JP4821310B2 - 液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法 - Google Patents
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しかしながら、このスリットは解像限界以下である必要があるため、当然のことながら、マスクの本体パターンよりも小さな寸法に仕上げる必要があり、マスク製造に対して大きな負荷となってしまうという問題があった。さらに、広い領域を半透明にするためには、多くのスリットを配置する必要があるため、パターンデータ容量が増え、パターン形成工程や、パターンの欠陥検査工程に対する負荷の増大という問題も生じ、製造・検査時間の増大、マスク製造コストの上昇につながってしまうという問題があった。
特許文献5に記載の階調マスクは、透過率が300nmで5%以下、380nmで45%以上であり、露光光の短波長域(300nm〜350nm程度)をカットし、長波長域(350nm〜450nm程度)のみを利用するというものである。しかしながら、長波長域のみを利用する場合、短波長域を利用する場合と比較してエネルギーが低いため、硬化速度が遅く、露光に時間がかかるという問題がある。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、着色層が形成された基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、上記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、上記感光性樹脂からなるスペーサおよびオーバーコート層を同時に形成するスペーサ・オーバーコート層形成工程とを有しており、上記階調マスクは、透明基板と、遮光膜と、透過率調整機能を有する半透明膜とが順不同に積層され、上記透明基板上に上記遮光膜が設けられた遮光領域と、上記透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、上記透明基板上に上記遮光膜および上記半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有し、上記半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が所定の範囲内であることを特徴とするものである。
図1は、本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に示すように、基板1上に着色層2および遮光部3を形成し、その上にネガ型感光性樹脂からなる感光性樹脂層5を形成する。次いで、図1(b)に示すように、感光性樹脂層5を階調マスク21を介して露光する。
以下、本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法における各工程について説明する。
本発明における感光性樹脂層形成工程は、着色層が形成された基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する工程である。
着色層の厚みは、例えば0.5〜3.0μmの範囲で設定することができる。
また、遮光部は、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂組成物、アクリル樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物等を用いて樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングすることにより形成することもできる。さらに、遮光部は、カーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂組成物を用いて樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングすることにより形成することもできる。
本発明におけるスペーサ・オーバーコート層形成工程は、感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、感光性樹脂からなるスペーサおよびオーバーコート層を同時に形成する工程である。
以下、階調マスクおよびスペーサ・オーバーコート層の形成方法について説明する。
本発明に用いられる階調マスクは、透明基板と、遮光膜と、透過率調整機能を有する半透明膜とが順不同に積層され、透明基板上に遮光膜が設けられた遮光領域と、透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、透明基板上に遮光膜および半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有するものである。また、階調マスクにおける半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が所定の範囲内となっている。
以下、階調マスクの各構成について説明する。
階調マスクに用いられる半透明膜は、透過率調整機能を有し、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が所定の範囲内となるものである。
階調マスクに用いられる遮光膜は、実質的に露光光を透過しないものであり、露光波長における平均透過率が0.1%以下であることが好ましい。このような遮光膜としては、一般にフォトマスクに用いられる遮光膜を用いることができ、例えばクロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などの膜が挙げられる。中でも、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等のクロム系膜が好適に用いられる。このようなクロム系膜は、最も使用実績があり、コスト、品質の点で好ましいからである。このクロム系膜は、単層であってもよく、2層以上が積層されたものであってもよい。
階調マスクに用いられる透明基板は、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用することができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。中でも、石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れている。
階調マスクにおける遮光領域は、透明基板上に遮光膜が設けられた領域である。遮光領域では、透明基板上に少なくとも遮光膜が形成されていればよく、透明基板上に遮光膜および半透明膜が形成されていてもよい。
このような階調マスクを用いた場合には、例えば図5に示すようにスペーサ13およびオーバーコート層14を同時に形成することができる。
本発明においては、遮光膜上に低反射層が形成されていてもよい。低反射層を設けることにより、階調マスクの使用時において、ハレーションを防止することができる。
低反射層としては、例えば酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等の膜が挙げられる。遮光膜がクロム系膜である場合、これらの膜は遮光膜のエッチング時に同時にエッチングすることが可能である。
本発明に用いられる階調マスクは、透過率が3段階以上に段階的に変化するものであり、2階調のマスクに限定されるものではなく、後述するようにパターニングを繰り返すことにより、2階調以上の多階調のマスクとすることが可能である。
本発明に用いられる階調マスクの製造方法としては、透明基板上に半透明膜および遮光膜をパターン状に形成することにより、所望の位置に遮光領域、半透明領域、および透過領域を配置することができる方法であれば特に限定されるものではないが、2つの好ましい態様を挙げることができる。以下、各態様について説明する。
本態様の階調マスクの製造方法は、透明基板上に遮光膜を成膜したマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、遮光膜の一部をパターニングする第1パターニング工程と、パターニングされた遮光膜が形成された透明基板の全面に半透明膜を成膜する半透明膜成膜工程と、遮光膜および半透明膜をパターニングする第2パターニング工程とを有するものである。
本態様の階調マスクを作製するには、まず透明基板22上に遮光膜24aを成膜したマスクブランク50を準備する(図6(a)、マスクブランク準備工程)。
次に、遮光膜24a上にレジスト材料を塗布し、塗布後に所定時間ベークし、第1レジスト膜51aを形成する(図6(b))。次に、遮光膜をパターン露光する。この際、半透明領域26と遮光領域25とが接する境界、および半透明領域26と透過領域27とが接する境界を形成するように、半透明領域26は第1レジスト膜51aが除去される露光量で露光し、遮光領域25および透過領域27は第1レジスト膜51aが残存する露光量で露光する。続いて、現像することにより、第1レジストパターン51bを形成する(図6(c))。次に、第1レジストパターン51bより露出している遮光膜24aをエッチングして、遮光膜中間パターン24bを形成し(図6(d))、残存している第1レジストパターン51bを除去する(図6(e))。この遮光膜中間パターン24bでは、後述する第2パターニング工程にて半透明膜と同じ箇所をエッチングする部分はエッチングされずに残存している。なお、図6(b)〜(e)は第1パターニング工程である。
次に、遮光膜中間パターン24bが形成された透明基板22の全面に、半透明膜23aを成膜する(図6(f)、半透明膜成膜工程)。
次に、半透明膜23a上にレジスト材料を塗布し、塗布後に所定時間ベークし、第2レジスト膜52aを形成する(図6(g))。続いて、遮光膜および半透明膜のパターン露光を行う。この際、半透明領域26と透過領域27とが接する境界を形成するように、透過領域27は第2レジスト膜52aが除去される露光量で露光し、遮光領域25および半透明領域26は第2レジスト膜52aが残存する露光量で露光する。次に、現像することにより、第2レジストパターン52bを形成する(図6(h))。次に、第2レジストパターン52bより露出している半透明膜23aをエッチングし、続いて、下層の遮光膜中間パターン24bが露出している箇所をさらにエッチングすることにより、半透明膜パターン23bおよび遮光膜パターン24cを形成する(図6(i))。次いで、残存している第2レジストパターン52bを除去し(図6(j))、階調マスクを得ることができる。なお、図6(g)〜(j)は第2パターニング工程である。
以下、本態様の階調マスクの製造方法における各工程について説明する。
本態様におけるマスクブランク準備工程は、透明基板上に遮光膜を成膜したマスクブランクを準備する工程である。
透明基板上に遮光膜としてクロム膜が形成されたマスクブランクは、一般的に使用されているマスクブランクであり、容易に入手可能である。
本態様における第1パターニング工程は、遮光膜の一部をパターニングする工程である。遮光膜のパターニング方法としては特に限定されるものではなく、通常、リソグラフィー法が用いられる。リソグラフィー法を用いる場合、マスクブランクの遮光膜上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第1レジスト膜を形成する。
また、図示しないが、第1レジスト膜にネガ型レジスト材料を用いた場合は、半透明領域では露光せず、遮光領域および透過領域で第1レジスト膜が感光される露光量で露光する。
なお、遮光膜および半透明膜の同じ箇所を一括してエッチングするためのパターン露光は、第2パターニング工程で行う。
遮光膜がクロム系膜である場合には、硝酸セリウム系ウェットエッチャントが好適に用いられる。
また、遮光膜が低反射機能を有する場合は、第1レジスト膜を露光するための露光光の散乱によって、本来露光されるべき領域でない領域が露光されてしまうことを防止することができる。
本態様における半透明膜成膜工程は、パターニングされた遮光膜が形成された透明基板の全面に半透明膜を成膜する工程である。なお、半透明膜の成膜方法については、上記半透明膜の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本態様における第2パターニング工程は、遮光膜および半透明膜をパターニングする工程である。遮光膜および半透明膜のパターニング方法としては特に限定されるものではなく、通常、リソグラフィー法が用いられる。リソグラフィー法を用いる場合、遮光膜および半透明膜が形成された透明基板上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第2レジスト膜を形成する。
なお、第2レジスト膜の材料については、上記第1パターニング工程の項に記載した第1レジスト膜の材料と同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、図示しないが、第2レジスト膜にネガ型レジスト材料を用いた場合は、透過領域では露光せず、遮光領域および半透明領域で第2レジスト膜が感光される露光量で露光する。
なお、パターン露光のその他の点、および現像については、上記第1パターニング工程の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本態様の階調マスクの製造方法は、透明基板上に半透明膜および遮光膜がこの順に積層されたマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、半透明膜および遮光膜の一部をパターニングする第1パターニング工程と、遮光膜のみをパターニングする第2パターニング工程とを有するものである。
本態様の階調マスクを作製するには、まず透明基板22上に半透明膜23aおよび遮光膜24aがこの順に積層されたマスクブランク50を準備する(図7(a)、マスクブランク準備工程)。
次に、遮光膜24a上にレジスト材料を塗布し、塗布後に所定時間ベークし、第1レジスト膜53aを形成する(図7(b))。次に、半透明膜および遮光膜のパターン露光を行う。この際、半透明領域26と透過領域27とが接する境界を形成するように、透過領域27は第1レジスト膜53aが除去される露光量で露光し、遮光領域25および半透明領域26は第1レジスト膜53aが残存する露光量で露光する。続いて、現像することにより、第1レジストパターン53bを形成する(図7(c))。次に、第1レジストパターン53bより露出している半透明膜23aおよび遮光膜24aをエッチングして、半透明膜パターン23bおよび遮光膜中間パターン24bを形成し(図7(d))、残存している第1レジストパターン53bを除去する(図7(e))。この遮光膜中間パターン24bでは、後述する第2パターニング工程にて遮光膜のみをエッチングする部分はエッチングされずに残存している。なお、図7(b)〜(e)は第1パターニング工程である。
次に、半透明膜パターン23bおよび遮光膜中間パターン24bが形成された透明基板22上にレジスト材料を塗布し、塗布後に所定時間ベークし、第2レジスト膜54aを形成する(図7(f))。続いて、遮光膜のパターン露光を行う。この際、半透明領域26と遮光領域25とが接する境界、および半透明領域26と透過領域27とが接する境界を形成するように、半透明領域26は第2レジスト膜54aが除去される露光量で露光し、遮光領域25および透過領域27は第2レジスト膜54aが残存する露光量で露光する。次に、現像することにより、第2レジストパターン54bを形成する(図7(g))。次に、第2レジストパターン54bより露出している遮光膜中間パターン24bをエッチングして、遮光膜パターン24cを形成し、(図7(h))、残存している第2レジストパターン54bを除去する(図7(i))。なお、図7(f)〜(i)は第2パターニング工程である。このようにして階調マスクを得ることができる。
以下、本態様の階調マスクの製造方法における各工程について説明する。
本態様におけるマスクブランク準備工程は、透明基板上に半透明膜および遮光膜がこの順に積層されたマスクブランクを準備する工程である。なお、透明基板、半透明膜および遮光膜については、上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
本態様における第1パターニング工程は、半透明膜および遮光膜の一部をパターニングする工程である。半透明膜および遮光膜のパターニング方法としては特に限定されるものではなく、通常、リソグラフィー法が用いられる。リソグラフィー法を用いる場合、マスクブランクの遮光膜上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第1レジスト膜を形成する。
また、図示しないが、第1レジスト膜にネガ型レジスト材料を用いた場合は、透過領域では露光せず、遮光領域および半透明領域で第1レジスト膜が感光される露光量で露光する。
なお、遮光膜のみをエッチングするためのパターン露光は、第2パターニング工程で行う。
本態様における第2パターニング工程は、遮光膜のみをパターニングする工程である。遮光膜のパターニング方法としては特に限定されるものではなく、通常、リソグラフィー法が用いられる。リソグラフィー法を用いる場合、パターニングされた半透明膜および遮光膜の上にレジスト材料を塗布し、ベークを行って第2レジスト膜を形成する。
また、図示しないが、第2レジスト膜にネガ型レジスト材料を用いた場合は、半透明領域では露光せず、遮光領域および透過領域で第2レジスト膜が感光される露光量で露光する。
本発明においては、階調マスクを用いた一括露光および現像により、感光性樹脂からなるスペーサおよびオーバーコート層を同時に形成することができる。本発明により形成されるスペーサは、カラーフィルタと薄膜トランジスタ(TFT)基板との間に配置される液晶層の厚みを所望の厚みに設定するための部材である。また、本発明により形成されるオーバーコート層は、着色層を保護するとともに、着色層表面を平坦化するための部材である。
現像は、一般的な現像方法に従って行うことができる。
本発明においては、感光性樹脂層形成工程前や、スペーサ・オーバーコート層形成工程後に、カラーフィルタにおける各種部材を形成する工程を行うことができる。
例えば、スペーサ・オーバーコート層形成工程後に、スペーサおよびオーバーコート層を覆うように配向膜を形成する配向膜形成工程を行ってもよい。配向膜は、例えば可溶性ポリイミド、ポリアミック酸タイプポリイミド、変性ポリイミド等の有機化合物を、一般的な印刷法、塗布方法により塗布し、その後、焼成することにより形成することができる。このような配向膜には、配向処理(ラビング)は不要である。
配向膜の厚みは、500〜1000Å程度とすることができる。
本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、所定の透過率特性を有する半透明膜を備える階調マスクを用いていることから、特に大型の液晶表示装置用カラーフィルタの製造に適している。
また、本発明の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法は、オーバーコート層およびスペーサを有するモノクロの液晶表示装置用の基板などの製造に応用することもできる。
[実施例1]
(階調マスクの作製)
光学研磨された390mm×610mmの合成石英基板上にクロム膜(遮光膜)が厚み100nmで成膜されている常用のマスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製 ip−3500)を厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置(マイクロニック社製 LRS11000−TFT3)で、所望の遮光膜中間パターンを描画した。
次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製 NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、所望の遮光膜中間パターンを得た。クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。クロム膜のエッチング時間は、60秒であった。
<成膜条件>
・ガス流量比 Ar:CO2:N2=1:0.5:0.5
・パワー:1.5kW
・ガス圧:3mTorr
酸化窒化炭化クロム膜の膜厚は35nmとした。酸化窒化炭化クロム膜の分光スペクトルを図8に示す。
次に、酸化窒化炭化クロム膜上に市販のフォトレジスト(東京応化製 ip−3500)を再度、厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。
続いて半透明膜パターンとなる像を再度、レーザ描画装置(マイクロニック社製 LRS11000−TFT3)で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製 NMD3)で現像し、レジストパターンを得た。
次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)で半透明膜および遮光膜をエッチングし、半透明膜パターンおよび遮光膜パターンを得た。エッチングは半透明膜および遮光膜に対して行った。
最後に残ったレジストを剥膜し、パターン寸法検査、パターン欠陥検査などの検査工程を経て、必要に応じてパターン修正を行い、階調マスクを得た。
基板として、大きさが100mm×100mm、厚みが0.7mmのガラス基板(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリング法によりクロム薄膜(厚み1000Å)を形成した。このクロム薄膜上にポジ型感光性レジスト(東京応化工業(株)製 OFPR−800)を塗布し、所定のマスクを介して露光、現像してレジストパターンを形成した。次いで、このレジストパターンをマスクとして、クロム薄膜をエッチングして、線幅20μm、ピッチ100μmのブラックマトリックスを形成した。
感光性樹脂組成物、青色パターン用のネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
・赤顔料(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 クロモフタルレッドA2B) 4.8重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.2重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・緑顔料(アビシア社製 モナストラルグリーン9Y−C) 4.2重量部
・黄顔料(BASF社製 パリオトールイエローD1819) 1.8重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 3.0重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
・青顔料(BASF社製 ヘリオゲンブルーL6700F) 6.0重量部
・顔料誘導体(アビシア社製 ソルスパース5000) 0.6重量部
・分散剤(ビックケミー社製ディスパービック161) 2.4重量部
・モノマー(サートマー社製 SR399) 4.0重量部
・ポリマーI 5.0重量部
・開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 イルガキュア907) 1.4重量部
・開始剤(2,2´−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4´,5´−テトラフェニル−1,2´−ビイミダゾール) 0.6重量部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) 80.0重量部
<露光条件>
・露光量:75mJ/cm2(I線換算)
・露光ギャップ:150μm
(階調マスクの作製)
下記のように半透明膜を成膜した以外は、実施例1と同様にして階調マスクを作製した。
遮光膜中間パターンが形成された基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行い、よく洗浄した後、高屈折率層(屈折率:2.5、厚み:29nm、TiO2膜)と低屈折率層(屈折率:1.5、厚み:48nmのSiO2膜)とを交互に計15層(1層目および15層目は高屈折率層)、スパッタリング法にて成膜した。これにより、波長330nm以下の短波長域をカットする半透明膜を得た。
実施例1と同様にして、カラーフィルタを作製した。
実施例1、比較例1の階調マスクを用いて形成されたスペーサおよびオーバーコート層について、以下に示す測定を行った。スペーサは断面形状を透過型電子顕微鏡にて観察し、寸法を測定した。また、オーバーコート層は触針式膜厚計にて膜厚を測定し、表面平滑性を評価するためにAFMにて表面粗度と、分光測色計にて400nmの透過率とを測定した。結果を表1に示す。
2 … 着色層
3 … 遮光部
5 … 感光性樹脂層
13 … スペーサ
14 … オーバーコート層
21 … 階調マスク
22 … 透明基板
23 … 半透明膜
24 … 遮光膜
25 … 遮光領域
26 … 半透明領域
27 … 透過領域
Claims (4)
- 着色層が形成された基板上に感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する感光性樹脂層形成工程と、前記感光性樹脂層を、階調マスクを用いて露光し、現像して、前記感光性樹脂からなるスペーサおよびオーバーコート層を同時に形成するスペーサ・オーバーコート層形成工程とを有する液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法であって、
前記階調マスクは、透明基板と、遮光膜と、透過率調整機能を有する半透明膜とが順不同に積層され、前記透明基板上に前記遮光膜が設けられた遮光領域と、前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた半透明領域と、前記透明基板上に前記遮光膜および前記半透明膜のいずれも設けられていない透過領域とを有し、前記半透明膜は、波長365nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長365nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が3.5%〜10.5%の範囲内であり、
さらに、前記階調マスクは、透明基板上に前記遮光膜を成膜したマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、遮光膜の一部をパターニングする第1パターニング工程と、パターニングされた遮光膜が形成された透明基板の全面に半透明膜を成膜する半透明膜成膜工程と、遮光膜および半透明膜をパターニングする第2パターニング工程とを有する階調マスクの製造方法により製造されたものであり、かつ前記半透明膜および前記遮光膜がクロム系膜であることを特徴とする液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。 - 前記半透明膜は、波長405nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長405nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が7.5%〜14.5%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 前記半透明膜は、波長436nmでの透過率が波長300nmでの透過率より大きく、波長436nmでの透過率と波長300nmでの透過率との差が10.5%〜17.5%の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
- 前記半透明膜の波長300nmでの透過率が3.5%〜40%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法。
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