JP2008134554A - トナー用ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出時の経時変化による樹脂物性の不均一化を抑制し、混合機等を使用しなくても均一な樹脂物性を有するトナー用ポリエステル樹脂を製造することのできる方法を提供する。
【解決手段】下記の(A)工程、(B)工程及び(C)工程を経た後、さらに(B)工程及び(C)工程を経て、トナー用ポリエステル樹脂を製造する。
(A)2価以上の酸成分と2価以上のアルコール成分を反応させるエステル化反応又はエステル交換反応工程
(B)減圧下で行う重縮合反応工程
(C)ポリエステル樹脂を吐出する工程
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー用ポリエステル樹脂の製造方法に関する。
ポリエステル樹脂の製造工程においては、重合反応を行った後、不活性ガスで重合釜内を加圧してポリエステル樹脂を吐出させ、冷却装置によって冷却固化した後、粉砕機にて粉砕することが行われている。
この場合、ポリエステル樹脂を重合釜内から吐出させる際に、吐出時間に対応するポリエステル樹脂の重合釜内での滞在時間の差によって、吐出されるポリエステル樹脂の粘度、溶融弾性等の樹脂物性が変化し、結果として得られるポリエステル樹脂は、吐出時の経過時間に対応した異なる樹脂物性を有するものの混合物となることが知られている。このような異なる樹脂物性を有するポリエステル樹脂の混合物では、樹脂物性の均一性が低いために、これをトナー用バインダー樹脂として用いた場合、トナーの紙への定着不良あるいは感光体汚染が発生するという問題があった。特に、ポリエステル樹脂の平均の軟化温度に対してプラス10℃程度の樹脂成分が混入していると、これを用いたトナーの物性に影響を及ぼし、定着不良等が発生しやすくなる。一方、平均の軟化温度に対してマイナス10℃程度の樹脂成分が混入していると、これを用いたトナーの物性に影響を及ぼし、感光体汚染や定着ロールへの付着、いわゆるオフセット現象が発生しやすいことが知られている。
この吐出経時変化に対応する樹脂物性の不均一性を改良するために、特許文献1には、反応温度より樹脂吐出温度を低く設定し、かつ、吐出開始時の樹脂粘度と吐出終了時の樹脂粘度との差を特定の範囲とする方法が提案されている。この方法で得られるポリエステル樹脂は、釜からの吐出中の樹脂粘度、溶融弾性等の樹脂物性の経時変化が大きく、軟化温度範囲の上下限値の差が30℃以上あるため、十分な樹脂物性を得るためには、吐出された樹脂粉砕物を混合機によりさらに混合する必要があり、より煩雑な工程が必要となるという問題があった。
特開2005−157074号公報
本発明の目的は、吐出時の経時変化による樹脂物性の不均一化を抑制し、混合機等を使用しなくても均一な樹脂物性を有するトナー用ポリエステル樹脂を製造することのできる方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、下記の(A)工程、(B)工程及び(C)工程を経た後、さらに(B)工程及び(C)工程を経ることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂の製造方法を提供する。
(A)2価以上の酸成分と2価以上のアルコール成分を反応させるエステル化反応又はエステル交換反応工程
(B)減圧下で行う重縮合反応工程
(C)ポリエステル樹脂を吐出する工程
また、本発明は、重合釜中の反応物を混合しながら吐出させることを特徴とする上記トナー用ポリエステル樹脂の製造方法を提供する。
本発明のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法を用いることにより、吐出時の経時変化による樹脂物性の不均一化を抑制させるとともに、混合機等を使用しなくても均一な樹脂物性を有するトナー用ポリエステル樹脂を提供することができる。
以下、本発明の好ましい態様について説明するが、本発明はこれらの態様のみに限定されるものではなく、その精神と実施の範囲内において様々な変更が可能であることを理解されたい。
本発明の製造方法で製造するトナー用ポリエステル樹脂は、2価以上の酸成分と2価以上のアルコール成分とを基本構成成分とするものである。
2価以上の酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、フタル酸、セバシン酸、イソデシル琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸、及びそれらの低級アルキルエステル又は酸無水物等が挙げられる。これらのジカルボン酸の低級アルキルエステルとしては、例えば、モノメチルエステル、モノエチルエステル、ジメチルエステル、ジエチルエステル等が挙げられる。また、3価以上の多価カルボン酸成分を使用することもでき、かかる多価カルボン酸成分としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの低級アルキルエステル又は酸無水物を挙げることができる。
2価以上のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール類、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキシド付加物などの2価のアルコールを挙げることができる。また、3価以上の多価アルコール成分として、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサテトラロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4ブタントリオール、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどを使用することもできる。これらの酸成分及びアルコール成分は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の(A)工程について述べる。
2価の酸成分及び2価のアルコール成分、さらに所望によりこれらに加えて3価以上の多価カルボン酸成分及び/又は3価以上の多価アルコール成分を反応容器に投入し、加熱昇温して、エステル化反応又はエステル交換反応を行う。エステル化反応又はエステル交換反応の温度は、150〜300℃であることが好ましい。エステル化反応又はエステル交換反応の温度が150℃以上である場合に、反応率を十分上げることができる傾向にあり、300℃以下である場合には分解反応を抑制することができる傾向にある。この反応温度の下限値は180℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましく、220℃以上が特に好ましく、240℃以上が最も好ましい。また、上限値は290℃以下がより好ましく、280℃以下が特に好ましい。
次いで、常法に従って反応で生じた水またはアルコールを除去する。
本発明の(B)工程について述べる。
その後引き続き重合反応を実施するが、このとき、好ましくは150mmHg(20kPa)以下の、減圧下でアルコール成分を留出除去させながら重縮合を行う。重縮合反応の温度は、150〜300℃であることが好ましい。重縮合反応の温度が150℃以上である場合に反応率を十分上げることができる傾向にあり、300℃以下である場合に分解反応を抑制することができる傾向にある。この反応温度の下限値は180℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましく、220℃以上が特に好ましい。また、上限値は290℃以下がより好ましく、280℃以下がさらに好ましく、260℃以下が特に好ましい。また、真空度は100mmHg(13.3kPa)以下がより好ましく、50mmHg(6.7kPa)以下が特に好ましい。また、重合釜内を減圧する方法としては、エゼクターを使用して減圧する方法や、真空ポンプを使用して減圧する方法等が挙げられるが、工業的な設備の簡素化、減圧操作の容易さの観点から、エゼクターを使用して減圧する方法が好ましい。この減圧方法を用いると、作業性が良く、また重合釜から反応物を吐出する際に、重合釜内の樹脂の増粘や樹脂物性の吐出経時に対する変化をより効果的に抑制することができる。また、重合釜内の攪拌翼の形状としては、十字型、パドル型、ディスクタービン型、ダブルヘリカル型、マックスブレンド、アンカー型、ファウドラー型、フルゾーン型、リボン型等があるが、釜内の樹脂温度の均一化や、重縮合反応による樹脂粘度上昇等から、マックスブレンドが好ましい。
また、エステル化反応、エステル交換反応、重縮合時に用いる触媒としては、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の公知の触媒を挙げることができる。
また、架橋構造を有するポリエステル樹脂を製造する場合には、高真空下でアルコール成分を留出除去させながら重縮合を進めてゆく過程で、ゲル化反応が生じ反応系内の粘度が急激に上昇するので、この粘度上昇に対応しながら、反応系内の真空度を調整してゲル化反応を制御するのが好ましい。
本発明の(C)工程について述べる。
(B)工程終了後、反応系内の圧力を常圧に戻し、窒素により加圧して重合釜より樹脂を吐出することが好ましい。また、重合釜の樹脂の吐出先としては、冷却ベルト、ピンクラッシャーを有するベルトクーラーやドラムクーラー、自然放冷をさせるバット出し等の方法があるが、工業的作業性からベルトクーラーに吐出させる方法が好ましい。ベルトクーラーを用いると、作業性が良く、樹脂が冷却されるため、樹脂温度の均一化をはかることができる。さらに、吐出中の樹脂温度は、軟化温度に対して30℃以上高いほうが好ましい。この温度を保つことにより、吐出する際に閉塞なく吐出することができる。
本発明の製造方法の特徴は、(A)工程、(B)工程及び(C)工程を経た後、反応釜からのポリエステル樹脂の吐出を途中で一旦中止し、減圧下での重縮合反応を再度行った後、吐出工程を再開する方法である。本発明の方法において、減圧下での重縮合反応を再度行う際の真空度としては、75mmHg(10kpa)以下が好ましい。75mmHg(10kpa)以下で減圧した場合、重合釜から吐出した反応物の樹脂粘度、溶融弾性等の樹脂物性の吐出経時に対する変化を抑制することができ、この真空度は68mmHg(9kpa)以下がより好ましく、53mmHg(7kpa)以下がさらに好ましく、40mmHg(5kpa)以下が特に好ましい。また、(B)工程を再度開始するタイミングとしては、吐出中の樹脂の軟化温度が吐出開始時の樹脂の軟化温度から10℃以下の範囲で低下した場合に行うことが好ましい。吐出開始時の樹脂の軟化温度から10℃以下の範囲で低下した場合に(B)工程を再度行うことにより、反応物の樹脂粘度、溶融弾性等の樹脂物性の吐出経時に対する変化を抑制することができる。この(B)工程を再度開始するタイミングは、吐出中の樹脂の軟化温度が吐出開始時の樹脂の軟化温度から5℃以下の範囲で低下した場合がより好ましく、2℃以下の範囲で低下した場合が特に好ましい。また、再度行った(B)工程を終了し、(C)工程を再度開始するタイミングとしては、吐出中の樹脂の軟化温度が吐出開始時の樹脂の軟化温度から10℃以下の範囲で上昇した場合に行うことが好ましい。吐出開始時の樹脂の軟化温度から10℃以下の範囲で上昇した場合に(C)工程を再度行うことにより、反応物の樹脂粘度、溶融弾性等の樹脂物性の吐出経時に対する変化を抑制することができるとともに、トナーの品質安定化を図ることができる。この(C)工程を再度開始するタイミングは、吐出中の樹脂の軟化温度が吐出開始時の樹脂の軟化温度から5℃以下の範囲で上昇した場合がより好ましく、2℃以下の範囲で上昇した場合が特に好ましい。
ここで、(B)工程と(C)工程を繰り返す回数には特に制限はない。
重合釜のスケールには特に制限はないが、吐出時間や重合釜冷却速度、攪拌翼の攪拌スピード等から50t/釜以下のスケールが好ましい。
また、本発明の製造方法により効果が最もよく達成されるトナー用ポリエステル樹脂としては、酸成分100モル部に対し、3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価アルコール成分が5〜50モル部であるポリエステル樹脂が好ましい。3価以上の多価カルボン酸および/または3価以上の多価アルコール成分が5モル部以上である場合には(C)工程時における吐出経時に対する反応釜中のポリエステル樹脂の樹脂粘度、溶融弾性等の変化が大きくなる傾向にあり、本発明の(B)工程及び(C)工程を繰り返す製造方法が、樹脂の品質安定化により大きな効果を及ぼすからである。一方、3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価アルコール成分が50モル部を超えた場合には本発明の(B)工程及び(C)工程を繰り返す製造方法を用いても、樹脂粘度及び溶融弾性等の変化を抑制しにくくなる傾向がある。この3価以上の多価カルボン酸及び/又は3価以上の多価アルコール成分の量の下限値は7モル部以上がより好ましく、8モル部以上がさらに好ましく、9モル部以上が特に好ましい。また、上限値は40モル部以下がより好ましく、35モル部以下がさらに好ましく、30モル部以下が特に好ましい。また、製造されるポリエステル樹脂の軟化温度範囲は100〜150℃であることが好ましい。軟化温度が100℃以上である場合には樹脂物性の吐出経時に対する変化をより効果的に抑制することができ、また150℃以下である場合には(C)工程をより容易に行うことができる。この軟化温度範囲の下限値は110℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましく、130℃以上が特に好ましい。また、上限値は145℃以下が特に好ましい。また、重合釜中の反応物を混合しながら吐出する方法としては、攪拌翼による攪拌混合やヘラなどを使用しての手動混合等の方法があるが、工業的作業性から、攪拌翼による攪拌を行って反応物を混合しながら吐出する方法が好ましい。この混合方法を用いると、作業性が良く、また釜内の樹脂温度にムラがなくなり、樹脂温度の均一化をはかることができ、反応物の樹脂粘度、溶融弾性等の樹脂物性の吐出経時に対する変化をより効果的に抑制することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何らの限定もされるものではない。なお、実施例および比較例における性能評価は以下の方法を用いて行った。
樹脂の評価方法
(1)軟化温度(℃)
島津製作所(株)製フローテスターCFT−500を用いて1mmφ×10mmのノズル、荷重294N(30kgf)、昇温速度3℃/分の等速昇温下で測定した時、サンプル1.0g中の1/2が流出した時の温度を軟化温度とした。
(2)経時変化
吐出開始から終了までの間において、1時間毎に樹脂サンプリングし、軟化温度を測定して、以下の基準で判断した。
○(良好):軟化温度の差が3℃未満
△(可):軟化温度の差が3℃以上5℃未満
×(不良):軟化温度の差が5℃以上
(3)トナー評価
ポリエステル樹脂を93質量部、キナクリドン顔料(クラリアント社製E02)3質量部、カルナバワックス(東洋ペトロライド社製)3質量部、負帯電性の荷電制御剤(オリエント化学社製E−84)1質量部を使用し、ヘンシェルミキサーで30分間混合した。次いで、得られた混合物を2軸混練機により150〜200℃の範囲内の温度で溶融混練した。混練後、冷却してトナー塊を得、ジェットミル微粉砕機で微粉砕し、分級機でトナーの粒径を整えて、粒径を5μmとした。得られた微粉末100質量部に対して、0.25質量部のシリカ(日本アエロジル社製R−972)を加え、ヘンシェルミキサーで混合して付着させ、最終的にトナーを得た。このトナーを用い、0.5mg/cmのトナー濃度にて4.5cm×15cmのベタ画像を紙上に印刷した。このベタ画像紙をシリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーを有し、ローラー速度100mm/秒、温度170℃に設定したプリンター(カシオ計算機(株)製 SPEEDIA N4−614)にて定着させ、以下の基準で判断した。
○(良好):ホットオフセット(HOS)、コールドオフセット(COS)ともに発生しない
×(劣る):ホットオフセット(HOS)及び/又はコールドオフセット(COS)が発生する
実施例1
攪拌翼、蒸留塔、釜内温度検出端、温度計、窒素ガス導入管、コンデンサー、真空装置、真空計、トルク計、吐出口、熱交換器を備えた容積4mの重合釜に、表1に示す仕込み組成にて、モノマー成分を2000kg仕込んだ。さらに、重合触媒として1000ppmの三酸化アンチモンを添加した。次いで、重合釜中の攪拌翼の回転数を120rpmに保ち、熱媒ジャケットにより昇温を開始し、反応系内の温度を265℃になるように加熱し、この温度を保持した。反応系から水が留出し、エステル化反応が開始してから約7時間後、水の留出がなくなり、反応を終了した。次いで、反応系内の温度を230℃まで下げ、重合釜内を約1時間かけて7mmHg(1kPa)まで減圧し、反応系からジオール成分を留出させながら重縮合反応を行った。減圧開始から約2時間後に反応とともに反応系の粘度が上昇してきたため、真空度を75mmHg(10kPa)まで下げて反応を続けた。減圧開始から4時間経過後、反応系を常圧に戻した。次いで、攪拌翼の回転数6rpmで攪拌を行い、吐出速度400kg/hにて、窒素により加圧して吐出口より釜内樹脂の吐出を開始した。吐出開始から1時間毎にサンプリングを行い、その都度フローテスターにて樹脂の軟化温度を測定したところ、吐出開始から2時間後に軟化温度の低下が始まったため、一旦吐出を中止し、75mmHg(10kpa)まで再度減圧を行った。15分間減圧後、反応系を常圧に戻し、再度吐出を開始した。吐出しながら冷却ベルトにて樹脂を挟み、ピンクラッシャーで粉砕を行った。粉砕した樹脂をサンプリングし、それぞれの吐出経時の樹脂の軟化温度測定と、この樹脂を用いたトナー評価を行った。また、すべての吐出樹脂をヘンシェルミキサーを用いて混合し、この混合物についてトナー評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
ポリエステル樹脂の製造に用いる無水トリメリット酸の仕込み組成を18モルに変更した以外は実施例1の操作を繰り返した。評価結果を表1に示す。
実施例3
ポリエステル樹脂の製造に用いる無水トリメリット酸の仕込み組成を25モルに変更した以外は実施例1の操作を繰り返した。評価結果を表1に示す。
実施例4
吐出時に攪拌を行わなかった以外は実施例1の操作を繰り返した。評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1と同様にエステル化反応および重縮合反応を行った後、反応系を常圧に戻し、窒素により加圧して吐出口より釜内樹脂の吐出を開始した。吐出開始から1時間毎にサンプリングを行い、その都度フローテスターにて樹脂の軟化温度を測定したところ、吐出開始から2時間後に軟化温度の低下が始まったが、再度減圧にする操作を行わず、そのまま吐出した。評価結果を表2に示す。
上記の実施例及び比較例の結果から、以下のことが判る。
1)実施例1〜3のように、再度減圧を実施し、反応物を重合釜から吐出させて製造したポリエステル樹脂は、いずれも吐出経時に対する樹脂の軟化温度の変化が小さく、また得られたポリエステル樹脂を含むトナーは良好な定着特性を示す。
2)吐出中に攪拌を行った実施例1で得られたポリエステル樹脂は、攪拌を行わなかった実施例4で得られたポリエステル樹脂に比べて、特に吐出経時に対する樹脂の軟化温度の変化が小さい。
3)架橋性成分である無水トリメリット酸の仕込み組成を12モル%および18モル%とした実施例1および2で得られた樹脂では、特に吐出経時に対する樹脂の軟化温度の変化が小さい。
4)吐出途中で再度減圧を行わなかった比較例1で得られたポリエステル樹脂では、吐出経時に対する樹脂の軟化温度の変化が大きく、特に吐出開始から3時間経過以降に吐出回収された樹脂は、これを含むトナー評価において、ホットオフセット(HOS)が発生した。また、吐出された全部の樹脂の混合物を用いたトナー評価においても、ホットオフセットが発生した。このように、樹脂製造過程で樹脂物性の経時変化が大きい場合は、これをトナー用バインダー樹脂として用いた際に必要となる定着特性が得られないため工業的利用価値が低い。
Figure 2008134554
Figure 2008134554
本発明は、吐出時の経時変化による樹脂物性の不均一化を抑制させるとともに、混合機等を使用しなくても均一な樹脂物性を有するトナー用ポリエステル樹脂を提供することができるので、産業上極めて有用である。

Claims (2)

  1. 下記の(A)工程、(B)工程及び(C)工程を経た後、さらに(B)工程及び(C)工程を経ることを特徴とするトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
    (A)2価以上の酸成分と2価以上のアルコール成分を反応させるエステル化反応又はエステル交換反応工程
    (B)減圧下で行う重縮合反応工程
    (C)ポリエステル樹脂を吐出する工程
  2. 重合釜中の反応物を混合しながら吐出させることを特徴とする請求項1記載のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
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