この発明の第1の局面による収納具は、スライドガラスを出し入れするための第1開口部と、第1開口部を介して複数のスライドガラスを並べて収納するための収納部とを備えた収納具であって、収納部は、複数のスライドガラスをそれぞれ載置するための複数の載置部と、複数の載置部にそれぞれ載置された複数のスライドガラスの上面または下面を押圧して、複数のスライドガラスを複数の載置部にそれぞれ押し付ける複数の付勢部とを含む。
この第1の局面による収納具では、上記のように、複数のスライドガラスを複数の載置部にそれぞれ押し付ける複数の付勢部を設けることによって、スライドガラスと載置部および付勢部との間に、スライドガラスを出し入れする方向にスライドガラスが移動するのを抑制する摩擦力を発生させることができる。この摩擦力により、第1開口部が下向きになった場合に、スライドガラスが自重により載置部から脱落するのを抑制することができる。また、第1開口部が下向きになった場合のみならず、収納具に衝撃が加わった場合などにも、衝撃の反動によってスライドガラスが載置部から脱落するのを抑制することができる。また、スライドガラスの上面または下面を押圧する付勢部を設けることによって、スライドガラスの側面を幅方向(横方向)に押圧する場合と異なり、短手方向の幅が異なるスライドガラスを収納する場合にも、板バネの撓み量が変化することがないので、板バネの押圧力が変化するのが抑制される。これにより、スライドガラスの短手方向の幅が異なるスライドガラスを収納する場合にも、スライドガラスを安定して支持することができる。
上記第1の局面による収納具において、好ましくは、各々の載置部は、収納部の互いに対向する2つの内側面に形成された一対の棚状部を含み、スライドガラスは、一対の棚状部がスライドガラスの側端部近傍を支持することにより、載置部に載置されるように構成されている。このように構成すれば、スライドガラスの中央近傍に標本が作成されている場合にも、標本が作成されていないスライドガラスの側端部近傍を棚状部により支持することによって、標本を傷つけることなく、載置部にスライドガラスを載置することができる。
この場合、好ましくは、スライドガラスは、実質的に矩形状に形成されるとともに、長辺部と短辺部とを有し、棚状部は、スライドガラスの長辺部近傍を支持するように構成されている。このように構成すれば、短辺部近傍を支持する場合と比較して、支持面積を大きくすることができるので、矩形状のスライドガラスを安定して支持することができる。
上記棚状部がスライドガラスの長辺部近傍を支持する構成において、好ましくは、棚状部は、スライドガラスの長辺部近傍の下面を支持し、付勢部は、棚状部に支持されたスライドガラスの長辺部近傍の上面を棚状部に向かって押圧するように構成されている。このように構成すれば、スライドガラスの長辺部近傍を棚状部および付勢部によって上下から挟み込んで支持することができる。これにより、スライドガラスの長辺部近傍に、スライドガラスが脱落するのを抑制するための摩擦力を発生させることができる。
上記第1の局面による収納具において、好ましくは、付勢部は、載置部の上面または下面に向かって突出する押圧部を有する板バネを含む。このように構成すれば、板バネの押圧部を撓ませながらスライドガラスを載置部に載置することにより、復元しようとする板バネの押圧部によりスライドガラスを載置部に押し付けることができる。
この場合、好ましくは、板バネの押圧部の幅は、スライドガラスの厚みよりも大きい。このように構成すれば、スライドガラスの上面または下面をスライドガラスの厚みよりも大きい幅を有する押圧部によって押圧することができる。これにより、スライドガラスの厚み部分を横側から押圧する場合と比較して、押圧面積を増加させることができるので、スライドガラスをより安定して支持することができる。
上記付勢部が板バネを含む構成において、好ましくは、複数の板バネが一体的に形成されている。このように構成すれば、各々の載置部に1つずつ板バネを組み付ける場合に比べて、収納具の組立を迅速に行なうことができるとともに、部品点数を少なくすることができる。
この場合、好ましくは、複数の板バネは、板状の連結部により連結されることによって一体的に形成されており、一対の棚状部が内側面に形成される一対の側壁部をさらに備え、一対の側壁部は、それぞれ、内側面に形成される棚状部の一部を側壁部の外側面側に露出させるとともに一体的に形成された複数の板バネを外側面側から挿入可能な板バネ挿入用開口部と、側壁部の外側面側に設けられ、複数の板バネを連結する連結部を配置する連結部配置部とを含み、連結部配置部との間で連結部を挟み込むように一対の側壁部の外側面に固定される固定部材をさらに備える。このように構成すれば、板バネ挿入用開口部を介して固定部材により複数の板バネを容易に取り付けることができる。
上記第1の局面による収納具において、好ましくは、収納部に対して第1開口部の反対側に、収納部に繋がるように設けられるとともに、スライドガラスを挿入するための第2開口部をさらに備える。このように構成すれば、第2開口部からスライドガラスを挿入して、スライドガラスを収納部に収納することができるとともに、スライドガラスの収納後には第1開口部を介してスライドガラスを出し入れすることができる。
この場合、好ましくは、載置部は、第2開口部側の端部に設けられ、載置部に載置されたスライドガラスが第2開口部から脱落するのを抑制するための抜け止め部を有する。このように構成すれば、抜け止め部によってスライドガラスが第2開口部から脱落するのを抑制することができる。
上記載置部が抜け止め部を有する構成において、好ましくは、抜け止め部は、載置部の付勢部と対向する面から突出するように設けられた凸部を含み、凸部と、凸部が突出する方向側に隣接する載置部との間隔は、スライドガラスの厚みよりも大きい。このように構成すれば、第2開口部からスライドガラスが脱落するのを抑制しながら、第2開口部に設けられた凸部と、凸部が突出する方向側に隣接する載置部との間からスライドガラスを容易に挿入することができる。
上記第1の局面による収納具において、スライドガラスは、塗抹標本用のスライドガラスである。このようにスライドガラスとして塗抹標本用のスライドガラスを用いる場合に、第1の局面による収納具を用いることにより、容易に、塗抹標本用のスライドガラスが収納具から脱落するのを抑制することができる。
この発明の第2の局面による収納具は、箱状に形成された、スライドガラスを収納するための収納具であって、互いに対向する一対の第1側壁部にそれぞれ開口部が設けられており、互いに対向する一対の第2側壁部の内面から突出するように設けられ、複数のスライドガラスの長辺部近傍をそれぞれ支持するための複数の支持部と、複数の支持部にそれぞれ支持された複数のスライドガラスの上面または下面を押圧し、複数のスライドガラスを複数の支持部にそれぞれ押し付ける複数の付勢部とを備える。
この第2の局面による収納具では、上記のように、複数のスライドガラスを複数の支持部にそれぞれ押し付ける複数の付勢部を設けることによって、スライドガラスと支持部および付勢部との間に、スライドガラスを出し入れする方向にスライドガラスが移動するのを抑制する摩擦力を発生させることができる。この摩擦力により、開口部が下向きになった場合に、スライドガラスが自重により支持部から脱落するのを抑制することができる。また、開口部が下向きになった場合のみならず、収納具に衝撃が加わった場合などにも、衝撃の反動によってスライドガラスが支持部から脱落するのを抑制することができる。また、スライドガラスの上面または下面を押圧する付勢部を設けることによって、スライドガラスの厚み部分(側面)を押圧する場合と異なり、短手方向の幅が異なるスライドガラスを収納する場合にも、板バネの撓み量が変化することがないので、板バネの押圧力が変化するのが抑制される。これにより、スライドガラスの短手方向の幅が異なるスライドガラスを収納する場合にも、スライドガラスを安定して支持することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるスライドガラス収納具としてのマガジンが使用される標本画像撮像装置を含む標本画像撮像システムの全体構成を示した斜視図である。図2〜図8は、図1に示した一実施形態によるマガジンが使用される標本画像撮像装置の詳細構造を説明するための図である。まず、図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態によるマガジン200が使用される標本画像撮像システムの構成について説明する。
本発明の一実施形態によるスライドガラス収納具としてのマガジン200が使用される標本画像撮像システムは、図1に示すように、血液塗抹標本作製装置1と、ラック搬送装置2と、カセット搬送装置3と、標本画像撮像装置4と、パーソナルコンピュータ5とを備えている。なお、標本画像撮像システムは、血液塗抹標本作製装置1で作製された血液標本(スライドガラス)をカセット搬送装置3により標本画像撮像装置4に搬送し、搬送された血液標本(スライドガラス)の画像を標本画像撮像装置4において撮像するとともに、撮像画像をパーソナルコンピュータ5によりデジタル画像処理して自動的に血球の分類を行う装置である。
また、血液塗抹標本作製装置1は、標本画像撮像装置4により分析することが可能な自動分析用の標本をスライドガラス100上に作製する装置である。なお、血液塗抹標本作製装置1は、標本が作製されたスライドガラス100を1時間あたり120枚作製する処理能力を有している。また、図4に示すように、血液塗抹標本作製装置1において作成されたスライドガラス100のフロスト部(情報表示領域)100aには、血液塗抹標本作製装置1に内蔵される熱転写プリンタ(図示せず)によって、検体番号、日付、受付番号および氏名などの標本情報が蓄積された2次元バーコード100bと、標本情報に含まれる属性情報としての日付100c(図4では、07/06/04)、患者氏名100d(図4では、○○××)および検体番号100e(図4では、BA15617)が印字される。
ラック搬送装置2は、図1に示すように、血液が収容された試験管151を収納する検体ラック150を血液塗抹標本作製装置1に自動的に搬送するために設けられている。また、血液塗抹標本作製装置1は、タッチパネルからなる表示操作部1aと、起動スイッチ1bと、電源スイッチ1cと、カバー1dとを含んでいる。また、血液塗抹標本作製装置1には、血液が収容された試験管151をラック搬送装置2側から血液塗抹標本作製装置1側に搬送するためのハンド部材1eが設けられている。血液が収容された試験管151には、ゴム栓151aが装着されている。
カセット搬送装置3は、図1に示すように、血液塗抹標本作製装置1から受け取ったカセット110(図5参照)に収容されているスライドガラス100を標本画像撮像装置4に搬送するために設けられている。また、カセット搬送装置3は、図1に示すように、表示部3aと、電源スイッチ3bと、カバー3cとを含んでいる。図5に示すように、このカセット搬送装置3は、受け渡し口3dを介して、標本画像撮像装置4に撮像対象のスライドガラス100を受け渡すように構成されている。
標本画像撮像装置4は、カセット搬送装置3から受け取ったスライドガラス100の標本作製領域100f(図4参照)に形成された標本を撮像する機能を有している。なお、標本画像撮像装置4は、スライドガラス100の標本を1時間あたり90枚撮像する処理能力を有している。また、標本画像撮像装置4は、図1に示すように、電源スイッチ4aと、開閉可能なカバー部4bと、筐体の側面に開閉可能に設けられる蓋部4cとを含んでいる。また、標本画像撮像装置4には、パーソナルコンピュータ5が接続されている。
また、標本画像撮像装置4は、図2および図3に示すように、スライド取出部10と、バーコード読取部20と、撮像部30と、マガジン搬送機構部40と、制御部50とを備えている。
スライド取出部10は、図5および図6に示すように、カセット搬送装置3において水平に配置されたカセット110からカセット搬送装置3の受け渡し口3dを介してスライドガラス100を取り出すとともに、取り出したスライドガラス100をバーコード読取部20に搬送する機能を有する。さらに、スライド取出部10は、スライドガラス100をX1方向に搬送する機能も有している。スライド取出部10は、モータ11と、モータ11に接続されるプーリ12と、プーリ12と所定の間隔を隔てて設けられるプーリ13と、プーリ12およびプーリ13に装着される駆動伝達ベルト14と、駆動伝達ベルト14に伴って移動する移動機構部15と、移動機構部15をX方向に移動させる直動ガイド(スライドレール)16と、2つの遮光センサ17とから構成されている。これにより、モータ11が駆動することによって、プーリ12を介して、駆動伝達ベルト14が駆動するので、駆動伝達ベルト14に連結される移動機構部15がX方向に移動される。
また、移動機構部15は、駆動伝達ベルト14に連結される連結部材15aと、連結部材15aに取り付けられるソレノイド支持部材15bと、ソレノイド支持部材15bに支持されるソレノイド15cと、連結部材15aに取り付けられるとともに上記した直動ガイド(スライドレール)16に沿って移動可能な移動部材15dと、移動部材15dに回転可能に取り付けられる支持シャフト15eと、ソレノイド15cのロッド15fとともに上下方向(Z方向)に移動する下側チャック部15gと、支持シャフト15eに取り付けられるとともに下側チャック部15gに連動して矢印C方向に回動する上側チャック部15hと、支持シャフト15eに取り付けられる押圧部15i(図5参照)および15j(図5参照)とによって構成されている。したがって、ソレノイド15cのロッド15fがZ方向に延びることにより、下側チャック部15gがZ方向に移動して、搬送路4dのスライドガラス100の下面が支持される。この際、下側チャック部15gのZ方向(上方向)の移動に連動して上側チャック部15hが支持シャフト15eとともに矢印C方向に回動して、搬送路4dのスライドガラス100の下面が支持される。このようにして、下側チャック部15gおよび上側チャック部15hにより、搬送路4dのスライドガラス100が把持される。また、押圧部15iおよび15jも支持シャフト15eに取り付けられているので、上側チャック部15hの矢印C方向への回動に連動して、押圧部15i(図5参照)および15j(図5参照)も矢印C方向へ回動する。また、図5に示すように、移動部材15dには、2つの遮光センサ17を遮光する検出片15kが設けられており、2つの遮光センサ17により、移動機構部15の位置が検出される。
また、上側チャック部15hおよび下側チャック部15gは、搬送路4dの導入位置4eに配置されたスライドガラス100を把持するとともに、バーコード読取部20による読取位置4fまでスライドガラス100をX1方向に搬送する機能を有している。また、押圧部15iは、上側チャック部15hおよび下側チャック部15gにより搬送された搬送路4dにおけるスライドガラス100を、撮像部30のスライドチャック31が把持可能な引き込み位置4gまで搬送する機能を有している。また、押圧部15jは、搬送路4dの引き込み位置4gに配置されるスライドガラス100を、搬送路4dのマガジン導入位置4hまで搬送する機能を有している。
また、バーコード読取部20は、2次元バーコードリーダからなり、スライドガラス100のフロスト部100aに印字された2次元バーコード100b(図4参照)を読み取る機能を有する。そして、2次元バーコード100bが読み取られたスライドガラス100は、押圧部15iによってスライドガラス100の下端部を押圧されて撮像部30のスライドチャック31が把持可能な引き込み位置4gまで搬送される。
撮像部30は、図7に示すように、スライドガラス100の標本作製領域100f(図4参照)に形成された標本画像(図示せず)を撮像するために設けられている。この撮像部30は、スライドチャック31と、対物レンズ32と、複数のレンズ33と、ハーフミラー34と、CCDカメラ35と、ラインセンサ36〜38とを含んでいる。また、スライドチャック31は、前方に移動して搬送路4dの引き込み位置4gに搬送されたスライドガラス100を把持した後、後方に移動して対物レンズ32の下方の位置に配置する機能を有している。これにより、対物レンズ32の下方の位置に配置されたスライドガラス100の標本作製領域100fの標本が複数のレンズ33を介してCCDカメラ35により撮像される。なお、ラインセンサ36は、特異的に青色に染色される白血球を検出する機能を有している。また、ラインセンサ37および38は、CCDカメラ35のフォーカス調整用に用いられる。
マガジン搬送機構部40は、図8に示すように、マガジン貯留部41およびマガジン貯留部42と、マガジン移送部43と、マガジン送り込み部44とにより構成されている。そして、マガジン搬送機構部40は、筐体の側面に開閉可能に設けられる蓋部4c(図1参照)を開けることにより補充される空のマガジン200をマガジン貯留部41からマガジン貯留部42に搬送する機能を有している。
また、本実施形態では、図8に示すように、マガジン貯留部41は、複数の空のマガジン200を貯留するために設けられている。このマガジン貯留部41は、マガジン200をY1方向に搬送するための一対の搬送ベルト41aを含んでいる。また、マガジン貯留部41は、マガジンの搬送方向(Y1方向)に延びるように設けられた凸状の係合部41bおよび41cを有する。この凸状の係合部41bと41cとは、それぞれ、後述するマガジン200の凹状の係合部222および236と、切欠状の係合部223および237とに係合するように構成されている。また、マガジン貯留部42は、スライドガラス100が収容された複数のマガジン200を貯留するために設けられている。なお、マガジン貯留部41および42は、それぞれ、マガジン200を最大8個収容可能である。
また、マガジン移送部43は、空のマガジン200を下方のマガジン貯留部41から上方のマガジン貯留部42まで搬送するように構成されている。このマガジン移送部43は、モータ43aと、モータ43aの軸に接続されるプーリ43bと、プーリ43bと所定の間隔を隔てた上方に配置されるプーリ43cと、プーリ43bおよびプーリ43bに装着される駆動伝達ベルト43dと、駆動伝達ベルト43dに連結される搬送部材43eとを含んでいる。これにより、モータ43aが駆動することにより、プーリ43bを介して、駆動伝達ベルト43dが駆動されるので、駆動伝達ベルト43dに連結される搬送部材43eがZ方向に移動される。そして、マガジン200を載置可能な搬送部材43eをZ方向に移動させることが可能となる。
また、マガジン送り込み部44は、マガジン移送部43によって上方に移送されたスライドガラス100を収容したマガジン200をマガジン貯留部42側に送り出す機能を有している。このマガジン送り込み部44は、押出し部材44aと、移動可能なスライドレール44bと、スライドレール44bを移動可能に支持するスライドレール支持部材44cと、アーム44dと、モータ44eとによって構成されている。押出し部材44aは、スライドレール44bに取り付けられているとともに、スライドレール44bは、Y方向に沿って延びるように配置されている。また、アーム44dの一方の端部は、長穴を介してスライドレール44bに取り付けられているとともに、他方の端部は、モータ44eの回転軸に連結されている。これにより、モータ44eが駆動することにより、アーム44dの一方の端部が回動されることによって、スライドレール44bがスライドレール支持部材44cに対してY2方向に移動される。これにより、押出し部材44aがY2方向に沿って移動される。したがって、マガジン移送部43によって上方に移送されたマガジン200は、押出し部材44aに押圧されてマガジン貯留部42側に押し出される。
また、制御部50は、スライド取出部10、バーコード読取部20、撮像部30およびマガジン搬送機構部40の動作を制御する機能を有する。また、制御部50は、撮像部30において撮像された標本画像のデジタルデータを取得するとともに、そのデータをパーソナルコンピュータ5の制御部5aに送信する機能を有する。
パーソナルコンピュータ(PC)5は、図1および図3に示すように、標本画像撮像装置4の撮像部30において撮像されたスライドガラス100の標本の撮像画像をデジタル画像処理するとともに、血球の分類を自動で行う機能を有しており、制御部5aと、表示部5bと、入力部5cとを有している。また、制御部5aは、標本画像撮像装置4の制御部50に標本画像撮像装置4の各機構(スライド取出部10など)の処理を行わせるように指示を行なう機能を有する。また、制御部5aは、制御部50が撮像部30から取得した撮像画像のデジタルデータを制御部50から受信するとともに、受信したデータに基づいて、撮像部30で取得された標本画像(図示せず)を分析するための機能を有している。また、制御部5aには、バーコード読取部20により取得された識別情報(2次元バーコード100b)と撮像部30で撮像された標本画像とを関連付けて記憶するメモリ5d(図3参照)が設けられている。そして、メモリ5dは、バーコード読取部20により取得された識別情報(2次元バーコード100b)とマガジン200に収納された標本(スライドガラス100)の位置とを関連付けて記憶する機能を有している。
図9〜図18は、本実施形態によるスライドガラス収納具としてのマガジンおよびマガジンに収納されるスライドガラスの構造を説明するための図である。次に、図4および図9〜図18を参照して、本実施形態によるマガジンおよびマガジンに収納されるスライドガラスの構造を詳細に説明する。
スライドガラス100は、図4および図9に示すように、長方形状に形成されている。また、日本製のスライドガラス101(図10参照)は、約1mmの厚み(図10のt1)と、約76mmの長さと、約26mmの幅(図10のW1)とを有する。また、海外製のスライドガラス102(図10参照)は、約1mmの厚みと、約75mmの長さと、約25mmの幅(図10のW2)とを有する。すなわち、日本製のスライドガラス101と、海外製のスライドガラス102とで短手方向の幅が異なる。また、本実施形態では、スライドガラス100は、長辺部近傍(図4および図9に示す斜線部分)の下面が支持されることによりマガジン200に収納される。
また、本実施形態によるマガジン200は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂により成形されており、図10および図12に示すように、処理済み(撮像済み)のスライドガラス100を1枚収納可能な収納部200aを25個有する。また、図9に示すように、スライドガラス100は、フロスト部100aがマガジン200から突出するように収納される。これにより、スライドガラス100がマガジン200に収納された状態で、ユーザがスライドガラス100の情報(日付100c、患者氏名100dなど)を視認することが可能である。
このマガジン200は、図14に示すように、上壁部210と、下壁部220と、一対の側壁部230と、一対の側壁部230に固定される固定板240と、板バネ部250とを含んでいる。また、図9に示すように、マガジン200は、上壁部210、下壁部220および一対の側壁部230が複数のねじ260および270によって箱状に組み立てられており、2つの開口200bおよび200cを有する。ユーザは、開口200bを介して、マガジン200の収納部200aに対して矢印A方向および矢印B方向にスライドガラス100を出し入れ可能である。また、標本画像撮像装置4は、開口200cを介して、マガジン200の収納部200aに対して処理済みのスライドガラス100(撮像済みのスライドガラス100)を矢印C方向に挿入可能である。
以下にマガジン200の具体的な構造を説明する。
上壁部210には、一対の側壁部230を固定するための4つのねじ260が挿入されるねじ穴211(図14参照)が2つずつ両側面に設けられている。また、図9および図12に示すように、上壁部210には、凹状のシート挿入部212が設けられており、このシート挿入部212にマガジン200の識別番号が記載されたシート213が嵌入されるように構成されている。ユーザは、このシート213に記載された識別番号によって個々のマガジン200を判別する。
また、下壁部220には、一対の側壁部230を固定するための4つのねじ270が挿入されるねじ穴221(図14参照)が2つずつ両側面に設けられている。また、図12に示すように、下壁部220には、マガジン200をマガジン貯留部41にセットした時にマガジン貯留部41の凸状の係合部41bおよび41cとそれぞれ係合する凹状の係合部222および切欠状の係合部223が設けられている。また、下壁部220には、上記上壁部210と同様に、凹状のシート挿入部224が設けられており、このシート挿入部224にマガジン200の識別番号が記載されたシート225が嵌入されるように構成されている。
また、一対の側壁部230は、互いに対向する内側面から突出するとともに、上下に所定の間隔を隔てて設けられた25個の一対の棚状部231と、外側面に設けられ、固定板240に対応した形状を有する凹部232(図14参照)と、個々のマガジン200を識別するための識別番号を表す識別部233とを含んでいる。また、一対の側壁部230には、上壁部210に固定するためのねじ260が挿入されるねじ穴234(図14参照)と、下壁部220に固定するためのねじ270が挿入されるねじ穴235(図14参照)とが2つずつ設けられている。また、図9に示すように、側壁部230の下端には、下壁部220の凹状の係合部222および切欠状の係合部223にそれぞれ対応するように形成された凹状の係合部236および切欠状の係合部237が設けられている。また、側壁部230の凹部232の上端および下端には、固定板240を固定するためのねじ280が挿入されるねじ孔238(図14参照)が設けられている。
図12および図13に示すように、一対の棚状部231は、開口200bから開口200cまで延びるように形成されており、上面231aにより、スライドガラス100の長辺部近傍(図9に示す斜線部分)を支持するように設けられている。この棚状部231の下面231bには、板バネ部250の板バネ251が配置される凹部231cが設けられている。この凹部231cは、図12に示すように、棚状部231の中間よりも開口200b側に設けられている。また、図13に示すように、棚状部231は、厚みt2(約1mm)を有する。また、棚状部231の凹部231cが形成される部分の厚みt3は、約0.5mmである。また、棚状部231の下面231bと、隣接する棚状部231の上面231aとの間隔D1は、約1.75mmである。棚状部231の開口200b側の端部および開口200c側の端部には、それぞれ、面取り部231dおよび面取り部231eが設けられている。これにより、スライドガラス100を開口200cを介して収納部200aに挿入する際に、スライドガラス100の先端が棚状部231の開口200c側の端部に引っ掛かることが防止され、スライドガラス100の収納を容易に行うことができる。また、棚状部231の上面231aの開口200c側の端部には、スライドガラス100の抜け止めとして機能する凸部231fが設けられている。また、棚状部231の下面231bと凸部231fとの間隔D2は、約1.25mmであり、凸部231fの突出長さLは、約0.5mmである。なお、凸部231fの突出長さLは、適宜設定することができるが、スライドガラス100の脱落を確実に防止する観点から、0.2mm以上が好ましく、また、マガジン200をコンパクトに構成する観点から、スライドガラス100の厚みである約1mm以下とすることが好ましい。また、間隔D2は、スライドガラス100の厚みよりも大きければ適宜設定することが可能であるが、スライドガラス100の挿入を円滑に行うためには、1.1mm以上であることが好ましく、マガジン200をコンパクトに構成する観点からは、2mm以下であることが好ましい。
また、図14に示すように、側壁部230の外側面側に設けられた凹部232は、板バネ部250を取り付けるために設けられている。この凹部232は、板バネ部250の板バネ251を棚状部231の凹部231cに嵌め込むための板バネ挿入用開口部232aと、板バネ挿入用開口部232aと隣接して設けられ、板バネ部250の連結部253が配置される連結部配置部232bとを有する。連結部配置部232bには、後述する板バネ部250の根元部252を挿入するためのスリット232cが25個設けられている。本実施形態によるマガジン200では、板バネ部250の根元部252をスリット232cに挿入することにより、板バネ251が棚状部231の凹部231cに配置されるとともに、板バネ部250の連結部253が連結部配置部232bに配置されるように構成されている。
固定板240は、側壁部230に板バネ部250を取り付けた状態で、側壁部230の凹部232に固定されることによって、板バネ部250の連結部253を固定するために設けられている。この固定板240には、2つのねじ挿入孔241(図14参照)が設けられている。側壁部230と固定板240とは、側壁部230のねじ孔238と固定板240のねじ挿入孔241とを介してねじ280により固定される。
また、板バネ部250は、図15〜図18に示すように、5つの板バネ251と、5つの板バネ251を板状の根元部252を介して連結するとともに側壁部230に取り付けるための板状の連結部253とからなる。5つの板バネ251は、それぞれ下方に突出する押圧部251aを有する。板バネ251の幅(押圧部251aの幅)W3(図16および図18参照)は、約3.5mmであり、スライドガラス100の厚みt1(約1mm)よりも大きく形成されている。また、板バネ251の厚み(押圧部251aの厚み)t4(図17参照)は、約0.5mmである。また、スライドガラス100が挿入されるマガジン200の開口200cの幅は、約27mmであり、海外製のスライドガラス102(幅約25mm)が収納部200aの一方の内側面に接しているとき、他方の内側面とスライドガラス102の側端面との距離は約2mmとなる。この場合、板バネ251の幅W3は約3.5mmであるので、一方の内側面と接するスライドガラス102の他方の内側面側の側端面を、他方の内側面側に設けられた板バネ251により、幅約1.5mm分抑えることが可能である。
また、根元部252の幅W4(図16および図18参照)は、連結部配置部232b(図14参照)の厚みよりも大きくなるように形成されている。これにより、図11に示すように、板バネ部250が側壁部230に取り付けられた状態で、板バネ251の側壁部230側の側面251bが、図11の側壁部230の内側面230aと同一平面内に位置する連結部配置部232bの内側側面232dおよび固定板240の内側側面240a(図13参照)から離間するように構成されている。したがって、板バネ251が連結部配置部232bの内側側面232dおよび固定板240の内側側面240aに接触することによって板バネ251のスライドガラス100に対する押圧力が減少するのを抑制することが可能である。また、板バネ部250が側壁部230に取り付けられた状態で、板バネ251の根元部252と反対側の開放端は、棚状部231の凹部231c内に位置しており、棚状部231の下面231bから突出しないように構成されている。これにより、スライドガラス100を開口200b側から挿入する際に、板バネ251の開放端がスライドガラス100に引っ掛かるのが抑制される。
また、板バネ部250が側壁部230に取り付けられた状態で、板バネ251の押圧部251aは、棚状部231の上面231aに向かって突出している。また、押圧部251aの先端と棚状部231の上面231aとの間の間隔D3(図11および図13参照)は、スライドガラス100の厚みt1(図10参照)よりも小さくなるように構成されている。これにより、棚状部231に挿入されたスライドガラス100は、板バネ251の撓み変形された押圧部251aによって棚状部231の上面231aに押し付けられる。また、スライドガラス100が押し付けられる棚上部231の上面231aの開口200c側の端部には、上記したスライドガラス100の抜け止めとして機能する凸部231fが設けられているため、スライドガラス100が開口200c側に移動する際に、凸部231fに引っ掛かるように構成されている。
識別部233は、一方の側壁部230の外側面の開口200b側に上下方向に所定の間隔を隔てて設けられた6つの桁識別部233aから構成されている。桁識別部233aは、孔または壁となるように形成され、標本画像撮像装置4に設けられた透過型のセンサ(図示せず)によって、桁識別部233aが孔であるか壁であるかが識別される。桁識別部233aが孔であるときは、標本画像撮像装置4は、たとえば「0」であると認識し、桁識別部233aが壁であるときは、標本画像撮像装置4は「1」であると認識する。すなわち、6つの桁識別部233aによって表される6桁の2進数により、マガジン200の識別番号が表されており、標本画像撮像装置4は、6つの桁識別部233aが、それぞれ、孔であるか壁であるかを識別することによってマガジン200の識別番号を判別することが可能である。なお、ユーザは、上記したシート213および225によって、マガジン200の識別番号を目視により識別可能である。
次に、図1、図2および図4〜図8を参照して、本実施形態による標本画像撮像システムの動作について説明する。
まず、ユーザは、図1に示すように、起動スイッチ102が押されて血液塗抹標本作製装置100が起動した状態で、血液検体が収容された試験管151が収納された検体ラック150をラック搬送装置2にセットする。そして、ユーザは、表示操作部1aに表示された自動吸引のスタートスイッチを押す。これにより、検体ラック150が血液塗抹標本作製装置1のハンド部材1eが把持可能な位置まで搬送されるとともに、ハンド部材1eにより検体ラック150の血液が収容された試験管151が血液塗抹標本作製装置1内に搬送される。そして、血液塗抹標本作製装置1内において、試験管151から採取した血液の塗抹標本(スライドガラス100)が作製される。
また、血液塗抹標本作製装置1内において作製された塗抹標本(スライドガラス100)には、図4に示すように、スライドガラス100のフロスト部100aに、検体番号、日付、受付番号、氏名などの標本情報が蓄積された2次元バーコード100bと、日付100cや患者氏名100dなどが印字される。また、この後、スライドガラス100は、カセット110に収納されて、カセット搬送部3に移動される。
また、スライドガラス100を収納したカセット110は、カセット搬送部3によって、所定の位置まで搬送されるとともに、受け渡し口3d(図1および図5参照)からスライドガラス100が突出するように配置される。その後、図5に示すように、標本画像撮像装置4のスライド取出部10の上側チャック部15hおよび下側チャック部15gが把持可能な導入位置4eまで送り出される。
次に、図5に示すように、スライド取出部10において、カセット110からスライドガラス100が取り出されるとともに、そのスライドガラス100がバーコード読取部20による読取位置4fに搬送される。具体的には、図6に示すように、ソレノイド15cのロッド15fがZ方向に延びることにより、下側チャック部15gがZ方向に移動して、搬送路4dのスライドガラス100の下面が支持される。この際、下側チャック部15gのZ方向(上方向)の移動に連動して上側チャック部15hが支持シャフト15eとともに矢印C方向に回動して、搬送路4dのスライドガラス100の下面が支持される。これにより、下側チャック部15gおよび上側チャック部15hにより、搬送路4dのスライドガラス100が把持される。そして、スライドガラス100が把持された状態で、モータ11を駆動することにより、プーリ12および駆動伝達ベルト14が駆動するので、図5に示すように、駆動伝達ベルト14に連結される移動機構部15がX1方向に移動される。これにより、上側チャック部15hおよび下側チャック部15gにより把持されたスライドガラス100が読取位置4fまで搬送される。
そして、図5に示すように、バーコード読取部20による読取位置4fまで搬送されたスライドガラス100は、バーコード読取部20において、スライドガラス100のフロスト部100aに印字された2次元バーコード100bが読み取られる。そして、バーコード読取部20によって読み取られた染色済みのスライドガラス100の検体番号が制御部50を介してパーソナルコンピュータ5の制御部5aに送られる。その後、バーコード読取部20によって読み取られたスライドガラス100は、スライド取出部10の押圧部15iに押圧されて、搬送路4dに沿ってX1方向に移動することによりスライドチャック31が把持可能な引き込み位置4gまで搬送される。
次に、図5に示すように、引き込み位置4gに配置されたスライドガラス100は、前方に移動されたスライドチャック31により把持された後、スライドチャック31が後方に移動して撮像部30の内部に引き込まれる。これにより、図7に示すように、対物レンズ32の下方の位置に配置される。そして、撮像部30のCCDカメラ35により、スライドチャック31に把持されるスライドガラス100の標本を、複数のレンズ33およびハーフミラー34を介して撮像する。このようにして、スライドガラス100の標本画像(図示せず)が複数取得される。その後、撮像部30のCCDカメラ35によって撮像された標本画像が制御部50を介してパーソナルコンピュータ5の制御部5aに送られる。その結果、バーコード読取部20において読み取られた2次元バーコード100bと、撮像部30のCCDカメラ35により撮像された標本画像とが関連付けられて、制御部5aのメモリ5d(図3参照)に格納される。
また、パーソナルコンピュータ5の制御部5aに送られた標本画像(図15参照)は、制御部5aにおいて、画像処理されるとともに、血球の分類が自動的に行われる。
そして、撮像済みのスライドガラス100は、スライドチャック31により前方の引き込み位置4gに戻された後、図5に示すように、スライド取出部10の押圧部15jに押圧されて、搬送路4dに沿ってマガジン導入位置4hまで搬送される。また、図2に示すように、マガジン搬送機構部40のマガジン貯留部41から空のマガジン200が上方に搬送されて、マガジン200の1段目の収容部200aが搬送路4dと同じ高さに配置されている。この状態でスライドガラス100がスライド取出部10の押圧部15jにさらに押圧されることにより、開口200cを介してマガジン200の1段目の収容部200aにスライドガラス100が収容される。また、一段目の収容部200aにスライドガラス100が収納された後、マガジン200は、2段目の収納部200aが搬送路4dと同じ高さになるように移動される。そして、撮像されたスライドガラス100がマガジン200の2段目の収納部200a、3段目の収納部200aへと順次収容される。なお、パーソナルコンピュータ5の制御部5aは、マガジン移送部43のモータ43aのステップ数を制御している。したがって、スライドガラス100の2次元バーコード100bと、マガジン200の収納部200aの位置とが関連付けられて、制御部5aのメモリ5dに格納される。上記のようにして標本画像撮像システムの分析動作および処理済みのスライドガラス100の本実施形態によるマガジン200への収納が行われる。
本実施形態では、上記のように、収納部200aに収容されたスライドガラス100を板バネ251によって棚状部231に押し付けることにより、スライドガラス100と棚状部231および板バネ251との間に、スライドガラス100を出し入れする方向にスライドガラス100が移動するのを抑制する摩擦力を発生させることができる。この摩擦力により、開口200bまたは開口200cが下向きになった場合に、スライドガラス100が自重により収納部200aから脱落するのを抑制することができる。また、開口200bまたは200cが下向きになった場合のみならず、マガジン200に衝撃が加わった場合などにも、衝撃の反動によってスライドガラス100が収納部200aから脱落するのを抑制することができる。また、スライドガラス100の上面を板バネ251によって押し付けることによって、スライドガラス100の側面を幅方向(横方向)に押圧する場合と異なり、幅が異なるスライドガラス100を収納する際に板バネ251の撓み量が変化することによって板バネ251の押圧力が変化するのを抑制することができる。これにより、幅が異なる日本製のスライドガラス101および海外製のスライドガラス102の両方を収納する場合にも、スライドガラス101および102を安定して支持することができる。
また、本実施形態では、上記のように、スライドガラス100の長辺部近傍を、一対の棚状部231により支持することによって、スライドガラス100の標本作成領域100fに作成された標本を傷つけることなく、スライドガラスを収納することができる。
また、本実施形態では、上記のように、棚状部231によりスライドガラス100の長辺部近傍の下面を支持するとともに、板バネ251により、棚状部231に支持されたスライドガラス100の長辺部近傍の上面を棚状部231に向かって押圧することによって、スライドガラス100の長辺部近傍を棚状部231および板バネ251によって上下から挟み込んで支持することができる。これにより、スライドガラス100の長辺部近傍に、スライドガラス100が脱落するのを抑制するための摩擦力を発生させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、板バネ251の押圧部251aの幅W3を、スライドガラス100の厚みt1よりも大きく形成することによって、スライドガラス100の上面または下面をスライドガラス100の厚みt1よりも大きい幅を有する押圧部251aによって押圧することができる。これにより、スライドガラス100の厚み部分を横側から押圧する場合と比較して、押圧面積を増加させることができるので、スライドガラス100をより安定して支持することができる。
また、本実施形態では、上記のように、5つの板バネを一体的に形成することによって、各々の収納部200aに1つずつ板バネ251を組み付ける場合に比べて、マガジン200の組立を迅速に行なうことができるとともに、部品点数を少なくすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、5つの板バネ251をそれぞれ板バネ挿入用開口部232aを介して5つの棚状部231に配置した状態で、側壁部230と固定板240とを板状の連結部253を挟むように固定することにより、5つの板バネ251をそれぞれ5つの棚状部231に固定的に配置するように構成することによって、板バネ挿入用開口部232aを介して固定板240により、5つの板バネ251を容易に取り付けることができる。
また、本実施形態では、上記のように、収納部200aに対して開口200bの反対側に、収納部200aに繋がるように設けられる開口200cを設けることによって、標本画像撮像装置4により処理済のスライドガラス100を開口200cから挿入して、スライドガラス100を収納部200aに収納することができるとともに、スライドガラス100の収納後には、開口200bを介してスライドガラス100を出し入れすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、板バネ251によってスライドガラス100を棚状部231の上面231に押し付けるとともに、棚状部231の上面231aの開口200c側の端部に凸部231fを設け、かつ、凸部231fと、凸部231fが突出する方向側に隣接する棚状部231の下面231bとの間隔D2を、スライドガラス100の厚みt1よりも大きくすることによって、開口200cからスライドガラス100が脱落するのを抑制しながら、凸部231fと、凸部231fが突出する方向側に隣接する棚状部231の下面231bとの間からスライドガラス100を挿入することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、スライドガラス100を板バネ251によって棚状部231の上面231aに押さえ付けるとともに、棚状部231の上面231aの開口200c側の端部に凸部231fを設けることにより、スライドガラス100が開口200cから脱落するのを抑制するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、スライドガラスを板バネによって棚状部の下面に押さえ付けるとともに、棚状部231の下面の端部に凸部を設けてもよい。
また、上記実施形態では、5つの板バネ251を一体的に形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、6つ以上または4つ以下の板バネを一体的に形成してもよい。