JP2008143706A - エレベータ装置においてエレベータケージの保持および制動を行うためのブレーキ装置、およびエレベータ装置の保持および制動の方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータ装置のエレベータケージの保持用および制動用のブレーキ装置を提供する。
【解決手段】ブレーキトラック(1)に沿って2つの移動方向に、可動であるように構成され、ブレーキライニング(2、5)を備えるマウント(13)を備え、ブレーキライニング(2、5)が、エレベータケージがレールに対して動くときにブレーキトラック(1)との摩擦結合のもとで自動調節され、第1の締め付け手段(3)を締め付け、第1の締め付け手段(3)は、アクチュエータ(4)によって解除可能であるブレーキ装置。第1の締め付け手段(3)が、マウント(13)をブレーキライニング(2、5)と一緒に、付勢力によってブレーキトラック(1)に対して締め付ける。ブレーキ装置は、ブレーキ装置が動いておらず、アクチュエータ(4)が非解除の状態である場合、両方の移動方向に作用する保持力を生み出し、保持力はマウントに作用する付勢力により決まる。
【選択図】図3
【解決手段】ブレーキトラック(1)に沿って2つの移動方向に、可動であるように構成され、ブレーキライニング(2、5)を備えるマウント(13)を備え、ブレーキライニング(2、5)が、エレベータケージがレールに対して動くときにブレーキトラック(1)との摩擦結合のもとで自動調節され、第1の締め付け手段(3)を締め付け、第1の締め付け手段(3)は、アクチュエータ(4)によって解除可能であるブレーキ装置。第1の締め付け手段(3)が、マウント(13)をブレーキライニング(2、5)と一緒に、付勢力によってブレーキトラック(1)に対して締め付ける。ブレーキ装置は、ブレーキ装置が動いておらず、アクチュエータ(4)が非解除の状態である場合、両方の移動方向に作用する保持力を生み出し、保持力はマウントに作用する付勢力により決まる。
【選択図】図3
Description
本発明は、エレベータ装置においてエレベータケージの保持および制動を行うためのブレーキ装置、および対応する方法に関する。エレベータ装置は、エレベータ昇降路内の1つ以上のレールに沿って上下方向に可動であるように構成されたエレベータケージを含む。その場合、エレベータケージは、直接的または支持手段によって間接的に、駆動部によって駆動され、ブレーキ装置によって保持および固定される。一般的には、さらにケージが、支持手段によってケージに接続された釣り合いおもりを含む。釣り合いおもりは、ケージの重量を部分的に補償する。
このようなエレベータ装置の動作においては、3つの異なる制動の状況を考慮する必要がある。すなわち、各階の停止位置におけるケージの保持、支持手段が健全である場合のケージの減速(以下では、緊急停止ともいう)、および支持手段の故障の場合のケージの減速(以下では、自由落下制動という)である。
この場合、異なる制動の状況においては、異なる制動力を加えなければならず、すなわち、例えば自由落下制動においては、釣り合いおもりによる部分的な補償がもはやもたらされていないケージのすべての重量を、制動力によって保持しなければならず、すなわち均衡が必要である。ブレーキ装置の配置構成が、ブレーキ装置の2つの冗長アイテムを備えている場合には、緊急停止も、ただ一方のブレーキ装置によって保証されていなければならず、これが事故時の安全性の理由のため、例えば各階の停止位置において、結果として2倍の制動力を利用可能にしなければならない。
さらに、ブレーキ装置が摩擦結合によって機能する場合には、ブレーキ装置が利用可能にしなければならない垂直力は、種々の制動力に応じて異なる。すなわち、例えば2つのブレーキ回路をそれぞれが有するブレーキ装置の2つのアイテムを備えるブレーキ装置の配置構成においては、ブレーキ回路ごとに少なくとも6150Nの垂直力FLNHが、各階の停止位置にケージを保持するために必要とされる。
FLNH=(定格負荷/2×g)/(μ×2×2)
FLNH:釣り合いおもりのバランスが50%である場合にケージを静止に保持するために必要とされる保持力
定格負荷:ケージに加わる可能性がある負荷(例:定格負荷=1000kg)
g:重力加速度、9.81m/s2
μ:摩擦係数(例:μ=0.2)
FLNH=(1000/2×g)/(0.2×2×2)=6150N
FLNH=(定格負荷/2×g)/(μ×2×2)
FLNH:釣り合いおもりのバランスが50%である場合にケージを静止に保持するために必要とされる保持力
定格負荷:ケージに加わる可能性がある負荷(例:定格負荷=1000kg)
g:重力加速度、9.81m/s2
μ:摩擦係数(例:μ=0.2)
FLNH=(1000/2×g)/(0.2×2×2)=6150N
緊急停止の場合には、今や要件にしたがってただ1つのブレーキ装置によって、125%の負荷にあるケージが、少なくともさらに加速されることがあってはならない。したがって、上述の例では、必要とされる垂直力FLNNが、
FLNN=(1.5×定格負荷/2×g)/(μ×1×2)
FLNN=(1.8×1000/2×g)/(0.2×1×2)=18600N
まで増加する。
FLNN=(1.5×定格負荷/2×g)/(μ×1×2)
FLNN=(1.8×1000/2×g)/(0.2×1×2)=18600N
まで増加する。
自由落下制動においては、満載状態のケージを、ブレーキ装置のすべての利用可能なアイテムの作用のもとで、安全に減速させることがさらに必要とされる。上述の例を使用し、空のケージの重量が定格負荷の約80%であり、ケージに必要とされる最小の減速が0.2gであると仮定すると、ケージの制動のために必要な垂直力FLNFは、
FLNF=(1.8×積載負荷×(g+a))/(μ×2×2)
FLNF=(1.5×1000×1.2g)/(0.2×2×2)=26500N
となる。
FLNF=(1.8×積載負荷×(g+a))/(μ×2×2)
FLNF=(1.5×1000×1.2g)/(0.2×2×2)=26500N
となる。
しかしながら、他方では、自由落下制動に必要とされる最大の垂直力は、それらの力が一方ではブレーキ装置およびレールに強大な負荷を加え、他方では通常の移動の動作の際のブレーキ装置(安全上の理由で、エネルギー供給の不具合時に自動的に適用されるようになっている)の解放のために大量のエネルギーを必要とするため、種々の制動の状況において常時に作用してはならない。
したがって、これまでのところ、種々の制動の状況のために、それぞれブレーキ装置の個々のアイテムが設けられている。
すなわち、例えば、エレベータケージを制動させるための純粋なブレーキ装置が、例えばDE3934492A1から知られており、可動ブレーキライニングがリフティング装置またはエレベータケージの運動によってくさび面上で変位させられ、これがレールとの摩擦結合のもとにある可動ブレーキライニングを自動的に調節している。この調節の運動によってのみばねが圧縮され、これが可動ブレーキライニングに作用する垂直力を調節するために電磁石に対抗できる。このブレーキ装置は、動作のためにエレベータケージの運動を必要とするため、エレベータケージの保持には適していない。
EP1528028A2が、圧縮ばねによってレールへと付勢され、アクチュエータによって解除可能である能動ブレーキライニングの機能を、このブレーキライニングが故障した場合に、リセット受動ブレーキライニングが引き継ぐ保持ブレーキ装置を記載している。ブレーキ装置は、この目的のために浮くように搭載される。このブレーキ装置においては、ブレーキ装置が作動させられ、あるいは解除されるときに、ばねの応力によって定められる同じ垂直力が常にブレーキライニングへと加えられる。したがって、このようなブレーキ装置が、保持用の制動機能だけでなく、緊急停止の制動の機能をも引き継ぐ場合、この垂直力が制動のために充分でなければならず、したがって通常の保持機能にとっては過剰な大きさとなる。しかしながら、このような過剰な大きさの保持用の垂直力は、ブレーキ装置およびレールに負荷を加えることになって不利であり、強く付勢されたばねを解放するために高いレベルのアクチュエータのエネルギーを必要とする。
独国特許第3934492A1号明細書
欧州特許第1528028A2号明細書
したがって、本発明の目的は、保持および制動のためのブレーキ装置の動作の場面において、ブレーキライニングに異なる垂直力を作用させることができるブレーキ装置を提供することにある。さらに、保持のための垂直力、したがってブレーキ装置の解除または無効化に必要とされるアクチュエータを、最小限となるように設計できる。
この目的を達成するため、請求項1の導入部分に記載のブレーキ装置および請求項16に記載の制動方法が、請求項1および請求項16の特徴付け部分に記載の特徴によって発展させられる。
エレベータ装置のエレベータケージの保持および制動のための本発明によるブレーキ装置は、ブレーキトラックに沿って2つの移動方向に、このブレーキトラックに対して可動であるように構成されるとともに、ブレーキライニングをマウントに取り付けて備え、ブレーキライニングが、ブレーキ装置がブレーキトラックに対して移動する場合に、ブレーキトラックとの摩擦結合のもとで2つの移動方向の少なくとも一方において自動的に調節されて、その場合に第1の締め付け手段を締め付け、第1の締め付け手段が締め付け力によってブレーキライニングをレールに対して締め付け、さらには第1の締め付け手段を、アクチュエータによって解除することができる。
通常の動作において、アクチュエータを作動させることでブレーキライニングが解除され、すなわちブレーキライニングがブレーキトラックから取り去られ、これらの間の摩擦結合が中断されて、ブレーキ装置が制動の作用をもたらさなくなる。すなわち、ブレーキ装置が無効にされる。アクチュエータを停止させると、第1の締め付け手段がブレーキライニングをブレーキトラックに対して押し付け、ブレーキ装置を動作させる。この場合に、締め付け手段によって可動のブレーキライニングへと加えられる垂直力FLNHまたは付勢力が、可動のブレーキライニングとブレーキトラックとの間の摩擦力を定める。本発明によれば、アクチュエータが解除されかつブレーキ装置が動いていないときに、付勢力に実質的に一致しかつ両方の移動方向について作用する保持力を生み出すことができるような形式で、ブレーキ装置が構成されている。付勢力は、摩擦力または制動力を保持のために使用できる形式で、すなわち特にはブレーキライニングがもたらされる保持力の範囲において滑ることはないような形式で、ブレーキライニングおよび該当のブレーキプレートマウントを介して伝えられる。これにより、付勢力を最小限に保つことができ、ブレーキ装置が動く場合または供給されている保持力が勝る場合に、ブレーキライニングがブレーキトラックに対して自動的に調節され、すなわちブレーキライニングが第1の締め付け手段をさらに締め付けるように移動するため、第1の締め付け手段によってブレーキライニングへと加えられる垂直力が、緊急停止のために充分である垂直力FLNNが利用可能になり、あるいはそのような垂直力FLNNからもたらされる制動力が利用可能になるまで、増加する。この場合に、この範囲において、調節とは、特にすでに摩擦結合によってブレーキトラックに接しているブレーキライニング、または対応する制御手段が、第1の締め付け手段をさらに締め付けるように動くことであると理解される。
導入部分において説明される請求項9による本発明の有利な実施形態によれば、今やブレーキ装置が、第1の設定においてブレーキライニングの調節の動きを妨げ、第2の設定においてブレーキライニングの調節の動きを可能にする第1の調節制限手段を備えている。ブレーキ装置が保持の機能を発揮すべきである場合、第1の調節制限手段が、第1の設定へと切り替えられる。可動ブレーキライニングの調節の動きが、第1の設定へと切り替えられた調節制限手段によって効果的に防止される。これは、好ましくは、ロックにエネルギーを供給することによって能動的に行われ、このエネルギー供給の不良の場合には、第1の調節制限手段が自動的または可動ブレーキライニングの調節の動きの作用のもとで、第2の設定へと切り替えられる。あるいは、ロックの位置が、ライニングの滑りに先立ってロックが第2の設定へと自動的に切り替わるよう、所定の押し退け力に組み合わせられる。
緊急停止においては、エレベータケージが動いている一方で、アクチュエータおよびロックがオフにされ、あるいはブレーキライニングが滑って、対応する押し退け力を自動切り替え式のロックへと作用させるため、ロックが自動的にオフになる。第1の締め付け手段がブレーキライニングをブレーキトラックに向かって動かし、ブレーキライニングが摩擦結合のもとでこれを調節する。この結果、第1の締め付け手段が締め付け直され、ブレーキライニングへと加えられる垂直力が、少なくとも緊急停止のために充分な垂直力FLNNまで増加する。
各階での停止においては、エレベータケージが静止状態にあるときにアクチュエータがオフにされる一方で、ロックは作動している。やはり第1の締め付け手段が、ブレーキライニングをブレーキトラックに向かって動かす。しかしながら、可動のブレーキライニングは、第1の調節制限手段が第1の設定におかれているために調節を行うことができず、したがって可動のブレーキライニングに作用する垂直力は、保持のために充分であるより小さな垂直力FLNHまたは付勢力に制限される。このように、第1の締め付け手段が可動ブレーキライニングへと作用させる垂直力が、可動ブレーキライニングの調節の動きの場合に締め付け手段が追加で加える垂直力の増加によって、各階の停止と緊急停止との間で異なっている。
このように、本発明によるブレーキ装置は、各階での停止においては可動ブレーキライニングにより小さい垂直力FLNHを作用させ、緊急停止の場合には、可動ブレーキライニングの調節の動きに対応して、より大きな垂直力FLNNを自動的に有する。
したがって、本発明によるブレーキ装置およびブレーキトラックには、通常の動作において、強力な負荷が加わることがない。さらに、アクチュエータを、このより小さい垂直力FLNHに合わせて設計することができる。
請求項2による本発明の好ましい他の実施形態においては、同じ利点を、第1の調節制限手段を備えずに実現することも可能であり、これは、構造および制御に係る費用を削減し、故障に対する安全性を向上させる。
この点に関し、ブレーキ装置が、本発明の第1の実施形態によれば、第1の調節制限手段に代えて、複数の部分からなるブレーキライニング(特には、固定のブレーキライニングおよび可動のブレーキライニング)を備え、これらがまとめて、第1の締め付け手段によって付勢され、アクチュエータによって解除され、ここで有利には、可動のブレーキライニングは、第1のブレーキライニングがブレーキトラックに接触するときに第2の締め付け手段によってブレーキトラックに向かって付勢される。この場合、複数の部分からなるブレーキライニングは、ブレーキトラックの共通のブレーキ面へと作用する。
このブレーキ装置が保持の機能を発揮する場合、第2の締め付け手段の付勢のみが、可動のブレーキライニングに作用する。これは、好ましくは、アクチュエータがオフにされたときに第1の締め付け手段によって加えられる力の大部分が垂直力として固定のブレーキライニングに作用するよう、比較的小さくなるように選択される。この垂直力は、特に第2の締め付け手段の弾性および解除された固定のブレーキライニングとブレーキトラックとの間のすき間に依存して決まり、相応に選択することが可能である。すべての場合において、設計は、垂直力の大部分が固定のブレーキライニングに作用することで、最大の保持力を達成できるような設計である。したがって、最小限の垂直力が、可動ブレーキライニングの調節を必要とせずに、各階の停止位置での保持の場合に他方に作用し、可動ブレーキライニングの調節のために必要なブレーキ装置のブレーキトラックに対する移動は、固定のブレーキライニングのブレーキトラックとの摩擦結合によって防止される。
これに対し、緊急停止の場合には、第2の締め付け手段によって付勢され、したがって未だブレーキトラックに接触していない固定のブレーキライニングを超えて突き出している可動のブレーキライニングが、最初にブレーキトラックとの接触に至る。これにより、可動のブレーキライニングが、ブレーキトラックとの摩擦結合によって調節されて、第1の締め付け手段を締め付け、これによって可動のブレーキライニングに作用する垂直力が、緊急停止のために充分であるより大きな垂直力FLNNへと増加する。この場合、固定のブレーキライニングは、好ましくはもはやブレーキトラックに接触せず、力の流れは、もっぱら可動のブレーキライニングを介して行われる。しかしながら、緊急の制動の機能は、生じ得る保持位置からの滑り出しの場合にも保証される。なぜならば、小さな力によって押し付けられている可動のブレーキライニングが、上述のようにブレーキトラックとの摩擦結合のもとで調節されるためである。
このように、本実施形態によるブレーキ装置は、保持の際にも、より小さな垂直力FLNHを固定および可動のブレーキライニングに作用させ、緊急停止の場合に、可動ブレーキライニングの調節の動きに対応してより大きな垂直力FLNNを自動的に利用可能である。保持の際の垂直力が、実質的に固定のブレーキライニングによって吸収されるため、付勢力または垂直力のほぼ全体を保持のために利用可能である。
このように、両方の実施形態の場合において、可動のブレーキライニングの調節の動き、すなわちケージの下降、ならびにブレーキトラックに作用する垂直力の増加を、各階の停止において、すなわちエレベータケージが静止状態にあってアクチュエータがオフにされるときに、防止することができる。さらに、このおそらくは生じないと考えられる滑りを、必要であればセンサまたはスイッチによって検出することができる。すなわち、ブレーキ装置の安全の状態に関する確実な声明を、行うことが可能である。例えば、各階でのケージの保持を提供すべき固定のブレーキライニングの摩耗または硬化によって保持の能力が低下した場合、これによってケージの滑りが生じる可能性があるが、ケージの滑りが上述のとおり可動ブレーキライニングの調節をもたらし、結果として保持をもたらす。今や、これをセンサまたはスイッチによって検出することができるため、ブレーキ装置の保守または補修を適切な時期に開始でき、したがって安全でない状況が生じることがあり得ない。
ブレーキ装置は、好ましくはエレベータケージに配置される。ケージは、レールに沿って案内され、レールは、同時にブレーキトラックとしても使用される。有利には、ブレーキ装置の2つ以上のアイテムを、ペアにて配置することができ、いずれの場合も、ブレーキ装置の少なくとも1つのそれぞれのアイテムが、レールに対して作用する。これは、この配置構成においてはエレベータケージが直接的に固定され、したがって力の印加および除去の手順の際にケージに振動のプロセスが生じることがないため、有利である。これに代え、あるいはこれに加えて、ブレーキ装置を駆動部に配置することも可能であり、そこでは、ブレーキトラックが、ブレーキディスクまたはブレーキドラムによって定められる。この点に関し、駆動部を、別個に昇降路内または昇降路の外に配置でき、エレベータケージの運転を支持手段を介して行うことができる。当然ながら、駆動を、ケージまたは釣り合いおもりにおいて直接行うことも可能である。ブレーキ装置とブレーキトラックとの間の相対移動は、当然ながら、さまざまに生じることができる。すなわち、ブレーキトラックを固定位置に取り付けることができ、ブレーキ装置がブレーキトラックに沿って移動し、あるいはブレーキ装置を固定位置に配置することができ、ブレーキトラックまたはブレーキディスクがブレーキ装置に沿って移動する。
本発明のさらなる好ましい実施形態においては、上述した請求項9による実施形態または請求項1による第1の実施形態に、緊急停止の制動の機能の他に、自由落下の制動の機能も満足できるような発展が加えられる。これは、ブレーキ装置がケージに配置される場合に特に有利である。
この目的のため、この特に好ましい実施形態は、第1の設定において可動ブレーキライニングの調節の動きを制限し、第2の設定において可動ブレーキライニングのさらなる調節の動きを可能にする第2の調節制限手段を備えている。
緊急停止の状況においては、第2の調節制限手段(第1の調節制限手段と同様に、好ましくはロックにエネルギーが供給されることによって有効となるように切り替えられ、したがってこのエネルギー供給の不良の場合には、調節制限手段が自動的または可動ブレーキライニングの調節の動きの作用のもとで、第2の設定へと切り替えられる)が、可動ブレーキライニングの調節の動きを特定の最大移動へと制限する第1の設定へと切り替えられる。すでに述べたように、可動ブレーキライニングが、レールとの摩擦結合の結果として、第2の調節制限手段によってさらなる調節の動きが阻止されるまで自動的に調節される。第2の調節制限手段によって予め定められるこの最大の調節の移動は、緊急停止の場合に生じる最大の垂直力FLNNを制限し、乗客に対する過剰な制動の減速、ならびに対応して大きいブレーキ装置、レール、およびエレベータケージの負荷を防止する。
これに対し、自由落下の制動の場合には、エレベータケージの墜落を防止するために、より大きな制動力を加えなければならず、それに伴う負荷を考慮に入れなければならない。したがって、自由落下の制動においては、第2の調節制限手段がオフにされ、可動のブレーキライニングがさらに調節されて、第1の締め付け手段をさらに締め付けることができる。これにより、可動ブレーキライニングに作用する垂直力FLNFの増加、したがってエレベータケージに作用する制動力の対応する増加が、自動的に生じる。調節制限手段は、好ましくは、緊急停止の際に不充分な減速が検出された場合に、制動の際であってもオフにできるように構成される。このようにして、制動の際に、必要な場合に垂直力をさらに増加させることができる。この第2の増幅段階によって、制動力を、種々の制動の状況に対して微細に段階付けることができる。当然ながら、この第2の増幅段階を有さないブレーキ装置も、自由落下の制動のために使用することができ、そこでは緊急停止の動作において制動力の過剰が存在する。これは、調節制限手段が必要とされず、しかしながら保持のために弱い付勢力を使用できるため、満足できる実施形態である。
好ましい形式において、ブレーキ装置は、可動のブレーキライニングを可動のブレーキライニングの調節の動きに逆らって付勢する第3の締め付け手段を備えている。これにより、有利なことに、可動のブレーキライニングが、移動の動作において常に未調節の位置に配置されるように保証される。緊急停止または自由落下の制動の場合には、可動ブレーキライニングを第3の締め付け手段に逆らって調節することができ、この目的のために第3の締め付け手段は、好ましくは適切に弱いように構成されている。
第1の締め付け手段の剛性は、好ましくは漸増的である。すなわち、可動ブレーキライニングの調節に伴って増加する垂直力が、大きな調節の移動が生じる緊急停止または自由落下の制動の場合にきわめて大きな制動力が利用可能であるように立ち上がる。他方では、第1の締め付け手段の剛性が未だ低いときのブレーキライニングの解除のために、消費されるアクチュエータのエネルギーの量は比較的少なくてよい。
この目的のため、第1の締め付け手段は、締め付けの移動が限られている保持用締め付け手段と、剛性が保持用締め付け手段よりも大である増幅用締め付け手段とを備えることができる。保持用締め付け手段および増幅用締め付け手段は、好ましくは直列に接続され、したがって、まずは例えばブレーキライニングの解除の場合に、アクチュエータがより柔らかい保持用締め付け手段に逆らって動作し、したがってこの目的のために必要とされるエネルギーが少なくて済む。締め付けの移動(有利には、ブレーキライニングとレールとの間のすき間に実質的に一致する大きさとされる)が使い尽くされた場合、今や例えば可動ブレーキライニングの調節の動きによって、より堅い増幅用締め付け手段をもっぱら締め付けなければならず、これが緊急停止または自由落下の制動のための垂直力を増加させる。当然ながら、増幅用締め付け手段を、例えばブレーキ挟み具を適切に弾性的であるように構成することで、ブレーキ装置の構成要素に直接的に一体化させることも可能である。
可動ブレーキライニングの調節の動きを実現するために、可動ブレーキライニングを、第1の締め付け手段およびアクチュエータによる力が加えられるブレーキ挟み具のくさび面を介して取り付けることが可能であり、くさび面が可動ブレーキライニングの調節の動きを生み出す。可動のブレーキライニングが、摩擦結合のもとでブレーキ装置に対するブレーキトラックの移動に追従する場合、くさび面が可動ブレーキライニングの行程移動と同時に、くさび面に直交するブレーキ挟み具の解放を強要する。この解放の動きを、第1の締め付け手段を締め付けるために使用することができる。
請求項7による本発明の他の実施形態においては、ブレーキライニングが、偏心ディスクによってブレーキ挟み具に取り付けられ、偏心ディスクがブレーキライニングの調節の動きを生み出す。偏心ディスクが、例えばカムを介した摩擦結合によってブレーキ装置に対するブレーキトラックの移動に追従する場合、偏心ディスクが可動ブレーキライニングの行程移動とともに回転し、その場合には偏心ディスクの支点に対する可動ブレーキライニングの離間を変化させる。この離間の変化を、第1の締め付け手段の締め付けに使用することができる。有利には、偏心ディスクが、剛性の低い領域を有する。したがって、有効な付勢力の大部分が、ブレーキライニングによって導かれ、保持力を最小限の付勢力にて得ることができる。
本発明によるブレーキ装置は、好ましくは2つのブレーキ回路を備え、そのそれぞれが、可動のブレーキライニングおよび第1の調節制限手段ならびに/あるいは調節可能なブレーキライニングを有する。その場合、2つのブレーキ回路が、2つのブレーキ面を備えるブレーキトラックに作用し、それらのブレーキ面が、有利には、レールウェブの背中合わせの表面によって形成される。これにより、2つのブレーキ回路が、ブレーキトラックまたはレールウェブを所定の位置に固定することができる。2つのブレーキ回路の調節可能なブレーキライニングに、個々の第1の締め付け手段およびアクチュエータによって負荷を加えることができる。しかしながら、有利には、2つのブレーキ回路の可動ブレーキライニングに、共通の第1の締め付け手段および共通のアクチュエータによって力が加えられ、これは構成のコストおよび空間の必要を有利に軽減する。あるいは、当然ながら、ブレーキ回路の一方のみに可動のブレーキライニングおよび調節制限手段ならびに/あるいは調節可能なブレーキライニングを備えることも可能であり、他方のブレーキ回路は固定のブレーキライニングを備えて構成される。
2つのブレーキ回路の可動ブレーキライニングを、エレベータケージの同じまたは異なる移動方向について、レールに対して自動的に調節できる。
異なる移動の方向の場合にブレーキライニングが調節されるとき、制動力の増加が両方の方向に作用でき、異なる調節の経路、したがって異なる制動力の増加を、有利に提供することができる。例えば、エレベータケージが完全にはバランスされていない場合、支持手段が健全であるときにケージの負荷に応じて異なる緊急の制動の負荷が生じ得る。反対に、同じ移動方向の場合に2つの可動ブレーキライニングが調節されるとき、制動力の増加を一方向について大きくすることができる。
さらなる目的、利点、および特徴は、従属請求項および以下で説明される実施形態の例から明らかである。
図1から図4は、本発明の第1の実施形態による保持用および緊急停止用のブレーキ装置を示している。この場合、図3が、2つのブレーキ回路を備えているブレーキ装置の全体を示している。両方のブレーキ回路は、以下で説明される相違点を除き構造的に同一であるため、種々の制動の状況を説明するために、左側のブレーキ回路のみが図1、図2、および図4に示されており、右側のブレーキ回路の機能は基本的に同様である。図において、同じ形式で機能する部品には同じ参照番号が備えられている。
特には図3に見ることができるとおり、本発明の好ましい実施形態によるブレーキ装置のそれぞれのブレーキ回路は、回転に関して可動であるようにピン11に取り付けられたブレーキ挟みアーム10を備えている。第1の圧縮ばね3.1の形態である保持用締め付け手段が、2つのブレーキ挟みアーム10を案内レール1に向かって弾性的に付勢しており、レール1にてエレベータケージ(ブレーキ装置が取り付けられている)(図示せず)が垂直に移動することができる。案内レール(1)は、2つのブレーキ面(1a、1b)を有する。電磁石4の形態であるアクチュエータが、第1の圧縮ばね3.1の応力に逆らってブレーキ挟みアーム10を解放でき、この例では同時に、当接部としても機能し、すなわち第1の圧縮ばね3.1の締め付けの動きを制限する。
ブレーキくさびマウント13が、レール1に向かって変位可能であるようにそれぞれのブレーキ挟みアーム10に案内され、レール1へと向かう方向において、第4の圧縮ばね3.2(第1の圧縮ばね3.1よりも高いばね剛性を有する)の形態である補強用締め付け手段によって、弾性的に取り付けられている。第1および第4の圧縮ばね3.1、3.2が、ブレーキ挟みアーム10と協働して、第1の締め付け手段チェーンまたは第1の締め付け手段3を形成している。
ブレーキくさびマウント13において、ブレーキくさび12が、2つの当接部の間を、エレベータケージとレールとの間の相対移動の方向に移動可能であり、この場合には、くさび面9によって拘束されつつ案内されている。左側のブレーキ回路においては、ブレーキくさび12がブレーキくさびマウント13に対して上方へと移動するときに、ブレーキくさび12によってブレーキくさびマウント13が第4の圧縮ばね3.2へと押し付けられるように、くさび面9が向けられている。これに対し、右側のブレーキ回路においては、ブレーキくさびが、ブレーキくさびマウント13に対して下方へと移動するときに、ブレーキくさびマウントを第4の圧縮ばねへと押し付ける。
比較的弱い第3の圧縮ばね8の形態である第3の締め付け手段が、ブレーキくさび12を、ブレーキくさびマウント13において、当接部によって制限される最も下方(左側のブレーキ回路)または最も上方(右側のブレーキ回路)の出発位置に拘束している。さらに、この例においては、くさび7.1の形態である第2の調節制限手段7が設けられており、さらなる電磁石7.2の形態であるロックの作動時に、このロックの力のもとでくさび面9へと突き出して、くさび面9に沿ったブレーキくさび12の動きを制限する。さらなる電磁石7.2を作動させると、くさび7.1が、ブレーキくさび12が初期設定(図1、2)から図3に示されている中間設定の範囲までに限って移動可能であるような程度で、くさび面へと押される。さらなる電磁石7.2が解除されると、ブレーキくさび12が、くさび7.1をくさび面9から出るように変位させて、図4に示した最も上方(左側のブレーキ回路)の終端設定へと移動することができる。右側のブレーキ回路のブレーキくさびは、図示の例では、上方位置のままである。なぜならば、ブレーキ装置に対するレールの相対移動の方向が、ブレーキ装置をこの位置に保つためである。
図示の例では、左側のブレーキ回路が、長いくさび面9を有する。これは、締め付け部材3について、相応に長い調節の可能性および相応に大きな締め付けの可能性をもたらし、したがって左側のブレーキくさび12が上端の設定へと移動するときに、相応に大きな最大の垂直力FLNFをもたらすことができる。これに対し、右側のブレーキ回路は、より短いくさび面を有する。このため、ブレーキ装置に対するレールの相対移動の方向が反対である場合、得ることができる最大の垂直力がより小さくなる。このようにして、力のレベルを、それぞれの移動方向に応じて設計することが可能である。
ブレーキくさび12において、可動ブレーキライニング2が、レール1に向かって変位可能に案内され、この方向において、低いばね剛性を有する第2の圧縮ばね6の形態である第2の締め付け手段によって弾性的に取り付けられている。
ブレーキくさび12の移動を制限している当接部の他に、固定のブレーキライニング5が、第2の圧縮ばね6が緩んでいるときの可動ブレーキライニング2のレール1との接触面に比べていくぶんか後退させられて、ブレーキくさびマウント13に配置されている。
以下で、本発明の第1の好ましい実施形態によるブレーキ装置の機能を、図1から図4の順にもとづいてさらに詳しく説明する。
解除状態のブレーキ
図1は、ブレーキ装置の左側のブレーキ回路を、解除または非動作の状態に示している。この目的のため、電磁石4にエネルギーが供給され、ブレーキ挟みアーム10を当接部として機能する電磁石4の左端面へと引き付け、この場合には第1の圧縮ばね3.1を最大限に締め付けている。レール1に対するブレーキ挟みアーム10の調節経路は、解除状態において、可動ブレーキライニング2および固定ブレーキライニング5がレール1およびブレーキ面1aに接触しないように寸法付けられている。したがって、第2の圧縮ばね6が、緩んだ状態にあり、可動ブレーキライニング2が、ブレーキくさび12から最も突き出している出発位置にある。第3の圧縮ばね8も、やはり緩んだ状態にあり、したがってブレーキくさび12が、最も下方の出発位置にある。さらに、比較的剛である第4の圧縮ばね3.2も、いかなる力もブレーキくさびマウント13に作用していないため、緩んだ状態にある。
図1は、ブレーキ装置の左側のブレーキ回路を、解除または非動作の状態に示している。この目的のため、電磁石4にエネルギーが供給され、ブレーキ挟みアーム10を当接部として機能する電磁石4の左端面へと引き付け、この場合には第1の圧縮ばね3.1を最大限に締め付けている。レール1に対するブレーキ挟みアーム10の調節経路は、解除状態において、可動ブレーキライニング2および固定ブレーキライニング5がレール1およびブレーキ面1aに接触しないように寸法付けられている。したがって、第2の圧縮ばね6が、緩んだ状態にあり、可動ブレーキライニング2が、ブレーキくさび12から最も突き出している出発位置にある。第3の圧縮ばね8も、やはり緩んだ状態にあり、したがってブレーキくさび12が、最も下方の出発位置にある。さらに、比較的剛である第4の圧縮ばね3.2も、いかなる力もブレーキくさびマウント13に作用していないため、緩んだ状態にある。
この解除状態において、電磁石4には、第1の圧縮ばね3.1を最大限に圧縮するような量のエネルギーを供給するだけでよい。すなわち、電磁石4が、特には第4の圧縮ばね3.2に逆らって働く必要がない。エレベータケージおよびエレベータケージへと取り付けられたブレーキ装置が、妨げなくレール1に対して垂直方向に移動可能である。
各階での停止
図2は、各階の停止位置にあるブレーキ装置の左側のブレーキ回路を示している。エレベータケージを、駆動ユニット(図示せず)によって支持手段を介して各階のレベルにおいて静止状態とした後で、電磁石4がオフにされる。これにより、第1の圧縮ばね3.1が途中まで緩んでブレーキ挟みアーム10を押し、結果としてブレーキ挟みアーム10が、ピン11を中心として回転する。その場合、可動ブレーキライニング2が、最初にレール1に接触する。第2の圧縮ばね6が比較的弱いため、ブレーキ挟みアーム10をレール1に向かってピン11を中心としてさらに回転させる第1の圧縮ばね3.1の作用のもとで、第2の圧縮ばねが、さらに固定ブレーキライニング5がレールに接触するまで圧縮される。ブレーキ挟みアーム10は、第4の圧縮ばね3.2によって第1の圧縮ばね3.1のばね力と同等に大きい対抗トルクがもたらされる程度にまで第4の圧縮ばね3.2が圧縮されるまで、さらに回転する。
図2は、各階の停止位置にあるブレーキ装置の左側のブレーキ回路を示している。エレベータケージを、駆動ユニット(図示せず)によって支持手段を介して各階のレベルにおいて静止状態とした後で、電磁石4がオフにされる。これにより、第1の圧縮ばね3.1が途中まで緩んでブレーキ挟みアーム10を押し、結果としてブレーキ挟みアーム10が、ピン11を中心として回転する。その場合、可動ブレーキライニング2が、最初にレール1に接触する。第2の圧縮ばね6が比較的弱いため、ブレーキ挟みアーム10をレール1に向かってピン11を中心としてさらに回転させる第1の圧縮ばね3.1の作用のもとで、第2の圧縮ばねが、さらに固定ブレーキライニング5がレールに接触するまで圧縮される。ブレーキ挟みアーム10は、第4の圧縮ばね3.2によって第1の圧縮ばね3.1のばね力と同等に大きい対抗トルクがもたらされる程度にまで第4の圧縮ばね3.2が圧縮されるまで、さらに回転する。
第1の圧縮ばね3.1が、たとえこの位置においても依然としてばね力F1が、ブレーキ挟みアーム10のピン11よりも上方のレバーアームに作用するように付勢されている。したがって、ブレーキ挟みアーム10のピン11よりも下方のレバーアームが、第4の圧縮ばね3.2に力F2を作用させる。この伝達は、ブレーキ挟みアームの上側および下側のレバーアームの間の比iが1よりも大きくなるように選択されているため、第1の圧縮ばね3.1によって第2の圧縮ばね3.2に加えられる力が、F2=i×F1>F1となるように増幅される。したがって、有利なことに、電磁石4は、付勢の第1の圧縮ばね3.1を最大限に圧縮してブレーキ装置を解除するために、比較的小さな力を加えるだけでよい。
第2の圧縮ばね6の締め付けの動きからもたらされる垂直力N1が、固定ブレーキライニング5がレール1に接するまで可動ブレーキライニング2に作用する。第2の圧縮ばね6のばね剛性c6が、比較的小さくなるように選択されているため、この垂直力もやはり比較的小さく、N1=c6×sである。
したがって、垂直力FLNHが固定のブレーキライニング5に作用するが、この垂直力は、第2の圧縮ばね3.2によってブレーキくさびマウント13へと加えられる力F2の大部分に相当し、すなわちFLNH=F2−F1≒i×F1である。
本実施形態の例では、エレベータケージが、本発明の好ましい実施形態によるブレーキ装置の2つの構造的に同一なアイテムによって各階の停止位置に保持され、したがってエレベータケージの重量Gあるいは釣り合いおもりとケージとの間の差動力が、いずれの場合も、4分の1ずつブレーキ装置のブレーキ回路の固定のブレーキライニング5へと分配される。ここで、第1の圧縮ばね3.1の付勢が、保持位置においてブレーキ挟みアーム10にばね力
F1=1/i×[G/(4μ)+c6×s] (1)
を加えるように選択される。
F1=1/i×[G/(4μ)+c6×s] (1)
を加えるように選択される。
ここで、μは、レール1と固定のブレーキライニング5との間の静止摩擦係数を指す。より分かり易くするために、式(1)においては安全係数を考慮していない。
このように、エレベータケージは、通常の各階の停止において、実質的に固定のブレーキライニング5とレール1との間の摩擦結合によって保持され、可動のブレーキライニング2は、図2に示した出発位置のままである。
固定のブレーキライニング5がないと、重量Gの全体が、可動のブレーキライニング2のみによってレール1に支持されることになる。くさび面9においては、垂直力N3=cos(くさび角)×F2<F2が作用するにすぎず、さらにはブレーキくさび12がブレーキくさびマウント13において容易に変位できるよう、くさび面の摩擦係数が比較的小さいため、式(1)による上述のばね力F1の作用のもとでブレーキくさび12がくさび面9上でスライドし、これが、ブレーキ装置を各階の停止位置に保持する場合に、以下でさらに詳しく説明される調節まで、エレベータケージの下降を生じさせ、これが垂直力N3の充分な増加をもたらすと考えられる。あるいは、F2=i×F1を適切に増加させるために、第1の圧縮ばね3.1の付勢を適度に強めなければならないと考えられる。その結果、残念ながら、解除状態において電磁石4が、この力で均衡の重量を保持するために、相応に大きなエネルギーを加えなければならない。
本発明の第2の実施形態(図示せず)においては、固定のブレーキライニング5に代えて、第2の調節制限手段7と機能的に同一である第1の調節制限手段が設けられる。この第1の調節制限手段が、くさび面9に沿ったブレーキくさび12の移動を完全に阻止し、すなわちブレーキくさび12を出発位置に固定する。第1の調節制限手段が作動すると、今やブレーキくさび12の移動によるくさび面9に沿った調節がもはや不可能になった可動ブレーキライニング2が、固定のブレーキライニングとして機能し、したがって第1の実施形態に関して上述したように、各階での停止におけるエレベータケージの下降を防止でき、あるいは第1の圧縮ばね3.1の強力な付勢を不要にできる。
緊急停止
図3は、緊急停止の場合のブレーキ装置を示している。上述したように、本実施形態の例のエレベータケージは、本発明の第1の実施形態によるブレーキ装置の2つの構造的に同一なアイテムを有し、例えばそれらが、ケージの両側に配置された案内レール1に作用する。緊急停止の場合において、支持手段に不具合のないエレベータケージを、例えば駆動ユニットのモータブレーキが故障し、あるいは制御不良が存在する場合に、ブレーキ装置によって静止状態へと減速させることができる。さらに、安全上の理由のため、ブレーキ装置のアイテムの一方が故障した場合でも、それ自体が過負荷の状態にある残りのブレーキ装置が、少なくともさらに加速することがないことが求められる。
図3は、緊急停止の場合のブレーキ装置を示している。上述したように、本実施形態の例のエレベータケージは、本発明の第1の実施形態によるブレーキ装置の2つの構造的に同一なアイテムを有し、例えばそれらが、ケージの両側に配置された案内レール1に作用する。緊急停止の場合において、支持手段に不具合のないエレベータケージを、例えば駆動ユニットのモータブレーキが故障し、あるいは制御不良が存在する場合に、ブレーキ装置によって静止状態へと減速させることができる。さらに、安全上の理由のため、ブレーキ装置のアイテムの一方が故障した場合でも、それ自体が過負荷の状態にある残りのブレーキ装置が、少なくともさらに加速することがないことが求められる。
したがって、この場合(ブレーキ装置の2つのアイテムを備えている)には、ブレーキ装置のそれぞれのアイテムが、個々にエレベータケージの超過の重量Uを支持できる位置になければならない。したがって、それぞれのブレーキ回路が、上述した各階の停止における保持に比べ、かなり大きい摩擦力をレール1へと加えなければならない。したがって、通常の負荷の125%の過負荷状態、および釣り合いおもりとケージとの間の通常の負荷の50%の重量差の場合、制動力を3倍に増加させる必要があり、これに合わせて垂直力も大きくする必要がある。
緊急停止の場合、エレベータケージがレール1に沿って移動しているとき、図1による解除状態から始まって、電磁石4がオフにされる。これにより、第1の圧縮ばね3.1が、ブレーキ挟みアーム10をピン11を中心としてレール1に向かって回転させる。これに関し、まずは第2の圧縮ばね6によって相応に付勢されている可動ブレーキライニング2が、レール1との摩擦接触に至る。
この結果、第2の圧縮ばね6によって生み出される垂直力が、可動ブレーキライニングに作用して可動ブレーキライニングをレール1に対するエレベータ装置の移動の方向に引きずろうとする摩擦力を生み出す。例えば、エレベータケージが垂直下方に移動する場合、可動ブレーキライニング2は、上方へと変位する。この場合、可動ブレーキライニング2によってブレーキくさび12が引きずられ、くさび面9上を上方にスライドする。
この結果、くさびの作用によって、ブレーキくさび12がブレーキくさびマウント13を外側へと押す。これにより、一方では、固定のブレーキライニング5が、レール1との接触を続けることがないようにされ、摩擦結合が、もっぱら可動のブレーキライニング2によって続けられる。他方では、外側へと移動するブレーキくさびマウント13が、第4の圧縮ばね3.2を圧縮し、さらにブレーキ挟みアーム10を介して第1の圧縮ばね3.1を圧縮する。これにより、ブレーキ挟みアーム10が第1の圧縮ばね3.1の力に逆らってリセットされる一方で、第1および第4の圧縮ばね3.1、3.2、ならびにそれぞれの構成に応じて弾性ブレーキ挟みアーム10を備えている第1の締め付け手段3が、圧縮される。この可動ブレーキライニング2の調節の動き、すなわち可動ブレーキライニング2のレールの方向の行程によって、第1の締め付け手段3がさらに締め付けられ、第1の締め付け手段3によって可動ブレーキライニングへと加えられる垂直力、したがってブレーキ装置の制動力が大きくなる。
この場合に、ブレーキ挟みアーム10は、電磁石4の端面によって形成されて第1の圧縮ばね3.1のさらなる圧縮を防止する当接部に衝突する。ここで、可動ブレーキライニング3がブレーキくさび12と一緒にさらに上方へと変位して、ブレーキくさびマウント13をさらに外側へと押す場合、第4のより堅い圧縮ばね3.2およびブレーキ装置のブレーキ挟みアーム10または他の構成要素によって定められるばね剛性のみが、さらに圧縮される。このように直列に配置された第1のより柔らかい圧縮ばね3.1および第4のより堅い圧縮ばね3.2から、第4の圧縮ばね3.2のみへと切り換わることによって、第1の締め付け手段3の剛性が次第に増加する。
緊急停止の場合には、第2の調節制限手段7のさらなる電磁石7.2が作動する。これが、くさび7.1をくさび面9へと押し、くさび面9に沿ったブレーキくさび12の変位を制限し、可動ブレーキライニング2を中間の設定に停止させる。
この中間の設定において、左側のブレーキ回路が、エレベータケージが静止状態に達した後で電磁石がオフにされる各階の停止位置での保持の場合に比べ、より大きな垂直力をレール1へと作用させる。すなわち、一方では、可動ブレーキライニング2が、レール1との摩擦結合のもとで自体を調節して、この場合には各階での停止の場合よりも強力に第1の締め付け手段3を締め付ける。追加の締め付けの移動を、くさびの角度および/または長さの選択によって予め定めることができる。他方では、第1の締め付け手段3の剛性が、ブレーキ挟みアーム10が電磁石4に当接すると直ぐに大幅に高い値へと跳ね上がり、第1の圧縮ばね3.1をもはや圧縮することができなくなる。さらなる調節が、より堅い第4の圧縮ばね3.2の圧縮へと完全に変換される。当然ながら、くさびの角度は、別個独立の調節が保証されるよう、予想される摩擦係数を考慮して選択されなければならない。
このように、可動ブレーキライニング2が、エレベータケージがレールに対して移動する場合にレール1との摩擦結合のもとで自動的に調節されて、可動ブレーキライニングに作用する垂直力、したがってブレーキ装置によって加えられる摩擦力が大きくなるように、第1の締め付け手段を締め付ける。それにもかかわらず、電磁石4は、ブレーキ装置を解除するために、比較的少量のエネルギーを加えるだけでよい。なぜならば、この目的のためには、第1の圧縮ばね3.1のみを最大限に圧縮すればよいからである。この点に関し、ブレーキ装置の解除前に調節された可動ブレーキライニングが、最初に例えばばね8によって定められる通常位置の方向に移動することが、明らかである。これは、ブレーキ装置が制動とは反対の方向に動かされることで達成可能である。この点に関し、左側および反対向きの右側のくさび面が、図3に示されるように、ブレーキ装置が制動と反対の方向に動かされるときに常にアクチュエータ4に空隙が生じるように、長さに関して互いに調和させられていることに留意されたい。
固定のブレーキライニング5は、可動ブレーキライニング2と一緒に第1の締め付け手段3によって付勢され、電磁石4によって解除されるが、可動ブレーキライニングが第2の圧縮ばね6によってレール1に向かって付勢されて固定のブレーキライニング5よりも前にレール1に接触するため、エレベータケージが静止しているときに電磁石4がオフにされた場合にのみレール1と接触する。固定のブレーキライニング5は、各階での停止の場合にエレベータケージの下降を防止するが、緊急停止の場合には、可動ブレーキライニング2が調節されて制動力が第2の調節制限手段7によって制限される値へと増加するよう、機能しない。図3に示したブレーキ装置の使用においては、各階への停止の場合に、固定のブレーキライニングにのみ大きな負荷が加わり、緊急停止または自由落下の場合に、制動力が、片側においては可動ブレーキライニングによって導入され、反対側においては固定のブレーキライニングによって導入される。これは、くさび面の構成が反対向きであるためである。
図3に見ることができるように、レールに対するエレベータケージ移動方向が異なる場合に、2つのブレーキ回路の可動ブレーキライニング2が自動的に調節される。くさび面が反対の方向に傾けられているため、左側のブレーキ回路の可動ブレーキライニングが、下向き移動のエレベータケージを制動するときに調節される一方で、右側のブレーキ回路の可動ブレーキライニングは、エレベータケージの上方への移動の際に緊急停止が行われるときに調節される。2つのブレーキ回路の特にはくさびの角度および/またはくさび面の長さならびに第4の圧縮ばねの剛性を、異なる大きさとすることによって、異なる制動力の増幅を、上向きおよび下向きの移動方向に合わせて予め定めることができ、これは、不具合のない支持手段を介して釣り合いおもりへと接続されているエレベータケージが、駆動ユニットの故障の場合に上方へと引き上げられ、あるいは下方へと滑り落ちる完全にはバランスさせられていないエレベータの場合に特に有利である。あるいは、両方のブレーキ回路が、レールに対するエレベータケージの移動の同じ方向の場合に調節されてもよく、これにより1つの移動方向における緊急停止の場合に、制動力をきわめて強く増加させることができる。
本発明のさらなる利点は、例えば固定のブレーキライニングまたはレールの摩耗または汚損の結果として摩擦係数が低下したために、レール1と固定のブレーキライニング5との間の摩擦力が誤って過剰に小さい場合に、明らかになる。各階での停止の場合において、固定のブレーキライニングによって加えられる摩擦力が不充分である場合、すでに述べたようにエレベータケージがわずかに下降する。これにより、可動のブレーキライニング2の調節が、そのような調節によって増加する第1の締め付け手段3の応力が充分な摩擦力が生み出されるような大きさとなるまで行われる。この意味で、本発明は、各階での停止における摩擦力が誤って過剰に小さくなった場合に、エレベータケージを確実に保持するための充分な摩擦力が存在するまで自動的に再調節が行われる安全な冗長のブレーキ装置を利用可能にする。この調節の移動を、センサによって検出することが可能であり、停止位置での下降を検出して適切な保守の作業を開始することが可能である。
自由落下制動
図4は、自由落下制動の場合のブレーキ装置を示している。本質的には、これは、上述の緊急停止と同様に行われる。しかしながら、自由落下制動の場合には、支持手段が不良であって、エレベータケージが釣り合いおもりおよび駆動ユニットの内部の摩擦によって少なくとも部分的に制動されることがもはやないため、ここではブレーキ装置が、さらに大きな制動力を加えなければならない。
図4は、自由落下制動の場合のブレーキ装置を示している。本質的には、これは、上述の緊急停止と同様に行われる。しかしながら、自由落下制動の場合には、支持手段が不良であって、エレベータケージが釣り合いおもりおよび駆動ユニットの内部の摩擦によって少なくとも部分的に制動されることがもはやないため、ここではブレーキ装置が、さらに大きな制動力を加えなければならない。
この目的のため、第2の調節制限手段7が、さらなる電磁石7.2へとエネルギーを供給しないことでオフにされる。緊急停止の場合と同様、電磁石4がオフにされると、最初に可動ブレーキライニング2がレール1と摩擦結合接触するに至り、これによって引きずられて、結果として調節が行われる。これにより、可動ブレーキライニングとレールとの間の摩擦接触に作用する垂直力が増加し、対応して制動力が大きくなる。くさび7.1が、もはやさらなる電磁石7.2によって阻止されていないため、ブレーキくさび12がくさび7.1をくさび面9から押し下げ、したがってブレーキくさび12が、最も上方(左側のブレーキ回路)の終端設定へと移動することができ、ここでブレーキくさびマウント13の2つの当接部のうちの他方によって止められる。
これによって、第4の圧縮ばね3.2を圧縮する可動ブレーキライニング2の調節移動が、緊急停止の場合(調節の動きが、第2の調節制限手段7によって中間の設定に止められる)に達成される値を超えて大きくなる。したがって、第4の圧縮ばね3.2によって加えられる垂直力が大きくなり、すなわちレール1へと作用する制動力が大きくなる。
有利なことに、この最大の制動力が、自由落下の制動の場合にのみ達成される一方で、緊急停止の場合には、第2の調節制限手段が作動して、制動力をより低い値に制限し、案内レール1、エレベータケージ、ブレーキ装置、および乗客に不要な負荷が加わらないようにしている。
自由落下は、下向きの方向においてのみ生じる可能性があるため、通常は、ブレーキ装置の一方の側(図示の例では、左側)のみに該当の調節行程が用意され、他方の側は、相応して短い調節行程を有する。しかしながら、中間的なブレーキの値を定めるために、さらなる調節制限手段を設けてもよいことは明らかである。
好ましくは、当接部が、第2の圧縮ばね6の過負荷を防止するため、可動のブレーキライニング2のブレーキくさび12に対する調節移動を制限する。また、調節制限手段7に、電磁石7.2の代わりに、設定可能な保持力を超えた場合に調節制限手段を押し退けることができるばねによる戻り防止システムを備えてもよい。
代替実施形態
図5Aから図5Dが、「解除」(図5A)、「各階での停止」(図5B)、「下方の制動」(図5C)、および「上方の制動」(図5D)という種々の制動状況について、偏心ディスク12’による可動ブレーキライニング2の調節の代替を示している。この代替の調節を備えるブレーキ装置は、その基本的な構成において、上述の第1の実施形態に相当しているため、第1の実施形態からの相違についてのみ説明する。
図5Aから図5Dが、「解除」(図5A)、「各階での停止」(図5B)、「下方の制動」(図5C)、および「上方の制動」(図5D)という種々の制動状況について、偏心ディスク12’による可動ブレーキライニング2の調節の代替を示している。この代替の調節を備えるブレーキ装置は、その基本的な構成において、上述の第1の実施形態に相当しているため、第1の実施形態からの相違についてのみ説明する。
代替の調節を備えるブレーキ装置においては、可動のブレーキライニング2’が、ピン14を中心として回転可能であるように偏心マウント13’に取り付けられた偏心ディスク12’に案内されている。この点で、偏心マウント13’は、第1の実施形態のブレーキくさびマウント13に相当し、したがって第1の締め付け手段、アクチュエータ、などを備える後続の構成は図示されていない。
偏心ディスク12’は、調心ばねまたは戻り止め(図示せず)によって偏心マウント13’に対して弾性的に拘束され、この調心ばねまたは戻り止めによって図5Aに示した設定へと付勢され、したがって可動のブレーキライニング2’(第1のブレーキライニング5’の機能も同時に引き継いでいる)が、ブレーキ装置が解除されているとき(図5A)には、偏心ディスク12’に固定に接続されたカムディスク12’aの接触面を超えて突き出している。さらなるブレーキ回路は有利に、すでに説明した様式および形式で圧縮ばね3.2および挟み具10によって第1の締め付け手段、アクチュエータ、などに接続された固定のブレーキライニング5からなる。
各階での停止の場合には、エレベータケージが静止状態にあるときに偏心マウント13’が、電磁石がオフにされることで第1の圧縮ばねによって第1の実施形態のブレーキくさびマウント13と同様のブレーキ挟み具(図示せず)を介してレール1へと押し付けられる。この点で、制御カム12’aの弾性領域6’を、ブレーキライニング2’、5’がレール1に接触して制動力の大部分を摩擦ロックの形式でレール1へと伝達する程度まで、押し戻すことができる(図5B)。
緊急停止の場合において、エレベータケージが案内レール1に対して移動しているときに電磁石がオフにされると、偏心マウント13’がレール1に対して移動する。この点に関し、最初に制御カム12’aがレール1との摩擦ロックの接触に至って、レール1によって引きずられ、偏心ディスク12’がピン14を中心として偏心マウント13’に対して回転する。これにより、偏心マウント13’が機械的に明確な結合によって外側へと動かされるため、ブレーキライニング2’、5’が調節され、第1の締め付け手段を圧縮する(図5C、図5D)。この点に関し、制御カム12’aが、偏心ディスクがブレーキライニング2’、5’をレールに対して垂直力の主たる部分を引き継ぐような程度へと調節するまで、摩擦結合によって一緒に回転させられるため、制御カム12’の形状が、連続的な回転角度を定めている。制御カムには、例えば粗くされて硬くされた摩擦を助ける表面が有利に設けられる。制御カム12’aの弾性領域6’は、本発明によれば、ブレーキ装置がレール1に対して移動する場合に、カムが一緒に回転する一方で、各階での停止においては、垂直力の大きな部分がブレーキライニング2’、5’によって引き継がれる形式に構成される。
カムおよび偏心ディスクによる締め付け、ならびに偏心マウント13’の外側への変位によって、可動ブレーキライニング2に作用する垂直力が増加し、今や実質的にレール1に接しているブレーキライニング2’、5’によって伝達される摩擦力または制動力が、緊急停止のために充分な値が達成される程度まで増加する。
それぞれの移動の方向(上方または下方)に応じて、カム12’aが偏心ディスク12’と協働して、ブレーキ装置の締め付けを定める。すなわち、例えば図5Cに示したような下向きの制動の場合に、ブレーキ装置が大きく締め付けられ、相応に大きな制動力が形成される。したがって、エレベータケージの自由落下が防止され得る。上向きの制動の場合には、図5Dから明らかであるように、反対方向に回転するカム12’aによってブレーキ装置の締め付けが比較的弱く、したがって相応に弱い制動力が設定される。
本実施形態においても、調節の動きを、場合ごとに、偏心体の回転運動を切り替え式のロックによって制限することで、調節制限手段によって制限できる。その場合、偏心体を備えるカムの注意深い適合に留意する必要がある。所与の場合において、制御カムが、回転の制限の領域、またはカムが回転の制限においてレールと接触する場所において、弾性的であるように同様に構成される。図示のブレーキ装置は、ケージブレーキとしての使用の例において示されている。しかしながら、この装置を、駆動部の一部として実行することも可能である。同様に、釣り合いおもりに配置することも可能である。さらに、この例では、摩擦係数についてのみ検討した。当然ながら、設計においては、静止摩擦係数と摺動摩擦係数との間の差も考慮に入れることができる。
1 案内レール
1a、1b ブレーキ面
2 可動のブレーキライニング
2’、5’ ブレーキライニング
3 第1の締め付け手段
3.1 第1の圧縮ばね
3.2 第4の圧縮ばね
4 アクチュエータ
5 固定のブレーキライニング
6 第2の圧縮ばね
6’ 弾性領域
7 第2の調節制限手段
7.1 くさび
7.2 電磁石
8 第3の圧縮ばね
9 くさび面
10 ブレーキ挟みアーム
11、14’ ピン
12 ブレーキくさび
12’ 偏心ディスク
12’a カムディスク
13 ブレーキくさびマウント
13’ 偏心マウント
1a、1b ブレーキ面
2 可動のブレーキライニング
2’、5’ ブレーキライニング
3 第1の締め付け手段
3.1 第1の圧縮ばね
3.2 第4の圧縮ばね
4 アクチュエータ
5 固定のブレーキライニング
6 第2の圧縮ばね
6’ 弾性領域
7 第2の調節制限手段
7.1 くさび
7.2 電磁石
8 第3の圧縮ばね
9 くさび面
10 ブレーキ挟みアーム
11、14’ ピン
12 ブレーキくさび
12’ 偏心ディスク
12’a カムディスク
13 ブレーキくさびマウント
13’ 偏心マウント
Claims (16)
- ブレーキトラック(1)に沿って2つの移動方向に、このブレーキトラック(1)に対して可動であるように構成され、
ブレーキライニング(2、5)を備えるマウント(13)および第1の締め付け手段(3)を含み、
マウント(13)を、ブレーキライニング(2、5)と一緒にアクチュエータ(4)によって解除することができ、
非解除の作動状態において、第1の締め付け手段(3)、マウント(13)、およびブレーキライニング(2、5)が、付勢力によってブレーキトラック(1)に対して付勢され、
静止状態にあるときに、ブレーキライニング(2、5)が、両方の移動方向に作用する保持力であって、実質的に付勢力によって定められる保持力を生み出す
エレベータ装置のエレベータケージの保持用および制動用のブレーキ装置であって、
ブレーキ装置が非解除の作動状態にあるときにブレーキ装置が少なくとも一方の移動方向に相対移動するとき、ブレーキライニング(2、5)の一部が、自動的に第1の締め付け手段(3)、すなわちマウント(13)およびブレーキライニング(2、5)に作用する締め付け力を締め付け直して、ブレーキ装置の移動の方向に逆らう向きの制動力であって、この締め付け直しされた締め付け力によって実質的に定められる制動力を生み出すことを特徴とする、ブレーキ装置。 - ブレーキライニング(2、5)が、複数の部分からなり、
複数の部分からなるブレーキライニング(2、5)が、ブレーキトラック(1)の共通のブレーキ面(1a)に対して作用でき、
マウント(13)に配置された複数の部分からなるブレーキライニング(2、5)が、固定のブレーキライニング(5)および可動のブレーキライニング(2)を備え、
固定のブレーキライニング(5)を可動のブレーキライニング(2)と一緒に、第1の締め付け手段(3)によって付勢でき、アクチュエータ(4)によって解除できる
ことを特徴とする、請求項1に記載のブレーキ装置。 - ブレーキ装置が静止状態にあるとき、付勢力によって定められる保持力の大部分が、固定のブレーキライニング(5)を介して作用し、
ブレーキ装置が動くとき、締め付け直しされた締め付け力によって定められる制動力の大部分が、可動のブレーキライニング(2)を介して作用する
ことを特徴とする、請求項2に記載のブレーキ装置。 - 可動のブレーキライニング(2)が、固定のブレーキライニング(5)がブレーキトラック(1)に接しているときに、第2の締め付け手段(6)によってブレーキトラック(1)に対して付勢されることを特徴とする、請求項2または3に記載のブレーキ装置。
- 可動のブレーキライニング(2)を可動のブレーキライニング(2)の調節の動きに逆らって付勢する第3の締め付け手段(8)
を備えることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載のブレーキ装置。 - 可動のブレーキライニング(2)が、アクチュエータ(4)によって作動かされるマウント(13)に、くさび面(9)を介して取り付けられ、
くさび面(9)が、ブレーキ装置とブレーキトラック(1)との間に相対運動が生じるときに、可動のブレーキライニング(2)の調節の動きを生じさせる
ことを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載のブレーキ装置。 - ブレーキライニング(2、5)が、第1の締め付け手段(3)およびアクチュエータ(4)によって力が加えられるマウント(13)に、偏心ディスク(12’)を介して取り付けられ、
偏心ディスク(12’)が、ブレーキトラックに対するブレーキ装置の移動が生じるときに、ブレーキライニング(2、5)の調節の動きを生じさせる
ことを特徴とする、請求項1に記載のブレーキ装置。 - 偏心ディスク(12’)が、剛性のより低い領域(6)を有することを特徴とする、請求項7に記載のブレーキ装置。
- 第1の設定においてブレーキライニング(2、5)の調節の動きを妨げ、第2の設定においてブレーキライニング(2、5)の調節の動きを可能にする第1の調節制限手段
をさらに備えていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のブレーキ装置。 - 第1の設定(図1から図3、図5Aから図5C)において可動ブレーキライニング(2)の調節の動きを制限し、第2の設定(図4、図5D)において可動ブレーキライニング(2)の調節の動きを可能にする第2の調節制限手段(7)
を備えていることを特徴とする、請求項9に記載のブレーキ装置。 - 第1の締め付け手段(3)の剛性が、漸増的であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
- アクチュエータ(4)および第1の締め付け手段(3)によって動作する2つのブレーキ回路を有し、
両方のブレーキ回路がそれぞれ調節可能なブレーキライニング(2、5)を有し、あるいは一方のブレーキ回路が調節可能なブレーキライニング(2、5)を有し、他方のブレーキ回路が固定のブレーキライニング(5)のみを有する
ことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のブレーキ装置。 - 2つのブレーキ回路の調節可能なブレーキライニングが、ブレーキトラックに対するブレーキ装置の同じ方向または異なる方向の移動について、自動的に調節を行うことを特徴とする、請求項12に記載のブレーキ装置。
- ブレーキ装置が、駆動ユニットに配置され、
ブレーキトラックが、駆動ユニットの駆動プーリへと好ましくは一体に接続されたブレーキディスクまたはブレーキドラムによって構成され、
2つの移動方向が、ブレーキディスクまたはブレーキドラムの半径方向の前方または後方回転によって決定されている
ことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のブレーキ装置。 - ブレーキ装置が、好ましくはペアの配置構成にてエレベータケージに配置され、ブレーキトラックが、エレベータケージの案内レールであり、2つの移動方向が、エレベータケージの実質的に垂直方向の上方または下方移動によって決定されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
- ブレーキトラック(1)に沿って2つの移動方向に、このブレーキトラック(1)に対して可動であるように構成され、
ブレーキライニング(2、5)を備えるマウント(13)を含み、
ブレーキライニング(2、5)を備えるマウント(13)を、アクチュエータ(4)によって解除することができ、
非解除の作動状態において、マウント(13)およびブレーキライニング(2、5)が、第1の締め付け手段(3)によって付勢力によってブレーキトラック(1)に対して付勢されることで、静止状態にあるときに2つの移動方向に作用する保持力が生み出されるブレーキ装置
によって、エレベータ装置のエレベータケージの保持および制動を行う方法であって、
その後のブレーキ装置の少なくとも1つの移動方向の相対移動によって、第1の締め付け手段(3)、すなわちマウント(13)およびブレーキライニング(2、5)に作用する締め付け力が、ブレーキライニング(2、5)の少なくとも一部によって自動的に締め付け直されることを特徴とする、方法。
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