JP2021042902A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器の気密性を向上させる。【解決手段】熱交換器(10)では、仕切り部材(15)と間隔保持部材(25,55)が交互に積層される。間隔保持部材(25,55)の外周に沿った枠部(30,60)は、外側部(33,63)と内側部(36,66)とを備える。外側部(33,63)は、枠部(30,60)の周縁に沿う。内側部(36,66)は、外側部(33,63)の内側に位置し、外側部(33,63)に沿う。内側部(36,66)は、その隣に位置する間隔保持部材(25,55)との間に仕切り部材(15)を挟んで保持する。外側部(33,63)と、その隣に位置する間隔保持部材(25,55)との間には、外側隙間(81)が形成される。【選択図】図12

Description

本開示は、熱交換器に関するものである。
特許文献1には、換気装置に用いられる熱交換素子が開示されている。この熱交換素子は、給気と排気を熱交換させる熱交換器である。この熱交換器では、樹脂枠と伝熱板とが交互に複数ずつ積層される。この熱交換器では、樹脂枠と伝熱板の積層方向に、給気側の空気流路と排気側の空気流路が交互に形成される。隣り合う空気流路は、伝熱板によって仕切られる。そして、この熱交換器では、給気側の空気流路を流れる空気と、排気側の空気流路を流れる空気とが、伝熱板を介して顕熱と潜熱(水分)を交換する。
特開2007−100997号公報
特許文献1の熱交換器では、樹脂枠と伝熱板とが交互に複数ずつ積層される。そのため、樹脂枠の寸法精度が不充分な場合は、樹脂枠の周縁部と伝熱板の隙間を、樹脂枠の全周に亘ってシールするのが困難となる。そして、その結果、熱交換器の気密性が低下し、空気流路の出入口以外の経路を通って空気流路から漏出し、または空気流路へ侵入する空気の量が多くなるおそれがある。
本開示の目的は、熱交換器の気密性を向上させることにある。
本開示の第1の態様は、平坦なシート状の複数の仕切り部材(15)と、上記仕切り部材(15)と交互に積層されて隣り合う上記仕切り部材(15)の間隔を保持する間隔保持部材(25,55)とを備え、上記仕切り部材(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成された熱交換器(10)を対象とする。そして、上記間隔保持部材(25,55)は、上記仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有し、上記枠部(30,60)は、該枠部(30,60)の周縁に沿った外側部(33,63)と、該外側部(33,63)の内側に位置して上記外側部(33,63)に沿った内側部(36,66)とを有し、上記枠部(30,60)の上記内側部(36,66)は、該内側部(36,66)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に上記仕切り部材(15)を挟んで保持し、上記枠部(30,60)の上記外側部(33,63)と該外側部(33,63)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に外側隙間(81)が形成されることを特徴とする。
第1の態様では、仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)に、外側部(33,63)と内側部(36,66)とが設けられる。熱交換器(10)では、各仕切り部材(15)の外側部(33,63)と、その外側部(33,63)の隣に位置する間隔保持部材(25,55)との間に、外側隙間(81)が形成される。また、熱交換器(10)では、各仕切り部材(15)の内側部(36,66)が、その内側部(36,66)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に上記仕切り部材(15)を挟んで保持する。その結果、間隔保持部材(25,55)の枠部(30,60)と仕切り部材(15)との間がシールされ、熱交換器の気密性が向上する。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記外側隙間(81)を埋めるように設けられ、上記枠部(30,60)の上記外側部(33,63)を該外側部(33,63)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)に接着する接着層(85)を備えることを特徴とする。
第2の態様では、外側隙間(81)を埋めるように設けられた接着層(85)によって、隣り合う間隔保持部材(25,55)が互いに接着される。また、外側隙間(81)が接着層(85)によって埋められるため、熱交換器(10)の気密性が向上し、その結果、正規の経路以外の経路を通って空気の流路(21,51)から漏出し、または空気の流路(21,51)へ侵入する空気の量が抑えられる。
本開示の第3の態様は、上記第2の態様において、上記接着層(85)と同じ材質からなり、上記接着層(85)に連続して形成されて上記熱交換器(10)の外面を覆う被覆層(86)を備えることを特徴とする。
第3の態様では、熱交換器(10)の外面が被覆層(86)によって覆われる。このため、熱交換器(10)の外面が被覆層(86)によって保護され、熱交換器(10)の信頼性が向上する。
本開示の第4の態様は、上記第2又は第3の態様において、上記接着層(85)は、紫外線を受けて硬化する接着剤によって構成されることを特徴とする。
第4の態様では、外側隙間(81)に入り込んだ接着剤に紫外線を照射することによって、熱交換器(10)に接着層(85)が形成される。
本開示の第5の態様は、上記第2又は第3の態様において、上記接着層(85)は、抗菌成分と防カビ成分とを含むことを特徴とする。
第5の態様では、熱交換器(10)における細菌とカビの繁殖を抑えることができ、熱交換器(10)を清潔に保つことができる。
本開示の第6の態様は、上記第2〜第5のいずれか一つの態様において、上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)には、上記仕切り部材(15)の積層方向の一方の面から突出する位置決め突起(37,67)と、他方の面に開口して上記枠部(30,60)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)の上記位置決め突起(37,67)が嵌り込む位置決め孔(38,68)とが形成され、上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)は、上記位置決め突起(37,67)と該位置決め突起(37,67)が形成された面とが、上記位置決め突起(37,67)が嵌まり込む上記位置決め孔(38,68)が形成された上記間隔保持部材(25,55)に、上記接着層(85)によって接着されることを特徴とする。
第6の態様において、各間隔保持部材(25,55)の位置決め突起(37,67)は、その間隔保持部材(25,55)の隣に位置する間隔保持部材(25,55)の位置決め孔(38,68)に入り込む。このことによって、隣り合う間隔保持部材(25,55)同士の相対的な位置が定まる。各間隔保持部材(25,55)の位置決め突起(37,67)は、その間隔保持部材(25,55)の隣に位置する間隔保持部材(25,55)と接着層(85)によって接着される。
図1は、実施形態1の熱交換器の斜視図である。 図2は、実施形態1の熱交換器の平面図である。 図3は、実施形態1の熱交換器の一部を抜き出して示す平面図である。 図4は、実施形態1の第1フレームの平面図である。 図5は、実施形態1の第1フレームの一部を表(おもて)面側から見た状態を示す斜視図である。 図6は、実施形態1の第1フレームの一部を裏面側から見た状態を示す斜視図である。 図7は、実施形態1の第2フレームの平面図である。 図8は、実施形態1の第2フレームの一部を表(おもて)面側から見た状態を示す斜視図である。 図9は、実施形態1の第2フレームの一部を裏面側から見た状態を示す斜視図である。 図10は、図3のX−X断面の一部を拡大して示す熱交換器の断面図である。 図11は、図3のXI−XI断面の一部を拡大して示す熱交換器の断面図である。 図12は、図3のXII−XII断面の一部を拡大して示す熱交換器の断面図である。 図13は、製造途中の実施形態1の熱交換器の図12に対応する断面を示す断面図である。 図14は、実施形態2の熱交換器の図12に対応する断面を示す断面図である。
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態の熱交換器(10)は、いわゆる全熱交換器である。この熱交換器(10)は、換気装置に設けられ、室内へ供給される室外空気(給気)と、室外へ排出される室内空気(排気)との間で、顕熱と潜熱(水分)を交換させる。
−熱交換器の全体構成−
図1に示すように、熱交換器(10)は、端面が多角形の柱状に形成される。本実施形態の熱交換器(10)の端面は、横長の八角形状である。図2にも示すように、熱交換器(10)には、一つの主熱交換部(11)と、二つの副熱交換部(12a,12b)とが形成される。
主熱交換部(11)は、熱交換器(10)のうち図2の左右方向の中央に位置する。図2に示す熱交換器(10)の平面図において、主熱交換部(11)は、横長の長方形状の部分である。副熱交換部(12a,12b)は、熱交換器(10)のうち図2の左右方向における主熱交換部(11)の側方に位置する。熱交換器(10)では、図2の左右方向における主熱交換部(11)の両側に、副熱交換部(12a,12b)が一つずつ配置される。図2に示す熱交換器(10)の平面図において、各副熱交換部(12a,12b)は、台形状の部分である。
熱交換器(10)は、第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)を複数ずつ備える。熱交換器(10)において、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)は、交互に重なり合っている。第1エレメント(20)は、第1流路(21)を形成する。第1流路(21)は、給気が流れる流路である。第2エレメント(50)は、第2流路(51)を形成する。第2流路(51)は、排気が流れる流路である。熱交換器(10)では、第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の積層方向に、第1流路(21)と第2流路(51)が交互に形成される。
熱交換器(10)の側面(第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の積層方向に沿った面)には、第1流入口(22a)と、第1流出口(22b)と、第2流入口(52a)と、第2流出口(52b)とが形成される。第1流入口(22a)及び第1流出口(22b)は、第1エレメント(20)に形成されて第1流路(21)に連通する。第2流入口(52a)及び第2流出口(52b)は、第2エレメント(50)に形成されて第2流路(51)に連通する。
図2及び図3にも示すように、第1流入口(22a)と、第1流出口(22b)と、第2流入口(52a)と、第2流出口(52b)とは、それぞれが熱交換器(10)の異なる側面に形成される。熱交換器(10)の一方の副熱交換部(12a)では、一つの側面に第1流入口(22a)が開口し、他の側面に第2流出口(52b)が開口する。熱交換器(10)の他方の副熱交換部(12b)では、一つの側面に第1流出口(22b)が開口し、他の側面に第2流入口(52a)が開口する。
熱交換器(10)の側面は、積層された第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の外周面によって構成される。熱交換器(10)の側面は、実質的な平面である。
−空気の流れと熱交換作用−
図2に示すように、熱交換器(10)では、第1流入口(22a)へ室外空気OAが流入し、第2流入口(52a)に室内空気RAが流入する。第1流入口(22a)へ流入した室外空気OAは、給気として第1流路(21)を流れ、一方の副熱交換部(12a)と、主熱交換部(11)と、他方の副熱交換部(12b)とを順に通過し、その後に第1流出口(22b)から流出して室内へ供給される。第2流入口(52a)へ流入した室内空気RAは、排気として第2流路(51)を流れ、他方の副熱交換部(12b)と、主熱交換部(11)と、一方の副熱交換部(12a)とを順に通過し、その後に第2流出口(52b)から流出して室外へ排出される。
熱交換器(10)の各副熱交換部(12a,12b)において、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気とは、互いに交差する方向に流れる。熱交換器(10)の主熱交換部(11)において、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気とは、互いに逆向きに流れる。
熱交換器(10)では、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気との間で、顕熱と潜熱(水分)の交換が行われる。熱交換器(10)では、給気と排気のうち温度が高い方から温度が低い方へ熱が移動する。また、熱交換器(10)では、給気と排気のうち湿度が高い方から湿度が低い方へ水分が移動する。
−第1エレメント、第2エレメント−
図10〜図12に示すように、第1エレメント(20)は第1フレーム(25)と仕切りシート(15)とを備え、第2エレメント(50)は第2フレーム(55)と仕切りシート(15)とを備える。
詳しくは後述するが、第1フレーム(25)と第2フレーム(55)のそれぞれは、射出成形によって形成された樹脂製の扁平な部材である。以下の説明では、図A,図B,図Cにおける第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)の上面を「表(おもて)面」とし、図A,図B,図Cにおける第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)の下面を「裏面」とする。
仕切りシート(15)は、透湿性が高くて通気性が低いシート状の部材である。この仕切りシート(15)は、第1流路(21)と第2流路(51)を仕切る仕切り部材である。仕切りシート(15)の材質は、親水基と疎水基を含む高分子材料(例えば、ポリウレタン)である。仕切りシート(15)の厚さは、例えば1〜30μm程度である。
なお、仕切りシート(15)は、紙や不織布などによって構成されていてもよい。仕切りシート(15)を構成する紙または不織布の材質としては、繊維状の樹脂、繊維状の金属、ガラス繊維、パルプが例示される。
第1エレメント(20)において、仕切りシート(15)は、接着剤によって第1フレーム(25)の裏面に接着される。仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の裏面のほぼ全体を覆う。第2エレメント(50)において、仕切りシート(15)は、接着剤によって第2フレーム(55)の裏面に接着される。仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の裏面のほぼ全体を覆う。
−第1フレーム−
図4に示すように、第1フレーム(25)は、平面視で横長の八角形状に形成される。平面視における第1フレーム(25)の外形は、熱交換器(10)の端面の形状と実質的に同じである。第1フレーム(25)は、隣り合う仕切りシート(15)の間隔を保つ第1間隔保持部材である。
第1フレーム(25)には、一つの中央エリア(26)と、二つの端部エリア(27a,27b)とが形成される。中央エリア(26)は、横長の長方形状のエリアであって、図4の左右方向の中央に位置する。第1フレーム(25)において、端部エリア(27a,27b)は、中央エリア(26)の両側に一つずつ形成される。端部エリア(27a,27b)は、図4の左右方向における中央エリア(26)の側方に位置する台形状のエリアである。
〈枠部〉
第1フレーム(25)は、枠部(30)を備える。枠部(30)は、第1フレーム(25)の外周に沿って延びる部分であって、第1フレーム(25)の全周に亘って形成される。言い換えると、枠部(30)は、横長の八角形の枠状に形成される。枠部(30)は、第1フレーム(25)によって形成される第1流路(21)の周囲を囲う。また、枠部(30)は、仕切りシート(15)の周縁に沿っている。
第1フレーム(25)の枠部(30)には、二つの第1連通用開口(22)が形成される。各第1連通用開口(22)は、枠部(30)に囲まれた第1流路(21)を、枠部(30)の外側と連通させる。図4に示す枠部(30)において、一方の第1連通用開口(22)は、左側の端部エリア(27a)に位置する下向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第1流入口(22a)を構成する。また、図4に示す枠部(30)において、他方の第1連通用開口(22)は、右側の端部エリア(27b)に位置する上向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第1流出口(22b)を構成する。
図4〜図6に示すように、第1フレーム(25)の枠部(30)は、閉塞部(31)と、外側リブ(33)と、補助リブ(32)とを備える。外側リブ(33)は、その一部が凸条部(34)を構成する。閉塞部(31)には、凹条部(35)が形成される。
閉塞部(31)は、枠部(30)のうち第1連通用開口(22)が形成されていない六つの辺に沿って延びる。図11,図12に示すように、閉塞部(31)の断面の形状は、矩形の一つの角部を切り欠いた形状である。閉塞部(31)は、枠部(30)に囲まれた第1流路(21)を枠部(30)の外部から仕切る。閉塞部(31)の厚さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい。
図4に示すように、外側リブ(33)は、枠部(30)の外周に沿って延びる部分であって、枠部(30)の全周に亘って形成される。外側リブ(33)は、枠部(30)の八つの辺の全てに沿って形成される。外側リブ(33)は、閉塞部(31)の表(おもて)面側に配置され、閉塞部(31)と一体に形成される。
図11,図12に示すように、外側リブ(33)は、閉塞部(31)に隣接する部分が凸条部(34)を構成する。凸条部(34)は、閉塞部(31)の最外周縁に沿って延び、閉塞部(31)の表面から突出する。凸条部(34)の外周面は、閉塞部(31)の外周面と共に一つの平面を形成する。
図11,図12に示すように、凹条部(35)は、閉塞部(31)の裏面に開口する凹溝である。凹条部(35)は、閉塞部(31)の全長に亘って、閉塞部(31)の最外周縁に沿って形成される。凹条部(35)は、閉塞部(31)の外周面にも開口する。凹条部(35)の断面の形状は、後述する第2フレーム(55)の凸条部(64)の断面に対応した形状である。第1フレーム(25)の凹条部(35)には、第2フレーム(55)の外側リブ(63)が嵌り込む。従って、第1フレーム(25)の凹条部(35)には、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)が嵌り込む。
図4〜図6に示すように、補助リブ(32)は、第1連通用開口(22)に沿って延びる部分である。補助リブ(32)は、枠部(30)の裏面側に配置される。図10に示すように、補助リブ(32)の断面の形状は、扁平な長方形状である。補助リブ(32)の表(おもて)面は、隣り合う第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面(図10における上面)と、同一平面上に位置する。補助リブ(32)の裏面は、閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
第1フレーム(25)の枠部(30)では、外側リブ(33)が、枠部(30)の周縁に沿った外側部である。また、閉塞部(31)のうち外側リブ(33)よりも内側に位置する部分が、外側リブ(33)に沿った内側部(36)である。
〈第1内側リブ、第1保持リブ〉
図4〜図6に示すように、第1フレーム(25)は、第1内側リブ(40)と、第1保持リブ(41a,41b)とを備える。第1内側リブ(40)及び第1保持リブ(41a,41b)は、第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)に設けられる。
第1内側リブ(40)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1連通用開口(22)と交わる方向に延びる。本実施形態において、第1内側リブ(40)は、枠部(30)の第1連通用開口(22)が形成された辺から、その辺と実質的に直交する方向に延びる。第1内側リブ(40)の高さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい。
本実施形態の第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)には、四本の第1内側リブ(40)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。各端部エリア(27a,27b)において、四本の第1内側リブ(40)は、補助リブ(32)によって互いに連結される。各第1内側リブ(40)は、補助リブ(32)と一体に形成される。各第1内側リブ(40)の裏面は、補助リブ(32)の裏面と同一平面上に位置する。
第1保持リブ(41a,41b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1内側リブ(40)と実質的に直交する方向に延びる。第1保持リブ(41a,41b)は、隣り合う第1内側リブ(40)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第1保持リブ(41a,41b)は、第1流路(21)のうち隣り合う第1内側リブ(40)の間の部分を横断する。
図5,図6に示すように、隣り合う第1内側リブ(40)の間において、第1保持リブ(41a,41b)は、第1フレーム(25)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)は、その表(おもて)面が、第1内側リブ(40)及び閉塞部(31)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第1フレーム(25)の裏面側の第1保持リブ(41b)は、その裏面が、第1内側リブ(40)及び閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
第1保持リブ(41a,41b)は、後述する第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)に沿って設けられる。平面視において、各第1保持リブ(41a,41b)は、その全長に亘って、隣り合う第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)と重なり合う。また、第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)と、その裏面側の第1保持リブ(41b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
各第1保持リブ(41a,41b)の厚さは、第1内側リブ(40)の厚さの半分未満である。第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)と、その裏面側の第1保持リブ(41b)は、第1内側リブ(40)の厚さ方向において離れている。
〈第1流路内リブ、第1支持リブ〉
図4〜図6に示すように、第1フレーム(25)は、第1流路内リブ(45)と、第1支持リブ(46a,46b)とを備える。第1流路内リブ(45)及び第1支持リブ(46a,46b)は、第1フレーム(25)の中央エリア(26)に設けられる。
第1流路内リブ(45)は、真っ直ぐな棒状に形成され、中央エリア(26)の長辺と平行な方向に延びる。言い換えると、第1流路内リブ(45)は、一方の端部エリア(27a)から他方の端部エリア(27b)に向かって延びる。第1流路内リブ(45)の高さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい。本実施形態の第1フレーム(25)の中央エリア(26)には、九本の第1流路内リブ(45)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。
図4に示すように、第1支持リブ(46a,46b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1流路内リブ(45)と実質的に直交する方向に延びる。第1支持リブ(46a,46b)は、隣り合う第1流路内リブ(45)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第1支持リブ(46a,46b)は、第1流路(21)のうち隣り合う第1流路内リブ(45)の間の部分を横断する。
隣り合う第1流路内リブ(45)の間において、第1支持リブ(46a,46b)は、第1フレーム(25)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)は、その表(おもて)面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(31)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第1フレーム(25)の裏面側の第1支持リブ(46b)は、その裏面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
各第1支持リブ(46a,46b)の厚さは、第1流路内リブ(45)の厚さの半分未満である。第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)と、その裏面側の第1支持リブ(46b)は、第1流路内リブ(45)の厚さ方向において離れている。また、第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)と、その裏面側の第1支持リブ(46b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
−第2フレーム−
図7に示すように、第2フレーム(55)は、平面視で横長の八角形状に形成される。平面視における第2フレーム(55)の外形は、熱交換器(10)の端面の形状と実質的に同じである。第2フレーム(55)は、隣り合う仕切りシート(15)の間隔を保つ第2間隔保持部材である。
第2フレーム(55)には、一つの中央エリア(56)と、二つの端部エリア(57a,57b)とが形成される。中央エリア(56)は、横長の長方形状のエリアであって、図7の左右方向の中央に位置する。第2フレーム(55)において、端部エリア(57a,57b)は、中央エリア(56)の両側に一つずつ形成される。端部エリア(57a,57b)は、図7の左右方向における中央エリア(56)の側方に位置する台形状のエリアである。
〈枠部〉
第2フレーム(55)は、枠部(60)を備える。枠部(60)は、第2フレーム(55)の外周に沿って延びる部分であって、第2フレーム(55)の全周に亘って形成される。言い換えると、枠部(60)は、横長の八角形の枠状に形成される。枠部(60)は、第2フレーム(55)によって形成される第2流路(51)の周囲を囲う。また、枠部(60)は、仕切りシート(15)の周縁に沿っている。
第2フレーム(55)の枠部(60)には、二つの第2連通用開口(52)が形成される。各第2連通用開口(52)は、枠部(60)に囲まれた第2流路(51)を、枠部(60)の外側と連通させる。図7に示す枠部(60)において、一方の第2連通用開口(52)は、左側の端部エリア(57a)に位置する上向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第2流出口(52b)を構成する。また、図7に示す枠部(60)において、他方の第2連通用開口(52)は、右側の端部エリア(57b)に位置する下向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第2流入口(52a)を構成する。
図7〜図9に示すように、第2フレーム(55)の枠部(60)は、閉塞部(61)と、外側リブ(63)と、補助リブ(62)とを備える。外側リブ(63)は、その一部が凸条部(64)を構成する。閉塞部(61)には、凹条部(65)が形成される。
閉塞部(61)は、枠部(60)のうち第2連通用開口(52)が形成されていない六つの辺に沿って延びる。図10,図12に示すように、閉塞部(61)の断面の形状は、矩形の一つの角部を切り欠いた形状である。閉塞部(61)は、枠部(60)に囲まれた第2流路(51)を枠部(60)の外部から仕切る。閉塞部(61)の厚さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい。
図7に示すように、外側リブ(63)は、枠部(60)の外周に沿って延びる部分であって、枠部(60)の全周に亘って形成される。外側リブ(63)は、枠部(60)の八つの辺の全てに沿って形成される。外側リブ(63)は、閉塞部(61)の表(おもて)面側に配置され、閉塞部(61)と一体に形成される。
図10,図12に示すように、外側リブ(63)は、閉塞部(61)に隣接する部分が凸条部(64)を構成する。凸条部(64)は、閉塞部(61)の最外周縁に沿って延び、閉塞部(61)の表面から突出する。凸条部(64)の外周面は、閉塞部(61)の外周面と共に一つの平面を形成する。
図10,図12に示すように、凹条部(65)は、閉塞部(61)の裏面に開口する凹溝である。凹条部(65)は、閉塞部(61)の全長に亘って、閉塞部(61)の最外周縁に沿って形成される。凹条部(65)は、閉塞部(61)の外周面にも開口する。凹条部(65)の断面の形状は、第1フレーム(25)の凸条部(34)の断面に対応した形状である。第2フレーム(55)の凹条部(65)には、第1フレーム(25)の外側リブ(33)が嵌り込む。従って、第2フレーム(55)の凹条部(65)には、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)が嵌り込む。
図7〜図9に示すように、補助リブ(62)は、第2連通用開口(52)に沿って延びる部分である。補助リブ(62)は、枠部(60)の裏面側に配置される。図11に示すように、補助リブ(62)の断面の形状は、扁平な長方形状である。補助リブ(62)の表(おもて)面は、隣り合う第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面(図11における上面)と、同一平面上に位置する。補助リブ(62)の裏面は、閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
第2フレーム(55)の枠部(60)では、外側リブ(63)が、枠部(60)の周縁に沿った外側部である。また、閉塞部(61)のうち外側リブ(63)よりも内側に位置する部分が、外側リブ(63)に沿った内側部(66)である。
〈第2内側リブ、第2保持リブ〉
図7〜図9に示すように、第2フレーム(55)は、第2内側リブ(70)と、第2保持リブ(71a,71b)とを備える。第2内側リブ(70)及び第2保持リブ(71a,71b)は、第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)に設けられる。
第2内側リブ(70)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2連通用開口(52)と交わる方向に延びる。本実施形態において、第2内側リブ(70)は、枠部(60)の第2連通用開口(52)が形成された辺から、その辺と実質的に直交する方向に延びる。第2内側リブ(70)の高さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい。
本実施形態の第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)には、四本の第2内側リブ(70)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。各端部エリア(57a,57b)において、四本の第2内側リブ(70)は、補助リブ(62)によって互いに連結される。各第2内側リブ(70)は、補助リブ(62)と一体に形成される。各第2内側リブ(70)の裏面は、補助リブ(62)の裏面と同一平面上に位置する。
第2保持リブ(71a,71b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2内側リブ(70)と実質的に直交する方向に延びる。第2保持リブ(71a,71b)は、隣り合う第2内側リブ(70)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第2保持リブ(71a,71b)は、第2流路(51)のうち隣り合う第2内側リブ(70)の間の部分を横断する。
図8,図9に示すように、隣り合う第2内側リブ(70)の間において、第2保持リブ(71a,71b)は、第2フレーム(55)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)は、その表(おもて)面が、第2内側リブ(70)及び閉塞部(61)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第2フレーム(55)の裏面側の第2保持リブ(71b)は、その裏面が、第2内側リブ(70)及び閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
第2保持リブ(71a,71b)は、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)に沿って設けられる。平面視において、各第2保持リブ(71a,71b)は、その全長に亘って、隣り合う第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)と重なり合う。また、第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)と、その裏面側の第2保持リブ(71b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
各第2保持リブ(71a,71b)の厚さは、第2内側リブ(70)の厚さの半分未満である。第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)と、その裏面側の第2保持リブ(71b)は、第2内側リブ(70)の厚さ方向において離れている。
〈第2流路内リブ、第2支持リブ〉
図7〜図9に示すように、第2フレーム(55)は、第2流路内リブ(75)と、第2支持リブ(76a,76b)とを備える。第2流路内リブ(75)及第2支持リブ(76a,76b)は、第2フレーム(55)の中央エリア(56)に設けられる。
第2流路内リブ(75)は、真っ直ぐな棒状に形成され、中央エリア(56)の長辺と平行な方向に延びる。言い換えると、第2流路内リブ(75)は、一方の端部エリア(57a)から他方の端部エリア(57b)に向かって延びる。第2流路内リブ(75)の高さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい。本実施形態の第2フレーム(55)の中央エリア(56)には、九本の第2流路内リブ(75)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。
図7に示すように、第2支持リブ(76a,76b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2流路内リブ(75)と実質的に直交する方向に延びる。第2支持リブ(76a,76b)は、隣り合う第2流路内リブ(75)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第2支持リブ(76a,76b)は、第2流路(51)のうち隣り合う第2流路内リブ(75)の間の部分を横断する。
隣り合う第2流路内リブ(75)の間において、第2支持リブ(76a,76b)は、第2フレーム(55)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)は、その表(おもて)面が、第2流路内リブ(75)及び閉塞部(61)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第2フレーム(55)の裏面側の第2支持リブ(76b)は、その裏面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
各第2支持リブ(76a,76b)の厚さは、第2流路内リブ(75)の厚さの半分未満である。第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)と、その裏面側の第2支持リブ(76b)は、第2流路内リブ(75)の厚さ方向において離れている。また、第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)と、その裏面側の第2支持リブ(76b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
−外側隙間−
図10に示すように、第1フレーム(25)の外側リブ(33)のうち第1連通用開口(22)に臨む部分の高さH1aは、第2フレーム(55)の凹条部(65)の深さD2よりも小さい(H1a<D2)。また、図11に示すように、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)は、第2連通用開口(52)に臨む部分の高さH1bが、第2フレーム(55)の補助リブ(62)の厚さL2と仕切りシート(15)の厚さtの和(L2+t)よりも小さい(H1b<L2+t)。また、図13に示すように、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)は、主熱交換部(11)に位置する部分の高さH1cが、第2フレーム(55)の凹条部(65)の深さD2よりも小さい(H1c<D2)。
このため、熱交換器(10)では、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の表(おもて)面と、その表面側に位置する第2エレメント(50)との間に、外側隙間(81)が形成される。この外側隙間(81)の幅W(=D2−H1a=L2+t−H1b=D2−H1c)は、概ね0.1mm以上0.2mm以下程度である。
図11に示すように、第2フレーム(55)の外側リブ(63)のうち第2連通用開口(52)に臨む部分の高さH2aは、第1フレーム(25)の凹条部(65)の深さD1よりも小さい(H2a<D1)。また、図10に示すように、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)は、第1連通用開口(22)に臨む部分の高さH2bが、第1フレーム(55)の補助リブ(32)の厚さL1と仕切りシート(15)の厚さtの和(L1+t)よりも小さい(H2b<L1+t)。また、図13に示すように、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)は、主熱交換部(11)に位置する部分の高さH2cが、第1フレーム(25)の凹条部(65)の深さD1よりも小さい(H2c<D1)。
このため、熱交換器(10)では、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の表(おもて)面と、その表面側に位置する第1エレメント(20)との間に、外側隙間(81)が形成される。この外側隙間(81)の幅W(=D1−H2a=L1+t−H2b=D1−H2c)は、概ね0.1mm以上0.2mm以下程度である。
−接着層、被覆層−
図10,図11,図12に示すように、本実施形態の熱交換器(10)には、接着層(85)と被覆層(86)とが形成される。接着層(85)は、熱交換器(10)に形成された外側隙間(81)を埋める。被覆層(86)は、熱交換器(10)の外面を覆う。
後述するように、接着層(85)及び被覆層(86)とは、積層された第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の外面に塗布した接着剤を硬化させることによって形成される。接着層(85)と被覆層(86)は、同じ材質からなる一体の被膜である。
図10に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分において、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の表(おもて)面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第1フレーム(25)の表面側に位置する第2エレメント(50)と接合される。また、この部分において、第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第2フレーム(55)の表(おもて)面側に位置する第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)と接合される。
図11に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分において、第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第1フレーム(25)の表(おもて)面側に位置する第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)と接合される。また、この部分において、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の表(おもて)面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第2フレーム(55)の表面側に位置する第1エレメント(20)と接合される。
図12に示すように、熱交換器(10)の主熱交換部(11)において、第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第1フレーム(25)の表(おもて)面側に位置する第2エレメント(50)と接合される。また、この部分において、第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第2フレーム(55)の表(おもて)面側に位置する第1エレメント(20)と接合される。
〈接着層および被覆層を形成する工程〉
接着層および被覆層を形成する工程について説明する。
熱交換器(10)の製造工程では、先ず、第1フレーム(25)に仕切りシート(15)を貼り付けて第1エレメント(20)を形成し、第2フレーム(55)に仕切りシート(15)を貼り付けて第2エレメント(50)を形成する工程が行われる。その後、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)を交互に積み重ねる積層工程が行われる。
図13に示すように、積層工程が終了した時点では、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の間に外側隙間(81)が形成される。上述したように、この外側隙間(81)は、各フレーム(25,55)の外側リブ(33,63)の表(おもて)面に臨む幅の狭い隙間である。また、この外側隙間(81)は、熱交換器(10)の外面に開口している。
積層工程が終了すると、塗布工程が行われる。塗布工程では、熱交換器(10)(言い換えると、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)を複数ずつ積み重ねて構成された組立体)の外面に、接着剤が塗布される。この接着剤は、紫外線を受けると硬化する樹脂を主成分とする。また、接着剤は、その粘度が比較的低い。接着剤の粘度は、例えば10〜2000mPa・s程度である。このため、熱交換器(10)の外面に塗布された接着剤は、毛管現象によって外側隙間(81)へ入り込む。
塗布工程が終了すると、硬化工程が行われる。硬化工程では、熱交換器(10)に塗布された接着剤に対して、紫外線が照射される。熱交換器(10)の外面に付着した接着剤は、紫外線を受けて硬化し、熱交換器(10)の外面を覆う被覆層(86)となる。外側隙間に入り込んだ接着剤は、紫外線を受けて硬化して接着層(85)となる。
塗布工程において用いられる接着剤には、抗菌成分と防カビ成分とが含まれている。このため、硬化工程によって形成された接着層(85)及び被覆層(86)には、抗菌成分と防カビ成分とが含まれる。
−仕切りシートの保持構造−
第1エレメント(20)では、第1フレーム(25)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。具体的に、第1フレーム(25)の枠部(30)では、閉塞部(31)の裏面と補助リブ(32)の裏面とに、仕切りシート(15)が接着される(図10〜図12を参照)。閉塞部(31)では、凹条部(35)の壁面に仕切りシート(15)が接着される。凹条部(35)の壁面は、仕切りシート(15)に覆われる。第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)では、第1内側リブ(40)と、裏面側の第1保持リブ(41b)とに、仕切りシート(15)が接着される。第1フレーム(25)の中央エリア(26)では、第1流路内リブ(45)と、裏面側の第1支持リブ(46b)とに、仕切りシート(15)が接着される。
第2エレメント(50)では、第2フレーム(55)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。具体的に、第2フレーム(55)の枠部(60)では、閉塞部(61)の裏面と補助リブ(62)の裏面とに、仕切りシート(15)が接着される(図10〜図12を参照)。閉塞部(61)では、凹条部(65)の壁面に仕切りシート(15)が接着される。凹条部(65)の壁面は、仕切りシート(15)に覆われる。第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)では、第2内側リブ(70)と、裏面側の第2保持リブ(71b)とに、仕切りシート(15)が接着される。第2フレーム(55)の中央エリア(56)では、第2流路内リブ(75)と、裏面側の第2支持リブ(76b)とに、仕切りシート(15)が接着される。
熱交換器(10)では、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)が複数ずつ交互に積層される。各エレメント(20,50)の仕切りシート(15)は、隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)に挟まれる。
〈副熱交換部における保持構造(1)〉
図10に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分において、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の補助リブ(32)と、第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)とによって挟み込まれる。従って、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)の表(おもて)面が密着する。
また、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分において、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)と、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)とによって挟み込まれる。従って、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)の表(おもて)面が密着する。
上述したように、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の間には、外側隙間(81)が形成される。また、熱交換器(10)では、外側隙間(81)を埋めるように接着層(85)が形成される。図10に示すように、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、凹条部(65)を覆う部分が接着層(85)を介して第1フレーム(25)の外側リブ(33)と接着される。また、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)は、接着層(85)を介して第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)と接着される。
〈副熱交換部における保持構造(2)〉
図11に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分において、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の閉塞部(61)の内側部(36)と、第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)とによって挟み込まれる。従って、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)の表(おもて)面が密着する。
また、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分において、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の補助リブ(62)と、第1フレーム(25)の閉塞部(31)の内側部(36)とによって挟み込まれる。従って、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第1フレーム(25)の閉塞部(31)の内側部(36)の表(おもて)面が密着する。
上述したように、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の間には、外側隙間(81)が形成される。また、熱交換器(10)では、外側隙間(81)を埋めるように接着層(85)が形成される。図11に示すように、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、凹条部(35)を覆う部分が接着層(85)を介して第2フレーム(55)の外側リブ(63)と接着される。また、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)は、接着層(85)を介して第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)と接着される。
〈主熱交換部における保持構造〉
図12に示すように、各仕切りシート(15)は、第1フレームの閉塞部(31)の内側部(36)と、第2フレーム(50)の閉塞部(61)の内側部(66)とによって挟み込まれる。具体的に、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)の表(おもて)面が密着する。また、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第1フレーム(25)の閉塞部(31)の内側部(36)の表(おもて)面が密着する。
上述したように、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の間には、外側隙間(81)が形成される。
具体的に、第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面と、その第1フレーム(25)の表面側に位置する第2エレメント(50)の仕切りシート(15)との間に、外側隙間(81)が形成される。従って、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)のうち、第2エレメント(50)の凹条部(65)の壁面を覆う部分は、第1フレーム(25)の凸条部(34)と接しない。一方、外側隙間(81)には、接着層(85)が形成される。そして、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)のうち凹条部(65)の壁面を覆う部分は、接着層(85)を介して第1フレーム(25)の凸条部(34)と接着される。
また、第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面と、その第2フレーム(55)の表面側に位置する第1エレメント(20)の仕切りシート(15)との間に、外側隙間(81)が形成される。従って、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)のうち、第1エレメント(20)の凹条部(35)の壁面を覆う部分は、第2フレーム(55)の凸条部(64)と接しない。一方、外側隙間(81)には、接着層(85)が形成される。そして、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)のうち凹条部(35)の壁面を覆う部分は、接着層(85)を介して第2フレーム(55)の凸条部(64)と接着される。
−実施形態1の特徴(1)−
本実施形態の熱交換器(10)は、平坦なシート状の複数の仕切りシート(15)と、仕切りシート(15)と交互に積層されて隣り合う仕切りシート(15)の間隔を保持するフレーム(25,55)とを備える。この熱交換器(10)では、仕切りシート(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成される。
フレーム(25,55)は、仕切りシート(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有する。枠部(30,60)は、枠部(30,60)の周縁に沿った外側リブ(33,63)と、外側リブ(33,63)の内側に位置して外側リブ(33,63)に沿った内側部(36,66)とを有する。枠部(30,60)の内側部(36,66)は、内側部(36,66)の隣に位置するフレーム(25,55)との間に仕切りシート(15)を挟んで保持する。枠部(30,60)の外側リブ(33,63)と、外側リブ(33,63)の隣に位置するフレーム(25,55)との間には、外側隙間(81)が形成される。
本実施形態の熱交換器(10)では、仕切りシート(15)の周縁に沿った枠部(30,60)に、外側リブ(33,63)と内側部(36,66)とが設けられる。熱交換器(10)では、各仕切りシート(15)の外側リブ(33,63)と、その外側リブ(33,63)の隣に位置するフレーム(25,55)との間に、外側隙間(81)が形成される。また、熱交換器(10)では、各仕切りシート(15)の内側部(36,66)が、その内側部(36,66)の隣に位置するフレーム(25,55)との間に仕切りシート(15)を挟んで保持する。その結果、フレーム(25,55)の枠部(30,60)と仕切りシート(15)との間がシールされ、熱交換器(10)の気密性が向上する。
上述したように、フレーム(25,55)は、射出成形によって形成された樹脂製の部材である。射出成形によって扁平な形状の部材を成形する場合は、その部材の外縁に近い部分ほど寸法精度が低くなる傾向がある。従って、本実施形態のフレーム(25,55)では、枠部(30,60)の寸法精度が低くなるおそれがある。
枠部(30,60)の寸法精度が低いと、枠部(30,60)の全体を隣に位置するエレメント(20,50)と密着させるのが困難となり、隣り合うエレメント(20,50)の間に隙間ができ、熱交換器(10)の気密性が低下するおそれがある。隣り合うエレメント(20,50)の間に隙間ができると、その隙間を通って第1流路(21)又は第2流路(51)から空気が漏れ出し、あるいは、その隙間を通って第1流路(21)又は第2流路(51)へ空気が流入する。
これに対し、本実施形態のフレーム(25,55)では、寸法精度が比較的低い枠部(30,60)の外周寄りに位置する外側リブ(33,63)の高さを、外側リブ(33,63)の隣に位置するエレメント(20,50)との間に外側隙間(81)が形成されるような値に設定している。また、本実施形態のフレーム(25,55)では、寸法精度が比較的高い枠部(30,60)の内周寄りに位置する内側部(36,66)の高さを、その内側部(36,66)が隣に位置するエレメント(20,50)と密着するような値に設定している。
このため、本実施形態の熱交換器(10)では、隣り合うエレメント(20,50)の間のシール性を高め、熱交換器(10)の気密性を高めることができる。その結果、正規の経路以外の経路を通って空気の流路(21,51)から漏出し、又は空気の流路(21,51)へ侵入する空気の量を抑えることができる。
−実施形態1の特徴(2)−
本実施形態の熱交換器(10)は、接着層(85)を備える。接着層(85)は、外側隙間(81)を埋めるように設けられ、枠部(30,60)の外側リブ(33,63)を、その外側リブ(33,63)の隣に位置するフレーム(25,55)に接着する。
本実施形態の熱交換器(10)では、外側隙間(81)を埋めるように設けられた接着層(85)によって、隣り合うフレーム(25,55)が互いに接着される。また、外側隙間(81)が接着層(85)によって埋められるため、熱交換器(10)の気密性が向上し、その結果、正規の経路以外の経路を通って空気の流路(21,51)から漏出し、または空気の流路(21,51)へ侵入する空気の量が抑えられる。
−実施形態1の特徴(3)−
本実施形態の熱交換器(10)は、被覆層(86)を備える。被覆層(86)は、接着層(85)と同じ材質からなり、接着層(85)に連続して形成されて熱交換器(10)の外面を覆う。
本実施形態の熱交換器(10)は、その外面が接着層(85)によって覆われる。このため、積層された各エレメント(20,50)の間のシール性が向上し、熱交換器(10)の気密性が向上するため、正規の経路以外の経路を通って空気の流路(21,51)から漏出し、または空気の流路(21,51)へ侵入する空気の量が抑えられる。
上述したように、本実施形態の熱交換器(10)は、換気装置に設けられる。換気装置の保守作業では、熱交換器(10)を換気装置から取り外し、又は換気装置に取り付ける作業が行われる。その際に、熱交換器(10)の外面は、換気装置に設けられたガイドレール等に擦れる。このため、換気装置に対する熱交換器(10)の着脱を繰り返すと、熱交換器(10)の外面が摩耗し、各エレメント(20,50)の間のシール性が低下するおそれがあった。
これに対し、本実施形態の熱交換器(10)は、その外面が接着層(85)によって覆われる。このため、熱交換器(10)の外面が接着層(85)によって保護され、熱交換器(10)の外面の摩耗が抑えられる。従って、本実施形態によれば、熱交換器(10)の耐久性と信頼性を高めることができる。また、熱交換器(10)の外面の摩擦係数を低減でき、熱交換器(10)の換気装置に対する着脱作業を容易にすることができる。
−実施形態1の特徴(4)−
本実施形態の熱交換器(10)において、接着層(85)は、紫外線を受けて硬化する接着剤によって構成される。
本実施形態の熱交換器(10)では、外側隙間(81)に入り込んだ接着剤が紫外線を受けて硬化することによって、接着層(85)が形成される。このため、接着剤が硬化する速度を適切に制御することが容易となり、接着層(85)を確実に形成することができる。
−実施形態1の特徴(5)−
本実施形態の熱交換器(10)において、接着層(85)は、抗菌成分と防カビ成分とを含む。
本実施形態の熱交換器(10)では、熱交換器(10)における細菌とカビの繁殖を抑えることができ、熱交換器(10)を清潔に保つことができる。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の熱交換器(10)は、実施形態1の熱交換器(10)において、第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)を変更したものである。ここでは、本実施形態の熱交換器(10)について、実施形態1の熱交換器(10)と異なる点を説明する。
−位置決め突起、位置決め孔−
図14に示すように、第1フレーム(25)と第2フレーム(55)のそれぞれには、位置決め突起(37,67)と、位置決め孔(38,68)とが形成される。各フレーム(25,55)において、位置決め突起(37,67)及び位置決め孔(38,68)は、閉塞部(31,61)のうち主熱交換部(11)を構成する部分に複数ずつ形成される。また、位置決め突起(37,67)及び位置決め孔(38,68)は、閉塞部(31,61)のうち内側部(36,66)を構成する部分に形成される。
位置決め突起(37,67)は、閉塞部(31,61)の裏面から突出する円柱状の突起である。位置決め孔(38,68)は、閉塞部(31,61)の表(おもて)面に開口する円柱状の窪みである。位置決め孔(38,68)は、内径が位置決め突起(37,67)の外形よりも僅かに大きく、深さが位置決め突起(37,67)の長さよりも長い。
各フレーム(25,55)の閉塞部(31,61)に複数ずつ形成された位置決め突起(37,67)と位置決め孔(38,68)は、一つずつが対になる。対になった位置決め突起(37,67)と位置決め孔(38,68)は、それぞれの中心軸が実質的に一致するように、図14における上下に並んで配置される。第1エレメント(20)と第2エレメント(50)を積層した状態では、第1フレーム(25)の位置決め突起(37)が第2フレーム(55)の位置決め孔(68)に嵌まり込み、第2フレーム(55)の位置決め突起(67)が第1フレーム(25)の位置決め孔(38)に嵌まり込むことによって、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の相対的な位置が定まる。
−導入用窪み、接着層−
各フレーム(25,55)の閉塞部(31,61)では、内側部(36,66)を構成する部分の表(おもて)面に、導入用窪み(82)が形成される。導入用窪み(82)は、深さが概ね0.1mm〜0.2mm程度の浅くて平坦な窪みである。導入用窪み(82)は、凸条部(34,64)から位置決め孔(38,68)に亘る領域に形成される。
上述したように、熱交換器(10)の製造工程の塗布工程では、積層された第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の外面に接着剤が塗布される。熱交換器(10)に塗布された接着剤は、毛管現象によって外側隙間(81)へ入り込み、更には導入用窪み(82)にも毛管現象によって入り込む。その結果、外側隙間(81)と導入用窪み(82)とは、実質的に接着剤で満たされた状態となる。
塗布工程に続く硬化工程において熱交換器(10)に紫外線が照射されると、外側隙間(81)及び導入用窪み(82)を満たす接着剤が硬化して接着層(85)になる。このため、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)は、外側隙間(81)と導入用窪み(82)とのそれぞれを埋めるように形成された接着層(85)によって接着される。また、各位置決め突起(37,67)の根元付近の部分が接着層(85)によって囲まれるため、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)が接着層(85)によって確実にシールされる。
−実施形態2の特徴−
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の枠部(30,60)には、位置決め突起(37,67)と、位置決め孔(38,68)とが形成される。位置決め突起(37,67)は、仕切りシート(15)の積層方向の一方の面から突出する。位置決め孔(38,68)は、仕切りシート(15)の積層方向の他方の面に開口する。また、位置決め孔(38,68)は、その位置決め孔(38,68)が形成された枠部(30,60)の隣に位置するフレーム(25,55)の位置決め突起(37,67)が嵌り込む。
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の枠部(30,60)は、位置決め突起(37,67)と、その位置決め突起(37,67)が形成された面とが、その位置決め突起(37,67)が嵌まり込む位置決め孔(38,68)が形成されたフレーム(25,55)に、接着層(85)によって接着される。
本実施形態の熱交換器(10)において、 各フレーム(25,55)の位置決め突起(37,67)は、そのフレーム(25,55)の隣に位置するフレーム(25,55)の位置決め孔(38,68)に入り込む。このことによって、隣り合うフレーム(25,55)同士の相対的な位置が定まる。各フレーム(25,55)の位置決め突起(37,67)は、そのフレーム(25,55)の隣に位置するフレーム(25,55)と接着層(85)によって接着される。
《その他の実施形態》
上記の各実施形態の熱交換器(10)については、次のような変形例を適用してもよい。なお、以下の変形例は、熱交換器(10)の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
上記の各実施形態の熱交換器(10)では、仕切りシート(15)がフレーム(25,55)に接着されていなくてもよい。この場合、仕切りシート(15)は、その両隣に位置する第1フレーム(25)と第2フレーム(55)に挟まれて保持される。
上記の各実施形態の熱交換器(10)は、給気と排気の間で顕熱だけを交換させる顕熱交換器であってもよい。この場合、熱交換器(10)の仕切りシート(15)は、透湿性が低い、あるいは透湿性が全く無い材料(例えば、樹脂フィルムや薄板状の金属)で構成される。
上記の各実施形態の熱交換器(10)の形状は、八角柱状に限定されない。これらの熱交換器(10)の形状は、例えば六角柱状であってもよいし、四角柱状であってもよい。熱交換器(10)が六角柱状である場合、その熱交換器(10)の平面図(図2に対応する図)において、各副熱交換部(12a,12b)は、三角形状となる。
上記の各実施形態の熱交換器(10)において、接着層(85)及び被覆層(86)を形成するために用いられる接着剤は、水性エマルジョン系の接着剤でもよい。例えば、被覆層(86)の硬度がそれほど高くなくてもよい場合は、水性エマルジョン系の接着剤を用いて接着層(85)及び被覆層(86)を形成してもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、熱交換器について有用である。
10 熱交換器
15 仕切りシート(仕切り部材)
21 第1流路
25 第1フレーム(間隔保持部材)
30 枠部
33 外側リブ(外側部)
36 内側部
37 位置決め突起
38 位置決め孔
51 第2流路
55 第2フレーム(間隔保持部材)
60 枠部
63 外側リブ(外側部)
66 内側部
67 位置決め突起
68 位置決め孔
81 外側隙間
85 接着層
86 被覆層
本開示は、熱交換器に関するものである。
特許文献1には、換気装置に用いられる熱交換素子が開示されている。この熱交換素子は、給気と排気を熱交換させる熱交換器である。この熱交換器では、樹脂枠と伝熱板とが交互に複数ずつ積層される。この熱交換器では、樹脂枠と伝熱板の積層方向に、給気側の空気流路と排気側の空気流路が交互に形成される。隣り合う空気流路は、伝熱板によって仕切られる。そして、この熱交換器では、給気側の空気流路を流れる空気と、排気側の空気流路を流れる空気とが、伝熱板を介して顕熱と潜熱(水分)を交換する。
特開2007−100997号公報
特許文献1の熱交換器では、樹脂枠と伝熱板とが交互に複数ずつ積層される。そのため、樹脂枠の寸法精度が不充分な場合は、樹脂枠の周縁部と伝熱板の隙間を、樹脂枠の全周に亘ってシールするのが困難となる。そして、その結果、熱交換器の気密性が低下し、空気流路の出入口以外の経路を通って空気流路から漏出し、または空気流路へ侵入する空気の量が多くなるおそれがある。
本開示の目的は、熱交換器の気密性を向上させることにある。
本開示の第1の態様は、平坦なシート状の複数の仕切り部材(15)と、上記仕切り部材(15)と交互に積層されて隣り合う上記仕切り部材(15)の間隔を保持する間隔保持部材(25,55)とを備え、上記仕切り部材(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成された熱交換器(10)を対象とする。そして、上記間隔保持部材(25,55)は、上記仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有し、上記枠部(30,60)は、該枠部(30,60)の周縁に沿った外側部(33,63)と、該外側部(33,63)の内側に位置して上記外側部(33,63)に沿った内側部(36,66)と、上記枠部(30,60)によって囲まれた上記第1流路(21)又は上記第2流路(51)を該枠部(30,60)の外部に連通させる連通用開口(22,52)とを有し、上記枠部(30,60)の上記内側部(36,66)は、該内側部(36,66)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に上記仕切り部材(15)を挟んで保持し、上記外側部(33,63)は、上記枠部(30,60)のうち上記連通用開口(22,52)が形成された部分と上記連通用開口(22,52)が形成されていない部分との両方に沿って形成され、上記枠部(30,60)の上記外側部(33,63)と該外側部(33,63)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に外側隙間(81)が形成される一方、上記第1流路(21)に連通する上記連通用開口(22)又は上記第2流路(51)に連通する上記連通用開口(52)が配置された上記熱交換器の側面が開口側面であり、上記第1流路(21)に連通する上記連通用開口(22)と上記第2流路(51)に連通する上記連通用開口(52)のどちらも配置されない上記熱交換器の側面が閉塞側面であり、上記外側隙間(81)は、上記開口側面と上記閉塞側面とに沿って形成され、上記開口側面と上記閉塞側面とに開口することを特徴とする。
本開示の第3の態様は、平坦なシート状の複数の仕切り部材(15)と、上記仕切り部材(15)と交互に積層されて隣り合う上記仕切り部材(15)の間隔を保持する間隔保持部材(25,55)とを備え、上記仕切り部材(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成された熱交換器(10)を対象とする。そして、上記間隔保持部材(25,55)は、上記仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有し、上記枠部(30,60)は、該枠部(30,60)の周縁に沿った外側部(33,63)と、該外側部(33,63)の内側に位置して上記外側部(33,63)に沿った内側部(36,66)とを有し、上記枠部(30,60)の上記内側部(36,66)は、該内側部(36,66)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に上記仕切り部材(15)を挟んで保持し、上記枠部(30,60)の上記外側部(33,63)と該外側部(33,63)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に外側隙間(81)が形成されることを特徴とする。
第1,第3態様では、仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)に、外側部(33,63)と内側部(36,66)とが設けられる。熱交換器(10)では、各仕切り部材(15)の外側部(33,63)と、その外側部(33,63)の隣に位置する間隔保持部材(25,55)との間に、外側隙間(81)が形成される。また、熱交換器(10)では、各仕切り部材(15)の内側部(36,66)が、その内側部(36,66)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に上記仕切り部材(15)を挟んで保持する。その結果、間隔保持部材(25,55)の枠部(30,60)と仕切り部材(15)との間がシールされ、熱交換器の気密性が向上する。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記外側隙間(81)を埋めるように設けられ、上記枠部(30,60)の上記外側部(33,63)を該外側部(33,63)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)に接着する接着層(85)を備えることを特徴とする。
本開示の第3の態様は、上記の構成に加えて、上記外側隙間(81)を埋めるように設けられ、上記枠部(30,60)の上記外側部(33,63)を該外側部(33,63)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)に接着する接着層(85)を備えることを特徴とする。
第2,第3態様では、外側隙間(81)を埋めるように設けられた接着層(85)によって、隣り合う間隔保持部材(25,55)が互いに接着される。また、外側隙間(81)が接着層(85)によって埋められるため、熱交換器(10)の気密性が向上し、その結果、正規の経路以外の経路を通って空気の流路(21,51)から漏出し、または空気の流路(21,51)へ侵入する空気の量が抑えられる。
本開示の第3の態様は、上記の構成に加えて、上記接着層(85)と同じ材質からなり、上記接着層(85)に連続して形成されて上記熱交換器(10)の外面を覆う被覆層(86)を備えることを特徴とする。
第3の態様では、熱交換器(10)の外面が被覆層(86)によって覆われる。このため、熱交換器(10)の外面が被覆層(86)によって保護され、熱交換器(10)の信頼性が向上する。
本開示の第4の態様は、上記第2又は第3の態様において、上記接着層(85)は、紫外線を受けて硬化する接着剤によって構成されることを特徴とする。
第4の態様では、外側隙間(81)に入り込んだ接着剤に紫外線を照射することによって、熱交換器(10)に接着層(85)が形成される。
本開示の第5の態様は、上記第2又は第3の態様において、上記接着層(85)は、抗菌成分と防カビ成分とを含むことを特徴とする。
第5の態様では、熱交換器(10)における細菌とカビの繁殖を抑えることができ、熱交換器(10)を清潔に保つことができる。
本開示の第6の態様は、上記第2〜第5のいずれか一つの態様において、上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)には、上記仕切り部材(15)の積層方向の一方の面から突出する位置決め突起(37,67)と、他方の面に開口して上記枠部(30,60)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)の上記位置決め突起(37,67)が嵌り込む位置決め孔(38,68)とが形成され、上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)は、上記位置決め突起(37,67)と該位置決め突起(37,67)が形成された面とが、上記位置決め突起(37,67)が嵌まり込む上記位置決め孔(38,68)が形成された上記間隔保持部材(25,55)に、上記接着層(85)によって接着されることを特徴とする。
第6の態様において、各間隔保持部材(25,55)の位置決め突起(37,67)は、その間隔保持部材(25,55)の隣に位置する間隔保持部材(25,55)の位置決め孔(38,68)に入り込む。このことによって、隣り合う間隔保持部材(25,55)同士の相対的な位置が定まる。各間隔保持部材(25,55)の位置決め突起(37,67)は、その間隔保持部材(25,55)の隣に位置する間隔保持部材(25,55)と接着層(85)によって接着される。
図1は、実施形態1の熱交換器の斜視図である。 図2は、実施形態1の熱交換器の平面図である。 図3は、実施形態1の熱交換器の一部を抜き出して示す平面図である。 図4は、実施形態1の第1フレームの平面図である。 図5は、実施形態1の第1フレームの一部を表(おもて)面側から見た状態を示す斜視図である。 図6は、実施形態1の第1フレームの一部を裏面側から見た状態を示す斜視図である。 図7は、実施形態1の第2フレームの平面図である。 図8は、実施形態1の第2フレームの一部を表(おもて)面側から見た状態を示す斜視図である。 図9は、実施形態1の第2フレームの一部を裏面側から見た状態を示す斜視図である。 図10は、図3のX−X断面の一部を拡大して示す熱交換器の断面図である。 図11は、図3のXI−XI断面の一部を拡大して示す熱交換器の断面図である。 図12は、図3のXII−XII断面の一部を拡大して示す熱交換器の断面図である。 図13は、製造途中の実施形態1の熱交換器の図12に対応する断面を示す断面図である。 図14は、実施形態2の熱交換器の図12に対応する断面を示す断面図である。
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態の熱交換器(10)は、いわゆる全熱交換器である。この熱交換器(10)は、換気装置に設けられ、室内へ供給される室外空気(給気)と、室外へ排出される室内空気(排気)との間で、顕熱と潜熱(水分)を交換させる。
−熱交換器の全体構成−
図1に示すように、熱交換器(10)は、端面が多角形の柱状に形成される。本実施形態の熱交換器(10)の端面は、横長の八角形状である。図2にも示すように、熱交換器(10)には、一つの主熱交換部(11)と、二つの副熱交換部(12a,12b)とが形成される。
主熱交換部(11)は、熱交換器(10)のうち図2の左右方向の中央に位置する。図2に示す熱交換器(10)の平面図において、主熱交換部(11)は、横長の長方形状の部分である。副熱交換部(12a,12b)は、熱交換器(10)のうち図2の左右方向における主熱交換部(11)の側方に位置する。熱交換器(10)では、図2の左右方向における主熱交換部(11)の両側に、副熱交換部(12a,12b)が一つずつ配置される。図2に示す熱交換器(10)の平面図において、各副熱交換部(12a,12b)は、台形状の部分である。
熱交換器(10)は、第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)を複数ずつ備える。熱交換器(10)において、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)は、交互に重なり合っている。第1エレメント(20)は、第1流路(21)を形成する。第1流路(21)は、給気が流れる流路である。第2エレメント(50)は、第2流路(51)を形成する。第2流路(51)は、排気が流れる流路である。熱交換器(10)では、第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の積層方向に、第1流路(21)と第2流路(51)が交互に形成される。
熱交換器(10)の側面(第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の積層方向に沿った面)には、第1流入口(22a)と、第1流出口(22b)と、第2流入口(52a)と、第2流出口(52b)とが形成される。第1流入口(22a)及び第1流出口(22b)は、第1エレメント(20)に形成されて第1流路(21)に連通する。第2流入口(52a)及び第2流出口(52b)は、第2エレメント(50)に形成されて第2流路(51)に連通する。
図2及び図3にも示すように、第1流入口(22a)と、第1流出口(22b)と、第2流入口(52a)と、第2流出口(52b)とは、それぞれが熱交換器(10)の異なる側面に形成される。熱交換器(10)の一方の副熱交換部(12a)では、一つの側面に第1流入口(22a)が開口し、他の側面に第2流出口(52b)が開口する。熱交換器(10)の他方の副熱交換部(12b)では、一つの側面に第1流出口(22b)が開口し、他の側面に第2流入口(52a)が開口する。
熱交換器(10)の側面は、積層された第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の外周面によって構成される。熱交換器(10)の側面は、実質的な平面である。
−空気の流れと熱交換作用−
図2に示すように、熱交換器(10)では、第1流入口(22a)へ室外空気OAが流入し、第2流入口(52a)に室内空気RAが流入する。第1流入口(22a)へ流入した室外空気OAは、給気として第1流路(21)を流れ、一方の副熱交換部(12a)と、主熱交換部(11)と、他方の副熱交換部(12b)とを順に通過し、その後に第1流出口(22b)から流出して室内へ供給される。第2流入口(52a)へ流入した室内空気RAは、排気として第2流路(51)を流れ、他方の副熱交換部(12b)と、主熱交換部(11)と、一方の副熱交換部(12a)とを順に通過し、その後に第2流出口(52b)から流出して室外へ排出される。
熱交換器(10)の各副熱交換部(12a,12b)において、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気とは、互いに交差する方向に流れる。熱交換器(10)の主熱交換部(11)において、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気とは、互いに逆向きに流れる。
熱交換器(10)では、第1流路(21)を流れる給気と第2流路(51)を流れる排気との間で、顕熱と潜熱(水分)の交換が行われる。熱交換器(10)では、給気と排気のうち温度が高い方から温度が低い方へ熱が移動する。また、熱交換器(10)では、給気と排気のうち湿度が高い方から湿度が低い方へ水分が移動する。
−第1エレメント、第2エレメント−
図10〜図12に示すように、第1エレメント(20)は第1フレーム(25)と仕切りシート(15)とを備え、第2エレメント(50)は第2フレーム(55)と仕切りシート(15)とを備える。
詳しくは後述するが、第1フレーム(25)と第2フレーム(55)のそれぞれは、射出成形によって形成された樹脂製の扁平な部材である。以下の説明では、図10,図11,図12における第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)の上面を「表(おもて)面」とし、図10,図11,図12における第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)の下面を「裏面」とする。
仕切りシート(15)は、透湿性が高くて通気性が低いシート状の部材である。この仕切りシート(15)は、第1流路(21)と第2流路(51)を仕切る仕切り部材である。仕切りシート(15)の材質は、親水基と疎水基を含む高分子材料(例えば、ポリウレタン)である。仕切りシート(15)の厚さは、例えば1〜30μm程度である。
なお、仕切りシート(15)は、紙や不織布などによって構成されていてもよい。仕切りシート(15)を構成する紙または不織布の材質としては、繊維状の樹脂、繊維状の金属、ガラス繊維、パルプが例示される。
第1エレメント(20)において、仕切りシート(15)は、接着剤によって第1フレーム(25)の裏面に接着される。仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の裏面のほぼ全体を覆う。第2エレメント(50)において、仕切りシート(15)は、接着剤によって第2フレーム(55)の裏面に接着される。仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の裏面のほぼ全体を覆う。
−第1フレーム−
図4に示すように、第1フレーム(25)は、平面視で横長の八角形状に形成される。平面視における第1フレーム(25)の外形は、熱交換器(10)の端面の形状と実質的に同じである。第1フレーム(25)は、隣り合う仕切りシート(15)の間隔を保つ第1間隔保持部材である。
第1フレーム(25)には、一つの中央エリア(26)と、二つの端部エリア(27a,27b)とが形成される。中央エリア(26)は、横長の長方形状のエリアであって、図4の左右方向の中央に位置する。第1フレーム(25)において、端部エリア(27a,27b)は、中央エリア(26)の両側に一つずつ形成される。端部エリア(27a,27b)は、図4の左右方向における中央エリア(26)の側方に位置する台形状のエリアである。
〈枠部〉
第1フレーム(25)は、枠部(30)を備える。枠部(30)は、第1フレーム(25)の外周に沿って延びる部分であって、第1フレーム(25)の全周に亘って形成される。言い換えると、枠部(30)は、横長の八角形の枠状に形成される。枠部(30)は、第1フレーム(25)によって形成される第1流路(21)の周囲を囲う。また、枠部(30)は、仕切りシート(15)の周縁に沿っている。
第1フレーム(25)の枠部(30)には、二つの第1連通用開口(22)が形成される。各第1連通用開口(22)は、枠部(30)に囲まれた第1流路(21)を、枠部(30)の外側と連通させる。図4に示す枠部(30)において、一方の第1連通用開口(22)は、左側の端部エリア(27a)に位置する下向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第1流入口(22a)を構成する。また、図4に示す枠部(30)において、他方の第1連通用開口(22)は、右側の端部エリア(27b)に位置する上向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第1流出口(22b)を構成する。
図4〜図6に示すように、第1フレーム(25)の枠部(30)は、閉塞部(31)と、外側リブ(33)と、補助リブ(32)とを備える。外側リブ(33)は、その一部が凸条部(34)を構成する。閉塞部(31)には、凹条部(35)が形成される。
閉塞部(31)は、枠部(30)のうち第1連通用開口(22)が形成されていない六つの辺に沿って延びる。図11,図12に示すように、閉塞部(31)の断面の形状は、矩形の一つの角部を切り欠いた形状である。閉塞部(31)は、枠部(30)に囲まれた第1流路(21)を枠部(30)の外部から仕切る。閉塞部(31)の厚さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい。
図4に示すように、外側リブ(33)は、枠部(30)の外周に沿って延びる部分であって、枠部(30)の全周に亘って形成される。外側リブ(33)は、枠部(30)の八つの辺の全てに沿って形成される。外側リブ(33)は、閉塞部(31)の表(おもて)面側に配置され、閉塞部(31)と一体に形成される。
図11,図12に示すように、外側リブ(33)は、閉塞部(31)に隣接する部分が凸条部(34)を構成する。凸条部(34)は、閉塞部(31)の最外周縁に沿って延び、閉塞部(31)の表面から突出する。凸条部(34)の外周面は、閉塞部(31)の外周面と共に一つの平面を形成する。
図11,図12に示すように、凹条部(35)は、閉塞部(31)の裏面に開口する凹溝である。凹条部(35)は、閉塞部(31)の全長に亘って、閉塞部(31)の最外周縁に沿って形成される。凹条部(35)は、閉塞部(31)の外周面にも開口する。凹条部(35)の断面の形状は、後述する第2フレーム(55)の凸条部(64)の断面に対応した形状である。第1フレーム(25)の凹条部(35)には、第2フレーム(55)の外側リブ(63)が嵌り込む。従って、第1フレーム(25)の凹条部(35)には、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)が嵌り込む。
図4〜図6に示すように、補助リブ(32)は、第1連通用開口(22)に沿って延びる部分である。補助リブ(32)は、枠部(30)の裏面側に配置される。図10に示すように、補助リブ(32)の断面の形状は、扁平な長方形状である。補助リブ(32)の表(おもて)面は、隣り合う第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面(図10における上面)と、同一平面上に位置する。補助リブ(32)の裏面は、閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
第1フレーム(25)の枠部(30)では、外側リブ(33)が、枠部(30)の周縁に沿った外側部である。また、閉塞部(31)のうち外側リブ(33)よりも内側に位置する部分が、外側リブ(33)に沿った内側部(36)である。
〈第1内側リブ、第1保持リブ〉
図4〜図6に示すように、第1フレーム(25)は、第1内側リブ(40)と、第1保持リブ(41a,41b)とを備える。第1内側リブ(40)及び第1保持リブ(41a,41b)は、第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)に設けられる。
第1内側リブ(40)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1連通用開口(22)と交わる方向に延びる。本実施形態において、第1内側リブ(40)は、枠部(30)の第1連通用開口(22)が形成された辺から、その辺と実質的に直交する方向に延びる。第1内側リブ(40)の高さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい。
本実施形態の第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)には、四本の第1内側リブ(40)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。各端部エリア(27a,27b)において、四本の第1内側リブ(40)は、補助リブ(32)によって互いに連結される。各第1内側リブ(40)は、補助リブ(32)と一体に形成される。各第1内側リブ(40)の裏面は、補助リブ(32)の裏面と同一平面上に位置する。
第1保持リブ(41a,41b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1内側リブ(40)と実質的に直交する方向に延びる。第1保持リブ(41a,41b)は、隣り合う第1内側リブ(40)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第1保持リブ(41a,41b)は、第1流路(21)のうち隣り合う第1内側リブ(40)の間の部分を横断する。
図5,図6に示すように、隣り合う第1内側リブ(40)の間において、第1保持リブ(41a,41b)は、第1フレーム(25)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)は、その表(おもて)面が、第1内側リブ(40)及び閉塞部(31)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第1フレーム(25)の裏面側の第1保持リブ(41b)は、その裏面が、第1内側リブ(40)及び閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
第1保持リブ(41a,41b)は、後述する第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)に沿って設けられる。平面視において、各第1保持リブ(41a,41b)は、その全長に亘って、隣り合う第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)と重なり合う。また、第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)と、その裏面側の第1保持リブ(41b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
各第1保持リブ(41a,41b)の厚さは、第1内側リブ(40)の厚さの半分未満である。第1フレーム(25)の表面側の第1保持リブ(41a)と、その裏面側の第1保持リブ(41b)は、第1内側リブ(40)の厚さ方向において離れている。
〈第1流路内リブ、第1支持リブ〉
図4〜図6に示すように、第1フレーム(25)は、第1流路内リブ(45)と、第1支持リブ(46a,46b)とを備える。第1流路内リブ(45)及び第1支持リブ(46a,46b)は、第1フレーム(25)の中央エリア(26)に設けられる。
第1流路内リブ(45)は、真っ直ぐな棒状に形成され、中央エリア(26)の長辺と平行な方向に延びる。言い換えると、第1流路内リブ(45)は、一方の端部エリア(27a)から他方の端部エリア(27b)に向かって延びる。第1流路内リブ(45)の高さは、第1流路(21)の厚さと実質的に等しい。本実施形態の第1フレーム(25)の中央エリア(26)には、九本の第1流路内リブ(45)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。
図4に示すように、第1支持リブ(46a,46b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第1流路内リブ(45)と実質的に直交する方向に延びる。第1支持リブ(46a,46b)は、隣り合う第1流路内リブ(45)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第1支持リブ(46a,46b)は、第1流路(21)のうち隣り合う第1流路内リブ(45)の間の部分を横断する。
隣り合う第1流路内リブ(45)の間において、第1支持リブ(46a,46b)は、第1フレーム(25)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)は、その表(おもて)面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(31)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第1フレーム(25)の裏面側の第1支持リブ(46b)は、その裏面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(31)の裏面と同一平面上に位置する。
各第1支持リブ(46a,46b)の厚さは、第1流路内リブ(45)の厚さの半分未満である。第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)と、その裏面側の第1支持リブ(46b)は、第1流路内リブ(45)の厚さ方向において離れている。また、第1フレーム(25)の表面側の第1支持リブ(46a)と、その裏面側の第1支持リブ(46b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
−第2フレーム−
図7に示すように、第2フレーム(55)は、平面視で横長の八角形状に形成される。平面視における第2フレーム(55)の外形は、熱交換器(10)の端面の形状と実質的に同じである。第2フレーム(55)は、隣り合う仕切りシート(15)の間隔を保つ第2間隔保持部材である。
第2フレーム(55)には、一つの中央エリア(56)と、二つの端部エリア(57a,57b)とが形成される。中央エリア(56)は、横長の長方形状のエリアであって、図7の左右方向の中央に位置する。第2フレーム(55)において、端部エリア(57a,57b)は、中央エリア(56)の両側に一つずつ形成される。端部エリア(57a,57b)は、図7の左右方向における中央エリア(56)の側方に位置する台形状のエリアである。
〈枠部〉
第2フレーム(55)は、枠部(60)を備える。枠部(60)は、第2フレーム(55)の外周に沿って延びる部分であって、第2フレーム(55)の全周に亘って形成される。言い換えると、枠部(60)は、横長の八角形の枠状に形成される。枠部(60)は、第2フレーム(55)によって形成される第2流路(51)の周囲を囲う。また、枠部(60)は、仕切りシート(15)の周縁に沿っている。
第2フレーム(55)の枠部(60)には、二つの第2連通用開口(52)が形成される。各第2連通用開口(52)は、枠部(60)に囲まれた第2流路(51)を、枠部(60)の外側と連通させる。図7に示す枠部(60)において、一方の第2連通用開口(52)は、左側の端部エリア(57a)に位置する上向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第2流出口(52b)を構成する。また、図7に示す枠部(60)において、他方の第2連通用開口(52)は、右側の端部エリア(57b)に位置する下向きの斜辺のほぼ全長に亘って形成され、第2流入口(52a)を構成する。
図7〜図9に示すように、第2フレーム(55)の枠部(60)は、閉塞部(61)と、外側リブ(63)と、補助リブ(62)とを備える。外側リブ(63)は、その一部が凸条部(64)を構成する。閉塞部(61)には、凹条部(65)が形成される。
閉塞部(61)は、枠部(60)のうち第2連通用開口(52)が形成されていない六つの辺に沿って延びる。図10,図12に示すように、閉塞部(61)の断面の形状は、矩形の一つの角部を切り欠いた形状である。閉塞部(61)は、枠部(60)に囲まれた第2流路(51)を枠部(60)の外部から仕切る。閉塞部(61)の厚さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい。
図7に示すように、外側リブ(63)は、枠部(60)の外周に沿って延びる部分であって、枠部(60)の全周に亘って形成される。外側リブ(63)は、枠部(60)の八つの辺の全てに沿って形成される。外側リブ(63)は、閉塞部(61)の表(おもて)面側に配置され、閉塞部(61)と一体に形成される。
図10,図12に示すように、外側リブ(63)は、閉塞部(61)に隣接する部分が凸条部(64)を構成する。凸条部(64)は、閉塞部(61)の最外周縁に沿って延び、閉塞部(61)の表面から突出する。凸条部(64)の外周面は、閉塞部(61)の外周面と共に一つの平面を形成する。
図10,図12に示すように、凹条部(65)は、閉塞部(61)の裏面に開口する凹溝である。凹条部(65)は、閉塞部(61)の全長に亘って、閉塞部(61)の最外周縁に沿って形成される。凹条部(65)は、閉塞部(61)の外周面にも開口する。凹条部(65)の断面の形状は、第1フレーム(25)の凸条部(34)の断面に対応した形状である。第2フレーム(55)の凹条部(65)には、第1フレーム(25)の外側リブ(33)が嵌り込む。従って、第2フレーム(55)の凹条部(65)には、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)が嵌り込む。
図7〜図9に示すように、補助リブ(62)は、第2連通用開口(52)に沿って延びる部分である。補助リブ(62)は、枠部(60)の裏面側に配置される。図11に示すように、補助リブ(62)の断面の形状は、扁平な長方形状である。補助リブ(62)の表(おもて)面は、隣り合う第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面(図11における上面)と、同一平面上に位置する。補助リブ(62)の裏面は、閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
第2フレーム(55)の枠部(60)では、外側リブ(63)が、枠部(60)の周縁に沿った外側部である。また、閉塞部(61)のうち外側リブ(63)よりも内側に位置する部分が、外側リブ(63)に沿った内側部(66)である。
〈第2内側リブ、第2保持リブ〉
図7〜図9に示すように、第2フレーム(55)は、第2内側リブ(70)と、第2保持リブ(71a,71b)とを備える。第2内側リブ(70)及び第2保持リブ(71a,71b)は、第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)に設けられる。
第2内側リブ(70)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2連通用開口(52)と交わる方向に延びる。本実施形態において、第2内側リブ(70)は、枠部(60)の第2連通用開口(52)が形成された辺から、その辺と実質的に直交する方向に延びる。第2内側リブ(70)の高さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい。
本実施形態の第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)には、四本の第2内側リブ(70)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。各端部エリア(57a,57b)において、四本の第2内側リブ(70)は、補助リブ(62)によって互いに連結される。各第2内側リブ(70)は、補助リブ(62)と一体に形成される。各第2内側リブ(70)の裏面は、補助リブ(62)の裏面と同一平面上に位置する。
第2保持リブ(71a,71b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2内側リブ(70)と実質的に直交する方向に延びる。第2保持リブ(71a,71b)は、隣り合う第2内側リブ(70)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第2保持リブ(71a,71b)は、第2流路(51)のうち隣り合う第2内側リブ(70)の間の部分を横断する。
図8,図9に示すように、隣り合う第2内側リブ(70)の間において、第2保持リブ(71a,71b)は、第2フレーム(55)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)は、その表(おもて)面が、第2内側リブ(70)及び閉塞部(61)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第2フレーム(55)の裏面側の第2保持リブ(71b)は、その裏面が、第2内側リブ(70)及び閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
第2保持リブ(71a,71b)は、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)に沿って設けられる。平面視において、各第2保持リブ(71a,71b)は、その全長に亘って、隣り合う第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)と重なり合う。また、第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)と、その裏面側の第2保持リブ(71b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
各第2保持リブ(71a,71b)の厚さは、第2内側リブ(70)の厚さの半分未満である。第2フレーム(55)の表面側の第2保持リブ(71a)と、その裏面側の第2保持リブ(71b)は、第2内側リブ(70)の厚さ方向において離れている。
〈第2流路内リブ、第2支持リブ〉
図7〜図9に示すように、第2フレーム(55)は、第2流路内リブ(75)と、第2支持リブ(76a,76b)とを備える。第2流路内リブ(75)及第2支持リブ(76a,76b)は、第2フレーム(55)の中央エリア(56)に設けられる。
第2流路内リブ(75)は、真っ直ぐな棒状に形成され、中央エリア(56)の長辺と平行な方向に延びる。言い換えると、第2流路内リブ(75)は、一方の端部エリア(57a)から他方の端部エリア(57b)に向かって延びる。第2流路内リブ(75)の高さは、第2流路(51)の厚さと実質的に等しい。本実施形態の第2フレーム(55)の中央エリア(56)には、九本の第2流路内リブ(75)が、互いに平行な姿勢で、互いに概ね一定の間隔をおいて配置される。
図7に示すように、第2支持リブ(76a,76b)は、真っ直ぐな棒状に形成され、第2流路内リブ(75)と実質的に直交する方向に延びる。第2支持リブ(76a,76b)は、隣り合う第2流路内リブ(75)の一方から他方に亘って形成される。言い換えると、第2支持リブ(76a,76b)は、第2流路(51)のうち隣り合う第2流路内リブ(75)の間の部分を横断する。
隣り合う第2流路内リブ(75)の間において、第2支持リブ(76a,76b)は、第2フレーム(55)の表(おもて)面側と裏面側に一つずつ配置される。第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)は、その表(おもて)面が、第2流路内リブ(75)及び閉塞部(61)の表(おもて)面と同一平面上に位置する。第2フレーム(55)の裏面側の第2支持リブ(76b)は、その裏面が、第1流路内リブ(45)及び閉塞部(61)の裏面と同一平面上に位置する。
各第2支持リブ(76a,76b)の厚さは、第2流路内リブ(75)の厚さの半分未満である。第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)と、その裏面側の第2支持リブ(76b)は、第2流路内リブ(75)の厚さ方向において離れている。また、第2フレーム(55)の表面側の第2支持リブ(76a)と、その裏面側の第2支持リブ(76b)は、平面視において互いに重なり合わない位置に設けられる。
−外側隙間−
図10に示すように、第1フレーム(25)の外側リブ(33)のうち第1連通用開口(22)に臨む部分の高さH1aは、第2フレーム(55)の凹条部(65)の深さD2よりも小さい(H1a<D2)。また、図11に示すように、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)は、第2連通用開口(52)に臨む部分の高さH1bが、第2フレーム(55)の補助リブ(62)の厚さL2と仕切りシート(15)の厚さtの和(L2+t)よりも小さい(H1b<L2+t)。また、図13に示すように、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)は、主熱交換部(11)に位置する部分の高さH1cが、第2フレーム(55)の凹条部(65)の深さD2よりも小さい(H1c<D2)。
このため、熱交換器(10)では、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の表(おもて)面と、その表面側に位置する第2エレメント(50)との間に、外側隙間(81)が形成される。この外側隙間(81)の幅W(=D2−H1a=L2+t−H1b=D2−H1c)は、概ね0.1mm以上0.2mm以下程度である。
図11に示すように、第2フレーム(55)の外側リブ(63)のうち第2連通用開口(52)に臨む部分の高さH2aは、第1フレーム(25)の凹条部(65)の深さD1よりも小さい(H2a<D1)。また、図10に示すように、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)は、第1連通用開口(22)に臨む部分の高さH2bが、第1フレーム(25)の補助リブ(32)の厚さL1と仕切りシート(15)の厚さtの和(L1+t)よりも小さい(H2b<L1+t)。また、図13に示すように、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)は、主熱交換部(11)に位置する部分の高さH2cが、第1フレーム(25)の凹条部(65)の深さD1よりも小さい(H2c<D1)。
このため、熱交換器(10)では、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の表(おもて)面と、その表面側に位置する第1エレメント(20)との間に、外側隙間(81)が形成される。この外側隙間(81)の幅W(=D1−H2a=L1+t−H2b=D1−H2c)は、概ね0.1mm以上0.2mm以下程度である。
−接着層、被覆層−
図10,図11,図12に示すように、本実施形態の熱交換器(10)には、接着層(85)と被覆層(86)とが形成される。接着層(85)は、熱交換器(10)に形成された外側隙間(81)を埋める。被覆層(86)は、熱交換器(10)の外面を覆う。
後述するように、接着層(85)及び被覆層(86)とは、積層された第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の外面に塗布した接着剤を硬化させることによって形成される。接着層(85)と被覆層(86)は、同じ材質からなる一体の被膜である。
図10に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分において、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の表(おもて)面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第1フレーム(25)の表面側に位置する第2エレメント(50)と接合される。また、この部分において、第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第2フレーム(55)の表(おもて)面側に位置する第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)と接合される。
図11に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分において、第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第1フレーム(25)の表(おもて)面側に位置する第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)と接合される。また、この部分において、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の表(おもて)面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第2フレーム(55)の表面側に位置する第1エレメント(20)と接合される。
図12に示すように、熱交換器(10)の主熱交換部(11)において、第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第1フレーム(25)の表(おもて)面側に位置する第2エレメント(50)と接合される。また、この部分において、第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面は、その面に臨む外側隙間(81)を埋める接着層(85)によって、その第2フレーム(55)の表(おもて)面側に位置する第1エレメント(20)と接合される。
〈接着層および被覆層を形成する工程〉
接着層および被覆層を形成する工程について説明する。
熱交換器(10)の製造工程では、先ず、第1フレーム(25)に仕切りシート(15)を貼り付けて第1エレメント(20)を形成し、第2フレーム(55)に仕切りシート(15)を貼り付けて第2エレメント(50)を形成する工程が行われる。その後、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)を交互に積み重ねる積層工程が行われる。
図13に示すように、積層工程が終了した時点では、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の間に外側隙間(81)が形成される。上述したように、この外側隙間(81)は、各フレーム(25,55)の外側リブ(33,63)の表(おもて)面に臨む幅の狭い隙間である。また、この外側隙間(81)は、熱交換器(10)の外面に開口している。
積層工程が終了すると、塗布工程が行われる。塗布工程では、熱交換器(10)(言い換えると、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)を複数ずつ積み重ねて構成された組立体)の外面に、接着剤が塗布される。この接着剤は、紫外線を受けると硬化する樹脂を主成分とする。また、接着剤は、その粘度が比較的低い。接着剤の粘度は、例えば10〜2000mPa・s程度である。このため、熱交換器(10)の外面に塗布された接着剤は、毛管現象によって外側隙間(81)へ入り込む。
塗布工程が終了すると、硬化工程が行われる。硬化工程では、熱交換器(10)に塗布された接着剤に対して、紫外線が照射される。熱交換器(10)の外面に付着した接着剤は、紫外線を受けて硬化し、熱交換器(10)の外面を覆う被覆層(86)となる。外側隙間に入り込んだ接着剤は、紫外線を受けて硬化して接着層(85)となる。
塗布工程において用いられる接着剤には、抗菌成分と防カビ成分とが含まれている。このため、硬化工程によって形成された接着層(85)及び被覆層(86)には、抗菌成分と防カビ成分とが含まれる。
−仕切りシートの保持構造−
第1エレメント(20)では、第1フレーム(25)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。具体的に、第1フレーム(25)の枠部(30)では、閉塞部(31)の裏面と補助リブ(32)の裏面とに、仕切りシート(15)が接着される(図10〜図12を参照)。閉塞部(31)では、凹条部(35)の壁面に仕切りシート(15)が接着される。凹条部(35)の壁面は、仕切りシート(15)に覆われる。第1フレーム(25)の各端部エリア(27a,27b)では、第1内側リブ(40)と、裏面側の第1保持リブ(41b)とに、仕切りシート(15)が接着される。第1フレーム(25)の中央エリア(26)では、第1流路内リブ(45)と、裏面側の第1支持リブ(46b)とに、仕切りシート(15)が接着される。
第2エレメント(50)では、第2フレーム(55)の裏面に仕切りシート(15)が接着される。具体的に、第2フレーム(55)の枠部(60)では、閉塞部(61)の裏面と補助リブ(62)の裏面とに、仕切りシート(15)が接着される(図10〜図12を参照)。閉塞部(61)では、凹条部(65)の壁面に仕切りシート(15)が接着される。凹条部(65)の壁面は、仕切りシート(15)に覆われる。第2フレーム(55)の各端部エリア(57a,57b)では、第2内側リブ(70)と、裏面側の第2保持リブ(71b)とに、仕切りシート(15)が接着される。第2フレーム(55)の中央エリア(56)では、第2流路内リブ(75)と、裏面側の第2支持リブ(76b)とに、仕切りシート(15)が接着される。
熱交換器(10)では、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)が複数ずつ交互に積層される。各エレメント(20,50)の仕切りシート(15)は、隣り合う第1フレーム(25)と第2フレーム(55)に挟まれる。
〈副熱交換部における保持構造(1)〉
図10に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分において、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の補助リブ(32)と、第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)とによって挟み込まれる。従って、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)の表(おもて)面が密着する。
また、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第1連通用開口(22)が形成された部分において、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)と、第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)とによって挟み込まれる。従って、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)の表(おもて)面が密着する。
上述したように、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の間には、外側隙間(81)が形成される。また、熱交換器(10)では、外側隙間(81)を埋めるように接着層(85)が形成される。図10に示すように、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、凹条部(65)を覆う部分が接着層(85)を介して第1フレーム(25)の外側リブ(33)と接着される。また、第2フレーム(55)の外側リブ(63)の一部である凸条部(64)は、接着層(85)を介して第1フレーム(25)の第1内側リブ(40)と接着される。
〈副熱交換部における保持構造(2)〉
図11に示すように、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分において、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、第1フレーム(25)の閉塞部(61)の内側部(36)と、第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)とによって挟み込まれる。従って、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)の表(おもて)面が密着する。
また、熱交換器(10)の副熱交換部(12a,12b)の第2連通用開口(52)が形成された部分において、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、第2フレーム(55)の補助リブ(62)と、第1フレーム(25)の閉塞部(31)の内側部(36)とによって挟み込まれる。従って、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第1フレーム(25)の閉塞部(31)の内側部(36)の表(おもて)面が密着する。
上述したように、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の間には、外側隙間(81)が形成される。また、熱交換器(10)では、外側隙間(81)を埋めるように接着層(85)が形成される。図11に示すように、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)は、凹条部(35)を覆う部分が接着層(85)を介して第2フレーム(55)の外側リブ(63)と接着される。また、第1フレーム(25)の外側リブ(33)の一部である凸条部(34)は、接着層(85)を介して第2フレーム(55)の第2内側リブ(70)と接着される。
〈主熱交換部における保持構造〉
図12に示すように、各仕切りシート(15)は、第1フレームの閉塞部(31)の内側部(36)と、第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)とによって挟み込まれる。具体的に、第1フレーム(25)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第2フレーム(55)の閉塞部(61)の内側部(66)の表(おもて)面が密着する。また、第2フレーム(55)の裏面に接着された仕切りシート(15)には、その裏面側に位置する第1フレーム(25)の閉塞部(31)の内側部(36)の表(おもて)面が密着する。
上述したように、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の間には、外側隙間(81)が形成される。
具体的に、第1フレーム(25)の凸条部(34)の突端面と、その第1フレーム(25)の表面側に位置する第2エレメント(50)の仕切りシート(15)との間に、外側隙間(81)が形成される。従って、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)のうち、第2エレメント(50)の凹条部(65)の壁面を覆う部分は、第1フレーム(25)の凸条部(34)と接しない。一方、外側隙間(81)には、接着層(85)が形成される。そして、第2エレメント(50)の仕切りシート(15)のうち凹条部(65)の壁面を覆う部分は、接着層(85)を介して第1フレーム(25)の凸条部(34)と接着される。
また、第2フレーム(55)の凸条部(64)の突端面と、その第2フレーム(55)の表面側に位置する第1エレメント(20)の仕切りシート(15)との間に、外側隙間(81)が形成される。従って、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)のうち、第1エレメント(20)の凹条部(35)の壁面を覆う部分は、第2フレーム(55)の凸条部(64)と接しない。一方、外側隙間(81)には、接着層(85)が形成される。そして、第1エレメント(20)の仕切りシート(15)のうち凹条部(35)の壁面を覆う部分は、接着層(85)を介して第2フレーム(55)の凸条部(64)と接着される。
−実施形態1の特徴(1)−
本実施形態の熱交換器(10)は、平坦なシート状の複数の仕切りシート(15)と、仕切りシート(15)と交互に積層されて隣り合う仕切りシート(15)の間隔を保持するフレーム(25,55)とを備える。この熱交換器(10)では、仕切りシート(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成される。
フレーム(25,55)は、仕切りシート(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有する。枠部(30,60)は、枠部(30,60)の周縁に沿った外側リブ(33,63)と、外側リブ(33,63)の内側に位置して外側リブ(33,63)に沿った内側部(36,66)とを有する。枠部(30,60)の内側部(36,66)は、内側部(36,66)の隣に位置するフレーム(25,55)との間に仕切りシート(15)を挟んで保持する。枠部(30,60)の外側リブ(33,63)と、外側リブ(33,63)の隣に位置するフレーム(25,55)との間には、外側隙間(81)が形成される。
本実施形態の熱交換器(10)では、仕切りシート(15)の周縁に沿った枠部(30,60)に、外側リブ(33,63)と内側部(36,66)とが設けられる。熱交換器(10)では、各仕切りシート(15)の外側リブ(33,63)と、その外側リブ(33,63)の隣に位置するフレーム(25,55)との間に、外側隙間(81)が形成される。また、熱交換器(10)では、各仕切りシート(15)の内側部(36,66)が、その内側部(36,66)の隣に位置するフレーム(25,55)との間に仕切りシート(15)を挟んで保持する。その結果、フレーム(25,55)の枠部(30,60)と仕切りシート(15)との間がシールされ、熱交換器(10)の気密性が向上する。
上述したように、フレーム(25,55)は、射出成形によって形成された樹脂製の部材である。射出成形によって扁平な形状の部材を成形する場合は、その部材の外縁に近い部分ほど寸法精度が低くなる傾向がある。従って、本実施形態のフレーム(25,55)では、枠部(30,60)の寸法精度が低くなるおそれがある。
枠部(30,60)の寸法精度が低いと、枠部(30,60)の全体を隣に位置するエレメント(20,50)と密着させるのが困難となり、隣り合うエレメント(20,50)の間に隙間ができ、熱交換器(10)の気密性が低下するおそれがある。隣り合うエレメント(20,50)の間に隙間ができると、その隙間を通って第1流路(21)又は第2流路(51)から空気が漏れ出し、あるいは、その隙間を通って第1流路(21)又は第2流路(51)へ空気が流入する。
これに対し、本実施形態のフレーム(25,55)では、寸法精度が比較的低い枠部(30,60)の外周寄りに位置する外側リブ(33,63)の高さを、外側リブ(33,63)の隣に位置するエレメント(20,50)との間に外側隙間(81)が形成されるような値に設定している。また、本実施形態のフレーム(25,55)では、寸法精度が比較的高い枠部(30,60)の内周寄りに位置する内側部(36,66)の高さを、その内側部(36,66)が隣に位置するエレメント(20,50)と密着するような値に設定している。
このため、本実施形態の熱交換器(10)では、隣り合うエレメント(20,50)の間のシール性を高め、熱交換器(10)の気密性を高めることができる。その結果、正規の経路以外の経路を通って空気の流路(21,51)から漏出し、又は空気の流路(21,51)へ侵入する空気の量を抑えることができる。
−実施形態1の特徴(2)−
本実施形態の熱交換器(10)は、接着層(85)を備える。接着層(85)は、外側隙間(81)を埋めるように設けられ、枠部(30,60)の外側リブ(33,63)を、その外側リブ(33,63)の隣に位置するフレーム(25,55)に接着する。
本実施形態の熱交換器(10)では、外側隙間(81)を埋めるように設けられた接着層(85)によって、隣り合うフレーム(25,55)が互いに接着される。また、外側隙間(81)が接着層(85)によって埋められるため、熱交換器(10)の気密性が向上し、その結果、正規の経路以外の経路を通って空気の流路(21,51)から漏出し、または空気の流路(21,51)へ侵入する空気の量が抑えられる。
−実施形態1の特徴(3)−
本実施形態の熱交換器(10)は、被覆層(86)を備える。被覆層(86)は、接着層(85)と同じ材質からなり、接着層(85)に連続して形成されて熱交換器(10)の外面を覆う。
本実施形態の熱交換器(10)は、その外面が接着層(85)によって覆われる。このため、積層された各エレメント(20,50)の間のシール性が向上し、熱交換器(10)の気密性が向上するため、正規の経路以外の経路を通って空気の流路(21,51)から漏出し、または空気の流路(21,51)へ侵入する空気の量が抑えられる。
上述したように、本実施形態の熱交換器(10)は、換気装置に設けられる。換気装置の保守作業では、熱交換器(10)を換気装置から取り外し、又は換気装置に取り付ける作業が行われる。その際に、熱交換器(10)の外面は、換気装置に設けられたガイドレール等に擦れる。このため、換気装置に対する熱交換器(10)の着脱を繰り返すと、熱交換器(10)の外面が摩耗し、各エレメント(20,50)の間のシール性が低下するおそれがあった。
これに対し、本実施形態の熱交換器(10)は、その外面が接着層(85)によって覆われる。このため、熱交換器(10)の外面が接着層(85)によって保護され、熱交換器(10)の外面の摩耗が抑えられる。従って、本実施形態によれば、熱交換器(10)の耐久性と信頼性を高めることができる。また、熱交換器(10)の外面の摩擦係数を低減でき、熱交換器(10)の換気装置に対する着脱作業を容易にすることができる。
−実施形態1の特徴(4)−
本実施形態の熱交換器(10)において、接着層(85)は、紫外線を受けて硬化する接着剤によって構成される。
本実施形態の熱交換器(10)では、外側隙間(81)に入り込んだ接着剤が紫外線を受けて硬化することによって、接着層(85)が形成される。このため、接着剤が硬化する速度を適切に制御することが容易となり、接着層(85)を確実に形成することができる。
−実施形態1の特徴(5)−
本実施形態の熱交換器(10)において、接着層(85)は、抗菌成分と防カビ成分とを含む。
本実施形態の熱交換器(10)では、熱交換器(10)における細菌とカビの繁殖を抑えることができ、熱交換器(10)を清潔に保つことができる。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態の熱交換器(10)は、実施形態1の熱交換器(10)において、第1フレーム(25)及び第2フレーム(55)を変更したものである。ここでは、本実施形態の熱交換器(10)について、実施形態1の熱交換器(10)と異なる点を説明する。
−位置決め突起、位置決め孔−
図14に示すように、第1フレーム(25)と第2フレーム(55)のそれぞれには、位置決め突起(37,67)と、位置決め孔(38,68)とが形成される。各フレーム(25,55)において、位置決め突起(37,67)及び位置決め孔(38,68)は、閉塞部(31,61)のうち主熱交換部(11)を構成する部分に複数ずつ形成される。また、位置決め突起(37,67)及び位置決め孔(38,68)は、閉塞部(31,61)のうち内側部(36,66)を構成する部分に形成される。
位置決め突起(37,67)は、閉塞部(31,61)の裏面から突出する円柱状の突起である。位置決め孔(38,68)は、閉塞部(31,61)の表(おもて)面に開口する円柱状の窪みである。位置決め孔(38,68)は、内径が位置決め突起(37,67)の外形よりも僅かに大きく、深さが位置決め突起(37,67)の長さよりも長い。
各フレーム(25,55)の閉塞部(31,61)に複数ずつ形成された位置決め突起(37,67)と位置決め孔(38,68)は、一つずつが対になる。対になった位置決め突起(37,67)と位置決め孔(38,68)は、それぞれの中心軸が実質的に一致するように、図14における上下に並んで配置される。第1エレメント(20)と第2エレメント(50)を積層した状態では、第1フレーム(25)の位置決め突起(37)が第2フレーム(55)の位置決め孔(68)に嵌まり込み、第2フレーム(55)の位置決め突起(67)が第1フレーム(25)の位置決め孔(38)に嵌まり込むことによって、第1エレメント(20)と第2エレメント(50)の相対的な位置が定まる。
−導入用窪み、接着層−
各フレーム(25,55)の閉塞部(31,61)では、内側部(36,66)を構成する部分の表(おもて)面に、導入用窪み(82)が形成される。導入用窪み(82)は、深さが概ね0.1mm〜0.2mm程度の浅くて平坦な窪みである。導入用窪み(82)は、凸条部(34,64)から位置決め孔(38,68)に亘る領域に形成される。
上述したように、熱交換器(10)の製造工程の塗布工程では、積層された第1エレメント(20)及び第2エレメント(50)の外面に接着剤が塗布される。熱交換器(10)に塗布された接着剤は、毛管現象によって外側隙間(81)へ入り込み、更には導入用窪み(82)にも毛管現象によって入り込む。その結果、外側隙間(81)と導入用窪み(82)とは、実質的に接着剤で満たされた状態となる。
塗布工程に続く硬化工程において熱交換器(10)に紫外線が照射されると、外側隙間(81)及び導入用窪み(82)を満たす接着剤が硬化して接着層(85)になる。このため、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)は、外側隙間(81)と導入用窪み(82)とのそれぞれを埋めるように形成された接着層(85)によって接着される。また、各位置決め突起(37,67)の根元付近の部分が接着層(85)によって囲まれるため、隣り合う第1エレメント(20)と第2エレメント(50)が接着層(85)によって確実にシールされる。
−実施形態2の特徴−
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の枠部(30,60)には、位置決め突起(37,67)と、位置決め孔(38,68)とが形成される。位置決め突起(37,67)は、仕切りシート(15)の積層方向の一方の面から突出する。位置決め孔(38,68)は、仕切りシート(15)の積層方向の他方の面に開口する。また、位置決め孔(38,68)は、その位置決め孔(38,68)が形成された枠部(30,60)の隣に位置するフレーム(25,55)の位置決め突起(37,67)が嵌り込む。
本実施形態の熱交換器(10)において、フレーム(25,55)の枠部(30,60)は、位置決め突起(37,67)と、その位置決め突起(37,67)が形成された面とが、その位置決め突起(37,67)が嵌まり込む位置決め孔(38,68)が形成されたフレーム(25,55)に、接着層(85)によって接着される。
本実施形態の熱交換器(10)において、 各フレーム(25,55)の位置決め突起(37,67)は、そのフレーム(25,55)の隣に位置するフレーム(25,55)の位置決め孔(38,68)に入り込む。このことによって、隣り合うフレーム(25,55)同士の相対的な位置が定まる。各フレーム(25,55)の位置決め突起(37,67)は、そのフレーム(25,55)の隣に位置するフレーム(25,55)と接着層(85)によって接着される。
《その他の実施形態》
上記の各実施形態の熱交換器(10)については、次のような変形例を適用してもよい。なお、以下の変形例は、熱交換器(10)の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
上記の各実施形態の熱交換器(10)では、仕切りシート(15)がフレーム(25,55)に接着されていなくてもよい。この場合、仕切りシート(15)は、その両隣に位置する第1フレーム(25)と第2フレーム(55)に挟まれて保持される。
上記の各実施形態の熱交換器(10)は、給気と排気の間で顕熱だけを交換させる顕熱交換器であってもよい。この場合、熱交換器(10)の仕切りシート(15)は、透湿性が低い、あるいは透湿性が全く無い材料(例えば、樹脂フィルムや薄板状の金属)で構成される。
上記の各実施形態の熱交換器(10)の形状は、八角柱状に限定されない。これらの熱交換器(10)の形状は、例えば六角柱状であってもよいし、四角柱状であってもよい。熱交換器(10)が六角柱状である場合、その熱交換器(10)の平面図(図2に対応する図)において、各副熱交換部(12a,12b)は、三角形状となる。
上記の各実施形態の熱交換器(10)において、接着層(85)及び被覆層(86)を形成するために用いられる接着剤は、水性エマルジョン系の接着剤でもよい。例えば、被覆層(86)の硬度がそれほど高くなくてもよい場合は、水性エマルジョン系の接着剤を用いて接着層(85)及び被覆層(86)を形成してもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、熱交換器について有用である。
10 熱交換器
15 仕切りシート(仕切り部材)
21 第1流路
25 第1フレーム(間隔保持部材)
30 枠部
33 外側リブ(外側部)
36 内側部
37 位置決め突起
38 位置決め孔
51 第2流路
55 第2フレーム(間隔保持部材)
60 枠部
63 外側リブ(外側部)
66 内側部
67 位置決め突起
68 位置決め孔
81 外側隙間
85 接着層
86 被覆層

Claims (6)

  1. 平坦なシート状の複数の仕切り部材(15)と、
    上記仕切り部材(15)と交互に積層されて隣り合う上記仕切り部材(15)の間隔を保持する間隔保持部材(25,55)とを備え、
    上記仕切り部材(15)を挟んで第1流路(21)と第2流路(51)とが交互に形成された熱交換器であって、
    上記間隔保持部材(25,55)は、上記仕切り部材(15)の周縁に沿った枠部(30,60)を有し、
    上記枠部(30,60)は、該枠部(30,60)の周縁に沿った外側部(33,63)と、該外側部(33,63)の内側に位置して上記外側部(33,63)に沿った内側部(36,66)とを有し、
    上記枠部(30,60)の上記内側部(36,66)は、該内側部(36,66)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に上記仕切り部材(15)を挟んで保持し、
    上記枠部(30,60)の上記外側部(33,63)と該外側部(33,63)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)との間に外側隙間(81)が形成される
    ことを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1において、
    上記外側隙間(81)を埋めるように設けられ、上記枠部(30,60)の上記外側部(33,63)を該外側部(33,63)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)に接着する接着層(85)を備える
    ことを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項2において、
    上記接着層(85)と同じ材質からなり、上記接着層(85)に連続して形成されて上記熱交換器(10)の外面を覆う被覆層(86)を備える
    ことを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項2又は3において、
    上記接着層(85)は、紫外線を受けて硬化する接着剤によって構成される
    ことを特徴とする熱交換器。
  5. 請求項2又は3において、
    上記接着層(85)は、抗菌成分と防カビ成分とを含む
    ことを特徴とする熱交換器。
  6. 請求項2乃至5のいずれか一つにおいて、
    上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)には、
    上記仕切り部材(15)の積層方向の一方の面から突出する位置決め突起(37,67)と、
    他方の面に開口して上記枠部(30,60)の隣に位置する上記間隔保持部材(25,55)の上記位置決め突起(37,67)が嵌り込む位置決め孔(38,68)とが形成され、
    上記間隔保持部材(25,55)の上記枠部(30,60)は、上記位置決め突起(37,67)と該位置決め突起(37,67)が形成された面とが、上記位置決め突起(37,67)が嵌まり込む上記位置決め孔(38,68)が形成された上記間隔保持部材(25,55)に、上記接着層(85)によって接着される
    ことを特徴とする熱交換器。
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