JP7146119B2 - エレベータ及びその非常止め装置 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベータ及びその非常止め装置に関するものである。
一般に、エレベータの非常止め装置は、楔状の制動子を有している。非常止め装置の作動時には、制動子がガイドレールに押し付けられ、制動子とガイドレールとの間に発生する摩擦力によりかごが非常停止する。
このとき、摩擦力は、制動子とガイドレールとの間の摩擦係数の違いによって変動する。つまり、摩擦力は、制動子をガイドレールに押し付ける力が一定であっても、制動面の状態、かご速度等によって変化する。
例えば、かごの減速開始直後のかご速度が高い状態では、摩擦力が小さいため、かごの減速度は小さくなる。これに対して、かごの減速終了直前のかご速度が低い状態では、摩擦力が大きくなるため、かごの減速度は急激に大きくなる。
これに対して、従来のエレベータの非常止め装置では、楔本体と逆楔とを有する楔状体が用いられている。楔本体は、案内板の斜面に沿って移動可能になっている。逆楔は、楔本体に対して上下に移動可能になっている。逆楔の上端部と楔本体との間には、弾性体が介在している。案内板のかごガイドレールとは反対側には、板ばねが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001-192184号公報
上記のような従来のエレベータの非常止め装置では、弾性体の初期圧縮力が、摩擦係数の変動とは無関係に決まる一定値となる。このため、実際に据え付けられたガイドレールの摩擦係数に合わせて、非常止め装置の初期制動力を調整することが困難である。従って、ガイドレールの摩擦係数のばらつきによっては、設計時に想定していた非常止め装置の制動力が実現できない恐れがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ガイドレールとの間の摩擦係数の変化に対して、より安定した制動力を発生することができるエレベータ及びその非常止め装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの非常止め装置は、ガイドレールに案内されて昇降する昇降体に設けられる枠体、上方へ行くに従ってガイドレールに近付く順楔ガイド面を有しており、枠体に対して水平方向へ移動可能な順楔ガイド部材、ガイドレールから離れる方向への順楔ガイド部材の移動に抵抗力を与える押付ばね装置、順楔ガイド部材に対してガイドレール側に設けられており、かつ、上方へ行くに従ってガイドレールから離れる逆楔ガイド面を有しており、昇降体の非常制動時に引き上げられて順楔ガイド面に沿って移動する順楔部材、順楔部材に対してガイドレール側に設けられており、かつ、逆楔ガイド面に沿って順楔部材に対して移動可能であり、昇降体の非常制動時に順楔部材とともに引き上げられてガイドレールに押し付けられる逆楔部材、順楔部材に対する逆楔部材の上方への移動に抵抗力を与える縦方向ばね装置、及び順楔部材に設けられており、逆楔部材が当たることによって、順楔部材に対する逆楔部材の下方への移動を規制する規制部材を備え、規制部材は、順楔部材に対する逆楔部材の下方への移動範囲を調整可能になっている。
この発明に係るエレベータの非常止め装置は、ガイドレールに案内されて昇降する昇降体に設けられる枠体、上方へ行くに従ってガイドレールに近付く順楔ガイド面をそれぞれ有しており、枠体に対してそれぞれ水平方向へ移動可能な一対の順楔ガイド部材、枠体と一対の順楔ガイド部材との間にそれぞれ設けられており、ガイドレールから離れる方向への一対の順楔ガイド部材の移動にそれぞれ抵抗力を与える一対の押付ばね装置、一対の順楔ガイド部材に対してガイドレール側にそれぞれ設けられており、かつ上方へ行くに従ってガイドレールから離れる逆楔ガイド面をそれぞれ有しており、昇降体の非常制動時に引き上げられてそれぞれ順楔ガイド面に沿って移動する一対の順楔部材、一対の順楔部材に対してガイドレール側にそれぞれ設けられており、かつ、一対の順楔部材に対してそれぞれ逆楔ガイド面に沿って移動可能であり、昇降体の非常制動時に一対の順楔部材とともに引き上げられてそれぞれガイドレールに押し付けられる一対の逆楔部材、及び一対の順楔部材に対する一対の逆楔部材の上方への移動に抵抗力をそれぞれ与える一対の縦方向ばね装置を備え、一対の順楔ガイド部材、一対の押付ばね装置、一対の順楔部材、一対の逆楔部材、及び一対の縦方向ばね装置は、ガイドレールを中心として、それぞれ左右対称に配置されており、一対の逆楔部材間には、一対の逆楔部材を連結している連結機構が設けられている。
この発明に係るエレベータの非常止め装置は、ガイドレールに案内されて昇降する昇降体に設けられる枠体、上方へ行くに従ってガイドレールに近付く順楔ガイド面を有しており、枠体に対して水平方向へ移動可能な順楔ガイド部材、順楔ガイド部材に対してガイドレール側に設けられており、かつ、上方へ行くに従ってガイドレールから離れる逆楔ガイド面を有しており、昇降体の非常制動時に引き上げられて順楔ガイド面に沿って移動する順楔部材、順楔部材に対してガイドレール側に設けられており、かつ、逆楔ガイド面に沿って順楔部材に対して移動可能であり、昇降体の非常制動時に順楔部材とともに引き上げられてガイドレールに押し付けられる逆楔部材、順楔部材に対する逆楔部材の上方への移動に抵抗力を与える縦方向ばね装置、ガイドレールに対して順楔ガイド部材とは反対側に設けられており、かつ、上方へ行くに従ってガイドレールに近付く対向楔ガイド面を有しており、枠体に対して水平方向へ移動可能な対向楔ガイド部材、対向楔ガイド部材に対してガイドレール側に設けられており、かつ、対向楔ガイド面に沿って対向楔ガイド部材に対して移動可能であり、昇降体の非常制動時に順楔部材とともに引き上げられてガイドレールに押し付けられる対向楔部材、順楔ガイド部材及び対向楔ガイド部材にそれぞれ連結されており、かつ、それぞれ回転支点を中心として回転可能な一対の連結レバー、及び一対の連結レバー間に設けられており、ガイドレールから離れる方向への順楔ガイド部材及び対向楔ガイド部材の移動に抵抗力を与える押付ばね装置を備えている。
この発明によれば、ガイドレールとの間の摩擦係数の変化に対して、より安定した制動力を発生することができる。
実施の形態1によるエレベータを模式的に示す構成図である。 図1のかごの通常走行時における非常止め装置と調速機機構との関係を示す説明図である。 図2の懸架体の破断時における非常止め装置と調速機機構との関係を示す説明図である。 図1の非常止め装置を示す構成図である。 図4の連結機構と一対の逆楔部材との関係を示す平面図である。 図5のVI-VI線に沿う断面図である。 かごの通常走行時における図4の非常止め装置の要部を示す構成図である。 図7の非常止め装置の作動時の状態を示す構成図である。 図8の順楔部材が枠体に対して上方へ移動した状態を示す構成図である。 図9の逆楔部材とかごガイドレールとの間の摩擦係数が高くなった状態を示す要部断面図である。 摩擦係数の変動に対する制動力の変化を示すグラフである。 実施の形態2による非常止め装置を示す構成図である。 図12の非常止め装置の要部を示す平面図である。 実施の形態3による非常止め装置を示す構成図である。 図14の非常止め装置の要部を示す平面図である。 図15のXVI-XVI線に沿う断面図である。 実施の形態4による非常止め装置を示す構成図である。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるエレベータを模式的に示す構成図である。図において、昇降路1の上には、機械室2が設けられている。機械室2には、巻上機3、そらせ車4、及び制御装置5が設置されている。
巻上機3は、駆動シーブ6と、図示しない巻上機モータと、巻上機ブレーキ7とを有している。巻上機モータは、駆動シーブ6を回転させる。巻上機ブレーキ7は、駆動シーブ6の静止状態を保持する。また、巻上機ブレーキ7は、駆動シーブ6の回転を制動する。
駆動シーブ6及びそらせ車4には、懸架体8が巻き掛けられている。懸架体8としては、複数本のロープ又は複数本のベルトが用いられている。懸架体8の第1の端部には、昇降体としてのかご9が接続されている。懸架体8の第2の端部には、釣合おもり10が接続されている。
かご9及び釣合おもり10は、懸架体8により昇降路1内に吊り下げられている。また、かご9及び釣合おもり10は、駆動シーブ6を回転させることによって昇降する。制御装置5は、巻上機3を制御することによって、かご9の運行を制御する。
昇降路1内には、一対のかごガイドレール11と、一対の釣合おもりガイドレール12とが設置されている。一対のかごガイドレール11は、かご9の昇降を案内する。一対の釣合おもりガイドレール12は、釣合おもり10の昇降を案内する。
昇降路1のピット1aには、かご緩衝器13と、釣合おもり緩衝器14とが設置されている。ピット1aは、昇降路1における最下階床面よりも下方の部分である。
かご9の下部には、非常止め装置15が搭載されている。非常止め装置15は、一対のかごガイドレール11を把持することによって、かご9を非常停止させる。非常止め装置15としては、次第ぎき式非常止め装置が用いられている。一般に、定格速度が45m/minを超えるエレベータでは、次第ぎき式非常止め装置が用いられている。
機械室2には、調速機本体16が設置されている。調速機本体16は、かご9の過大速度での走行の有無を監視する。また、調速機本体16は、調速機シーブ17と、図示しない過大速度検出スイッチと、図示しないロープキャッチとを有している。
調速機シーブ17には、調速機ロープ18が巻き掛けられている。調速機ロープ18は、昇降路1内に環状に敷設されている。また、調速機ロープ18は、引上棒19を介して、非常止め装置15に接続されている。ピット1aには、張り車20が設けられている。張り車20には、調速機ロープ18が巻き掛けられている。
かご9が昇降すると、調速機ロープ18が循環移動する。これにより、調速機シーブ17は、かご9の走行速度に応じた回転速度で回転する。
調速機本体16では、かご9の走行速度が過大速度に達したことが機械的に検出される。調速機本体16には、第1の過大速度及び第2の過大速度が設定されている。第1の過大速度は、定格速度よりも高い速度である。第2の過大速度は、第1の過大速度よりも高い速度である。
かご9の走行速度が第1の過大速度に達すると、過大速度検出スイッチが操作される。これにより、巻上機3への給電が遮断され、巻上機ブレーキ7が作動して、かご9が急停止する。
かご9の下降速度が第2の過大速度に達すると、ロープキャッチにより調速機ロープ18が把持され、調速機ロープ18の循環が停止される。これにより、引上棒19を介して非常止め装置15が操作され、非常止め装置15が作動して、かご9が非常停止する。
調速機機構21は、調速機本体16、調速機ロープ18、及び張り車20を有している。
図2は、図1のかご9の通常走行時における非常止め装置15と調速機機構21との関係を示す説明図である。図3は、図2の懸架体8の破断時における非常止め装置15と調速機機構21との関係を示す説明図である。
非常止め装置15には、作動レバー22及び回転ばね23が設けられている。非常止め装置15は、作動レバー22が図2の反時計方向へ回転することにより、作動する。作動レバー22は、引上棒19の下端部に回転可能に連結されている。
回転ばね23は、非常止め装置15を作動させる方向とは反対方向、即ち図2の時計方向への力を作動レバー22に付加している。これにより、作動レバー22が不用意に回転することが抑制されている。
かご9の走行中に巻上機ブレーキ7が作動し、かご9に上下振動が発生した場合でも、作動レバー22が操作されて非常止め装置15が作動することはない。即ち、回転ばね23は、誤動作防止ばねとして機能している。
調速機ロープ18には、ロープ連結具24が固定されている。ロープ連結具24には、引上棒19の上端部が回転可能に連結されている。即ち、調速機ロープ18は、ロープ連結具24及び引上棒19を介して作動レバー22に接続されている。
懸架体8が破断すると、かご9には下向きの1Gの重力加速度が生じる。このとき、調速機機構21は重力の影響を受けないため、1Gよりも低い加速度で増速する。そのため、かご9と調速機機構21との間に加速度差が生じる。これにより、調速機ロープ18の速度は、かご9の速度よりも低い速度となる。この結果、回転ばね23に抗して作動レバー22が操作され、非常止め装置15が作動する。
また、上記のように、かご9の下降速度が第2の過大速度に達した場合には、調速機ロープ18の循環が停止される。この結果、回転ばね23に抗して作動レバー22が操作され、非常止め装置15が作動する。
図4は、図1の非常止め装置15を示す構成図である。図4は、かご9の幅方向の一側、即ち引上棒19及び作動レバー22が設けられている側における非常止め装置15の構成を示している。
実施の形態1の非常止め装置15は、枠体31、一対の順楔ガイド部材34、一対の押付ばね装置35、一対の順楔部材36、一対の逆楔部材37、一対の縦方向ばね装置38、一対の制限部材39、規制部材としての一対の調整ボルト41、連結機構42、一対の軸連結具45、及び駆動軸46を有している。
枠体31は、かご9の下部に設けられている。また、枠体31は、水平な一対の上板32と、垂直な一対のばね受け33とを有している。
一対の上板32、一対のばね受け33、一対の順楔ガイド部材34、一対の押付ばね装置35、一対の順楔部材36、一対の逆楔部材37、一対の縦方向ばね装置38、一対の制限部材39、一対の調整ボルト41、及び一対の軸連結具45は、かごガイドレール11を中心として、それぞれ左右対称に配置されている。このため、これらの部材については、かごガイドレール11の片側の構成について説明する。
上板32は、かご9の下部に固定されている。ばね受け33は、順楔ガイド部材34、順楔部材36、及び逆楔部材37を挟んで、かごガイドレール11に対向している。
順楔ガイド部材34は、上板32の下に配置されている。また、順楔ガイド部材34は、上板32に沿って移動可能である。即ち、順楔ガイド部材34は、枠体31に対して水平方向へ移動可能である。
また、順楔ガイド部材34は、順楔ガイド面34aを有している。順楔ガイド面34aは、順楔部材36及び逆楔部材37を挟んで、かごガイドレール11に対向している。また、順楔ガイド面34aは、上方、即ちかご9の上昇方向へ行くに従ってかごガイドレール11に近付くように、かごガイドレール11に対して傾斜している。
押付ばね装置35は、枠体31と順楔ガイド部材34との間に設けられている。また、押付ばね装置35は、順楔ガイド部材34に対して、かごガイドレール11とは反対側に設けられている。また、押付ばね装置35は、かごガイドレール11から離れる方向への順楔ガイド部材34の移動に抵抗力を与える。
即ち、押付ばね装置35は、順楔ガイド部材34がばね受け33側へ移動することにより圧縮される。このとき、押付ばね装置35は、順楔ガイド部材34をかごガイドレール11側へ押し返す力を発生する。順楔ガイド部材34を押し返す力は、順楔ガイド部材34がかごガイドレール11から離れるほど大きくなる。
押付ばね装置35としては、例えば複数の皿ばね積層体が用いられる。各皿ばね積層体は、複数の皿ばねを直列に重ねて構成される。
順楔部材36は、順楔ガイド部材34に対して、押付ばね装置35とは反対側、即ちかごガイドレール11側に設けられている。また、順楔部材36は、順楔ガイド部材34とかごガイドレール11との間に設けられている。
また、順楔部材36は、順楔面36a及び逆楔ガイド面36bを有している。順楔面36aは、順楔ガイド面34aに対向している。また、順楔面36aは、上方へ行くに従ってかごガイドレール11に近付くように、かごガイドレール11に対して傾斜している。
逆楔ガイド面36bは、逆楔部材37を挟んで、かごガイドレール11に対向している。また、逆楔ガイド面36bは、上方へ行くに従ってかごガイドレール11から離れるように、かごガイドレール11に対して傾斜している。
順楔面36aと逆楔ガイド面36bとの間隔は、上方へ行くに従って小さくなっている。順楔部材36は、かご9の非常制動時に引き上げられて、順楔ガイド面34aに沿って枠体31に対して上方へ移動する。図4は、順楔部材36が上方へ移動した状態を示している。
逆楔部材37は、順楔部材36に対して、順楔ガイド部材34とは反対側、即ちかごガイドレール11側に設けられている。また、逆楔部材37は、逆楔ガイド面36bに沿って順楔部材36に対して移動可能である。
また、逆楔部材37は、逆楔面37a及び制動面37bを有している。逆楔面37aは、逆楔ガイド面36bに対向している。また、逆楔面37aは、上方へ行くに従ってかごガイドレール11から離れるように、かごガイドレール11に対して傾斜している。
制動面37bは、かごガイドレール11に対して平行である。また、制動面37bは、かご9の通常走行時には、かごガイドレール11に対して間隔をおいて対向している。また、制動面37bは、かご9の非常制動時にかごガイドレール11に接触する。図4は、制動面37bがかごガイドレール11に接触した状態を示している。
逆楔面37aと制動面37bとの間隔は、上方へ行くに従って大きくなっている。逆楔部材37は、かご9の非常制動時に順楔部材36とともに引き上げられて、かごガイドレール11に押し付けられる。
縦方向ばね装置38は、逆楔部材37の上面と順楔部材36との間に設けられている。また、縦方向ばね装置38は、順楔部材36に対する逆楔部材37の上方への移動に抵抗力を与える。
即ち、縦方向ばね装置38は、逆楔部材37が順楔部材36に対して上方へ移動することにより圧縮される。このとき、縦方向ばね装置38は、逆楔部材37を順楔部材36に対して下方へ押し返す力を発生する。
縦方向ばね装置38のばね定数は、押付ばね装置35のばね定数よりも小さい。
制限部材39は、複数の固定ボルト40によって、順楔部材36の下面に固定されている。また、制限部材39のかごガイドレール11側の端部は、順楔部材36から逆楔部材37の下方へ突出している。
調整ボルト41は、制限部材39における順楔部材36から突出している部分にねじ込まれている。即ち、調整ボルト41は、制限部材39を介して、順楔部材36に設けられている。
かご9の通常走行時には、逆楔部材37は、縦方向ばね装置38によって、調整ボルト41の上端に押し付けられている。このとき、逆楔部材37には、縦方向ばね装置38による初期押付力が作用している。図4は、逆楔部材37が縦方向ばね装置38に抗して調整ボルト41から離れた状態を示している。
制限部材39及び調整ボルト41を取り除いた状態では、縦方向ばね装置38の長さが自由長となり、逆楔部材37の下端は、順楔部材36の下端よりも下方に位置する。調整ボルト41は、逆楔部材37が調整ボルト41に当たることによって、順楔部材36に対する逆楔部材37の下方への移動を規制している。
制限部材39に対する調整ボルト41のねじ込み量を調整することによって、順楔部材36に対する調整ボルト41の上下方向位置を調整することができる。これにより、調整ボルト41は、順楔部材36に対する逆楔部材37の下方への移動範囲、即ちかご9の通常走行時における逆楔部材37の位置を調整可能になっている。
連結機構42は、一対の逆楔部材37間に設けられており、一対の逆楔部材37を連結している。これにより、一対の逆楔部材37の上下方向位置は、常に同じになっている。
駆動軸46は、作動レバー22、及び一対の軸連結具45を貫通している。一対の軸連結具45は、駆動軸46に固定されている。また、各軸連結具45は、順楔部材36の下端に、回転自在に接している。また、各軸連結具45は、駆動軸46を中心として回転することにより、カムとして機能し、順楔部材36を押し上げる。各順楔部材36は、軸連結具45に対して、駆動軸46の軸方向へスライド可能である。
引上棒19の動作は、作動レバー22、駆動軸46及び一対の軸連結具45を介して、一対の順楔部材36に伝達される。即ち、引上棒19が上方へ引き上げられると、作動レバー22が回転することによって、駆動軸46も同じ量だけ回転する。
これにより、一対の軸連結具45も、駆動軸46を中心として、駆動軸46と同じ量だけ回転し、一対の順楔部材36が押し上げられる。
また、一対の順楔ガイド部材34、一対の押付ばね装置35、一対の順楔部材36、一対の逆楔部材37、一対の縦方向ばね装置38、一対の制限部材39、一対の調整ボルト41、連結機構42等は、かご9の幅方向の他側にも設けられている。また、非常止め装置15は、引上棒19が引き上げられると、一対のかごガイドレール11を同時に把持する。
図5は、図4の連結機構42と一対の逆楔部材37との関係を示す平面図である。また、図6は、図5のVI-VI線に沿う断面図である。
連結機構42は、一対のロッド連結具43と、連結ロッド44とを有している。各ロッド連結具43は、対応する逆楔部材37に固定されている。連結ロッド44は、一対のロッド連結具43を貫通している。各ロッド連結具43は、連結ロッド44に沿って連結ロッド44の軸方向へスライド可能である。
次に、非常止め装置15の動作について説明する。図7は、かご9の通常走行時における図4の非常止め装置15の要部を示す構成図である。かご9の通常走行時には、順楔部材36は、上板32から離れている。また、逆楔部材37は、かごガイドレール11から離れており、調整ボルト41に当たっている。
図8は図7の非常止め装置15の作動時の状態を示す構成図である。非常止め装置15の作動時には、順楔部材36及び逆楔部材37が枠体31に対して上方へ引き上げられる。このとき、順楔部材36は、順楔ガイド面34aに沿って斜め上方へ移動し、かごガイドレール11に近付く。これにより、逆楔部材37の制動面37bが、かごガイドレール11に接触する。
この後、順楔部材36及び逆楔部材37は、順楔ガイド面34aとかごガイドレール11との間に食い込んで行く。これにより、図9に示すように、押付ばね装置35が圧縮される。
かご9の速度が高い段階では、逆楔部材37とかごガイドレール11との間の摩擦係数は低い。このため、縦方向ばね装置38の圧縮量、及び順楔部材36に対する逆楔部材37の上昇量は、それぞれ小さい。
かご9の速度が低くなると、逆楔部材37とかごガイドレール11との間の摩擦係数が高くなる。このため、縦方向ばね装置38の圧縮量、及び順楔部材36に対する逆楔部材37の上昇量は、図10に示すように、それぞれ大きくなる。
縦方向ばね装置38が圧縮されると、逆楔部材37がかごガイドレール11から離れようとする。このため、それを抑えるよう押付ばね装置35が伸びる。これにより、順楔ガイド部材34及び順楔部材36を介して、逆楔部材37は、かごガイドレール11に当てられた状態を維持する。
このように、押付ばね装置35が伸びることにより、逆楔部材37のかごガイドレール11への押し付け力が下がるため、摩擦力が下げられ、制動力が過大になることが抑止される。
逆に、縦方向ばね装置38が伸張されると、逆楔部材37により、順楔部材36がかごガイドレール11から離される。これにより、押付ばね装置35が縮み、逆楔部材37のかごガイドレール11への押し付け力が上がるため、摩擦力が上昇し、制動力が過小になることが抑止される。
このように、実施の形態1では、摩擦係数の変化に応じて押し付け力が機械的に連続的に調整されるため、摩擦力の変化を抑制することができる。
図11は、摩擦係数の変動に対する制動力の変化を示すグラフである。図11において、実線は、実施の形態1の非常止め装置15の制動力の変化を示している。破線は、逆楔部材を用いず順楔部材のみを用いた従来の非常止め装置の制動力の変化を示している。
従来の非常止め装置では、摩擦係数の増大に伴い、制動力が線形的に上昇している。これに対して、実施の形態1の非常止め装置15では、摩擦係数の変動に対して、制動力の変動を大幅に抑制することができる。
このように、実施の形態1の非常止め装置15によれば、摩擦係数の増大による制動力の上昇を、順楔部材36に対する逆楔部材37の上下方向への相対的な動きによって抑制することができる。
ここで、非常止め装置15により発生する制動力Fは、摩擦係数μの関数として次式で表すことができる。
なお、Kvは、縦方向ばね装置38のばね定数である。Khは、押付ばね装置35のばね定数である。αは、かごガイドレール11に対する順楔ガイド面34aの傾斜角度である。βは、かごガイドレール11に対する逆楔ガイド面36bの傾斜角度である。F0は、押付ばね装置35に与える初期圧縮力である。f0は、縦方向ばね装置38による初期押付力である。δは、逆楔部材37がかごガイドレール11に接触してから、順楔部材36が上板32と衝突して停止するまでの順楔部材36の上昇量である。
F(μ)=f×μ/(1+Γ×(μ+tanβ))
f=F0+Kh×δ×tanα+Γ×f0
Γ=tanβ×(Kh/Kv)
上式から、F(μ)の分母において、
1+Γ×tanβ<<Γ×μ
の関係を満足すれば、制動力F(μ)は、かごガイドレール11の摩擦係数μに依存せず、一定の値f/Γをとる。摩擦係数μのオーダーとtanβのオーダーとは近いことから、上式の第1項ができるだけ小さくなることが望ましい。
よって、
1/Γ<tanβ
を満足するようにKh及びKvが選択される。
このとき、
Kv/Kh<tanβ×tanβ
の関係が成立する。
縦方向ばね装置38の初期押付力の最大値は、摩擦係数μの最小値の関数である。また、順楔部材36に対する逆楔部材37の相対変位に必要な最小量は、摩擦係数μの最大値の関数である。
また、縦方向ばね装置38の初期押付力f0は、最小の摩擦係数μminに対して、次式で設定することができる。
f0=(μmin+tanβ)×(Kh×δ×tanα+F0)
この初期押付力f0以下の値を設定しておけば、非常止め装置15の制動力が発生した瞬間の最小摩擦係数μminとなったときに、逆楔部材37が相対運動を開始する。
一方、仮にf0よりも高い値に縦方向ばね装置38の初期押付力を設定していると、最小摩擦係数μminを超えた摩擦係数の上昇が生じない限り、逆楔部材37の相対運動が生じず、制動力の調整機能が発揮されない。
次に、縦方向ばね装置38の相対上昇量Sの許容値は、最大の摩擦係数μmaxに対して、次式で設定することができる。
S=((μmax+tanβ)×F(μmax)/μmax-f0)/Kv
この相対上昇量S以上に、逆楔部材37の可動範囲を設定することで、縦方向ばね装置38の全圧縮による制動力の調整性能喪失を防止することができる。
以上の設計式は、左右一対の逆楔部材37が同時に同じ量だけ上昇した場合に成立する。
このような非常止め装置15では、調整ボルト41によって、順楔部材36に対する逆楔部材37の下方への移動範囲が調整可能となっている。このため、縦方向ばね装置38の初期圧縮量を調整することができる。
これにより、摩擦係数μの変動範囲内で、順楔部材36に対して逆楔部材37を上下に移動させることができ、制動力を一定に保つことができる。また、縦方向ばね装置38の全圧縮による逆楔部材37の機能喪失、即ち逆楔部材37の上下変位不可状態の発生を防止できる。従って、摩擦係数μの変化に対して、より安定した制動力を発生することができる。
また、逆楔部材37の可動範囲を必要最小限に設定しているため、非常止め装置15の高さ寸法を抑えることができる。
また、縦方向ばね装置38の初期押付力の最大値は、摩擦係数μの最小値の関数である。また、順楔部材36に対する逆楔部材37の相対変位に必要な最小量は、摩擦係数μの最大値の関数である。このため、摩擦係数の最小値を超えた瞬間から、逆楔部材37の上方向への相対運動が開始され、摩擦係数が最大値に到達しても、縦方向ばね装置38が全圧縮されることはない。
従って、逆楔部材37の相対変位によって、より確実に摩擦係数の変動に対処することができる。これにより、逆楔部材37の相対変位量を不必要に設定する必要がなくなり、非常止め装置15の高さ寸法を最小限に抑えることができる。
また、規制部材として調整ボルト41が用いられているので、簡単な構成により、逆楔部材37の下方への移動範囲を容易に調整することができる。
また、一対の逆楔部材37は、かごガイドレール11に対して左右対称に配置されている。そして、一対の逆楔部材37は、連結機構42によって互いに連結されている。このため、かご9の非常制動時に、一対の逆楔部材37は、同時に同じ高さに引き上げられる。従って、摩擦係数μの変化に対して、より安定した制動力を発生することができる。即ち、非常止め装置15が発生する制動力は、設計値通りの値となる。
また、かごガイドレール11に想定外の曲げモーメントが作用することを抑制することができる。また、かご9の非常制動時に、かごガイドレール11の左右の機構が対称の動きをすることによって、かご9が水平移動することが抑制され、かご9と昇降路機器との接触を防止することができる。
また、縦方向ばね装置38のばね定数は、押付ばね装置35のばね定数よりも小さいので、制動力に対する摩擦係数の変動の影響を抑えることができ、かご9の減速中の制動力の変動を抑制することができる。
また、Kv/Kh<tanβ×tanβの関係が成立しているので、制動力に対する摩擦係数の変動の影響をさらに効果的に抑えることができ、かご減速中の制動力の変動をより確実に抑制することができる。
実施の形態2.
次に、図12は、実施の形態2による非常止め装置を示す構成図である。かごガイドレール11の一側には、実施の形態1と同様の順楔ガイド部材34、順楔部材36、逆楔部材37、縦方向ばね装置38、制限部材39、及び調整ボルト41が設けられている。
かごガイドレール11の他側には、対向楔ガイド部材50及び対向楔部材51が設けられている。
対向楔ガイド部材50は、かごガイドレール11を中心として、順楔ガイド部材34と左右対称に配置されている。また、対向楔ガイド部材50の形状は、かごガイドレール11を中心として、順楔ガイド部材34の形状と左右対称である。
また、対向楔ガイド部材50は、枠体31に対して水平方向へ移動可能である。また、対向楔ガイド部材50は、対向楔ガイド面50aを有している。対向楔ガイド面50aは、対向楔部材51を挟んで、かごガイドレール11に対向している。また、対向楔ガイド面50aは、上方へ行くに従ってかごガイドレール11に近付くように、かごガイドレール11に対して傾斜している。
対向楔部材51は、対向楔ガイド部材50とかごガイドレール11との間に設けられている。
対向楔部材51は、対向楔面51a及び制動面51bを有している。対向楔面51aは、対向楔ガイド面50aに対向している。また、対向楔面51aは、上方へ行くに従ってかごガイドレール11に近付くように、かごガイドレール11に対して傾斜している。
対向楔部材51は、かご9の非常制動時に、順楔部材36とともに引き上げられ、対向楔ガイド面50aに沿って枠体31に対して上方へ移動する。対向楔部材51は、順楔として機能する。図12は、順楔部材36及び対向楔部材51が上方へ移動した状態を示している。
対向楔部材51の制動面51bは、かごガイドレール11に対して平行である。また、制動面51bは、かご9の通常走行時には、かごガイドレール11に対して間隔をおいて対向している。また、制動面51bは、かご9の非常制動時にかごガイドレール11に接触する。図12は、逆楔部材37の制動面37bと対向楔部材51の制動面51bとがそれぞれかごガイドレール11に接触した状態を示している。
図12では省略したが、引上棒19は、実施の形態1と同様に、作動レバー22、駆動軸46及び一対の軸連結具45を介して、順楔部材36及び対向楔部材51に接続されている。
図13は、図12の非常止め装置の要部を示す平面図である。実施の形態2の非常止め装置は、枠体31、順楔ガイド部材34、順楔部材36、逆楔部材37、縦方向ばね装置38、制限部材39、調整ボルト41、一対の軸連結具45、駆動軸46、対向楔ガイド部材50、対向楔部材51、一対の連結レバー52、一対の回転支点53、押付ばね装置54、及び一対のストッパ55を有している。
一対の連結レバー52は、それぞれ順楔ガイド部材34及び対向楔ガイド部材50に連結されている。一対の回転支点53は、それぞれ一対の連結レバー52の長手方向の中間に設けられている。各連結レバー52は、回転支点53を中心として回転可能となっている。
押付ばね装置54は、一対の連結レバー52間に設けられている。押付ばね装置54は、一対の回転支点53に対して、順楔ガイド部材34及び対向楔ガイド部材50とは反対側において、一対の連結レバー52に接続されている。
順楔ガイド部材34、対向楔ガイド部材50、及び押付ばね装置54は、一対の連結レバー52により支持されている。一対の連結レバー52は、一対の回転支点53を介して、枠体31に支持されている。
押付ばね装置54は、通常状態においても圧縮された状態になっている。押付ばね装置54の初期圧縮力は、一対のストッパ55によって保持される。ストッパ55は、枠体31に固定されている。図12及び図13に示した構成以外の非常止め装置の構成及びエレベータの構成は、実施の形態1と同様である。
次に、動作について説明する。順楔部材36及び対向楔部材51が引き上げられると、逆楔部材37及び対向楔部材51がかごガイドレール11に接触する。この後、順楔ガイド部材34及び対向楔ガイド部材50は、それぞれかごガイドレール11から離れる方向へ水平に移動する。
これにより、押付ばね装置54は圧縮され、かごガイドレール11は、押付ばね装置54の圧縮力に相当する押し付け力を受け、逆楔部材37及び対向楔部材51とかごガイドレール11との間に摩擦力が発生する。このため、非常止め装置は、かごガイドレール11に接触した瞬間から、大きな制動力を発生することができる。
一方、押付ばね装置54に初期圧縮力が存在しない場合には、非常止め装置がかごガイドレール11に接触した瞬間に、押付ばね装置54の圧縮力が作用しないため、大きな制動力は発生しない。
このような構成によっても、調整ボルト41によって、順楔部材36に対する逆楔部材37の下方への移動範囲が調整可能となっているため、摩擦係数μの変化に対して、より安定した制動力を発生することができる。
また、かごガイドレール11の片側には、逆楔部材37及び縦方向ばね装置38が配置されていないため、実施の形態1に比べて、非常止め装置の構成を簡素化することができる。
また、順楔ガイド部材34及び対向楔ガイド部材50は、一対の連結レバー52を介して、共通の押付ばね装置54に接続されている。このため、かごガイドレール11への押し付け力の変動を、順楔ガイド部材34及び対向楔ガイド部材50によって均等に負担することができ、かご9が水平方向に移動することを抑制することができる。
また、実施の形態1における連結機構42が不要となり、構成をさらに簡素化することができる。
なお、一対の連結レバー52と一対のストッパ55との接触位置を調整可能とすることによって、押付ばね装置54の初期押付力を調整可能としてもよい。
また、実施の形態2における一対の連結レバー52、押付ばね装置54、及び一対のストッパ55を省略し、実施の形態1と同様に、順楔ガイド部材と枠体との間、及び対向楔ガイド部材と枠体との間に、それぞれ押付ばね装置を設けてもよい。
また、逆楔部材と対向楔部材とを連結機構によって連結してもよい。
また、実施の形態1の一対の押付ばね装置35を省略し、実施の形態1の一対の順楔ガイド部材34に、実施の形態2の一対の連結レバー52及び押付ばね装置54を接続してもよい。
実施の形態3.
次に、図14は、実施の形態3による非常止め装置を示す構成図である。実施の形態3では、それぞれ実施の形態1と同様の構成を有する2つの非常止め装置15A,15Bが上下に並べて配置されている。
図15は、図14の非常止め装置の要部を示す平面図である。図16は、図15のXVI-XVI線に沿う断面図である。図14では省略したが、非常止め装置15Aの一対の順楔部材36には、一対の軸連結具45を介して、駆動軸46が連結されている。同様に、非常止め装置15Bの一対の順楔部材36には、一対の軸連結具45を介して、駆動軸46が連結されている。
非常止め装置15Aの駆動軸46と非常止め装置15Bの駆動軸46とは、上下連結部材60と作動レバー22とを介して互いに連結されている。また、上下連結部材60は、引上棒19に連結されている。図14~16に示した構成以外の非常止め装置の構成及びエレベータの構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
かご9の重量が非常に重い場合は、非常止め装置が非常に大型化する。これに対して、小型の非常止め装置15A,15Bを上下に並べることによって、装置全体としての小型化及び軽量化を図ることができる。
また、各非常止め装置15A,15Bの構成を実施の形態1の非常止め装置15の構成と同様にすることによって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態3では、非常止め装置15A,15Bの両方に逆楔部材37が用いられているが、上下いずれか一方の非常止め装置の構造を従来構造としてもよい。この場合も、従来の非常止め装置のみで構成した場合に比べて、摩擦係数の変化に対して、より安定した制動力を発生することができる。
また、上下の非常止め装置の少なくともいずれか一方を実施の形態2の非常止め装置としてもよい。
また、3つ以上の非常止め装置を上下に並べて配置してもよい。
実施の形態4.
次に、図17は、実施の形態4による非常止め装置を示す構成図である。実施の形態4では、一対の順楔部材36ではなく、一対の逆楔部材37に一対の軸連結具45がそれぞれ固定されている。そして、一対の軸連結具45に駆動軸46が通されている。実施の形態4の連結機構48は、一対の軸連結具45及び駆動軸46を有している。連結機構48は、一対の逆楔部材37を連結している。
かご9の非常制動時には、引上棒19の引上動作に同期して、一対の逆楔部材37が引き上げられる。これにより、一対の縦方向ばね装置38を介して、一対の順楔部材36も引き上げられる。図17に示した構成以外の非常止め装置の構成及びエレベータの構成及び動作は、実施の形態1と同様である。
このような非常止め装置では、一対の軸連結具45及び駆動軸46が、実施の形態1における連結機構42を兼ねている。このため、非常止め装置全体の構成を簡素化することができる。
なお、規制部材は、調整ボルトに限定されず、上下方向へ伸縮可能な部材、複数枚のスペーサの組み合わせ等であってもよい。
また、実施の形態1~4では、順楔部材36に制限部材39を介して調整ボルト41を設けた。しかし、順楔部材自体に規制部材の取り付け部を設けてもよい。
また、非常止め装置は、釣合おもりに搭載されてもよい。即ち、昇降体は、釣合おもりであってもよい。
また、エレベータ全体のレイアウトは、図1のレイアウトに限定されるものではない。例えば、ローピング方式は、2:1ローピング方式であってもよい。
また、エレベータは、機械室レスエレベータ、ダブルデッキエレベータ、ワンシャフトマルチカー方式のエレベータ等であってもよい。ワンシャフトマルチカー方式は、上かごと、上かごの真下に配置された下かごとが、それぞれ独立して共通の昇降路を昇降する方式である。
9 かご(昇降体)、11 かごガイドレール、31 枠体、34 順楔ガイド部材、34a 順楔ガイド面、35,54 押付ばね装置、36 順楔部材、36b 逆楔ガイド面、37 逆楔部材、38 縦方向ばね装置、41 調整ボルト(規制部材)、42,48 連結機構、46 駆動軸、50 対向楔ガイド部材、50a 対向楔ガイド面、51 対向楔部材、52 連結レバー、53 回転支点。

Claims (10)

  1. ガイドレールに案内されて昇降する昇降体に設けられる枠体、
    上方へ行くに従って前記ガイドレールに近付く順楔ガイド面を有しており、前記枠体に対して水平方向へ移動可能な順楔ガイド部材、
    前記ガイドレールから離れる方向への前記順楔ガイド部材の移動に抵抗力を与える押付ばね装置、
    前記順楔ガイド部材に対して前記ガイドレール側に設けられており、かつ、上方へ行くに従って前記ガイドレールから離れる逆楔ガイド面を有しており、前記昇降体の非常制動時に引き上げられて前記順楔ガイド面に沿って移動する順楔部材、
    前記順楔部材に対して前記ガイドレール側に設けられており、かつ、前記逆楔ガイド面に沿って前記順楔部材に対して移動可能であり、前記昇降体の非常制動時に前記順楔部材とともに引き上げられて前記ガイドレールに押し付けられる逆楔部材、
    前記順楔部材に対する前記逆楔部材の上方への移動に抵抗力を与える縦方向ばね装置、及び
    前記順楔部材に設けられており、前記逆楔部材が当たることによって、前記順楔部材に対する前記逆楔部材の下方への移動を規制する規制部材
    を備え、
    前記規制部材は、前記順楔部材に対する前記逆楔部材の下方への移動範囲を調整可能になっているエレベータの非常止め装置。
  2. 前記縦方向ばね装置の初期押付力の最大値は、前記逆楔部材と前記ガイドレールとの間の摩擦係数の最小値の関数であり、
    前記順楔部材に対する前記逆楔部材の相対変位に必要な最小量は、前記摩擦係数の最大値の関数である請求項1に記載のエレベータの非常止め装置。
  3. 前記規制部材は、調整ボルトである請求項1又は請求項2に記載のエレベータの非常止め装置。
  4. 前記ガイドレールに対して前記順楔ガイド部材とは反対側に設けられており、かつ、上方へ行くに従って前記ガイドレールに近付く対向楔ガイド面を有しており、前記枠体に対して水平方向へ移動可能な対向楔ガイド部材、及び
    前記対向楔ガイド部材に対して前記ガイドレール側に設けられており、かつ、前記対向楔ガイド面に沿って前記対向楔ガイド部材に対して移動可能であり、前記昇降体の非常制動時に前記順楔部材とともに引き上げられて前記ガイドレールに押し付けられる対向楔部材
    をさらに備え、
    前記押付ばね装置は、前記ガイドレールから離れる方向への前記対向楔ガイド部材の移動にも抵抗力を与える請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエレベータの非常止め装置。
  5. ガイドレールに案内されて昇降する昇降体に設けられる枠体、
    上方へ行くに従って前記ガイドレールに近付く順楔ガイド面をそれぞれ有しており、前記枠体に対してそれぞれ水平方向へ移動可能な一対の順楔ガイド部材、
    前記枠体と前記一対の順楔ガイド部材との間にそれぞれ設けられており、前記ガイドレールから離れる方向への前記一対の順楔ガイド部材の移動にそれぞれ抵抗力を与える一対の押付ばね装置、
    前記一対の順楔ガイド部材に対して前記ガイドレール側にそれぞれ設けられており、かつ上方へ行くに従って前記ガイドレールから離れる逆楔ガイド面をそれぞれ有しており、前記昇降体の非常制動時に引き上げられてそれぞれ前記順楔ガイド面に沿って移動する一対の順楔部材、
    前記一対の順楔部材に対して前記ガイドレール側にそれぞれ設けられており、かつ、前記一対の順楔部材に対してそれぞれ前記逆楔ガイド面に沿って移動可能であり、前記昇降体の非常制動時に前記一対の順楔部材とともに引き上げられてそれぞれ前記ガイドレールに押し付けられる一対の逆楔部材、及び
    前記一対の順楔部材に対する前記一対の逆楔部材の上方への移動に抵抗力をそれぞれ与える一対の縦方向ばね装置
    を備え、
    前記一対の順楔ガイド部材、前記一対の押付ばね装置、前記一対の順楔部材、前記一対の逆楔部材、及び前記一対の縦方向ばね装置は、前記ガイドレールを中心として、それぞれ左右対称に配置されており、
    前記一対の逆楔部材間には、前記一対の逆楔部材を連結している連結機構が設けられているエレベータの非常止め装置。
  6. 前記連結機構は、前記一対の逆楔部材を引き上げる駆動軸を有している請求項5記載のエレベータの非常止め装置。
  7. ガイドレールに案内されて昇降する昇降体に設けられる枠体、
    上方へ行くに従って前記ガイドレールに近付く順楔ガイド面を有しており、前記枠体に対して水平方向へ移動可能な順楔ガイド部材、
    前記順楔ガイド部材に対して前記ガイドレール側に設けられており、かつ、上方へ行くに従って前記ガイドレールから離れる逆楔ガイド面を有しており、前記昇降体の非常制動時に引き上げられて前記順楔ガイド面に沿って移動する順楔部材、
    前記順楔部材に対して前記ガイドレール側に設けられており、かつ、前記逆楔ガイド面に沿って前記順楔部材に対して移動可能であり、前記昇降体の非常制動時に前記順楔部材とともに引き上げられて前記ガイドレールに押し付けられる逆楔部材、
    前記順楔部材に対する前記逆楔部材の上方への移動に抵抗力を与える縦方向ばね装置、
    前記ガイドレールに対して前記順楔ガイド部材とは反対側に設けられており、かつ、上方へ行くに従って前記ガイドレールに近付く対向楔ガイド面を有しており、前記枠体に対して水平方向へ移動可能な対向楔ガイド部材、
    前記対向楔ガイド部材に対して前記ガイドレール側に設けられており、かつ、前記対向楔ガイド面に沿って前記対向楔ガイド部材に対して移動可能であり、前記昇降体の非常制動時に前記順楔部材とともに引き上げられて前記ガイドレールに押し付けられる対向楔部材、
    前記順楔ガイド部材及び前記対向楔ガイド部材にそれぞれ連結されており、かつ、それぞれ回転支点を中心として回転可能な一対の連結レバー、及び
    前記一対の連結レバー間に設けられており、前記ガイドレールから離れる方向への前記順楔ガイド部材及び前記対向楔ガイド部材の移動に抵抗力を与える押付ばね装置
    を備えているエレベータの非常止め装置。
  8. 前記縦方向ばね装置のばね定数は、前記押付ばね装置のばね定数よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のエレベータの非常止め装置。
  9. 前記押付ばね装置のばね定数をKh、前記縦方向ばね装置のばね定数をKv、前記ガイドレールに対する前記逆楔ガイド面の傾斜角度をβとしたとき、
    Kv/Kh<tanβ×tanβ
    の関係が成立している請求項8記載のエレベータの非常止め装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の非常止め装置
    を備えているエレベータ。
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