JP2008133899A - ネジの締結構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 二つの板金部材をネジの締結で固定するネジの締結構造であって、取付け側の板金部材に設けた下穴に一端側が圧入し、他端側に開口するスリーブ挿入穴の開口部内周に抜止め用の段部が形成された筒状の金属製ブッシュと、前記スリーブ挿入穴内にスライド自在に挿入され、挿入側先端にスリットが軸方向に形成され、前記段部に係止する係止爪が挿入側先端の周方向に形成された筒状の樹脂製スリーブと、前記スリーブ内に圧入されるネジとからなり、前記ブッシュは、スリーブの係止爪が前記段部に係止したとき、ネジの軸部の先端がブッシュから突出しない高さ寸法に設定されていることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
図19は首付きネジ1を用いた締結構造3を示し、この締結構造3は、被取付け側(例えば、キャビネット側)を、ばか穴5を設けた板金(キャビネットのフレーム)7の裏面側にネジ穴9を有する脱落防止用の板金11を取り付けた二重構造として、ばか穴5を挿通させた首付きネジ1をネジ穴9に螺着して取付け側(例えば、電子装置側)の板金(電子装置の取付フランジ)13を板金7に固定するもので、前記ばか穴5とネジ穴9、そして、取付け側の板金13に螺刻したネジ穴15は同軸上に配置されている。
更にまた、特許文献1で開示された所謂「圧入式可動ネジ」も広く使用されており、この圧入式可動ネジによれば、取付け側の板金を被取付け側の板金に取り付けるに当たり、圧入式可動ネジの嵌輪に設けた圧入部を取付け側の板金に設けた下穴に予め圧入させておくことで、圧入式可動ネジ全体の脱落防止が図れるようになっている。
また、首付きネジ1は、図21のネジ39に比べ、ネジ部31に比し軸部29が細く強度的に弱いため、重い機器の設置では選定しづらい不具合がある。
そして、上述の如き不具合は図20の締結構造19にも該当し、構造の複雑化や強度上の問題が指摘されている。
更に、図19乃至図21の何れの締結構造3,19,37も、板金13,23を相手側の板金7,33に固定する際に、ネジ1,39の軸部31,40の先端が板金7,33方向に突出しているため、複数のネジを用いて固定を行う際に、締結前のネジ1,39の突出が邪魔になってしまう欠点があった。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、電子,電機装置等の設置や取付けの際に行うネジの締結作業に於て、ネジの脱落を防止しつつ、作業性の改善を図ったネジの締結構造を提供することを目的とする。
更に、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のネジの締結構造に於て、前記スリーブは、スリーブ挿入穴と軸心を同じくしてブッシュに保持されていることを特徴とし、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のネジの締結構造に於て、前記スリーブの後端側に、ブッシュの頂部に当接可能なフランジが設けられていることを特徴とする。
また、スリーブをブッシュのスリーブ挿入穴内に挿入した後、このスリーブにネジを圧入するだけでネジをブッシュに取り付けることができるため、ネジの種類を選ばず、市販品のネジでも効果が発揮できると共に、樹脂製の抜止めワッシャを用いる必要がないため、電気的な接続が可能となる。
更に、ネジが破損した場合、力を入れてネジをスリーブから引き出すことができるので、容易にネジの取り外しと交換が行え、更に分解も可能であるから、廃棄時の分別も容易である利点を有する。
請求項3に係る発明によれば、スリーブの内周に設けた凸部がネジの軸部外周に圧接してスリーブとネジが一体化するため、ネジがスリーブに確実に保持される。
請求項5に係る発明によれば、ブッシュの頂部に突設した凸部によって、締結後のネジの緩みが防止できる。
そして、請求項6に係る発明によれば、スリーブを介してネジがスリーブ挿入穴と軸心を同じくしてブッシュにスライド自在且つガタ付きなく保持されるので、ネジを被取付け側にスムーズに螺着することが可能である。
図1及び図2は請求項1乃至請求項7の一実施形態に係るネジの締結構造を示し、図中、41は電子装置側の取付フランジ(取付け側の板金部材)、43は電子装置を取り付けるキャビネットのフレーム(被取付け側の板金部材)で、取付フランジ41に丸穴の下穴45が設けられ、板金43にネジ47が螺着するネジ穴49が設けられている。
そして、前記下穴45に、金属製のブッシュ53が圧入されている。
図3乃至図5に示すようにブッシュ53は、従来周知の圧入スペーサと同様、円筒状の筒体55と、筒体55の底部に一体形成されて前記下穴45に圧入可能な圧入部57とからなり、圧入部57は筒体55に比し小径な筒状に形成されて、その外周に下穴45の内周に圧接する断面三角形状の突起59が周方向に多数設けられている。
ブッシュ53はこのように構成されており、フレーム43への取付フランジ41の取付けに当たり、図6及び図7に示すように、先ず、下穴45に圧入部57を圧入させて、ブッシュ53を取付フランジ41に組み付けておくことが必要で、既述したように前記突起59が下穴45の内周に圧接してブッシュ53の脱落防止が図られる。
図8乃至図10に示すようにスリーブ61は、その一端側外周(反挿入側先端外周)に、ブッシュ53の頂部71に当接する環状のフランジ75が頂部71と外径寸法を同じくして一体形成されている。
また、図9及び図10に示すように係止爪79の外周には、スリーブ挿入穴63への挿入時に前記テーパ面67に当接するテーパ面81が設けられており、図12及び図13に示すように前記スリーブ挿入穴63内にスリーブ61を挿入する際に、係止爪79のテーパ面81を段部65のテーパ面67に当接させてスリーブ61をブッシュ53内に押し込むと、スリット77が設けられたスリーブ61の挿入側先端が順次縮径し乍ら、スリーブ61がスリーブ挿入穴63内にスムーズに案内されて挿入できるようになっている。
本実施形態に係るネジの締結構造はこのように構成されているから、図1の如きフレーム43への取付フランジ41の取付けに当たり、先ず、図6及び図7の如く下穴45に圧入部57を圧入させて、ブッシュ53を取付フランジ41に組み付ける。
次いで、図12及び図13に示すように、ブッシュ53のスリーブ挿入穴63内にスリーブ61を挿入する。このとき、係止爪79のテーパ面81を段部65のテーパ面67に当接させてスリーブ61を押し込むと、スリット77が設けられたスリーブ61の挿入側先端が順次縮径し乍らスリーブ挿入穴63内に案内されて、スリーブ61がスムーズに挿入できる。
この結果、図2に示すようにネジ47は、スリーブ61,スリーブ保持部69を介してスリーブ挿入穴63と軸心を同じくしてブッシュ53にスライド自在且つガタ付きなく保持される。そして、この状態で、図2の如く段部65にスリーブ61の係止爪79が係止するまでネジ47を矢印方向へスライドさせても、ネジ47はブッシュ53から脱落せず、このとき、軸部51先端はスリーブ挿入穴63内に収まっている。また、フランジ75がブッシュ53の頂部71に当接するまでネジ47を反対方向へスライドさせても、ネジ47はブッシュ53から脱落しない。
また、ネジ47が破損した場合には、力を入れてネジ47をスリーブ61から引き出せば、簡単にネジ47の取り外しと交換が行えることとなる。
[1]取付フランジ41の下穴45にブッシュ53を圧入し、これにスリーブ61をスライド自在且つ脱落防止構造を以って挿入した後、スリーブ61にネジ47を圧入することによって、取付フランジ41に対するネジ47のスライド構造と脱落防止構造を実現したので、狭い装置内での取付けや設置作業が改善され、ネジ47の落下による短絡事故や紛失等を防止することができる。
[4]スリーブ61,スリーブ保持部69を介してネジ47を、スリーブ挿入穴63と軸心を同じくしてブッシュ53にスライド自在且つガタ付きなく保持したので、ネジ47をネジ穴49にスムーズに螺着することが可能となった。
[6]スリーブ61をブッシュ53のスリーブ挿入穴63内に挿入した後、このスリーブ61に圧入するだけでネジ47をブッシュ53に取り付けることができるため、ネジの種類を選ばず、市販品のネジでも効果が発揮できる利点を有する。
[8]スリーブ61の上部内周に突設した凸部83がネジ47の軸部51外周に圧接してスリーブ61とネジ47が一体化するため、ネジ47がスリーブ61に確実に保持される。
また、ブッシュ53の頂部71に突設した凸部73によって、締結後のネジ47の緩みが防止できる。
[10]そして、本実施形態に係る締結構造は分解も可能であるから、廃棄時の分別も容易である利点を有する。
図15乃至図17は、請求項1乃至請求項6及び請求項8の一実施形態に係るネジの締結構造に用いるブッシュとスリーブ、図18は請求項1乃至請求項6及び請求項8の一実施形態に係るネジの締結構造を示し、本実施形態は、図16乃至図18に示すように前記フランジ75を省略し、スリーブ61-1の係止爪79が係止する環状突起(抜止め部)85をブッシュ53-1の圧入部57の内周に突設して、スリーブ挿入穴63内にスリーブ61-1を挿入した際に、スリーブ61-1の脱落防止を図ったものである。
而して、本実施形態によっても、既述した実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能である。
43 フレーム(被取付け側の板金部材)
45 下穴
47 ネジ
49 ネジ穴
51 軸部
53,53-1 ブッシュ
55 筒体
57 圧入部
59 突起
61,61-1 スリーブ
63 スリーブ挿入穴
65 段部
67,81 テーパ面
69 スリーブ保持部
73 凸部
75 フランジ
77 スリット
79 係止爪
83 凸部(突条)
85 環状突起(抜止め部)
Claims (8)
- 二つの板金部材をネジの締結で固定するネジの締結構造であって、
取付け側の板金部材に設けた下穴に一端側が圧入し、他端側に開口するスリーブ挿入穴の開口部内周に抜止め用の段部が形成された筒状の金属製ブッシュと、
前記スリーブ挿入穴内にスライド自在に挿入され、挿入側先端にスリットが軸方向に形成され、前記段部に係止する係止爪が挿入側先端の周方向に形成された筒状の樹脂製スリーブと、
前記スリーブ内に圧入されるネジとからなり、
前記ブッシュは、スリーブの係止爪が前記段部に係止したとき、ネジの軸部の先端がブッシュから突出しない高さ寸法に設定されていることを特徴とするネジの締結構造。 - 前記段部は、外方に拡開するテーパ面を有する環状に形成され、前記係止爪に、スリーブ挿入穴への挿入時に前記テーパ面に当接するテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のネジの締結構造。
- 前記スリーブの内周に、ネジの軸部外周に圧接する凸部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のネジの締結構造。
- 取付け側の板金部材に設けた下穴は、丸穴であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のネジの締結構造。
- 前記ブッシュの頂部に、緩み止め用の凸部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のネジの締結構造。
- 前記スリーブは、スリーブ挿入穴と軸心を同じくしてブッシュに保持されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のネジの締結構造。
- 前記スリーブの後端側に、ブッシュの頂部に当接可能なフランジが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のネジの締結構造。
- 前記ブッシュに、スリーブ挿入穴からのスリーブの抜止めを図る抜止め部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のネジの締結構造。
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