商品名:サーフコーダSE3500、(株)小坂研究所製)を用いて以下のように測定を行う。
検出器:R2μm、0.7mNのダイアモンド針、フィルタ:2CR、カットオフ値:0.8mm、測定長さ:2.5mm、送り速さ:0.1mmとし、JIS規格B0601で定義される10点平均表面粗さRzのデータを処理した。また表面の凹凸の平均間隔Smは同様の条件で測定し以下の式から得られる算術平均値である。
Figure 2011145353
<摺擦手段>
次に、本発明の特徴部を構成する摺擦手段7について説明する。摺擦手段7は、感光体1の移動方向で、クリーニング装置6の下流側であって、帯電ローラ2の上流側に配置される。
図2(a)、(b)に、摺擦手段7の一実施例を示す。摺擦手段7は、感光体1の表面に当接する摺擦部材71を有し、本実施例では摺擦部材71としては、弾性材料にて作製されたブレード形状のもの(以下、「研磨ブレード」と称す。)を用いた。ブレード材質としては通常のクリーニングブレードと同様にフッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等を用いることができる。
図2(a)、(b)及び図3(a)に示すように、研磨ブレード71は、本実施例では、全体形状は、感光体1の長手軸線方向に沿って延在し、長手方向の長さ(W0)が感光体1の画像形成幅より若干大きくされた細長の矩形状の板状部材とされる。また、研磨ブレード71は、厚さ(t)が3mmとされ、ブレード71の長手方向に直交する方向の幅(h)は、10mmとされ、横断面形状が長方形のブレードとされる。
また、摺擦部材としての研磨ブレード71は、感光体1の軸線方向に沿った板状部材の長手方向の一端側が支持部材72に結合して取り付けられる。支持部材72に支持されていない他端側の板状部材の軸線方向に沿った先端エッジ部71aが、感光体1の表面に押圧力(Np)にて押圧され、当接面71Aを形成している。
本実施例によれば、詳しくは後述するように、ブレード71と感光体1との当接圧(Fs)は、ブレード71の長手方向において異なるものとされる。即ち、ブレード71の長手方向において、圧力が弱い弱圧部と、圧力がこの弱圧部より強い強圧部とを交互に有している。
先端エッジ部71aが感光体1に当接して形成される研磨ブレード71と感光体1とが接触する接触面(即ち、当接面)71Aの感光体1の移動方向に沿った幅(Nt)は、0.05mm以上10mm以下であることが好ましい。接触する幅(Nt)が0.05mm未満では、両者の接触する面積が小さいため、研磨ブレード71による十分な研磨効果が得られない。一方、接触する幅(Nt)が10mmより大きいと、両者の接触面積が大きくなり、面圧が下がるので、十分な研磨効果が得られない。また異物を挟み込んだ場合に感光体表面に傷が入り易くなってしまう。
本実施例では耐摩耗性の観点から研磨ブレード71としてウレタンゴムを用いた。ゴム硬度は65度以上100度以下の上記のゴム材料がよい。硬度が65度より小さいとブレードの摩耗の進行が早く、また、硬度が100度より大きいとブレードのエッジが欠け易くなるからである。より好ましくは、ゴム硬度は80度以上100度以下である。ゴム硬度を80度以上にすることで、研磨ブレード71と感光体1との接触面積を減らし、これにより面圧を高めて研磨力を向上させることができるからである。また、研磨粒子のブレードへのめり込みも防ぐことができ、高い研磨力を維持できる。
また、これらの弾性材料に研磨粒子等のフィラーを入れたものも好適に用いられる。以下研磨粒子について説明する。
弾性材料に含有する研磨粒子としては、窒化珪素等の窒化物、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、マイカ、珪酸カルシウム等の珪酸塩、炭酸カルシウム、石膏等の石灰質物質、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化タンタル、炭化チタン、炭化アルミニウム、炭化ジルコニウム等の炭化物、酸化セリウム、酸化クロム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の酸化物が挙げられる。この中でも、研磨力に優れている酸化セリウムが好ましい。
また、研磨ブレード部材の研磨粒子含有層に含有される研磨粒子の含有量は、0.5wt%以上50wt%以下であることが好ましい。研磨粒子の含有量が0.5wt%未満では、感光体1表面に接触して研磨効果を発揮する研磨粒子の量が少なすぎ、感光体表面を効果的に研磨ができない。また、研磨粒子の含有量が50wt%を超えると、研磨粒子の濃度が高くなり過ぎ、成形が困難になる。また、コストも高くなってしまう。
さらに、研磨粒子含有層は、純度80%以上の酸化セリウムを含有することが一層好ましい。酸化セリウムは、研磨力に優れているが、通常、天然鉱石を砕いて製造しているため、純度は50%程度と低く、その他の希土類も研磨力を発揮する塩の形にして混合されている。しかしながら、これでは物性のばらつきが大きく、研磨ブレードとしたときの研磨性能も一定にすることができない。そこで、研磨力の高い酸化セリウムのみを抽出した純度80%以上の酸化セリウムが、物性のばらつきのない研磨剤として好適である。これを用いることで、研磨ブレードの安定した高い研磨力を得ることができる。
研磨粒子の平均粒径は、0.05μm以上100μm以下が好ましい。平均粒径が0.05μm未満では、粒子が細かすぎ、弾性材料の中での均一な分散が困難になったり、研磨ブレードとしての研磨力が十分に得られない。また、平均粒径が100μmを超えると、研磨力が大きすぎるために感光体表面上を傷つけることになるため好ましくない。
本実施例ではブレード硬度80度、酸化セリウム含有量10wt%のものを使用した。
本発明では摺擦部材(研磨ブレード)71の感光体1に対する当接圧(Fs)を長手方向に分布を持たせる構成としている。そのため、本実施例では研磨ブレード71の感光体1に対する当接面71A、即ち、ブレード先端エッジ部71aを図3(a)に示すように凹凸を持たせ圧力分布を持たせるようにした。ブレード当接面71Aの凹凸形成方法としては、例えば金型注型による方法が利用できる。また凹凸形状がシャープなものを形成したい場合は例えばエキシマレーザ等が利用でき、最小加工寸法がミクロンオーダーで加工することができる。
なお、図4(a)に示すように、ブレード当接面71Aは、研磨ブレード71の端面71cを凹凸形状に形成し、一方のエッジ部71aを感光体1に当接することにより形成することもできる。又、図4(b)に示すように、研磨ブレード71の端面71cの一方のエッジ部71aを凹凸形状に形成し、この凹凸形状のエッジ部71aを感光体1に当接しても良い。
また、本実施例ではブレード当接面71Aの形状により、圧力分布を形成したがこれに限るものでなく、例えばブレード当接面71Aの材質を部分的に変え、当接圧の分布を形成する手法を用いても何ら問題無い。
研磨ブレード71が感光体表面に当接する時の当接圧(Fs)の圧力分布は、ニッタ(株)製タクタイルセンサシステムPINCHを用いて測定した。このシステムでは厚さ0.1mmのセンサシートを研磨ブレード71が感光体表面と当接する部分に挿入させ測定する。実際測定する際には感光体1と同径のアルミシリンダー或いはガラスシリンダー等の鏡面状のものを用いた。タクタイルセンサシステムは薄いフィルム上に0.2mm幅の圧力センサ素子が2次元配置されており、長手、周方向共に0.635mmピッチで44点測定できる仕様となっている。図3(b)に本実施例で用いた研磨ブレードニップの圧力分布を示す。このグラフは感光体長手方向の当接圧(Fs)の圧力分布を表しており、垂直方向の圧力は積算値となっている。
本発明によれば、詳しくは後述するが、研磨ブレード71は、次の構成とされる。つまり、研磨ブレード71は、研磨ブレード71を均一平面に当接させた時の圧力が任意の長手1cmの範囲に少なくとも0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域(強圧部)と0.07N/cm以下の領域(弱圧部)を有する構成とされる。また、好ましくは、研磨ブレード71の感光体1に対する当接圧(Fs)は、0.07N/cm以下である領域が長手方向に2割以上9割以下存在する。更に、本発明によれば、研磨ブレード71は、感光体1と当接する際に長手方向にレシプロ幅(W)(図3(a)参照)にてレシプロ移動(往復運動)する構成とされる。
本実施例の研磨ブレード71は、当接圧0.07N/cm以下の領域が全体の2割、最小当接圧は0N/cmであった。また当接圧0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域は全体の6割、最大当接圧は0.6N/cmであった。
本実施例では、図2に示したように、研磨ブレード71を感光体表面移動方向に対し順方向当接とした。また研磨ブレード71は、不図示の駆動源により、上述したように、長手方向にレシプロ(往復)運動している。レシプロ幅(W)は0.7cmとした(図3(a)参照)。またレシプロ移動速度は、感光体1の1回転につき0.01cm移動する構成とした。
上記構成で画像評価を行った。評価は、印字率5%のチャートを連続通紙で10万枚の耐久試験を行った(1万枚/日)。試験環境は、高温多湿(30℃80%)環境で行い、画像流れの耐久性評価した。
画像流れはハイライトのドットが再現できている場合はA、ドットはやや散り気味であるが文字はしっかり出ており、実用上問題のないレベルはB、文字がぼやけるレベルで実用レベルでないものをCとした。評価結果を表1に示す。
本実施例の構成を取ることにより、実用上問題のない良好な画像特性が得られた。
本発明では長手方向に圧力分布を有する摺擦部材71を感光体1に当接させレシプロさせながら摺擦することで、優れた画像流れ防止効果を長期に渡り維持することができる。これは摺擦部材71の当接圧0.07N/cm以下の領域を弱圧部、0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域を強圧部とすると、強圧部と弱圧部で交互に摺擦することにより放電生成物の優れた掻き取り性能が得られているからだと考えられる。
一定の圧力で部材を当接させた時よりも性能的に向上する理由について、本発明者らは、以下の様に考えた。
摺擦部材71を感光体表面に当接する際、放電生成物を除去する作用と、放電生成物を感光体表面に押し付ける作用があると考える。放電生成物の除去はこの掻き取りと押し付けのバランスでいうと、掻き取り性が十分上回った場合に優れた効果が出る。本発明では弱圧部を適度に存在させることにより、押し付け力を低減し、かつ強圧部により放電生成物の除去が適切に成されているため画像流れに効果があると考えている。
また、本発明の強圧部以上で摺擦部材71を当接した場合には、放電生成物の掻き取り力は高いが、感光体1の磨耗レートが上がったり、傷が発生したりして感光体1の寿命を短くしてしまう。
上記説明したように、本発明の構成をとることにより長手全域でみると摺擦部材71の平均な圧力が低い状態でも優れた摺擦効果が得られることから、感光体寿命向上と画像流れ防止の両立を長期に渡り維持することができる。
実施例2
本実施例で用いた研磨ブレード71の形状及び圧力分布を図5に示す。研磨ブレード71の最小当接圧は0.07N/cmであった。また当接圧0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域は全体の8割、最大当接圧は0.7N/cmであった。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例3
本実施例で用いた研磨ブレード71の形状及び圧力分布を図6に示す。研磨ブレード71は当接圧0.07N/cm以下の領域が全体の2割、最小当接圧は0.02N/cmであった。最大当接圧は0.15N/cmであった。その他の構成は、実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例4
本実施例の研磨ブレード71は、当接圧0.07N/cm以下の領域が全体の2割、最小当接圧は0N/cmであった。また当接圧0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域は全体の7割、最大当接圧は0.9N/cmであった。本実施例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図7に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
比較例1
本比較例では摺擦部材を設けていない。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
比較例2
本比較例では研磨ブレードとして当接圧0.07N/cm以下の領域が無く、最小当接圧は0.31N/cmのものを用いた。また最大当接圧は、0.45N/cmであった。本比較例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図8に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
比較例3
本比較例では研磨ブレードとして最小当接圧が0.02N/cm、最大当接圧は0.06N/cmのものを用いた。本比較例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図9に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
比較例4
本比較例では研磨ブレードとして最小当接圧が0.09N/cm、最大当接圧は0.11N/cmのものを用いた。本比較例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図10に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
比較例5
本比較例では研磨ブレードとして実施例1と同じものを用いた。但しレシプロ駆動はさせない構成とした。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。本例では部分的に画像流れのレベルが悪い所が目立った。
比較例6
本比較例では研磨ブレードとして最小当接圧が0N/cm、最大当接圧は0.14N/cmのものを用いた。本比較例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図11に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
比較例7
本比較例では研磨ブレードとして最小当接圧が0N/cm、最大当接圧は0.91N/cmのものを用いた。本比較例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図12に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
比較例8
本比較例では研磨ブレードとして最小当接圧が0.08N/cm、最大当接圧は0.55N/cmのものを用いた。本比較例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図13に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例5
本実施例の研磨ブレードは当接圧0.07N/cm以下の領域が全体の5割、最小当接圧は0N/cmであった。また当接圧0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域は全体の3.5割、最大当接圧は0.55N/cmのものを用いた。本実施例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図14に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例6
本実施例の研磨ブレードは当接圧0.07N/cm以下の領域が全体の3割、最小当接圧は0N/cmであった。また当接圧0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域は全体の6割、最大当接圧は0.5N/cmのものを用いた。本実施例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図15に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例7
本実施例の研磨ブレードは当接圧0.07N/cm以下の領域が全体の8.5割、最小当接圧は0N/cmであった。また当接圧0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域は全体の1.3割、最大当接圧は0.5N/cmのものを用いた。本実施例で用いた研磨ブレードの形状及び圧力分布を図16に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例8
本実施例では研磨部材として実施例5と同じものを用いた。また研磨部材長手方向レシプロ幅を1cmとして、当接圧0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域が確実に感光体表面長手全域を摺擦出来る構成とした。その他の構成は実施例5と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例9
本実施例では、図17に示すように、摺擦部材(研磨ブレード)71の長手方向圧力分布(Fs)が周期的になるようにした。
このとき、研磨ブレード71の感光体に対する長手方向当接圧(Fs)の強圧部(弱圧部)の周期幅をT(cm)、レシプロ幅をW(cm)とすると、
T≦W≦1
の関係を満たすのが好ましい。この関係を満足しない場合には、即ち、レシプロ幅W(cm)が1cmを超える場合は、装置の大型化に繋がり、実用化し難いといった問題が発生する。また、周期幅T(cm)がレシプロ幅W(cm)より大とされると、強圧部が長手全域を摺擦出来ないことがあり、摺擦効果が得られない。
本実施例では、周期幅(T)は0.7cmとし、レシプロ幅(W)も0.7cmとすることで強圧部が長手全域を摺擦出来るようにしている。研磨ブレードb71の圧分布を周期的にすることによりレシプロ幅(W)の設定も決定され易い利点がある。研磨ブレード71は、当接圧0.07N/cm以下の領域が全体の5割、最小当接圧は0N/cmであった。また当接圧0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域は全体の4割、最大当接圧は N/cmのものを用いた。本実施例で用いた研磨ブレードの圧力分布を図17に示す。その他の構成は実施例1と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例10
本実施例では、研磨ブレード71の感光体1との当接面71Aのみでなく、感光体表面長手方向にも凹凸を設けた。表面形状を制御する粗面化手段(表面形状制御手段)としては図18で示したような研磨シートを含む研磨機を用いた。
研磨シート17aは、研磨砥粒が結着樹脂に分散されたものが基材に塗布されたシートである。研磨シート17aは空洞の軸17bに巻かれており、軸17bにシートが送られる方向と逆方向に、研磨シート17aに張力が与えられるよう図示しないモータが配置されている。研磨シート17aは矢印方向に送られ、ガイドローラ17c、17dを介してバックアップローラ17eを通り、研磨後のシート17aはガイドローラ17f、17gを介して図示しないモータにより巻き取り手段17hに巻き取られる。研磨は、基本的に未処理の研磨シート17aが感光体1の表面に常時圧接され、感光体表面を粗面化することで行われる。
また、感光体表面に凹凸を付ける別の方法として感光体1の表面に砥粒を吹き付け粗面化する方法や、凹凸のついた型を感光体表面に押し当て凹凸を付ける方法も好適に用いることができる。また、上記表面形状制御手段は、感光体表面として膜を形成後に粗面化処理を行っても良いし、基材のシリンダ等を粗し所望の形状となる膜を作成しても何ら問題ない。本実施例では、平均表面粗さRz=0.5μm、平均凹凸間隔Sm=50μmの感光体表面を用いた。
その他の構成は実施例9と同じとした。評価結果を表1に示す。
本実施例では感光体表面を微細に荒らすことにより、研磨ブレード(摺擦部材)71と感光体1の表面の密着性が高くなり過ぎないようにしている。これにより両者間で適度な滑り性が発生し、摺擦部材71の延命化に繋がり長期的に安定した性能を得ることが出来る。
感光体表面粗さRzは0.1乃至2.0μmの範囲が好ましい。0.1μm未満であると感光体表面との密着性が増し、期待する摺擦部材71の延命効果が得られない。また2.0μm超だと接触面積が低下してしまい、十分な摺擦効果が得られにくくなる。一方表面平均凹凸間隔Smは10乃至200μmの範囲が好ましい。10μm未満であると接触面積が低下してしまい、十分な摺擦効果が得られにくくなる。また200μm超だと感光体表面との密着性が増し、期待する摺擦部材71の延命効果が得られない。上記感光体表面の凹凸形状は数μmオーダーなのに対し、研磨ブレード71の凹凸は数mmオーダーであるのでそれに対して十分小さい値となっている。
実施例11
本実施例では、Rz=2.0μm、Sm=10μmの感光体表面を用いた。その他の構成は実施例10と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例12
本実施例では、Rz=0.1μm、Sm=200μmの感光体表面を用いた。その他の構成は実施例10と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例13
本実施例では図19に示したように摺擦部材71の長手方向に複数のエッジ部71Aaを有する構成とした。図19(b)の圧力分布をみれば分かるようにエッジ部分71Aaではエッジ効果により圧力が高くなる。この圧力強弱を持つエッジ部71Aaが長手方向に移動することでより優れた摺擦機能が得られる。その他の構成は実施例10と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例14
本実施例では、図20に示したように、摺擦部材71を鋸歯形状とすることにより長手方向に複数のエッジ部71Aaを有する構成とした。その他の構成は実施例10と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例15
本実施例では研磨剤として、粒子形状が立方体状(概略立方体状)及び/又は直方体状(概略直方体状)の無機微粉体を現像剤(トナー)に外添して、感光体表面上に供給する構成としている。
無機微粉体は硬度が高く優れた研磨性能を持つ。無機微紛体としては、例えばチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム等が用いられる。本実施例ではチタン酸ストロンチウムを用いた。
無機微粉体を、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であるペロブスカイト型結晶形にすることで、より優れた研磨作用が発揮される。これは、粒子形状が立方体状及び/又は直方体状であることで、対象物との接触面積を大きくすることができ、また立方体状又は直方体状の稜線が対象物に当接することで、きめ細かい研磨性を得ることができるためだと考えられる。ペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウム等の無機微粉体は、一次粒子の個数平均粒径が30nm以上300nm以下であるものが好ましい。個数平均粒径が30nm未満では当該粒子の研磨効果が不十分であり、一方、300nmを超えるとクリーニングブレードで塞き止められる粒子割合が多くなりすぎ摺擦部材まで到達されにくくなり相乗的摺擦力が期待できなくなる。本実施例では個数平均粒径が110nmのペロブスカイト型結晶のチタン酸ストロンチウムを用いた。無機微紛体の個数平均粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して、その平均を求めた。粒径は、1次粒子の最長辺をa、最短辺をbとしたとき、(a+b)/2として求めた。
その他の構成は、実施例13と同じとした。評価結果を表1に示す。
本実施例では上記研磨能力の高い無機微粉体を研磨ブレードの摺擦部で併用して用いることにより、より高い摺擦効果が得られ、良好な耐久性能が得られた。
実施例16
本実施例では個数平均粒径が30nmの粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウムを用いた。その他の構成は実施例15と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例17
本実施例では個数平均粒径が300nmの粒子形状が立方体状及び/又は直方体状のチタン酸ストロンチウムを用いた。その他の構成は実施例15と同じとした。評価結果を表1に示す。
実施例18
本実施例では、図21に示すように、ブレード状摺擦部材71を感光体移動方向に対しカウンターで当接する構成とした。研磨ブレード71は実施例13と同じものを用いた。通常カウンターに研磨ブレードを当接するとクリーニングブレードに比べて供給される粒子が極端に少ない為、潤滑性が低下しブレード捲れが起きてしまう。しかし本発明では摺擦部材71が感光体表面と密着している割合が少ないので捲れは発生しない。また本実施例のようにカウンターに研磨ブレード71を当接することにより感光体1の周りの省スペース化が達成される。その他の構成は実施例15と同じとした。評価結果を表1に示す。
Figure 2011145353
A 画像形成部
B 原稿読取り部
C コントローラ(制御手段)
1 感光体(像担持体)
2 帯電ローラ(帯電部材)
3 レーザー露光手段
4 現像装置(現像手段)
5 転写ローラ(転写手段)
6 クリーニング装置(クリーニング手段)
7 摺擦手段
71 研磨ブレード(摺擦部材)
72 支持部材

Claims (9)

  1. 像担持体に形成された静電潜像を現像剤像として可視化する現像手段と、前記現像剤像を記録媒体に転写する転写手段と、前記像担持体の表面に残留した現像剤を除去するクリーニング手段とを有する画像形成装置において、
    前記像担持体の移動方向にて前記クリーニング手段の下流側に前記像担持体の表面を摺擦する部材を設け、前記摺擦部材は、前記摺擦部材の長手方向において、前記摺擦部材を均一平面に当接させた時の圧力が弱い弱圧部と、圧力が前記弱圧部より強い強圧部とを交互に有し、且つ前記摺擦部材が前記像担持体と当接する際に長手方向にレシプロ移動することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記摺擦部材は、前記摺擦部材の長手方向において任意の長手1cmの範囲に少なくとも0.15N/cm以上0.9N/cm以下の領域である前記強圧部と、0.07N/cm以下の領域である前記弱圧部とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記レシプロにより前記像担持体の表面の長手全域が前記摺擦部材により0.15N/cm以上0.9N/cm以下の当接圧で摺擦されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記弱圧部が長手方向に2割以上9割以下存在することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  5. 前記摺擦部材の長手方向の圧力分布が周期的に形成されており、前記周期幅をT(cm)、前記レシプロ幅をW(cm)とすると、
    T<W≦1
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体の表面は、長手方向に凹凸を設けたものであり、平均凹凸間隔Smが10乃至200μmであり、平均表面粗さRzが0.1乃至2.0μmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  7. 前記摺擦部材が長手方向に複数のエッジ部を有し圧力分布を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  8. 前記摺擦部材には個数平均粒径が30nm以上300nm以下であり粒子形状が直方体状である無機微粉体が供給されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  9. 前記摺擦部材がブレード形状であり、且つ前記像担持体の表面にカウンターで当接されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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