JP2008122708A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下流側の第2定着ユニット310に搬入される用紙の温度が変動しても、定着不良が起こらないようにその第2定着ユニット310をなすロール間の接触部の温度を安定させる。
【解決手段】制御部330は、第1定着ユニット300を経由して第2定着ユニット310に搬入される直前の用紙の温度から±20度の温度差に収まるように、加圧ロール312が有するハロゲンランプへの通電を制御する。そして、制御した加圧ロール312の温度を示す加圧ロール温度情報に対応する定着ロール理想温度情報を記憶部の温度制御テーブルから読み出し、その定着ロール理想温度情報が示す理想温度に定着ロール311の周面温度が近づくように、定着ロール311が有するハロゲンランプへの通電を制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置及びその定着装置を搭載した画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、定着プロセスを行う定着装置を搭載している。この定着装置の中には、用紙に形成されたトナーを加熱する温度を制御することによって、定着不良の発生を回避しているものがある。
例えば、特許文献1に開示された画像形成装置は、用紙の紙厚、サイズ、搬送方向、及び温度からなる複写条件と、定着ユニットをなす加熱ロール及び加圧ロールの待機時における適切な温度範囲とが各々対応付けられた待機温度制御範囲テーブルを有する。そして、この画像形成装置は、入力された複写条件に対応付けられた温度範囲を待機温度範囲テーブルから読み出し、その温度範囲内に加圧ロール及び加熱ロールの各々の温度が収まるように制御している。
また、特許文献2に開示された画像形成装置は、加熱ロールと定着ロールとに張架された定着ベルトと加圧ロールからなる定着ユニットを搭載しており、この定着ベルトの温度及び温度変化量のうち少なくとも1つの条件に基づいて加圧ロールの温度を推定し、推定した加圧ロールの温度に基づいて次の定着における定着ベルトの温度を制御している。
さらに、特許文献3に開示された画像形成装置は、加熱ロールと加圧ロールからなる加熱定着ユニット、及び加圧ロールと駆動ロールからなる加圧定着ユニットを備えており、加圧定着ユニットの温度に応じて加熱定着ユニットの温度を制御している。
また、特許文献4に開示された画像形成装置は、第1の加熱ロールと第1の加圧ロールからなる第1の定着ユニット、及び第2の加熱ロールと第2の加圧ロールからなる第2の定着ユニットを備えており、用紙進行方向から見て上流に配置された第1の定着ユニットの温度に応じて下流側に配置された第2の定着ユニットの温度を制御している。
特開平08−220929号公報 特開2003−323074号公報 特開2004−085907号公報 特開2005−352389号公報
ところで、上記特許文献1及び2に開示された画像形成装置は、加熱部材と加圧部材からなる1つの定着ユニットを備えた定着装置を搭載している。これに対し、上記特許文献3及び4に開示された画像形成装置は、2つの定着ユニットが直列に配置された定着装置を搭載している。これは、タンデム型と呼ばれる定着装置であり、2つの定着ユニットにて定着を行うことにより、その定着性を向上させている。しかしながら、この種の画像形成装置は、上流側に配置された定着ユニットにて加熱された用紙が下流側に配置された定着ユニットに搬入されるため、下流側の定着ユニットをなすロール間の接触部の温度が、加熱された用紙の影響を受けて不安定となり、定着不良を起こす恐れがある。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、下流側の定着ユニットに搬入される用紙の温度が変動しても、その定着ユニットをなすロール間の接触部の温度を定着不良が起こらさない温度に安定させる定着装置を提供することを目的とする。
本発明の好適な態様である定着装置は、通電を受けて発熱する発熱源を有する加熱ロールと、通電を受けて発熱する発熱源を有する加圧ロールの周面同士を押圧させてなる定着手段と、前段の処理を経て前記定着手段へ搬入される直前の記録材の温度を感知する感知手段と、前記感知した記録材の温度から所定範囲の温度差に前記加圧ロールの周面の温度が収まるように、その発熱源への通電を制御する加圧ロール温度制御手段と、前記制御されたときの前記加圧ロールの周面の温度に応じた理想温度に前記加熱ロールの周面の温度が近づくように、その発熱源への通電を制御する加熱ロール温度制御手段とを備える。
本発明の別の好適な態様である定着装置は、通電を受けて発熱する発熱源を有する加熱ロールと当該発熱源を有しない加圧ロールとからなる定着手段と、前段の処理を経て前記定着手段へ搬入される直前の記録材の温度を感知する感知手段と、前記加熱ロールの熱が前記加圧ロールへ伝導されるように両者の周面同士を押接させると共に、前記感知した記録材の温度と前記加圧ロールの周面の温度の温度差が所定範囲に収まらないときは当該温度差が所定範囲に収まるように前記周面同士を離間させて前記加圧ロールへの熱の伝導を妨げる加圧ロール温度制御手段と、前記加圧ロールの周面の温度に応じた理想温度に前記加熱ロールの周面の温度が近づくように、その発熱源への通電を制御する加熱ロール温度制御手段とを備える。
上記各態様において、前記加圧ロールの周面の各温度を示す加圧ロール温度情報と、当該加圧ロールがそれらの各温度のときの前記加熱ロールの周面の理想温度を示す加熱ロール理想温度情報とを各々対応付けて記憶した記憶手段を更に備え、前記加熱ロール温度制御手段は、前記制御された温度が示す加圧ロール温度情報と対応付けて前記記憶手段に記憶された加熱ロール理想温度情報が示す理想温度に前記加熱ロールの周面の温度が近づくように、その発熱源への通電を制御してもよい。
また、上記各態様において、前記所定範囲の温度差は±20度であってもよい。
さらに、上記各態様において、前記定着手段は、前記加熱ロール及び少なくとも一以上の支持部材により張架されて周回移動する無端のベルト状部材であって、前記接触部にて熱と圧力とが加えられた記録材を外周面に付着させて当該記録材を移動方向に沿って搬送する定着ベルトと、前記定着ベルトに搬送される記録材を冷却する冷却手段とを更に備えてもよい。
本発明の別の好適な態様である画像形成装置は、上記定着装置と、前記定着装置の前段に設けられ、搬入された記録材に熱を加える定着予備装置とを含む。
本発明によると、下流側の定着ユニットに搬入される用紙の温度が変動しても、定着不良が起こらないようにその定着ユニットをなすロール間の接触部の温度を安定させることができる。
(実施形態)
本願発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置1のハードウェア概略構成図である。同図に示すように、この画像形成装置1は、用紙トレイ10、画像形成エンジン20、及び定着部30を有する。
用紙トレイ10は、A4サイズにカットされた複数枚の用紙を収容する。この用紙トレイ10に収容される用紙は、セルロースを主成分とする基材層、ポリエチレン等の樹脂を主成分とする防湿層、及びポリエステル等の熱可塑性樹脂を主成分とした受像層からなる。この基材層は、透気性の低い防湿層によりその両面をコートされている。受像層は、用紙片面の防湿層上に形成されている。そして、この受像層が形成された面(以下、「記録面」と記す)は、トナー像が形成される面となる。この用紙は、用紙トレイ10から一枚ずつピッキングされ、画像形成エンジン20、定着部30を経由して排紙口へと繋がる用紙搬送路上を順次搬送されるようになっている。
画像形成エンジン20は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)毎に個別に設けられ、それらの各々は、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、及び転写部を備える。これら各部の駆動する様子について概説すると、まず、帯電部が、所定の速度で周回する感光体ドラムの周面を一様に帯電させた後、露光部がその周面上を走査しながら、入力された画像データに応じて変調したレーザ光を照射することによって、静電潜像を形成する。更に、現像部がトナーを供給することによってその静電潜像をトナー像として現像し、現像されたトナー像が転写部によって用紙搬送路上の用紙に転写される。
定着部30は、図2に示すように、第1定着ユニット300、第2定着ユニット310、温度センサ320、及び制御部330を備える。
第1定着ユニット300は、定着ロール301と加圧ロール302からなり、画像形成エンジン20により形成されたトナー像を用紙に定着させる。定着ロール301は、熱伝導性の高い金属製のコアの表面に、PFAチューブからなる離型層が形成されたロール状部材である。この定着ロール301のコアの内部には、図示せぬ電源から通電を受けて発熱するハロゲンランプが設けられている。定着ロール301の表面は、その表面から用紙に伝わる熱が用紙上のトナーを融解させ、且つ用紙の受像層を軟化させる程度の温度となるように、ハロゲンランプによって加熱される。また、定着ロール301は、図示せぬモータに回転されることにより、搬入された用紙を第2定着ユニット310側へと搬出する。
加圧ロール302は、熱伝導性の高い金属製のコアの表面に、ゴム硬度(JIS−A)40°程度のシリコンゴムからなる弾性体層が被覆され、更にその弾性体層の表面に定着ロール301と同様の離型層が形成されたロール状部材である。加圧ロール302のコアの内部には、図示せぬ電源から通電を受けて発熱するハロゲンランプが設けられている。この加圧ロール302は、定着ロール301と対向して配置されると共に、その周面が定着ロール301の周面に押圧されている。そのため、その押圧された接触部に搬入された用紙は、加圧ロール302によって所定の圧力が加えられることになる。
第2定着ユニット310は、定着ロール311、加圧ロール312、定着ベルト313、剥離ロール314、テンションロール315、及び冷却部材316からなり、第1定着ユニット300を通過した用紙の記録面を高光沢に仕上げる。定着ロール311は、熱伝導性の高い金属製のコアの表面に、PFAチューブからなる離型層が形成されたロール状部材である。この定着ロール311の周面の周長は、用紙の長手方向の長さの約半分になるように設計されている。定着ロール311のコアの内部には、図示せぬ電源から通電を受けて発熱するハロゲンランプが設けられている。定着ロール311の表面は、その表面から用紙に伝わる熱が用紙上のトナーを融解させ、且つ用紙の受像層を軟化させる程度の温度となるように、ハロゲンランプによって加熱される。また、定着ロール311は、図示せぬモータに回転されることにより、定着ベルト313を図中の矢印r方向へ周回移動させる。
加圧ロール312は、熱伝導性の高い金属製のコアの表面に、ゴム硬度(JIS−A)40°程度のシリコンゴムからなる弾性体層が被覆され、更にその弾性体層の表面に定着ロール311と同様の離型層が形成されたロール状部材である。加圧ロール312のコアの内部には、図示せぬ電源から通電を受けて発熱するハロゲンランプが設けられている。この加圧ロール312は、定着ベルト313を挟んで定着ロール311と対向して配置されると共に、その周面が定着ロール311の周面側に押圧されている。そのため、その押圧された接触部(以下、「接触部N」と記す)に搬送された用紙は、加圧ロール312によって所定の圧力が加えられることになる。
定着ベルト313は、離型性を付与するための離型層を基材層の表面に形成した無端のベルト状部材である。この定着ベルト313は、定着ロール311、剥離ロール314、及びテンションロール315に張架され、定着ロール311の回転に従動して図中の矢印r方向へ周回移動される。接触部Nにて熱と圧力とが加えられた用紙は、記録面に形成されたトナーが融解して粘着性を生じるため、その記録面と接触する定着ベルト313の外周面に付着する。定着ベルト313は、外周面に用紙が付着すると、付着した用紙を矢印r方向へ搬送する。
テンションロール315は、定着ベルト313を張架しながらその周回移動に合わせて回転すると共に、定着ベルト313を連続的に循環移動させたときに生じる偏り(定着ベルト313がテンションロール315のいずれかの端部の方向へ移動する現象)を修正する。
剥離ロール314は、定着ベルト313を張架してその周回移動に合わせて回転しながら、接触部Nを通過した定着ベルト313の移動方向を変える。定着ベルト313の外周面に付着した用紙は、定着ベルト313の周回移動に伴って剥離ロール314の設置位置に搬送されると、その先端から順に剥離される。そして、定着ベルト313から完全に剥離された用紙は排紙口へ送られる。
冷却部材316は、定着ロール311と剥離ロール314との間の区間における定着ベルト313の内周面に接触して配置される。この冷却部材316は、アルミニウム製のヒートシンクと冷却ファンからなる。定着ベルト313の内周面に接触するヒートシンクの内面には、複数の放熱フィンが設けられている。このヒートシンクは、冷却ファンの吸気によって空冷されることにより、定着ベルト313に搬送される用紙を冷却する。この冷却部材316に冷却された用紙は、融解したトナーが平滑な定着ベルト313の外周面を写し取って凝固することにより、その記録面が高光沢となる。更に、トナーが凝固することによりトナーの粘着力が弱まるため、冷却部材316を通過した用紙は定着ベルト313から剥離しやすくなる。
温度センサ320は、測定対象の温度を所定間隔で感知し、感知した温度を示す温度信号を出力する。温度センサ320yは、第1定着ユニット300を経由してから第2定着ユニット310へ搬入される直前の用紙の温度を感知するセンサである。また、温度センサ320tは、定着ロール311の周面における定着ベルト313が掛けまわされていない位置の温度を感知するセンサである。更に、温度センサ320pは、加圧ロール31232の周面における接触部Nの用紙搬入口に近接した位置の温度を感知するセンサである。
制御部330は、CPUや記憶部などを有する。この制御部330は、用紙の温度に対して所定範囲の温度差に収まるように加圧ロール312の周面温度を制御し、更に定着ロール311の周面温度をその加圧ロール312の周面温度に応じた理想温度に近づくように制御している。この所定範囲の温度差は、本願発明者らが行った実験結果に基づいて、±20度に設定されている。
この実験は、100枚のテストチャート用紙Tにおける先端側半分の領域と後端側半分の領域との光沢度の差を、加圧ロール312の温度を変えてそれぞれ調べたものである。図3は、テストチャート用紙Tを示す図である。このテストチャート用紙Tは、図に示すテストチャートを示すトナー像が形成された一定温度の用紙を、接触部Nに連続して100枚通紙して得たものである。図に示す黒色部分は、Y(イエロー)M(マゼンタ)C(シアン)のトナーが各100%ずつ供給された部位である。また、図に示す白色部分は、トナーが供給されていない部位である。上述したように、本画像形成装置1の定着ロール311の周面の周長は、用紙の長手方向に長さの約半分になるように設計されている。このため、定着ロール311は、接触部Nに用紙が搬入されてから2周回転して一枚の用紙の定着を完了するようになっている。すなわち、テストチャート用紙Tの先端側半分の領域は、接触部Nに用紙が搬入されてから定着ロール311が一周回転する間に定着される領域であり、テストチャート用紙Tの後端側半分の領域は、接触部Nに用紙が搬入されてから定着ロール311が一周回転したのち、二周目の回転の間に定着される領域を示す。
図4は、100枚のテストチャート用紙Tにおける先端側半分の領域と後端側半分の領域との光沢度の差を、加圧ロール312の温度を変えてそれぞれ調べた実験の結果を示す図である。図に示す「用紙温度に対する加圧ロールの温度」の項目は、加圧ロール312の温度から用紙の温度を引いた温度差を示したものである。また、「1、2周目の光沢度の差」の項目は、テストチャート用紙Tにおける先端側半分の領域と後端側半分の領域との光沢度の差を示したものである。この光沢度の差を示す値は、まず、100枚のテストチャート用紙Tの各々について、その先端側半分の領域と後端側半分の領域における所定部位の光沢度を光沢度計にて計測する。そして、各領域の光沢度の平均値を求め、両領域の平均値の差分値を光沢度の差を示す値としたものである。「判定」の項目は、100枚のテストチャート用紙Tにおける先端側半分の領域と後端側半分の領域との光沢むらの有無を目視によってそれぞれ調べ、100枚のテストチャート用紙Tのうち1枚でも光沢むらが認められれば×を示し、100枚全てのテストチャート用紙Tに光沢むらが認められなければ○を示したものである。
図に示すように、加圧ロール312の温度から用紙の温度を引いた温度差が−25度及び25度の場合は、目視にてテストチャート用紙Tに光沢むらの発生が認められた。一方、加圧ロール312の温度から用紙の温度を引いた温度差が−20度、−14度、−5度、2度、14度、及び21度の場合は、目視にてテストチャート用紙Tに光沢むらの発生が認められなかった。これは、接触部Nに搬入される用紙と加圧ロール312の周面の温度差が十分に小さいために、用紙が接触部Nに搬入された時の加圧ロール312の温度変動が抑えられ、接触部Nの温度が安定するためである。以上の実験結果から、用紙の温度に対して±20度の範囲内に加圧ロール312の周面温度を制御すると、光沢むらのない印刷物が得られることがわかる。
図2において、制御部330が有する記憶部は、温度制御テーブルを記憶している。この温度制御テーブルは、加圧ロール312の周面の各温度を示す加圧ロール温度情報と、加圧ロール312がそれら各温度のときの定着ロール311の周面の理想温度を示す定着ロール理想温度情報とを各々対応付けたテーブルである。この温度制御テーブルは、本願発明者らが行った実験の結果に基づいて作成されたものである。
この実験は、定着ロール311及び加圧ロール312の温度をそれぞれ変えて得たテストチャート用紙Tの定着具合を調べたものである。図5は、この実験結果を示す図であり、図に示す横軸は加圧ロール312の温度(℃)を示し、縦軸は定着ロール311の温度(℃)を示す。
図に示す領域Xは、テストチャート用紙Tにブリスタが発生した温度領域を示す。このブリスタは、接触部Nの温度が高すぎることによって、用紙の基材層に含まれる水分が水蒸気となり、熱で軟化した受像層の表面をその水蒸気が膨らませる現象である。また、領域Yは、テストチャート用紙Tにエッジボイドが発生した温度領域を示す。このエッジボイドは、接触部Nの温度が低すぎることによって、用紙上のトナーが十分に融解されず、そのトナーが受像層に押し付けられて、トナーと受像層との境界部に窪みが発生する現象である。更に、領域Zは、テストチャート用紙Tにブリスタ及びエッジボイドの発生が認められなかった温度領域を示す。すなわち、領域Zに含まれるいずれかの点が示す温度に定着ロール311及び加圧ロール312の温度を制御した場合には、良好な定着が行われたことを示す。
曲線Hは、加圧ロール312の温度を一定としたときに、この領域Zに含まれる定着ロール311の温度のうち最も高い温度を示す上限値を連続させたものである。また、曲線Lは、加圧ロール312の温度を一定としたときに、領域Zに含まれる定着ロール311の温度のうち最も低い温度を示す下限値を連続させたものである。さらに、曲線Aは、加圧ロール312の温度を一定としたときに、曲線Hにて示す上限値と曲線Lにて示す下限値との平均値を連続させたものである。温度制御テーブルは、この曲線A上の定着ロール311の各温度を定着ロール理想温度情報とし、曲線A上の加圧ロール312の温度の各々と対応付けて記憶したものである。
次に、図6を参照して、加圧ロール312及び定着ロール311の温度を制御する温度制御処理について具体的に説明する。制御部330は、温度センサ320yから温度信号S1が供給されると、その温度信号S1に基づいて用紙の温度を示す用紙温度情報を取得する(ステップ100)。続いて、制御部330は、温度センサ320pから供給された温度信号S2に基づいて、加圧ロール312の周面温度を示す加圧ロール温度情報を取得する(ステップ110)。そして、制御部330は、ステップ100にて取得した用紙温度情報が示す温度に対してその加圧ロール温度情報が示す加圧ロール312の周面温度が±20度の温度差に収まっているか否かを判断する(ステップ120)。
用紙の温度に対して加圧ロール312の周面温度が±20度の温度差に収まっていない場合(ステップ120:NO)、制御部330は加圧ロール312の周面温度が±20度の温度差に収まるように、加圧ロール312のハロゲンランプへの通電を制御する(ステップ130)。そして、制御部330は、温度センサ320pから供給された温度信号S2に基づいて、加圧ロール312の周面温度を示す加圧ロール温度情報を再度取得したのち(ステップ140)、ステップ120の判断を行う。
一方、用紙の温度に対して加圧ロール312の周面温度が±20度の温度差に収まっている場合(ステップ120:YES)、制御部330は最新の加圧ロール温度情報に対応する定着ロール理想温度情報を温度制御テーブルから読み出す(ステップ150)。続いて、制御部330は、温度センサ320tから供給された温度信号S3に基づいて、定着ロール311の周面温度を示す定着ロール温度情報を取得する(ステップ160)。そして、制御部330は、ステップ150にて読み出した定着ロール理想温度情報が示す理想温度に、その定着ロール温度情報が示す定着ロール311の周面温度が近づくように、定着ロール311のハロゲンランプへの通電を制御する(ステップ170)。
制御部330は、温度センサ320yから温度信号S1が供給される度にこれらの処理を行うことによって、加圧ロール312及び定着ロール311の周面温度を制御している。
次に、本願発明者らがこの温度制御処理の効果を確認するために行った実験について説明する。この実験は、テストチャート用紙Tにおけるブリスタ及びエッジボイドの発生を、温度制御処理を行った場合と行わない場合にて、それぞれ調べたものである。このテストチャート用紙Tは、図3に示した印刷物であり、図のテストチャートを示すトナー像が形成された用紙を接触部Nに連続して100枚通紙して得たものである。図7は、この実験結果を示す図である。図の横軸は連続して通紙させた何枚目の用紙のテストチャート用紙Tかを示す連続通紙枚数(枚)を示し、縦軸は定着の具合を示す。この縦軸は、中央の主軸がブリスタやエッジボイドが発生しない良好な定着を示す。そして、この主軸よりも上方になる程、ブリスタの影響が深刻に表れており、主軸よりも下になる程、エッジボイドの影響が深刻に現れていることを示している。
図に示すように、温度制御処理を行わない場合は、多くのテストチャート用紙Tにてエッジボイドの発生が認められた。一方、温度制御処理を行った場合は、ブリスタやエッジボイドなどの現象が発生せず、終始良好な定着が行われた。
以上のことから、温度制御処理を行うことによって、光沢むらのない印刷物が得られると共に、連続印刷を行った場合にも定着不良の発生を防ぐことができる。
(他の実施形態)
本願発明は、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態において、第2定着ユニット310をなす加圧ロール312のコアの内部にはハロゲンランプが設けられていたが、このハロゲンランプを設けなくともよい。その場合、第2定着ユニット310は、加圧ロール312を移動自在に支持する支持部材を更に有する。この支持部材は、制御部330の制御の下、加圧ロール312の周面が定着ロール311の周面を押圧する位置、及び加圧ロール312と定着ロール311とが離間する位置の一方から他方に加圧ロール312を移動させるようになっている。
制御部330は、ステップ130にて、用紙の温度と加圧ロール312の周面温度の温度差との温度差が±20度に収まるように周面同士を離間させて加圧ロール312への熱の伝導を妨げるように制御する。例えば、用紙の温度から±20度の温度差よりも加圧ロール312の温度が高い場合は、支持部材の駆動を制御して、定着ロール311の周面側を押圧する位置から定着ロール311と離間する位置へ加圧ロール312を移動させる。すると、加圧ロール312の保有する熱が外気に放出されて、その周面温度が低下する。そして、用紙の温度から±20度の温度差に加圧ロール312の温度が収まると、支持部材の駆動を制御して、定着ロール311と離間する位置から定着ロール311の周面側を押圧する位置へ加圧ロール312を移動させる。すると、接触部Nを介して定着ロール311の熱が加圧ロール312へと伝導し、加圧ロール312の周面温度が安定する。
このようにして、用紙の温度から±20度の温度差に収まるように加圧ロール312の温度を制御すると、加圧ロール312のコアの内部にハロゲンランプが設けられていない構成であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態において、第1定着ユニット300は、定着ロール301と加圧ロール302から構成されていたが、これに限定しない。例えば、定着ロール301、ベルト部材、及び圧力パットから構成され、ベルト部材の内周面に設けられた圧力パットによりベルト部材が定着ロール301の周面に押圧された構成であってもよい。更に、上記実施形態における第2定着ユニット310は、定着ロール311と加圧ロール312のみから構成されたものであってもよい。
上記実施形態において、定着装置は、定着部30として画像形成装置1に搭載されていたが、定着装置のみの構成としてもよい。
上記実施形態において、第2定着ユニット310は、予め画像形成装置1に設けられていた。これに対し、第2定着ユニット310を着脱可能な構成とし、第1定着ユニット300のみが搭載された画像形成装置1にこの第2定着ユニット310を後から追加搭載してもよい。
上記実施形態において、加圧ロール312の温度は、用紙の温度から±20度の温度差となるように制御されていた。これに対し、用紙の各温度を示す用紙温度情報と、用紙がそれら各温度のときの加圧ロール312の理想温度を示す加圧ロール理想温度情報とを対応付けたテーブルを記憶部が記憶してもよい。この場合、制御部330は、ステップ130にて、用紙の温度が示す用紙温度情報に対応付けられた加圧ロール理想温度情報を記憶部のテーブルから読み出し、その加圧ロール理想温度情報が示す理想温度に加圧ロール312の周面の温度が近づくように制御する。以上説明した温度制御方法であっても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
画像形成装置1のハードウェア概略構成図である。 定着部30の概略構成図である。 テストチャート用紙Tの光沢度の差を調べた実験結果を示す図である。 テストチャート用紙Tを示す図である。 ロールの各温度と定着具合との関係を示す図である 温度制御処理のフロー図である。 温度制御処理を行った場合の効果を調べた実験結果を示す図である。
符号の説明
1…画像形成装置、10…用紙トレイ、20…画像形成エンジン、30…定着部、300…第1定着ユニット、301…定着ロール、302…加圧ロール、310…第2定着ユニット、311…定着ロール、312…加圧ロール、313…定着ベルト、314…剥離ロール、315…テンションロール、316…冷却部材、320…温度センサ、330…制御部。

Claims (6)

  1. 通電を受けて発熱する発熱源を有する加熱ロールと、通電を受けて発熱する発熱源を有する加圧ロールの周面同士を押圧させてなる定着手段と、
    前段の処理を経て前記定着手段へ搬入される直前の記録材の温度を感知する感知手段と、
    前記感知した記録材の温度から所定範囲の温度差に前記加圧ロールの周面の温度が収まるように、その発熱源への通電を制御する加圧ロール温度制御手段と、
    前記制御されたときの加圧ロールの周面の温度に応じた理想温度に前記加熱ロールの周面の温度が近づくように、その発熱源への通電を制御する加熱ロール温度制御手段と
    を備えた定着装置。
  2. 通電を受けて発熱する発熱源を有する加熱ロールと当該発熱源を有しない加圧ロールとからなる定着手段と、
    前段の処理を経て前記定着手段へ搬入される直前の記録材の温度を感知する感知手段と、
    前記加熱ロールの熱が前記加圧ロールへ伝導されるように両者の周面同士を押接させると共に、前記感知した記録材の温度と前記加圧ロールの周面の温度の温度差が所定範囲に収まらないときは当該温度差が所定範囲に収まるように前記周面同士を離間させて前記加圧ロールへの熱の伝導を妨げる加圧ロール温度制御手段と、
    前記加圧ロールの周面の温度に応じた理想温度に前記加熱ロールの周面の温度が近づくように、その発熱源への通電を制御する加熱ロール温度制御手段と
    を備えた定着装置。
  3. 請求項1又は2に記載の定着装置において、
    前記加圧ロールの周面の各温度を示す加圧ロール温度情報と、当該加圧ロールがそれらの各温度のときの前記加熱ロールの周面の理想温度を示す加熱ロール理想温度情報とを各々対応付けて記憶した記憶手段を更に備え、
    前記加熱ロール温度制御手段は、前記加圧ロールの周面の温度が示す加圧ロール温度情報と対応付けて前記記憶手段に記憶された加熱ロール理想温度情報が示す理想温度に前記加熱ロールの周面の温度が近づくように、その発熱源への通電を制御する
    定着装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の定着装置において、
    前記所定範囲の温度差は±20度である
    定着装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の定着装置において、
    前記定着手段は、
    前記加熱ロール及び少なくとも一以上の支持部材により張架されて周回移動する無端のベルト状部材であって、前記接触部にて熱と圧力とが加えられた記録材を外周面に付着させて当該記録材を移動方向に沿って搬送する定着ベルトと、
    前記定着ベルトに搬送される記録材を冷却する冷却手段と
    を更に備えた定着装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の定着装置と、
    前記定着装置の前段に設けられ、搬入された記録材に熱を加える定着予備装置と
    を含む画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012048059A (ja) * 2010-08-27 2012-03-08 Canon Inc 画像形成装置
JP2013076998A (ja) * 2011-09-12 2013-04-25 Ricoh Co Ltd 画像形成システム、画像形成装置

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