JP2008122698A - プロキシミティ露光用階調マスク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明基板1と、前記透明基板1上に形成された遮光膜2と、前記透明基板1上に形成された半透明膜3とを有し、前記透明基板1が露出した透過領域、前記透明基板1上に前記遮光膜2が設けられた遮光領域、および前記透明基板1上に前記半透明膜3のみが設けられた半透明領域を有し、前記半透明領域および前記透過領域が隣接するパターンを有するプロキシミティ露光用階調マスクであって、 前記半透明膜の透過率が10%〜35%の範囲内の場合、前記半透明領域を透過する光の位相と前記透過領域を透過する光の位相との差が40°〜70°の範囲内であり、 前記半透明膜の透過率が36%〜60%の範囲内の場合、前記半透明領域を透過する光の位相と前記透過領域を透過する光の位相との差が20°〜50°の範囲内である。
【選択図】図1
Description
以下、本発明のプロキシミティ露光用階調マスクについて、各構成ごとに詳しく説明する。
まず、本発明のプロキシミティ露光用階調マスクにおける半透明領域について説明する。本発明のプロキシミティ露光用階調マスクにおける半透明領域は、透明基板上に半透明膜のみが形成された領域であり、その形状はプロキシミティ露光用階調マスクの用途等に応じて適宜選択される。また透過率が10〜35%の範囲内となる半透明膜においては、半透明領域を透過する光の位相と透過領域を透過する光の位相との差が、40°〜70°とされ、より好ましくは50°〜60°とされる。また透過率が36〜60%の範囲内となる半透明膜においては、半透明領域を透過する光の位相と透過領域を透過する光の位相との差が、20°〜50°とされ、より好ましくは30°〜40°とされる。これは、通常のプロキシミティ露光において、上記半透明膜の透過率が10〜35%の範囲内となる半透明膜においては、上記光の位相差を40°〜70°の範囲内とすることにより、例えば図2(a)に示すように、干渉の影響が小さく、感光されたレジストの表面を平坦なものとすることができる。一方、上記範囲外となると、光の回り込み等による干渉の影響が大きくなり、感光性レジストを露光した際に、段差が生じてしまいやすい。なお、図2(a)および(b)は、半透明膜の透過率を20%とした場合の各領域の照度比を示したグラフである。また、通常のプロキシミティ露光において、上記半透明膜の透過率が36〜60%の範囲内となる半透明膜においては、上記光の位相差を20°〜50°の範囲内とすることにより、例えば図3(a)に示すように、干渉の影響が小さく、感光されたレジストの表面を平坦なものとすることができる。一方、上記範囲外となると、光の回り込み等による干渉の影響が大きくなり、感光性レジストを露光した際に、段差が生じてしまいやすい。なお、図3(a)および(b)は、半透明膜の透過率を50%とした場合の各領域の照度比を示したグラフである。なお上記各領域を透過する光の位相は商品名MPM−100(レーザーテック社製)により測定することができる。また上記半透明膜の透過率は、波長250nm〜600nmの範囲内の波長の光の透過率をいうこととする。上記透過率は、後述する透明基板の透過率をリファレンス(100%)として、半透明領域の透過率を測定し、得られた値を平均することにより算出することができる。透過率を測定する装置としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、またはフォトダイオードアレイを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD等)を用いることができる。
次に、本発明のプロキシミティ露光用階調マスクにおける透過領域について説明する。本発明のプロキシミティ露光用階調マスクにおける透過領域は、透明基板が露出した領域である。透過領域の形状は、プロキシミティ露光用階調マスクの用途等に応じて適宜選択される。
次に、本発明のプロキシミティ露光用階調マスクに形成される遮光領域について説明する。本発明のプロキシミティ露光用階調マスクおける遮光領域は、透明基板上に、実質的に露光光を透過しない遮光膜が形成された領域であればよく、遮光膜のみが形成された領域であってもよく、また半透明膜および遮光膜が積層された領域であってもよい。なお、半透明膜および遮光膜が積層されている場合、遮光膜は、透明基板と半透明膜との間に形成されていてもよく、また透明基板上に形成された半透明膜上に形成されたものであってもよく、積層順序は特に限定されるものではない。また遮光領域の形状は、プロキシミティ露光用階調マスクの用途等に応じて適宜選択される。
本発明のプロキシミティ露光用階調マスクは、上述した遮光領域、半透明領域、および透過領域が形成されているものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて例えばアライメント用の領域等が形成されていてもよい。
[実施例1]
(階調マスクの作製)
光学研磨された5インチの合成石英基板(透明基板)上にクロム膜(遮光膜)が厚み100nmで成膜されている常用のマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製 ip−3500)を厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置で、所望の遮光膜中間パターンを描画した。次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製 NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。続いて、レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望の遮光膜中間パターンを得た。クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。
次いで、上記遮光膜中間パターンが形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行い、よく洗浄した後、酸化窒化炭化クロム膜(半透明膜)を下記の条件でスパッタリング法にて成膜した。
<成膜条件>
・ガス流量比 Ar:CO2:N2=1:0.5:0.5
・パワー:1.5kW
・ガス圧:3mTorr
次に、上記半透明膜上に市販のフォトレジスト(東京応化製 ip−3500)を再度、厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。
続いて半透明膜パターンとなる像を再度、レーザ描画装置で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製 NMD3)で現像し、レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)で半透明膜および遮光膜をエッチングし、半透明膜パターンおよび遮光膜パターンを得た。エッチングは半透明膜および遮光膜に対して行った。
最後に残ったレジストを剥膜し、パターン寸法検査、パターン欠陥検査などの検査工程を経て、必要に応じてパターン修正を行い、階調マスクを得た。なお半透明膜(酸化窒化炭化クロム膜)の透過率は35%とした。またこの半透明膜が形成された半透明領域と隣接する透過領域の位相差は48°とした。
大きさが100mm×100mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備し、洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み1000Å)を形成した。このクロム薄膜上にポジ型感光性レジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像してレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとして、クロム薄膜をエッチングして、線幅20μm、ピッチ100μmのブラックマトリックスを形成した。
次に、下記組成の赤色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、緑色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物、青色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
・赤顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B)
4.8重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)80.0重量部
・緑顔料(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C) 4.2重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F) 6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) 0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製 ディスパービック161) 2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907)
1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
なお、上記のポリマーIは、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
次に、着色層上にネガ型感光性樹脂組成物(JSR製 オプトマーNN850)をスピンコート法により塗布し、減圧乾燥後、100℃にて3分間プリベークした。その後、上記の階調マスクを介して露光量34mJ/cm2で露光した。
次いで、水酸化カリウム水溶液を用いて現像し、その後、230℃、30分間の加熱処理を施し、上記ブラックマトリクス上に柱状スペーサを形成し、着色層上にはオーバーコート層を形成した。この形成された感光性レジストの形状をAFMで測定した。その結果、半透明領域のレジスト残膜量が均一となり、図4(a)に示すように、回折光の干渉が生じていないことが明らかであった。
半透明膜の透過率を10%とし、半透明膜が形成された半透明領域と透過領域との位相差を92°とした以外は、実施例と同様に階調マスクを製造した。実施例と同様に上記階調マスクを用いて感光性レジストを露光および現像し、形成された感光性レジストの形状をAFMで測定した。この際、残膜レジスト厚が実施例と同様になるよう露光条件を120mJ/cm2に変更した。その結果、図4(b)に示すように、回折光の干渉が生じ、半透明領域のレジスト残膜量が均一とならなかった。
半透明膜の透過率、および半透明領域と透過領域との位相差をそれぞれ表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様に上記階調マスクを作製した。その後、実施例1と同様に、感光性レジストを露光し、感光されたレジストのうち、半透明領域に対応する部分、すなわちオーバーコート層上に段差が生じているか否かを評価した。
なお、評価は、下記の基準により行った。
◎:柱状スペーサとオーバーコート層との境界付近で全く段差が見られない。
○:柱状スペーサとオーバーコート層との境界付近で多少段差が見られるが、段差範囲がブラックマトリクスの線幅内である。
△:柱状スペーサとオーバーコート層との境界付近で段差が見られ、段差範囲がブラックマトリクスの線幅と同等である。
×:柱状スペーサとオーバーコート層との境界付近で段差が大きい、もしくは段差が見られ、段差範囲がブラックマトリクスの線幅外である。
2 … 遮光膜
3 … 半透明膜
a … 遮光領域
b … 半透明領域
c … 透過領域
Claims (2)
- 透明基板と、前記透明基板上に形成された遮光膜と、前記透明基板上に形成された半透明膜とを有し、前記透明基板が露出した透過領域、前記透明基板上に前記遮光膜が設けられた遮光領域、および前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域を有し、前記半透明領域および前記透過領域が隣接するパターンを有するプロキシミティ露光用階調マスクであって、
前記半透明膜の透過率が10%〜35%の範囲内の場合、前記半透明領域を透過する光の位相と前記透過領域を透過する光の位相との差が40°〜70°の範囲内であり、
前記半透明膜の透過率が36%〜60%の範囲内の場合、前記半透明領域を透過する光の位相と前記透過領域を透過する光の位相との差が20°〜50°の範囲内であることを特徴とするプロキシミティ露光用階調マスク。 - 上記半透明膜の膜厚が45nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のプロキシミティ露光用階調マスク。
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