JP2016031227A - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの煩わしさを低減しつつ、浴槽に貯められた湯水の温度を所定の温度に調整できるようにする。【解決手段】目標湯温と浴槽に貯められた湯水の現在温度に基づいて、熱交換機を用いてタンク内の湯水の有する熱で浴槽に貯められた湯水の温度を上昇させる追い炊き運転と、熱交換機を用いて浴槽に貯められた湯水の有する熱をタンク内の湯水に回収させて浴槽に貯められた湯水の温度を低下させる風呂熱回収運転を選択的に行って浴槽に貯められた湯水の温度を調整する(S104〜S120)。【選択図】図3

Description

本発明は、貯湯式給湯装置に関するものである。
従来、ユーザ操作により、浴槽内の湯水の温度を低下させる湯温低下運転の開始が指示されると、浴槽の湯水の有する熱を貯湯槽の湯水に回収する熱回収運転を行うようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−32863号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された装置は、ユーザ操作による湯温低下運転の開始指示に応じて熱回収運転を行うようになっているので、例えば、前の入浴者に続いて次の入浴者が入浴するようなときに、浴槽の温水に触れて湯温を確認し、追い炊き運転が必要か、熱回収運転が必要かを判断した上で、リモコンで追い炊き運転または熱回収運転を指示する必要があり、ユーザに煩わしさを感じさせてしまうといった問題がある。
本発明は上記問題に鑑みたもので、ユーザの煩わしさを低減しつつ、浴槽に貯められた湯水の温度を所定の温度に調整できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、浴槽(50)に貯められた湯水とタンク(30)内の湯水との熱交換を行う熱交換機(40)を備えた貯湯式給湯装置であって、予め設定された目標湯温と浴槽に貯められた湯水の現在温度に基づいて、熱交換機を用いてタンク内の湯水の有する熱で浴槽に貯められた湯水の温度を上昇させる追い炊き運転と、熱交換機を用いて浴槽に貯められた湯水の有する熱をタンク内の湯水に回収させて浴槽に貯められた湯水の温度を低下させる風呂熱回収運転を選択的に行って浴槽に貯められた湯水の温度を調整する湯温調整手段(S104〜S120)と、を備えたことを特徴としている。
このような構成によれば、予め設定された目標湯温と浴槽に貯められた湯水の現在温度に基づいて、熱交換機を用いてタンク内の湯水の有する熱で浴槽に貯められた湯水の温度を上昇させる追い炊き運転と、熱交換機を用いて浴槽に貯められた湯水の有する熱をタンク内の湯水に回収させて浴槽に貯められた湯水の温度を低下させる風呂熱回収運転を選択的に行って浴槽に貯められた湯水の温度が調整されるので、ユーザの煩わしさを低減しつつ、浴槽に貯められた湯水の温度を所定の温度に調整することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態の貯湯式給湯装置の全体構成図である。 第1実施形態の貯湯式給湯装置の電気制御部を示すブロック図である。 第1実施形態の貯湯式給湯装置の制御処理の要部を示すフローチャートである。 浴槽50内にたし湯をするときの給湯水および水道水の流れを示した図である。 第4実施形態の貯湯式給湯装置の制御処理の要部を示すフローチャートである。
(第1実施形態)
図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態の貯湯式給湯装置10は、図1の全体構成図に示すように、ヒートポンプサイクル20、貯湯タンク30、浴槽用熱交換器40、浴槽50等を備えて構成されている。
ヒートポンプサイクル20は、給湯水を加熱するものであり、貯湯タンク30は、ヒートポンプサイクル20によって加熱された給湯水を貯湯するものである。浴槽用熱交換器40は、貯湯タンク30に貯湯された給湯水と浴槽50に貯められた浴槽用湯とを熱交換させるものであり、浴槽50は、ユーザが入浴するための湯(浴槽用湯)を貯めておくものである。
より具体的には、ヒートポンプサイクル20は、冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮機から吐出された高圧冷媒と貯湯タンク30に貯湯される給湯水とを熱交換させて給湯水を加熱する放熱器としての水−冷媒熱交換器、水−冷媒熱交換器から流出した冷媒を減圧させる減圧装置、および減圧装置にて減圧された低圧冷媒と外気とを熱交換させて低圧冷媒を蒸発させる蒸発器としての室外熱交換器(いずれも図示せず。)を順次冷媒配管で接続して構成された蒸気圧縮式の冷凍サイクルである。
本実施形態のヒートポンプサイクル20では、冷媒として二酸化炭素を採用しており、圧縮機の吐出口側から減圧装置の入口側へ至るサイクルの高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを構成している。また、ヒートポンプサイクル20を構成する電動式の各種構成機器は、後述する制御装置70から出力される制御電圧あるいは制御信号によって、その作動が制御される。
ヒートポンプサイクル20の水−冷媒熱交換器は、高圧冷媒を流通させる冷媒通路と給湯水を流通させる水通路とを有している。この水通路の入口側には、入口側給湯水配管60aを介して、貯湯タンク30の下方側に設けられた下方側流入出口30aが接続されている。また、水通路の出口側には、出口側給湯水配管60dを介して、第1三方継手61aの1つの流入出口が接続されている。
この入口側給湯水配管60aには、貯湯タンク30内へ水道水を供給する給水配管60b、および貯湯タンク30の下方側の給湯水あるいは水道水を、ヒートポンプサイクル20(具体的には、水−冷媒熱交換器の水通路)を迂回させて後述する三方弁62側へ導くバイパス配管60cが接続されている。
さらに、入口側給湯水配管60aには、貯湯タンク30の下方側の給湯水あるいは水道水を水−冷媒熱交換器の水通路へ圧送する沸上用水ポンプ63aが配置されている。
この沸上用水ポンプ63aは、制御装置70から出力される制御電圧によって、その作動が制御される電動式の水ポンプである。さらに、本実施形態の沸上用水ポンプ63aは、逆流防止機能を有している。従って、沸上用水ポンプ63aが停止していても、第1三方継手61a側から水通路側へ給湯水が逆流することはない。もちろん、沸上用水ポンプ63aの吐出口側等に同様の機能を有する逆止弁を配置してもよい。
出口側給湯水配管60dに接続された第1三方継手61aの別の流入出口には、後述する浴槽用熱交換器40の給湯水側通路40aの入口側、並びに、三方弁62の1つの流入出口が接続されている。さらに、三方弁62の別の流入出口には、貯湯タンク30の上方側に設けられた上方側流入出口30b、並びに、バイパス配管60cの出口側が接続されている。
三方弁62は、給湯水が流れる給湯水流路を切り替えるものであって、制御装置70から出力される制御電圧によって、その作動が制御される。具体的には、本実施形態の三方弁62は、貯湯タンク30の下方側流入出口30aと第1三方継手61aとを接続する給湯水流路、および貯湯タンク30の上方側流入出口30bと第1三方継手61aとを接続する給湯水流路を切り替える機能を果たす。
次に、貯湯タンク30は、耐食性に優れた金属(例えば、ステンレス)にて中空円柱状に形成され、軸方向が略鉛直方向に延びる縦長形状に形成されている。さらに、貯湯タンク30は、外周を断熱材で覆う断熱構造あるいは二重タンクによる真空断熱構造等を有しており、高温の給湯水を長時間保温しながら貯湯することができる。
ここで、ヒートポンプサイクル20の水−冷媒熱交換器にて加熱された給湯水は、後述の沸上運転で説明するように、第1三方継手61aおよび三方弁62を介して、貯湯タンク30の上方側流入出口30bから貯湯タンク30内へ流入する。従って、貯湯タンク30内の給湯水には、上方側から下方側へ向かって、温度が徐々に低下する温度分布が生じやすい。
また、本実施形態の貯湯タンク30には、前述した下方側流入出口30a、および上方側流入出口30bの他に、貯湯タンク30内に貯湯された給湯水のうち上方側の高温の給湯水を流出させる上方側流出口30c、貯湯タンク30内に貯湯された給湯水のうち上下方向中間部位の中間温度の給湯水を流出させる中間側流出口30d、浴槽用熱交換器40の給湯水側通路40aから流出した給湯水を貯湯タンク30内の上下方向中間部位へ流入させる中間側流入口30eが設けられている。
なお、図1では、図示の明確化のために、中間側流出口30dが中間側流入口30eよりも上方側に配置された例を示しているが、これに限定されることなく、中間側流出口30dを中間側流入口30eよりも下方側に配置してもよい。さらに、中間側流出口30dと中間側流入口30eとを略同等の高さで配置してもよい。
貯湯タンク30の上方側流出口30cには、温度調整弁64aの一方の流入口が接続されている。また、中間側流出口30dには、温度調整弁64aの他方の流入口が接続されている。温度調整弁64aは、上方側流出口30cから流出した給湯水と中間側流出口30dから流出した給湯水との混合比率を調整して、下流側に流出させる給湯水の温度を調整する。
より詳細には、温度調整弁64aは、上方側流出口30cから流出した高温の給湯水を流通させる通路の通路断面積と、中間側流出口30dから流出した中間温度の給湯水を流通させる通路の通路断面積とを同時に変化させる弁体、およびこの弁体を変位させる電動アクチュエータを有する三方式の流量調整弁で構成されている。この電動アクチュエータは、制御装置70から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、本実施形態の温度調整弁64aは、高温の給湯水を流通させる通路および中間温度の給湯水を流通させる通路のうち、一方の通路を全開として他方の通路を全閉とすることもできる。
温度調整弁64aの出口側には、浴槽用温度調整弁64bの一方の流入口が接続されている。浴槽用温度調整弁64bの基本的構成は、温度調整弁64aと同様である。浴槽用温度調整弁64bの他方の流入口には、給水配管60bが接続されている。従って、浴槽用温度調整弁64bは、温度調整弁64aから流出した給湯水と水道水との混合比率を調整して、下流側に流出させる給湯水の温度を調整するものである。
浴槽用温度調整弁64bから流出した湯は浴槽用湯として、浴槽用水循環回路60eを介して、浴槽50へ供給される。従って、浴槽用温度調整弁64bは、浴槽50へ供給される湯の温度を調整する。
より具体的には、浴槽用温度調整弁64bの出口側には、浴槽用開閉弁65を介して、浴槽用水循環回路60eに配置された第2三方継手61bの一つの流入出口が接続されている。浴槽用開閉弁65は、浴槽用温度調整弁64bの出口側と浴槽用水循環回路60eとを接続する浴槽用配管60fを開閉するものであって、制御装置70から出力される制御信号によって、その作動が制御される電磁弁である。
浴槽用水循環回路60eは、浴槽50内と浴槽用熱交換器40の浴槽用湯側通路40bとの間で浴槽用湯を循環させる水循環回路である。浴槽用水循環回路60eには、浴槽50の上下方向中間位置に設けられた浴槽用湯吸入口から浴槽用湯を吸入して浴槽用湯側通路40bへ圧送する浴槽用水ポンプ63bが配置されている。この浴槽用水ポンプ63bの基本的構成は、沸上用水ポンプ63aと同様である。
そして、浴槽用水ポンプ63bの吐出口側には、第2三方継手61bの別の流入出口が接続されており、第2三方継手61bのさらに別の流入出口には、浴槽用湯側通路40bの入口側が接続されている。さらに、浴槽用湯側通路40bの出口側には、浴槽50の下方側に配置された浴槽用湯吐出口が接続されている。
なお、本実施形態の温度調整弁64aの出口側には、図示しないシャワー用温度調整弁、蛇口用温度調整弁等が、浴槽用温度調整弁64bに対して並列的に接続されている。これらのシャワー用温度調整弁および蛇口用温度調整弁は、それぞれ温度調整弁64aから流出した給湯水と水道水とを混合させて、ユーザの所望の温度となった給湯水をシャワー、蛇口等の給湯端末へ供給することができる。
次に、浴槽用熱交換器40は、前述の如く、第1三方継手61aから流出した給湯水を流通させる給湯水側通路40aと、浴槽用水循環回路60eを循環する浴槽用湯を流通させる浴槽用湯側通路40bとを有し、給湯水側通路40aを流通する給湯水と浴槽用湯側通路40bを流通する浴槽用湯とを熱交換させるものである。
さらに、本実施形態では、浴槽用熱交換器40として、給湯水側通路40aを流通する給湯水の流れ方向と浴槽用湯側通路40bを流通する浴槽用湯の流れ方向が対向流となる対向流型の熱交換器を採用している。
また、給湯水側通路40aの出口側には、給湯水側通路40aから流出した給湯水を貯湯タンク30の中間側流入口30eへ圧送する給湯水ポンプ63cが配置されている。この給湯水ポンプ63cの基本的構成は、沸上用水ポンプ63aと同様である。
次に、図2のブロック図を用いて、本実施形態の貯湯式給湯装置10の電気制御部の概要について説明する。制御装置70は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、そのROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された各種制御対象機器の作動を制御するものである。
制御装置70の出力側には、ヒートポンプサイクル20の構成機器(具体的には、圧縮機、減圧装置)、三方弁62、沸上用水ポンプ63a、浴槽用水ポンプ63b、給湯水ポンプ63c、温度調整弁64a、浴槽用温度調整弁64b、浴槽用開閉弁65等の各種制御対象機器が接続されている。
一方、制御装置70の入力側には、赤外線センサ71、水位センサ72、タンク内温度センサ73、浴槽用湯温センサ74、外気温センサ75等が接続され、これらのセンサ群の検出信号が制御装置70へ入力される。
赤外線センサ71は、浴室内の浴槽50近傍に配置されており、検出された赤外線の変化量等に応じて、ユーザの浴槽50内への入浴(すなわち、ユーザが浴槽50に貯められた浴槽用湯へ入ったこと)およびユーザの浴槽50内からの出浴(すなわち、ユーザが浴槽50に貯められた浴槽用湯から出たこと)を検出するものである。
水位センサ72は、浴槽用水循環回路60eの浴槽用湯吸入口近傍に配置されており、検出された水圧の変化等に応じて、浴槽50内の浴槽用湯の量WLを検出するものである。
タンク内温度センサ73は、貯湯タンク30内に貯湯された給湯水の温度を検出するタンク内温度検出手段である。より具体的には、本実施形態のタンク内温度センサ73は、貯湯タンク30内に上下方向に並んで配置された複数個(本実施形態では、5つ)の温度センサによって構成されている。
これにより、制御装置70では、複数のタンク内温度センサ73の出力信号によって、貯湯タンク30内の水位に応じた給湯水の温度、および貯湯タンク30内の温度分布を検出することができる。
また、浴槽用湯温センサ74は、浴槽50内に貯められた浴槽用湯の温度(浴槽用湯温)TBを検出するものである。また、外気温センサ75は、ヒートポンプサイクル20の室外熱交換器にて低圧冷媒と熱交換する外気温を検出するものである。
さらに、制御装置70の入力側には、浴室内等に配置されたリモコン(操作パネル)80が接続されている。このリモコン80には、貯湯式給湯装置10の作動状態を表示する表示部としてのディスプレイ81、およびユーザによって操作される各種スイッチ82〜87が設けられている。
従って、本実施形態のリモコン80は、貯湯式給湯装置10の運転状態等を示す情報を表示する表示装置としての機能と、ユーザの操作によって各種操作信号を入力する機能とを兼ね備えている。
各種スイッチ82〜87としては、作動スイッチ82、湯張りスイッチ83、自動保温スイッチ84、浴槽用温度設定スイッチ85等がある。
作動スイッチ82は、貯湯式給湯装置10の作動を要求する作動要求信号および停止を要求する停止要求信号を出力するためのものである。湯張りスイッチ83は、浴槽50の湯張りを行うことを要求する信号を出力するためのものである。自動保温スイッチ84は、浴槽50内に貯められた浴槽用湯を所望の温度にする自動保温運転の実行を要求する信号を出力するためのものである。浴槽用温度設定スイッチ85は、浴槽50内の浴槽用湯の目標温度TBOを設定するためのものである。
さらに、リモコン80には、その他の各給湯端末から出湯される給湯水の目標出湯温度等を設定する温度設定スイッチ等が設けられており、これらのスイッチの操作信号が制御装置70へ入力される。
ここで、本実施形態の抑制温度設定スイッチ87では、抑制温度TBLを、目標温度TBOよりも低い温度に設定することができ、目標温度TBO以上の温度に設定することはできない。
次に、上記構成における本実施形態の貯湯式給湯装置10の作動について説明する。貯湯式給湯装置10に外部から電源が供給された状態で、リモコン80の作動スイッチ82が投入されると、制御装置70が予め記憶回路に記憶している制御処理(制御プログラム)を実行する。
制御装置70は、上述した各種センサの検出信号およびリモコン80の操作信号に基づいて、貯湯タンク30内に貯湯される給湯水を加熱する沸上運転、浴槽50内に浴槽用湯を貯める湯張り運転、浴槽50内に溜められた浴槽用湯を保温するための自動保温運転や温度抑制運転等を実行する。以下に、各運転の詳細について説明する。
(a)沸上運転
沸上運転は、貯湯タンク30内に加熱された給湯水を貯めるために実行される。沸上運転では、制御装置70が、ヒートポンプサイクル20を作動させるとともに、沸上用水ポンプ63aを作動させ、さらに、第1三方継手61aと貯湯タンク30の上方側流入出口30bとを接続するように三方弁62の作動を制御する。
従って、沸上運転では、図1の細破線矢印で示すように、貯湯タンク30の下方側流入出口30aから流出した給湯水あるいは水道水が、沸上用水ポンプ63aに吸入されてヒートポンプサイクル20の水−冷媒熱交換器の水通路へ圧送される。水通路へ圧送された給湯水は、冷媒通路を流通する高温高圧冷媒と熱交換して加熱される。
さらに、水通路から流出した高温の給湯水は、第1三方継手61aおよび三方弁62を介して、貯湯タンク30の上方側流入出口30bへ流入する。これにより、貯湯タンク30内の上方側に高温の給湯水が貯湯される。この際、沸上運転では、給湯水ポンプ63cが停止しているので、給湯水ポンプ63cの逆流防止機能により、第1三方継手61aから浴槽用熱交換器40側へ給湯水が流出することはない。
沸上運転は、タンク内温度センサ73によって検出された貯湯タンク30内の上方側の給湯水の温度が基準沸上温度(例えば、90℃)以上となるまで継続される。
なお、本実施形態の制御装置70では、タイマー手段等を用いて、夜間の安価な商用電力を利用できる深夜電力時間帯(例えば、23時から翌朝7時迄)に沸上運転を実行している。これにより、本実施形態の貯湯式給湯装置10では、貯湯タンク30に貯えられる給湯水を沸き上げるために必要な電力コストを低減させている。
(b)湯張り運転
湯張り運転は、沸上運転が完了している状態で、リモコン80の湯張りスイッチ83が投入されると実行される。湯張り運転では、制御装置70が、浴槽用開閉弁65を開くとともに、温度調整弁64aおよび浴槽用温度調整弁64bの作動を制御する。
より具体的には、温度調整弁64aについては、温度調整弁64aから流出する給湯水がリモコン80にて設定された最高出湯温度(例えば、60℃)となるように、その作動が制御される。
浴槽用温度調整弁64bについては、基本的には、浴槽50内へ流入する湯が、浴槽用温度設定スイッチ85によって設定された目標温度TBO(例えば、41℃)となるように、その作動が制御される。
湯張り運転では、図1の細線矢印で示すように、水道水の水圧によって貯湯タンク30の上方側流出口30cから流出した高温の給湯水と中間側流出口30dから流出した中間温度の給湯水が、温度調整弁64aにて混合される。さらに、温度調整弁64aから流出した給湯水と水道水が、浴槽用温度調整弁64bにて混合される。
そして、浴槽用温度調整弁64bから流出した給湯水が、第2三方継手61bを介して、浴槽用水循環回路60eへ流入する。浴槽用水循環回路60eへ流入した給湯水は、浴槽用熱交換器40の浴槽用湯側通路40bを介して、浴槽50内に溜められる。この際、湯張り運転では、給湯水ポンプ63cが停止しているので、浴槽用湯側通路40bを流通する給湯水が浴槽用熱交換器40にて加熱あるいは冷却されることはない。
湯張り運転は、水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWLとなるまで継続される。
(c)自動保温運転
自動保温運転は、湯張り運転が完了している状態で実行される。この自動運転については、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、図3のフローチャートにおける各制御ステップは、制御装置70が有する各種の機能実現手段を構成している。制御装置70は、図3に示す処理を定期的に実施する。
まず、自動保温スイッチ84が投入されているか否かを判定する(S100)。ここで、自動保温スイッチ84が投入されている場合、S100の判定はYESとなり、次に、所定条件が成立したか否かを判定する(S102)。本実施形態では、入浴者が出浴したことが検知された場合、所定条件が成立したものとなっている。前入浴者が出浴したか否かについては赤外線センサ71を用いて検知することができる。具体的には、赤外線センサ71により入浴者が検知されている状態から入浴者が検知されない状態になった場合、入浴者が出浴したと検知することができる。
ここで、赤外線センサ71により入浴者が検知されている場合、S102の判定はNOとなり、本処理を終了する。
また、入浴者が浴槽50内から出て赤外線センサ71により入浴者が検知されている状態から入浴者が検知されない状態になった場合、S102の判定はYESとなり、次に、現在湯温を取得する(S104)。具体的には、浴槽用湯温センサ74より、浴槽50内に貯められた浴槽用湯の温度(現在湯温)TBを取得する。
次に、目標湯温が現在湯温よりも高いか否かを判定する(S106)。本実施形態において、目標湯温は浴槽用温度設定スイッチ85に対する操作により設定された温度となっている。
ここで、目標湯温が現在湯温よりも高くなっている場合、S106の判定はYESとなり、次に、現在湯温と目標湯温の差が第1の閾値αよりも大きいか否かを判定する(S108)。すなわち、現在湯温と目標湯温の差の大きさが所定範囲内か否かを判定する。
ここで、現在湯温と目標湯温の差が第1の閾値αよりも大きい場合、S108の判定はYESとなり、風呂熱回収運転を実施する(S110)。ここで、風呂熱回収運転について説明する。風呂熱回収運転では、制御装置70が、貯湯タンク30の下方側流入出口30aと第1三方継手61aとを接続するように三方弁62の作動を制御するとともに、給湯水ポンプ63cおよび浴槽用水ポンプ63bを作動させる。
従って、風呂熱回収運転では、図1の太破線矢印に示すように、下方側流入出口30aから流出した低温の給湯水が、バイパス配管60c、三方弁62、および第1三方継手61aを介して、浴槽用熱交換器40の給湯水側通路40aへ流入する。また、図1の二重線矢印に示すように、浴槽用水ポンプ63bから圧送された浴槽用湯が、浴槽用湯側通路40bへ流入する。
浴槽用熱交換器40では、給湯水側通路40aを流通する低温の給湯水と浴槽用湯側通路40bを流通する浴槽用湯が熱交換して、給湯水の温度が上昇し、浴槽用湯の温度が低下する。
給湯水側通路40aから流出した給湯水は、給湯水ポンプ63cに吸入されて、中間側流入口30eから貯湯タンク30内へ流入する。これにより、浴槽用湯の有する熱が貯湯タンク30内に回収される。浴槽用湯側通路40bから流出した浴槽用湯は、浴槽50内へ戻る。
さらに、風呂熱回収運転では、沸上用水ポンプ63aが停止しているので、沸上用水ポンプ63aの逆流防止機能により、第1三方継手61aからヒートポンプサイクル20の水−冷媒熱交換器側へ給湯水が流出することはない。また、浴槽用開閉弁65が閉じているので、浴槽用水ポンプ63bから圧送された浴槽用湯が浴槽用温度調整弁64b側へ逆流してしまうことはない。
次に、現在湯温が目標湯温に到達したか否かを判定する(S112)。ここで、現在湯温が目標湯温に到達していない場合、S110へ戻り、風呂熱回収運転を継続する。
そして、現在湯温が目標湯温に到達すると、S110の判定はYESとなり、風呂熱回収運転を停止して、本処理を終了する。
なお、目標湯温が現在湯温よりも高い場合でも、現在湯温と目標湯温の差が第1の閾値α以下となっている場合、S108の判定はNOとなり、風呂熱回収運転を実施することなく、本処理を終了する。
一方、S104にて、現在湯温を取得した後、目標湯温が現在湯温以下となっている場合、S104の判定はNOとなり、次に、現在湯温と目標湯温の差が第2の閾値βよりも大きいか否かを判定する(S114)。
ここで、現在湯温と目標湯温の差が第2の閾値βよりも大きくなっている場合、S114の判定はYESとなり、次に、追い炊き運転を実施する(S116)。
この追い炊き運転では、制御装置70が、第1三方継手61aと貯湯タンク30の上方側流入出口30bとを接続するように三方弁62の作動を制御するとともに、給湯水ポンプ63cおよび浴槽用水ポンプ63bを作動させる。
従って、追い炊き運転では、図1の太実線矢印に示すように、上方側流入出口30bから流出した高温の給湯水が、三方弁62および第1三方継手61aを介して、浴槽用熱交換器40の給湯水側通路40aへ流入する。給湯水側通路40aへ流入した高温の給湯水は、浴槽用湯側通路40bを流通する浴槽用湯に放熱する。
給湯水側通路40aから流出した給湯水は、給湯水ポンプ63cへ吸入されて中間側流入口30eから貯湯タンク30内へ流入する。この際、追い炊き運転では、沸上用水ポンプ63aが停止しているので、沸上用水ポンプ63aの逆流防止機能により、第1三方継手61aからヒートポンプサイクル20の水−冷媒熱交換器側へ給湯水が流出することはない。
また、図1の二重線矢印に示すように、浴槽用水ポンプ63bから圧送された浴槽用湯が浴槽用熱交換器40の浴槽用湯側通路40bへ流入する。浴槽用湯側通路40bへ流入した浴槽用湯は、給湯水側通路40aを流通する高温の給湯水から吸熱する。これにより、浴槽用湯が加熱される。この際、追い炊き運転では、浴槽用開閉弁65が閉じているので、浴槽用水ポンプ63bから圧送された浴槽用湯が浴槽用温度調整弁64b側へ逆流してしまうことはない。
次に、現在湯温が目標湯温に到達したか否かを判定する(S116)。ここで、現在湯温が目標湯温に到達していない場合、S116の判定はNOとなり、S114へ戻り、追い炊き運転を継続する。そして、現在湯温が目標湯温に到達すると、S116の判定はYESとなり、追い炊き運転を停止して、本処理を終了する。
なお、自動保温スイッチ84が投入されていない場合、S100の判定はNOとなり、S102へ進むことなく、本処理を終了する。
また、S102の判定において、所定条件が成立していないと判定された場合、S104へ進むことなく、本処理を終了する。
上記した構成によれば、予め設定された目標湯温と浴槽に貯められた湯水の現在温度に基づいて、熱交換機を用いてタンク内の湯水の有する熱で浴槽に貯められた湯水の温度を上昇させる追い炊き運転と、熱交換機を用いて浴槽に貯められた湯水の有する熱をタンク内の湯水に回収させて浴槽に貯められた湯水の温度を低下させる風呂熱回収運転を選択的に行って浴槽に貯められた湯水の温度が調整されるので、例えば、前の入浴者に続いて次の入浴者が入浴するようなときに、浴槽の温水に触れて湯温を確認した上で、リモコンで熱回収運転を指示したり、追い炊き運転を指示したりする必要がなく、ユーザの煩わしさを低減しつつ、浴槽に貯められた湯水の温度を所定の温度に調整することができる。
具体的には、入浴者が出浴したことが検知されたことを所定の条件が成立したと判定し、所定の条件が成立したと判定された場合に、上記追い炊き運転と風呂熱回収運転を選択的に行って、浴槽に貯められた湯水の温度を調整することができる。すなわち、次の入浴者の入浴前に、浴槽に貯められた湯水の温度を所望の温度に調整することが可能である。
また、目標温度が現在温度よりも低い場合には、風呂熱回収運転による浴槽に貯められた湯水の温度低下を行うので、例えば、浴槽に貯められた湯水の温度低下のためにさし水をする必要がなく、無駄な水の使用を控えることができる。また、浴槽用熱交換器40にて浴槽用湯よりも低温の給湯水と浴槽用湯とを熱交換させるので、浴槽用湯の有する熱を貯湯タンク30内に回収することができる。
また、目標温度と現在温度との差が所定範囲内の場合、追い炊き運転による浴槽に貯められた湯水の温度上昇と、風呂熱回収運転による浴槽に貯められた湯水の温度低下のいずれも実施しないので、無駄な動作を抑制することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、S102にて、入浴者が出浴したことが検知された場合に、所定条件が成立したものと判定するようにしたが、本実施形態では、入浴者が入浴したことが検知された場合に、所定の条件が成立したと判定する。
入浴者が入浴したか否かについては、赤外線センサ71を用いて検知することができる。具体的には、赤外線センサ71により入浴者が検知されていない状態から入浴者が検知された場合、入浴者が出浴したと検知することができる。
本実施形態においては、自動保温スイッチ84が投入され、かつ、入浴者が入浴した場合に、S104〜S120の処理が実施される。
このように、入浴者が入浴したことが検知された場合に、所定の条件が成立したと判定し、所定の条件が成立したと判定された場合に、上記追い炊き運転と風呂熱回収運転を選択的に行い、浴槽に貯められた湯水の温度を調整することができる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、S102にて、入浴者が出浴したことが検知された場合に、所定条件が成立したものと判定するようにしたが、本実施形態では、浴槽内の湯水の設定温度の変更が実施されたことを所定の条件が成立したと判定する。
浴槽内の湯水の設定温度の変更は、浴槽50内の浴槽用湯の目標温度TBOを設定する浴槽用温度設定スイッチ85に対する操作により行われる。
このように、浴槽内の湯水の設定温度を操作する浴槽用温度設定スイッチ85を備え、浴槽用温度設定スイッチ85を用いた浴槽内の湯水の設定温度の変更が実施されたことを所定の条件が成立したと判定し、所定の条件が成立したと判定された場合に、上記追い炊き運転と風呂熱回収運転を選択的に行うことができる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態の貯湯式給湯装置10は、所定の条件が成立した場合、追い炊き運転と、風呂熱回収運転を選択的に行って浴槽に貯められた湯水の温度を調整する処理を実施するよう構成されている。これに対し、本実施形態の貯湯式給湯装置10は、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが基準湯量KWLより少なくなっている場合、風呂熱回収運転を実行する前と、追い炊き運転を実行する前に、それぞれ貯湯タンク30内の湯水および水道水の少なくとも一方により浴槽50への補水を実施する。
本実施形態の貯湯式給湯装置10のリモコン(操作パネル)80は、補水の有効または無効を設定する補水設定スイッチ(図示せず)を有している。リモコン80は、補水設定スイッチに対する操作に応じた操作信号を制御装置70へ出力する。制御装置70は、補水設定スイッチにより補水が有効に設定されているときに浴槽50への補水を実施し、補水が無効に設定されているときには浴槽50への補水を実施しない。
図4は、浴槽50内にたし湯をするときの給湯水および水道水の流れを示した図である。制御装置70が浴槽用開閉弁65を開くと、図4の二点鎖線矢印に示すように、貯湯タンク30の上方側流出口30cから流出した高温の給湯水と、貯湯タンク30の中間側流出口30dから流出した中間温度の給湯水が温度調整弁64aで合流する。なお、高温の給湯水と中間温度の給湯水の合流割合を制御することにより、温度調整弁64aより流出する給湯水の温度を調節することが可能である。
温度調整弁64aで合流した給湯水は、さらに、浴槽用温度調整弁64bで水道水と合流する。なお、給湯水と水道水の合流割合を制御することにより、浴槽用温度調整弁64bより流出する混合水の温度を調節することが可能である。
浴槽用温度調整弁64bで合流した混合水は、浴槽用開閉弁65を通った後、第2三方継手61bで浴槽用水循環回路60eへ流入するものと、槽用水ポンプ63bへ流入するものに分岐する。
ここで、浴槽用水循環回路60eへ流入した混合水は、浴槽用熱交換器40の浴槽用湯側通路40bを通って浴槽50内へ流入し、槽用水ポンプ63bへ流入した水道水は、浴槽用水ポンプ63bを通って浴槽50内へ流入する。
本実施形態の貯湯式給湯装置10は、浴槽用配管60fを流れる湯水の温度を検出する温度センサと、浴槽用温度調整弁64bへ流入する水道水の温度を検出する水道水温温度センサと、浴槽用配管60fを流れる湯水の流量を検出する流量センサ(いずれも図示せず)と、を有している。
次に、本実施形態の制御装置70による自動保温運転について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。自動保温運転は、湯張り運転が完了している状態で実行される。なお、本実施形態では、リモコン80に設けられた補水の有効または無効を設定するスイッチが補水有効に設定されているものとする。また、ここでは、沸上用水ポンプ63a、浴槽用水ポンプ63bおよび給湯水ポンプ63cは作動を停止しているものとする。また、S100〜S106は、図3のフローチャートと同じであるので、ここでは説明を省略する。
目標湯温が現在湯温よりも低くなっており、S106にてYESと判定されると、次に、制御装置70は、現在水位が目標水位よりも低いか否かを判定する(S200)。具体的には、水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL未満となっているか否かに基づいて現在水位が目標水位よりも低いか否かを判定する。
ここで、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL未満となっている場合、S200の判定はYESとなり、次に、補水量を算出する(S202)。水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量をWL、目標湯量を基準湯量KWLとすると、補水量Xは、X=KWL−WLとして算出することができる。
次に、補水温度を算出する(S204)。補水温度は、浴槽50に補充すべき湯水の温度である。ここで、補水温度の算出について説明する。本実施形態では、まず、目標風呂熱量を算出する。目標湯温をt’、給水温度をtとすると、目標風呂熱量Q1は、Q1=KWL×(t’−t)として算出することができる。なお、本実施形態では、水道水の温度を給水温度をtとしている。次に、現在風呂熱量を算出する。ここで、現在湯温をtとすると、現在風呂熱量Q2は、Q2=WL×(t−t)として算出することができる。
したがって、補水により必要となる熱量Q3は、Q3=KWL×(t’−t)−WL×(t−t)として算出することができる。
また、S202にて算出したように、補水量は、KWL−WLとなっている。したがって、補水温度は、以下の数式1を用いて算出することができる。
(数1)
(KWL×(t’−t)−WL×(t−t))/(KWL−WL)+t
次に、貯湯タンク30内の湯水および水道水の少なくとも一方により浴槽50への補水を実施する(S206)。具体的には、浴槽用開閉弁65を開くとともに、S202にて算出された補水量で、かつ、S204にて算出された補水温度の湯水が浴槽50に補充されるよう、温度調整弁64aおよび浴槽用温度調整弁64bを制御する。
次に、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが目標湯量である基準湯量KWLに到達したか否かを判定する(S208)。具体的には、水位センサ72の検出信号を読み込み、水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL以上となっているか否かを判定する。
ここで、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが基準湯量KWL未満の場合、S208の判定を繰り返し実施する。そして、水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL以上となると、S208の判定はYESとなり、次に、浴槽50内の浴槽用湯の温度TBが浴槽50内の浴槽用湯の目標温度TBOに到達したか否か判定する(S210)。
ここで、浴槽用湯温センサ74によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の温度TBが浴槽50内の浴槽用湯の目標温度TBO以未満となっている場合、S210の判定はNOとなり、S210の風呂熱回収運転を実施する。なお、この風呂熱回収運転については、図3のフローチャートと同じであるので、ここでは説明を省略する。
また、浴槽用湯温センサ74によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の温度TBが浴槽50内の浴槽用湯の目標温度TBO以下になっている場合、S210の判定はYESとなり、風呂熱回収運転を実施することなく、本処理を終了する。
また、目標湯温が現在湯温よりも低くなっており、S106にてYESと判定された場合でも、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL以上となっている場合には、S200の判定はNOとなり、浴槽50への補水を実施することなく、S110にて、風呂熱回収運転を実行する。
また、目標湯温が現在湯温以上となっており、S106にてNOと判定されると、現在水位が目標水位よりも高いか否かを判定する(S212)。具体的には、水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL以上となっているか否かに基づいて現在水位が目標水位よりも高いか否かを判定する。
ここで、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL以上となっていない場合、S212の判定はYESとなり、次に、補水量を算出する(S214)。具体的には、S202と同様に、水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量WLおよび基準湯量KWLに基づいて補水量を算出する。
次に、補水温度を算出する(S216)。具体的には、S204と同様に、数式1を用いて補水温度を算出する。
次に、貯湯タンク30内の湯水および水道水の少なくとも一方により浴槽50への補水を実施する(S218)。具体的には、浴槽用開閉弁65を開くとともに、S214にて算出された補水量で、かつ、S216にて算出された補水温度の湯水が浴槽50に補充されるよう、温度調整弁64aおよび浴槽用温度調整弁64bを制御する。
次に、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが目標水位である基準湯量KWLに到達したか否かを判定する(S220)。具体的には、水位センサ72の検出信号を読み込み、水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL以上となっているか否かを判定する。
ここで、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが基準湯量KWL未満の場合、S220の判定を繰り返し実施する。そして、水位センサ72によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、予め定めた基準湯量KWL以上となると、S220の判定はYESとなり、次に、浴槽50内の浴槽用湯の温度TBが浴槽50内の浴槽用湯の目標温度TBOに到達したか否か判定する(S222)。
ここで、浴槽用湯温センサ74によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の温度TBが浴槽50内の浴槽用湯の目標温度TBO以未満となっている場合、S222の判定はNOとなり、追い炊き運転を実施する(S116)。
また、浴槽用湯温センサ74によって検出された浴槽50内の浴槽用湯の温度TBが浴槽50内の浴槽用湯の目標温度TBO以上になっている場合、S222の判定はYESとなり、追い炊き運転を実施することなく、本処理を終了する。
また、目標湯温が現在湯温以上となっており、S106にてNOと判定された場合でも、浴槽50内の浴槽用湯の量WLが、基準湯量KWL以上となっている場合には、S212の判定はNOとなり、浴槽50への補水を実施することなく、S116にて追い炊き運転を実施する。なお、この追い炊き運転についても図3のフローチャートと同じであるので、ここでは説明を省略する。
上記したように、制御装置70は、浴槽に貯められた湯水の湯量が基準湯量よりも少ないか否かを判定し、浴槽に貯められた湯水の湯量が基準湯量よりも少ないと判定された場合、タンク内の湯水および水道水の少なくとも一方により浴槽への補水を実施するので、ユーザは補水のための操作を行うことなく、浴槽に貯められた湯水の湯量を基準湯量にすることができる。
また、制御装置70は、追い炊き運転および風呂熱回収運転が行われる前に、浴槽への補水を実施するので、速やかに浴槽に貯められた湯水の湯量を基準湯量にするとともに、速やかに浴槽に貯められた湯水の湯量を目標湯温にすることができる。
また、制御装置70は、浴槽内の浴槽用湯の水位を検出する水位センサ72により検出された浴槽内の浴槽用湯の量と予め定められた目標水位の差に基づいて浴槽に補水する湯水の補水量を算出し、算出した補水量の湯水を浴槽に補水することができる。
また、制御装置70は、現在水位および現在湯温に基づいて現在の浴槽に貯められた湯水の現在風呂熱量を算出するとともに目標水位および目標湯温に基づいて目標風呂熱量を算出し、現在風呂熱量および目標風呂熱量に基づいて浴槽に補水する湯水の補水温度を算出し、算出した補水温度の湯水を浴槽に補水することができる。
また、制御装置70は、浴槽への補水が実施された後、現在温度が目標温度に到達したか否かを判定し、現在温度が目標温度に到達したと判定された場合、追い炊き運転による浴槽に貯められた湯水の温度上昇と、風呂熱回収運転による浴槽に貯められた湯水の温度低下のいずれも実施しないので無駄な動作を抑制することができる。
なお、本実施形態では、貯湯タンク30の上方側流出口30cから流出した高温の給湯水と、貯湯タンク30の中間側流出口30dから流出した中間温度の給湯水を、温度調整弁64aで合流させるようにしたが、必ずしも貯湯タンク30の上方側流出口30cから流出した高温の給湯水と、貯湯タンク30の中間側流出口30dから流出した中間温度の給湯水を合流させる必要はない。
本実施形態では、リモコン80に設けられた補水の有効または無効を設定するスイッチが補水有効に設定されているものとして説明したが、リモコン80に設けられた補水の有効または無効を設定するスイッチが補水無効に設定されている場合には、S206、S218の補水を実施しないようにすることができる。
また、本実施形態の制御装置70は、浴槽への補水が実施された後、現在湯温が目標湯温に到達したと判定された場合、追い炊き運転と風呂熱回収運転のいずれも実施しないようにしたが、例えば、目標湯温と現在湯温との差の大きさが所定範囲内の場合、追い炊き運転と風呂熱回収運転のいずれも実施しないようにすることもできる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、赤外線センサ71を用いて入浴者の出浴または入浴を検知したが、例えば、水位センサ72を採用してもよいし、赤外線センサ71と水位センサ72の双方の検出信号からユーザの入出浴を検出するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、入浴者の出浴または入浴が検知された場合、所定の条件が成立したと判定するようにしたが、例えば、入浴者の一定期間以上の出浴が検知された場合、あるいは、入浴者の一定期間以上の入浴が検知された場合に、所定の条件が成立したと判定するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、目標湯温が現在湯温よりも高い場合でも、現在湯温と目標湯温の差が第1の閾値α以下となっている場合、S108の判定はNOとなり、風呂熱回収運転(S110)を実施しないようにしたが、現在湯温と目標湯温の差が僅かな場合でも、風呂熱回収運転(S110)を実施するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、1つの浴槽用熱交換器40で追い炊き専用熱交換器と熱回収専用熱交換器を構成したが、例えば、貯湯タンク30のうち上方側の高温側の給湯水と浴槽用湯とを熱交換させる追い炊き専用熱交換器と、貯湯タンク30のうち下方側の高温側の給湯水と浴槽用湯とを熱交換させる熱回収専用熱交換器の2つの熱交換機を備えた構成としてもよい。
また、上述の実施形態では、給湯水流路切替手段として、三方弁62を採用した例を説明したが、給湯水流路切替手段はこれに限定されない。沸上運転時における給湯水流路、追い炊き運転時における給湯水流路、および風呂熱回収湯運転時における給湯水流路等を適切に切替可能であれば、複数の開閉弁(電磁弁)等を組み合わせて給湯水流路切替手段を構成してもよい。
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、制御部40におけるS102を実行する構成(ソフトウェアやハードウェア等)が条件判定手段に相当し、S104〜S120を実行する構成が湯温調整手段に相当し、S200、S212が湯量判定手段に相当し、S206、S218が補水手段に相当し、水位センサ72が水位検出手段に相当し、S202、214が補水量算出手段に相当し、S204、S216が補水温度算出手段に相当する。
10 貯湯式給湯装置
20 ヒートポンプサイクル
30 貯湯タンク
40 浴槽用熱交換器
50 浴槽
71 赤外線センサ

Claims (11)

  1. 浴槽(50)に貯められた湯水とタンク(30)内の湯水との熱交換を行う熱交換機(40)を備えた貯湯式給湯装置であって、
    予め設定された目標湯温と前記浴槽に貯められた湯水の現在温度に基づいて、前記熱交換機を用いて前記タンク内の湯水の有する熱で前記浴槽に貯められた湯水の温度を上昇させる追い炊き運転と、前記熱交換機を用いて前記浴槽に貯められた湯水の有する熱を前記タンク内の湯水に回収させて前記浴槽に貯められた湯水の温度を低下させる風呂熱回収運転を選択的に行って前記浴槽に貯められた湯水の温度を調整する湯温調整手段(S104〜S120)と、を備えたことを特徴とする貯湯式給湯装置。
  2. 所定の条件が成立したか否かを判定する条件判定手段(S102)を備え、
    前記条件判定手段は、入浴者が入浴もしくは出浴したことが検知されたことを前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  3. 前記浴槽内の湯水の設定温度を操作する設定温度操作手段(85)と、
    所定の条件が成立したか否かを判定する条件判定手段(S102)と、を備え、
    前記条件判定手段は、前記設定温度操作手段を用いた前記浴槽内の湯水の設定温度の変更が実施されたことを前記所定の条件が成立したと判定することを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  4. 前記湯温調整手段は、前記目標温度が前記現在温度よりも低い場合には、前記風呂熱回収運転による前記浴槽に貯められた湯水の温度低下を行うことを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  5. 前記湯温調整手段は、前記目標温度と前記現在温度との差の大きさが所定範囲内の場合、前記追い炊き運転による前記浴槽に貯められた湯水の温度上昇と、前記風呂熱回収運転による前記浴槽に貯められた湯水の温度低下のいずれも実施しないことを特徴とする請求項1または4に記載の貯湯式給湯装置。
  6. 前記浴槽に貯められた湯水の湯量が基準湯量よりも少ないか否かを判定する湯量判定手段(S200、S212)と、
    前記湯量判定手段により前記浴槽に貯められた湯水の湯量が基準湯量よりも少ないと判定された場合、前記タンク内の湯水および水道水の少なくとも一方により前記浴槽への補水を実施する補水手段(S206、S218)と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯装置。
  7. 前記補水手段は、前記湯温調整手段により前記追い炊き運転または前記風呂熱回収運転が行われる前に、前記浴槽への補水を実施することを特徴とする請求項6に記載の貯湯式給湯装置。
  8. 浴槽内の浴槽用湯の量を検出する湯量検出手段(72)と、
    前記湯量検出手段により検出された浴槽内の浴槽用湯の量と所定の目標湯量の差に基づいて前記浴槽に補水する湯水の補水量を算出する補水量算出手段(S202、214)と、を備え、
    前記補水手段は、前記補水量算出手段により算出された前記補水量の湯水を前記浴槽に補水することを特徴とする請求項6または7に記載の貯湯式給湯装置。
  9. 現在湯量および現在湯温に基づいて現在の浴槽に貯められた湯水の現在風呂熱量を算出するとともに目標湯量および目標湯温に基づいて目標風呂熱量を算出し、前記現在風呂熱量および前記目標風呂熱量に基づいて浴槽に補水する湯水の補水温度を算出する補水温度算出手段(S204、S216)を備え、
    前記補水手段は、前記補水温度算出手段により算出された補水温度の湯水を前記浴槽に補水することを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1つに記載の貯湯式給湯装置。
  10. 前記湯温調整手段は、前記補水手段による前記浴槽への補水が実施された後、前記目標温度と前記現在温度との差の大きさが所定範囲内の場合、前記追い炊き運転による前記浴槽に貯められた湯水の温度上昇と、前記風呂熱回収運転による前記浴槽に貯められた湯水の温度低下のいずれも実施しないことを特徴とする請求項6に記載の貯湯式給湯装置。
  11. 前記浴槽への補水を有効にするか無効にするかを設定する操作部(80)を備え、
    前記補水手段は、前記操作部が前記浴槽への補水を有効にする設定となっている場合、前記浴槽への補水を実施し、前記操作部が前記浴槽への補水を無効にする設定となっている場合、前記浴槽への補水を実施しないことを特徴とする請求項6ないし10のいずれか1つに記載の貯湯式給湯装置。
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