JP2008122042A - 換気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換効率が高く、省エネルギー化を図って地球温暖化を防ぐ全熱交換型換気装置を提供することを目的とする。
【解決手段】屋外Yから取り入れる空気と、屋内Xから排出する空気を、同時に給排気する。そして、取り入れた空気と排出する空気との間で、全熱交換を行う全熱交換器40を備えている。この全熱交換器40は、熱交換仕切膜と仕切膜に固着された流路形成部材とから成る熱交換部材を複数枚積層して、仕切膜を隔てて給気側と排気側の2つの気流を流通させると共に、仕切膜を介して2つの気流の顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型のものである。そして、この全熱交換器によって、顕熱交換効率を85%以上、かつ、潜熱交換効率を68%以上を得る。
【選択図】図2
【解決手段】屋外Yから取り入れる空気と、屋内Xから排出する空気を、同時に給排気する。そして、取り入れた空気と排出する空気との間で、全熱交換を行う全熱交換器40を備えている。この全熱交換器40は、熱交換仕切膜と仕切膜に固着された流路形成部材とから成る熱交換部材を複数枚積層して、仕切膜を隔てて給気側と排気側の2つの気流を流通させると共に、仕切膜を介して2つの気流の顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型のものである。そして、この全熱交換器によって、顕熱交換効率を85%以上、かつ、潜熱交換効率を68%以上を得る。
【選択図】図2
Description
本発明は、住宅または店舗等の建物に設置して、建物内の快適性や省エネルギー性を高めるための運転を行う換気装置に関する。
建物内の換気を行う換気装置では、従来より室内からの排気を機械で行い、給気は自然給気口から行うもの、あるいは機械によって給気、排気とも行うものとがあり、そのどちらにもダクトを利用して空気の搬送を行うシステムと、ダクトを用いず直接空気のやり取りをする換気装置があった。
この中で、機械によって給気、排気を同時に行うシステムでは、外気と屋内空気との間で熱交換を行って、快適性、省エネ性を向上させようとする熱交換型の換気装置が知られている。即ち、従来より、給気と排気を仕切板を介して全熱交換させる直交流型全熱交換素子を有する全熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この直交流型全熱交換素子は、図17に示したように、平板状の熱交換板(仕切膜41)と波形の流路形成部材42を貼り合わせた熱交換部材43を交互に積層する際に、上下に隣り合う流路形成部材42の波形の方向を直交させて、給気流路と排気流路が平面視において直交するように形成される。そして、例えば、冬期に、戸外の冷たい乾燥空気を室内へ給気し、室内の温かい高湿度空気を戸外へ排気すると、仕切膜41を介して、顕熱と潜熱の交換が行われ、給気は温められると共に加湿されて、室内に送られる。一方、排気は冷やされると共に減湿されて、戸外に送られる。
特公昭47−19990号公報
この中で、機械によって給気、排気を同時に行うシステムでは、外気と屋内空気との間で熱交換を行って、快適性、省エネ性を向上させようとする熱交換型の換気装置が知られている。即ち、従来より、給気と排気を仕切板を介して全熱交換させる直交流型全熱交換素子を有する全熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この直交流型全熱交換素子は、図17に示したように、平板状の熱交換板(仕切膜41)と波形の流路形成部材42を貼り合わせた熱交換部材43を交互に積層する際に、上下に隣り合う流路形成部材42の波形の方向を直交させて、給気流路と排気流路が平面視において直交するように形成される。そして、例えば、冬期に、戸外の冷たい乾燥空気を室内へ給気し、室内の温かい高湿度空気を戸外へ排気すると、仕切膜41を介して、顕熱と潜熱の交換が行われ、給気は温められると共に加湿されて、室内に送られる。一方、排気は冷やされると共に減湿されて、戸外に送られる。
近年、環境問題において、地球温暖化の原因物質である二酸化炭素の排出量を削減するためにはさらなる冷暖房エネルギーの削減が必要である。しかし、特許文献1の全熱交換器の直交流型全熱交換素子では、仕切膜と流路形成部材の接着部分は、顕熱の伝熱は有効であるが、潜熱の伝熱(水蒸気の透過)は無効である。
このように従来の換気装置にあっては、その熱交換性能としての顕熱(温度)交換効率で70%、潜熱(湿度)交換効率で60%を超えることはできなかった。従って、従来の換気装置では、熱交換のない装置での換気に比べれば、建物内の快適性、省エネ性は、少しは効果があるものの、十分とは言えなかった。
外気と屋内の温度差が大きいときは、前記熱交換効率では、給気される空気が夏場はまだ暑いと感じられ、また冬場は寒いと感じられるほどのものでしかなかった。
また、前記の熱交換効率では、熱交換によって回収されるエネルギーと、機械を運転するときに必要な電力エネルギーが、ほぼ拮抗している状況も垣間見られ、省エネルギーの観点からも、あまり効果が上がらないことになっていた。
このように従来の換気装置にあっては、その熱交換性能としての顕熱(温度)交換効率で70%、潜熱(湿度)交換効率で60%を超えることはできなかった。従って、従来の換気装置では、熱交換のない装置での換気に比べれば、建物内の快適性、省エネ性は、少しは効果があるものの、十分とは言えなかった。
外気と屋内の温度差が大きいときは、前記熱交換効率では、給気される空気が夏場はまだ暑いと感じられ、また冬場は寒いと感じられるほどのものでしかなかった。
また、前記の熱交換効率では、熱交換によって回収されるエネルギーと、機械を運転するときに必要な電力エネルギーが、ほぼ拮抗している状況も垣間見られ、省エネルギーの観点からも、あまり効果が上がらないことになっていた。
本発明は、このような課題を解決して、熱交換効率を向上させ、生活場面での暑い、寒いを改善させて快適性を持たせるとともに、省エネルギーに効果を発揮する換気装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の換気装置は、屋外から取り入れる給気側空気と、屋内から排出する排気側空気を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気と排気側空気との間で全熱交換を行う全熱交換素子を、具備し、該全熱交換素子は、仕切膜を介して上記給気側空気と排気側空気を相互に反対方向に流す対向流型であると共に、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上である。
また、屋外から取り入れる給気側空気と、屋内から排出する排気側空気を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気と排気側空気との間で全熱交換を行う全熱交換素子を、具備し、該全熱交換素子は、仕切膜と該仕切膜に固着された流路形成部材とから成る熱交換部材を複数枚積層して、該仕切膜を隔てて上記給気側空気と排気側空気を流通させると共に、該仕切膜を介して上記給気側空気と排気側空気を相互に反対方向に流して顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型であって、上記仕切膜のうち上記流路形成部材が当接する部分を除いた面積の、該仕切膜の面積に対する面積比率を、70%以上、95%以下に設定して、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上とした。
また、屋外から取り入れる給気側空気と、屋内から排出する排気側空気を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気と排気側空気との間で全熱交換を行う全熱交換素子を、具備し、該全熱交換素子は、仕切膜と該仕切膜に固着された流路形成部材とから成る熱交換部材を複数枚積層して、該仕切膜を隔てて上記給気側空気と排気側空気を流通させると共に、該仕切膜を介して上記給気側空気と排気側空気を相互に反対方向に流して顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型であって、上記仕切膜のうち上記流路形成部材が当接する部分を除いた面積の、該仕切膜の面積に対する面積比率を、70%以上、95%以下に設定して、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上とした。
また、屋外から取り入れる給気側空気と、屋内から排出する排気側空気を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気と排気側空気との間で全熱交換を行う全熱交換素子を、具備し、該全熱交換素子は、仕切膜と該仕切膜に固着された流路形成部材とから成る熱交換部材を複数枚積層して、該仕切膜を隔てて上記給気側空気と排気側空気を流通させると共に、該仕切膜を介して上記給気側空気と排気側空気を相互に反対方向に流して顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型であって、該流路形成部材は、該仕切膜の外縁に沿って配設されるフレーム部材と、2つの該フレーム部材間に所定間隔でもって配設されると共に該フレーム部材よりも小さい幅寸法の細リブ材とから成り、さらに、上記仕切膜のうち上記流路形成部材が当接する部分を除いた面積の、該仕切膜の面積に対する面積比率を、70%以上、95%以下に設定して、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上とした。
また、上記細リブ材は、開口端まで端部が延伸する長寸部材と、該開口端より内方に端部が設けられた短寸部材と、を有して、隣り合う細リブ材によって形成される風路幅よりも大きい拡大流路部を上記開口端に設け、上記面積比率を75%以上、95%以下に設定したものである。
また、上記熱交換部材は、給気流路が形成される第1熱交換部材と、排気流路が形成される第2熱交換部材と、を有し、さらに、該第1熱交換部材と該第2熱交換部材とは、上記流路形成部材の厚さ寸法を相違させたものである。
また、上記熱交換部材は、給気流路が形成される第1熱交換部材と、排気流路が形成される第2熱交換部材と、を有し、さらに、該第1熱交換部材と該第2熱交換部材とは、上記流路形成部材の厚さ寸法を相違させたものである。
そして、住宅または店舗等の建物の天井裏、壁内、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクトを配設し、上記全熱交換素子と該ダクトを接続し、該ダクトを利用して外気の取り込み、室内への給気、室内からの空気の取り込み、屋外への排気を同時に行うように構成した。
あるいは、住宅または店舗等の建物の天井裏、壁内、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクトを配設し、上記全熱交換素子と該ダクトを接続し、該ダクトを利用して外気の取り込み、室内への給気、屋外への排気を同時に行い、室内からの空気の取り込みは、上記全熱交換素子から直接行うように構成した。
あるいは、住宅または店舗等の建物の天井裏、壁内、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクトを配設し、上記全熱交換素子と該ダクトを接続し、該ダクトを利用して外気の取り込み、室内への給気、屋外への排気を同時に行い、室内からの空気の取り込みは、上記全熱交換素子から直接行うように構成した。
また、上記全熱交換素子は、天井、あるいは床に設置され、天井裏、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクトを配設し、このダクトを利用して、外気の取り込みと屋外への排気を同時に行い、室内への給気と室内からの空気の取り込みは、全熱交換素子から直接行うように構成した。
また、所定の部屋の壁に埋め込み設置され、又は、壁に室内突出状に固着され、外気の取り込み、室内への給気、室内からの空気の取り込み、屋外への排気を上記全熱交換素子にて直接行って、上記部屋の換気を行う。
なお、全熱交換素子から(にて)直接行うとは、ダクトを使用しないという意味であり、全熱交換素子を箱型ケーシングに収容したり、モータやファンと共に同一ケーシングに収納した場合には、そのケーシングに開設した窓部や孔部から、空気の流入や流出を行う構成を包含するものと定義する。
また、所定の部屋の壁に埋め込み設置され、又は、壁に室内突出状に固着され、外気の取り込み、室内への給気、室内からの空気の取り込み、屋外への排気を上記全熱交換素子にて直接行って、上記部屋の換気を行う。
なお、全熱交換素子から(にて)直接行うとは、ダクトを使用しないという意味であり、全熱交換素子を箱型ケーシングに収容したり、モータやファンと共に同一ケーシングに収納した場合には、そのケーシングに開設した窓部や孔部から、空気の流入や流出を行う構成を包含するものと定義する。
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
冬期暖房時、夏期冷房時のいずれの場合でも、顕熱交換効率及び潜熱交換効率が、優れ、また、圧力損失も少なくすることができる。簡易な構成でありながら、熱交換を非常に効率よく行うことができ、省エネルギー化を図ることができる。そして、地球温暖化防止のために大きく貢献することができる。特に、夏期・冬期の給気温度・給気湿度が、室内条件により近いものとなり、生活面での快適性が増加できる。さらに、交換効率の向上によって、排出する空気の熱エネルギを無駄なく回収することができて、夏期・冬期の冷暖房負荷を低く抑えることができ、身近な日常の生活の場面で快適性を多くの人々に与えることができる。
冬期暖房時、夏期冷房時のいずれの場合でも、顕熱交換効率及び潜熱交換効率が、優れ、また、圧力損失も少なくすることができる。簡易な構成でありながら、熱交換を非常に効率よく行うことができ、省エネルギー化を図ることができる。そして、地球温暖化防止のために大きく貢献することができる。特に、夏期・冬期の給気温度・給気湿度が、室内条件により近いものとなり、生活面での快適性が増加できる。さらに、交換効率の向上によって、排出する空気の熱エネルギを無駄なく回収することができて、夏期・冬期の冷暖房負荷を低く抑えることができ、身近な日常の生活の場面で快適性を多くの人々に与えることができる。
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
図1に於て、(A)と(B)は夫々別の実施の形態を示す要部の簡略構成説明図であって、40は、給気側空気A1 と排気側空気B1 との間で全熱交換を行う全熱交換素子であり、箱型ケーシング45内に給気送風機(ファン)12・排気送風機(ファン)13と共に該全熱交換素子40が収容されている。また、モータ46もケーシング45に収容して、送風機12, 13を駆動する。さらに、ケーシング45は、外気取込孔47・屋外排気孔48を屋外Y側に有し、かつ、室内空気取込孔49・室内給気孔50を室内X側に有している。図1(A)は空気が“押し引き”されるタイプであり、一方の給気送風機12は全熱交換素子40に対して給気側空気A1 を押し込み、かつ、他方の排気送風機13は全熱交換素子40から排気側空気B1 を引き出す作用(吸引作用)をなすように、配設されている。他方、図1(B)は空気が“引き引き”されるタイプであり、両方の給気送風機12, 13は全熱交換素子40から空気A1 ,B1 を引き出す作用(吸引作用)をなすように配設されている。
図1に於て、(A)と(B)は夫々別の実施の形態を示す要部の簡略構成説明図であって、40は、給気側空気A1 と排気側空気B1 との間で全熱交換を行う全熱交換素子であり、箱型ケーシング45内に給気送風機(ファン)12・排気送風機(ファン)13と共に該全熱交換素子40が収容されている。また、モータ46もケーシング45に収容して、送風機12, 13を駆動する。さらに、ケーシング45は、外気取込孔47・屋外排気孔48を屋外Y側に有し、かつ、室内空気取込孔49・室内給気孔50を室内X側に有している。図1(A)は空気が“押し引き”されるタイプであり、一方の給気送風機12は全熱交換素子40に対して給気側空気A1 を押し込み、かつ、他方の排気送風機13は全熱交換素子40から排気側空気B1 を引き出す作用(吸引作用)をなすように、配設されている。他方、図1(B)は空気が“引き引き”されるタイプであり、両方の給気送風機12, 13は全熱交換素子40から空気A1 ,B1 を引き出す作用(吸引作用)をなすように配設されている。
次に、図2に示す本発明に係る換気装置の実施の一形態では、住宅または店舗や事務所等の天井裏55の空間に搬送用ダクト51, 52, 53, 54を配設し、各ダクト51, 52, 53, 54をケーシング45の図1(A)又は(B)の孔47, 50, 48, 49に接続する。図1(A)(B)では箱型ケーシング45内の間仕切壁27(図11参照)等を図示省略してあるが、このように間仕切られた流路によって、ダクト51, 52, 53, 54をケーシング45に接続すれば、全熱交換素子40の通路開口端に各ダクト51, 52, 53, 54が接続される。図2に於て、2点鎖線にて各部屋の天井面部56, 56, 56, 56を示し、特に、室内給気ダクト52は(タコ足状に)分岐した分岐ダクト部52a,52a…を有する形状であって、各部屋の天井面部56…に給気開口部52cを設けて、各分岐ダクト部52aを接続して、矢印A2 のように各部屋に給気する。さらに、室内空気取込ダクト54も(タコ足状に)分岐した分岐ダクト部54a,54a…を有し、各部屋の天井面部56…の室内空気取込開口部54cを設けて、各分岐ダクト部54aを接続して、矢印B2 のように各部屋の空気を取込(吸込)む。
そして、ダクト51は矢印A3 のように屋外Yの空気(外気)を取り込むものであり、ダクト53は矢印B3 のように屋外Yへ排気するためのものである。この図2に於て、箱型ケーシング45内には、図1に例示したような全熱交換素子40及びファン12, 13等が内蔵されており、天井裏55に、ダクト51, 52, 53, 54と共に配設されている。ところで、図示省略したが、これ等のダクト51, 52, 53, 54及び/又はケーシング45を、床下に配置し、又は、壁内に配置することも、自由である。
次に、図3は本発明に係る換気装置の他の実施の形態を示し、図2と相違する点は、図2で述べた室内空気取込ダクト54が、省略され、ケーシング45の一壁面に開口した室内空気取込開口部(図3では下方を向いて開口しており図面には表現されてはいない)から、矢印B2 の如く、流れ込む点である。
即ち、図3に示した換気装置では、住宅や店舗や事務所等の建物の天井裏55に空気搬送用ダクト51, 52, 53を配設し、全熱交換素子40とダクト51, 52, 53を接続する。具体的には、ダクト51, 52, 53はケーシング45に接続されるが、図2に於て述べたように、ケーシング45内は間仕切壁27(図11参照)等にて流路が間仕切られているので、結局、ダクト51, 52, 53は内部の全熱交換素子40に接続状態(連通連結状態)となるので、本発明では、ダクト51, 52, 53は全熱交換素子40と接続すると表現する。
即ち、図3に示した換気装置では、住宅や店舗や事務所等の建物の天井裏55に空気搬送用ダクト51, 52, 53を配設し、全熱交換素子40とダクト51, 52, 53を接続する。具体的には、ダクト51, 52, 53はケーシング45に接続されるが、図2に於て述べたように、ケーシング45内は間仕切壁27(図11参照)等にて流路が間仕切られているので、結局、ダクト51, 52, 53は内部の全熱交換素子40に接続状態(連通連結状態)となるので、本発明では、ダクト51, 52, 53は全熱交換素子40と接続すると表現する。
このように、外気取込ダクト51, 室内給気ダクト52,屋外排気ダクト53を利用して(矢印A3 に示した)外気の取り込み、(矢印A2 にて示した)室内Xへの給気、(矢印B3 にて示した)屋外への排気を同時に行う。そして、室内Xからの空気の取り込みは、全熱交換素子40から直接行う。なお、ここで直接行うとは、既に、定義した通りであるが、具体的には、図3に例示したように、下方から矢印B2 のように吸い込まれた室内Xの空気は、ケーシング45内の仕切り壁にて独立した流路を経つつ方向変換して、全熱交換素子40の通路開口端14b(図1参照)から流入する。
なお、図3に於て、図2と同一の符号は、同様の構成であるので説明を省略する。また、図3に示したダクト51, 52, 53及び/又はケーシング45を、床下に配置したり、壁内に配置するも自由であるが、図示省略した。
なお、図3に於て、図2と同一の符号は、同様の構成であるので説明を省略する。また、図3に示したダクト51, 52, 53及び/又はケーシング45を、床下に配置したり、壁内に配置するも自由であるが、図示省略した。
次に、図4は本発明に係る換気装置の別の実施の形態を下から上方斜めに見上げた斜視図にて示し、全熱交換素子40は天井に埋込み状に設置され、天井裏55の空間に、外気取込ダクト51及び屋外排気ダクト53を配設して、このダクト51, 53を利用して、外気の取り込みと屋外への排気を同時に行う。さらに、室内Xへの(矢印A2 で示す)給気、及び、室内Xからの空気の取り込み(矢印B2 で示す)は、全熱交換素子40から直接行うように構成した。ここで、全熱交換素子40から直接行うという定義は、既に述べたが、具体的には、天井に(一部乃至全体が)埋め込み状に設けられるケーシング45の下面に、給気開口部62と取込開口部64を、開設して、矢印A2 ,B2 のように、給気と取込を、まず、ケーシング45の開口部62, 64から行って後に、ケーシング45内部の全熱交換素子40の(図1に示す)通路開口端14a,14bから全熱交換素子40から排出・吸込が行われる。
なお、(図示省略したが)図4のダクト51, 53を床下の空間に配設して、ケーシング45を天井面・壁面・床面等に部分的乃至全部を埋込状に設け、又は、室内Xへ設置しても、自由である。
なお、(図示省略したが)図4のダクト51, 53を床下の空間に配設して、ケーシング45を天井面・壁面・床面等に部分的乃至全部を埋込状に設け、又は、室内Xへ設置しても、自由である。
次に、図5又は図11は、さらに別の実施の形態を示す。所定の部屋の壁Zにケーシング45を埋め込み状に設置して、外気の取り込み(矢印A3 )、室内への給気(矢印A2 )、室内Xからの空気の取り込み(矢印B2 )、屋外Yへの排気(矢印B3 )を、全熱交換素子40にて直接行って、部屋の換気を行う構成である。即ち、ダクトを用いることなく、ケーシング45を介して行う場合を図5,図11に示す。なお、壁Zにケーシング45を室内へ突出状に固着するも好ましい。このときにも、壁Zに換気用孔を開設することが必要である。
そして、本発明の換気装置の要部を成す全熱交換素子40について、以下、説明すると、図6〜図16に示すように、この全熱交換素子40は、仕切膜1を介して給気側空気A1 と排気側空気B1 を、相互に反対方向に流す対向流型として、さらに、(後述の構成によって)顕熱(温度)交換効率を85%以上で、かつ、潜熱(湿度)交換効率を68%以上を達成している。
そして、本発明の換気装置の要部を成す全熱交換素子40について、以下、説明すると、図6〜図16に示すように、この全熱交換素子40は、仕切膜1を介して給気側空気A1 と排気側空気B1 を、相互に反対方向に流す対向流型として、さらに、(後述の構成によって)顕熱(温度)交換効率を85%以上で、かつ、潜熱(湿度)交換効率を68%以上を達成している。
図6〜図10に示した全熱交換素子40の実施の形態に於て、この全熱交換素子40は、仕切膜1と仕切膜1に固着される流路形成部材2とから成る熱交換部材20を複数枚積層したものである。その一方面及び他方面(図6では上面及び下面)に、六角板形状の補強用基板15,15が積層されている。
熱交換部材20は、給気流路10が形成される第1熱交換部材20Aと、排気流路11が形成される第2熱交換部材20Bと、を有している。そして、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bを交互に積層して形成されて、給気側と排気側の2つの気流を交互に流通させると共に、仕切膜1を介して2つの気流の顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型のものである。
熱交換部材20は、給気流路10が形成される第1熱交換部材20Aと、排気流路11が形成される第2熱交換部材20Bと、を有している。そして、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bを交互に積層して形成されて、給気側と排気側の2つの気流を交互に流通させると共に、仕切膜1を介して2つの気流の顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型のものである。
熱交換部材20は、図8のように、矩形部35と、その両端に配設される三角形部34,34と、を有する長六角形である。
図9において、A1 は流路形成部材2により形成された給気流路10を流れる給気側空気(の流れ)を示す。B1 は流路形成部材2により形成された排気流路11を流れる排気側空気(の流れ)を示す。
図9において、A1 は流路形成部材2により形成された給気流路10を流れる給気側空気(の流れ)を示す。B1 は流路形成部材2により形成された排気流路11を流れる排気側空気(の流れ)を示す。
流路形成部材2は、仕切膜1の外縁に沿って配設される2つのフレーム部材3,3と、フレーム部材3, 3間に所定間隔でもって複数配設されると共にフレーム部材3の幅寸法D3 よりも小さい幅寸法D4 の細リブ材4…とから成る。
仕切膜1は、矩形部とその両側に連設される三角形部とにより六角形状に形成され(図15参照)、その輪郭は、熱交換部材20の輪郭と一致している。
仕切膜1は、矩形部とその両側に連設される三角形部とにより六角形状に形成され(図15参照)、その輪郭は、熱交換部材20の輪郭と一致している。
また、図9において、各フレーム部材3は、仕切膜1の矩形部35の外縁一辺に配設された直進部3aと、一方の三角形部34の外縁一辺に沿って直進部3aに連続状に配設された振り分け部3bとから成り、かつ、一対のフレーム部材3,3は、互いに点対称の位置に配設されている。また、細リブ材4…は、一対のフレーム部材3,3間に平行かつ等間隔の幅寸法W0 をもって、複数(実施例では7つ)配設されている。そして、各細リブ材4は、矩形部35に配設されフレーム部材3の直進部3aと平行に形成された直進部4aと、フレーム部材3の振り分け部3bに平行状であり直進部4aの両端から開口端5,6まで延伸し三角形部34,34に配設された振り分け部4b,4bとから成る。そして、第1熱交換部材20Aに於ては、フレーム部材3・細リブ材4…の振り分け部3b,4b…が、一方の三角形部34の傾斜面18において、複数の給気入口32…(開口部14)を形成し、かつ、他方の三角形部34の傾斜面18において、複数の給気出口31…(開口部14)を形成する。また、第2熱交換部材20Bに於ては、フレーム部材3・細リブ材4…の振り分け部3b,4b…が、一方の三角形部34の傾斜面18において、複数の排気入口22…(開口部14)を形成し、かつ、他方の三角形部34の傾斜面18において、複数の排気出口21…(開口部14)を形成する。
そして、給気側空気A1 と排気側空気B1 とが相互に平行かつ反対向きに流れる対向流部16を、矩形部35に有すると共に、給気側空気A1 と排気側空気B1 とが交差して流れる交差流部17,17を、三角形部34,34に有する。
そして、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bでは、フレーム部材3の振り分け部3bと、細リブ材4…の振り分け部4b…とが、(長六角形の中央線に対し)線対称位置になるように配設されている。
そして、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bでは、フレーム部材3の振り分け部3bと、細リブ材4…の振り分け部4b…とが、(長六角形の中央線に対し)線対称位置になるように配設されている。
即ち、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bを積層した全熱交換素子40を平面視すると、三角形部34,34において、フレーム部材3・細リブ材4…の振り分け部3b,4b…が、交差状となる。また、両部材20A,20Aのフレーム部材3,3の直進部3a,3a同士、細リブ材4,4の直進部4a,4a同士は、夫々、長六角形の長手方向に一致して配置される。
そして、第1熱交換部材20Aは、給気入口32が成す方向と、給気出口31が成す方向とが平行となり、また、第2熱交換部材20Bは、排気入口22が成す方向と、排気出口21が成す方向とが平行となる。即ち、各部材20A,20Bは、フレーム部材3と細リブ材4とによって略(横倒)Z字状の給気流路10、排気流路11が形成されている。
細リブ材4とフレーム部材3は、厚紙、プレスボード、その他樹脂材等から成る。
全熱交換素子40の対向流部16は直方体であり、交差流部17は三角柱となっている。
そして、第1熱交換部材20Aは、給気入口32が成す方向と、給気出口31が成す方向とが平行となり、また、第2熱交換部材20Bは、排気入口22が成す方向と、排気出口21が成す方向とが平行となる。即ち、各部材20A,20Bは、フレーム部材3と細リブ材4とによって略(横倒)Z字状の給気流路10、排気流路11が形成されている。
細リブ材4とフレーム部材3は、厚紙、プレスボード、その他樹脂材等から成る。
全熱交換素子40の対向流部16は直方体であり、交差流部17は三角柱となっている。
また、フレーム部材3と細リブ材4…は同じ厚さ寸法(高さ寸法)Hを有し、第1熱交換部材20A・第2熱交換部材20Bのフレーム部材3と細リブ材4…は同じ厚さ寸法(高さ寸法)Hに形成される。
後述の表1と表2に示した比較実験(測定)に使用した実施例1の各部材の寸法について説明すると、図8に於て、熱交換部材20を平面視したとき、矩形部35の給気流路10又は排気流路11の方向(長六角形の長手方向)の寸法P1 が 410〜 430mm(好ましくは 420mm)に、一対の三角形部34,34の端側の頂点同士の間隔寸法P2 が 760〜 800mm(好ましくは 780mm)に、矩形部35の給気流路10(又は排気流路11)に直交する方向の寸法P3 が 380〜 400mm(好ましくは 390mm)に形成される。
また、図10に於て、各フレーム部材3の幅寸法D3 が10〜22mm(好ましくは18mm)に、各細リブ材4の幅寸法D4 が2〜5mm(好ましくは4mm)に形成され、さらに、フレーム部材3と細リブ材4の厚さ寸法Hが 1.7〜 2.3mm(好ましくは2mm)に形成される。
そして、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bは、流路形成部材2の厚さ寸法を同じ大きさに形成した。即ち、この全熱交換素子40は、均一ピッチ方式の対向流型である。
後述の表1と表2に示した比較実験(測定)に使用した実施例1の各部材の寸法について説明すると、図8に於て、熱交換部材20を平面視したとき、矩形部35の給気流路10又は排気流路11の方向(長六角形の長手方向)の寸法P1 が 410〜 430mm(好ましくは 420mm)に、一対の三角形部34,34の端側の頂点同士の間隔寸法P2 が 760〜 800mm(好ましくは 780mm)に、矩形部35の給気流路10(又は排気流路11)に直交する方向の寸法P3 が 380〜 400mm(好ましくは 390mm)に形成される。
また、図10に於て、各フレーム部材3の幅寸法D3 が10〜22mm(好ましくは18mm)に、各細リブ材4の幅寸法D4 が2〜5mm(好ましくは4mm)に形成され、さらに、フレーム部材3と細リブ材4の厚さ寸法Hが 1.7〜 2.3mm(好ましくは2mm)に形成される。
そして、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bは、流路形成部材2の厚さ寸法を同じ大きさに形成した。即ち、この全熱交換素子40は、均一ピッチ方式の対向流型である。
そして、仕切膜1のうち流路形成部材2が当接する部分を除いた(有効伝熱)面積S1 (図16の白い部分)の、仕切膜1の面積S0 (図15参照)に対する(有効伝熱)面積比率Eが、70%以上、95%以下に設定される。
後述の表1・表2の比較実験(測定)に用いた実施例1について説明すると、図8〜図10、及び、図15,図16に於て、各熱交換部材20の仕切膜1において、矩形部35の上記寸法P1 を420mm に、かつ、一対の三角形部34,34の頂点同士の上記寸法P2 を 780mmに、かつ、矩形部35の上記寸法P3 を 390mmに形成し、さらに、7つの細リブ材4…の各幅寸法D4 を4mmに、フレーム部材3の幅寸法D3 を18mmに形成すると、仕切膜1の面積S0 が2418cm2 で、仕切膜1のうち流路形成部材2が当接する部分を除いた面積S1 が 480cm2 であるため、上記面積比率Eは約80%となる。この具体例のように、各部材の寸法P1 ,P2 ,P3 ,D3 ,D4 は、面積比率Eが70%以上95%以下となるように、上述した範囲内で設定される。
後述の表1・表2の比較実験(測定)に用いた実施例1について説明すると、図8〜図10、及び、図15,図16に於て、各熱交換部材20の仕切膜1において、矩形部35の上記寸法P1 を420mm に、かつ、一対の三角形部34,34の頂点同士の上記寸法P2 を 780mmに、かつ、矩形部35の上記寸法P3 を 390mmに形成し、さらに、7つの細リブ材4…の各幅寸法D4 を4mmに、フレーム部材3の幅寸法D3 を18mmに形成すると、仕切膜1の面積S0 が2418cm2 で、仕切膜1のうち流路形成部材2が当接する部分を除いた面積S1 が 480cm2 であるため、上記面積比率Eは約80%となる。この具体例のように、各部材の寸法P1 ,P2 ,P3 ,D3 ,D4 は、面積比率Eが70%以上95%以下となるように、上述した範囲内で設定される。
なお、仕切膜1の材質は、特殊紙(セルロース繊維と合成繊維の混紙)の表層にセルロース系高分子薄膜を形成した透湿性と気体遮蔽性を有する透湿膜が使用される。例えば、親水性繊維を含有する多孔質シートに、親水性高分子(例えば、ビスコースから再生されたセルロース)を含有する水溶液を塗布し、多孔質シートの表面や内部で上記の親水性高分子を水不溶化させてシートの孔を塞いだ親水性高分子加工シートが好ましい。その他にも、仕切膜1として、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セルロース、ポリテトラフルオロエチレン等を素材とする多孔質シートの表面に親水性高分子の薄膜を塗布した透湿膜を用いてもよい。
図11について追加説明すると、室内Xと屋外Yとを分ける壁Zには、ケーシング25が埋設されている。また、ケーシング25内には、全熱交換素子40と給気送風機12と排気送風機13とが設けられ、室内X側の取込孔49と屋外Y側の外気取込孔47近傍、または全熱交換素子40の給気側開口端部32(14)と排気側開口端部22(14)近傍には、フィルタ24が取付けられている。給気送風機12は、給気流路10の下流側に配設されると共に、排気送風機13は、排気流路11の下流側に配設されて、両吸込方式に形成される。なお、ケーシング25内で、給気空気と排気空気を混在させず全熱交換素子40を通過させるために複数個の間仕切壁27…が設けられる。
次に、対向流型全熱交換素子40を形成する手順について説明する。
図7に於て、補強用基板15は、仕切膜1と同形状を有し、厚さが2〜20mmのプラスチック板や金属板あるいは木板から成り、基板15の各頂点部位Cには、孔部19が設けられている。
そして、一対の基板15,15を、複数の熱交換部材20…を挟むように配設し、各熱交換部材20の頂部に形成された孔部29を貫通状として、補強棒28にて連結する。具体的には、一方の基板15の各頂点部位Cの孔部19に、補強棒28の一端部を嵌込み、そして、各熱交換部材20を、その流路形成部材2(フレーム部材3)の孔部29をもって、補強棒28に貫通させる。このように、複数の熱交換部材20…を次々に積層して補強棒28に通し、かつ、補強棒28の他端部に、他方の基板15の孔部19に嵌込む。そして、補強棒28の両端部は、ねじ止めや、接着剤による接着や、融着や、カシメ等により、基板15,15に固定される。補強棒28は、アルミ、鉄、ステンレス等の金属、あるいは樹脂にて形成される。
なお、図6は簡略図であり、全熱交換素子40は、給気流路10を有する第1熱交換部材20Aと、排気流路11を有する第2熱交換部材20Bとを、交互に 150〜 250段、好ましくは約 200段積層されている。
図7に於て、補強用基板15は、仕切膜1と同形状を有し、厚さが2〜20mmのプラスチック板や金属板あるいは木板から成り、基板15の各頂点部位Cには、孔部19が設けられている。
そして、一対の基板15,15を、複数の熱交換部材20…を挟むように配設し、各熱交換部材20の頂部に形成された孔部29を貫通状として、補強棒28にて連結する。具体的には、一方の基板15の各頂点部位Cの孔部19に、補強棒28の一端部を嵌込み、そして、各熱交換部材20を、その流路形成部材2(フレーム部材3)の孔部29をもって、補強棒28に貫通させる。このように、複数の熱交換部材20…を次々に積層して補強棒28に通し、かつ、補強棒28の他端部に、他方の基板15の孔部19に嵌込む。そして、補強棒28の両端部は、ねじ止めや、接着剤による接着や、融着や、カシメ等により、基板15,15に固定される。補強棒28は、アルミ、鉄、ステンレス等の金属、あるいは樹脂にて形成される。
なお、図6は簡略図であり、全熱交換素子40は、給気流路10を有する第1熱交換部材20Aと、排気流路11を有する第2熱交換部材20Bとを、交互に 150〜 250段、好ましくは約 200段積層されている。
次に、図12は全熱交換素子40の他の実施の形態を示し、図7と図9の実施の形態との相違点は、細リブ材4…が、(三角形部34,34の)開口端5, 6まで端部7aが延伸する長寸部材7と、開口端5, 6より内方に端部8aが設けられた短寸部材8と、を有し、隣り合う細リブ材4, 4によって形成される風路幅W0 よりも大きい風路幅W9 の拡大流路部9を開口端5,6に設けられている点であり、面積比率Eが75%以上、95%以下に設定される。この全熱交換素子40も、全ての熱交換部材20の流路形成部材2の厚さ寸法が等しい、均一ピッチ方式のものである。
具体的には、長寸部材7は、図9の細リブ材4と同じように形成され、短寸部材8は、その両端部8a,8aが、開口端5,6から20〜40mm内側の位置となる。そして、各熱交換部材20は、長寸部材7と短寸部材8とが交互に配設されている。そして、拡大流路部9は、隣り合う長寸部材7,7の端部7a,7a近傍部位により形成される。
この対向流型全熱交換素子40によれば、有効伝熱面積S1 が前述の実施の形態のものに比べて増えて面積比率Eが大きくなり、圧力損失が減少する(後述の表1の実施例2が相当する)。
なお、隣り合う長寸部材7,7の間に、2つの短寸部材8,8が配設されるように設計変更するも自由である。
具体的には、長寸部材7は、図9の細リブ材4と同じように形成され、短寸部材8は、その両端部8a,8aが、開口端5,6から20〜40mm内側の位置となる。そして、各熱交換部材20は、長寸部材7と短寸部材8とが交互に配設されている。そして、拡大流路部9は、隣り合う長寸部材7,7の端部7a,7a近傍部位により形成される。
この対向流型全熱交換素子40によれば、有効伝熱面積S1 が前述の実施の形態のものに比べて増えて面積比率Eが大きくなり、圧力損失が減少する(後述の表1の実施例2が相当する)。
なお、隣り合う長寸部材7,7の間に、2つの短寸部材8,8が配設されるように設計変更するも自由である。
次に、図13は全熱交換素子40の別の実施の形態を示し、既述の実施の形態との相違点は、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bにおいて、流路形成部材2の厚さ寸法H1 , H2 を相違させた点であり、即ち、この全熱交換素子40は、複合ピッチ方式の対向流型である。具体的には、第1熱交換部材20Aの流路形成部材2の厚さ寸法H1 が、第2熱交換部材20Bの厚さ寸法H2 よりも小さく設定されている。また、給気送風機12と排気送風機13は、同じ送風量に設定される。
表1・表2に実施例3として示すものは、この図13に対応する実施品であって、寸法については、H1 を 1.7mmに設定し、H2 を 2.3mmに設定する。また、図13は簡略図であり、全熱交換素子40は、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bとを交互に 150〜 250段、好ましくは約 200段積層して形成される。
そして、この全熱交換素子40によれば、顕熱交換効率が92%以上、全熱交換効率が80%以上となる(表1,表2参照)。
表1・表2に実施例3として示すものは、この図13に対応する実施品であって、寸法については、H1 を 1.7mmに設定し、H2 を 2.3mmに設定する。また、図13は簡略図であり、全熱交換素子40は、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bとを交互に 150〜 250段、好ましくは約 200段積層して形成される。
そして、この全熱交換素子40によれば、顕熱交換効率が92%以上、全熱交換効率が80%以上となる(表1,表2参照)。
次に、図14は全熱交換素子40のさらに他の実施の形態を示し、図13のものとの相違点は、第1熱交換部材20Aの流路形成部材2の厚さ寸法H1 を、第2熱交換部材20Bの厚さ寸法H2 よりも大きく形成した点である。
表1・表2の実施例4では、H1 を 2.3mmに設定し、H2 を 1.7mmに設定する。
そして、この実施例4の全熱交換素子40によれば、顕熱交換効率が90%以上となり、潜熱交換効率が75%以上となって、全熱交換効率は78%以上となる。
表1・表2の実施例4では、H1 を 2.3mmに設定し、H2 を 1.7mmに設定する。
そして、この実施例4の全熱交換素子40によれば、顕熱交換効率が90%以上となり、潜熱交換効率が75%以上となって、全熱交換効率は78%以上となる。
次に、本発明の全熱交換素子40と、比較例1,2の素子との比較実験を行った。
比較例1の全熱交換素子は図17の簡略図に示した通りであり、上述の特許文献1と同じ直交流型全熱交換素子である。即ち、この直交流型全熱交換素子は、仕切膜41と仕切膜41に貼り合わされた波板状流路形成部材42とから成る熱交換部材43を、流路形成部材42の向きが交互に直交するように積層したものである。仕切膜41は、図6〜図12で説明したものと同じ材質から成り、一辺が 500mmの正方形に形成されている。また、流路形成部材42は剛性の大きなクラフト紙をコルゲート(波状)加工したものであり、その高さ(厚さ)寸法を 2.0mmに、隣り合う山辺部同士の間隔寸法を 2.5mmに、山辺部又は谷辺部と仕切膜41との接着幅を1mmに形成した。そして、熱交換部材43を 200段積層して、直交流型全熱交換素子を形成した。この場合、仕切膜41の面積が2500cm2 であり、接着部の全面積は1000cm2 なので、有効伝熱面積は1500cm2 となり、仕切膜41の全面積に対する伝熱面積比率は60%である。
次に、比較例2は、図6〜図12で説明した実施例1の全熱交換素子40と同一の形状・寸法・構造であるが、相違点は、仕切膜1の材質が厚さ約 100ミクロンの(市販の)ポリプロピレンシートから成る点にある。
比較例1の全熱交換素子は図17の簡略図に示した通りであり、上述の特許文献1と同じ直交流型全熱交換素子である。即ち、この直交流型全熱交換素子は、仕切膜41と仕切膜41に貼り合わされた波板状流路形成部材42とから成る熱交換部材43を、流路形成部材42の向きが交互に直交するように積層したものである。仕切膜41は、図6〜図12で説明したものと同じ材質から成り、一辺が 500mmの正方形に形成されている。また、流路形成部材42は剛性の大きなクラフト紙をコルゲート(波状)加工したものであり、その高さ(厚さ)寸法を 2.0mmに、隣り合う山辺部同士の間隔寸法を 2.5mmに、山辺部又は谷辺部と仕切膜41との接着幅を1mmに形成した。そして、熱交換部材43を 200段積層して、直交流型全熱交換素子を形成した。この場合、仕切膜41の面積が2500cm2 であり、接着部の全面積は1000cm2 なので、有効伝熱面積は1500cm2 となり、仕切膜41の全面積に対する伝熱面積比率は60%である。
次に、比較例2は、図6〜図12で説明した実施例1の全熱交換素子40と同一の形状・寸法・構造であるが、相違点は、仕切膜1の材質が厚さ約 100ミクロンの(市販の)ポリプロピレンシートから成る点にある。
なお、図9と図11に於て追加的説明すれば、給気送風機12と排気送風機13を、同じ送風量となるように作動させることで、屋外Yの空気(給気側空気)が、給気入口32から給気流路10内へ入り、給気出口31から室内Xへ送られる。また、室内Xの空気(排気側空気)が、排気入口22から排気流路11内へ入り、排気出口21から屋外Yへ排出される。
このとき、対向流部16では、給気流路10を通過する空気と排気流路11を通過する空気とが相互に平行かつ反対向きに流れ、(仕切膜1と直交する方向から見て)交差流部17,17では、交差して流れる。そして、全熱交換素子40内では、給気流路10を通過する給気空気と排気流路11を通過する排気空気との間で、仕切膜1を介して全熱交換が行われる。
このとき、対向流部16では、給気流路10を通過する空気と排気流路11を通過する空気とが相互に平行かつ反対向きに流れ、(仕切膜1と直交する方向から見て)交差流部17,17では、交差して流れる。そして、全熱交換素子40内では、給気流路10を通過する給気空気と排気流路11を通過する排気空気との間で、仕切膜1を介して全熱交換が行われる。
そして、上述の実施例1〜4、及び、比較例1,比較例2の全熱交換素子において、顕熱交換効率、潜熱交換効率、全熱交換効率、及び、圧力損失について実際に測定実験を行った。その測定結果を、表1,表2に示す。表1は、JIS−B8628に規定された冬期暖房時の空気条件における測定結果であり、表2は同じ規定の夏期冷房時の空気条件における測定結果である。なお、熱交換効率の測定は、新鮮外気の給気が重要であり、これを重視するために、給気側のデータを測定した。
表1,表2によれば、実施例1〜4の全熱交換素子は、顕熱交換効率が85%以上に、かつ、潜熱交換効率が72%以上になり、また、全熱交換効率が、冬期暖房時で80%以上に、夏期冷房時で75%以上になり、いずれも、高い数値を示しており、高性能であることが明らかになった。また、圧力損失については60Pa以下で低い数値を示した。
これに対し、比較例1の直交流型全熱交換素子は、顕熱交換効率、潜熱交換効率、及び、全熱交換効率のいずれもが50〜65%になり、低い数値を示した。また、圧力損失が 120Paとなり、高い数値を示した。
また、比較例2の全熱交換素子は、潜熱交換効率が零であって、全熱交換効率が、冬期暖房時で52%に、夏期冷房時で20%となり、性能が低い。
これに対し、比較例1の直交流型全熱交換素子は、顕熱交換効率、潜熱交換効率、及び、全熱交換効率のいずれもが50〜65%になり、低い数値を示した。また、圧力損失が 120Paとなり、高い数値を示した。
また、比較例2の全熱交換素子は、潜熱交換効率が零であって、全熱交換効率が、冬期暖房時で52%に、夏期冷房時で20%となり、性能が低い。
実施例3,4の複合ピッチ方式の全熱交換素子(以下、「複合ピッチ素子」とよぶ)の顕熱交換効率と全熱交換効率が、実施例1,2の均一ピッチ方式の全熱交換素子(以下、「均一ピッチ素子」とよぶ)に比べ、表1,表2に示したように、高い数値になった理由について考察する。
図6〜図10で説明したように、均一ピッチ素子の流路形成部材2(フレーム部材3及び細リブ材4)の厚さ寸法Hは、全ての熱交換部材20において均一である。
一方、複合ピッチ素子は、図13,図14で説明したように、仕切膜1…の枚数は均一ピッチ素子の仕切膜1…の枚数と同じであり、各熱交換部材20の有効伝熱面積S1 も同じ大きさとなるが、複合ピッチ素子の隣り合う流路形成部材2A,2Bの厚さ寸法は、H1 <H2 、又は、H2 <H1 の関係で不均一である。
そして、図13において、複合ピッチ素子における熱交換のプロセスを考察すると、一方の気流(給気流路10)から仕切膜1に顕熱及び潜熱が伝熱し、仕切膜1から他方の気流(排気流路11)に顕熱及び潜熱が伝熱する場合の熱交換メカニズムとして、(i) 二種の気流が仕切膜1と接触している時間と、(ii)仕切膜1の表面における熱伝達速度と、が重要となる。
図6〜図10で説明したように、均一ピッチ素子の流路形成部材2(フレーム部材3及び細リブ材4)の厚さ寸法Hは、全ての熱交換部材20において均一である。
一方、複合ピッチ素子は、図13,図14で説明したように、仕切膜1…の枚数は均一ピッチ素子の仕切膜1…の枚数と同じであり、各熱交換部材20の有効伝熱面積S1 も同じ大きさとなるが、複合ピッチ素子の隣り合う流路形成部材2A,2Bの厚さ寸法は、H1 <H2 、又は、H2 <H1 の関係で不均一である。
そして、図13において、複合ピッチ素子における熱交換のプロセスを考察すると、一方の気流(給気流路10)から仕切膜1に顕熱及び潜熱が伝熱し、仕切膜1から他方の気流(排気流路11)に顕熱及び潜熱が伝熱する場合の熱交換メカニズムとして、(i) 二種の気流が仕切膜1と接触している時間と、(ii)仕切膜1の表面における熱伝達速度と、が重要となる。
一般的に、熱交換効率は、基本的に空気と仕切膜1の接触時間によって変化し、気流の速度が遅くなるほど熱交換効率は高くなり、反対に、気流の速度が早くなるほど熱交換効率は低くなる。また、仕切膜1の表面における熱伝達速度は風速によって変化し、高速度になるほど乱流効果(攪拌効果)の影響が大きくなり、熱伝達速度は大きくなる。
そして、給気送風機12と排気送風機13が同じ量の送風運転をすると、複合ピッチ素子では、一方の気流速度に比べ、他方の気流速度が速くなる。遅い速度の気流側では、上記メカニズム(i) が大きく関係し、また、速い気流側では、上記メカニズム(ii)が大きく関係するものと考えられる。即ち、遅い気流側では、気流から仕切膜1への伝熱は、気流の仕切膜1への接触時間が比較的に長いため多くの顕熱及び潜熱が仕切膜1へ伝達される。また、速い気流側では、高風速による乱流効果が大きく働き、仕切膜1から他方の気流に顕熱及び潜熱が効率的に伝達されたと考えられ、表1,表2に示したように、複合ピッチ素子の方が、均一ピッチ素子よりも高性能となったと考えられる。具体的には、図13にて示した実施例3では、給気流路10…が狭く高風速側となるので、上記メカニズム(ii)が大きく関係し、給気側で高風速による乱流効果が大きく働き、仕切膜1から給気に顕熱及び潜熱が効率よく伝達されたため、給気側の熱交換効率が、表1,表2から明らかなように、実施例4のものよりも高くなったと考えられる。
そして、給気送風機12と排気送風機13が同じ量の送風運転をすると、複合ピッチ素子では、一方の気流速度に比べ、他方の気流速度が速くなる。遅い速度の気流側では、上記メカニズム(i) が大きく関係し、また、速い気流側では、上記メカニズム(ii)が大きく関係するものと考えられる。即ち、遅い気流側では、気流から仕切膜1への伝熱は、気流の仕切膜1への接触時間が比較的に長いため多くの顕熱及び潜熱が仕切膜1へ伝達される。また、速い気流側では、高風速による乱流効果が大きく働き、仕切膜1から他方の気流に顕熱及び潜熱が効率的に伝達されたと考えられ、表1,表2に示したように、複合ピッチ素子の方が、均一ピッチ素子よりも高性能となったと考えられる。具体的には、図13にて示した実施例3では、給気流路10…が狭く高風速側となるので、上記メカニズム(ii)が大きく関係し、給気側で高風速による乱流効果が大きく働き、仕切膜1から給気に顕熱及び潜熱が効率よく伝達されたため、給気側の熱交換効率が、表1,表2から明らかなように、実施例4のものよりも高くなったと考えられる。
以上のように、全熱交換素子40は、仕切膜1と仕切膜1に固着された流路形成部材2とから成る熱交換部材20を複数枚積層して、仕切膜1を隔てて給気側と排気側の2つの気流を流通させると共に、仕切膜1を介して2つの気流の顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型であって、流路形成部材2は、仕切膜1の外縁に沿って配設されるフレーム部材3と、2つのフレーム部材3, 3間に所定間隔でもって配設されると共にフレーム部材3よりも小さい幅寸法D4 の細リブ材4とから成り、さらに、仕切膜1のうち流路形成部材2が当接する部分を除いた面積S1 の、仕切膜1の面積S0 に対する面積比率Eを、70%以上、95%以下に設定したものなので、冬期暖房時、夏期冷房時のいずれの場合でも、顕熱交換効率が85%以上、かつ、潜熱交換効率が72%以上の高い数値になり、また、圧力損失を60Pa以下へと、低い数値にすることができる。このように、簡易な構成でありながら、熱交換を非常に効率よく行うことができ、省エネルギー化を図ることができる。そして、地球温暖化防止のために大きく貢献することができる。
また、細リブ材4は、開口端5, 6まで端部7aが延伸する長寸部材7と、開口端5, 6より内方に端部8aが設けられた短寸部材8と、を有して、隣り合う細リブ材4, 4によって形成される風路幅W0 よりも大きい拡大流路部9を開口端5,6に設け、面積比率Eを75%以上、95%以下に設定したものなので、簡易な構成でありながら、全ての細リブ材4…を長寸部材7とする場合よりも、有効伝熱面積が大きくなることから顕熱交換効率及び潜熱交換効率を一層高い数値にすることができると共に、圧力損失を一層減少させることができる。
また、熱交換部材20は、給気流路10が形成される第1熱交換部材20Aと、排気流路11が形成される第2熱交換部材20Bと、を有し、さらに、第1熱交換部材20Aと第2熱交換部材20Bとは、流路形成部材2の厚さ寸法H1 , H2 を相違させたので、給気送風機12と排気送風機13から同じ送風量を送ることによって、給気流路10を通過する給気空気と、排気流路11を通過する排気空気の速さが相違する。これにより、全ての熱交換部材20…の流路形成部材2…の厚さ寸法Hが同じである場合に比べて、顕熱交換効率、潜熱交換効率、全熱交換効率を上昇させることができ、簡易な構成でありながら、一層大きな省エネルギー効果を発揮することができる。
また、給気側の気流を発生させる給気送風機12と、排気側の気流を発生させる排気送風機13と、を備え、給気送風機12を給気流路10の下流側に配設すると共に排気送風機13を排気流路11の下流側に配設して両吸込方式とし、さらに、第1熱交換部材20Aの流路形成部材2の厚さ寸法H1 を、第2熱交換部材20Bの厚さ寸法H2 よりも低く設定したので、給気流路10を通過する給気空気を、排気流路11を通過する排気空気よりも速く通過させることができる。これにより、顕熱交換効率を90%以上に、かつ、全熱交換効率を78%以上にできる。よって、簡易な構成でありながら、効率よく省エネルギー化を図ることができる。
また、給気側の気流を発生させる給気送風機12と、排気側の気流を発生させる排気送風機13と、を備え、給気送風機12を給気流路10の下流側に配設すると共に排気送風機13を排気流路11の下流側に配設して両吸込方式とし、さらに、第1熱交換部材20Aの流路形成部材2の厚さ寸法H1 を、第2熱交換部材20Bの厚さ寸法H2 よりも高く設定したので、排気流路11を通過する排気空気を、給気流路10を通過する給気空気よりも速く通過させることができる。これにより、有効換気量率を98%以上にすることができるので、非常に効率よく換気を行うことができ、簡易な構成でありながら、効率よく省エネルギー化を図ることができる。
本願発明は、屋外Yから取り入れる給気側空気A1 と、屋内Xから排出する排気側空気B1 を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気A1 と排気側空気B1 との間で全熱交換を行う全熱交換素子40を、具備し、該全熱交換素子40は、仕切膜1を介して上記給気側空気A1 と排気側空気B1 を相互に反対方向に流す対向流型であると共に、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上であるので、夏期・冬期の給気温度・給気湿度が、室内条件に一層近づき、生活面での快適性が増す。かつ、排出される空気から熱エネルギーを無駄なく回収でき、夏期の冷房、及び冬期の暖房の各負担を低く抑えることができる。つまり、省エネルギー化を図って、地球温暖化防止にも貢献できる。
また、屋外Yから取り入れる給気側空気A1 と、屋内Xから排出する排気側空気B1 を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気A1 と排気側空気B1 との間で全熱交換を行う全熱交換素子40を、具備し、該全熱交換素子40は、仕切膜1と該仕切膜1に固着された流路形成部材2とから成る熱交換部材20を複数枚積層して、該仕切膜1を隔てて上記給気側空気A1 と排気側空気B1 を流通させると共に、該仕切膜1を介して上記給気側空気A1 と排気側空気B1 を相互に反対方向に流して顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型であって、上記仕切膜1のうち上記流路形成部材2が当接する部分を除いた面積S1 の、該仕切膜1の面積S0 に対する面積比率Eを、70%以上、95%以下に設定して、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上としたので、夏期・冬期の給気温度・給気湿度が、室内条件に一層近づき、生活面での快適性が増す。かつ、排出される空気から熱エネルギーを無駄なく回収でき、夏期の冷房、及び冬期の暖房の各負担を低く抑えることができる。つまり、省エネルギー化を図って、地球温暖化防止にも貢献できる。
また、屋外Yから取り入れる給気側空気A1 と、屋内Xから排出する排気側空気B1 を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気A1 と排気側空気B1 との間で全熱交換を行う全熱交換素子40を、具備し、該全熱交換素子40は、仕切膜1と該仕切膜1に固着された流路形成部材2とから成る熱交換部材20を複数枚積層して、該仕切膜1を隔てて上記給気側空気A1 と排気側空気B1 を流通させると共に、該仕切膜1を介して上記給気側空気A1 と排気側空気B1 を相互に反対方向に流して顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型であって、該流路形成部材2は、該仕切膜1の外縁に沿って配設されるフレーム部材3と、2つの該フレーム部材3,3間に所定間隔でもって配設されると共に該フレーム部材3よりも小さい幅寸法D4 の細リブ材4とから成り、さらに、上記仕切膜1のうち上記流路形成部材2が当接する部分を除いた面積S1 の、該仕切膜1の面積S0 に対する面積比率Eを、70%以上、95%以下に設定して、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上としたので、流路形成部材2の剛性と強度は、細リブ材4…とフレーム部材3,3によって維持され、空気A1 ,B1 の流れがスムースで全熱交換が確実に行われ、このような全熱交換素子40を用いることで優れた画期的な顕熱・潜熱の各交換効率を発揮して、夏期・冬期の給気温度・給気湿度が、室内条件に一層近づき、生活面での快適性が増す。かつ、排出される空気から熱エネルギーを無駄なく回収でき、夏期の冷房、及び冬期の暖房の各負担を低く抑えることができる。つまり、省エネルギー化を図って、地球温暖化防止にも貢献できる。
また、住宅または店舗等の建物の天井裏、壁内、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクト51,52,53,54を配設し、上記全熱交換素子40と該ダクト51,52,53,54を接続し、該ダクト51,52,53,54を利用して外気の取り込み、室内Xの給気、室内Xからの空気の取り込み、屋外Yへの排気を同時に行うように構成したので、(図2に例示したように)多くの部屋について自由自在に十分な全熱交換を高効率にて行うことができ、実際の建物への設置工事も容易である。
また、住宅または店舗等の建物の天井裏、壁内、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクト51,52,53を配設し、上記全熱交換素子40と該ダクト51,52,53を接続し、該ダクト51,52,53を利用して外気の取り込み、室内への給気、屋外への排気を同時に行い、室内Xからの空気の取り込みは、上記全熱交換素子40から直接行うように構成したので、(図3に例示したように)ダクト(配管)工事が容易となり、一層高効率にて全熱交換ができるようになる。
また、住宅または店舗等の建物の天井裏、壁内、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクト51,52,53を配設し、上記全熱交換素子40と該ダクト51,52,53を接続し、該ダクト51,52,53を利用して外気の取り込み、室内への給気、屋外への排気を同時に行い、室内Xからの空気の取り込みは、上記全熱交換素子40から直接行うように構成したので、(図3に例示したように)ダクト(配管)工事が容易となり、一層高効率にて全熱交換ができるようになる。
また、上記全熱交換素子40は、天井、あるいは床に設置され、天井裏、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクト51,53を配設し、このダクト51,53を利用して、外気の取り込みと屋外への排気を同時に行い、室内への給気と室内からの空気の取り込みは、全熱交換素子40から直接行うように構成したので、建物の部屋数が少ない等の条件によっては、工事が容易で、全熱交換効率も優れたものとなる。
また、所定の部屋の壁Zに埋め込み設置され、又は、壁Zに室内突出状に固着され、外気の取り込み、室内への給気、室内からの空気の取り込み、屋外Yへの排気を上記全熱交換素子40にて直接行って、上記部屋の換気を行う構成とすれば、(図5に例示するように)必要な部屋に簡単に設置できて、全熱交換効率も一層優れたものとなる。
また、所定の部屋の壁Zに埋め込み設置され、又は、壁Zに室内突出状に固着され、外気の取り込み、室内への給気、室内からの空気の取り込み、屋外Yへの排気を上記全熱交換素子40にて直接行って、上記部屋の換気を行う構成とすれば、(図5に例示するように)必要な部屋に簡単に設置できて、全熱交換効率も一層優れたものとなる。
1 仕切膜
2 流路形成部材
3 フレーム部材
4 細リブ材
5 開口端
6 開口端
7 長寸部材
7a 端部
8 短寸部材
8a 端部
9 拡大流路部
10 給気流路
11 排気流路
12 給気送風機(ファン)
13 排気送風機(ファン)
20 熱交換部材
20A 第1熱交換部材
20B 第2熱交換部材
40 全熱交換素子
51, 52, 53, 54 ダクト
A1 給気側空気
B1 排気側空気
D4 幅寸法
E 面積比率
H1 ,H2 厚さ寸法
S0 ,S1 面積
W0 幅寸法
X 室内
Y 屋外
Z 壁
2 流路形成部材
3 フレーム部材
4 細リブ材
5 開口端
6 開口端
7 長寸部材
7a 端部
8 短寸部材
8a 端部
9 拡大流路部
10 給気流路
11 排気流路
12 給気送風機(ファン)
13 排気送風機(ファン)
20 熱交換部材
20A 第1熱交換部材
20B 第2熱交換部材
40 全熱交換素子
51, 52, 53, 54 ダクト
A1 給気側空気
B1 排気側空気
D4 幅寸法
E 面積比率
H1 ,H2 厚さ寸法
S0 ,S1 面積
W0 幅寸法
X 室内
Y 屋外
Z 壁
Claims (9)
- 屋外(Y)から取り入れる給気側空気(A1 )と、屋内(X)から排出する排気側空気(B1 )を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気(A1 )と排気側空気(B1 )との間で全熱交換を行う全熱交換素子(40)を、具備し、該全熱交換素子(40)は、仕切膜(1)を介して上記給気側空気(A1 )と排気側空気(B1 )を相互に反対方向に流す対向流型であると共に、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上であることを特徴とする換気装置。
- 屋外(Y)から取り入れる給気側空気(A1 )と、屋内(X)から排出する排気側空気(B1 )を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気(A1 )と排気側空気(B1 )との間で全熱交換を行う全熱交換素子(40)を、具備し、
該全熱交換素子(40)は、仕切膜(1)と該仕切膜(1)に固着された流路形成部材(2)とから成る熱交換部材(20)を複数枚積層して、該仕切膜(1)を隔てて上記給気側空気(A1 )と排気側空気(B1 )を流通させると共に、該仕切膜(1)を介して上記給気側空気(A1 )と排気側空気(B1 )を相互に反対方向に流して顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型であって、上記仕切膜(1)のうち上記流路形成部材(2)が当接する部分を除いた面積(S1 )の、該仕切膜(1)の面積(S0 )に対する面積比率(E)を、70%以上、95%以下に設定して、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上としたことを特徴とする換気装置。 - 屋外(Y)から取り入れる給気側空気(A1 )と、屋内(X)から排出する排気側空気(B1 )を同時に給排気する換気装置であって、上記給気側空気(A1 )と排気側空気(B1 )との間で全熱交換を行う全熱交換素子(40)を、具備し、
該全熱交換素子(40)は、仕切膜(1)と該仕切膜(1)に固着された流路形成部材(2)とから成る熱交換部材(20)を複数枚積層して、該仕切膜(1)を隔てて上記給気側空気(A1 )と排気側空気(B1 )を流通させると共に、該仕切膜(1)を介して上記給気側空気(A1 )と排気側空気(B1 )を相互に反対方向に流して顕熱及び潜熱を熱交換させる対向流型であって、該流路形成部材(2)は、該仕切膜(1)の外縁に沿って配設されるフレーム部材(3)と、2つの該フレーム部材(3)(3)間に所定間隔でもって配設されると共に該フレーム部材(3)よりも小さい幅寸法(D4 )の細リブ材(4)とから成り、さらに、上記仕切膜(1)のうち上記流路形成部材(2)が当接する部分を除いた面積(S1 )の、該仕切膜(1)の面積(S0 )に対する面積比率(E)を、70%以上、95%以下に設定して、顕熱交換効率を85%以上で、かつ、潜熱交換効率を68%以上としたことを特徴とする換気装置。 - 上記細リブ材(4)は、開口端(5)(6)まで端部(7a)が延伸する長寸部材(7)と、該開口端(5)(6)より内方に端部(8a)が設けられた短寸部材(8)と、を有して、隣り合う細リブ材(4)(4)によって形成される風路幅(W0 )よりも大きい拡大流路部(9)を上記開口端(5)(6)に設け、上記面積比率(E)を75%以上、95%以下に設定した請求項3記載の換気装置。
- 上記熱交換部材(20)は、給気流路(10)が形成される第1熱交換部材(20A)と、排気流路(11)が形成される第2熱交換部材(20B)と、を有し、
さらに、該第1熱交換部材(20A)と該第2熱交換部材(20B)とは、上記流路形成部材(2)の厚さ寸法(H1 )(H2 )を相違させた請求項3又は4記載の換気装置。 - 住宅または店舗等の建物の天井裏、壁内、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクト (51)(52)(53)(54) を配設し、上記全熱交換素子(40)と該ダクト (51)(52)(53)(54) を接続し、該ダクト (51)(52)(53)(54) を利用して外気の取り込み、室内(X)への給気、室内(X)からの空気の取り込み、屋外(Y)への排気を同時に行うように構成した請求項1,2,3,4又は5記載の換気装置。
- 住宅または店舗等の建物の天井裏、壁内、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクト (51)(52)(53) を配設し、上記全熱交換素子(40)と該ダクト (51)(52)(53) を接続し、該ダクト (51)(52)(53) を利用して外気の取り込み、室内への給気、屋外への排気を同時に行い、
室内(X)からの空気の取り込みは、上記全熱交換素子(40)から直接行うように構成した請求項1,2,3,4又は5記載の換気装置。 - 上記全熱交換素子(40)は、天井、あるいは床に設置され、天井裏、あるいは床下の空間に空気搬送用のダクト (51)(53) を配設し、
このダクト (51)(53) を利用して、外気の取り込みと屋外への排気を同時に行い、
室内への給気と室内からの空気の取り込みは、全熱交換素子(40)から直接行うように構成した請求項1,2,3,4又は5記載の換気装置。 - 所定の部屋の壁(Z)に埋め込み設置され、又は、壁(Z)に室内突出状に固着され、外気の取り込み、室内への給気、室内からの空気の取り込み、屋外(Y)への排気を上記全熱交換素子(40)にて直接行って、上記部屋の換気を行う請求項1,2,3,4又は5記載の換気装置。
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