JP2008143977A - カラーフィルター用熱硬化型インキ組成物 - Google Patents

カラーフィルター用熱硬化型インキ組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の現像工程を省くことができ、工程数、工程時間を短縮することができる熱硬化型インキ組成物であって、カラーフィルター基板上にインキをインクジェット方式により吹き付ける際に、インクジェットヘッド先端でのインキの粘度増加を起こし難く、良好な吐出性を維持し、さらにヘッドの目詰まりを起こし難い、貯蔵安定性に優れる熱硬化型インキ組成物の提供。
【解決手段】オキセタニル基含有化合物(a)及びカルボキシル基含有樹脂(b)を含有するカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルターの基板上に、画素部(着色層)のような所定パターンの硬化層を形成するのに用いられるカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物に関する。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルターに対するコストダウンの要求が高い。
このようなカラーフィルターにおいては、通常、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の3原色の着色パターンを備え、R、G及びBのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がシャッターとして作動し、R、G及びBのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
従来より行われているカラーフィルターの製造方法としては、例えば染色法が挙げられる。この染色法は、まずガラス基板上に染色用の材料である水溶性の高分子材料を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により所望の形状にパターニングした後、得られたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを得る。これを3回繰り返すことによりR、G及びBのカラーフィルター層を形成する。
又、他の方法としては顔料分散法がある。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹脂層を形成し、これをパターニングすることにより単色のパターンを得る。さらにこの工程を3回繰り返すことにより、R、G及びBのカラーフィルター層を形成する。
さらに他の方法としては、電着法や、熱硬化樹脂に顔料を分散させてR、G、及びBの3回印刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げることができる。
しかしながら、いずれの方法も、R、G、及びBの3色を着色するために、同一の工程を3回繰り返す必要があり、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返すため歩留まりが低下するという問題がある。
これらの問題点を解決したカラーフィルターの製造方法として、熱硬化型樹脂を含有する着色インキをインクジェット方式で基板上に吹き付け、加熱することにより着色層(画素部)を形成する方法が知られている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1記載の樹脂組成物はエポキシ化合物と酸を含んでいるため、そのままインクジェット方式に用いると、着色インキを吹き付けている最中にインクジェットのヘッド先端でインクの乾燥が進行して徐々に粘度が上がり、吐出性が悪くなる。その結果、着色インキの吐出量や吐出方向が不安定になったり、インクジェットのヘッドに目詰まりが生じる等のおそれがある。
特開2004−220036号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、上記実状に鑑みて成し遂げられたものであり、従来の現像工程を省くことができ、工程数、工程時間を短縮することができる熱硬化型インキ組成物であって、カラーフィルター基板上にインキをインクジェット方式により吹き付ける際に、インクジェットヘッド先端でのインキの粘度増加を起こし難く、良好な吐出性を維持し、さらにヘッドの目詰まりを起こし難い、貯蔵安定性に優れる熱硬化型インキ組成物を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために種々の検討を行った結果、オキセタニル基含有化合物とカルボキシル基含有樹脂を組合せた組成物が、貯蔵安定性に優れることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、オキセタニル基含有化合物(a)〔以下「(a)成分」という〕及びカルボキシル基含有樹脂(b)〔以下「(b)成分」という〕を含有するカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物に関する。
本発明の組成物は、熱硬化性成分として(a)成分を用いるため、貯蔵安定性に優れ、インクジェット方式の吹き付け作業中に、ヘッドの先端での粘度上昇が起こり難く、ヘッドの目詰まりが発生せず、作業中におけるインキの吐出性が安定する。
このため、インキの吐出量や吐出方向が一定に保たれ、インキを基板上に所定のパターン通り正確に、且つ、均一に付着させることができる。
本発明において、カラーフィルター用熱硬化型インキ組成物は、少なくともオキセタニル基含有モノマー(a)及びカルボキシル基含有樹脂(b)を含有することを特徴とする。
以下、(a)成分、(b)成分及びその他の成分について説明する。
1.(a)成分
(a)成分は、オキセタニル基含有モノマーである。
(a)成分としては、1個のオキセタニル基を有する化合物(以下「単官能オキセタン」という)及び2個以上のオキセタニル基を有する化合物(以下「多官能オキセタン」という)のいずれも使用できる。
単官能オキセタンとしては、1個のオキセタニル基を有する化合物であれば種々の化合物を使用することができる。
単官能オキセタンとしては、特許文献2で開示された記載された単官能オキセタン等を挙げることができる。
特開平6−16804号公報(特許請求の範囲等)
単官能オキセタンの好ましい具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン〔市販品としては、東亞合成(株)製アロンオキセタンOXT−101がある。以下、括弧書は同様の意味。〕、3−(シクロヘキシロキシ)メチル−3−エチルオキセタン(アロンオキセタンOXT−213)、3−エチル−3−[(2−エチルヘキシロキシ)メチル]オキセタン(アロンオキセタンOXT−212)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(アロンオキセタンOXT−211)及び3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン(アロンオキセタンOXT−610)等が挙げられる。
多官能オキセタンとしては、2個以上のオキセタニル基を有する化合物であれば種々の化合物を使用することができる。
多官能オキセタンとしては、前記特許文献2で開示された記載された多官能オキセタン等を挙げることができる。
多官能オキセタンの好ましい具体例としては、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(アロンオキセタンOXT−221)、1,4-ビス[〔(3-エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル]ベンゼン(アロンオキセタンOXT−121)、1,4-ビス〔(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、1,3-ビス〔(1−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ベンゼン、4,4’−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ビフェニル、ネオペンチルグリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル及びポリプロピレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の2官能オキセタン、並びにフェノールノボラックオキセタン、クレゾールノボラックオキセタン、オキセタニルシリケート(OX−SC) 及びオキセタニルシルセスキオキサン(OX−SQ)等の多官能オキセタン等が挙げられる。
これらの中でも、多官能オキセタンが、組成物の硬化物の架橋密度を向上できるという理由で好ましい。
(a)成分としては、2種以上を併用することもできる。
(a)成分の配合割合としては、組成物中の固形分(有機溶剤以外の全成分。以下、同様。)全量に対して、5〜95重量%が好ましく、より好ましくは10〜90重量%である。
(a)成分の配合割合が全固形分の5重量%に満たない場合には、組成物が(a)成分によって十分に希釈されず、インキの粘度が初めから高いか或いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッドの穴詰まりを起こすおそれがある。又、(a)成分の配合割合が全固形分の95重量%を超える場合には、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれがある。
2.(b)成分
(b)成分は、カルボキシル基含有樹脂であり、インキのバインダーとして機能するものである。
(a)成分中のオキセタニル基と(b)成分中のカルボキシル基が加熱により反応して、硬化する。
(b)成分は、カルボキシル基含有樹脂であれば種々の化合物が使用できる。
具体的には、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物と当該化合物と共重合可能なエチレン性不飽和化合物(以下、その他不飽和化合物という)の共重合体を挙げることができる。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸及びメタクリル酸等が挙げられる。
その他不飽和化合物としては、メチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、スチレンの芳香族ビニル化合物、ビニル基含有ポリスチレンマクロモノマーの芳香族マクロモノマー、及びビニル基含有ポリメチルメタクリレートマクロモノマー芳香族マクロモノマー等を挙げることができる。
上記単量体の具体的な組合せとしては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートの共重合体、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート及びスチレンの共重合体、並びに(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート及びマクロモノマーの共重合体等が挙げられる。
より具体的な組合せを列記すると、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体等を挙げることができる。
(b)成分としては、特に、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体等が好ましい。
(b)成分としては、カルボキシル基に加え、さらに環状エーテル基を有する樹脂〔以下、(b2)成分という〕も使用することができる。環状エーテル基としては、オキセタニル基及びエポキシ基を挙げることができる。
(b2)成分は、(b2)成分同士でカルボキシル基と環状エーテル基で架橋すると共に、(b2)成分のカルボキシル基と(a)成分中のオキセタニル基とも反応して熱硬化する。
(b2)成分としては、エチレン性不飽和基及びオキセタニル基を含有する化合物〔以下、オキセタニル基含有不飽和化合物という〕又はエチレン性不飽和基及びエポキシ基を含有する化合物〔以下、エポキシ基含有不飽和化合物という〕と、カルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物及びその他不飽和化合物の共重合体を挙げることができる。
オキセタニル基含有不飽和化合物としては、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アタクリル酸−4,5−エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル及びα−エチル(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル等の(メタ)アクリレート類;o−ビニルフェニルグリシジルエーテル、m−ビニルフェニルグリシジルエーテル、p−ビニルフェニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル及びp−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のビニルグリシジルエーテル類;2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル及び1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有スチレン;5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル等が挙げられる。
(b2)成分におけるカルボキシル基含有エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸が好ましい。又、その他不飽和化合物としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーが好ましい。
(b)成分は、組成物の固形分全量に対して、5〜95重量%の割合で配合することが好ましく、より好ましくは10〜90重量%である。ここで、組成物の固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合性モノマーも固形分に含まれる。
3.その他の成分
本発明にかかる熱硬化型インキ組成物は、(a)成分及び(b)成分を必須とするものであるが、必要に応じてその他の成分を配合することができる。
具体的には、硬化剤、溶剤、着色剤、分散剤、エポキシ基含有モノマー、カチオン性熱重合開始剤、染料、消泡剤、レベリング剤、無機フィラー及び有機フィラー等を配合することもできる。又、必要に応じて、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を少量添加してもよい。
本発明の組成物は、カラーフィルター上に様々なパターンを形成することができるが、特に組成物に着色剤を配合し、画素部を形成するのに好適に用いられる。
以下、硬化剤、溶剤、着色剤、分散剤、エポキシ含有モノマー及びカチオン性熱重合開始剤について詳細に説明する。
3.1.硬化剤
本発明のカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物には、通常、硬化剤が配合される。硬化剤として、例えば、多価カルボン酸無水物又は多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバリル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ジメチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、無水ナジン酸等の脂肪族又は脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイト等のエステル基含有酸無水物を挙げることができ、特に好ましくは、芳香族多価カルボン酸無水物を挙げることができる。又、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多価カルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、及びフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸を挙げることができ、好ましくは芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
これら多価カルボン酸無水物及び多価カルボン酸は、1種単独でも2種以上の混合でも用いることができる。
硬化剤の配合量は、(a)成分100重量部当たり、又は(b)成分として(b2)成分を使用する場合は(a)成分と(b2)成分の合計量100重量部当たり、通常は1〜100重量部の範囲であり、好ましくは5〜50重量部である。
硬化剤の配合量が1重量部未満であると、硬化が不十分となり、強靱な塗膜を形成することができない。又、硬化剤の配合量が100重量部を超えると、塗膜の基板に対する密着性が劣るうえに、均一で平滑な塗膜を形成することができない。
3.2.有機溶剤〔以下「(c)成分」という〕
本発明においては、組成物をインクジェット方式で用いるための適度な流動性を付与するために、組成物を有機溶剤で希釈することが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン等の高沸点溶剤類を用いることができる。
有機溶剤の配合割合は、を、溶剤を含む組成物の全量に対して、40〜95重量%が好ましい。40重量%に満たない場合、組成物の粘度が高く、インクジェットヘッドからの吐出が困難になることがある。又、95重量%を超えると、隣のインキ層形成部位にまで濡れ広がってしまうことがある。
3.3.着色剤〔以下「(d)成分」という〕
本発明の組成物を用いて、カラーフィルターの基板上に、画素部のような着色パターンを形成する場合には、組成物中に着色剤を配合する。
着色剤としては、画素部のR、G、B等の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤の中から任意のものを選んで使用することができる。有機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素等を用いることができる。又、無機着色剤としては、例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高いので、好ましく用いられる。有機顔料としては、カーボンブラックや例えばカラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175;C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73;C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド10 5、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265;C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60;C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブラック1、ピグメントブラック7。
又、前記無機顔料あるいは体質顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒等を挙げることができる。本発明において、着色剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
カラーフィルターの基板上に、本発明の組成物を用いて遮光層のパターンを形成する場合には、組成物中に遮光性の高い黒色着色剤を配合する。遮光性の高い黒色着色剤としては、例えば、四三酸化鉄等の無機系着色剤、或いは、カーボンブラックやシアニンブラック等の有機系着色剤を使用できる。
画素部を形成する場合には、組成物の固形分全量に対して、通常、着色剤を通常は1〜60重量%、好ましくは15〜40重量%の割合で配合する。着色剤が少なすぎると、熱硬化型インキ組成物を所定の膜厚(通常は0.1〜2.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがある。又、着色剤が多すぎると、熱硬化型インキ組成物を基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがある。
3.4.分散剤〔以下「(e)成分」という〕
分散剤は、着色剤を良好に分散させるために、必要に応じて組成物に配合される。
分散剤の種類は特に限定されず、(d)成分を組成物中に分散させ得るものであればいずれも使用できる。
使用可能な分散剤の具体例としては、ノナノアミド、デカンアミド、ドデカンアミド、N−ドデシルヘキサアミド、N−オクタデシルプロピオアミド、N,N−ジメチルドデカンアミド、N,N−ジヘキシルアセトアミド等のアミド化合物、ジエチルアミン、ジヘプチルアミン、ジブチルヘキサデシルアミン、N,N,N',N'-テトラメチルメタンアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン等のアミン化合物、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N,N’,N’−(テトラヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’−トリ(ヒドロキシエチル)−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラ(ヒドロキシエチルポリオキシエチレン)−1,2−ジアミノエタン、1,4−ビス(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のヒドロキシ基を有するアミン等を挙げることができる。その他に、ニペコタミド、イソニペコタミド、ニコチン酸アミド等の化合物も使用できる。
上記した化合物以外に、分散剤として、さらに、ポリアクリル酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体類、ポリアクリル酸等の不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体の(部分)アミン塩、(部分)アンモニウム塩や(部分)アルキルアミン塩類、水酸基含有ポリアクリル酸エステル等の水酸基含有不飽和カルボン酸エステルの(共)重合体やそれらの変性物、ポリウレタン類、飽和ポリアミド類、ポリシロキサン類、長鎖ポリアミノアミドリン酸塩類、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離カルボキシル基含有ポリエステルとの反応により得られるアミドやそれらの塩類等の1種又は以上を使用することができる。
更に、分散剤として、ハッコ−ルケミカル社製「シゲノックス−1055」、ビックケミー・ジャパン(株)製の「Disperbyk−101」、「同−130」、「同−140」、「同−170]、「同−171」、「同−182」、「同−2001」、EFKA CHEMICALS社製の「EFKA−49」、「同−4010」、「同−9009」、ゼネカ(株)製の「ソルスパース12000」、「同13240」、「同13940」、「同17000」、「同20000」、「同24000GR」、「同24000SC」、「同27000」、「同28000」、「同33500」、味の素(株)製の「PB821」、「PB822」等も使用できる。
分散剤は、着色剤100重量部に対して一般に10〜90重量部、特に20〜80重量部の割合で使用することが好ましい。
3.5.エポキシ基含有モノマー
本発明においては、硬化物の架橋密度を調整する目的で、組成物に、エポキシ基含有モノマーを、1種又は2種以上組み合わせて用いても良い。
エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルへキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル及びブトキシポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル等の単官能エポキシ基含有モノマー、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、2,3−ジグリシジルオキシスチレン、3,4−ジグリシジルオキシスチレン、2,4−ジグリシジルオキシスチレン、3,5−ジグリシジルオキシスチレン、2,6−ジグリシジルオキシスチレン、5−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、4−ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル、ビニルフロログリシノールトリグリシジルエーテル、2,3−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、2,4−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル、3,5−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル及び2,6−ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル等の二官能エポキシ基含有モノマー、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,3,4−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル及び1,3,5−トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル等の三官能エポキシ基含有モノマー、フェノールノボラックエポキシ及びクレゾールノボラックエポキシ等のノボラック樹脂類、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン及びテトラグリシジルメタキシレンジアミン等のグリシジルアミン樹脂類、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン及びトリフェニルグリシジルエーテルメタン等のグリシジルエーテル樹脂類等の4官能以上のエポキシ基含有樹脂を例示することができ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
3.6.カチオン性熱重合開始剤
本発明においては、組成物に、カチオン性熱重合開始剤を、1種又は2種以上組み合わせて用いても良い。
カチオン性熱重合開始剤としては、脂肪族スルホニウム塩、芳香族スルホニウム塩等のオニウム塩及びシラノール・金属キレート複合体等を用いることができる。
カチオン性熱重合開始剤の市販品として、アデカオプトンCP−66,CP−77,アデカオプトマーSP−150,SP−151,SP−170,SP−171(以上、旭電化工業株式会社製)、サンエイドSI−60L,SI−80L,SI−100L(以上、三新化学工業株式会社製)、UVI−6950,UVI−6970,UVI−6974,UVI−6990(以上、ユニオンカーバイド株式会社製)、Irgacure 261(以上、チバスペシャリティケミカルズ社)、CI−2481,CI−2624,CI−2639,CI−2064(以上、日本曹達株式会社製)、DTS−102,DTS−103,NAT−103,NDS−103,TPS−103,MDS−103,MPI−103,BBI−103(以上、みどり化学株式会社製)等を挙げることができ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
又、シラノール−金属キレート複合体がガラス基板との密着性向上に有効であるため好ましい。金属キレート化合物としては、ジルコニウムトリスアセチルアセトネートあるいはアルミニウムトリスアセチルアセトネートが好ましく、シラノールとしては、オルガノアルコキシシランが好適である。
カチオン性熱重合開始剤の配合割合としては、(a)及び(b)成分の合計100重量部に対して、0.5〜20重量部が好ましく、より好ましくは1〜15重量部である。
4.製造方法及び用途
本発明の組成物は、上記(a)及び(b)成分を、又は必要に応じてこれら必須成分に加えその他の成分を、常法に従い攪拌・混合して得ることができる。
本発明の組成物は、カラーフィルター用熱硬化型インキ組成物である。
本発明の組成物は、液晶パネル製造における、カラーフィルター上に様々なパターンを形成することができるが、画素部を形成するのに好適に用いられる。
本発明の組成物は、好ましくはインクジェット塗布用の組成物である。
この場合の使用方法の例について説明する。
まず、組成物にR、G又はB等の所望の着色剤を配合して、画素部形成用インキを調製する。これを使用して、カラーフィルターの透明基板上の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させ、加熱して硬化させることによって、画素部を形成することができる。
この場合の加熱温度としては、使用する成分の種類・割合や目的に応じて適宜設定すれば良く、好ましくは120〜250℃である。
次に、より具体的なカラーフィルター製造方法の一例について説明する。
まず、透明基板の一面側の画素部間の境界となる領域に遮光部(ブラックマトリックス)を形成する。
透明基板としては、従来よりカラーフィルタに用いられているものが使用でき、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス及び合成石英板等の可とう性のない透明なリジット材、並びに透明樹脂フィルム及び光学用樹脂板等の可とう性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
遮光部は、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成することができる。又、遮光部としては、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、
有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよい。
次に、遮光部のパターンの幅方向中央に、遮光部よりも幅の狭い撥インキ性凸部を必要に応じて形成する。このような撥インク性凸部の組成は、撥インク性を有する組成物であれば良い。又、特に透明である必要はなく、着色されたものであっても良い。撥インク性樹脂組成物としては、遮光部に用いられる材料であって、黒色の材料を混入しない材料等を用いることができる。
撥インキ性凸部のパターニングは、撥インク性樹脂組成物の塗工液を用いる印刷や、光
硬化性塗工液を用いるフォトリソグラフィーにより行うことができる。
次に、本発明の組成物を使用して、透明基板の表面に、遮光層のパターンにより画成された各色の画素部形成領域に対応する色の画素部形成用組成物をインクジェット方式により吹き付けてインキ層を形成する。
次に、加熱して各色の組成物層を硬化させる。この場合の加熱温度としては、上記と同様の温度で良い。
画素部を形成した後、画素側に透明保護層を形成する。保護層は、カラーフィルタを平坦化するとともに、画素部等に含有される成分が、液晶表示装置の液晶層へ溶出するのを防止するために設けられる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下において、「部」とは重量部を意味し、「%」とは重量%を意味する。
《製造例1》[(b)成分の製造]
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、ベンジルメタクリレートを70部、ヒドロキシルエチルメタクリレートを10部、メタクリル酸を20部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〔(株)クラレ製「PGM-AC」、以下PGM-ACという〕186部及びジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)を5部の割合で投入して均一に溶解させた。その後、窒素気流下で、95℃で4時間攪拌し、さらに110℃で1時間反応させ、バインダー(b1)を含む反応液A(固形分濃度34%)を得た。
このバインダー(b1)の重量平均分子量(Mw)は12,600で、酸価は130mgKOH/g(固形分換算)であった。
《実施例1及び比較例1》
(1)ネオペンチルグリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル[以下、NPGBOXという]又はネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル[以下、NPGDGEという]、製造例1で得られたバインダー(b1)含む反応液A、PGM-ACを、下記の表1の配合の項に示す量(部)で室温下に混合して、熱硬化型インキ組成物を調製した。
《実施例2及び比較例2》
(2)顔料(C.I.ピグメントレッド177;以下、PRという)35部、顔料分散剤[Disperbyk−2001(固形分46%)(主溶剤:メトキシプロピルアセテート、メトキシプロパノール、ブチルセロソルブ);以下、DISという]30.45部及びPGM-Ac109.55部を混合して、顔料分散液を調製した。
(3)NPGBOX 又は NPGDGE、(b1)を含む反応液A、PGM-ACを、下記の表1の配合の項に示す量(部)で室温下に混合して混合液を調製した[但し上記(2)とこの(3)で用いたPGM-Acの合計量は表1に示すように184部]を調製した。
(4)上記(2)で調製した顔料分散液と上記(3)で調製した混合液を下記の表2に示す量(重量部)で室温下に混合して、熱硬化型インキ組成物を調製した。
上記(1)及び(4)で得られたそれぞれの組成物について、硬化膜物性、粘度変化及び粒度分布変化を下記した方法で評価したところ、下記の表1に示すとおりであった。
表1には、(a)〜(e)成分の最終組成を併せて記載した。
(I)硬化膜物性:
10cm画のガラス基板上に、得られた組成物をバーコーターにより塗布し、この塗布膜を100℃の送風乾燥機で3分間乾燥させ、乾燥膜厚20μmの塗布膜を形成した後、200℃で60分間加熱し、硬化膜を得た(注意:実用上の膜厚2μmだが、本試験では、ガラス基板の硬さが影響しないように、膜厚20μmで試験を実施した)。
得られた硬化膜の硬度を、超微小硬度計((株)フィッシャーインストルメンツ製、H−100C)を用い、25℃においてビッカース圧子の最大荷重が20mNとなる条件で表面硬度を測定したときのユニバーサル硬さで評価した。
(II)粘度変化:
E型粘度計(東機産業(株)製)を用いて、配合初期と、70℃保存で24時間後の粘度を25℃にて測定した。
(III)粒度分布変化(実施例2及び比較例2のみ):
顔料分散液0.1重量部をPGM−Ac12重量部で希釈し、マイクロトラック粒度分布計(日機装(株)製)を用いて、配合初期、及び70℃保存で24時間後の粒度分布(体積平均粒子径)を測定した。
初期の粘度及び粒度分布、70℃保存で24時間後の粘度変化及び粒度分布変化により、下記の通り、貯蔵安定性を総合評価した。
○:極めて安定である。
△:若干不安定である。
×:極めて不安定である。
Figure 2008143977
上記表1の結果にみるように、実施例1及び実施例2の組成物は、(a)成分を含んだ組成物であるために、組成物の貯蔵安定性に優れるとともに、その熱硬化物は充分なユニバーサル硬さを有した。
それに対して、比較例1及び比較例2の組成物は、(a)成分を含んでいない組成物であるために、組成物の貯蔵安定性が極めて悪かった。
本発明の組成物は、カラーフィルター用熱硬化型インキ組成物に使用でき、貯蔵安定性に優れ、インクジェット方式の吹き付け作業中に、ヘッドの先端での粘度上昇が起こり難く、ヘッドの目詰まりが発生せず、作業中におけるインキの吐出性が安定するので、前記した優れた特性を活かして、液晶パネル製造における、カラーフィルター上に様々なパターンや保護膜を形成することができるが、特に、このインキ組成物に着色剤を配合し、画素部を形成するのに好適に用いられる。

Claims (6)

  1. オキセタニル基含有化合物(a)及びカルボキシル基含有樹脂(b)を含有するカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物。
  2. 前記(a)成分が、2個以上のオキセタニル基を有する化合物である請求項1記載のカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物。
  3. さらに着色剤を含有する請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物。
  4. さらに分散剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載のカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物。
  5. さらに有機溶剤を含有する請求項1〜請求項4のいずれかにカラーフィルター用熱硬化型インキ組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の組成物を含むインクジェット塗布用カラーフィルター用熱硬化型インキ組成物。
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