JP4858025B2 - 階調マスク - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置等の製造過程において、ハーフトーン露光に好適に用いられる階調マスクに関するものである。
階調マスクは、例えば図11に示すように、透明基板1と、透明基板1上に形成された露光光を所望の透過率で透過する半透明膜3と、上記半透明膜3上に形成され、上記露光光を実質的に遮光する遮光膜2とを有するものとすること等ができる。この階調マスクは、透明基板1が露出した、光を透過する透過領域cと、遮光膜2によって実質的に光を透過しない遮光領域aと、半透明膜3によって透過する光の量が調整された半透明領域bとを有し、これらの透過率差によって階調を出すことができる(特許文献1参照)。このような階調マスクは例えばTFTアレイのプロセスで使われている2段階エッチング等の際に用いられる。
しかしながら、このような階調マスクに複数の半透明領域が形成されている場合、平均透過率が等しい半透明膜を用いて各半透明領域を形成しているにも関わらず、半透明領域の形状や、半透明領域が隣接している領域の種類等によって、それぞれの半透明領域からの平均照度が異なってしまう場合があった。例えば図12(a)に示すように、透過領域cと隣接するように、透明基板1上に透過率が50%の半透明膜を用いて大きさの異なる半透明領域bおよびb´を形成した場合、面積の大きい半透明領域bからの照度は50%程度となるのに対し、小さい半透明領域b´からの平均照度は、50%以上となってしまう。また例えば図12(b)に示すように、遮光領域aと隣接するように、透明基板1上に透過率が50%の半透明膜を用いて大きさの異なる半透明領域bおよびb´を形成した場合、面積の大きい半透明領域bからの照度は50%程度となるのに対し、小さい半透明領域b´からの平均照度は、50%以下となってしまう。これは、露光光の回折や干渉等によって生じる現象であり、半透明領域の面積が小さい場合、透過領域と隣接している半透明領域に対応する領域では平均照度が高くなり、遮光領域と隣接している半透明領域に対応する領域では平均照度が低くなる。そのため、階調マスクを用いて感光性レジストの露光を行い、現像を行った場合、各半透明領域に対応する領域に残存する感光性レジストの膜厚が均一とならない、という問題があった。
特開2002−189280公報
そこで、複数の半透明領域を有し、露光の際、各半透明領域からの平均照度を均一とすることが可能な階調マスクの提供が望まれている。
本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された遮光膜と、上記透明基板上に形成された半透明膜とを有し、上記透明基板が露出した透過領域、上記透明基板上に上記遮光膜が設けられた遮光領域、および上記透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた複数の半透明領域を有する階調マスクであって、上記各半透明領域からの平均照度を均一化するための調整領域が、上記半透明領域の内部および/または上記半透明領域の外周に形成されていることを特徴とする階調マスクを提供する。
本発明によれば、上記調整領域が形成されていることから、各半透明領域からの平均照度を調整し、均一化することが可能となる。したがって、本発明の階調マスクを用いて感光性レジストの露光および現像を行った際、半透明領域に対応する領域に残存する感光性レジストの膜厚を均一なものとすることが可能となる。
上記発明においては、上記調整領域を、上記透明基板が露出した領域とすることができる。これにより、半透明領域からの平均照度を高く調整することができるからである。
また上記発明においては、上記調整領域を、上記遮光膜が形成された領域とすることもできる。これにより、半透明領域からの平均照度を低く調整することができるからである。
本発明によれば、露光の際、各半透明領域からの平均照度が均一な階調マスクとすることができる。
以下、本発明の階調マスクについて説明する。本発明の階調マスクは、透明基板と、上記透明基板上に形成された遮光膜と、上記透明基板上に形成された半透明膜とを有し、上記透明基板が露出した透過領域、上記透明基板上に上記遮光膜が設けられた遮光領域、および上記透明基板上に上記半透明膜のみが設けられた複数の半透明領域を有する階調マスクであって、上記各半透明領域からの平均照度を均一化するための調整領域が、上記半透明領域の内部および/または上記半透明領域の外周に形成されていることを特徴とするものである。
本発明の階調マスクは、例えば図1(a)の断面図に示すように、透明基板1と、透明基板1上に形成された遮光膜2と、上記透明基板1上に形成された半透明膜3とを有する階調マスクである。また例えば図1(b)の平面図に示すように、上記遮光膜2が形成された遮光領域aと、半透明膜3が形成された複数の半透明領域bと、上記透明基板1が露出した透過領域cとを有しており、半透明領域cの内部や半透明領域cの外周、もしくは半透明領域cの内部および外周に、各半透明領域からの平均照度を調整するための調整領域dが形成されているものである。なお、上記階調マスクにより露光された感光性レジストを現像した際、上記調整領域dは解像されないものとされる。また上記半透明領域の外周に調整領域が形成されているとは、半透明領域の外周全てに調整領域が形成されている場合だけでなく、半透明領域の外周の一部に調整領域が形成されている場合も含むものとする。
上述したように、一般的な階調マスクにおいては、半透明領域の形状や、半透明領域が隣接している領域の種類等によって、それぞれの半透明領域からの平均照度が異なってしまう。そのため、階調マスクを用いて感光性レジストの露光および現像を行った場合、半透明領域に対応する領域に残存する感光性レジストの膜厚が均一とならない、という問題があった。
一方、本発明においては、上記調整領域が半透明領域の内部や外周に形成されていることから、種々のパターン状や大きさに半透明領域が形成されている場合や、透過領域および半透明領域が隣接しているパターンと遮光領域および半透明領域が隣接しているパターンとが混在している場合等であっても、各半透明領域からの平均照度を均一なものとすることができる。したがって、本発明の階調マスクを用いて感光性レジストの露光および現像を行った際、半透明領域に対応する領域に残存する感光性レジストの膜厚を均一なものとすることができ、この感光性レジストを種々のパターニングに利用したり、各種部材として用いること等が可能となる。
なお、本発明の露光マスクは、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタやTFT基板の製造の際に好適に用いられるものであり、通常半透明領域の幅が10μm以下、中でも
5μm以下、特に4μm以下とされる階調マスクに特に有用である。このような階調マスクにおいて、上述したような問題が生じやすいからである。なお、上記下限としては、一般的に液晶表示装置の各種部材を形成する際の解像限界である0.5μm程度とされる。
以下、本発明の階調マスクについて、各構成ごとに詳しく説明する。
1.調整領域
まず、本発明の階調マスクに形成される調整領域について説明する。本発明の階調マスクに形成される透過率調整領域は、後述する半透明領域からの平均照度を調整する機能を有し、複数の半透明領域の平均照度を均一化するために形成される領域である。上記調整領域は、上記半透明領域の平均照度を高くするために設けられるものであってもよく、上記半透明領域の平均照度を低くするために設けられるものであってもよい。各半透明領域の平均照度によって適宜選択して形成される。
上記調整領域の種類や形状、線幅等を決定する方法の一例を説明する。まず、本発明の階調マスクと、調整領域を有しないこと以外は同様の計算用マスクを設計し、この計算用マスクの各半透明領域からの平均照度をシミュレーションし、算出する。その後、平均照度が目的とする範囲内とならない半透明領域を選択し、必要とされる平均照度の調整量を算出する。得られた結果から、形成する調整領域の種類を決定する。すなわち平均照度が低い場合には、平均照度を高くするための調整領域が選択され、平均照度が高い場合には、平均照度を低くするための調整領域が選択される。その後、上記シミュレーションにより、形成する調整領域の形状や線幅等の最適化が行われる。なお、上記調整領域は全ての半透明領域に形成されるものであってもよく、また一部の半透明領域にのみ形成されるものであってもよい。また上記平均照度の算出や、調整領域の最適化を行うシミュレーションに用いられるシミュレータとしては、市販の光学シミュレータ、例えば、SOLID(商品名:シグマC社製)等が挙げられる。
ここで、上記半透明領域の平均照度を高くする場合、調整領域は、通常透明基板が露出した領域とされる。これにより、他の部材を形成することなく容易に調整領域を形成することができ、効率よく階調マスクを形成することが可能となるからである。なお、調整領域を透明基板が露出した領域とする場合には、半透明領域に形成される半透明膜をパターニングすることにより調整領域を形成することができる。
また上記半透明領域の平均照度を低くする場合、調整領域は通常、後述する遮光領域に形成される遮光膜と同様の遮光膜が形成された領域とされる。これにより、調整領域と後述する遮光領域とを一括して形成することができ、効率よく階調マスクを形成することができるからである。なお、調整領域を遮光膜が形成された領域とする場合には、遮光領域に形成される遮光膜をパターニングすることにより調整領域を形成することができる。
また上記調整領域は、半透明領域の内部、外周、または内部および外周に形成され、その形状は、上述したようにシミュレーションにより決定することができる。本発明においては、例えば図1(b)に示すように、上記半透明領域bの外周全て、または外周の一部に直線状に形成されてもよく、また例えば図2に示すように、上記半透明領域bの外周全てや外周の一部に破線状やドット状に形成されてもよい。また例えば図3に示すように、上記半透明領域bの内側にストライプ状に形成されるものであってもよく、また例えば図4に示すように、上記半透明領域bの内側に島状に形成されるもの等であってもよい。またこれらを組み合わせたものであってもよい。
また上記調整領域の幅としては、現像時に解像されない程度の幅とされればよく、半透明領域の形状や、露光に用いられる露光機の開口数等によって適宜選択され、上述したように、シミュレーションにより決定することができる。
本発明の階調マスクの露光に用いられる露光機の開口数としては、通常0.06〜0.12程度とすることができる。
また、上記調整領域の幅は解像されない幅とされ、通常2μm以下、中でも1μm以下とされることが好ましい。また上記半透明領域内にストライプ状や島状等に調整領域が形成される場合、幅が上記値以下の調整領域が散りばめられることが好ましい。
なお本発明においては、個々の半透明領域内で、部位によって平均照度にばらつきがある場合等には、個々の半透明領域内での照度を均一化するために、上述したような調整領域を設けてもよい。
2.遮光領域
次に、本発明の階調マスクに形成される遮光領域について説明する。本発明の階調マスクおける遮光領域は、透明基板上に、実質的に露光光を透過しない遮光膜が形成された領域であればよく、透明基板上に遮光膜のみが形成された領域であってもよく、また半透明膜および遮光膜が積層された領域であってもよい。なお、半透明膜および遮光膜が積層されている場合、遮光膜は、透明基板と半透明膜との間に形成されていてもよく、また透明基板上に形成された半透明膜上に形成されたものであってもよく、積層順序は特に限定されるものではない。また遮光領域の形状は、階調マスクの用途等に応じて適宜選択される。
ここで、本発明においては上記遮光膜の透過率は通常0.1%以下であることが好ましい。上記透過率は、階調マスクに使用する透明基板の透過率をリファレンス(100%)として、遮光領域の透過率を測定し、得られた値をそれぞれ平均することにより算出することができる。透過率を測定する装置としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、またはフォトダイオードアレイを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD等)を用いることができる。
遮光膜としては、一般にフォトマスクに用いられる遮光膜を用いることができる。例えばクロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、チタンなどの膜が挙げられる。また、ニッケル合金、コバルト合金、ニッケル−コバルト合金、およびこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物などの膜も用いることができる。
中でも、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等のクロム系膜;ニッケルを主成分とするNi−Cu−TiおよびNi−Ta−Cu−Ti、ならびにこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等のニッケル合金系膜;コバルトを主成分とするCo−Cu−TiおよびCo−Ta−Cu−Ti、ならびにこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等のコバルト合金系膜;ニッケルおよびコバルトを主成分とするNi−Co−Cu−Ti、およびその酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等のニッケル−コバルト合金系膜が好適に用いられる。上記クロム系膜は、単層であってもよく、2層以上が積層されたものであってもよい。
遮光膜の膜厚としては、特に限定されるものではなく、遮光膜の種類等によって適宜選択されるものであるが、例えばクロム膜の場合には50nm〜150nm程度であることが好ましい。
また遮光膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)が用いられる。
3.半透明領域
次に、本発明の階調マスクにおける半透明領域について説明する。本発明の階調マスクにおける半透明領域は、透明基板上に半透明膜が形成された領域であり、本発明においては階調マスク内に複数形成されることとなる。半透明領域の形状は、階調マスクの用途等に応じて適宜選択される。
上記半透明膜の透過率は波長250nm〜600nmでは、10%〜60%の範囲内、中でも20%〜50%の範囲内であることが好ましい。透過率が上記範囲未満では、半透明領域と遮光領域との透過率の差が出にくくなる場合があり、また透過率が上記範囲を超えると、半透明領域と基板が露出した透過領域との透過率の差が出にくくなる場合があるからである。透過率の測定方法は、上述した方法と同様とすることができる。
本発明に用いられる半透明膜は、階調マスクの種類等によって適宜選択され、特に限定されるものではないが、遮光膜に対してエッチング選択性を有していることが好ましい。これにより階調マスクを製造する際、半透膜のみを選択的にエッチングすることができ、製造効率等の面で好ましいものとすることができるからである。またアライメントずれ、あるいは、半透明膜の成膜時におけるパーティクル(塵など)、あるいは、半透明膜のパターニング時における剥がれ、汚れ付着、パターニングむら等に起因して、半透明膜のパターンに不具合が生じたとしても、半透明膜が遮光膜に対してエッチング選択性を有していれば、半透明膜のみを除去することができるため、半透明膜のみを除去して、リサイクルすることが可能である。
このような半透明膜としては、例えばクロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、チタン、ケイ素、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、あるいは、これらの酸化物、窒化物、炭化物の膜などが挙げられる。
中でも、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、酸化窒化炭化クロム等のクロム系膜;ニッケルを主成分とするNi−Cu−TiおよびNi−Ta−Cu−Ti、ならびにこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等のニッケル合金系膜;コバルトを主成分とするCo−Cu−TiおよびCo−Ta−Cu−Ti、ならびにこれらの酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等のコバルト合金系膜;ニッケルおよびコバルトを主成分とするNi−Co−Cu−Ti、およびその酸化物、窒化物、酸化窒化物、酸化窒化炭化物等のニッケル−コバルト合金系膜であることが好ましい。
ニッケル合金系膜、コバルト合金系膜、ニッケル−コバルト合金系膜では、主成分であるニッケルおよびコバルト以外の元素の含有量を調整することにより、エッチング速度を制御することができる。例えば、ニッケルおよびコバルト以外の元素の含有量が多くなると、エッチング速度が遅くなる。また、酸化窒化炭化物の膜では、炭素の含有量を調整することにより、エッチング速度を制御することができる。具体的には、炭素の含有量が多くなるにつれて、エッチング速度が遅くなる。
半透明膜および遮光膜の好ましい組み合わせとしては、例えば、半透明膜にニッケル合金系膜を用い、遮光膜にクロム系膜を用いた場合、あるいは、半透明膜にクロム系膜を用い、遮光膜にニッケル合金系膜を用いた場合などが挙げられる。この組み合わせの場合には、高いエッチング選択比を実現することができる。
半透明膜の膜厚としては、目的とする透過率を実現可能な膜厚であればよく、半透明膜の種類によって適宜選択される。例えばクロム膜の場合は5〜50nm程度であることが好ましく、また酸化クロム膜の場合は5nm〜150nm程度であることが好ましく、さらにニッケル合金系膜、コバルト合金系膜の場合は20nm〜120nm程度であることが好ましい。
半透明膜の透過率はその膜厚により変わるので、膜厚を制御することで所望の透過率を得ることができる。また、半透明膜が酸素、窒素、炭素などを含む場合は、その透過率は組成により変わるので、膜厚と組成とを同時にコントロールすることで所望の透過率を実現できる。例えば、酸素の含有量が多くなるにつれて透過率が高くなり、同様に、窒素の含有量が多くなるにつれて透過率が高くなる。窒素は、酸素と比較すると透過率が高くなる効果が小さいので、透過率をより微妙に調整する場合には、窒素の含有量を調整するとよい。
半透明膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)が用いられる。例えばスパッタリング法を用いて酸化窒化炭化クロム膜を成膜する場合は、Arガス等のキャリアガス、酸素(炭酸)ガス、窒素ガスを反応装置内に導入し、Crターゲットを用いた反応性スパッタリング法にて酸化窒化炭化クロム膜を成膜することができる。この際、酸化窒化炭化クロム膜の組成の制御は、Arガス、酸素(炭酸)ガス、窒素ガスの流量の割合を制御することにより行うことができる。
4.透過領域
次に、本発明の階調マスクにおける透過領域について説明する。本発明の階調マスクにおける透過領域は、透明基板が露出した領域である。透過領域の形状は、階調マスクの用途等に応じて適宜選択される。
本発明に用いられる透明基板としては、一般にフォトマスクに用いられる基板を使用することができる。透明基板としては、例えばホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。中でも、石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れている。
5.階調マスク
本発明の階調マスクは、上述した遮光領域、半透明領域、透過領域、および調整領域が形成されているものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて例えばアライメント用の領域等が形成されていてもよい。
また本発明の階調マスクはリソグラフィー法などのように、露光工程を経て製造される様々な製品の製造に用いることができる。中でも、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル等の表示装置の製造、特に大型の表示装置の製造に用いることにより、本発明の効果を最大限に利用することができる。
具体的には、薄膜トランジスタ(TFT)におけるドレイン電極およびチャンネルの同時形成、液晶表示装置または液晶表示装置用カラーフィルタにおけるスペーサおよび配向制御用突起の同時形成、液晶表示装置または液晶表示装置用カラーフィルタにおけるスペーサおよびオーバーコート層の同時形成、液晶表示装置または液晶表示装置用カラーフィルタにおける高さの異なるスペーサの同時形成、半透明型液晶表示装置または半透明型液晶表示装置用カラーフィルタにおける透過部用着色層および反射部用着色層の同時形成、有機EL表示装置または有機EL表示装置用カラーフィルタにおける白色パターン用オーバーコート層および赤色・緑色・青色パターン用オーバーコート層の同時形成などを挙げることができる。
また、階調マスクの大きさとしては、用途に応じて適宜調整されるが、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置の製造に用いられる場合には、300mm×400mm〜1,600mm×1,800mm程度とすることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
(遮光膜のパターニング)
光学研磨された5インチの合成石英基板(透明基板)上に、クロム膜(遮光膜)が厚み100nmで成膜されている常用のマスクブランクを用意した。上記マスクブランク上に、市販のフォトレジスト(東京応化工業社製 ip−3500)を厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレートで15分ベークした後、フォトマスク用レーザ描画装置で、遮光膜中間パターン(半透明領域を除くパターン)を描画した。次に、専用のデベロッパー(東京応化工業社製 NMD3)で現像し、遮光膜用レジストパターンを得た。次に、上記遮光膜用レジストパターンをエッチング用マスクとし、クロム膜(遮光膜)をエッチングし、さらに残ったレジストパターンを剥膜することで、遮光膜中間パターン状に遮光膜をパターニングした。クロム膜のエッチングには、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)を用いた。
(半透明膜の形成)
次いで、遮光膜がパターニングされた基板について、パターン寸法検査、パターン欠陥検査、必要に応じてパターン修正を行い、よく洗浄した後、酸化窒化炭化クロム膜(半透明膜)を下記の条件でスパッタリング法にて成膜した。なお、上記酸化窒化炭化クロム膜(半透明膜)の膜厚は35nmとした。
<成膜条件>
・ガス流量比 Ar:CO:N=1:0.5:0.5
・パワー:1.5kW
・ガス圧:3mTorr
(遮光膜および半透明膜のパターニング)
次に、酸化窒化炭化クロム膜上に市販のフォトレジスト(東京応化製 ip−3500)を上記半透明膜上に厚み600nmで塗布し、120℃に加熱されたホットプレート上で15分ベークした。続いて半透明膜領域のパターンをレーザ描画装置で描画し、専用デベロッパー(東京応化社製 NMD3)で現像し、レジストパターンを得た。次に、レジストパターンをマスクとして、市販の硝酸セリウム系ウェットエッチャント(ザ・インクテック社製 MR−ES)で半透明膜および遮光膜をエッチングし、半透明膜領域および遮光領域を形成した。エッチングは半透明膜および遮光膜に対して行った。最後に残ったレジストを剥膜し、パターン寸法検査、パターン欠陥検査などの検査工程を経て、必要に応じてパターン修正を行い、階調マスクを得た。
なお、上記半透明膜の透過率は40%であった。また、上記各領域の各パターンは、図5(a)に示すようなパターンであり、10μm×10μmの矩形状の半透明領域b、4μm×4μmの矩形状の半透明領域b´、透過光領域c、および遮光領域aを有するものとした。
上記半透明領域bおよびb´からの平均照度をSOLID(商品名:シグマC社製)でシミュレーションした結果を図6に示す。図6から明らかなように、4μm×4μmの半透明領域b´の照度が、10μm×10μmの半透明領域bの照度より高くなっている。
そこで、SOLID(商品名:シグマC社製)により、調整領域の形状および幅をシミュレーションしたところ、例えば図5(b)に示すように、4μm×4μmの半透明領域b´の四隅に、1μm角の遮光膜2からなる調整領域dを形成することにより、各半透明領域(bおよびb´)の照度を均一化することができるという結果が得られた。上記4μm×4μmの半透明領域に調整領域を形成した場合の照度をSOLID(商品名:シグマC社製)でシミュレーションした結果を図7に示す。
これに従って、上記4μm×4μmの半透明領域の四隅に1μm角の遮光膜からなる調整領域を有するように、上記と同様の方法により階調マスクを形成し、本発明の階調マスクとした。
[評価]
大きさが100mm×100mm、厚みが0.7mmのガラス基板を準備し、このガラス基板上に市販のフォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ製 AZP1350)を厚み1500nmで塗布し、110℃に加熱されたホットプレート上で90秒ベークした。その後、上記調整領域を有しない階調マスクおよび上記調整領域を有する階調マスクを介して下記条件にて露光した。
<露光条件>
・露光量:160mJ/cm
次いで、専用デベロッパー(AZエレクトロニックマテリアルズ製 AZデベロッパー)で現像し、レジストパターンを得た。形成されたパターンの断面形状をそれぞれ走査型電子顕微鏡にて観察し、寸法を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004858025
上記調整領域を有する4μm×4μmのパターンのレジスト残膜量と、10μm×10μmのパターンのレジスト残膜量をほぼ一致させることができた。
[実施例2]
例えば図8(a)に示すように、透過領域c内に5μm×5μmの矩形状に半透明膜3が形成された半透明領域bと、8μm×8μmの矩形状の遮光領域a内に5μm×5μmの矩形状に半透明膜3が形成された半透明領域b´とを有する階調マスクを形成した。なお、上記半透明領域に形成された半透明膜、および上記遮光領域に形成された遮光膜の形成材料や形成方法は、実施例1と同様とする。
上記半透明領域bおよびb´からの平均照度をSOLID(商品名:シグマC社製)でシミュレーションした結果を図9に示す。図9から明らかなように、遮光領域aに囲まれた半透明領域b´からの照度(図中、Cr内HTで示される照度)と、透過領域cに囲まれた半透明領域b(図中、Qz内HTで示される照度)からの照度は大きく異なっている。
そこで、SOLID(商品名:シグマC社製)により、調整領域の形状および幅をシミュレーションしたところ、例えば図7(b)に示すように、遮光領域aに囲まれた半透明領域b´内に、透明基板1が露出した1μm角の調整領域dを8箇所形成することにより、各半透明領域(bおよびb´)の照度を均一化することができるという結果が得られた。上記調整領域を形成した半透明領域からの照度をSOLID(商品名:シグマC社製)でシミュレーションした結果を図10に示す。これに従って、上記調整領域を有する本発明の階調マスクを形成した。なお、上記調整領域は、上記半透明膜をパターニングすることにより形成した。
[評価]
現像時間を50sにした以外は、実施例1と同様に感光性レジストを露光および現像し、レジストパターンを得た。形成されたパターンの断面形状をそれぞれ走査型電子顕微鏡にて観察し、寸法を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0004858025
上記調整領域を有する8μm×8μmの遮光領域に囲まれた半透明領域5μm×5μmのパターンのレジスト残膜量と、遮光領域に囲まれていない半透明領域5μm×5μmのパターンのレジスト残膜量をほぼ一致させることができた。
本発明の階調マスクを説明するための図である。 本発明の階調マスクを説明するための図である。 本発明の階調マスクを説明するための図である。 本発明の階調マスクを説明するための図である。 本発明の階調マスクの実施例を説明するための図である。 本発明の階調マスクの実施例を説明するためのグラフである。 本発明の階調マスクの実施例を説明するためのグラフである。 本発明の階調マスクの実施例を説明するための図である。 本発明の階調マスクの実施例を説明するためのグラフである。 本発明の階調マスクの実施例を説明するためのグラフである。 従来の階調マスクを説明するための図である。 従来の階調マスクを説明するための図である。
符号の説明
1 … 透明基板
2 … 遮光膜
3 … 半透明膜
a … 遮光領域
b … 半透明領域
c … 透過領域
d … 調整領域

Claims (1)

  1. 透明基板と、前記透明基板上に形成された遮光膜と、前記透明基板上に形成された半透明膜とを有し、前記透明基板が露出した透過領域、前記透明基板上に前記遮光膜が設けられた遮光領域、および前記透明基板上に前記半透明膜のみが設けられた複数の半透明領域を有する階調マスクであって、
    前記各半透明領域からの平均照度を均一化するための調整領域が、前記半透明領域の内部および/または前記半透明領域の外周に形成され
    前記調整領域が平均照度の低い前記半透明領域の内部および/または前記半透明領域の外周に形成された前記透明基板が露出した領域を含むものであることを特徴とする階調マスク。
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