(第1実施形態)
本発明の給湯装置は、浴槽内に湯張りを行う際に、例えば、浴槽内の湯量、湯温といった浴槽水の状態を、設定された情報またはあらかじめ記憶された入浴者情報を満たすように制御することができる。上記情報の設定または記憶は、ユーザー操作の命令により行われ、ユーザー操作は、例えば、風呂に設置されたリモコン、台所やリビング等に設置されたリモコンなどを用いて行われる。ユーザーは、現在実際に入浴している入浴者の他、その家族や上記リモコンを操作できる状況にある者である。
給湯装置は、複数のユーザーが順番に入浴する場合には二人目以降の入浴者についても入浴者情報や設定値に基づいて例えば湯量や湯温といったパラメータを自動的に調整することができる。
給湯装置の給湯方式は、特に限定するものではなく、例えば、冷媒を用いたヒートポンプ式や、ガス、石油等燃料を燃焼する燃焼方式がある。第1実施形態では、一例としてヒートポンプ式給湯装置の概略構成を図1を用いて説明する。図1は本実施形態におけるヒートポンプ式給湯装置の概略構成を示した模式図である。
本実施形態のヒートポンプ式給湯装置は、貯湯式のヒートポンプ式給湯装置であり、主に一般家庭用として使用されるものである。また、貯湯タンク1内に蓄えられた給湯用の温水や、ヒートポンプユニット2で沸き上げられた温水を台所、洗面所、浴室などへの給湯水栓や浴槽3に供給するものである。なお、給湯水栓は、シャワー、カラン、手洗い栓などである。
図1に示すように、ヒートポンプ式給湯装置は、水・冷媒熱交換器(図示せず)で水を高温高圧の冷媒と熱交換させて加熱するヒートポンプユニット2と、水・冷媒熱交換器で加熱された温水を貯える貯湯タンク1と、本給湯装置の作動を制御する制御手段である制御装置100と、を備えている。
そして、ヒートポンプ式給湯装置は、給湯水が流れる主な流路として、貯湯タンク1内の水が水・冷媒熱交換器の水流路を通って貯湯タンク1内上部の高温水部に戻るように貯湯タンク1と水・冷媒熱交換器とを連絡する循環流路29と、貯湯タンク1内の高温水部の温水が流出して給湯水栓まで流れる給湯流路13、16と、給湯流路13の途中で分岐して浴槽3内につながっている風呂用流入路21と、を備えている。さらに、貯湯タンク1の下部には、水道水などの市水を取り入れる市水流路8と連通する給水用流路9が接続されている。
貯湯タンク1は、給湯用の湯を蓄える容器であり、耐食性に優れた金属製、例えば、ステンレス製からなり、その外周部に図示しない断熱材が設けられ、給湯用の高温水を長時間に渡って保温することができる。貯湯タンク1は縦長形状であり、その底面に導入口10が設けられている。
貯湯タンク1には、貯湯タンク内部の貯湯量および貯湯温度を検出するために高さ方向に複数個(図1においては7個)並んだサーミスタからなる水温サーミスタ38が設けられている。貯湯タンク1内に満たされた湯もしくは水の水位レベルでの温度情報は、制御装置100に出力される。したがって、制御装置100は、水温サーミスタ38からの温度情報に基づいて、貯湯タンク1内上方の沸き上げられた湯と貯湯タンク1内下方の沸き上げ前の水との境界位置を検出できるとともに、これにより貯湯量が検出できるようになっている。
この導入口10には貯湯タンク1内に市水を供給する市水流入路9が接続されている。市水流入路9には、排水のための排水バルブを設けてもよい。市水流入路9と連通する市水流路8には、給水サーミスタ6と、導入される水道水の水圧が所定圧となるように調節するとともに、断水などにおける湯の逆流を防止する減圧弁7と、が設けられている。この市水流路9は、後述する給湯用混合弁15につながっている。
貯湯タンク1の底面にはタンク内の最下部の水を吸入するための吸入口5が設けられ、貯湯タンク1の上部にはタンク内の最上部に温水を吐出する吐出口4が設けられている。吸入口5と吐出口4は、水・冷媒熱交換器を介在させて循環流路29と接続されることで連通している。循環流路29の一部は水・冷媒熱交換器の水流路を構成している。
循環流路29には、水・冷媒熱交換器に供給される水の温度を検出する入水温度サーミスタ、逆止弁28、および循環流路29の水を強制的に流動させる循環ポンプ(いずれも図示せず)が設けられている。さらに水・冷媒熱交換器の出口には、水・冷媒熱交換器で加熱された水の温度を検出する沸上げ温度サーミスタ(図示せず)が設けられている。そして、いずれのサーミスタによって検出された温度情報も制御装置100に出力される。
ヒートポンプユニット2は、冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素を使用するヒートポンプサイクルを有し、閉回路で構成されたヒートポンプサイクルにおいて圧縮機、加熱手段としての水・冷媒熱交換器、減圧器、および蒸発器が接続されている。ヒートポンプユニット2は、水・冷媒熱交換器の冷媒流路を流れる高温高圧の冷媒と、水・冷媒熱交換器の水流路を流れる水との間で熱交換を行うことにより、温水を沸き上げることができる。ヒートポンプユニット2は制御装置100に信号の出力を行っている。
ヒートポンプサイクルを超臨界ヒートポンプで構成した場合、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯を貯湯タンク1内に蓄えることができる。ヒートポンプサイクルは、主に、料金設定の安価な深夜時間帯の深夜電力を利用して貯湯タンク1内の湯を沸き上げる沸上げ給湯運転を行う。
貯湯タンク1の最上部には導出口11が設けられ、導出口11には貯湯タンク1内に蓄えられた給湯用の温水のうち、高温水を導出するための給湯流路13が接続されている。また、貯湯タンク1の最上部には湯温サーミスタ12が設けられている。なお、この給湯流路13の経路途中には、三方弁14が設けられている。三方弁14は、湯張り用三方弁20および給湯用混合弁15に流通させる給湯水の湯温を調節する温度調節弁である。
三方弁14は、制御装置100に電気的に接続されており、水温サーミスタ38および湯温サーミスタ12によって検出される温度情報に基づいてフィードバック制御される。
給湯流路16は、下流端に接続されたシャワー、カラン、手洗い栓などの給湯水栓へ設定温度に温度調節された給湯用水を導く流路であり、その流路の中途に給湯用混合弁15、給湯サーミスタ18、および流量カウンタ17が設けられている。給湯サーミスタ18は給湯流路16内の温度情報を、流量カウンタ17は給湯流路16内の流量情報をそれぞれ制御装置100に出力する。
給湯用混合弁15は、給湯流路16の末端で出湯する給湯用水の湯温を調節する温度調節弁であり、開口面積比、つまり、給湯用水側の開度と市水流路8に連通する水側の開度の比率を調節することによって、出湯する湯温を設定温度に調節する。給湯用混合弁15は、制御装置100と電気的に連絡されており、給水サーミスタ6、湯温サーミスタ12、給湯サーミスタ18によって検出される温度情報に基づいてフィードバック制御される。
風呂用流入路21は、湯張り用三方弁20と下流端の浴槽3とを接続し、浴槽3内に湯張り、差し湯、たし湯などを行うときに、所定温度に温度調節された給湯用水を導く流路である。
給湯装置は、浴槽3内の浴槽水を追い焚きする浴水追い焚き手段27を備えている。この浴水追い焚き手段27は、主に、貯湯タンク1内に配置されて浴槽水を貯湯タンク1内の温水と熱交換させて加熱する追焚き用熱交換器19と、浴槽水を追焚き用熱交換器19と浴槽3の間で循環させるように設けられた追焚き用循環回路26と、を備えている。
追焚き用熱交換器19は、貯湯タンク1内上方、つまり給湯水が高温(例えば、85℃〜90℃程度)となる部位に配設されて内部を流通する浴槽水に受熱させる熱交換器である。追焚き用熱交換器19は、パイプをコイル状に形成し、その鉛直下方端部に導入口が位置し、鉛直上方端部に導出口が位置するように貯湯タンク1に設けられている。
さらに具体的には、追焚き用循環回路26は、浴槽3から追焚き用熱交換器19の導入口に向かう往き流路と、追焚き用熱交換器19の導出口から浴槽3に戻る戻り流路とを構成し、往き流路に浴槽3、湯量検出部である水圧スイッチ22、流量カウンタ(図示せず)、循環ポンプ23、湯温検出部である浴水温サーミスタ24、追焚き用三方弁25が設けられ、戻り流路である風呂用流入路21に湯張り用三方弁20、追い焚きサーミスタ(図示せず)が設けられており、これら各部を順に接続している回路である。さらに、往き流路は、追焚き用熱交換器19の導入口に向かう途中で追焚き用三方弁25によって戻り流路と接続されている。追い焚きサーミスタは風呂用流入路21を流れる浴槽水の湯温を検出する水温センサであり、浴槽3内に戻される浴水温度を検出している。
追焚き用三方弁25は、浴槽水を追焚き用熱交換器19に流通させるか、追焚き用熱交換器19を迂回して風呂用流入路21に流通させるかのいずれか一方に流通方向を切り替えるための切替弁である。
そして、追い焚き運転が行われる場合には、浴槽3内の浴槽水は循環ポンプ23の駆動により往き流路を追焚き用三方弁25に向かって流れて、追焚き用三方弁25によって流れ方向が追い焚き用熱交換器41側に切り替えられ、追焚き用熱交換器19で貯湯タンク1内の温水と熱交換して加熱された後、湯張り用三方弁20によって戻り流路に流入し再び浴槽3に戻ってくる。
浴槽3内の浴槽水の温度を検出する場合には、追焚き用三方弁25を風呂用流入路21側に流れ方向を切り替えるとともに、循環ポンプ23を作動させることで浴槽3内の浴槽水が往き流路、風呂用流入路21、浴槽3の順に循環され、浴水温サーミスタ24により浴槽水の湯温を検出する。
水圧スイッチ22は、浴槽3内にお湯張りされた浴槽水の湯量、つまり、浴槽3内の浴槽水の水位レベルを求めるための水圧を検出するセンサである。入浴時と非入浴との圧力差から浴槽3内の水位を求めることができる。流量カウンタは往き流路を流通する浴槽水の流量情報を検出するセンサである。循環ポンプ23は浴槽3内の浴槽水を追焚き用循環回路26で循環させる電動ポンプである。
浴水温サーミスタ24は、往き流路を流通する浴槽水の湯温を検出する水温センサである。ここで、水圧スイッチ22、流量カウンタおよび浴水温サーミスタ24は、流量情報、容積情報、温度情報を検出し、それぞれ制御装置100に出力する。循環ポンプ23、追焚き用三方弁25は制御装置100により制御される。
給湯装置は、浴槽水を排水できる排水手段28を備えている。排水手段28は、例えば浴槽3に接続された排水管に制御装置100により制御される電磁弁を設けて構成することができる。排水時以外はこの電磁弁を閉じておき、排水時に電磁弁を開いて重力により浴槽水を流出させて浴槽3の外部に排水するように構成する。制御装置100は、複数のユーザーが順番に入浴する過程において浴槽水を減らす必要のあるときは排水手段28を制御して浴槽3内の湯量を減少させることができる。
制御装置100は、マイクロコンピュータを主体として構成され、記憶手段として内蔵するROMまたはRAMには、あらかじめ設定された制御プログラムや更新可能な制御プログラムが備えられている。制御装置100は、各サーミスタからの温度情報、各流量カウンタからの流量情報、および台所、リビング等に設置された台所リモコン40や風呂に設置された風呂リモコン30の各種操作スイッチからの操作信号等に基づいて、ヒートポンプユニット2、各種弁、および循環ポンプなどのアクチュエータ類を制御する。
台所リモコン40や風呂リモコン30には、電源入り切り操作部、給湯設定温度操作部、湯張り設定操作部、湯張り温度設定操作部、追い焚き運転操作部、追い焚き温度設定操作部などが設けられており、さらに自動調整スイッチ31、41と、ユーザースイッチ32、42と、設定スイッチ33、43と、記憶スイッチ34、44とが備えられている。
自動調整スイッチ31、41は、設定されたユーザーに対応する湯張りを自動で行うときにユーザーが操作するスイッチである。自動調整スイッチ31、41がON状態のときは、ユーザーが入浴中であるときも設定、または記憶されている浴槽水位(湯量)と湯温を維持する自動調整の制御が行われる。
ユーザースイッチ32、42は、入浴するユーザーを指定するときや、ユーザーの入浴者情報を設定するときにユーザーが操作するスイッチである。ここで入浴者情報とは、浴槽3に湯張りする浴槽水の条件を決める情報であり、少なくとも湯温、湯量(水位)である。入浴者情報はユーザー毎に個別に設定または記憶させることができる。
設定スイッチ33、43は、入浴者情報を設定、変更するとき、記憶されている複数のユーザーから順送りでユーザーを選択するときなどに操作される。例えば、2つのスイッチ部を有し、このスイッチ部を操作して値を上下させることで設定、選択するように構成されている。
記憶スイッチ34、44は、ユーザーが現在の浴槽水情報をユーザーの入浴者情報として制御装置100の入浴者情報記憶部に記憶させたいときに操作する記憶命令操作部である。
現在の浴槽水情報とは、現在浴槽に溜まっている浴槽水を湯張りするときに、ユーザーによって設定された湯温および湯量(水位)、入浴者情報記憶部から読み込まれた湯温および湯量(水位)、浴水温サーミスタ24および水圧スイッチ22によって検出された現在の浴槽水の湯温および湯量(水位)などである。ユーザーには、現在実際に入浴している入浴者だけに限らず、入浴者に代わって記憶スイッチ34、44を操作できる状況にある者も含む。ユーザーが記憶スイッチ34、44を操作すると、制御装置100は、現在の浴槽水情報を入浴者情報として入浴者情報記憶部に記憶し、入浴者情報を更新する。
次に、上記構成における給湯装置の作動について説明する。まず、ヒートポンプユニット2は、貯湯タンク1内に貯まっている温水が不足しているときや、深夜電力が使用できる時間帯に沸き上げ運転を行う。
この沸き上げ運転が実行されると、制御装置100は、貯湯タンク1に設けられた各サーミスタからの温度情報等や、リモコンにより設定された時刻情報等に基づいて、適宜ヒートポンプサイクル2を作動させ、貯湯タンク1内の水を加熱して高温(例えば85℃の湯)の給湯水を貯える。
そして、貯えられた高温の給湯水を水と混合させて台所、洗面所、浴槽3などの給湯対象個所に給湯するとともに、給湯水の熱量や浴水追い焚き手段を用いて浴槽水を追い焚きする。本実施形態では、給湯装置の各種運転の中から、ユーザー毎に制御される湯張り時の湯量と湯温の自動調整制御、および順番に入浴する複数のユーザーが存在する場合に推奨する入浴順番を提示する制御について、以下に説明する。
まず、湯張り時の湯量と湯温の自動調整制御を図2にしたがって説明する。図2は湯張り運転における自動調整制御処理を示したフローチャートである。制御装置100は、ステップS10でリモコンの自動調整スイッチ31または41がON状態であることを認識すると、ユーザーにより設定された湯温や入浴者情報記憶部に記憶されている湯温と、浴水温サーミスタ24によって検出された現在の湯温とを比較し、その差の絶対値が1.5℃よりも大きいか否かを判断する(ステップS20)。
なお、本自動調整制御の実行中にユーザーが手動で設定値を変更する操作を行うと、自動調整スイッチ31または41がOFF状態になり、本自動調整制御は停止する。
ステップS20における判断が1.5℃よりも大きい場合は、次のステップS30で、上記設定等された湯温から上記検出された湯温を差し引いた値が0より小さいか否か、つまり、検出された実際の湯温が設定等された湯温よりも高いか否かを判断する。逆に、ステップS20における判断が1.5℃以下である場合は、後述するステップS50の処理を実行する。
そして、検出された実際の湯温が設定等された湯温よりも低いと判断した場合は、まだ所望の湯温に達していないとみなし熱くするために追い焚き運転を実行する(ステップS35)。制御装置100は、追い焚き運転を行った後、再びステップS10に戻り以降の各処理を実行する。逆に、検出された実際の湯温が設定等された湯温よりも高いと判断した場合は、ユーザーにとって熱い浴槽水であるとみなし冷やすためにさし水運転を実行する(ステップS40)。また、このステップS3の追い焚き運転は、浴槽3内に温水を供給するたし湯運転に代替してもよい。
追い焚き運転は、循環ポンプ23の駆動力により浴槽3内の浴槽水を追焚き用循環回路26で循環させて浴槽水を温める運転である。差し水運転は、市水流路8から給湯流路13への流れが発生するように給湯用混合弁15を制御し、さらに給湯用混合弁15側から給湯流路13を流れてくる市水が風呂用流入路21に流入するように三方弁14を制御することにより、市水を浴槽3内に引き込む運転である。
制御装置100は、さし水運転を行った後、次にステップS50で、ユーザーにより設定された湯量(水位)や入浴者情報記憶部に記憶されている湯量(水位)と、水圧スイッチ22によって検出された現在の湯量(水位)とを比較し、その差の絶対値が5Lよりも大きいか否かを判断する。
ステップS50における判断が5L(リットル)よりも大きい場合は、次のステップS60で、上記設定等された湯量(水位)から上記検出された湯量(水位)を差し引いた値が0より小さいか否か、つまり、検出された実際の湯量(水位)が設定等された湯量(水位)よりも多い(高い)か否かを判断する。逆に、ステップS50における判断が5L(リットル)以下である場合は、後述するステップS80の処理を実行する。
そして、検出された実際の湯量(水位)が設定等された湯量(水位)よりも低いと判断した場合は、まだ所望の湯量(水位)に達していないとみなし湯を増やすためにさし湯運転を実行する(ステップS65)。制御装置100は、さし湯運転を行った後、後述するステップS80に飛び以降の処理を実行する。逆に、検出された実際の湯量(水位)が設定等された湯量(水位)よりも高いと判断した場合は、制御装置100は、まだ湯量が多すぎるとみなし、排水手段28を制御して排水運転を実行する(ステップS70)。
差し湯運転は、市水流路8から給湯流路13への流れが発生するように給湯用混合弁15を制御し、さらに市水流路8を流れてくる水と給湯流路13を流れてくる貯湯タンク1上部の温水とが混合するように三方弁14を制御することにより、混合された適温の湯を三方弁14から風呂用流入路21に流して浴槽3内に引き込む運転である。
制御装置100は、ステップS20における判断が1.5℃以下となり、かつステップS50における判断が5L以下になるまで、上記さし水運転、追い焚き運転、さし湯運転、または排水運転を上記ステップに従って繰り返し行っていく(ステップS80)。そして、ステップS20における判断が1.5℃以下となり、かつステップS50における判断が5L以下になると、本自動調整制御を終了する。この1.5℃以下、5Lという値は、湯温および湯量の許容範囲を示す一例であり、他の許容範囲を用いてもよい。
本自動調整制御が終了して湯張りが完了したときやユーザーの設定変更により本自動調整制御にかかわらず湯張りが完了したときに、ユーザーが現在の浴槽水を適温、適量と感じて、リモコンの記憶スイッチ34、44を押すと、制御装置100はそのときの湯量(水位)と湯温を入浴者情報記憶部にユーザーの入浴者情報(ユーザー固有の設定値)として記憶する。このとき浴槽3に入浴者が存在している場合には、入浴者情報を更新して入浴者情報記憶部に記憶することが好ましく、これによれば、誰も入浴していないときに、記憶スイッチ34、44が操作されることによる入浴者情報の誤った更新を防止することができる。
また、ユーザーは、季節や気候によって好みを変化させたい場合は、入浴しながら手動で好みの湯量(水位)と湯温に調整して、ちょうどいい状態を体感したときに記憶スイッチ34、44を押すことで、何℃、何Lといった数値設定では判断しがたい自分の好みを自分の入浴者情報に反映させることができる。
制御装置100は、このときの湯量(水位)について、入浴前の自動調整完了時の湯量(Lfin)と、入浴初期にユーザーが入ったときの湯量(Lfirst)とを記憶しておき、この差からユーザー分の湯量(Luser=Lfirst−Lfin)を求める。これにより、ユーザーが記憶スイッチ34、44を押したときの湯量をLLとすると、ユーザーの設定水位はLset=LL−Luserの式で求められる。
ユーザーの識別方法は各ユーザーに対してユーザー番号、例えばNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5を割り当てたり、入力した名前を登録したりして識別する方法や、後述の複数の記憶スイッチを設け、各ユーザーに固有のスイッチを割り当てて識別する方法がある。
次に、ユーザーが風呂リモコン30を操作して行う各種操作について図3を用いて説明する。図3は、風呂リモコン30を用いたユーザー表示切り替え手順を示した模式図である。ユーザーがすでに記憶済みの複数のユーザーの入浴者情報を確認しようとするときには、まずユーザースイッチ32を押すと、ユーザーAの入浴者情報が表示され、さらに設定スイッチ33を押し下げ操作すると、次のユーザーBの入浴者情報が表示される。引き続き設定スイッチ33を押し下げ操作していくと、次のユーザーC、ユーザーDと記憶済みの入浴者情報が表示される。このような操作構成とすることにより、操作スイッチ数を低減でき、記憶できるユーザー数を増加がソフト面で容易に行える。
ユーザーが入浴中でないときに自分の入浴者情報を入浴者情報記憶部に記憶させる手順について説明する。まず、ユーザースイッチ32を押して自分のユーザー表示にする。すると、湯量(水位)と湯温が表示されるので、湯量設定モード、湯温設定モードのうち変更したいモードを選択し、設定スイッチ33で押し下げ操作または押し上げ操作をして設定値を変更する。変更が完了すれば、確定の操作を行う。
一方、ユーザーが入浴中であるときに自分の入浴者情報を入浴者情報記憶部に記憶させるには、入浴しているときに、設定スイッチ33を操作してちょうどいいと思われる湯量と湯温に調整して自動調整スイッチ31をONにする。制御装置100は、図2を用いて説明した湯張り運転における自動調整制御の各処理を実行して設定された湯量と湯温を満足するように湯張りを行う。
ユーザーは好みの浴槽水の条件を決定するために、試行錯誤しながら湯量と湯温の設定を継続し、これに応じて制御装置100は自動調整制御の各処理を実行して設定値を満足する湯張りを実施する。ユーザーは最終的に最適の湯温、湯量と感じると、そのときの浴槽水情報を自分の入浴者情報として入浴者情報記憶部に記憶すべく、記憶スイッチ34を操作する。ユーザーのこれらの操作は、台所リモコン40を用いても同様に実施することができる。
図4は、風呂リモコン30の第1の変形例である風呂リモコン30Aを示した模式図である。風呂リモコン30Aは、風呂リモコン30に対して記憶命令操作部である記憶スイッチ36が複数個からなる。複数個の記憶スイッチのうち、スイッチ36aはユーザーAに対応し、スイッチ36bはユーザーBに、スイッチ36cはユーザーCに、スイッチ36dはユーザーDに、スイッチ36eはユーザーEに、それぞれ対応するように構成されている。
つまり、ユーザーは最終的に最適の湯温、湯量と感じると、この状態を自分の入浴情報として入浴者情報記憶部に記憶できるスイッチを押すことになる。例えば、ユーザーが、ユーザーAであればスイッチ36aを押し、ユーザーCであればスイッチ36cを押すものである。記憶する状態は、最終的に設定した条件であってもよいし、実際に検出された湯量、湯温であってもよい。この構成によれば、簡単な操作で入浴者情報を更新することができ、ユーザーの利便性が向上する。
この複数個の記憶スイッチ36は、入浴前にワンクリックした場合には、リモコンに自分の入浴者情報が表示されるとともに、自動調整制御が実行されるように構成してもよい。この構成によれば、ワンクリックで自分の好みの浴槽水条件で自動調整制御が実行されて操作性が単純化できるとともに、ユーザースイッチ、自動調整スイッチ、および記憶スイッチのすべての機能を併せ持つことができる。
図5は、風呂リモコン30の第2の変形例である風呂リモコン30Bを示した模式図である。風呂リモコン30Bは、風呂リモコン30に対してアドバイススイッチ35を追加したものである。ユーザーがアドバイススイッチ35を押すと、制御装置100は記憶され、または設定された複数の入浴者情報の中から、推奨する入浴順番を算出して画面に表示するように構成されている。例えばユーザーは、今日入浴するユーザーを選択すると、選択されたユーザーを対象にして推奨する入浴順番の表示を求めることができる。
貯湯式給湯装置では、夜間の電気料金の安い時間帯にヒートポンプユニット2によって湯を加熱して貯湯タンク1に貯えておき、その湯を順次使用するため、本実施形態のようなユーザーによって湯量(水位)と湯温を自動調整する方法では、その順番によって機器の効率が異なってくる。例えば、追い焚きやさし湯を頻繁に行うとタンク内の熱量が奪われるため、使用中の湯切れを防ぐためにヒートポンプユニット2の沸き上げを行うので、システムの効率が低下する原因となる。
そこで、推奨する入浴順番は、所定の基準に基づいて決定されるものであり、例えば、記憶済みの入浴者情報からあらゆる入浴順番についてさし湯の回数、消費熱量などが算出され、これらが最小となる入浴順番である。あるいは、深夜電力が使用できない時間帯のヒートポンプユニット2による沸き上げが少なくなるような入浴順番である。また、推奨する入浴順番は、さし湯回数、消費熱量、追い焚き回数、さし水回数、使用湯量の各パラメータについて重み付けしたポイントを付し、あらゆる入浴順番についてこれらのポイントを算出して合計し、合計ポイントを比較して求めるようにしてもよい。
また、制御装置100は、記憶済みの入浴者情報からあらゆる入浴順番について上記省エネ、効率の観点から、いくつかの効率的な入浴順番を決定して表示してもよい。この場合、ユーザーがアドバイススイッチ35を順送りでクリックしていくことでいくつかのお奨めの入浴順番が順に表示され、ユーザーはその中からこれから実行できる入浴順番を選ぶことができる。
さらに、ユーザーがアドバイススイッチ35を例えば1秒間の長押し操作することにより、制御装置100は当該入浴順番を実行した場合の1日単位および1週間単位の効果を表示するように構成してもよい。表示する効果は、例えば消費電力、電気料金、実働機器効率である。ユーザーはアドバイススイッチ35を順送りでクリックしていくことでいくつかのお奨めの入浴順番についての当該効果を比較して、実行する入浴順番の選択に役立てることができる。
次に、複数のユーザーが順番に入浴する場合に推奨する入浴順番を提示する制御について図6〜図10を用いて説明する。図6は、制御装置100が記憶している各ユーザーの入浴条件を示した図表である。図7は、おすすめモードが設定されたときの制御処理のメインルーチンを示したフローチャートである。
本実施形態では入浴順番決定の対象とするユーザーを図6に示す家族4人をモデルとして説明する。図7に示すように、おすすめモードが設定されると(ステップS100)、どのような基準によって入浴順番を決定するかが設定される(ステップS110)。
おすすめモードの設定は、設定スイッチ33、43を順送りに操作していく過程で画面表示から選択したり、おすすめモードスイッチ(図示せず)を操作したり、あるいはあらかじめ自動制御項目におすすめモードを組み込んだりして行う。
所定の基準は、浴槽3内に追加される湯量が最小となる入浴順番、使用熱量が最小となる入浴者順番、追い焚き回数が最小となる入浴者順番などである。また、所定の基準は、あらかじめ制御装置100に記憶されておりおすすめモードが設定されると自動的に設定される構成でもよいし、ユーザーが設定スイッチ33、43を順送りに操作していく過程で表示される複数の基準から選択したりしてもよい。
次に、制御装置100は、記憶済みの入浴者情報や設定された入浴者情報といったデータを読み込み(ステップS120)、入浴対象者の全通りの順番についてステップS110で設定された基準を判断基準としてすべての入浴順番を評価する演算を実行する(ステップS140)。ステップS120で読み込まれるデータは、図6に示す家族4人の入浴情報(湯量、湯温)である。このステップS140では、後述する図8〜図10に示す3パターンのサブルーチンに基づく演算を実行することができる。
ステップS140の演算が図8〜図10に示す3パターンのサブルーチンのいずれかひとつによって実行されると、制御装置100は演算結果に基づいて入浴順番の順位付けを決定する(ステップS170)。そして、制御装置100は、S170で決定した順位付けの結果から推奨する入浴順番を少なくとも一つ以上リモコンの画面に表示し(ステップS180)、おすすめモードの演算処理を終了する。
以下に、ステップS140の各サブルーチンについて図8〜図10を用いて説明する。まず、図8にしたがって、使用湯量が最小となる入浴順番の基準を採用して各入浴順番を評価する場合のサブルーチンの処理を説明する。このサブルーチンは、家族4人における全ての入浴順番の24通り(=4!)について演算される。
このサブルーチンがスタートすると、まず、L1を200L(ユーザーA(父))、L2を250L(ユーザーB(母))、L3を150L(ユーザーC(姉))、L4を230L(ユーザーD(弟))とする第1入浴順番の場合(A、B、C、Dの順に入浴する場合)について演算する。制御装置100はステップS141で使用湯量の合計LsumをL1(=200L)とする。
次に、ステップS142で、L2がL1よりも大きいか否かを判断する。L2がL1よりも大きいと判断されると、L2とL1の差をLsumに加えこれを新たなLsumとする(ステップS143)。一方、L2がL1以下であると判断されると、後述するステップS144を実行する。第1入浴順番の場合は、L2(=250L)はL1(=200L)よりも大きいので、Lsum=200+(250−200)=250Lとなる。
ステップS144では、L3がL2よりも大きいか否かを判断する。L3がL2よりも大きいと判断されると、L3とL2の差をLsumに加えこれを新たなLsumとする(ステップS145)。一方、L3がL2以下であると判断されると、後述するステップS146を実行する。第1入浴順番の場合は、L3はL2より小さいので、ステップS145は実行せず、ステップS146に飛ぶ。
次に、ステップS146で、L4がL3よりも大きいか否かを判断する。L4がL3よりも大きいと判断されると、L4とL3の差をLsumに加えこれを新たなLsumとし、最終的なLsumが算出される(ステップS147)。一方、L4がL3以下であると判断されると、最終的な使用湯量Lsumを前回のLsumに決定して演算を終了する。第1入浴順番の場合は、L4(=230L)はL3(=150L)よりも大きいので、最終的な使用湯量Lsumは250+(230−150)=330Lと算出される。
他の入浴順番として、例えば、ユーザーがB、D、A、Cの順に入浴する場合の演算を行うと、L1=250L、L2=230L、L3=200L、L4=150Lであるので、最終的な使用湯量Lsum=250+0+0+0=250Lと算出される。これは最小の使用湯量になると思われる。
制御装置100は、このように最終的な使用湯量Lsumをすべての入浴順番について算出し、次にメインルーチンのステップS170ですべての入浴順番について最終的なLsumの順位付けを決定する。
次に、図9にしたがって、使用熱量が最小となる入浴順番の基準を採用して各入浴順番を評価する場合のサブルーチンの処理を説明する。このサブルーチンも、家族4人における全ての入浴順番の24通り(=4!)について演算する。
このサブルーチンがスタートすると、まず、Q1を200×42cal(ユーザーA(父))、Q2を250×42cal(ユーザーB(母))、Q3を150×40cal(ユーザーC(姉))、Q4を230×41cal(ユーザーD(弟))とする第1入浴順番の場合(A、B、C、Dの順に入浴する場合)について演算する。制御装置100はステップS151で使用熱量の合計QsumをQ1(=200×42cal)とする。
次に、ステップS152で、Q2がQ1よりも大きいか否かを判断する。Q2がQ1よりも大きいと判断されると、Q2とQ1の差をQsumに加えこれを新たなQsumとする(ステップS153)。一方、Q2がQ1以下であると判断されると、後述するステップS154を実行する。第1入浴順番の場合は、Q2はQ1よりも大きいので、Qsum=200×42+(250×42−200×42)=10.5kcalとなる。
ステップS154では、Q3がQ2よりも大きいか否かを判断する。Q3がQ2よりも大きいと判断されると、Q3とQ2の差をQsumに加えこれを新たなQsumとする(ステップS155)。一方、Q3がQ2以下であると判断されると、後述するステップS156を実行する。第1入浴順番の場合は、Q3はQ2より小さいので、ステップS155は実行せず、ステップS156に飛ぶ。
次に、ステップS156で、Q4がQ3よりも大きいか否かを判断する。Q4がQ3よりも大きいと判断されると、Q4とQ3の差をQsumに加えこれを新たなQsumとし、最終的なQsumが算出される(ステップS157)。一方、Q4がQ3以下であると判断されると、最終的な使用熱量Qsumを前回のQsumに決定して演算を終了する。第1入浴順番の場合は、Q4(=230×41cal)はQ3(=150×40cal)よりも大きいので、最終的な使用熱量Qsumは10500+(230×41−150×40)=13.93kcalと算出される。
他の入浴順番として、例えば、ユーザーがB、D、A、Cの順に入浴する場合の演算を行うと、Q1=250×42cal、Q2=230×41cal、Q3=200×42cal、Q4=150×40calであるので、最終的な使用熱量Qsum=250×42+0+0+0=10.5kcalと算出される。これは最小の使用熱量になると思われる。
制御装置100は、このように最終的な使用熱量Qsumをすべての入浴順番について算出し、次にメインルーチンのステップS170ですべての入浴順番について最終的なQsumの順位付けを決定する。
次に、図10にしたがって、追い焚き回数が最小となる入浴順番の基準を採用して各入浴順番を評価する場合のサブルーチンの処理を説明する。このサブルーチンも、家族4人における全ての入浴順番の24通り(=4!)について演算する。
このサブルーチンがスタートすると、まず、Q1を200×42cal(ユーザーA(父))、Q2を250×42cal(ユーザーB(母))、Q3を150×40cal(ユーザーC(姉))、Q4を230×41cal(ユーザーD(弟))とする第1入浴順番の場合(A、B、C、Dの順に入浴する場合)について演算する。制御装置100はステップS161で追い焚き回数の合計Refsumを0とする。
次に、ステップS162で、Q2がQ1よりも大きいか否かを判断する。Q2がQ1よりも大きいと判断されると、1をRefsumに加えこれを新たなRefsumとする(ステップS163)。一方、Q2がQ1以下であると判断されると、後述するステップS164を実行する。第1入浴順番の場合は、Q2はQ1よりも大きいので、Refsum=0+1=1回となる。
ステップS164では、Q3がQ2よりも大きいか否かを判断する。Q3がQ2よりも大きいと判断されると、1をRefsumに加えこれを新たなRefsumとする(ステップS165)。一方、Q3がQ2以下であると判断されると、後述するステップS166を実行する。第1入浴順番の場合は、Q3はQ2より小さいので、ステップS165は実行せず、ステップS166に飛ぶ。
次に、ステップS166で、Q4がQ3よりも大きいか否かを判断する。Q4がQ3よりも大きいと判断されると、1をRefsumに加えこれを新たなRefsumとし、最終的なRefsumが算出される(ステップS167)。一方、Q4がQ3以下であると判断されると、最終的な追い焚き回数Refsumを前回のRefsumに決定して演算を終了する。第1入浴順番の場合は、Q4(=230×41cal)はQ3(=150×40cal)よりも大きいので、最終的な追い焚き回数Refsumは0+1+0+1=2回と算出される。
他の入浴順番として、例えば、ユーザーがB、D、A、Cの順に入浴する場合の演算を行うと、Q1=250×42cal、Q2=230×41cal、Q3=200×42cal、Q4=150×40calであるので、最終的な追い焚き回数Refsum=0+0+0+0=0回と算出される。これは最小の追い焚き回数になると思われる。
制御装置100は、このように最終的な追い焚き回数Refsumをすべての入浴順番について算出し、次にメインルーチンのステップS170ですべての入浴順番について最終的なRefsumの順位付けを決定する。
なお、制御装置100は、おすすめモードのステップS140の処理において、図8、図9、および図10に示す3パターンのサブルーチンのうち、少なくともいずれか二つ以上の演算を実行し、これらの演算結果に基づいて入浴順番の順位付けを決定するようにしてもよい。
以上のように本実施形態の給湯装置は、少なくとも湯温、湯量といった現在の浴槽水情報をユーザーの入浴者情報として入浴者情報記憶部に記憶させたいときにユーザーが操作する記憶スイッチ34、44と、記憶スイッチ34、44の操作によって記憶されたユーザーの入浴者情報を満たすように浴槽水を制御する制御装置100と、を備えている。
この構成によれば、ユーザーがちょうどいい状態だと感じるときの好みの浴槽水情報を入浴者情報として記憶させることができるので、ユーザーが試行錯誤しながら再設定を繰り返すということを低減できる。そして、次回以降のユーザーの入浴時に好みの浴槽水を再現することができる。
また、制御装置100は、ユーザーが記憶スイッチ34、44を操作すると、浴水温サーミスタ24および水圧スイッチ22によって検出された現在の浴槽水情報を入浴者情報として入浴者情報記憶部100に記憶する。この構成を採用した場合には、ユーザーがちょうどいい状態だと感じたときの浴槽水から検出した実際の湯温および湯量を入浴者情報として記憶させることができ、ユーザーの体感をより反映した入浴情報を記憶することができる。
また、制御装置100は入浴者情報が記憶されている複数のユーザーについて、推奨する入浴順番を所定の基準に基づいて決定する。この制御を採用した場合には、複数人、例えば家族が順番に風呂に入る場合に、ユーザーはこれを参考にして、入浴する順番を決めたり設定値を検討したりすることができる。また、どのような順番が効率的であるのかをユーザーに対して提示するので、ユーザーに高い満足感を提供できる。
また、給湯装置は浴槽水を排水する排水手段28を備え、制御装置100は複数のユーザーが順番に入浴する過程において排水手段28により湯量を減らす制御を行う。この制御を採用した場合には、複数のユーザーが順番に入浴する過程において、湯量を減らす湯張りや、湯量は同じでも湯温を下げる湯張りを容易に実施することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態の給湯装置は貯湯式であるが、給湯装置はこの形式に限定されるものではなく、同様の湯張り機能、湯量(水位)検出機能、湯温検出機能、追い焚き機能、さし湯機能、さし水機能、浴槽水の排水機能を備えていればよい。
また、上記実施形態の給湯装置は、排水機能を備えないで、湯温のみ調整するシステムに同様の手法を適用することにより構成してもよい。
また、上記実施形態においては、制御装置100は推奨する入浴順番の決定に際して所定の基準に基づいて行う方法を説明したが、これに限定するものではなく、例えば実際にある順番で入浴したときの使用熱用などの実測値を記憶しておき、これに基づいて推奨する入浴順番の決定してもよい。
また、ヒートポンプユニット2のヒートポンプサイクルを流れる作動冷媒は、二酸化炭素に限定されるものではなく、フロン等の他の冷媒であってもよい。
また、上記実施形態のヒートポンプユニット2は、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルによるものであるが、これに限定されるものではなく、冷媒の圧力が臨界圧力未満のヒートポンプサイクルによるものよい。