JP2007279441A - ハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パターンの寸法に応じて適切な光透過率をハーフトーン膜に対して与えることが可能なハーフトーン型位相シフトマスクを提供すること。
【解決手段】透光性基板11の、遮光パターンが形成される部分、及び半遮光パターンが形成される部分に設けられたハーフトーン膜12と、ハーフトーン膜12のうち、遮光パターンが形成される部分にあるハーフトーン膜12上に設けられた遮光膜13とを備える。半遮光パターンは、ハーフトーン膜12からなる第1の半遮光パターン、及び第1の半遮光パターンよりも寸法が小さいハーフトーン膜からなる第2の半遮光パターンを含み、この第2の半遮光パターンを含む領域の光透過経路32中に、この光透過経路32の光透過率を調整する元素を含む。
【選択図】図1
【解決手段】透光性基板11の、遮光パターンが形成される部分、及び半遮光パターンが形成される部分に設けられたハーフトーン膜12と、ハーフトーン膜12のうち、遮光パターンが形成される部分にあるハーフトーン膜12上に設けられた遮光膜13とを備える。半遮光パターンは、ハーフトーン膜12からなる第1の半遮光パターン、及び第1の半遮光パターンよりも寸法が小さいハーフトーン膜からなる第2の半遮光パターンを含み、この第2の半遮光パターンを含む領域の光透過経路32中に、この光透過経路32の光透過率を調整する元素を含む。
【選択図】図1
Description
この発明は、フォトマスク及びその製造方法に係わり、特に、ハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法に関する。
近年、半導体製造プロセスに用いられているフォトリソグラフィ工程での課題が顕著になりつつある。半導体デバイスの微細化が進むに連れ、フォトリソグラフィ工程での微細化に対する要求が高まっている。既に、最先端のデバイスの設計ルールはハーフピッチ(hp)=45nmにまで微細化し、液浸露光と偏光照明を組み合わせた露光により何とか微細化に対応している。このような中、従来無視することのできたフォトマスクの立体的な構造が問題となってきている。
理想的なフォトマスクは厚さが無く単に遮光パターンと開口部によりパターンが形成されているものである。光近接効果補正などを行っているリソグラフィシミュレーションにおいてもフォトマスクは厚さの無いものとして取り扱われている。しかしながら偏光照明や、液浸露光による高NA化により、マスクを厚さの無いものとして取り扱うことが難しい状況になってきた。具体的には、例えばハーフトーン型位相シフトマスクにおいては、遮光パターンであるハーフトーンパターンは厚さ約60nmのMoSiON化合物である。この60nmの厚さを従来無視してきたがマスク上に形成するパターンの寸法が200nmを下回る状況になると、厚さを無視したリソグラフィシミュレーション結果と厳密にハーフトーン膜の厚さを考慮したリソグラフィシミュレーションとの間に乖離が生じる。その結果、従来最適とされていたハーフトーンマスクの光透過率6%がhp=50nm以下の微細パターンでは最適では無くなり、hp=45nmのパターンでは2%以下というもっと低い光透過率が最適であることが非特許文献1に示されている。
これは、マスクを通過した回折光の0次回折光と1次回折光の強度バランスがマスクの立体構造の影響を受け崩れてしまったためで、寸法が小さくなるにつれ0次回折光の強度が相対的に弱くなってしまうことに起因する。ハーフトーン型位相シフトマスクは0次回折光と1次回折光の強度がほぼ等しくなるところで最も効果を発揮する。この0次回折光と1次回折光の強度比が最適になる透過率が、微細パターンでは寸法が小さくなるにつれ低くなるのである。
ところが、hp=45nmの集積回路パターン(本明細書ではデバイスパターンと呼ぶ)を持つ半導体集積回路装置を製造するフォトマスクにおいても、hp=45nmのパターン領域も存在すれば、hp=45nmよりも大きいパターン領域も存在する。これは、フォトマスク面内のデバイスパターンの寸法によってハーフトーンパターンの最適な光透過率が異なる、という事情が生じることを示唆する。
ところで、レベンソン型位相シフトマスクにおいては、特許文献1にあるように、開口部の寸法により開口部の光透過率が異なる(一般的に波長と同程度の寸法では小さい開口部ほど光透過率が小さくなる現象は良く知られている)ため、もっとも光透過率が小さくなる微細パターンに合わせて開口部の大きい領域の光透過率を下げる方法が開示されている。
T. Sato, et al., "Impact of polarization for an attenuated phase shift mask with ArF hyper-NA lithography, Proceedings of SPIE vol.5754 pp1063-1069 特開平6−118614号公報
T. Sato, et al., "Impact of polarization for an attenuated phase shift mask with ArF hyper-NA lithography, Proceedings of SPIE vol.5754 pp1063-1069
この発明は、パターンの寸法に応じて適切な光透過率をハーフトーン膜に対して与えることが可能なハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法を提供する。
この発明の第1態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクは、遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクであって、透光性基板と、前記透光性基板の、前記遮光パターンが形成される部分、及び前記半遮光パターンが形成される部分に設けられたハーフトーン膜と、前記ハーフトーン膜のうち、前記遮光パターンが形成される部分にある前記ハーフトーン膜上に設けられた遮光膜と、を備え、前記半遮光パターンは、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい前記ハーフトーン膜からなる第2の半遮光パターンを含み、前記第2の半遮光パターンを含む領域の光透過経路中に、この光透過経路の光透過率を調整する元素が、前記第1の半遮光パターンを含む領域とは異なる組成比で含まれている。
この発明の第2態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法は、遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、透光性基板上に積層されたハーフトーン膜と遮光膜とを少なくとも備えるマスクブランクスを用意する工程と、前記マスクブランクスに、前記ハーフトーン膜、及び前記遮光膜の積層からなる遮光パターンと、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記ハーフトーン膜からなり、前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい第2の半遮光パターンを含む半遮光パターンと、を形成する工程と、前記マスクブランクスの、前記第2の半遮光パターンを含む領域の光透過経路中に、この光透過経路の光透過率を調整する元素を導入する工程とを具備する。
この発明の第3態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクは、遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクであって、透光性基板と、前記透光性基板の、前記遮光パターンが形成される部分、及び前記半遮光パターンが形成される部分に設けられたハーフトーン膜と、前記ハーフトーン膜の、前記遮光パターンが形成される部分に設けられた遮光膜と、を備え、前記半遮光パターンは、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい前記ハーフトーン膜からなる第2の半遮光パターンを含み、前記第2の半遮光パターンにおける前記ハーフトーン膜の屈折率は、前記第1の半遮光パターンにおける前記ハーフトーン膜の屈折率と異なり、前記第2の半遮光パターンが形成される領域に、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相との位相差を調整する位相差調整領域がある。
この発明によれば、パターンの寸法に応じて適切な光透過率をハーフトーン膜に対して与えることが可能なハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法を提供できる。
この発明の実施形態は、従来のレベンソン型位相シフトマスクの事情とは異なる事情に鑑みて為されたもので、前述の如くハーフトーン型位相シフトマスクにおける0次回折光と1次回折光の強度をそろえるためにハーフトーン膜の光透過率をパターンの寸法に応じて変化させる手法を提供するものである。
この発明の実施形態は、基本的に、例えば、6%程度の光透過率を有するハーフトーンマスクブランクスに、光透過率を下げたい領域(最終的に微細パターンが形成される領域)が開口部となったマスクパターン(一例はレジストパターン)を形成し、該マスクパターンをマスクに用いて、光透過率を調整する元素を光透過経路中に導入すること(一例はイオン注入すること)により、マスク面内のハーフトーン膜の光透過率を部分的に2%程度に下げる。
その後、新たなマスクパターン(一例はレジストパターン)を形成し、通常のフォトマスク形成プロセスに従ってハーフトーンパターンを形成することで、低い光透過率が最適な微細パターン領域は低い光透過率を有し、高い光透過率が最適な大きなパターン領域は高い光透過率を有することができる。
このようなハーフトーン型位相シフトマスクを利用すれば、例えば、hp=45nm以下という極微細な回路パターンと、hp=45nmを超える回路パターンとを含む半導体集積回路装置を歩留り良く製造することが可能となる。
以下、この発明の実施形態のいくつかを、図面を参照して説明する。なお、図面においては、同一の部分については同一の参照符号を付す。
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクを示す図である。
図1は、この発明の第1実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクを示す図である。
図1に示すように、本例に係るハーフトーン型位相シフトマスクは、透光性基板11と、ハーフトーン膜12と、遮光膜13とを備える。ハーフトーン膜12は、透光性基板11のうち、遮光パターンが形成される部分、及び半遮光パターンが形成される部分に設けられる。遮光膜13は、ハーフトーン膜12のうち、遮光パターンが形成される部分に設けられる。遮光パターンの一例は、ウェーハ露光時における漏れ光を抑えるためにフォトマスクに設けられる遮光帯部である。
半遮光パターンは、ハーフトーン膜12からなる第1の半遮光パターン31と、同じくハーフトーン膜12からなり、第1の半遮光パターン31よりも寸法が小さい第2の半遮光パターン30とを含む。
図1中、矢印32、33は、光透過経路を示す。光透過経路32は第1の半遮光パターン31よりも寸法が小さい第2の半遮光パターン30を含む領域の光透過経路である。光透過経路33は第1の半遮光パターン31を含む領域の光透過経路である。
光は、透光性基板11の、ハーフトーン膜12、及び遮光膜13が形成されていない面から入射され、透光性基板(一例は石英基板)11を介して、及び透光性基板11とハーフトーン膜(一例はMoSiON化合物膜)12とを介して縮小投影光学系に入射される。縮小投影光学系を出た光は、半導体基板(一例はウェーハ)上に形成されたフォトレジスト膜に照射される。フォトレジスト膜には、ハーフトーン型位相シフトマスクに、半遮光パターン、及び遮光パターンを利用して描かれたデバイスパターンに従って感光しない部分と、感光する部分とが得られる。デバイスパターンとは、上述の通り、回路パターンのことであり、例えば、素子領域のパターン、配線のパターン、及びコンタクトホールのパターン(又はヴィアホールのパターン、又は配線溝のパターン)など、半導体集積回路装置の層毎に形成されるパターンを指す。
第2の半遮光パターン30は、ハーフトーン型位相シフトマスクの中で、小さい寸法を有するパターンである。第2の半遮光パターン30の寸法の一例は、ウェーハ上のフォトレジストを露光したとき、hp=45nmのパターンが得られる寸法である。
第1の半遮光パターン31は、第2の遮光パターン30よりも大きい寸法を有するパターンである。第1の半遮光パターン31の寸法の一例は、ウェーハ上のフォトレジストを露光したとき、hp=45nm超のパターンが得られる寸法である。
なお、第2の半遮光パターン30は、hp=45nmのように、最も寸法が小さいパターンが得られるパターンに限られるものではなく、例えば、hp=50nm以下のパターンが得られるパターンのように、寸法が小さいパターンが得られるパターンであって良い。この場合には、第1の半遮光パターン31は、hp=50nm超のパターンが得られるパターンとすれば良い。
第1実施形態は、第2の半遮光パターン30を含む領域(微細パターン領域)の光透過経路32中に、この光透過経路32の光透過率を調整する元素を含む。本例では、この元素が、例えば、第2の半遮光パターン30を含む領域の光透過経路32中には、第1の半遮光パターン31を含む領域とは異なる組成比で含まれる。これにより、第1実施形態は、第1の半遮光パターン31を含む領域(大きなパターン領域)の光透過率と、第2の半遮光パターン30を含む領域の光透過率とに、それぞれ最適な光透過率を与えることができる。
最適な光透過率の一例は、露光装置の光源をArFエキシマレーザー(波長=193nm)、ハーフトーン膜12を厚さ60nmのMoSiON化合物膜、hp=45nmを解像する、と仮定したとき、第1の半遮光パターン31を含む領域にあるハーフトーン膜12において6%、第2の半遮光パターン30を含む領域にあるハーフトーン膜12において2%である。
光透過率を調整することが可能な元素の例としては、透光性基板11を石英、ハーフトーン膜12をMoSiON化合物と仮定したとき、ガリウム(Ga)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、及びタングステン(W)を挙げることができる。ハーフトーン膜12、又は上記元素のうちの、少なくとも一つを含むことで、光透過経路中の光透過率を調整することができる。
特に、上記元素を、ハーフトーン膜12中に導入した場合には、ハーフトーン膜12自体の光透過率を調整することができる。また、上記元素を、透光性基板11中に導入した場合には、透光性基板11の光透過率が調整されるので、ハーフトーン膜12を出射する光の透過量を調整することができる。即ち、ハーフトーン膜12の光透過率を実効的に調整したことと等価となる。
なお、ハーフトーン膜12にMoSiON化合物を利用し、光透過率を調整する元素にモリブデンを利用し、このモリブデンをハーフトーン膜12中に導入したときには、ハーフトーン膜12に含まれるMoの量が部分的に変化する。即ち、一つのハーフトーン膜12にモリブデンがリッチな領域とプアな領域とが得られる。光透過率は、モリブデンがリッチな領域とプアな領域とで変わる。
同様に、ハーフトーン膜12にMoSiON化合物を利用し、光透過率を調整する元素にシリコンを利用し、このシリコンをハーフトーン膜12中に導入したときには、ハーフトーン膜12にシリコンがリッチな領域とプアな領域とが得られ、光透過率は、シリコンがリッチな領域とプアな領域とで変わる。
透光性基板11に石英(SiO2)を利用し、光透過率を調整する元素にシリコンを利用し、このシリコンを透光性基板11中に導入したときには、透光性基板11にシリコンがリッチな領域とプアな領域とが得られ、光透過率は、シリコンがリッチな領域とプアな領域とで変わる。
次に、第1実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を説明する。
図2〜図9は、第1実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクを、製造工程順に示す断面図である。
まず、マスク上に形成するパターンデータから低透過率パターンとしたい微細パターン領域のパターンデータを発生させる。
次に、図2に示すように、ArFハーフトーン(HT)マスクブランクスを準備する。本例のマスクブランクスは、透光性基板11と、透光性基板11上に形成された透過率6%のハーフトーン膜12と、ハーフトーン膜12上に形成された遮光膜13と、遮光膜13上に塗布された電子ビームレジスト14とを備える。透光性基板11の一例は石英基板である。同じくハーフトーン膜12の一例はMoSiON化合物である。同じく遮光膜13の一例はクロムである。
なお、マスクブランクスには、電子ビームレジスト14が塗布されていないマスクブランクス(レジストレスマスクブランクス)もある。即ち、マスクブランクスは、少なくとも透光性基板11と、ハーフトーン膜12と、遮光膜13とを有していれば良い。レジストレスマスクブランクスを利用する場合には、フォトマスク製造工場において、遮光膜13上に電子ビームレジスト14を塗布すれば良い。これは、後述する全ての実施形態において共通の事項である。
次に、先に発生させたパターンデータから微細パターン領域となる領域を抽出し、電子ビームマスク描画装置(一例はニューフレアテクノロジー製EBM5000)を用いて、微細パターン領域となる領域に対応した開口パターン15と、アライメントマーク10とを描画する。次いで、電子ビームレジスト14を現像し、開口パターン15と、アライメントマーク10とを有するレジストパターンを得る。
次に、図3に示すように、レジスト14をマスクに用いて、Gaイオン16aを、7×1015ions/cm2のドーズ量でブランクスにイオン注入する。レジスト14がある領域においては、Gaイオンがレジスト14によって減速されるので、Gaイオンは遮光膜13中に留まる(参照符号16b)。反対に、レジスト14がない領域においては、Gaイオンは遮光膜13を通り抜け、ハーフトーン膜12中に留まる(参照符号16c)。ハーフトーン膜12のうち、Gaイオン16cが注入された領域の光透過率は6%から2%に減少する。
次に、図4に示すように、レジスト14をエッチングマスクとして遮光膜13をウェットエッチングする。このとき、遮光膜13にはアライメントマーク10が形成される。
次に、図5に示すように、レジスト14を剥離した後、新たに電子ビームレジスト18を塗布する。次いで、電子ビーム描画装置を用いて、レジスト18に遮光膜13の剥離に用いる開口を描画する。この描画は、先に遮光膜13に形成されたアライメントマーク10を位置合わせの目標として利用しながら行う。次いで、レジスト18を現像する。レジスト18に形成された開口からは、遮光膜13のうち、透過率が6%のままでよい、つまり、あまり微細でないパターン領域17となる領域が露出する。
次に、図6に示すように、レジストパターン18、及びハーフトーン膜12をエッチングのマスクに用いて、遮光膜13をウェットエッチングする。
次に、図7に示すように、レジスト18を剥離した後、新たに電子ビームレジスト19を塗布する。次いで、電子ビーム描画装置を用いて、レジスト19にデバイスパターンを描画する。この描画も、先に遮光膜13に形成されたアライメントマーク10を位置合わせの目標として利用しながら行う。次いで、レジスト19を現像する。レジスト19を現像することで、レジスト19はデバイスパターンに応じて残る。デバイスパターンは、ハーフトーン膜12のうち、Gaイオンが注入された領域上に形成される微細なパターンと、ハーフトーン膜12のうち、Gaイオンが注入されていない領域上に形成されるあまり微細ではないパターンとを含む。
次に、図8に示すように、レジスト19をエッチングのマスクに用いて、ハーフトーン膜12をドライエッチングする。これにより、ハーフトーン膜12は、デバイスパターンの通りにパターニングされる。
次に、図9に示すように、レジスト19を剥離する。これにより、光透過率が2%のハーフトーン膜12を含む微細パターン領域30と、光透過率が6%のハーフトーン膜12を含むあまり微細でないパターン領域31とを備えたハーフトーン型位相シフトマスクが完成する。
第1実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクを用いて、hp=45nmの半導体デバイスを製作したところ、ハーフトーン膜12の光透過率が一律6%の場合、又はハーフトーン膜12の光透過率が一律2%の場合と比較してリソグラフィの余裕度が向上した。この結果、半導体集積回路装置を、歩留りよく製造することが可能となった。
また、第1実施形態において説明した製造方法によれば、アライメントマーク10を、光透過率を調整する元素、本例ではGaをイオン注入するための開口15と同時に形成する。このため、開口15はアライメントマーク10からのずれが無い。従って、図5に示した遮光膜13を剥離するための開口を有するレジスト18、及びデバイスパターンに従ったレジスト19は、アライメントマーク10を位置合わせの目標とすることで、ハーフトーン膜12のGaイオン16cが注入された領域に対して精度良く合わせることができる。このような製造方法は、微細なパターンを有する半導体デバイスの製造に利用されるハーフトーン型位相シフトマスクを製造するときに有利である。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る製造方法が、第1実施形態で説明した製造方法と異なるところは、特に、
(1) アライメントマーク10を、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)を用いて形成すること
(2) デバイスパターンに対応したパターンを持つレジストを、段差がない遮光膜13上に形成すること
である。
第2実施形態に係る製造方法が、第1実施形態で説明した製造方法と異なるところは、特に、
(1) アライメントマーク10を、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)を用いて形成すること
(2) デバイスパターンに対応したパターンを持つレジストを、段差がない遮光膜13上に形成すること
である。
第2実施形態に係る製造方法によれば、デバイスパターンに対応したパターンを持つレジストを、段差がない遮光膜13上に形成するので、上記レジストを段差があるブランクス上に形成する場合に比較して、微細加工に有利、という利点をさらに得ることができる。
以下、その一例を説明する。
図10〜図18は、この発明の第2実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。図10〜図18において、図2〜図9と同じ箇所には同じ参照符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図10、及び図11に示す工程は、図2、及び図3に示した工程と同様である。
次に、図12に示すように、レジスト14をエッチングのマスクに用いて、レジスト14に形成された開口(アライメントマーク10)を介して、遮光膜13を集束イオンビーム(FIB)によりエッチングする。これにより、遮光膜13にアライメントマーク10が形成される。
次に、図13に示すように、レジスト14を剥離した後、新たに電子ビームレジスト19を塗布する。次いで、電子ビーム描画装置を用いて、レジスト19にデバイスパターンを描画する。この描画は、先に遮光膜13に形成されたアライメントマーク10を位置合わせの目標として利用しながら行う。次いで、レジスト19を現像する。レジスト19を現像することで、レジスト19はデバイスパターンに応じて残る。デバイスパターンは、ハーフトーン膜12のうち、Gaイオンが注入された領域上に形成される微細なパターンと、ハーフトーン膜12のうち、Gaイオンが注入されていない領域上に形成されるあまり微細ではないパターンとを含む。
次に、図14に示すように、レジスト19をエッチングのマスクに用いて、遮光膜13をドライエッチングする。
次に、図15に示すように、レジスト19を剥離した後、遮光膜13をエッチングのマスクに用いてハーフトーン膜12をドライエッチングする。これにより、ハーフトーン膜12は、デバイスパターンの通りにパターニングされる。
次に、図16に示すように、新たに電子ビームレジスト21を塗布する。次いで、電子ビーム描画装置を用いて、レジスト21に遮光膜13を剥離するための開口を描画する。この描画も、先に遮光膜13、及びハーフトーン膜12に形成されたアライメントマーク10を位置合わせの目標として利用しながら行う。次いで、レジスト21を現像し、レジスト21に遮光膜13を剥離するための開口を形成する。
次いで、図17に示すように、レジスト21をエッチングのマスクに用いて、遮光膜13をウェットエッチングする。
次に、図18に示すように、レジスト21を剥離する。これにより、光透過率が2%のハーフトーン膜12を含む微細パターン領域30と、光透過率が6%のハーフトーン膜12を含むあまり微細でないパターン領域31とを備えたハーフトーン型位相シフトマスクが完成する。
第2実施形態に係る製造方法に従って製造された位相シフトマスクを用いて、hp=45nmの半導体デバイスを製作したところ、第1実施形態と同様に、ハーフトーン膜12の光透過率が一律6%の場合、又はハーフトーン膜12の光透過率が一律2%の場合と比較してリソグラフィの余裕度が向上した。この結果、半導体デバイスを、歩留りよく製造することが可能となった。
また、第2実施形態に係る製造方法によれば、デバイスパターンに対応したパターンを持つレジスト19を、段差がない遮光膜13上に形成する。このため、上記レジスト19を段差があるブランクス上に形成する場合に比較して、微細加工に有利、という利点をさらに得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る製造方法が、第1実施形態で説明した製造方法と異なるところは、特に、
(1) 透過率を調整するための元素を、遮光膜13をマスクに用いてハーフトーン膜12中にイオン注入すること
である。
第3実施形態に係る製造方法が、第1実施形態で説明した製造方法と異なるところは、特に、
(1) 透過率を調整するための元素を、遮光膜13をマスクに用いてハーフトーン膜12中にイオン注入すること
である。
透過率を調整するための元素は、遮光膜13をマスクに用いてハーフトーン膜12にイオン注入するようにしても良い。
図19〜図26は、この発明の第3実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。図19〜図26において、図2〜図9と同じ箇所には同じ参照符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図19に示す工程は、図2に示した工程と同様である。
次に、図20に示すように、レジスト14をエッチングのマスクに用いて、遮光膜13をウェットエッチングする。このとき、遮光膜13にアライメントマーク10が形成される。
次に、図21に示すように、レジスト14を剥離する。次いで、遮光膜13をマスクに用いて、Gaイオン16aを7×1015ions/cm2のドーズ量でブランクスにイオン注入する。遮光膜13がある領域においては、Gaイオンが遮光膜13によって減速されるので、Gaイオンは遮光膜13中に留まる(参照符号16b)、反対に、遮光膜13がない領域においては、Gaイオンはハーフトーン膜12に注入され、ハーフトーン膜12中に留まる(参照符号16c)。ハーフトーン膜12のうち、Gaイオン16cが注入された領域の光透過率は6%から2%に減少する。
図22〜図26に示す工程は、図5〜図9に示した工程と同様である。
第3実施形態のように、透過率を調整するための元素は、遮光膜13をマスクに用いてハーフトーン膜12にイオン注入するようにしても良い。
第3実施形態に係る製造方法に従って製造された位相シフトマスクを用いて、hp=45nmの半導体デバイスを製作したところ、第1、第2実施形態と同様に、ハーフトーン膜12の光透過率が一律6%の場合、又はハーフトーン膜12の光透過率が一律2%の場合と比較してリソグラフィの余裕度が向上した。この結果、半導体デバイスを、歩留りよく製造することが可能となった。
(第4実施形態)
図27〜図34は、この発明の第4実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。
図27〜図34は、この発明の第4実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。
第4実施形態は、第1実施形態において説明した製造方法と基本的に同じであるが、光透過率を調整する元素をイオン注入する場所がハーフトーン膜12中ではなく、特に、図28に示すように、透光性基板(石英基板)11中にあるところが異なる。注入された領域には、参照符号16dを付す。図27〜図34に示す工程のうち、図28を除く工程は、図2〜図9に示した工程と同じである。またその効果も同じである。同一の部分には同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
(第5実施形態)
図35〜図43は、この発明の第5実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。
図35〜図43は、この発明の第5実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。
第5実施形態は、第2実施形態において説明した製造方法と基本的に同じであるが、光透過率を調整する元素をイオン注入する場所がハーフトーン膜12中ではなく、特に、図36に示すように、透光性基板(石英基板)11中にあるところが異なる。注入された領域には、参照符号16dを付す。図35〜図43に示す工程のうち、図36を除く工程は、図10〜図18に示した工程と同じである。またその効果も同じである。同一の部分には同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
(第6実施形態)
図44〜図51は、この発明の第6実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。
図44〜図51は、この発明の第6実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。
第6実施形態は、第3実施形態において説明した製造方法と基本的に同じであるが、光透過率を調整する元素をイオン注入する場所がハーフトーン膜12中ではなく、特に、図46に示すように、透光性基板(石英基板)11中にあるところが異なる。注入された領域には、参照符号16dを付す。図44〜図51に示す工程のうち、図46を除く工程は、図19〜図26に示した工程と同じである。またその効果も同じである。同一の部分には同一の参照符号を付し、その説明は省略する。
(第7実施形態)
第7実施形態に係る製造方法が、第1〜第6実施形態で説明した製造方法と異なるところは、特に、
(1) 一枚のマスクパターン(一例はレジストパターン)に、遮光膜13にアライメントマークを画定する開口パターンと、デバイスパターンとを形成すること
である。
第7実施形態に係る製造方法が、第1〜第6実施形態で説明した製造方法と異なるところは、特に、
(1) 一枚のマスクパターン(一例はレジストパターン)に、遮光膜13にアライメントマークを画定する開口パターンと、デバイスパターンとを形成すること
である。
第7実施形態に係る製造方法によれば、一枚のマスクパターンに、アライメントマークを画定する開口パターンと、デバイスパターンとを形成するので、デバイスパターンとアライメントマークとのずれが、第1〜第6実施形態に比べて小さくなる、という利点を得ることができる。
以下、その一例を説明する。
図52〜図60は、この発明の第7実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。
まず、第1実施形態と同様に、マスク上に形成するパターンデータから低透過率パターンとしたい微細パターン領域のパターンデータを発生させる。
次に、図52に示すように、ArFハーフトーン(HT)マスクブランクスを準備する。本例のマスクブランクスは第1実施形態のマスクブランクスと同様であり、透光性基板11と、透光性基板11上に形成された透過率6%のハーフトーン膜12と、ハーフトーン膜12上に形成された遮光膜13と、遮光膜13上に塗布された電子ビームレジスト膜とを備える。次いで、電子ビームマスク描画装置(一例はニューフレアテクノロジー製EBM5000)を用いて、先に発生させたパターンデータに基づき、レジスト膜に、アライメントマーク10を画定する開口パターン、及びデバイスパターンを描画する。次いで、レジスト膜を現像し、上記開口パターンとデバイスパターンとを有するレジストパターン23を形成する。
次に、図53に示すように、レジストパターン23をエッチングのマスクに用いて、遮光膜13をエッチング、例えば、ドライエッチングし、遮光膜13に、デバイスパターンと、開口パターンに対応したアライメントマーク10を形成する。遮光膜13には、デバイスパターンとともに、アライメントマーク10が同時に形成される。
次に、図54に示すように、レジストパターン23を剥離する。次いで、遮光膜13及びハーフトーン膜12上にレジストを塗布し、レジスト膜を形成する。次いで、上記電子ビームマスク描画装置を用いて、遮光膜13に形成されたアライメントマークを基準として位置合わせを行いながら、レジスト膜に、光透過経路、本例では、ハーフトーン膜12の光透過率を変化させる元素を導入する領域を画定する開口パターン100を描画する。元素を導入する領域、即ち、開口パターン100は、デバイスパターンと同時に形成されたアライメントマーク10を基準に位置が合わせられる。従って、開口パターン100は、デバイスパターンに対して精度良く位置を合わせることができ、所望の位置に上記元素を精度良く導入することが可能になる。次いで、レジスト膜を現像し、開口パターン100を有するレジストパターン22を形成する。
次に、図55に示すように、開口パターン100を介して、ハーフトーン膜12中に、このハーフトーン膜12の光透過率を変化させるための元素、本例では、Gaイオンをイオン注入する。イオン注入の条件の一例は、Gaイオンのドーズ量=7×1015ions/cm2である。Gaイオンは、レジストパターン22がある領域では、レジストパターン22によって減速されるので、レジストパターン22中に留まる(参照符号16e)。Gaイオンは、レジストパターン22がない領域では、遮光膜13を通り抜け、ハーフトーン膜12中に注入される(参照符号16c)。ハーフトーン膜12の光透過率は、Gaイオンが注入された領域において6%から、例えば、2%に減少する。
次に、図56に示すように、レジストパターン22を剥離する。
次に、図57に示すように、遮光膜13をエッチングのマスクに用いて、ハーフトーン膜12をエッチング、例えば、ドライエッチングする。ハーフトーン膜12は、先に遮光膜13に形成されたデバイスパターン、及びアライメントマーク10の通りに加工される。
次に、図58に示すように、遮光膜13及び透光性基板11上にレジストを塗布し、レジスト膜を形成する。次いで、上記電子ビームマスク描画装置を用いて、本例では、遮光膜13及びハーフトーン膜12に形成されたアライメントマーク10を基準として位置合わせを行いながら、レジスト膜に、遮光膜13の一部、本例では、遮光膜13のうち、遮光パターンとしない領域にある遮光膜13をエッチングするための開口パターン101を描画する。次いで、次いで、レジスト膜を現像し、開口パターン101を有するレジストパターン21を形成する。
次に、図59に示すように、レジストパターン21をエッチングのマスクに用いて、遮光膜13の一部、本例では、遮光膜13のうち、遮光パターンとしない領域にある遮光膜13をエッチング、例えば、ウェットエッチングする。
最後に、図60に示すように、レジストパターン21を剥離することで、第7実施形態に係る製造方法に従って製造されたハーフトーン型位相シフトマスクが完成する。
第7実施形態に係る製造方法に従って製造されたハーフトーン型位相シフトマスクにおいても、透過率が2%に調節された微細パターン領域31と、透過率が6%のままとされた、あまり微細でないパターン領域30とを含む。従って、第1〜第6実施形態と同様に、ハーフトーン膜12の光透過率が一律6%の場合、又はハーフトーン膜12の光透過率が一律2%の場合と比較してリソグラフィの余裕度が向上する。リソグラフィの余裕度が向上することで、半導体集積回路装置を、歩留り良く製造することができる。
また、第7実施形態によれば、デバイスパターン及びアライメントマークを、遮光膜13に一緒に形成するので、デバイスパターンとアライメントマークとのずれが無い、もしくはずれが最小限になる、という利点を得ることができる。この利点から、第7実施形態に従って製造されたハーフトーン型位相シフトマスクは、微細なデバイスパターンを持つ半導体集積回路装置の製造に好適である。
(第8実施形態)
第8実施形態に係る製造方法が、第7実施形態で説明した製造方法と異なるところは、特に、
(1) ハーフトーン膜12をエッチングする工程において、ハーフトーン膜12のうち、光透過率を調整する元素が導入された領域のエッチング速度が、上記元素が導入されていない領域のエッチング速度よりも遅い条件で、ハーフトーン膜12をエッチングすること
である。
第8実施形態に係る製造方法が、第7実施形態で説明した製造方法と異なるところは、特に、
(1) ハーフトーン膜12をエッチングする工程において、ハーフトーン膜12のうち、光透過率を調整する元素が導入された領域のエッチング速度が、上記元素が導入されていない領域のエッチング速度よりも遅い条件で、ハーフトーン膜12をエッチングすること
である。
第8実施形態に係る製造方法によれば、ハーフトーン膜12のエッチング速度を、上記元素が導入された領域と上記元素が導入されていない領域とで変えるので、微細パターン領域31と、微細でないパターン領域とで、例えば、透光性基板11の膜厚に差をつけることができる。この差を利用することで、微細パターン領域31を透過する光の位相差を調節すること、又は微細でないパターン領域30を透過する光の位相差を調節することが可能となる。
ハーフトーン型位相シフトマスクは、透光性基板11を介して透過した光の位相と、透光性基板11及びハーフトーン膜12を介して透過した光の位相との位相差を、約180度とする。
上記実施形態で説明したハーフトーン型位相シフトマスクが備えるハーフトーン膜12は、少なくとも2種類の光透過率を有するものがある。光透過率を調節するために、ハーフトーン膜12に元素を導入すると、ハーフトーン膜12の屈折率が、元素が導入された領域と、元素が導入されていない領域とで変わることがある。屈折率が変わってしまうと、透光性基板11及びハーフトーン膜12を介して透過した光の位相がずれることがある。このずれの結果、例えば、微細なパターン領域30を透過する光の位相差を約180度に設定すると、微細でないパターン領域31を透過する光の位相差は約180度からずれてしまう。この反対も同様であり、微細でないパターン領域31を透過する光の位相差を約180度に設定すると、微細なパターン領域30を透過する光の位相差は約180度からずれる。
光の位相差が約180度からずれたままのハーフトーン型位相シフトマスクでは、実際の露光に際して、フォーカス裕度が小さくなり、特に、微細なパターンを持つ半導体集積回路装置の製造には不向きになってしまう。
この事情に鑑み、本実施形態では、透光性基板11の膜厚に差をつけることで、上記位相差のずれを解消するハーフトーン型位相シフトマスクを提供する。
以下、その一例を説明する。
図61〜図69は、この発明の第8実施形態に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法の一例を示す断面図である。
図61〜図63に示す工程は、図52〜図54に示した工程と同様である。同一の部分には同一の参照符号を付し、説明は省略する。
次に、図64に示すように、第7実施形態と同様に、開口パターン100を介して、ハーフトーン膜12中に、このハーフトーン膜12の光透過率を変化させるための元素、本例では、Gaイオンをイオン注入する。イオン注入の条件の一例は、Gaイオンのドーズ量=7×1015ions/cm2である。Gaイオンは、レジストパターン22がある領域では、レジストパターン22によって減速されるので、レジストパターン22中に留まる(参照符号16e)。Gaイオンは、レジストパターン22がない領域では、遮光膜13を通り抜け、ハーフトーン膜12中に注入される(参照符号16c)。ハーフトーン膜12の光透過率は、Gaイオンが注入された領域において6%から、例えば、2%に減少する。さらに、Gaイオンが注入された領域においては、Gaイオンが注入されていない領域に比較して屈折率が約5%大きくなる(光の波長が193nmのとき)。ハーフトーン膜12を厚さ60nmのMoSiON化合物膜、透過させる光の波長を193nmとすると、位相差は約9度程度多く生じる。そこで、本例では、後述するように、エッチング速度差を利用して透光性基板11の膜厚に差をつけることで、上記約9度の位相差を補正(調整)する。
次に、図65に示すように、レジストパターン22を剥離する。
次に、図66に示すように、遮光膜13をエッチングのマスクに用いて、ハーフトーン膜12をエッチング、例えば、ドライエッチングする。この時、上記Gaイオンが注入された領域のハーフトーン膜12のエッチング速度と、上記Gaイオンが注入されていないハーフトーン膜12のエッチング速度が異なるようにする。具体的な一例は、エッチングガスに、フッ素イオンやフッ素ラジカルを含ませることである。即ち、Gaイオンが存在する領域はエッチングガスであるフッ素イオンやフッ素ラジカルに対してエッチング速度が遅くなる。この特性を利用すると、Gaイオンが注入された領域のハーフトーン膜12が所望のエッチング時間になるところでは、Gaイオン注入されていない領域のハーフトーン膜12は完全にエッチング除去され、さらに、その下の透光性基板11、本例では石英基板も掘り込まれる。この掘り込み量は、例えば、位相差9度分に相当する量とする。具体的な一例は、約9nm程度である。具体的には、図66に示すように、Gaイオンが注入された領域の透光性基板11の膜厚をt30としたとき、Gaイオンが注入されていない領域の透光性基板11の膜厚をt31としたとき、t30>t31となる。その差の一例が、約9nm程度である。このように、膜厚t30と膜厚t31との間に、位相差のずれを補正(調整)するための差を設けることで、イオン注入された領域を透過する光の位相差と、イオン注入されていない領域を透過する光の位相差を、ともにほぼ180度にすることが可能になる。
以下、図67〜図69に示す工程は、図58〜図60に示した工程と同様である。同一の部分には同一の参照符号を付し、説明は省略する。
第8実施形態に係る製造方法に従って製造されたハーフトーン型位相シフトマスクにおいても、透過率が2%に調節された微細パターン領域31と、透過率が6%のままとされた、あまり微細でないパターン領域30とを含む。従って、第1〜第6実施形態と同様に、ハーフトーン膜12の光透過率が一律6%の場合、又はハーフトーン膜12の光透過率が一律2%の場合と比較してリソグラフィの余裕度が向上する。リソグラフィの余裕度が向上することで、半導体集積回路装置を、歩留り良く製造することができる。
さらに、第8実施形態によれば、微細パターン領域31を透過する光の位相差と、微細でないパターン領域31を透過する光の位相差との間に、ずれがあった場合に、そのどちらかの一方の領域に、位相差を調整する位相差調整領域を設ける。本例では、透光性基板11の膜厚を変えることである。これにより、微細パターン領域31を透過する光の位相差、及び微細でないパターン領域31を透過する光の位相差の双方ともを、位相差約180度に設定することができる。従って、第7実施形態と同様に、微細なデバイスパターンを持つ半導体集積回路装置の製造に好適である、という利点に加え、実際の露光に際しては、フォーカス裕度をより大きくとることができる、という利点を得ることができる。
フォーカス裕度を大きくできる、ということは、微細なパターンを持つ半導体集積回路装置の歩留り向上に役立つ。
さらに、上記実施形態は以下の態様を含む。
(1) 遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクであって、透光性基板と、前記透光性基板の、前記遮光パターンが形成される部分、及び前記半遮光パターンが形成される部分に設けられたハーフトーン膜と、前記ハーフトーン膜のうち、前記遮光パターンが形成される部分にある前記ハーフトーン膜上に設けられた遮光膜と、を備え、前記半遮光パターンは、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい前記ハーフトーン膜からなる第2の半遮光パターンを含み、前記第2の半遮光パターンを含む領域の光透過経路中に、この光透過経路の光透過率を調整する元素が、前記第1の半遮光パターンを含む領域とは異なる組成比で含まれているハーフトーン型位相シフトマスク。
(2) (1)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクであって、前記第2の半遮光パターンを含む領域に、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相との位相差を調整する位相差調整領域があるハーフトーン型位相シフトマスク。
(3) (2)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクであって、前記位相差調整領域は、前記透光性基板の膜厚を、前記第1の半遮光パターンを含む領域と、前記第2の半遮光パターンを含む領域とで変えることで前記位相差を調整するハーフトーン型位相シフトマスク。
(4) (3)及び(4)いずれかの態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクであって、前記位相差は、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相とが約180度に調整されるハーフトーン型位相シフトマスク。
(5) (1)乃至(4)いずれか一つの態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクであって、前記元素は、ガリウム、モリブデン、シリコン、タンタル、クロム、及びタングステンの少なくとも一つを含むハーフトーン型位相シフトマスク。
(6) 遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、透光性基板上に積層されたハーフトーン膜と遮光膜とを少なくとも備えるマスクブランクスを用意する工程と、前記マスクブランクスに、前記ハーフトーン膜、及び前記遮光膜の積層からなる遮光パターンと、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記ハーフトーン膜からなり、前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい第2の半遮光パターンを含む半遮光パターンとを形成する工程と、前記マスクブランクスの、前記第2の半遮光パターンを含む領域の光透過経路中に、この光透過経路の光透過率を調整する元素を導入する工程と、を具備するハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
(7) (6)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記マスクブランクスの、前記第2の遮光パターンを含む領域に、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相との位相差を調整する位相差調整領域を形成する工程を、さらに、具備するハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
(8) (7)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記位相差調整領域は、前記透光性基板の膜厚を、前記第1の半遮光パターンを含む領域と、前記第2の半遮光パターンを含む領域とで変えることで形成するハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
(9) (7)及び(8)いずれかの態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記位相差は、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相とが約180度に調整されるハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
(10) (6)乃至(9)いずれか一つの態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記光透過経路の光透過率を調整する元素を導入する工程の前に、前記マスクブランクス上に、前記元素を導入する領域を画定するマスクを形成する工程を備え、前記マスクに、前記元素を導入する領域を画定する第1の開口と、前記遮光膜にアライメントマークを画定する第2の開口とを形成するハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
(11) (6)乃至(10)いずれか一つの態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記元素は、ガリウム、モリブデン、シリコン、タンタル、クロム、及びタングステンの少なくとも一つを含むハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
(12) 遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクであって、透光性基板と、前記透光性基板の、前記遮光パターンが形成される部分、及び前記半遮光パターンが形成される部分に設けられたハーフトーン膜と、前記ハーフトーン膜の、前記遮光パターンが形成される部分に設けられた遮光膜と、を備え、前記半遮光パターンは、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい前記ハーフトーン膜からなる第2の半遮光パターンを含み、前記第2の半遮光パターンにおける前記ハーフトーン膜の屈折率は、前記第1の半遮光パターンにおける前記ハーフトーン膜の屈折率と異なり、前記第2の半遮光パターンが形成される領域に、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相との位相差を調整する位相差調整領域があるハーフトーン型位相シフトマスク。
(13) (12)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクであって、前記位相差調整領域は、前記透光性基板の膜厚を、前記第1の半遮光パターンを含む領域と、前記第2の半遮光パターンを含む領域とで変えることで形成するハーフトーン型位相シフトマスク。
(14) (12)及び(13)いずれかの態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクであって、前記位相差は、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相とが約180度に調整されるハーフトーン型位相シフトマスク。
(15) 透光性基板上に、ハーフトーン膜と遮光膜と第1のレジスト膜とが積層されたマスクブランクスを用意する工程と、前記第1のレジスト膜に、前記ハーフトーン膜の光透過率を変化させる元素を導入する領域を画定する第1の開口パターン、及びアライメントマークを画定する第2の開口パターンを描画する工程と、前記第1のレジスト膜を現像し、前記第1の開口パターンと、前記第2の開口パターンとを有する第1のレジストパターンを得る工程と、前記第1の開口パターンを介して、前記ハーフトーン膜中に、このハーフトーン膜の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程と、前記第1のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記遮光膜をエッチングし、前記遮光膜に、前記第1の開口パターンに対応した開口と、前記第2の開口パターンに対応したアライメントマークとを形成する工程と、前記第1のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜及び前記ハーフトーン膜上に、第2のレジスト膜を形成する工程と、前記遮光膜に形成されたアライメントマークを基準として位置合わせを行いながら、前記第2のレジスト膜に、前記遮光膜の一部をエッチングするための第3の開口パターンを描画する工程と、前記第2のレジスト膜を現像し、前記第3の開口パターンを有する第2のレジストパターンを得る工程と、前記第2のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記遮光膜の一部をエッチングする工程と、前記第2のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜及び前記ハーフトーン膜上に、第3のレジスト膜を形成する工程と、前記遮光膜パターンに得られたアライメントマークを基準として位置合わせを行いながら、前記第3のレジスト膜に、デバイスパターンを描画する工程と、前記第3のレジスト膜を現像し、前記デバイスパターンを有する第3のレジストパターンを得る工程と、前記第3のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記ハーフトーン膜をエッチングし、前記ハーフトーン膜に、前記デバイスパターンに対応したデバイスパターンを形成する工程とを少なくとも含むハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法(特に、第1実施形態を参照)。
(16) 透光性基板上に、ハーフトーン膜と遮光膜と第1のレジスト膜とが積層されたマスクブランクスを用意する工程と、前記第1のレジスト膜に、前記ハーフトーン膜の光透過率を変化させる元素を導入する領域を画定する第1の開口パターン、及びアライメントマークを画定する第2の開口パターンを描画する工程と、前記第1のレジスト膜を現像し、前記第1の開口パターンと、前記第2の開口パターンとを有する第1のレジストパターンを得る工程と、前記第1の開口パターンを介して、前記ハーフトーン膜中に、このハーフトーン膜の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程と、前記第1のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記第2の開口パターン下の前記遮光膜を局所的にエッチングし、前記遮光膜に、前記第2の開口パターンに対応したアライメントマークを形成する工程と、前記第1のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜及び前記ハーフトーン膜上に、第2のレジスト膜を形成する工程と、前記遮光膜に形成されたアライメントマークを基準として位置合わせを行いながら、前記第2のレジスト膜に、デバイスパターンを描画する工程と、前記第2のレジスト膜を現像し、前記デバイスパターンを有する第2のレジストパターンを得る工程と、前記第2のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記遮光膜、及び前記ハーフトーン膜をエッチングし、前記遮光膜、及び前記ハーフトーン膜に、前記デバイスパターンに対応したデバイスパターンを形成する工程と、前記第2のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜及び前記透光性基板上に、第3のレジスト膜を形成する工程と、前記遮光膜に形成されたアライメントマークを基準として位置合わせを行いながら、前記第3のレジスト膜に、前記遮光膜の一部をエッチングするための第3の開口パターンを描画する工程と、前記第3のレジスト膜を現像し、前記第3の開口パターンを有する第3のレジストパターンを得る工程と、前記第3のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記遮光膜の一部をエッチングする工程とを少なくとも含むハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法(特に、第2実施形態を参照)。
(17) 透光性基板上に、ハーフトーン膜と遮光膜と第1のレジスト膜とが積層されたマスクブランクスを用意する工程と、前記第1のレジスト膜に、前記ハーフトーン膜の光透過率を変化させる元素を導入する領域を画定する第1の開口パターン、及びアライメントマークを画定する第2の開口パターンを描画する工程と、前記第1のレジスト膜を現像し、前記第1の開口パターンと、前記第2の開口パターンとを有する第1のレジストパターンを得る工程と、前記第1のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記遮光膜をエッチングし、前記遮光膜に、前記第1の開口パターンに対応した開口と、前記第2の開口パターンに対応したアライメントマークとを形成する工程と、前記第1のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜に形成された開口を介して、前記ハーフトーン膜中に、このハーフトーン膜の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程と、前記第1のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜及び前記ハーフトーン膜上に、第2のレジスト膜を形成する工程と、前記遮光膜に形成されたアライメントマークを基準として位置合わせを行いながら、前記第2のレジスト膜に、前記遮光膜の一部をエッチングするための第3の開口パターンを描画する工程と、前記第2のレジスト膜を現像し、前記第3の開口パターンを有する第2のレジストパターンを得る工程と、前記第2のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記遮光膜の一部をエッチングする工程と、前記第2のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜及び前記ハーフトーン膜上に、第3のレジスト膜を形成する工程と、前記遮光膜パターンに得られたアライメントマークを基準として位置合わせを行いながら、前記第3のレジスト膜に、デバイスパターンを描画する工程と、前記第3のレジスト膜を現像し、前記デバイスパターンを有する第3のレジストパターンを得る工程と、前記第3のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記ハーフトーン膜をエッチングし、前記ハーフトーン膜に、前記デバイスパターンに対応したデバイスパターンを形成する工程とを少なくとも含むハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法(特に、第3実施形態を参照)。
(18) (15)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記第1の開口パターンを介して、前記ハーフトーン膜中に、このハーフトーン膜の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程に代えて、前記第1の開口パターンを介して、前記透光性基板中に、この透光性基板の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程を挿入するハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法(特に、第4実施形態を参照)。
(19) (16)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記第1の開口パターンを介して、前記ハーフトーン膜中に、このハーフトーン膜の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程に代えて、前記第1の開口パターンを介して、前記透光性基板中に、この透光性基板の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程を挿入するハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法(特に、第5実施形態を参照)。
(20) (17)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記第1のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜に形成された開口を介して、前記ハーフトーン膜中に、このハーフトーン膜の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程に代えて、前記第1のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜に形成された開口を介して、前記透光性基板中に、この透光性基板の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程を挿入するハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法(特に、第6実施形態を参照)。
(21) 透光性基板上に、ハーフトーン膜と遮光膜と第1のレジスト膜とが積層されたマスクブランクスを用意する工程と、前記第1のレジスト膜に、デバイスパターン、及びアライメントマークを画定する第1の開口パターンを描画する工程と、前記第1のレジスト膜を現像し、前記デバイスパターンと、前記第1の開口パターンとを有する第1のレジストパターンを得る工程と、前記第1のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記遮光膜をエッチングし、前記遮光膜に、前記デバイスパターンと、前記第1の開口パターンに対応したアライメントマークとを形成する工程と、前記第1のレジストパターンを剥離し、前記遮光膜及び前記ハーフトーン膜上に、第2のレジスト膜を形成する工程と、前記第2のレジスト膜に、前記ハーフトーン膜の光透過率を変化させる元素を導入する領域を画定する第2の開口パターンを描画する工程と、前記第2のレジスト膜を現像し、前記第2の開口パターンを有する第2のレジストパターンを得る工程と、前記第2の開口パターンを介して、前記ハーフトーン膜中に、このハーフトーン膜の光透過率を変化させるための前記元素を導入する工程と、前記第2のレジストパターンを剥離する工程と、前記遮光膜をエッチングのマスクに用いて、前記ハーフトーン膜をエッチングする工程と、前記遮光膜及び前記透光性基板上に、第3のレジスト膜を形成する工程と、前記遮光膜に形成されたアライメントマークを基準として位置合わせを行いながら、前記第3のレジスト膜に、前記遮光膜の一部をエッチングするための第3の開口パターンを描画する工程と、前記第3のレジスト膜を現像し、前記第3の開口パターンを有する第3のレジストパターンを得る工程と、前記第3のレジストパターンをエッチングのマスクに用いて、前記遮光膜の一部をエッチングする工程とを少なくとも含むハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法(特に、第7実施形態を参照)。
(22) (21)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記遮光膜をエッチングのマスクに用いて、前記ハーフトーン膜をエッチングする工程において、前記ハーフトーン膜の前記元素が導入された領域のエッチング速度が、前記ハーフトーン膜の前記元素が導入されていない領域のエッチング速度よりも遅い条件で、前記ハーフトーン膜をエッチングするハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法(特に、第8実施形態を参照)。
(23) (22)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記遮光膜をエッチングのマスクに用いて、前記ハーフトーン膜をエッチングする工程において、前記ハーフトーン膜の前記元素が導入されていない領域におけるエッチングは、前記透光性基板中まで進めるハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
(24) (23)の態様に係るハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、前記透光性基板中に対するエッチング深さは、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相との位相差が約180度になる深さであるハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
この発明の実施形態によれば、パターン寸法に応じて透過率を変化させたハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法を提供できる。
さらに、微細パターン領域における光位相差と、微細でないパターン領域における光位相差とにずれがあった場合に、このずれを解消できるハーフトーン型位相シフトマスク及びその製造方法を提供できる。
以上、この発明をいくつかの実施形態により説明したが、この発明は各実施形態に限定されるものではなく、その実施にあたっては発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
例えば、上記実施形態では欠陥検査工程や欠陥修正工程、あるいはペリクル(pellicle)貼り付け工程の記述を割愛しているが、当然実際の製造プロセスでは行われている。また、ハーフトーン膜の透過率も6%と2%としたがこの値に限るものではなく、8%と1%、あるいはハーフトーン膜の寸法に応じて8%、3%、1%といった3種類の透過率にすることも可能である。3種類の透過率にする場合は、イオン注入工程を2回に分けて行えばよい。また、あまり微細でないパターン領域では遮光膜中にGaイオンが留まる例を示したが、遮光膜上のレジスト膜内に留まるようにしても良い。その他本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、各実施形態は単独で実施することが可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。
また、各実施形態は種々の段階の発明を含んでおり、各実施形態において開示した複数の構成要件の適宜な組み合わせにより、種々の段階の発明を抽出することが可能である。
11…透光性基板(石英基板)、12…ハーフトーン膜(MoSiON化合物膜)、13…遮光膜(クロム膜)、32…光透過経路
Claims (5)
- 遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクであって、
透光性基板と、
前記透光性基板の、前記遮光パターンが形成される部分、及び前記半遮光パターンが形成される部分に設けられたハーフトーン膜と、
前記ハーフトーン膜のうち、前記遮光パターンが形成される部分にある前記ハーフトーン膜上に設けられた遮光膜と、を備え、
前記半遮光パターンは、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい前記ハーフトーン膜からなる第2の半遮光パターンを含み、
前記第2の半遮光パターンを含む領域の光透過経路中に、この光透過経路の光透過率を調整する元素が、前記第1の半遮光パターンを含む領域とは異なる組成比で含まれていることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。 - 前記第2の半遮光パターンを含む領域に、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相との位相差を調整する位相差調整領域があることを特徴とする請求項1に記載のハーフトーン型位相シフトマスク。
- 遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法であって、
透光性基板上に積層されたハーフトーン膜と遮光膜とを少なくとも備えるマスクブランクスを用意する工程と、
前記マスクブランクスに、前記ハーフトーン膜、及び前記遮光膜の積層からなる遮光パターンと、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記ハーフトーン膜からなり、前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい第2の半遮光パターンを含む半遮光パターンとを形成する工程と、
前記マスクブランクスの、前記第2の半遮光パターンを含む領域の光透過経路中に、この光透過経路の光透過率を調整する元素を導入する工程と
を具備することを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。 - 前記マスクブランクスの、前記第2の遮光パターンを含む領域に、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相との位相差を調整する位相差調整領域を形成する工程を、さらに、具備することを特徴とする請求項3に記載のハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法。
- 遮光パターン、及び半遮光パターンを備えるハーフトーン型位相シフトマスクであって、
透光性基板と、
前記透光性基板の、前記遮光パターンが形成される部分、及び前記半遮光パターンが形成される部分に設けられたハーフトーン膜と、
前記ハーフトーン膜の、前記遮光パターンが形成される部分に設けられた遮光膜と、を備え、
前記半遮光パターンは、前記ハーフトーン膜からなる第1の半遮光パターン、及び前記第1の半遮光パターンよりも寸法が小さい前記ハーフトーン膜からなる第2の半遮光パターンを含み、
前記第2の半遮光パターンにおける前記ハーフトーン膜の屈折率は、前記第1の半遮光パターンにおける前記ハーフトーン膜の屈折率と異なり、
前記第2の半遮光パターンが形成される領域に、前記透光性基板を介して透過した光の位相と、前記透光性基板及び前記ハーフトーン膜を介して透過した光の位相との位相差を調整する位相差調整領域があることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマスク。
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- 2006-04-07 JP JP2006106551A patent/JP2007279441A/ja active Pending
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